1 00:00:02,603 --> 00:00:05,572 ようござんすか。 ようござんすね。 2 00:00:05,572 --> 00:00:07,674 入ります。 3 00:00:10,978 --> 00:00:12,913 (合力)さあ 張った張った! 4 00:00:12,913 --> 00:00:14,915 丁! 丁! 丁! 5 00:00:16,783 --> 00:00:18,986 半方ないか⁉ 半方ないか⁉ 6 00:00:24,157 --> 00:00:26,793 半!! っ…。 7 00:00:26,793 --> 00:00:29,696 ⚟(合力)丁半出そろいました! 8 00:00:29,696 --> 00:00:32,699 うぅっ! 半出ろ半出ろ…! 9 00:00:35,102 --> 00:00:37,404 ⚟(壺振り)四二の丁! ひいッ! 10 00:00:40,240 --> 00:00:42,943 ⚟(合力)都合五十両の負けだ。 11 00:00:42,943 --> 00:00:45,212 どーすんですか若ぁー! 12 00:00:45,212 --> 00:00:49,650 もう着物も刀も預けちゃって 何もないじゃないですか! 13 00:00:49,650 --> 00:00:52,452 さあ若さま どうやって払う。 14 00:00:52,452 --> 00:00:58,292 あんたがよけりゃ たんまり稼げる所を 紹介してやるが? ッククク…。 15 00:00:58,292 --> 00:01:01,094 (男たちの笑い声) 16 00:01:01,094 --> 00:01:03,397 いや 心配には及ばない。 17 00:01:04,965 --> 00:01:07,067 こいつを置いていく。 18 00:01:12,205 --> 00:01:15,042 鬼~!!! 19 00:01:15,042 --> 00:01:28,989 ♬~ 20 00:01:28,989 --> 00:01:32,826 ♬「羽を伸ばしてふらふら」 21 00:01:32,826 --> 00:01:37,497 ♬「うつけてみたいや 何も考えたくない」 22 00:01:37,497 --> 00:01:39,433 ♬「疲れてしまったよ」 23 00:01:39,433 --> 00:01:43,103 ♬「羽目をはずして ぐだぐた」 24 00:01:43,103 --> 00:01:48,809 ♬「流石に昨日はちょっと 遊びすぎたかもな」 25 00:01:48,809 --> 00:01:53,413 ♬「カァカァ烏合の衆 文句ばっかりじゃない?」 26 00:01:53,413 --> 00:01:58,852 ♬「で何?やっかみ?優雅に壊してくる」 27 00:01:58,852 --> 00:02:06,093 ♬「平気な顔で躊躇いなく嘘をつく」 28 00:02:06,093 --> 00:02:09,963 ♬「騙し合い 悲しくなった」 29 00:02:09,963 --> 00:02:13,500 ♬「まだ青く不確かな」 30 00:02:13,500 --> 00:02:19,773 ♬「飾らない僕にも 変わらない愛を」 31 00:02:19,773 --> 00:02:23,777 ♬「目的地が分からない」 32 00:02:23,777 --> 00:02:29,016 ♬「運命的な出会いがしたい」 33 00:02:29,016 --> 00:02:34,888 ♬「どうせなら遠回りもしたい」 34 00:02:34,888 --> 00:02:43,697 ♬~ 35 00:02:46,299 --> 00:02:54,107 (釘を打つ音) 36 00:02:56,109 --> 00:02:58,245 ⚟(男)雪哉。 37 00:02:58,245 --> 00:03:00,180 それが終わったら賭場の掃除だ。 38 00:03:00,180 --> 00:03:02,449 はい。 で 掃除が終わったら…。 39 00:03:02,449 --> 00:03:06,219 はいはい 宿の布団干しですよね。 40 00:03:06,219 --> 00:03:09,222 分かってたら もたもたスンな! 41 00:03:09,222 --> 00:03:12,592 雪ちゃん頑張ってェ! ハーイ! 42 00:03:12,592 --> 00:03:15,796 (釘を打つ音) 43 00:03:15,796 --> 00:03:17,731 よく働くねぇ…。➡ 44 00:03:17,731 --> 00:03:21,635 質草にしとくのは もったいないって 男衆が言ってるよ。 45 00:03:24,271 --> 00:03:26,707 けど もうひと月半だよ。➡ 46 00:03:26,707 --> 00:03:30,811 あの子やっぱり 若さまに 捨てられちゃったんじゃないかねえ。 47 00:03:35,449 --> 00:03:37,784 よっ。 48 00:03:37,784 --> 00:03:39,986 精が出るな。 