1 00:00:03,237 --> 00:00:07,040 (白珠)商人の南 職人の西➡ 2 00:00:07,040 --> 00:00:10,377 楽人の東に武人の北ーー。 3 00:00:10,377 --> 00:00:15,782 四家は同格と言いながら 北家はずっと 四番目の位置に甘んじてきました。 4 00:00:17,284 --> 00:00:20,387 武人のならいで政治は苦手。 5 00:00:20,387 --> 00:00:25,626 雅も解せぬ石頭だ 田舎武者だと他の三家に見下され➡ 6 00:00:25,626 --> 00:00:29,263 登殿でも長いこと 入内を果たせておりません。 7 00:00:29,263 --> 00:00:33,166 ふっ… そこまで卑下することも ないと思うがねぇ。 8 00:00:33,166 --> 00:00:36,036 (白珠)入内は北家の悲願なのです。➡ 9 00:00:36,036 --> 00:00:40,407 その名誉さえ得られれば 他は何もいりません。 10 00:00:40,407 --> 00:00:44,411 ですから南家には 入内を辞退する見返りとして➡ 11 00:00:44,411 --> 00:00:48,515 名誉以外の利益を お譲りすると申し上げているのです。 12 00:00:48,515 --> 00:00:51,418 アンタが入内できればな。 13 00:00:51,418 --> 00:00:53,387 …もちろん。 14 00:00:53,387 --> 00:00:57,624 ただ そのためには もう少々 南家にお手伝いいただくことは➡ 15 00:00:57,624 --> 00:01:00,460 あるかもしれませんわね。 16 00:01:00,460 --> 00:01:05,165 ここ桜花宮においては 姫の言葉は家の言葉。 17 00:01:05,165 --> 00:01:09,937 こればかりは あたくしを 信用していただくしかありませんが…。 18 00:01:09,937 --> 00:01:11,872 どうします。 19 00:01:11,872 --> 00:01:15,742 協力して家の利益を 得るか それとも➡ 20 00:01:15,742 --> 00:01:20,247 秘密をばらされ全てを失い 桜花宮を出ていくか…。 21 00:01:20,247 --> 00:01:22,449 (水音) 22 00:01:25,385 --> 00:01:28,355 はん 選択の余地もないだろ。 23 00:01:28,355 --> 00:01:31,058 ご理解いただき恐縮です。 24 00:01:31,058 --> 00:01:33,327 (浜木綿)他の家は どうするつもりだ。 25 00:01:33,327 --> 00:01:37,998 (白珠)おめでたい西家など 赤子の手を捻るようなものです。 26 00:01:37,998 --> 00:01:40,500 (浜木綿)だが東家は食わせ者だぞ。 27 00:01:40,500 --> 00:01:45,339 あせびみたいな世間知らずを送り込んで 腹では何を考えてるかーー。 28 00:01:45,339 --> 00:01:48,241 (白珠) あら そのあせびを潰してしまえば➡ 29 00:01:48,241 --> 00:01:51,645 何も問題はないでしょう? っ! 30 00:01:51,645 --> 00:01:55,515 大丈夫。 きっとうまくいきますわ。 31 00:01:55,515 --> 00:01:58,085 フ…。 32 00:01:58,085 --> 00:02:11,965 ♬~ 33 00:02:11,965 --> 00:02:15,802 ♬「羽を伸ばしてふらふら」 34 00:02:15,802 --> 00:02:20,474 ♬「うつけてみたいや 何も考えたくない」 35 00:02:20,474 --> 00:02:22,409 ♬「疲れてしまったよ」 36 00:02:22,409 --> 00:02:26,079 ♬「羽目をはずして ぐだぐだ」 37 00:02:26,079 --> 00:02:31,785 ♬「流石に昨日はちょっと 遊びすぎたかもな」 38 00:02:31,785 --> 00:02:36,390 ♬「カァカァ烏合の衆 文句ばっかりじゃない?」 39 00:02:36,390 --> 00:02:41,828 ♬「で何?やっかみ?優雅に壊してくる」 40 00:02:41,828 --> 00:02:49,136 ♬「平気な顔で躊躇いなく嘘をつく」 41 00:02:49,136 --> 00:02:53,006 ♬「騙し合い 悲しくなった」 42 00:02:53,006 --> 00:02:56,543 ♬「まだ青く不確かな」 43 00:02:56,543 --> 00:03:02,749 ♬「飾らない僕にも 変わらない愛を」 44 00:03:02,749 --> 00:03:06,753 ♬「目的地が分からない」 45 00:03:06,753 --> 00:03:11,992 ♬「運命的な出会いがしたい」 46 00:03:11,992 --> 00:03:17,864 ♬「どうせなら遠回りもしたい」 47 00:03:17,864 --> 00:03:26,673 ♬~ 48 00:03:36,116 --> 00:03:39,820 ふぅ… ここが南家の朝宅…。 