1 00:00:06,173 --> 00:00:08,141 (人々のにぎわう声) 2 00:00:08,141 --> 00:00:10,143 (ベリル・ガーデナント)うう~…。 3 00:00:10,143 --> 00:00:13,146 (店主)旦那 どうだい? ひとつ。 ん? 4 00:00:14,214 --> 00:00:19,152 うちの田舎じゃ この大きさの魚は口に入らなかったね。 5 00:00:19,152 --> 00:00:22,155 しかし 高いなあ。 出始めだからな。 6 00:00:22,155 --> 00:00:26,226 冬本番になりゃ 仕入れが増えて 売値もなんぼか下がるよ。 7 00:00:26,226 --> 00:00:29,129 う~む…。 (スレナ・リサンデラ)先生! 8 00:00:29,129 --> 00:00:32,232 すみません。 しばらく顔を見せに行けず。 9 00:00:32,232 --> 00:00:35,235 いやいや スレナも忙しいでしょ。 10 00:00:35,235 --> 00:00:37,237 魚を買うのですか? 11 00:00:37,237 --> 00:00:42,142 ん~ 興味はあるんだけど どう料理すれば美味しくいただけるのか…。 12 00:00:42,142 --> 00:00:45,145 店でいろいろ食べてみては どうですか? 13 00:00:45,145 --> 00:00:49,216 魚料理のうまい店なら 何軒か知っています。 14 00:00:49,216 --> 00:00:51,151 おおっ! 教えてもらえる? 15 00:00:51,151 --> 00:00:55,155 もちろんです! 差し当たり8軒ほど紹介しますので→ 16 00:00:55,155 --> 00:00:58,158 今から一緒にハシゴしましょう! 17 00:00:58,158 --> 00:01:00,127 いや 今からは無理だよ!? 18 00:01:01,128 --> 00:01:26,119 ♬~ 19 00:02:42,229 --> 00:02:46,133 助かったよ 洋服屋まで教えてもらえて。 20 00:02:46,133 --> 00:02:50,137 私も 冬物がだいぶ傷んできたので ちょうど見ておきたかったんです。 21 00:02:50,137 --> 00:02:54,107 こっちは そろそろ ミュイにコートを買ってあげたくてね。 22 00:02:55,108 --> 00:03:01,114 その… 先生は 少し前に 貴族の招待を受けたと聞きましたが。 23 00:03:01,114 --> 00:03:04,117 ん? ああ… よく知ってるね。 24 00:03:04,117 --> 00:03:08,121 冒険者ギルドには さまざまな情報が集まってきますので。 25 00:03:08,121 --> 00:03:11,124 えらい目に遭ったよ。 26 00:03:11,124 --> 00:03:15,195 かなりの深手を負った騎士団員がいると 聞きましたが…。 27 00:03:15,195 --> 00:03:18,198 完治は望めないらしい。 28 00:03:18,198 --> 00:03:22,102 彼は もう 騎士団には復帰できないかもしれない。 29 00:03:22,102 --> 00:03:25,105 俺が もう少し うまくやれていれば…。 30 00:03:28,208 --> 00:03:30,110 先生。 31 00:03:30,110 --> 00:03:33,113 先生が己を責めることではありません。 32 00:03:33,113 --> 00:03:37,184 お会いできた時に これだけは言おうと思っていました。 33 00:03:37,184 --> 00:03:41,121 あっ… すまない 気を遣わせてしまって。 34 00:03:41,121 --> 00:03:44,124 このことばかり考えて 過ごしてるわけじゃないけど→ 35 00:03:44,124 --> 00:03:47,127 忘れるわけにもいかないし。 36 00:03:48,195 --> 00:03:50,130 悔しいです。 えっ? 37 00:03:50,130 --> 00:03:55,102 私が 常にお手伝いできれば 先生に そのような思いはさせないのですが→ 38 00:03:55,102 --> 00:03:58,205 立場上 それも難しく…。 39 00:03:58,205 --> 00:04:01,108 気持ちだけでも ありがたいよ。 40 00:04:01,108 --> 00:04:06,146 情けないです。 気持ちだけで 先生に受けた恩を返せるとは とても…。 41 00:04:06,146 --> 00:04:09,116 じゃあ 今日じゃなくて また今度→ 42 00:04:09,116 --> 00:04:12,119 スレナのおすすめの店で 魚料理をごちそうしてもらおう。 43 00:04:12,119 --> 00:04:14,121 あっ…。 44 00:04:14,121 --> 00:04:16,123 ミュイも連れてきていい? 