ん⁉ 49 00:03:42,622 --> 00:03:45,659 ようやく金策のめどがついた。 50 00:03:45,659 --> 00:03:48,161 ずいぶん待たせてしまったな。 51 00:03:48,161 --> 00:03:51,598 わ… 若…! 52 00:03:51,598 --> 00:03:54,501 若ぁ~ッ! 53 00:03:54,501 --> 00:03:56,470 ハッ ハッ ハッ フッ…! 54 00:03:56,470 --> 00:03:58,472 ~~っ!! 55 00:03:58,472 --> 00:04:00,774 うっ! う… わぁっ! 56 00:04:02,342 --> 00:04:04,344 く… くっそ~…。 57 00:04:14,888 --> 00:04:19,459 殿下 一体どこへ向かってんですか。 58 00:04:19,459 --> 00:04:23,864 さっきから 延々登ってるんですけど。 59 00:04:23,864 --> 00:04:26,366 いいかげん疲れて…。 着いたぞ。 60 00:04:32,405 --> 00:04:34,808 (扉を叩く音) 61 00:04:41,148 --> 00:04:43,650 よぉ。 お帰りなさいませ。 62 00:04:46,887 --> 00:04:50,524 ここは? (澄尾) 哨月楼の地下室だよ。 63 00:04:50,524 --> 00:04:53,093 楼主に頼んで開けておいてもらったんだ。 64 00:04:53,093 --> 00:04:55,061 じゃあ 花街ですか? 65 00:04:55,061 --> 00:04:58,999 賭場のある谷間から こんなとこまで続いてたんだ。 66 00:04:58,999 --> 00:05:04,738 あのような隧道が この中央山には 蟻の巣のごとく走っている。 67 00:05:04,738 --> 00:05:10,510 出入り口は大抵 野山の藪に隠されるか 寺や屋敷の地下室につながってーー。 68 00:05:10,510 --> 00:05:14,381 ははぁ つまり抜け道ですね。 69 00:05:14,381 --> 00:05:17,784 夜な夜なお忍びで出かける宮烏サマの。 70 00:05:19,986 --> 00:05:24,691 噂じゃ 迷って 野たれ死んだ奴が山ほどいるって話だ。 71 00:05:24,691 --> 00:05:27,227 お前も使う時は気をつけろよ。 72 00:05:27,227 --> 00:05:29,162 ぇ~…。 73 00:05:29,162 --> 00:05:33,033 ところで雪哉 私も反省したのだ。 74 00:05:33,033 --> 00:05:36,903 お前には苦労をかけてしまった。 えっ いえ そんな…。 75 00:05:36,903 --> 00:05:40,106 今日は その労をねぎらおうと思う。 76 00:05:40,106 --> 00:05:42,576 楼主 今夜は総仕舞だ。 77 00:05:42,576 --> 00:05:44,811 かしこまりました。 78 00:05:44,811 --> 00:05:46,746 きれいどころを全て集めて…。 79 00:05:46,746 --> 00:05:48,949 そういうのいいですから! 80 00:05:55,455 --> 00:05:57,924 つい先日のことです。 81 00:05:57,924 --> 00:06:03,530 谷間の遊女宿に 妙に場違いな一行が連れ立って来て。 82 00:06:03,530 --> 00:06:06,633 どいてどいて! わっ! ぁ…。 83 00:06:08,902 --> 00:06:12,539 (遊女)失礼しちゃうわよね あたしを指名しときながら➡ 84 00:06:12,539 --> 00:06:15,242 お酌はいらないっていうんだから。 ⚟(床がきしむ音) 85 00:06:26,586 --> 00:06:30,991 「長束派」というのを お前は聞いたことがあるか? 86 00:06:32,926 --> 00:06:37,330 <そうか これは… 長束派の会合だ> 87 00:06:42,035 --> 00:06:48,275 (脇息を指で叩く音) 88 00:06:48,275 --> 00:06:50,210 (ざわめき) 89 00:06:50,210 --> 00:06:54,714 (脇息を指で叩く音) 90 00:07:01,955 --> 00:07:05,659 あの… 路近殿…。 91 00:07:05,659 --> 00:07:08,428 フゥー…。 92 00:07:08,428 --> 00:07:11,064 (宮烏)せめて お聞かせ願えませぬか。 93 00:07:11,064 --> 00:07:13,967 我々が ここに集められたわけを。 94 00:07:13,967 --> 00:07:18,638 言い訳したい者は名乗り出ろと 言われましても 何のことやら…。 