1 00:00:08,008 --> 00:00:12,179 ⚟(茶の用意をする音) 2 00:00:12,179 --> 00:00:14,114 …早桃。 3 00:00:14,114 --> 00:00:16,917 あ… お目覚めになりましたか。 4 00:00:16,917 --> 00:00:19,620 どうだった? あせびの君は。 5 00:00:19,620 --> 00:00:22,122 はい とても喜ばれて。 6 00:00:22,122 --> 00:00:25,626 私にも琴を聴かせてくださいました。 7 00:00:25,626 --> 00:00:29,730 そう… 私も聴きたかった。 8 00:00:31,431 --> 00:00:33,400 ご無理なさらないでください。 9 00:00:33,400 --> 00:00:37,304 責任あるお役目で お疲れがたまっているのでしょう。 10 00:00:41,508 --> 00:00:46,813 早桃 私はね ずっとひとりぼっちだった。➡ 11 00:00:46,813 --> 00:00:52,185 お兄さまは優しかったけど めったにお会いすることは叶わなくて。 12 00:00:52,185 --> 00:00:56,623 寂しさから つい周囲のものに 当たってしまって➡ 13 00:00:56,623 --> 00:01:00,794 あまりいい子ではなかったと思う。 14 00:01:00,794 --> 00:01:06,099 そんな私を あせびの君は 妹のように可愛がってくれて。 15 00:01:14,274 --> 00:01:19,179 (藤波)私も あせびの君を おねえさまと呼んでいたのだ…。 16 00:01:25,585 --> 00:01:29,990 藤波さまは あせびさまと 本当の姉妹になりたいのですね。 17 00:01:29,990 --> 00:01:31,959 ぁ…。 18 00:01:31,959 --> 00:01:37,731 承知しました。 この早桃が全力で あせびさまの入内を応援いたします。➡ 19 00:01:37,731 --> 00:01:41,935 ですからどうぞ 今は安心して お休みくださいませ。 20 00:01:44,071 --> 00:01:58,018 ♬~ 21 00:01:58,018 --> 00:02:01,788 ♬「羽を伸ばしてふらふら」 22 00:02:01,788 --> 00:02:06,460 ♬「うつけてみたいや 何も考えたくない」 23 00:02:06,460 --> 00:02:08,395 ♬「疲れてしまったよ」 24 00:02:08,395 --> 00:02:12,065 ♬「羽目をはずして ぐだぐた」 25 00:02:12,065 --> 00:02:17,771 ♬「流石に昨日はちょっと 遊びすぎたかもな」 26 00:02:17,771 --> 00:02:22,376 ♬「カァカァ烏合の衆 文句ばっかりじゃない?」 27 00:02:22,376 --> 00:02:27,814 ♬「で何?やっかみ?優雅に壊してくる」 28 00:02:27,814 --> 00:02:35,122 ♬「平気な顔で躊躇いなく嘘をつく」 29 00:02:35,122 --> 00:02:38,992 ♬「騙し合い 悲しくなった」 30 00:02:38,992 --> 00:02:42,529 ♬「まだ青く不確かな」 31 00:02:42,529 --> 00:02:48,802 ♬「飾らない僕にも 変わらない愛を」 32 00:02:48,802 --> 00:02:52,806 ♬「目的地が分からない」 33 00:02:52,806 --> 00:02:58,045 ♬「運命的な出会いがしたい」 34 00:02:58,045 --> 00:03:04,151 ♬「どうせなら遠回りもしたい」 35 00:03:04,151 --> 00:03:12,959 ♬~ 36 00:03:15,128 --> 00:03:17,864 私の即位を手助けすると? 37 00:03:17,864 --> 00:03:20,701 左様でございます。 しかし貴殿はーー。 38 00:03:20,701 --> 00:03:25,038 (敦房) あなたさまの敵対勢力 長束派に属する者。 39 00:03:25,038 --> 00:03:29,876 殿下は全てお見通しのことでしょうから 率直に申し上げます。 40 00:03:29,876 --> 00:03:34,381 私は その長束派の陰謀から あなたをお守りします。 41 00:03:34,381 --> 00:03:40,087 その代わり あなたが即位された暁には 長束さまを お守りいただきたいのです。 42 00:03:42,589 --> 00:03:46,059 (敦房) もともと我ら長束派は穏健なものでした。 