45 00:04:16,123 --> 00:04:18,125 お安いご用です! 46 00:04:18,125 --> 00:04:22,095 1軒でいいよ。 ハシゴはなしね。 承知しました。 47 00:04:24,231 --> 00:04:28,135 (アリューシア・シトラス)先生 朝早くのお呼び立て 申し訳ありません。 48 00:04:28,135 --> 00:04:32,205 問題ないよ。 で 用件は? 早速 本題に入りますが→ 49 00:04:32,205 --> 00:04:37,144 サラキア王女殿下の輿入れについて 行程が決まりました。 50 00:04:37,144 --> 00:04:40,147 今月末にバルトレーンをたち→ 51 00:04:40,147 --> 00:04:45,118 スフェンドヤードバニアにて滞在後 新年に婚姻の儀を執り行うとのことです。 52 00:04:45,118 --> 00:04:47,120 そうか。 53 00:04:47,120 --> 00:04:51,224 つきましては先生に 王女殿下の護衛団に加わっていただきたく。 54 00:04:51,224 --> 00:04:54,127 分かった。 やろう。 55 00:04:54,127 --> 00:04:56,129 ありがとうございます。 56 00:04:56,129 --> 00:04:58,131 ヘンブリッツ。 (ヘンブリッツ・ドラウト)はい。 57 00:04:59,132 --> 00:05:02,135 目的地は スフェンドヤードバニアの教都→ 58 00:05:02,135 --> 00:05:06,139 つまり 首都ですが ディルマハカという都市です。 59 00:05:06,139 --> 00:05:11,111 騎士団総員の半数が帯同し あとの半数は首都防衛のために残します。 60 00:05:11,111 --> 00:05:13,113 (ヘンブリッツ)魔法師団は 全て残ります故→ 61 00:05:13,113 --> 00:05:16,216 有事の備えとしては十分かと。 うん。 62 00:05:16,216 --> 00:05:20,120 遠征中 私とヘンブリッツは それぞれ部隊を率います。 63 00:05:20,120 --> 00:05:22,122 先生は 私の部隊に加わり→ 64 00:05:22,122 --> 00:05:26,126 王女殿下をお守りする近衛として お務めいただけますか。 65 00:05:26,126 --> 00:05:29,129 分かった。 恐れ入ります。 66 00:05:29,129 --> 00:05:34,201 では 今回の任務に際しては こちらを身に着けてください。 67 00:05:34,201 --> 00:05:36,102 ん? 外套か。 68 00:05:36,102 --> 00:05:39,105 騎士の鎧は 叙任を受けないと下賜されませんが→ 69 00:05:39,105 --> 00:05:41,141 これなら支給できます。 70 00:05:41,141 --> 00:05:44,110 上着だけでも そろいのほうが 体裁はいいか。 71 00:05:45,111 --> 00:05:47,147 しかし やけに準備がいいね。 72 00:05:47,147 --> 00:05:50,116 お引き受けいただけると思っていましたので。 73 00:05:50,116 --> 00:05:53,119 まあ さすがにね…。 74 00:05:53,119 --> 00:05:56,122 《人任せにはできないよ》 75 00:05:56,122 --> 00:05:58,124 それで ルートは? 76 00:05:58,124 --> 00:06:00,126 先日の襲撃を考慮し→ 77 00:06:00,126 --> 00:06:04,130 2カ月前の下見とは違う経路で 直前に決定します。 78 00:06:04,130 --> 00:06:08,101 国境に位置するフルームヴェルク領で 1日滞在する点のみ→ 79 00:06:08,101 --> 00:06:10,103 すでに決まっていますが。 80 00:06:10,103 --> 00:06:13,106 うん 妥当な段取りだと思う。 81 00:06:13,106 --> 00:06:17,110 あとは しばらく団員たちの修練は 強めに追い込んで→ 82 00:06:17,110 --> 00:06:22,115 輿入れ出発の数日前から 負荷を下げる方向にしていただければ。 83 00:06:22,115 --> 00:06:25,118 今日のところは以上です。 分かった。 84 00:06:25,118 --> 00:06:27,087 じゃあ 早速始めるよ。 85 00:06:32,192 --> 00:06:36,196 団長 ひとつ伺ってもよろしいですか? 86 00:06:36,196 --> 00:06:38,131 どうぞ。 87 00:06:38,131 --> 00:06:41,101 先ほどの団長のお言葉に 含みを感じたのですが→ 88 00:06:41,101 --> 00:06:45,105 フルームヴェルク領で ベリル殿と何かあったのですか? 