1 00:00:33,834 --> 00:00:37,838 (ベリル・ガーデナント)《奇妙な成り行きで 生まれ育った片田舎から首都に出てきて→ 2 00:00:37,838 --> 00:00:42,843 騎士団の特別指南役というのは 荷が重いなあと感じつつ…》 3 00:00:42,843 --> 00:00:45,846 《教え始めて数カ月…→ 4 00:00:45,846 --> 00:00:49,850 いろいろあったが まずまずってところかな》 5 00:00:49,850 --> 00:00:53,854 《まあ 嫁を探せっていう おやじ殿の期待には→ 6 00:00:53,854 --> 00:00:55,856 全く応えられてないけどね》 7 00:00:55,856 --> 00:00:57,858 (ヘンブリッツ・ドラウト)ベリル殿。 ん? 8 00:00:57,858 --> 00:01:00,861 (ヘンブリッツ)過日 遭遇した王族襲撃を踏まえ→ 9 00:01:00,861 --> 00:01:04,865 複数を相手に戦う際の心得を ご教授頂きたいのですが。 10 00:01:05,866 --> 00:01:10,871 なるほど。 普段 主にやってるのは 1対1の修練だからね。 11 00:01:10,871 --> 00:01:13,874 じゃあ 基本の1対2をやってみよう。 12 00:01:13,874 --> 00:01:15,876 ん~ もう一人 誰か…。 13 00:01:15,876 --> 00:01:18,879 (クルニ・クルーシエル)はい! はいはい! 手伝うっす! 14 00:01:18,879 --> 00:01:21,882 (アリューシア・シトラス)先生のお相手でしたら 私が適任かと。 15 00:01:21,882 --> 00:01:25,886 いや あの そうじゃなくて… 立ち回りを教えるだけだから。 16 00:01:25,886 --> 00:01:29,890 とはいえ ここは私が。 まあまあまあ…。 17 00:01:29,890 --> 00:01:33,827 団長さんは みんなの動きを見てないと… ね? 18 00:01:33,827 --> 00:01:35,829 そうですか…。 19 00:01:36,830 --> 00:01:38,832 (せき払い) 20 00:01:38,832 --> 00:01:41,835 一番重要なのは 位置取りだ。 21 00:01:41,835 --> 00:01:44,838 相手が重なって見える位置にいる限り→ 22 00:01:44,838 --> 00:01:49,843 手前の敵が壁になって 奥の敵は こちらに攻撃できない。 23 00:01:51,845 --> 00:01:53,847 なるほど…。 24 00:01:53,847 --> 00:01:55,849 (ヘンブリッツ)では…。 25 00:01:55,849 --> 00:02:00,854 そう。 相手も当然 挟撃できる位置を狙ってくる。 26 00:02:00,854 --> 00:02:03,857 だから 常に足を使って→ 27 00:02:03,857 --> 00:02:06,860 位置関係を保つ。 28 00:02:06,860 --> 00:02:09,863 (ルーシー・ダイアモンド)ふむ。 ならば こういうのは どうじゃ? 29 00:02:09,863 --> 00:02:11,865 はっ? 30 00:02:12,866 --> 00:02:14,868 くっ…。 31 00:02:14,868 --> 00:02:16,870 (光弾を払い落とす音) (爆発音) 32 00:02:18,872 --> 00:02:20,874 ふう…。 33 00:02:20,874 --> 00:02:22,876 (ルーシー)ほう。 34 00:02:22,876 --> 00:02:27,881 では 次は 新たに開発した この魔術を試すかの。 35 00:02:27,881 --> 00:02:29,883 待て待て待て! 36 00:02:29,883 --> 00:02:33,820 いい年したおっさんを 実験台にするんじゃないよ。 37 00:02:33,820 --> 00:02:36,823 (ルーシー)わしの楽しみをふいにしおって。 38 00:02:37,824 --> 00:02:40,827 (ルーシー)しかし 相変わらずじゃの。 