95 00:07:18,638 --> 00:07:23,243 今日の会合を 長束さまは ご存じなのですか? 96 00:07:23,243 --> 00:07:25,945 長束さまには伝えておらぬ。 97 00:07:25,945 --> 00:07:28,248 お伝えする価値もない…。 98 00:07:28,248 --> 00:07:32,118 なぜなら今日の目的は 腐った根っこを引き抜いて➡ 99 00:07:32,118 --> 00:07:37,357 皆の前に さらしものにする ただそれだけだからな。 100 00:07:37,357 --> 00:07:39,759 そうだな? 和満。 101 00:07:42,095 --> 00:07:44,064 <…和満⁉> 102 00:07:44,064 --> 00:07:48,001 これでお前が 若宮の側仕えになる話は取り消しだ! 103 00:07:48,001 --> 00:07:50,503 あんなに苦労して手に入れたのに…! 104 00:07:52,272 --> 00:07:55,175 <和磨の父親が長束派…?➡ 105 00:07:55,175 --> 00:07:58,078 なぜ北家系列の宮烏が…?➡ 106 00:07:58,078 --> 00:08:02,082 長束派は南家が中心と聞いていたのに> 107 00:08:02,082 --> 00:08:05,418 な… 何をおっしゃいます 路近殿。 ⚟(路近の足音) 108 00:08:05,418 --> 00:08:07,854 一か月半前➡ 109 00:08:07,854 --> 00:08:11,725 賊を使って 若宮殿下を暗殺しようと企んだな。 110 00:08:11,725 --> 00:08:13,793 うっ…。 111 00:08:13,793 --> 00:08:17,063 そして無様にも失敗した。 112 00:08:17,063 --> 00:08:22,335 まぁ百歩譲って 長束さまのために 行動を起こしたとしてもだ➡ 113 00:08:22,335 --> 00:08:27,173 それでは拭いきれぬ 致命的な誤りを貴様は犯した。 114 00:08:27,173 --> 00:08:31,111 な 何のことやら わたくしは何も知りませぬ! 115 00:08:31,111 --> 00:08:35,014 そもそも殿下が襲撃された などというのも初耳。 116 00:08:35,014 --> 00:08:37,784 失礼仕る! 117 00:08:37,784 --> 00:08:39,786 ぬっ…。 118 00:08:41,454 --> 00:08:45,792 ぐぁッ! あまりなめてくれるなよ 和満。 119 00:08:45,792 --> 00:08:48,228 証拠は挙がっているのだ。 120 00:08:48,228 --> 00:08:52,098 貴様 賊に毒を飲ませただろう。➡ 121 00:08:52,098 --> 00:08:56,936 景気づけにと 襲撃直前のふるまい酒の中に入れて。 122 00:08:56,936 --> 00:09:00,807 その中に一人だけ下戸がいたのだ。 なっ…! 123 00:09:00,807 --> 00:09:03,543 (路近)そいつは酒を飲まなかった。➡ 124 00:09:03,543 --> 00:09:07,747 だが仲間が次々と倒れるのを見て すっかり震え上がり➡ 125 00:09:07,747 --> 00:09:11,317 保護を求めて寺に逃げ込んだ その寺が➡ 126 00:09:11,317 --> 00:09:14,220 なんと明鏡院だったのよ。 127 00:09:14,220 --> 00:09:20,427 もし賊が逃げ込んだ先が 若宮の息の かかった所であれば どうなっていた? 128 00:09:20,427 --> 00:09:23,997 そいつは生きた証拠となり お前をたどって➡ 129 00:09:23,997 --> 00:09:26,866 その累は長束さまにまで及ぶだろう。 130 00:09:26,866 --> 00:09:29,836 その時 貴様はどう責任をとるつもりだ? 131 00:09:29,836 --> 00:09:32,672 わ わたくしは… わたくしは…。 132 00:09:32,672 --> 00:09:34,641 何度も言っていたはずだ。 133 00:09:34,641 --> 00:09:37,644 うぐっ…! 決して早まってはいけない。 134 00:09:37,644 --> 00:09:41,247 そして どうせやるなら うまくやれと。 135 00:09:41,247 --> 00:09:43,583 ぐぇ… う゛ぇぇッ! 136 00:09:43,583 --> 00:09:45,552 ぐぁ… がっ…。 137 00:09:45,552 --> 00:09:47,554 ぁ あ…! 