89 00:06:45,105 --> 00:06:49,109 何もありませんよ。 先生と私はずっと。 90 00:06:49,109 --> 00:06:53,146 それで構わない。 ずっと そう思っていたはずなのですが→ 91 00:06:53,146 --> 00:06:56,116 分からなくなりました。 92 00:06:56,116 --> 00:06:59,119 現実に 先生を幸せにできるかもしれない存在を→ 93 00:06:59,119 --> 00:07:01,121 目の当たりにして…。 94 00:07:01,121 --> 00:07:03,089 あっ…。 95 00:07:04,124 --> 00:07:07,127 この話は 忘れてもらって構いません。 96 00:07:07,127 --> 00:07:11,131 当然ですが 任務には なんら影響しないことです。 97 00:07:11,131 --> 00:07:13,133 (ドアの閉まる音) 98 00:07:15,101 --> 00:07:17,103 みんな 剣先が下がってる! 99 00:07:17,103 --> 00:07:20,173 この程度でバテてるようじゃ駄目だ! (騎士団員たち)はい! 100 00:07:20,173 --> 00:07:22,142 フラーウ! 101 00:07:22,142 --> 00:07:24,144 けがのほうは? 102 00:07:24,144 --> 00:07:27,147 (フラーウ・ハルネリンド)完治しましたので 今日からまた お願いします。 103 00:07:27,147 --> 00:07:29,215 しばらく きつい鍛錬になるけど。 104 00:07:29,215 --> 00:07:32,152 今は それくらいのほうが むしろありがたいです。 105 00:07:32,152 --> 00:07:34,120 うん。 106 00:07:35,121 --> 00:07:37,190 エヴァンスくん。 クルニを ちょっと借りるよ。 107 00:07:37,190 --> 00:07:39,159 (エヴァンス・ジーン)はい。 (クルニ・クルーシエル)ん? 108 00:07:41,161 --> 00:07:43,129 リカッソを使わず→ 109 00:07:43,129 --> 00:07:46,132 柄から先は 全て刃が付いてる想定で 打ち込んでくれるかな。 110 00:07:46,132 --> 00:07:48,101 はいっす! 111 00:07:50,136 --> 00:07:52,138 フンッ! 112 00:07:53,139 --> 00:07:57,143 《何せ本番だ あの連中が来る可能性は高い》 113 00:07:57,143 --> 00:08:00,146 《どう戦うか考えずにいられない》 114 00:08:00,146 --> 00:08:04,150 《剣士の業なのか ただの思い上がりか…》 115 00:08:05,118 --> 00:08:07,120 ハアーッ! 116 00:08:07,120 --> 00:08:09,155 フンッ! あっ…! 117 00:08:09,155 --> 00:08:14,127 《なんにせよ 奴の始末は自分の手でつけたい》 118 00:08:15,128 --> 00:08:17,130 よし 焼けたぞ。 119 00:08:17,130 --> 00:08:19,132 いただきます。 (ミュイ・フレイア)いただきます。 120 00:08:22,202 --> 00:08:25,138 おお~ こりゃ いいな! 121 00:08:25,138 --> 00:08:28,108 皮が香ばしくて 脂が少ないのに うまみは強い。 122 00:08:28,108 --> 00:08:30,143 (ミュイ)うまっ! 123 00:08:30,143 --> 00:08:34,114 いや~ 結局 気になって買っちゃったんだけど 正解だったな。 124 00:08:36,116 --> 00:08:41,121 簡単なのは 内臓抜いて塩振って焼くだけって 店の人に教わったけど→ 125 00:08:41,121 --> 00:08:43,123 これで十分じゃないか。 126 00:08:43,123 --> 00:08:46,126 初めて食う味だけど むちゃくちゃうまい。 127 00:08:46,126 --> 00:08:48,128 俺も焼き魚なんて初めてだよ。 128 00:08:48,128 --> 00:08:52,132 寒くなると値段がこなれるらしいから また買ってこよう。 129 00:08:52,132 --> 00:08:54,134 (ミュイ)うん。 130 00:08:54,134 --> 00:08:56,102 洗いもんしてくる。 131 00:08:56,102 --> 00:08:58,138 あっ… 待って。 なんだよ? 132 00:08:58,138 --> 00:09:01,107 ちょっと相談したいことがあって。 (ミュイ)仕事のことか? 133 00:09:01,107 --> 00:09:04,144 《いい勘してるな~ ミュイは…》 134 00:09:04,144 --> 00:09:08,114 そう。 