43 00:03:46,059 --> 00:03:49,930 純粋に長束さまの人柄を慕う 宮烏が集まって…。 44 00:03:49,930 --> 00:03:53,633 しかし いつしか政治的な目論見のもと➡ 45 00:03:53,633 --> 00:03:58,305 何としても長束さまを金烏にしようという 過激な者が入り込み➡ 46 00:03:58,305 --> 00:04:02,876 今や路近を筆頭に その力を増しつつあるのです。➡ 47 00:04:02,876 --> 00:04:05,178 あれは忠義とは言えません。➡ 48 00:04:05,178 --> 00:04:08,115 このままでは 路近に悪事の片棒を担がされ➡ 49 00:04:08,115 --> 00:04:10,750 長束さまは謀反人となってしまいます。 50 00:04:10,750 --> 00:04:14,554 不服はないのか? 私が即位することに。 51 00:04:14,554 --> 00:04:20,360 弱小貴族で後ろ盾もない私を 取り立ててくださったのは長束さまです。 52 00:04:20,360 --> 00:04:24,698 その長束さまの願いは 何よりも山内の安寧。➡ 53 00:04:24,698 --> 00:04:30,370 そして私にとって 長束さまのお命以上に 大切なものはありません。 54 00:04:30,370 --> 00:04:32,305 あい分かった。 55 00:04:32,305 --> 00:04:36,176 まずは お前の働きを見てから 判断しようと思うが。 56 00:04:36,176 --> 00:04:38,111 それで結構です。 57 00:04:38,111 --> 00:04:42,916 そうか。 では早速だが 一つ頼まれてほしいことがある。 58 00:04:46,786 --> 00:04:48,788 (雪哉 澄尾)ええっ⁉ 59 00:04:50,690 --> 00:04:53,493 (長束)ご無沙汰をして申し訳ありません。 60 00:04:53,493 --> 00:04:56,396 皇后陛下には ご機嫌麗しゅう…。 61 00:04:56,396 --> 00:05:00,567 (大紫の御前) 堅苦しいのはいい。 達者で何よりだ➡ 62 00:05:00,567 --> 00:05:04,437 我が息子よ。 …は。 63 00:05:04,437 --> 00:05:07,841 七夕でようやく若宮を拝めると➡ 64 00:05:07,841 --> 00:05:10,844 桜花宮の女房は大騒ぎじゃ。 65 00:05:10,844 --> 00:05:13,980 おかげで妾の気分はすぐれぬ。 66 00:05:13,980 --> 00:05:18,585 いけませんな。 それで今日は 伽乱の香を? 67 00:05:18,585 --> 00:05:21,254 まあ 気休めにはなる。 68 00:05:21,254 --> 00:05:25,892 そんなことはよい。 そなた 七夕はどうする。 69 00:05:25,892 --> 00:05:30,864 融殿より 南家の朝宅にて 宴のお誘いをいただいております。 70 00:05:30,864 --> 00:05:36,469 妾が口添えしておいたのだ。 ちょうど融の娘も来ていよう。 71 00:05:36,469 --> 00:05:39,372 御簾越しにでも会ってみてはどうだ? 72 00:05:39,372 --> 00:05:44,244 私は山神さまに仕える身ですので。 (大紫の御前)つまらんのう。 73 00:05:44,244 --> 00:05:50,016 とはいえ 親兄弟にも 腹の内を明かさないのが南家だ。 74 00:05:50,016 --> 00:05:54,521 ある意味そなたは誰よりも 南家らしいのかもしれん。➡ 75 00:05:54,521 --> 00:05:57,224 ホッホホホホ…。 76 00:06:00,327 --> 00:06:03,129 まったく若宮も何考えてんだか。 77 00:06:03,129 --> 00:06:07,434 (敦房)っははは… 愉快ではありませんか。 78 00:06:07,434 --> 00:06:10,170 しかし私も大役を授かりました。 79 00:06:10,170 --> 00:06:13,974 殿下の信頼を得るには 何としても成功させねば。 80 00:06:13,974 --> 00:06:17,244 敦房殿 どうぞお気をつけくださいね。 81 00:06:17,244 --> 00:06:19,579 このことが もし路近殿に知れたら…。 82 00:06:19,579 --> 00:06:24,117 ご心配ありがとうございます 未来の金烏陛下の近習殿。 