138 00:09:49,355 --> 00:09:51,691 ⚟(ふすまの開く音) 139 00:09:51,691 --> 00:09:54,661 何をしているのです⁉ 140 00:09:54,661 --> 00:09:56,996 和満殿! 大丈夫ですか? 141 00:09:56,996 --> 00:09:59,966 ハァッ… ハッ… ハッ…。 142 00:09:59,966 --> 00:10:03,970 <あの宮烏は 確か長束さまの側近ーー> 143 00:10:06,673 --> 00:10:09,576 敦房 姿が見えぬゆえ➡ 144 00:10:09,576 --> 00:10:13,546 何かやましいことでもあって 隠れているのかと思ったわ。 145 00:10:13,546 --> 00:10:16,349 正気の沙汰とは思えませぬ。 146 00:10:16,349 --> 00:10:20,620 このことが北家に知られたら 完全に我らの敵に回りますよ! 147 00:10:20,620 --> 00:10:24,491 阿呆 それゆえ内密にやっているのだ。 148 00:10:24,491 --> 00:10:27,927 護衛の あなたに その権限がおありかどうか➡ 149 00:10:27,927 --> 00:10:30,530 あの方に 判断していただくしかありません。 150 00:10:30,530 --> 00:10:32,532 ッ⁉ 151 00:10:38,204 --> 00:10:40,206 (宮烏たちのどよめき) ハッ…! 152 00:10:42,942 --> 00:10:45,845 一体何の騒ぎだ 路近。 153 00:10:45,845 --> 00:10:48,181 これは長束さま。 154 00:10:48,181 --> 00:10:52,919 例の件で下手をやらかした者に 事情を聞いていただけでございます。 155 00:10:52,919 --> 00:10:55,355 ご心配には及びません。 156 00:10:55,355 --> 00:10:58,291 路近殿は あなたさまの ハッ ハッ…。御威光をかさに➡ 157 00:10:58,291 --> 00:11:01,160 暴虐の限りを 尽くしております。 158 00:11:01,160 --> 00:11:05,131 北家を味方につけるため 長束さまがご尽力されていることも➡ 159 00:11:05,131 --> 00:11:07,867 全て水泡に帰して しまうやもしれません。 160 00:11:07,867 --> 00:11:09,802 いや それどころかーー! 161 00:11:09,802 --> 00:11:14,641 長束さま 私があなたのために これまで力を尽くしてきたことは➡ 162 00:11:14,641 --> 00:11:16,976 あなたも よくご存じのはずだ。 163 00:11:16,976 --> 00:11:18,978 …。 164 00:11:18,978 --> 00:11:21,681 私を信じていただけませんか。 165 00:11:25,618 --> 00:11:27,554 …よかろう。 166 00:11:27,554 --> 00:11:29,856 っ⁉ フッ…。 167 00:11:38,197 --> 00:11:40,166 ヒッ! 168 00:11:40,166 --> 00:11:43,703 和満。 私は不思議でならないのだ。 169 00:11:43,703 --> 00:11:48,541 お前のような小心者が こんな大それたことをするのかと。 170 00:11:48,541 --> 00:11:51,444 もしや誰かに 入れ知恵されたのではないか? 171 00:11:51,444 --> 00:11:53,379 いいえ… いいえ! 172 00:11:53,379 --> 00:11:56,382 吐け和満! ヒィッ! 173 00:11:56,382 --> 00:12:00,153 わたくしはただ 若宮さえいなくなればと…。 174 00:12:00,153 --> 00:12:05,491 長束さまが次の金烏になられる… 純粋に そのお手伝いをと…。 175 00:12:05,491 --> 00:12:10,463 長束さまのお名前を使い 貴様は借金を繰り返しているな。 176 00:12:10,463 --> 00:12:15,068 はぁっ…! 事もあろうに それを踏み倒したあげく➡ 177 00:12:15,068 --> 00:12:18,037 山烏からも勝手に取り立てていると聞く。 178 00:12:18,037 --> 00:12:20,540 和満殿が そのような…。 179 00:12:22,709 --> 00:12:25,245 (路近)私が知らぬと思ったか? 180 00:12:25,245 --> 00:12:29,616 近頃は息子の不始末が原因で 北家の不興を買い➡ 181 00:12:29,616 --> 00:12:33,086 焦っていたという話も聞くなあ! 182 00:12:33,086 --> 00:12:38,891 若宮暗殺に成功すれば 長束さまに 取り立ててもらえると思ったか? 