月末から またしばらく出張でね。 135 00:09:08,114 --> 00:09:12,118 今度は2カ月くらいになりそうなんだ。 ふーん。 136 00:09:12,118 --> 00:09:16,122 また学院の寮に短期寄宿できるように 手続きしておくよ。 137 00:09:16,122 --> 00:09:19,125 いや 寮には行かねえ。 えっ? 138 00:09:19,125 --> 00:09:25,131 もしかして… 前に俺が出張行った時 寮に寝泊まりしたけど 合わなかったとか? 139 00:09:25,131 --> 00:09:27,133 そんなんじゃねえ。 140 00:09:27,133 --> 00:09:31,104 じゃあ なんで? ルーシーの豪邸に しばらく住んでみたくなった? 141 00:09:31,104 --> 00:09:34,107 違う。 ここでいいっつってるんだ。 142 00:09:34,107 --> 00:09:36,142 はっ? 143 00:09:36,142 --> 00:09:40,146 何もおかしくねえだろ。 ここがアタシの家なんだから。 144 00:09:40,146 --> 00:09:42,148 ミュイ一人きりになるんだよ? 145 00:09:42,148 --> 00:09:45,118 家のことなら 大体一人でできるようになった。 146 00:09:45,118 --> 00:09:48,121 学校も来月の頭から冬休みだし。 147 00:09:48,121 --> 00:09:53,126 《子供扱いされるのを嫌うからな ミュイは。 でも…》 148 00:09:53,126 --> 00:09:56,129 危なくない? 心配しすぎなんだよ。 149 00:09:56,129 --> 00:10:00,133 空き巣の狙いどころくらい知ってるし 用心しときゃ大丈夫だろ。 150 00:10:00,133 --> 00:10:03,102 《別の意味で心配になってきたぞ》 151 00:10:03,102 --> 00:10:07,207 《しかし この独立心は尊重すべきか…》 152 00:10:07,207 --> 00:10:09,109 じゃあ… やってみる? 153 00:10:09,109 --> 00:10:11,111 うん。 154 00:10:11,111 --> 00:10:14,214 ただし 困ったことが起きたら ルーシーのところに行くようにね。 155 00:10:14,214 --> 00:10:17,116 話は通しておくから。 うん。 156 00:10:17,116 --> 00:10:19,119 あと 服はちゃんと畳んで片付けてね。 157 00:10:19,119 --> 00:10:23,189 うっ… 分かってるよ。 158 00:10:23,189 --> 00:10:25,158 頼むよ ホント。 159 00:10:28,962 --> 00:10:31,965 これより騎士団は 所定の行動を実施する。 160 00:10:31,965 --> 00:10:36,002 おのおのの たゆまぬ努力と研鑽が 遺憾なく発揮されることを期待する。 161 00:10:36,002 --> 00:10:37,937 以上! 162 00:10:37,937 --> 00:10:39,939 《いよいよ始まったか…》 163 00:10:40,940 --> 00:10:43,977 ベリル殿 われわれも参りましょう。 164 00:10:43,977 --> 00:10:47,947 ああ まずは 北区の王宮前だね。 165 00:10:47,947 --> 00:10:49,949 (クルニ)先生~! 166 00:10:49,949 --> 00:10:51,951 クルニ どうしたの? 167 00:10:51,951 --> 00:10:53,953 先生と団長 また遠くまで行って お泊まりっすね。 168 00:10:53,953 --> 00:10:56,022 今回は副団長も。 169 00:10:56,022 --> 00:10:58,024 私も行きたいっす! 170 00:10:58,024 --> 00:11:00,960 《旅行みたいなノリで言うよね この子…》 171 00:11:00,960 --> 00:11:03,963 残念だけど そういう配置だから。 へっ? 172 00:11:03,963 --> 00:11:07,934 王女殿下を自らお守りしたいという 意気込みは買うが→ 173 00:11:07,934 --> 00:11:09,969 首都の守りも おろそかにできない。 174 00:11:09,969 --> 00:11:11,971 頼りにしているぞ クルニ。 175 00:11:11,971 --> 00:11:15,942 うう… 副団長に そこまで言われたら→ 176 00:11:15,942 --> 00:11:17,977 ここに残って頑張るしかないっす! 177 00:11:17,977 --> 00:11:21,981 《ヘンブリッツくん クルニの扱いがうまいな…》 178 00:11:21,981 --> 00:11:24,984 じゃあ 頼んだよ クルニ。 (クルニ)はいっす! 179 00:11:24,984 --> 00:11:29,989 先生 お土産楽しみにしてるっす! えっ? ああ… うん。 180 00:11:29,989 --> 00:11:32,959 《やっぱり 旅行のノリなのね…》 181 00:11:37,063 --> 00:11:40,033 では ベリル殿は 2番目の馬車に。 了解。 182 00:11:40,967 --> 00:11:42,969 (ヘンブリッツ)総員騎乗! 183 00:11:44,971 --> 00:11:54,981 ♬~ 184 00:11:54,981 --> 00:11:59,953 《今回も囮… まあ 適材適所ではあるけどね》 185 00:11:59,953 --> 00:12:03,056 《俺も一応 馬には乗れるけど→ 186 00:12:03,056 --> 00:12:05,992 これほど足並みをそろえるのは まねできないし》 187 00:12:05,992 --> 00:12:07,961 《じきに首都を出て街道に入る》 188 00:12:07,961 --> 00:12:12,966 《そこから先は いつ あいつらが襲ってきても おかしくない》 189 00:12:12,966 --> 00:12:15,969 《こっちの戦力は あの時と比べものにならないが→ 190 00:12:15,969 --> 00:12:18,938 どんな手で来るか分からない連中だ》 191 00:12:18,938 --> 00:12:22,942 《気を抜くな。 ただし 気負いすぎるな》 192 00:12:22,942 --> 00:12:27,947 《目いっぱいで気を張り続けていたら 長旅は持たないし 体の動きも硬くなる》 193 00:12:27,947 --> 00:12:29,949 (深呼吸) 194 00:12:29,949 --> 00:12:34,954 《何が起きても後の先をとる。 まずは それだけでいい》 195 00:12:36,956 --> 00:12:38,958 (ウォーレン・フルームヴェルク) ようこそ おいでくださいました→ 196 00:12:38,958 --> 00:12:40,960 サラキア王女殿下。 197 00:12:40,960 --> 00:12:43,963 わが領にて 歓待できまするは光栄の至り。 198 00:12:43,963 --> 00:12:45,999 (ウォーレン)どうぞ おくつろぎください。 199 00:12:45,999 --> 00:12:48,935 (サラキア・アスフォード・エル・レベリス) 卿の良きように計らってください→ 200 00:12:48,935 --> 00:12:50,970 フルームヴェルク辺境伯。 201 00:12:50,970 --> 00:12:52,939 仰せのままに。 202 00:12:53,973 --> 00:12:55,942 (シュステ・フルームヴェルク)フフッ…。 あっ…。 203 00:12:55,942 --> 00:13:00,980 《さすが貴族。 王女さまへの対応も完璧だ》 204 00:13:00,980 --> 00:13:03,950 (ウォーレン)晩餐の支度も じきに整います。 205 00:13:03,950 --> 00:13:06,953 まずは お部屋にご案内いたしますので どうぞ こちらに。 206 00:13:06,953 --> 00:13:08,955 よしなに。 207 00:13:11,958 --> 00:13:14,961 俺たちも休ませてもらおうか。 208 00:13:14,961 --> 00:13:17,964 今回も あの別邸でいいんだよね? はい…。 209 00:13:17,964 --> 00:13:22,035 ん? どうしたの? アリューシア。 210 00:13:22,035 --> 00:13:26,973 あくまで 例えばの話として 聞いていただきたいのですが。 211 00:13:26,973 --> 00:13:28,975 ん…? 例えば→ 212 00:13:28,975 --> 00:13:33,946 その人が幸せになるなら なんでもできる 命すら惜しくない。 213 00:13:33,946 --> 00:13:37,016 本心から そう思える人がいて→ 214 00:13:37,016 --> 00:13:40,953 でも その人は 自分より他の人と一緒にいたほうが→ 215 00:13:40,953 --> 00:13:43,956 幸せになれるとしたら…。 216 00:13:43,956 --> 00:13:45,958 先生なら どうしますか? 217 00:13:48,961 --> 00:13:54,967 申し訳ありません つい…。 公務の最中に変なたとえ話を。 218 00:13:54,967 --> 00:13:56,936 あっ… いや…。 219 00:13:56,936 --> 00:14:01,941 やはり これは自分で考えるべきことでした。 別邸に参りましょう。 