49 00:03:45,292 --> 00:03:48,195 ⚟(宮烏たちの声) 50 00:03:49,830 --> 00:03:51,798 あそこか…。 51 00:03:51,798 --> 00:03:54,067 でっ! うっ! 52 00:03:54,067 --> 00:03:56,036 いってぇ~…。 53 00:03:56,036 --> 00:03:59,873 誰かと思えば 若宮の近習ではないか。 54 00:03:59,873 --> 00:04:01,975 路近…殿。 55 00:04:04,344 --> 00:04:06,413 ぁ…。 56 00:04:06,413 --> 00:04:09,182 客は人払いだ 行っても無駄だぞ。 57 00:04:09,182 --> 00:04:12,452 はぁ ありがとうございます。 じゃ…。 58 00:04:12,452 --> 00:04:15,155 っぐ… な 何すんですか! 59 00:04:15,155 --> 00:04:17,691 気配に覚えがあるぞ。 60 00:04:17,691 --> 00:04:22,129 谷間で 我々の会合を盗み見ていたのは お前か? 61 00:04:22,129 --> 00:04:24,664 っ…! まあいい。 62 00:04:24,664 --> 00:04:28,568 いろいろ聞かせてもらおうか。 うっ… わぁっ あぁぁ…! 63 00:04:31,104 --> 00:04:33,106 っ…。 64 00:04:47,587 --> 00:04:50,390 ふぅ…。 65 00:04:50,390 --> 00:04:52,359 ん… 何か? 66 00:04:52,359 --> 00:04:55,729 やはり 似ておらぬと思ってな。 ん? 67 00:04:55,729 --> 00:05:00,233 浜木綿だ。 南家一の姫として登殿しているが➡ 68 00:05:00,233 --> 00:05:02,669 あなたの娘か。 69 00:05:02,669 --> 00:05:04,638 どういう意味でございましょう。 70 00:05:04,638 --> 00:05:07,474 言葉どおりだが? 71 00:05:07,474 --> 00:05:10,377 ご推察のとおり浜木綿は養女です。 72 00:05:10,377 --> 00:05:16,016 両親を亡くし 私が面倒を見ていたのを こたび登殿させました。 73 00:05:16,016 --> 00:05:21,221 しかしながら あれが南家直系の 血統であることに間違いはありません。 74 00:05:21,221 --> 00:05:23,924 直系だの枝葉だのは どうでもいい。 75 00:05:23,924 --> 00:05:27,494 ただ そなたには年頃の娘がいるはずだ。 76 00:05:27,494 --> 00:05:29,429 名を何といったかーー。 77 00:05:29,429 --> 00:05:33,066 …撫子。 そう 撫子だ。 78 00:05:33,066 --> 00:05:36,937 本来であれば そちらを登殿させると思うのだが➡ 79 00:05:36,937 --> 00:05:39,506 今回そうしなかったのは➡ 80 00:05:39,506 --> 00:05:41,541 何か理由がおありか? 81 00:05:41,541 --> 00:05:45,912 あいにく娘は不器量で とても殿下の后には。 82 00:05:45,912 --> 00:05:49,316 回りくどいのはやめよう。 83 00:05:49,316 --> 00:05:53,119 私に嫁がせたくない理由を 聞かせてほしい。 84 00:05:53,119 --> 00:05:57,290 そしてそれを判断したのは あなたか それとも…➡ 85 00:05:57,290 --> 00:05:59,793 他の誰かか。 っ…。 86 00:06:02,028 --> 00:06:05,899 そのくらいにされてはどうです。 兄上…。 87 00:06:05,899 --> 00:06:11,338 養女を迎えて登殿させるのは 今に始まったことではありません。 88 00:06:11,338 --> 00:06:18,044 南家と その領地を守るという観点から 融殿も ご判断されたのでしょう。 89 00:06:18,044 --> 00:06:21,248 つまり私では 家も領地も守れぬと。 90 00:06:21,248 --> 00:06:23,216 いえ 決してそのようなーー。 91 00:06:23,216 --> 00:06:26,887 殿下は少し謙虚になるべきです。 92 00:06:26,887 --> 00:06:29,389 私があなたに忠誠を誓うのは➡ 93 00:06:29,389 --> 00:06:34,794 金烏として 立派に務めを果たされると 信じているからです。