83 00:06:24,117 --> 00:06:26,052 えっ…。 84 00:06:26,052 --> 00:06:30,991 少し前までは 私もその座につくことを 夢みておりました。 85 00:06:30,991 --> 00:06:35,395 けれどそれは 君にお譲りすることにいたしましょう。 86 00:06:35,395 --> 00:06:38,431 (羽音) 87 00:06:38,431 --> 00:06:41,901 ⚟(澄尾の足音) 油断は禁物。 88 00:06:41,901 --> 00:06:45,772 敦房も皇后と同じ 南家の宮烏だ。 89 00:06:45,772 --> 00:06:48,508 …にしても なかなか骨のある奴だ。 90 00:06:48,508 --> 00:06:51,011 奈月彦が誘えば こっちに来てくれるかな? 91 00:06:58,184 --> 00:07:02,055 白。 白 白 白! 92 00:07:02,055 --> 00:07:14,200 ♬~ 93 00:07:14,200 --> 00:07:18,138 いいお天気! きっと今夜は星がよく見えるわ。 94 00:07:18,138 --> 00:07:22,575 動かないでくださいませ。 今日は念入りに おめかしせねば。 95 00:07:22,575 --> 00:07:25,478 ついに若宮さまと ご対面するのですから。 96 00:07:25,478 --> 00:07:29,215 そ そうね。 なんだか緊張してきたわ。 97 00:07:29,215 --> 00:07:32,752 おきれいですわ あせびさま。 ありがとう早桃。 98 00:07:32,752 --> 00:07:35,789 早桃殿 他家はどのような感じでした? 99 00:07:35,789 --> 00:07:39,626 そうですね どこも雅やかでしたが…➡ 100 00:07:39,626 --> 00:07:42,262 西家は特に ご立派でした。 101 00:07:42,262 --> 00:07:48,068 真赭の薄さまお好みの 赤を基調とした 着物や道具が ずらりと並んで。 102 00:07:48,068 --> 00:07:50,003 うらやましいこと。 103 00:07:50,003 --> 00:07:52,906 東家も お館さまが もう少し奮発してくれたって➡ 104 00:07:52,906 --> 00:07:54,974 バチは当たらないでしょうに…。 105 00:07:54,974 --> 00:07:57,110 文句ばかり言わないで。 106 00:07:57,110 --> 00:07:59,813 ほら まだ飾っていないお着物も あるんじゃない? 107 00:07:59,813 --> 00:08:01,748 ああ 動かないでください! っ! 108 00:08:01,748 --> 00:08:04,184 少し落ち着いてくださいませ。 109 00:08:04,184 --> 00:08:06,186 だめね 私…。 110 00:08:07,954 --> 00:08:12,325 星の座を見に参りましょう。 きっと気が晴れますよ。 111 00:08:12,325 --> 00:08:21,901 ♬~ 112 00:08:21,901 --> 00:08:23,837 わぁ…! 113 00:08:23,837 --> 00:08:39,252 ♬~ 114 00:08:39,252 --> 00:08:41,454 ⚟(足音) 115 00:08:46,793 --> 00:08:49,496 ぁ…。 116 00:08:49,496 --> 00:08:52,365 ごきげんよう あせびの君。 117 00:08:52,365 --> 00:08:55,368 真赭の薄さま! 失礼しました。 118 00:08:55,368 --> 00:08:59,038 あの… あまりに素敵なお召し物で。 119 00:08:59,038 --> 00:09:02,409 ありがとう。 一年がかりでしたのよ。 120 00:09:02,409 --> 00:09:07,380 これも 若宮さまのお着物も 一から わたくしが作りましたの。 121 00:09:07,380 --> 00:09:11,184 全部ご自分で縫われたのですか⁉ 女房ではなく? 122 00:09:11,184 --> 00:09:13,620 もちろんですわ。 123 00:09:13,620 --> 00:09:16,423 愛しい殿方に 贈る着物を➡ 124 00:09:16,423 --> 00:09:19,125 どうして他の女性に 任せられまして? 125 00:09:19,125 --> 00:09:21,961 ぁっ…。 126 00:09:21,961 --> 00:09:25,665 あら 大丈夫。 あなたも とても可愛らしくてよ。 