183 00:12:38,891 --> 00:12:42,695 そして これまでの悪行を 帳消しにしてもらえると? 184 00:12:42,695 --> 00:12:45,298 あぁぁ…っ! 185 00:12:45,298 --> 00:12:47,367 長束さま! お慈悲を! 186 00:12:47,367 --> 00:12:49,369 どうかお助けを… ッ! 187 00:12:51,104 --> 00:12:55,742 ハッ ハッ… お助けください! 敦房殿 敦房殿! 188 00:12:55,742 --> 00:12:57,677 っ…。 ぁ…! 189 00:12:57,677 --> 00:13:01,147 皆の者 しかと見るがいい。 190 00:13:01,147 --> 00:13:05,018 長束さまのご意志に反した者の末路を。 191 00:13:05,018 --> 00:13:07,720 ヒッ! あ… あっ…。 192 00:13:10,690 --> 00:13:12,625 わ… あぁぁ…! 193 00:13:12,625 --> 00:13:14,627 フン!! 194 00:13:17,897 --> 00:13:20,600 ぐぁ… あぅ…。➡ 195 00:13:20,600 --> 00:13:22,602 う゛あぁぁ! 196 00:13:33,479 --> 00:13:36,449 なんとむごい…。 (長束)敦房。 197 00:13:36,449 --> 00:13:40,720 路近は自ら汚れ役を買って出たのだ。 198 00:13:40,720 --> 00:13:44,590 さもなくば この件は収まらなかったであろう。 199 00:13:44,590 --> 00:13:46,993 ハッ ハッ ハッ…。 200 00:13:48,895 --> 00:13:52,298 (澄尾)そうかーー 宮烏の独断か。 201 00:13:52,298 --> 00:13:54,233 っ…。 202 00:13:54,233 --> 00:13:59,072 いずれ和満は 強盗か辻斬りにでも あったことにされて終わりだ。 203 00:13:59,072 --> 00:14:02,942 逃げた賊というのも もう生きちゃいねえだろう。 204 00:14:02,942 --> 00:14:05,445 これ以上追いかけても無駄っぽいな…。 205 00:14:05,445 --> 00:14:07,380 あの…。 ん? 206 00:14:07,380 --> 00:14:10,783 よく分からないんですが 長束派の中で➡ 207 00:14:10,783 --> 00:14:14,721 長束さまはどういうお立場なんでしょうか つまりーー。 208 00:14:14,721 --> 00:14:17,557 長束自身は何も指示しない。 209 00:14:17,557 --> 00:14:19,992 周囲が長束を担ぎ上げ➡ 210 00:14:19,992 --> 00:14:22,962 勝手にその胸の内を忖度して動く。 211 00:14:22,962 --> 00:14:26,866 それが 長束派であり 正体の見えにくい理由だ。 212 00:14:26,866 --> 00:14:29,001 そうかぁ…。 213 00:14:29,001 --> 00:14:30,937 まだなんかあるのか? 214 00:14:30,937 --> 00:14:35,775 僕は今回の襲撃には 黒幕がいるのかなと思ったんですよね。 215 00:14:35,775 --> 00:14:39,011 黒幕? 路近も言ってましたけど➡ 216 00:14:39,011 --> 00:14:44,817 和満が事前に 賊に毒を飲ませておくほど 気の回る男には見えなかったんで…➡ 217 00:14:44,817 --> 00:14:49,655 長束さまの指示かなあって… でも今の話を聞く限りーー。 218 00:14:49,655 --> 00:14:51,958 まあ根拠に乏しいな。 219 00:14:51,958 --> 00:14:53,893 …ですよね。 220 00:14:53,893 --> 00:14:58,731 路近に脅されても 和満は他に名前を出さなかったんだよな。 221 00:14:58,731 --> 00:15:00,733 はい。 222 00:15:02,602 --> 00:15:05,104 皇后さまという説は。 223 00:15:05,104 --> 00:15:08,841 大ありだ。 だが確実な証拠がない。 224 00:15:08,841 --> 00:15:11,444 和満が生きていればな。 225 00:15:18,918 --> 00:15:21,420 では おやすみなさいませ。 226 00:15:23,456 --> 00:15:26,259 余計な気遣いかもしれないが…。 227 00:15:26,259 --> 00:15:30,797 和満の暴走に 少しでもお前が 責任を感じているのなら➡ 228 00:15:30,797 --> 00:15:32,999 それは的外れだ。 