220 00:14:07,046 --> 00:14:10,950 《ここにいる間は 襲われる心配もなさそうなのに…→ 221 00:14:10,950 --> 00:14:13,019 結局 落ち着かない》 222 00:14:13,019 --> 00:14:16,022 (ノック) ⚞(シュステ)お食事をお持ちしました。 223 00:14:16,022 --> 00:14:17,957 ⚞ああ どうぞ。 224 00:14:17,957 --> 00:14:20,960 えっ シュステ? (シュステ)はい。 225 00:14:20,960 --> 00:14:23,963 いやいや いやいや 「はい」じゃなくて…。 226 00:14:23,963 --> 00:14:26,966 (シュステ)何か問題でもございますか? 227 00:14:26,966 --> 00:14:29,969 こんなとこにいていいの? 王女さまの おもてなしは? 228 00:14:29,969 --> 00:14:34,974 (シュステ)そちらは 兄と父に任せておけば大丈夫です。 229 00:14:34,974 --> 00:14:36,976 何が大丈夫なの!? 230 00:14:37,977 --> 00:14:39,979 (シュステ)さあ 召し上がれ! 231 00:14:39,979 --> 00:14:41,981 (つばをのみ込む音) 232 00:14:41,981 --> 00:14:44,984 今 ちょっと喉を通りにくそうなんで 後でいただくよ。 233 00:14:44,984 --> 00:14:48,955 お好きになさってください。 ところで ベリルさま→ 234 00:14:48,955 --> 00:14:52,959 わたくし バルトレーンへの転居を 考えているのですが。 235 00:14:52,959 --> 00:14:55,995 やぶから棒だね。 なんで 首都に行きたいのかな? 236 00:14:55,995 --> 00:14:58,965 ベリルさまが いらっしゃるので。 237 00:14:58,965 --> 00:15:00,967 あの… 聞き間違いかな? 238 00:15:00,967 --> 00:15:03,970 ベリルさまが いらっしゃるので! 239 00:15:03,970 --> 00:15:06,973 その理由だと さすがに難しいんじゃないかな…。 240 00:15:06,973 --> 00:15:08,941 本気でお慕い申しております。 241 00:15:09,976 --> 00:15:13,946 ずっと この辺境伯家に尽くすために 生きてきました。 242 00:15:13,946 --> 00:15:17,950 そのわたくしが初めて尽くしたいと思えた方が ベリルさまです。 243 00:15:17,950 --> 00:15:19,952 うっ… あっ…。 244 00:15:19,952 --> 00:15:23,956 血のつながりのない方から 打算のない優しさを頂戴したのは→ 245 00:15:23,956 --> 00:15:25,958 初めてでした。 246 00:15:25,958 --> 00:15:29,962 そう思ってもらえるのは すごくうれしいよ。 素直にね。 247 00:15:29,962 --> 00:15:31,964 では…。 けど すまない。 248 00:15:31,964 --> 00:15:34,967 少なくとも すぐには応えられない。 249 00:15:34,967 --> 00:15:38,971 やはり わたくしでは 不相応でしょうか。 250 00:15:38,971 --> 00:15:41,974 シュステはいい子だよ。 これは俺の問題なんだ。 251 00:15:41,974 --> 00:15:43,976 ベリルさまの? 252 00:15:43,976 --> 00:15:46,946 先にやらなきゃいけないことが いくつかあって。 253 00:15:46,946 --> 00:15:50,950 実は 俺は ある女の子の後見人をやっていてね。 254 00:15:50,950 --> 00:15:54,921 その子が独り立ちするまでは そっちを優先したい。 255 00:15:55,955 --> 00:15:58,958 他にも おやじに勝った以上→ 256 00:15:58,958 --> 00:16:01,928 剣の頂を目指さないのは 裏切りになってしまう。 257 00:16:03,963 --> 00:16:06,032 それに…。 258 00:16:06,032 --> 00:16:08,968 先生なら どうしますか? 259 00:16:08,968 --> 00:16:12,939 どちらに転ぶにせよ 答えを出さなきゃいけないこともあって。 260 00:16:12,939 --> 00:16:14,974 それは悪いけど→ 261 00:16:14,974 --> 00:16:19,045 シュステの気持ちに どう応えるかよりも 先にやらなきゃいけないんだ。 262 00:16:19,045 --> 00:16:20,980 困ります。 263 00:16:20,980 --> 00:16:22,949 いや そこをなんとか分かってもらえると…。 264 00:16:22,949 --> 00:16:26,953 そんなに誠実に断られては 返す言葉がありません。 