➡ 94 00:06:34,794 --> 00:06:38,598 ですが時に あなたの強引さは目に余る。➡ 95 00:06:38,598 --> 00:06:42,369 それでは四家との信頼関係も 損ないましょうし➡ 96 00:06:42,369 --> 00:06:47,807 ともすれば 山内に混乱を招きかねない。 97 00:06:47,807 --> 00:06:51,044 万が一 そのようなことになれば➡ 98 00:06:51,044 --> 00:06:54,914 私も しかるべき態度を 示さねばなりません。➡ 99 00:06:54,914 --> 00:06:57,584 宗家の務めは何より➡ 100 00:06:57,584 --> 00:07:00,987 山内の安寧を守ること なのですから。 101 00:07:04,724 --> 00:07:07,327 ご無礼を申し上げました。 102 00:07:07,327 --> 00:07:10,530 先に殿下が腹を割ってと仰ったので。 103 00:07:10,530 --> 00:07:15,135 もちろんだ兄上。 率直な意見は歓迎する。恐れ入ります。 104 00:07:17,237 --> 00:07:19,172 そろそろ失礼する。 105 00:07:19,172 --> 00:07:21,775 ⚟(若宮の足音) …っ! 106 00:07:35,355 --> 00:07:37,691 ⚟(駆けてくる足音) 107 00:07:37,691 --> 00:07:41,227 私の考えが及ばず 申し訳ありません! 108 00:07:41,227 --> 00:07:44,097 まさか若宮が来られるとはーー。 109 00:07:44,097 --> 00:07:47,300 まったく 肝が冷えたわ。➡ 110 00:07:47,300 --> 00:07:50,236 長束さまのおかげで事無きを得たが…➡ 111 00:07:50,236 --> 00:07:54,407 うつけの割には妙なところに鼻がきく。 112 00:07:54,407 --> 00:07:58,278 花街で襲われたことも 身にしみておられぬようだ。 113 00:07:58,278 --> 00:08:01,715 (長束)私もそれを案じておるのです。 ん…? 114 00:08:01,715 --> 00:08:04,951 弟は懲りるということを知りません。 115 00:08:04,951 --> 00:08:08,755 もちろん 私は弟の即位に賛成です。 116 00:08:08,755 --> 00:08:12,258 しかし 態度を改めなければ➡ 117 00:08:12,258 --> 00:08:15,095 またいつ私の信奉者が➡ 118 00:08:15,095 --> 00:08:17,030 私の与り知らぬところで➡ 119 00:08:17,030 --> 00:08:19,632 暴走しないとも限りませぬゆえーー。 120 00:08:23,436 --> 00:08:26,339 ハハハ… 恐ろしいお方だ。 121 00:08:26,339 --> 00:08:31,044 ご自分の指ひとつ動かさず 全てを手に入れるおつもりですかな? 122 00:08:31,044 --> 00:08:34,347 おそれながら 長束さまに限って かようなこと…! 123 00:08:34,347 --> 00:08:39,019 ムキになるな敦房 ほんの冗談だ。 冗談にしても あまりの! 124 00:08:39,019 --> 00:08:41,855 敦房。 (敦房)っ…! 125 00:08:41,855 --> 00:08:45,258 まぁ 確かに ふざけの度がすぎましたな。 126 00:08:45,258 --> 00:08:47,594 失礼仕りました。 127 00:08:47,594 --> 00:08:49,996 (長束) お気になさらず。 っ…。 128 00:08:53,800 --> 00:08:56,236 ⚟何なんですか いったい。 ん? 129 00:08:56,236 --> 00:09:00,740 (路近)武人らしい いい面構えだ。 130 00:09:00,740 --> 00:09:04,611 若干 面だちが細い気もするが 北領のどこだ? 131 00:09:04,611 --> 00:09:09,215 垂氷です。 垂氷と言えば 北家の姫が嫁いだ先か? 132 00:09:09,215 --> 00:09:11,751 …僕だけ母が違うので。 133 00:09:11,751 --> 00:09:15,622 そうか。 …して雪哉 お前➡ 134 00:09:15,622 --> 00:09:18,892 私の配下になる気はないか? は⁉ 135 00:09:18,892 --> 00:09:22,762 もともと長束さまに目を かけられたのだろう。 こっちへ来い。 136 00:09:22,762 --> 00:09:25,698 僕は若宮殿下にお仕えする身ですから。 137 00:09:25,698 --> 00:09:29,436 ふうん 若宮を信奉しているんだな。 