229 00:15:35,468 --> 00:15:39,939 遅かれ早かれ あの男は 同じようなことを しでかしただろう。 230 00:15:39,939 --> 00:15:43,943 だからお前は何も気にする必要はない。 231 00:15:43,943 --> 00:15:46,078 はい…。 232 00:15:46,078 --> 00:15:49,715 そうだ 谷間の衆が感心していたぞ。 233 00:15:49,715 --> 00:15:53,319 あの子は働き者だ もらった金は返すから➡ 234 00:15:53,319 --> 00:15:57,290 こっちに譲ってくれないかと。 もちろん断ったがな。 235 00:15:57,290 --> 00:15:59,826 あの 殿下。 何だ? 236 00:15:59,826 --> 00:16:01,828 今 もらった金 って? 237 00:16:01,828 --> 00:16:05,631 うん あそこは金さえ出せば 何でもやってくれるから。 238 00:16:05,631 --> 00:16:08,634 やっぱりそういうことか! ん? 239 00:16:08,634 --> 00:16:11,370 最初から ご存じだったんですよね? 240 00:16:11,370 --> 00:16:13,940 長束派の会合があるって。 241 00:16:13,940 --> 00:16:17,443 だから僕を谷間に放り込むようなことを したんでしょ! 242 00:16:17,443 --> 00:16:19,412 話してなかったか? 243 00:16:19,412 --> 00:16:22,114 聞・い・て・ま・せ・ん! 244 00:16:22,114 --> 00:16:25,852 僕はね 本当に 売り飛ばされたと思ったんですよ! 245 00:16:25,852 --> 00:16:27,920 だから必死に朝から晩まで! 246 00:16:27,920 --> 00:16:30,056 どうしていつも後出し⁉ 247 00:16:30,056 --> 00:16:33,926 こうこうこういうわけでって 何で先に言ってくれないんですか! 248 00:16:33,926 --> 00:16:35,895 すまんすまん。 249 00:16:35,895 --> 00:16:38,497 えっ⁉ わっ とっとっと…。 250 00:16:40,299 --> 00:16:42,702 こんなんで ごまかされるかッ! 251 00:16:45,037 --> 00:16:48,708 今度こそ若宮殿下は おいでになります でしょうか。 252 00:16:48,708 --> 00:16:54,046 そりゃそうよ。 七夕は登殿では とりわけ重要な儀式ですもの。 253 00:16:54,046 --> 00:16:58,618 この日のために 后候補の姫君たちは 皇太子に贈る着物を➡ 254 00:16:58,618 --> 00:17:01,821 自分とそろいで一年かけて縫いあげて➡ 255 00:17:01,821 --> 00:17:04,223 それぞれの屋敷の前に飾るの。➡ 256 00:17:04,223 --> 00:17:10,129 皇太子が袖を通せば その家の姫君は 入内濃厚 と言われてるのよ。 257 00:17:10,129 --> 00:17:13,933 若宮殿下あっての七夕… というわけですか。 258 00:17:13,933 --> 00:17:20,573 とはいえ 実際に着物を縫うのは職人で 姫君は せいぜい最後の一針。➡ 259 00:17:20,573 --> 00:17:24,443 本当に一からお作りになるのは うちの姫さまくらいね。 260 00:17:24,443 --> 00:17:28,047 あなたたち!囀るのはそれくらいにして➡ 261 00:17:28,047 --> 00:17:31,050 少しは手を動かしなさい。 (女房たち)はい! 262 00:17:35,788 --> 00:17:38,057 ⚟(真赭の薄)菊野。 は はい。 263 00:17:38,057 --> 00:17:40,059 若宮さまからの文はあった? 264 00:17:41,761 --> 00:17:43,796 いえ まだ…。 265 00:17:43,796 --> 00:17:46,599 そう…。 266 00:17:46,599 --> 00:17:50,570 殿下もお忙しいのですよ。 多分 他の姫たちもまだーー。 267 00:17:50,570 --> 00:17:53,372 いたっ! 大丈夫でございますか⁉ 268 00:17:53,372 --> 00:17:56,275 大げさなのよ 菊野は! ぁ…。 269 00:17:56,275 --> 00:18:00,146 気が散るから もう行ってちょうだい。 270 00:18:00,146 --> 00:18:03,049 きっと七夕には お越しになります。 