265 00:16:26,953 --> 00:16:30,957 ですが 本気で わたくしと 向き合われていることも感じられ→ 266 00:16:30,957 --> 00:16:35,962 ますます好きになってしまって困るのです。 267 00:16:35,962 --> 00:16:37,997 だから…→ 268 00:16:37,997 --> 00:16:39,932 待たせていただきます。 269 00:16:39,932 --> 00:16:44,937 ベリルさまが先になさりたいことを 全て済ませるまで。 270 00:16:44,937 --> 00:16:48,975 いつになるか分からないし いい返事ができるかも分からないよ。 271 00:16:48,975 --> 00:16:52,979 問題ありません 気は長いほうですし。 272 00:16:52,979 --> 00:16:55,982 ただ 時がたちすぎて→ 273 00:16:55,982 --> 00:16:59,952 ベリルさまが わたくしを忘れてしまわれたら 悲しいですわ。 274 00:16:59,952 --> 00:17:03,956 忘れることはないさ。 あの押し花は ずっと大事にしてる。 275 00:17:03,956 --> 00:17:06,959 うれしい! 276 00:17:07,994 --> 00:17:09,996 (ミュイ)ハッ ハッ ハッ…。 277 00:17:09,996 --> 00:17:12,965 (クルニ)あれ? もしかして ミュイちゃんっすか? 278 00:17:12,965 --> 00:17:15,968 やっぱりっす! おはようっす! 279 00:17:15,968 --> 00:17:19,972 (ミュイ)フィッセル先生とクルニ… さん。 280 00:17:19,972 --> 00:17:22,041 ミュイちゃんも走ってるっすか? 281 00:17:22,041 --> 00:17:24,977 走り込みは全ての基本だって いつも おっさ…→ 282 00:17:24,977 --> 00:17:27,980 いや ベリルさんが…。 283 00:17:27,980 --> 00:17:29,949 無理しなくていいっすよ。 284 00:17:29,949 --> 00:17:34,020 私から見ても 正直 先生は おっさん以外の何ものでもないっす。 285 00:17:34,020 --> 00:17:38,024 (フィッセル・ハーベラー)かっこいいおっさん。 そうそう かっこいいっす! 286 00:17:39,058 --> 00:17:41,994 (クルニ)ミュイちゃん せっかくだし 一緒にどうっすか? 287 00:17:41,994 --> 00:17:45,965 私とフィスちゃんは ちょくちょく時間合わせて走ってるっすけど。 288 00:17:45,965 --> 00:17:50,970 騎士団員とか先生になっても まだ走ってるんですか? 289 00:17:50,970 --> 00:17:54,974 ベリル先生の道場で最初に教わるのが 走り込み。 290 00:17:54,974 --> 00:17:57,977 免許皆伝の日まで ずっとやる。 291 00:17:57,977 --> 00:17:59,979 だから 体に染みついてるっす! 292 00:17:59,979 --> 00:18:02,949 でも ミュイちゃんは偉いっす。 自主的に走るなんて。 293 00:18:02,949 --> 00:18:05,051 いや 全然足りねえ…。 294 00:18:05,051 --> 00:18:09,956 木剣振り抜いたら体がぶれるし 剣魔法の魔力の変換もうまくいかねえ。 295 00:18:09,956 --> 00:18:12,992 (フィッセル)続けてれば いつか必ずできる。 296 00:18:12,992 --> 00:18:15,962 魔術は分かんないっすけど 続けてればできるようになるのは→ 297 00:18:15,962 --> 00:18:18,030 絶対そうっす! 298 00:18:18,030 --> 00:18:21,934 おっさんも そう言ってたし アタシもそうだと思ってやってるけど…。 299 00:18:21,934 --> 00:18:26,939 あ~! 出口が見えないと 気持ち的につらくなる時もあるっすね。 300 00:18:26,939 --> 00:18:28,975 (フィッセル)うんうん。 301 00:18:28,975 --> 00:18:31,043 (クルニ)いいこと思い付いたっす! 302 00:18:31,043 --> 00:18:34,981 魔術師学院って 今 冬休みっすよね? (フィッセル)うんうん。 303 00:18:34,981 --> 00:18:38,951 (クルニ)休みの間 3人で ミュイちゃんの秘密特訓するっすよ! 304 00:18:38,951 --> 00:18:41,954 えっ? い… いいんですか? 305 00:18:41,954 --> 00:18:45,958 名案。 私にとっては授業の練習にもなる。 306 00:18:45,958 --> 00:18:48,961 フィスちゃんも秘密特訓っすね! 