127 00:09:25,665 --> 00:09:27,667 うふふふふ…。 128 00:09:30,170 --> 00:09:34,674 (藤波)あせびの君。 藤波さま。 129 00:09:34,674 --> 00:09:38,545 皆そろっているようですね。 これはちょうどいい。 130 00:09:38,545 --> 00:09:41,881 若宮殿下のお越しまで まだ時間がある。 131 00:09:41,881 --> 00:09:45,351 ここで今 あなたの琴を お聴かせ願えませんか。 132 00:09:45,351 --> 00:09:48,922 えっ⁉ 藤波さま でも あの…。 133 00:09:48,922 --> 00:09:52,358 (うこぎ) 姫さま 琴なら用意してございます! 134 00:09:52,358 --> 00:09:54,294 うこぎ いつの間に…。 135 00:09:54,294 --> 00:09:56,329 さあ あせびの君。 136 00:09:56,329 --> 00:10:01,067 ぁ…。 (女房たち) ⚟田舎の姫…。⚟お手並み拝見…。 137 00:10:01,067 --> 00:10:03,470 でも 私…。 138 00:10:03,470 --> 00:10:06,473 おいおい また逃げんのか? 139 00:10:06,473 --> 00:10:09,275 アンタは仮にも東家の姫だ。 140 00:10:09,275 --> 00:10:12,078 言われっぱなしじゃ悔しいだろ。 141 00:10:12,078 --> 00:10:14,180 っ…。 142 00:10:33,733 --> 00:10:37,136 (深呼吸) 143 00:10:40,507 --> 00:11:15,909 ♬~ 144 00:11:15,909 --> 00:11:18,778 っ…! フ…。 145 00:11:18,778 --> 00:11:31,457 ♬~ 146 00:11:31,457 --> 00:11:33,826 わぁ…! 147 00:11:33,826 --> 00:11:49,309 ♬~ 148 00:11:49,309 --> 00:11:54,147 浅はかな言動は 結果として自身の品性を貶めるだけ➡ 149 00:11:54,147 --> 00:11:57,050 ということが よく分かったろう。➡ 150 00:11:57,050 --> 00:11:58,985 まあ これもいい勉強か? 151 00:11:58,985 --> 00:12:01,688 っ… 余計なお世話ですわ。 152 00:12:06,259 --> 00:12:08,595 すばらしい演奏でした。 153 00:12:08,595 --> 00:12:11,264 これは兄上の前でも弾いていただかねば。 154 00:12:11,264 --> 00:12:13,232 そんな…。 155 00:12:13,232 --> 00:12:16,102 浜木綿さま。 156 00:12:16,102 --> 00:12:20,106 ありがとうございます。 あせびさまを励ましてくださって。 157 00:12:20,106 --> 00:12:23,710 別に。 いささか退屈してたもんでね。 158 00:12:25,511 --> 00:12:28,181 良いものを聴かせていただきました。 159 00:12:28,181 --> 00:12:31,084 楽人の東とは よく言ったものですね。 160 00:12:31,084 --> 00:12:33,086 あ… ありがとう。 161 00:12:33,086 --> 00:12:35,822 それにしても大きな琴。 162 00:12:35,822 --> 00:12:37,757 東家固有の琴なんです。 163 00:12:37,757 --> 00:12:40,293 ええ ええ 存じておりますとも。 164 00:12:40,293 --> 00:12:44,964 この桜に霞も ずいぶんと前に 見た覚えがございます。 165 00:12:44,964 --> 00:12:48,601 茶の花。 私が許可を得て下賜したのだ。 166 00:12:48,601 --> 00:12:52,605 おそれながら 藤波さまは 中立であるべきお立場。 167 00:12:52,605 --> 00:12:57,844 お一人の姫を贔屓に されるのは いかがなものかと。 っ…! 168 00:12:57,844 --> 00:13:03,383 無垢な顔をして懐に入るさまは まるで烏太夫よの。 169 00:13:03,383 --> 00:13:06,586 烏太夫? ご存じないか? 