271 00:18:03,049 --> 00:18:07,353 お館さまが 殿下には強く書簡で お願いされたそうですから。 272 00:18:21,434 --> 00:18:23,970 できた! ようございました。 273 00:18:23,970 --> 00:18:26,672 若宮さまも お喜びになるでしょう。 274 00:18:26,672 --> 00:18:30,076 でも私 一針しか縫ってないんだけど…。 275 00:18:30,076 --> 00:18:33,746 他にできることはない? 飾りつけを手伝うわ。 276 00:18:33,746 --> 00:18:36,015 お気持ちだけで十分ですよ。 277 00:18:36,015 --> 00:18:39,218 姫さまは のんびり琴でも 弾いていてください。 278 00:18:41,787 --> 00:18:43,723 ⚟(女房)姫さま。 ん? 279 00:18:43,723 --> 00:18:46,158 宗家の女房が ご面会をと。 280 00:18:46,158 --> 00:18:48,160 宗家の…。 281 00:18:50,596 --> 00:18:55,434 早桃! 来てくれてうれしいわ! 282 00:18:55,434 --> 00:19:00,272 すみません 七夕の準備で お忙しいかと思ったのですが。 283 00:19:00,272 --> 00:19:02,641 ううん むしろ暇なの。 284 00:19:02,641 --> 00:19:05,878 私 あまり期待されてないみたいだから。 285 00:19:05,878 --> 00:19:07,813 まあ ご冗談を。 286 00:19:07,813 --> 00:19:10,216 ううん 本当よ。 っ⁉ 287 00:19:10,216 --> 00:19:14,186 でも しかたないわよね。 登殿して身にしみたの。 288 00:19:14,186 --> 00:19:17,957 私って何も知らないし 何もできない。 289 00:19:17,957 --> 00:19:20,760 ここにいる資格なんて ないんだわ…。 290 00:19:20,760 --> 00:19:22,695 私はそうは思いません。 291 00:19:22,695 --> 00:19:25,598 あせびさまは おきれいで お優しくて➡ 292 00:19:25,598 --> 00:19:29,235 后になられる資格は十分にございます。 293 00:19:29,235 --> 00:19:31,203 早桃…。 294 00:19:31,203 --> 00:19:33,906 元気をお出しくださいませ。 295 00:19:33,906 --> 00:19:37,109 藤波さまより 贈り物を預かって参りましたよ。 296 00:19:39,278 --> 00:19:41,213 ぁ…! 297 00:19:41,213 --> 00:19:45,151 まあ 長琴だわ! なんて立派な…。 298 00:19:45,151 --> 00:19:47,787 「浮雲」という名があるそうです。 299 00:19:47,787 --> 00:19:51,657 「浮雲」… これを藤波さまが? 300 00:19:51,657 --> 00:19:54,927 ある方の許可を得て いただいたのだそうです。 301 00:19:54,927 --> 00:19:57,163 あせびさまのことをお話しして。 302 00:19:57,163 --> 00:20:01,801 ある方って? さる高貴なお方とだけ…。 303 00:20:01,801 --> 00:20:04,503 ぁ…。 304 00:20:04,503 --> 00:20:08,007 桜… 霞…。 305 00:20:09,675 --> 00:20:21,187 ♬~(琴) 306 00:20:21,187 --> 00:20:23,122 フフ…。 307 00:20:23,122 --> 00:20:25,124 …っ! 308 00:20:26,826 --> 00:20:28,761 浮雲…⁉ 309 00:20:28,761 --> 00:20:37,470 ♬~ 310 00:20:37,470 --> 00:20:41,207 <あれは… いつのこと…?> 311 00:20:41,207 --> 00:20:45,511 ハァ… ハァ… ハァ…。 312 00:20:51,851 --> 00:20:53,853 わぁ…。 313 00:20:58,257 --> 00:21:00,259 ぁ…。 314 00:21:01,861 --> 00:21:06,298 <少年は紫色の衣を着ていた。➡ 315 00:21:06,298 --> 00:21:09,201 そうよ なぜ気づかなかったの。➡ 316 00:21:09,201 --> 00:21:13,405 紫は宗家でも 高貴なお方しか お召しになれない色。➡ 317 00:21:13,405 --> 00:21:17,510 じゃあ あの時の少年は… 若宮さま…> 318 00:21:19,178 --> 00:21:21,280 ぁ…! 