307 00:18:48,961 --> 00:18:53,933 じゃあ 決まり! 明日も同じくらいの時間に ここに集合っす! 308 00:18:53,933 --> 00:18:57,036 よろしく… お願いします。 309 00:18:57,036 --> 00:19:00,973 (フィッセル)休みの間は先生と生徒じゃない。 同じベリル先生の弟子。 310 00:19:00,973 --> 00:19:02,975 だから 敬語はなしでいい。 311 00:19:02,975 --> 00:19:04,977 マジかよ!? 312 00:19:04,977 --> 00:19:06,979 フウ~ 助かったぜ…。 313 00:19:06,979 --> 00:19:08,948 (クルニ)切り替え早いっす! 314 00:19:10,950 --> 00:19:12,952 (ガトガ・ラズオーン)しばらくぶりだな。 315 00:19:12,952 --> 00:19:15,955 シトラス ガーデナント。 元気そうで何よりだ。 316 00:19:15,955 --> 00:19:18,958 ラズオーンも変わりないようですね。 317 00:19:18,958 --> 00:19:22,962 (ガトガ)ああ。 ロゼが引退したんで また新しい副団長になっちまったが→ 318 00:19:22,962 --> 00:19:25,931 なんとか まとまってきたよ。 319 00:19:25,931 --> 00:19:29,969 《ロゼのその後は気になるが ここで聞くわけにもいかないしな》 320 00:19:29,969 --> 00:19:33,939 (ガトガ)積もる話は また 教都に着いてから ゆっくりとな。 321 00:19:34,974 --> 00:19:36,942 ええ。 ぜひ。 ん? 322 00:19:37,977 --> 00:19:40,980 (ガトガ)ようこそ スフェンドヤードバニアへ。 323 00:19:40,980 --> 00:19:44,016 貴殿らの入国を歓迎する。 324 00:19:44,016 --> 00:19:49,989 ここより 教都ディルマハカまでは われら教会騎士団も護衛の任に就く。 325 00:19:49,989 --> 00:19:52,958 《国境の関所を通過して さらに3日》 326 00:19:52,958 --> 00:19:57,963 《これが スフェンドヤードバニアの首都 教都ディルマハカ》 327 00:19:58,964 --> 00:20:02,968 《国が変わると 建物の感じも随分と変わるもんだな》 328 00:20:02,968 --> 00:20:23,989 ♬~ 329 00:20:23,989 --> 00:20:25,958 お久しぶりです。 330 00:20:25,958 --> 00:20:27,960 (グレン・タスマカン・グディル)待ちわびていました。 331 00:20:27,960 --> 00:20:35,434 ♬~ 332 00:20:35,434 --> 00:20:38,971 王女殿下は 無事 宮殿内にお入りになられました。 333 00:20:38,971 --> 00:20:43,976 ようやく最初のひと仕事が終わった…。 いや~ 長かった。 334 00:20:43,976 --> 00:20:48,047 下見の時より行軍速度は遅くなりますので 必然的に。 335 00:20:48,047 --> 00:20:51,984 これほどの大編成を動かすとなると 致し方ありませんな。 336 00:20:51,984 --> 00:20:53,953 (ため息) 337 00:20:53,953 --> 00:20:55,955 先生は 宿舎でお休みください。 338 00:20:55,955 --> 00:21:00,960 私とヘンブリッツは ラズオーンたちと 警備計画についての打ち合わせに入ります。 339 00:21:00,960 --> 00:21:02,962 分かった。 340 00:21:08,968 --> 00:21:10,970 《来なかったな》 341 00:21:10,970 --> 00:21:15,975 《あの傭兵連中 こちらの警備態勢を見て諦めたのか…》 342 00:21:15,975 --> 00:21:19,979 《いや わざわざ アリューシアのような強敵を→ 343 00:21:19,979 --> 00:21:22,948 あらかじめ つぶしておこうとするような奴らが→ 344 00:21:22,948 --> 00:21:25,951 果たして簡単に手を引くのか…》 345 00:21:25,951 --> 00:21:33,959 ♬~ 346 00:21:34,960 --> 00:21:39,932 ♬~ 347 00:23:05,985 --> 00:23:08,954 〈魚は脂っこくないので体に優しい〉 348 00:23:08,954 --> 00:23:13,959 〈そんなことを言いつつ晩酌はする。 それが おっさんだ〉 349 00:23:13,959 --> 00:23:18,964 〈次回 「片田舎のおっさん、新年を迎える」〉