170 00:13:06,586 --> 00:13:09,489 麗しい姫に化けて宮中に潜り込み➡ 171 00:13:09,489 --> 00:13:15,294 皇子を誘惑したあげく 命をもって償わされた 賤しい烏の話を。 172 00:13:15,294 --> 00:13:17,563 姫さま 耳を貸してはなりませぬ。 173 00:13:17,563 --> 00:13:22,235 (茶の花)大事な姫なら いっそ教えてさしあげればよいのだ。 174 00:13:22,235 --> 00:13:26,906 この桜花宮で 母上の二の舞にならぬようにと。 175 00:13:26,906 --> 00:13:31,511 母の…? それはどういう意味ですか? 176 00:13:31,511 --> 00:13:35,815 (茶の花)畏れ多くて私の口からは とてもとても…。 177 00:13:35,815 --> 00:13:37,884 (うこぎ)っ! 何をする! 178 00:13:37,884 --> 00:13:40,119 その老獪な嘴を閉じよ! 179 00:13:40,119 --> 00:13:43,690 なんだと! その言葉 そっくりお返しするわ! 180 00:13:43,690 --> 00:13:45,992 お二人とも 落ち着かれよ! (うこぎ)いいえ!➡ 181 00:13:45,992 --> 00:13:49,629 我が姫の名誉に関わることなれば 黙ってはおられませぬ! 182 00:13:49,629 --> 00:13:52,932 (茶の花)左様! 口出し無用にございます。 183 00:13:52,932 --> 00:13:55,535 (うこぎ)そもそも無礼ではないか! 184 00:13:57,737 --> 00:14:00,773 茶の花はなぜ あの琴を知っていたの? 185 00:14:00,773 --> 00:14:04,644 烏太夫? 母の二の舞ってどういうこと? 186 00:14:04,644 --> 00:14:07,280 うこぎは何も教えてくれない。 187 00:14:07,280 --> 00:14:10,917 女房にも誰にも相談できないわ。 188 00:14:10,917 --> 00:14:13,686 ねえ早桃… どうすればいいの? 189 00:14:13,686 --> 00:14:16,289 あせびさま…。 あせびの君! 190 00:14:18,191 --> 00:14:21,928 ごめんなさい 私が余計なことをしたばかりに…。 191 00:14:21,928 --> 00:14:23,863 藤波さま…。 192 00:14:23,863 --> 00:14:26,265 桜花宮は こういう所なのです。 193 00:14:26,265 --> 00:14:29,469 自分の欲のために他人の足を引っ張り➡ 194 00:14:29,469 --> 00:14:33,673 都合の悪い現実を捻じ曲げ… だからこそ➡ 195 00:14:33,673 --> 00:14:36,375 私はあなたに入内してほしい。 196 00:14:36,375 --> 00:14:40,480 私の大切なお兄さまの 后になってほしいのです。 197 00:14:44,984 --> 00:14:46,919 分かりました。 198 00:14:46,919 --> 00:14:49,522 おねえさま! ああ よかった…! 199 00:14:49,522 --> 00:14:54,093 私では力不足だと思いますが。 そんなことありません。 200 00:14:54,093 --> 00:14:57,964 お助けできることがあれば 私 何でもしますから。 201 00:14:57,964 --> 00:15:00,833 本当に…? では…➡ 202 00:15:00,833 --> 00:15:05,238 しばらくの間 早桃を私のそばに 置かせていただけますか? 203 00:15:05,238 --> 00:15:07,173 え…? 204 00:15:07,173 --> 00:15:11,043 どうして… 早桃を? 205 00:15:11,043 --> 00:15:14,580 私には教えられないことなのですか? 206 00:15:14,580 --> 00:15:17,884 ごめんなさい… やはり ご無理なお願いでした。 207 00:15:17,884 --> 00:15:20,086 どうぞお忘れになって。 208 00:15:21,687 --> 00:15:25,391 分かりました。 それでお役に立てるのなら。 209 00:15:25,391 --> 00:15:28,761 藤波さま! ありがとうございます! 210 00:15:28,761 --> 00:15:30,863 …っ。 211 00:15:47,146 --> 00:15:49,081 来ないですねぇ。 212 00:15:49,081 --> 00:15:51,984 七夕の儀式始まっちゃいますよ。 