138 00:09:29,436 --> 00:09:31,905 別に信奉しているわけじゃーー。 139 00:09:31,905 --> 00:09:34,274 信奉でないなら何だ? 140 00:09:34,274 --> 00:09:38,144 お前は谷間で 私に殺されてもおかしくなかったのだぞ。 141 00:09:38,144 --> 00:09:43,283 そんなところへ放り込むような主に なぜまだ従っているのだ。 142 00:09:43,283 --> 00:09:47,787 とにかく 僕は誰の部下にもなるつもりは ないので。…ぁ。 143 00:09:47,787 --> 00:09:51,658 今は近習を務めていますが 一年という期限付きで➡ 144 00:09:51,658 --> 00:09:54,194 終われば垂氷に帰ります。 145 00:09:54,194 --> 00:09:58,131 若宮にも中央にも 僕は思い入れなんてありません。 146 00:09:58,131 --> 00:10:01,468 僕の望みは 家族と故郷を守ること。 147 00:10:01,468 --> 00:10:03,403 ただそれだけですから! 148 00:10:03,403 --> 00:10:05,338 雪哉。 ぁ…。 149 00:10:05,338 --> 00:10:08,241 で… 殿下…。 150 00:10:08,241 --> 00:10:12,345 密談は終わりましたか。 では 私も戻らねば。 151 00:10:14,414 --> 00:10:18,218 ああ 澄尾なら飛んで行きましたよ。 152 00:10:18,218 --> 00:10:21,688 私を見た途端 尻に火が付いたように。 153 00:10:21,688 --> 00:10:25,391 ッハハハハハハ…! 154 00:10:25,391 --> 00:10:27,393 殿下 あの…。 155 00:10:29,362 --> 00:10:32,098 さっきはその 勢いで…。 156 00:10:32,098 --> 00:10:35,802 (澄尾)ようやく行ったか あの野郎…。 157 00:10:35,802 --> 00:10:38,505 すまん 俺のこと探してたか。 158 00:10:38,505 --> 00:10:43,009 路近は お前が逃げたと言っていたぞ。 自分に恐れをなしてと。 159 00:10:43,009 --> 00:10:46,946 はぁ⁉ 冗談じゃない! 俺は関わりたくないだけだ! 160 00:10:46,946 --> 00:10:50,517 まともな神経じゃない上に はぁ…。声はでかいし しつこいし➡ 161 00:10:50,517 --> 00:10:52,519 いつもニヤニヤしやがって! 162 00:10:55,255 --> 00:11:13,273 ♬~ 163 00:11:13,273 --> 00:11:16,809 飛んで帰れば ひとっ飛びの距離なのになぁ…。 164 00:11:16,809 --> 00:11:19,479 鳥目なんだから仕方ねぇや。 165 00:11:19,479 --> 00:11:21,948 ふぅ…。 166 00:11:21,948 --> 00:11:26,419 がっかりしたでしょうね 殿下を待ってたお姫さまたち。 167 00:11:26,419 --> 00:11:29,022 だろうな。 気の毒なことをした。 168 00:11:29,022 --> 00:11:30,957 え⁉ 何だ? 169 00:11:30,957 --> 00:11:33,860 ちょっと… 意外な反応だったので。 170 00:11:33,860 --> 00:11:39,132 私は別に 桜花宮や七夕を 軽んじているのではない。 171 00:11:39,132 --> 00:11:43,436 雪哉。 私が桜花宮に行きたくないと言うのは➡ 172 00:11:43,436 --> 00:11:46,406 刺客に狙われているからだけではない。 173 00:11:46,406 --> 00:11:50,510 私が行けば 姫たちにどんな影響を与えるか➡ 174 00:11:50,510 --> 00:11:54,113 たやすく想像がつくからだ。 175 00:11:54,113 --> 00:11:57,016 程度は違えど 彼女たちは皆➡ 176 00:11:57,016 --> 00:12:02,255 家の期待と重圧を背負い 登殿に臨んでいる。 177 00:12:02,255 --> 00:12:05,925 目が合えば その姫は希望を持つだろう。 178 00:12:05,925 --> 00:12:10,263 声をかければ 自分は選ばれたと思うだろう。 179 00:12:10,263 --> 00:12:14,968 そして 運よく后や側室になれた者も➡ 180 00:12:14,968 --> 00:12:19,172 暗殺の恐怖と隣り合わせの一生を 過ごすことになるだろう。 181 00:12:20,773 --> 00:12:24,244 いわば 私は疫病神だ。 