319 00:21:25,017 --> 00:21:30,022 <私が登殿したのは 初恋の人と再会するためだった> 320 00:21:35,027 --> 00:21:37,129 ⚟(雪哉の足音) 321 00:21:38,898 --> 00:21:41,734 どうしました? 難しい顔をして。 322 00:21:41,734 --> 00:21:43,669 脅迫状が届いた。 323 00:21:43,669 --> 00:21:45,671 きょっ 脅迫状⁉ 324 00:21:50,509 --> 00:21:53,279 えーと 要するに…➡ 325 00:21:53,279 --> 00:21:56,949 これまでの殿下の怠慢には 目をつぶってやるから➡ 326 00:21:56,949 --> 00:21:59,985 今度の七夕には万障繰り合わせの上➡ 327 00:21:59,985 --> 00:22:02,254 是が非でも否が応でも➡ 328 00:22:02,254 --> 00:22:05,891 ゼッタイに桜花宮に来るように! …って これ。 329 00:22:05,891 --> 00:22:08,494 ああ 西家の当主からだ。 330 00:22:08,494 --> 00:22:11,463 なんだ 脅かさないでくださいよ! 331 00:22:11,463 --> 00:22:16,702 あの男は自分の娘が入内すると 信じて疑わないから➡ 332 00:22:16,702 --> 00:22:21,140 何としても私を来させ 既成事実を作りたいのだろう。 333 00:22:21,140 --> 00:22:24,710 きっ 既成事実⁉ 334 00:22:24,710 --> 00:22:27,580 着物に袖を通すという意味だが…? 335 00:22:27,580 --> 00:22:30,282 で… でも七夕かあ。 336 00:22:30,282 --> 00:22:34,086 さすがに こればっかりは 欠席じゃまずいのでは…。 337 00:22:34,086 --> 00:22:36,622 はぁ…。 殿下? 338 00:22:36,622 --> 00:22:38,557 行きたくない。 339 00:22:38,557 --> 00:22:40,559 ⚟(銅鑼の音) ん? 340 00:22:46,065 --> 00:22:47,100 …敦房⁉ 341 00:22:47,100 --> 00:22:50,636 お頼み申す! 342 00:22:50,636 --> 00:22:53,172 若宮殿下にお目通りを! 343 00:22:53,172 --> 00:22:56,775 ご無礼承知で お願い仕ります! 344 00:23:00,045 --> 00:23:14,226 ♬~ 345 00:23:14,226 --> 00:23:18,697 ♬「それは うたかたと」 346 00:23:18,697 --> 00:23:23,235 ♬「告げる風は ただ哀しく」 347 00:23:23,235 --> 00:23:27,239 ♬「心 決めた日に」 348 00:23:27,239 --> 00:23:31,977 ♬「にじむ景色を 駆けぬけた」 349 00:23:31,977 --> 00:23:36,415 ♬「咲く花の影に」 350 00:23:36,415 --> 00:23:40,386 ♬「まなざしは 何を問う」 351 00:23:40,386 --> 00:23:49,395 ♬「語らずの 真実 背負う 烏」 352 00:23:49,395 --> 00:23:54,099 ♬「舞い上がれ 舞い躍れ」 353 00:23:54,099 --> 00:23:58,404 ♬「名もなき 一途な信念(ねがい)よ」 354 00:23:58,404 --> 00:24:02,741 ♬「迫りくる 奈落さえ」 355 00:24:02,741 --> 00:24:07,146 ♬「越えて行ける 強さ 信じ 羽ばたけ」 356 00:24:07,146 --> 00:24:11,350 ♬「行きては帰らぬ」 357 00:24:11,350 --> 00:24:15,854 ♬「運命(さだめ)を 選びゆくのなら」 358 00:24:15,854 --> 00:24:20,259 ♬「まほろばよ とこしえに」 359 00:24:20,259 --> 00:24:28,167 ♬「薄明の空に 誓う」 360 00:24:31,470 --> 00:24:34,707 <長束の側近 敦房。➡ 361 00:24:34,707 --> 00:24:40,145 予期せぬ客人に 若宮は ある頼み事をする。➡ 362 00:24:40,145 --> 00:24:42,781 七夕の桜花宮。➡ 363 00:24:42,781 --> 00:24:49,555 あせびが爪弾く琴の調べが 女たちの心を波立たせる。➡ 364 00:24:49,555 --> 00:24:51,557 次回>