213 00:15:51,984 --> 00:15:55,888 やっぱり敦房さんにも 難しかったのかなあ。 214 00:15:55,888 --> 00:15:58,124 そろそろ桜花宮に向かわねえと。 215 00:15:58,124 --> 00:16:00,426 そうか 出かけるとしよう。 216 00:16:02,028 --> 00:16:06,165 雪哉は留守番。 ん… なんでですか。 217 00:16:06,165 --> 00:16:09,001 僕だってある程度 剣の心得はありますよ。 218 00:16:09,001 --> 00:16:11,838 私も自分一人の身くらい守れる。 219 00:16:11,838 --> 00:16:15,341 それに敵も わざわざこの日に 仕掛けてはこないだろう。 220 00:16:15,341 --> 00:16:18,044 でも…! 前払いだ。 221 00:16:28,654 --> 00:16:32,291 ほんと無茶なんだよな あの人…。 222 00:16:32,291 --> 00:16:35,495 ま これが一番平和な展開か…。 223 00:16:37,663 --> 00:16:39,665 ん? 224 00:16:41,534 --> 00:16:43,536 んん…? 225 00:16:45,404 --> 00:16:47,406 わあぁーーっ!! 226 00:16:54,580 --> 00:16:56,582 わあっ! 227 00:16:59,252 --> 00:17:02,521 頼むよクロ! ご主人さまの緊急事態なんだから! 228 00:17:02,521 --> 00:17:05,258 (鳴き声) うわっ! 229 00:17:05,258 --> 00:17:07,226 うぁっ! 230 00:17:07,226 --> 00:17:09,228 (鳴き声) 231 00:17:11,464 --> 00:17:14,433 おい 雪哉が! 232 00:17:14,433 --> 00:17:17,904 南家からお使いが! ぜひ おいでくださいと! 233 00:17:17,904 --> 00:17:19,972 よくやった! クロ! 234 00:17:19,972 --> 00:17:22,575 え? (鳴き声) 235 00:17:22,575 --> 00:17:24,644 うわぁっ! 236 00:17:24,644 --> 00:17:26,646 …だっ! 237 00:17:32,084 --> 00:17:34,954 ちっくしょう あの馬鹿烏! 238 00:17:34,954 --> 00:17:37,757 はぁ…。 239 00:17:37,757 --> 00:17:41,994 あーあ 結局僕の役回りって…。 240 00:17:41,994 --> 00:17:44,030 申し訳ありません! 241 00:17:44,030 --> 00:17:46,165 またお前か! 242 00:17:46,165 --> 00:17:49,669 若宮殿下におかれましては 緊急の用事があり➡ 243 00:17:49,669 --> 00:17:52,004 桜花宮に来られなくなりました。 244 00:17:52,004 --> 00:17:54,307 深く お詫びを申し上げます。 245 00:17:54,307 --> 00:17:59,478 前代未聞だな。 皇太子が七夕の儀式を欠席するなど。 246 00:17:59,478 --> 00:18:03,416 ふざけるな! お詫びしますで済む話ではなかろう! 247 00:18:03,416 --> 00:18:07,720 おそれながら 若宮さまは姫たちを ないがしろにされているのでは? 248 00:18:07,720 --> 00:18:10,156 いえ 決してそんなことは…! 249 00:18:10,156 --> 00:18:13,726 ならばなぜ 殿下は文の一つもくださらないのです? 250 00:18:13,726 --> 00:18:15,661 何ですって? 251 00:18:15,661 --> 00:18:19,231 文です。 我が姫も 他の方々も➡ 252 00:18:19,231 --> 00:18:22,768 若宮殿下の文が来るのを 心待ちにしておりました。 253 00:18:22,768 --> 00:18:26,172 変だな… こちらの姫さま方には➡ 254 00:18:26,172 --> 00:18:29,208 以前 殿下が 詫び状を送られているはずなんですけど。 255 00:18:29,208 --> 00:18:31,677 詫び状? ええ。 256 00:18:31,677 --> 00:18:35,348 なかなか桜花宮に足を運べず 申し訳ないと。 