182 00:12:24,244 --> 00:12:29,482 それでも金烏になるために 私は后を選ばなければならぬ。 183 00:12:29,482 --> 00:12:34,787 だったらできる限り 不幸の種は まかないほうが親切というものだろう? 184 00:12:34,787 --> 00:12:37,690 殿下…。 185 00:12:37,690 --> 00:12:40,293 なんか残念だな…。 186 00:12:40,293 --> 00:12:44,163 何も知らないお姫さまに 恨まれてしまうのは。 187 00:12:44,163 --> 00:12:46,466 そんなのは どうでもいいことだ。 188 00:12:50,903 --> 00:12:53,239 隙だらけだよ。 189 00:12:53,239 --> 00:12:55,174 ん? 190 00:12:55,174 --> 00:12:58,011 他人の心配もいいけどさ➡ 191 00:12:58,011 --> 00:13:01,547 今日みたいに いつだって無茶ばっかして。 192 00:13:01,547 --> 00:13:05,551 ちゃんと自分を守んないと あんた いつか死にますよ。 193 00:13:05,551 --> 00:13:08,888 大丈夫だよ。 私は金烏だから。 194 00:13:08,888 --> 00:13:11,591 答えになってませんよ! 195 00:13:11,591 --> 00:13:14,460 分かった。 肝に銘じよう。 196 00:13:14,460 --> 00:13:18,698 けど お前が思うほど 私は無防備ではないと思うぞ。 197 00:13:18,698 --> 00:13:22,969 剣も使えるし それなりに味方もいる。 198 00:13:22,969 --> 00:13:24,804 澄尾さんと僕以外に? 199 00:13:24,804 --> 00:13:27,173 ああ。 信頼できる人物? 200 00:13:27,173 --> 00:13:31,611 もちろん。 命だって預けられる。 誰ですか それ。 201 00:13:31,611 --> 00:13:35,415 聞きたいか? こいつは最高機密だぞ。 え…。 202 00:13:37,383 --> 00:13:39,352 やめときます。 あ? 203 00:13:39,352 --> 00:13:43,189 だって 聞いちゃったら 一年じゃ済まないでしょ。 204 00:13:43,189 --> 00:13:47,427 来年の春には 僕 絶対垂氷に帰るんですから! 205 00:13:47,427 --> 00:13:50,730 絶対に教えないでくださいよ! 分かった分かった。 206 00:13:50,730 --> 00:13:52,665 (鳴き声) っ! 207 00:13:52,665 --> 00:13:54,667 ふっ…。 208 00:13:58,171 --> 00:14:00,573 (早桃)ただいま戻りました。 209 00:14:00,573 --> 00:14:03,242 早桃 お疲れさま。 210 00:14:03,242 --> 00:14:06,646 どうだった? 返事はもらえた? っ…。 211 00:14:08,681 --> 00:14:10,650 ありがとう! 212 00:14:10,650 --> 00:14:14,354 疲れたでしょう ぁ… っ…。今日はゆっくり休んでね。 213 00:14:27,133 --> 00:14:29,135 はぁ…。 214 00:14:31,037 --> 00:14:33,673 っ! 白珠さま? 215 00:14:33,673 --> 00:14:36,409 誰の文です。 え…? 216 00:14:36,409 --> 00:14:39,612 もしや 若宮さまからではないのですか? 217 00:14:39,612 --> 00:14:43,082 違います これは…。 しらじらしい。 218 00:14:43,082 --> 00:14:47,920 早桃とかいう宗家の女房を使って 裏でコソコソしていたくせに。 219 00:14:47,920 --> 00:14:50,256 文泥棒は あなたでしょう。 220 00:14:50,256 --> 00:14:52,925 そんな… 誤解です白珠さま! 221 00:14:52,925 --> 00:14:54,861 だったら それを見せなさい! うっ…。 222 00:14:54,861 --> 00:14:57,130 っ… く…!っ…! 223 00:14:57,130 --> 00:14:59,832 や やめて! っ! 224 00:14:59,832 --> 00:15:01,901 ごめんなさい わざとじゃ…。 225 00:15:01,901 --> 00:15:04,537 その顔…。 226 00:15:04,537 --> 00:15:09,008 私は汚いことは なぁんにも知りません っていう その顔が➡ 227 00:15:09,008 --> 00:15:11,444 あたくし虫唾が走るほど嫌いです! 