257 00:18:35,348 --> 00:18:38,584 本当に届いてないんですか? 258 00:18:38,584 --> 00:18:40,953 (菊野)つまり… 文が 消えた? 259 00:18:40,953 --> 00:18:44,357 どういうことなの? 260 00:18:44,357 --> 00:18:47,226 あのぉ 僕 失礼してもいいでしょうか。 261 00:18:47,226 --> 00:18:49,161 (茶の花)ええい 忌々しや! 262 00:18:49,161 --> 00:18:53,466 貴様がもっと しっかりしておれば このようなことにならなかったものを! 263 00:18:53,466 --> 00:18:55,468 おっ お許しを! 264 00:19:01,974 --> 00:19:06,646 とにかく 若宮殿下は 七夕には来られないということだ。 265 00:19:06,646 --> 00:19:09,181 文の件は調査するように。 はい。 266 00:19:09,181 --> 00:19:11,183 …。 267 00:19:19,558 --> 00:19:23,829 しかし 若宮殿下は 何を考えておられるのか。 268 00:19:23,829 --> 00:19:28,567 どうかしましたか? 私に面会したいと要請があったのですよ。 269 00:19:28,567 --> 00:19:33,005 こちらに用は無いし なんだかんだ お断りしていたのですが…。 270 00:19:33,005 --> 00:19:35,775 ほう。 あまりにしつこいので➡ 271 00:19:35,775 --> 00:19:40,913 ならば本日おいでなさいと 先ほど使いを出したところなのです。 272 00:19:40,913 --> 00:19:44,784 それは無理ですね。今頃は桜花宮でしょう。 273 00:19:44,784 --> 00:19:50,589 ええ。 ですが少なくとも こちらは要請には お応えしました。 274 00:19:50,589 --> 00:19:53,192 最低限の義理は果たしましたよ。 275 00:19:53,192 --> 00:19:56,929 なるほど 賢いやり方ですね。 276 00:19:56,929 --> 00:20:00,666 しかし万が一 私と鉢合わせることにでもなれば➡ 277 00:20:00,666 --> 00:20:03,035 どうするつもりだったのです? 278 00:20:03,035 --> 00:20:06,672 ああ それは 思い至りませんでした。 279 00:20:06,672 --> 00:20:09,075 考えたのは敦房です。 280 00:20:09,075 --> 00:20:11,977 甥っ子ながら あれは なかなかの策士だ。 281 00:20:11,977 --> 00:20:16,716 長束さまのお役には 立てておりますかな。 ええ 十分に。 282 00:20:16,716 --> 00:20:19,085 ⚟(物音) ⚟(男)お待ちを! 283 00:20:19,085 --> 00:20:21,087 ん…⁉ 284 00:20:33,032 --> 00:20:35,501 ⚟(女房) 殿下は南家の宴に行かれたそうね。 285 00:20:35,501 --> 00:20:40,072 ⚟(女房)西家の面目丸つぶれよ。 これじゃあ入内もどうなるか…。 286 00:20:40,072 --> 00:20:42,274 これ あなたたち! 287 00:20:45,878 --> 00:20:48,781 ここなら 外からもきれいに見えるわよね。 288 00:20:48,781 --> 00:20:53,185 はい。 えっと… 袖は この棒に通せばいいの? 289 00:20:53,185 --> 00:20:55,121 ⚟(女房)いえ そうではなく…。ん? 290 00:20:55,121 --> 00:20:57,857 姫さま 何をしているのです? 291 00:20:57,857 --> 00:21:01,727 え? お着物を飾ろうと思って。 292 00:21:01,727 --> 00:21:04,296 うこぎ何するの⁉ これは以前➡ 293 00:21:04,296 --> 00:21:07,199 真赭の薄さまに いただいたものではありませんか! 294 00:21:07,199 --> 00:21:11,036 よりにもよって七夕に 他家の姫からもらった物を飾るなど➡ 295 00:21:11,036 --> 00:21:13,939 もってのほかです! そんな…。 296 00:21:13,939 --> 00:21:25,551 ♬~ 297 00:21:25,551 --> 00:21:27,486 白珠か。 