228 00:15:11,444 --> 00:15:13,379 あぁっ! 229 00:15:13,379 --> 00:15:15,381 あっ… はっ…! 230 00:15:19,152 --> 00:15:21,220 <誰か…➡ 231 00:15:21,220 --> 00:15:23,322 だれか…!> 232 00:15:26,926 --> 00:15:29,262 っは ゴホゴホッ…! 落ち着きなさい! 233 00:15:29,262 --> 00:15:32,165 ここは浅いわ しっかり立って! 234 00:15:32,165 --> 00:15:35,568 ハァッ 真赭の… ケホッ… ゲホゲホッ…。 235 00:15:35,568 --> 00:15:38,004 いったい どういうつもりですの⁉ 236 00:15:38,004 --> 00:15:42,809 何の話でしょう。 あせびさまは勝手に転んだだけですが? 237 00:15:42,809 --> 00:15:46,612 とぼけないで! このことは藤波さまに報告します! 238 00:15:46,612 --> 00:15:49,949 あら。 ではあたくしも報告しますわ。 239 00:15:49,949 --> 00:15:51,918 西家と東家が結託し➡ 240 00:15:51,918 --> 00:15:55,755 あたくしを悪者にして 北家を陥れようとしたと。 241 00:15:55,755 --> 00:15:58,391 あなた 何を言ってますの? 242 00:15:58,391 --> 00:16:02,028 そんな話 藤波さまが信じると思って? 243 00:16:02,028 --> 00:16:05,565 大体 宗家がわたくしを蔑ろにするなど ありえませんわ。 244 00:16:05,565 --> 00:16:08,201 フフ… おめでたい方。 245 00:16:08,201 --> 00:16:11,103 政局はもう変わったというのに。➡ 246 00:16:11,103 --> 00:16:14,674 軍事力の北家と経済力の南家。➡ 247 00:16:14,674 --> 00:16:17,476 その両家が手を結んだとなれば➡ 248 00:16:17,476 --> 00:16:21,280 宗家がどちらの側につくかは 明らかではないですか? 249 00:16:21,280 --> 00:16:24,584 北家と南家が? …まさか。 250 00:16:24,584 --> 00:16:30,022 南家は あたくしに入内を譲ると すでにお約束いただいてます。 251 00:16:30,022 --> 00:16:33,693 お疑いなら浜木綿さまにお聞きになれば? 252 00:16:33,693 --> 00:16:36,596 お家を惨めな境遇にしたくなければ➡ 253 00:16:36,596 --> 00:16:41,167 お二人も賢くなられたほうが 良いと思いますけど… ウフッ…。 254 00:16:41,167 --> 00:16:43,603 …ふざけないで。 255 00:16:43,603 --> 00:16:47,874 あなたのような卑怯者 若宮さまが選ぶわけありませんわ! 256 00:16:47,874 --> 00:16:53,513 その時は あなた方全員を 桜花宮にいられなくしてやるだけです。 257 00:16:53,513 --> 00:16:56,883 若宮が あたくしを選ぶしかなくなるように。 258 00:16:56,883 --> 00:16:59,385 ひどい…。 259 00:16:59,385 --> 00:17:03,256 あなた方は若宮に恋をして ここにいるのでしょう。 260 00:17:03,256 --> 00:17:05,892 でも あたくしは違います。 261 00:17:05,892 --> 00:17:08,227 若宮の気持ちなど どうでもいい。 262 00:17:08,227 --> 00:17:10,162 っ…? ぁ…。 263 00:17:10,162 --> 00:17:13,566 入内は北家の悲願なのです。 264 00:17:13,566 --> 00:17:16,769 それを果たすためだけに➡ 265 00:17:16,769 --> 00:17:20,573 あたくしは ここにいるのですからーー。 266 00:17:20,573 --> 00:17:23,776 ぁ…。 267 00:17:23,776 --> 00:17:27,280 あなたは… それで寂しくはありませんの。 268 00:17:27,280 --> 00:17:29,282 ハ…。 269 00:17:31,918 --> 00:17:36,756 いいえ。 そういうのは全部捨てて参りましたから。 270 00:17:36,756 --> 00:17:39,559 ぁ…。 (白珠) これは警告です。 271 00:17:42,061 --> 00:17:45,765 万が一にも あたくしを蔑ろにして➡ 272 00:17:45,765 --> 00:17:49,669 あなた方が 入内するようなことになれば…。 273 00:17:49,669 --> 00:17:52,538 必ず破滅させます。 