298 00:21:27,486 --> 00:21:30,089 (白珠)よくお分かりになりましたね。 299 00:21:30,089 --> 00:21:33,826 (浜木綿)そんなお上品な足音は アンタくらいのもんだ。➡ 300 00:21:33,826 --> 00:21:36,495 で 何か用か。 301 00:21:36,495 --> 00:21:40,366 (白珠)あたくしと取り引きをしませんか。 (浜木綿)取り引き? 302 00:21:40,366 --> 00:21:46,105 あなたにはーー 南家には入内を諦めてほしいのです。➡ 303 00:21:46,105 --> 00:21:49,809 その代わり あたくしが入内した暁には➡ 304 00:21:49,809 --> 00:21:53,712 北家が南家を格別に取り計らうことを お約束します。 305 00:21:53,712 --> 00:21:56,715 (浜木綿)フ… 話にならんな。➡ 306 00:21:56,715 --> 00:22:01,921 北家が正式に味方するという 約定でも持って 出直してこい。 307 00:22:01,921 --> 00:22:05,824 (白珠)では… あなたの秘密をばらすと言ったら? 308 00:22:10,296 --> 00:22:12,865 あたくしは知っているのですよ。 309 00:22:12,865 --> 00:22:17,169 あなたの過去 そしてなぜ今 桜花宮にいるのか。 310 00:22:22,374 --> 00:22:24,310 遅くなってすまない。 311 00:22:24,310 --> 00:22:26,712 お招きありがとう 融殿。 312 00:22:26,712 --> 00:22:31,383 恐縮にございます。 まさか本当に こちらに来ていただけるとは。➡ 313 00:22:31,383 --> 00:22:34,286 今すぐお席を ご用意いたしますゆえ。 314 00:22:34,286 --> 00:22:36,255 私が外しましょう。 315 00:22:36,255 --> 00:22:38,257 その必要はない。 316 00:22:38,257 --> 00:22:40,392 せっかくの機会だ。 317 00:22:40,392 --> 00:22:45,297 兄上とも一度 腹を割って話してみたいと思っていた。 318 00:22:45,297 --> 00:22:48,934 朝廷ではできぬ話をな。 319 00:22:48,934 --> 00:22:55,341 ♬~(祭囃子) 320 00:23:00,179 --> 00:23:14,226 ♬~ 321 00:23:14,226 --> 00:23:18,697 ♬「それは うたかたと」 322 00:23:18,697 --> 00:23:23,235 ♬「告げる風は ただ哀しく」 323 00:23:23,235 --> 00:23:27,239 ♬「心 決めた日に」 324 00:23:27,239 --> 00:23:31,977 ♬「にじむ景色を 駆けぬけた」 325 00:23:31,977 --> 00:23:36,415 ♬「咲く花の影に」 326 00:23:36,415 --> 00:23:40,386 ♬「まなざしは 何を問う」 327 00:23:40,386 --> 00:23:49,395 ♬「語らずの 真実 背負う 烏」 328 00:23:49,395 --> 00:23:54,099 ♬「舞い上がれ 舞い躍れ」 329 00:23:54,099 --> 00:23:58,404 ♬「名もなき 一途な信念(ねがい)よ」 330 00:23:58,404 --> 00:24:02,741 ♬「迫りくる 奈落さえ」 331 00:24:02,741 --> 00:24:07,146 ♬「越えて行ける 強さ 信じ 羽ばたけ」 332 00:24:07,146 --> 00:24:11,350 ♬「行きては帰らぬ」 333 00:24:11,350 --> 00:24:15,854 ♬「運命(さだめ)を 選びゆくのなら」 334 00:24:15,854 --> 00:24:20,259 ♬「まほろばよ とこしえに」 335 00:24:20,259 --> 00:24:28,167 ♬「薄明の空に 誓う」 336 00:24:30,969 --> 00:24:36,275 <動きだした白珠。 秘密を抱える浜木綿。➡ 337 00:24:36,275 --> 00:24:40,145 不安に揺れる あせびと真赭の薄。➡ 338 00:24:40,145 --> 00:24:46,251 若宮不在の桜花宮に 不協和音が鳴り響く。➡ 339 00:24:46,251 --> 00:24:50,022 そして 悲劇が起きた。➡ 340 00:24:50,022 --> 00:24:52,324 次回>