274 00:17:52,538 --> 00:17:56,642 そして あたくしも これで喉を突いて死にます。 275 00:17:59,111 --> 00:18:02,214 ゆめゆめ お忘れなきようにーー。 276 00:18:06,986 --> 00:18:09,155 う… うっ…。 277 00:18:09,155 --> 00:18:12,258 っ… ふっ… う…。 278 00:18:13,926 --> 00:18:21,467 (雨音) 279 00:18:21,467 --> 00:18:24,370 (菊野)姫さま⁉ そんなところで何を…。 280 00:18:24,370 --> 00:18:27,907 来るのが遅いのよ 菊野の馬鹿! えぇっ⁉ 281 00:18:27,907 --> 00:18:30,009 (雨音) 282 00:18:31,777 --> 00:18:34,380 ふぅ…。 283 00:18:34,380 --> 00:18:38,584 白珠が あんなことを考えていたなんて。 284 00:18:38,584 --> 00:18:41,387 今まで疑いもしなかった。 285 00:18:41,387 --> 00:18:47,126 ひたすら若宮さまを慕い 真心を尽くせば必ず思いは通じる。➡ 286 00:18:47,126 --> 00:18:50,129 それが登殿なのだと…。 287 00:18:51,998 --> 00:18:55,001 東家本邸に文を? はい。 288 00:18:55,001 --> 00:18:57,570 早桃に直接届けてもらって…。 289 00:18:57,570 --> 00:18:59,939 それは規則違反よ。 290 00:18:59,939 --> 00:19:01,874 分かっています。 291 00:19:01,874 --> 00:19:05,745 でも どうしても母のことが知りたくて…。 292 00:19:05,745 --> 00:19:10,583 何でもいいから教えてほしいと なじみの下男に送ったのです。 293 00:19:10,583 --> 00:19:13,285 それで お母さまのことは分かったの? 294 00:19:14,987 --> 00:19:16,922 まだ何も…。 295 00:19:16,922 --> 00:19:18,991 ん…。 296 00:19:18,991 --> 00:19:23,229 これは 亡くなった叔母が 話していたことだそうだけど。 297 00:19:23,229 --> 00:19:28,134 今上陛下の后選びの時 東家から登殿に参加した姫は➡ 298 00:19:28,134 --> 00:19:30,970 琴の名手だったそうよ。 299 00:19:30,970 --> 00:19:33,773 仮名は確か 「浮雲」と…。 300 00:19:33,773 --> 00:19:35,708 浮雲⁉ 301 00:19:35,708 --> 00:19:40,346 (真赭の薄)まるで世の穢れとは 無縁のような 清らかな姫で➡ 302 00:19:40,346 --> 00:19:43,249 今上陛下とは すぐ恋仲になったの。➡ 303 00:19:43,249 --> 00:19:45,851 陛下のお渡りも一番多くて➡ 304 00:19:45,851 --> 00:19:50,022 入内は確実と言われていたそうよ。➡ 305 00:19:50,022 --> 00:19:54,427 だけど 夕蝉の君の策にはまって…。 306 00:19:55,961 --> 00:19:58,164 夕蝉の君…? 307 00:20:01,767 --> 00:20:04,870 (菊野)今の皇后さまですよ。 ええっ! 308 00:20:04,870 --> 00:20:08,607 (菊野) その結果 皇后さまは長束さまをご懐妊。 309 00:20:08,607 --> 00:20:12,478 あ…! (菊野)春を待たずに登殿は終了となり➡ 310 00:20:12,478 --> 00:20:16,882 浮雲さまは泣く泣く家に戻られたと 聞いております。 311 00:20:16,882 --> 00:20:20,619 その 浮雲の君というのは…。 312 00:20:20,619 --> 00:20:23,155 きっとあなたのお母さまね。 313 00:20:23,155 --> 00:20:26,826 あの琴も お母さまが 置いていかれたものかも。 314 00:20:26,826 --> 00:20:30,029 (菊野)皇后さまこそ本物の烏太夫ですよ。 315 00:20:30,029 --> 00:20:32,798 さぞや うこぎ殿も 悔しかったことでしょう。 316 00:20:32,798 --> 00:20:35,301 …知らなかった。 317 00:20:35,301 --> 00:20:39,972 あせび 今日のこと 藤波さまにも誰にも言ってはだめよ。 318 00:20:39,972 --> 00:20:43,209 え…? 大ごとにすれば思うつぼよ。 319 00:20:43,209 --> 00:20:47,613 もし本当に 南家が北家と手を組んだとしたら➡ 320 00:20:47,613 --> 00:20:49,548 わたくしたちは潰される。 321 00:20:49,548 --> 00:20:52,852 いえ… それだけじゃ済まないかもしれないわ。 322 00:20:58,390 --> 00:21:03,062 もう大丈夫? はい。 何だかすっきりした気分です。 323 00:21:03,062 --> 00:21:06,966 戻ったら早桃を藤波さまに お返し申し上げないと。 324 00:21:06,966 --> 00:21:09,468 本当にありがとうございました。 325 00:21:11,270 --> 00:21:13,706 っ! あせび 今までわたくしは➡ 326 00:21:13,706 --> 00:21:17,643 あなたの気持ちも考えず 勝手なことばかり…。 327 00:21:17,643 --> 00:21:21,113 きっと傷つけてしまったわね。 328 00:21:21,113 --> 00:21:23,048 本当にごめんなさい。 329 00:21:23,048 --> 00:21:27,286 …いいえ 真赭の薄さま。 330 00:21:27,286 --> 00:21:34,293 (風の音) 331 00:21:39,865 --> 00:21:45,638 (足音と床板の軋む音) 332 00:21:45,638 --> 00:21:47,640 …ぁ。 333 00:21:49,575 --> 00:21:52,578 ふわあぁ~… ん? 334 00:21:59,018 --> 00:22:00,953 あの こちらは? 335 00:22:00,953 --> 00:22:06,592 結果が見えた鉢を 新しく他の植物に かえてもらおうと思ってな。 336 00:22:06,592 --> 00:22:12,398 庭師の一巳だ。 宗家で働きながら 時々情報をくれる。 337 00:22:12,398 --> 00:22:15,301 いわば 数少ない外部の味方だ。 338 00:22:15,301 --> 00:22:18,671 雪哉さまですね お初にお目にかかります。 339 00:22:18,671 --> 00:22:22,474 一巳さん… どうぞよろしく。 340 00:22:22,474 --> 00:22:24,476 澄尾が見えないが。 341 00:22:24,476 --> 00:22:27,313 山内衆の急な呼び出しがありまして。 342 00:22:27,313 --> 00:22:30,716 呼び出しーー そうか。 343 00:22:30,716 --> 00:22:33,018 一巳は続きを頼む。 344 00:22:37,323 --> 00:22:40,226 (烏の鳴き声) 345 00:22:43,495 --> 00:22:49,902 (烏の鳴き声) 346 00:23:00,045 --> 00:23:14,226 ♬~ 347 00:23:14,226 --> 00:23:18,697 ♬「それは うたかたと」 348 00:23:18,697 --> 00:23:23,235 ♬「告げる風は ただ哀しく」 349 00:23:23,235 --> 00:23:27,239 ♬「心 決めた日に」 350 00:23:27,239 --> 00:23:31,977 ♬「にじむ景色を 駆けぬけた」 351 00:23:31,977 --> 00:23:36,415 ♬「咲く花の影に」 352 00:23:36,415 --> 00:23:40,386 ♬「まなざしは 何を問う」 353 00:23:40,386 --> 00:23:49,395 ♬「語らずの 真実 背負う 烏」 354 00:23:49,395 --> 00:23:54,099 ♬「舞い上がれ 舞い躍れ」 355 00:23:54,099 --> 00:23:58,404 ♬「名もなき 一途な信念(ねがい)よ」 356 00:23:58,404 --> 00:24:02,741 ♬「迫りくる 奈落さえ」 357 00:24:02,741 --> 00:24:07,146 ♬「越えて行ける 強さ 信じ 羽ばたけ」 358 00:24:07,146 --> 00:24:11,350 ♬「行きては帰らぬ」 359 00:24:11,350 --> 00:24:15,854 ♬「運命(さだめ)を 選びゆくのなら」 360 00:24:15,854 --> 00:24:20,259 ♬「まほろばよ とこしえに」 361 00:24:20,259 --> 00:24:28,167 ♬「薄明の空に 誓う」 362 00:24:31,003 --> 00:24:35,174 <早桃の死に ざわめく桜花宮。➡ 363 00:24:35,174 --> 00:24:41,313 涙するあせびに 白珠が再び矛先を向ける。➡ 364 00:24:41,313 --> 00:24:43,349 月のない夜。➡ 365 00:24:43,349 --> 00:24:48,253 闇に沈んだ女の園に忍び寄る影があった> 366 00:24:50,089 --> 00:24:52,191 <次回>