39 00:02:40,827 --> 00:02:44,831 アリューシア 話がある。 はい。 40 00:02:49,836 --> 00:02:52,839 ったく 何しに来たんだ もう…。 41 00:02:53,840 --> 00:03:18,865 ♬~ 42 00:04:34,808 --> 00:04:38,812 ごちそうさまでした。 (ミュイ・フレイア)ごちそうさま。 43 00:04:38,812 --> 00:04:41,815 さてと… 寝る前にシーツでも替えとくか。 44 00:04:41,815 --> 00:04:46,820 (ミュイ)じゃあ 食器はアタシが洗っとく。 助かるよ。 45 00:04:46,820 --> 00:04:49,823 あっ 制服脱いだら ちゃんと畳んどいてね。 46 00:04:49,823 --> 00:04:52,826 (ミュイ)分かってるよ。 うん。 47 00:04:52,826 --> 00:04:54,828 (ドアの開く音) (ルーシー)邪魔するぞ。 48 00:04:54,828 --> 00:04:57,831 ルーシー!? また? もしかして暇なの? 49 00:04:57,831 --> 00:05:02,836 昼間は用事のついでじゃ。 今は相談事があって来ておる。 50 00:05:02,836 --> 00:05:04,838 相談事? 51 00:05:04,838 --> 00:05:07,841 (フィッセル・ハーベラー)先生 こんばんは。 フィッセル! 52 00:05:07,841 --> 00:05:09,843 (ルーシー)おぬし 覚えておるか? 53 00:05:09,843 --> 00:05:13,847 フィスに 魔術師学院の講師を兼任させる という話をしたじゃろ。 54 00:05:13,847 --> 00:05:16,850 ああ… 言ってたね そんなこと。 55 00:05:16,850 --> 00:05:21,855 うむ。 フィスは今年から新設された 剣魔法科を受け持っておるんじゃが。 56 00:05:21,855 --> 00:05:23,857 剣魔法…。 57 00:05:23,857 --> 00:05:25,859 あれを教えてるのか。 58 00:05:25,859 --> 00:05:27,861 適任なんじゃないかな。 59 00:05:27,861 --> 00:05:32,799 フィッセルは剣士として優秀だし 魔法もルーシーが太鼓判を押してたし。 60 00:05:32,799 --> 00:05:35,802 それが そう うまくはいかんのよ。 61 00:05:35,802 --> 00:05:37,804 なんで? うっ…。 62 00:05:37,804 --> 00:05:40,807 こやつ 教えるのが へったくそでの~! 63 00:05:40,807 --> 00:05:42,809 ええ~… そうなの? フィッセル。 64 00:05:42,809 --> 00:05:45,812 人には 向き不向きがある。 65 00:05:45,812 --> 00:05:48,815 《つまり 自覚があるのね…》 66 00:05:48,815 --> 00:05:52,819 アタシはフィッセル先生の授業 好きだけどな。 ん? 67 00:05:52,819 --> 00:05:58,825 ミュイは 剣魔法科を取ってる。 私の生徒と言っても過言でもない。 68 00:05:58,825 --> 00:06:00,827 そりゃ 初耳だ。 69 00:06:00,827 --> 00:06:04,831 魔法は よく分からないし 学科のことは気にしてなかったよ。 70 00:06:04,831 --> 00:06:07,834 わざわざ自分から言うのも 恥ずかしいんじゃろ。 71 00:06:07,834 --> 00:06:10,837 おぬしの剣に憧れて学科を選んだとな。 72 00:06:10,837 --> 00:06:12,839 ちょっ…! 73 00:06:12,839 --> 00:06:14,841 クソッ… なんで言うかな。 74 00:06:14,841 --> 00:06:17,844 《あっ これは珍しく 本当に恥ずかしがってる》 75 00:06:17,844 --> 00:06:19,846 (ルーシー)ククク… すまんの。 76 00:06:19,846 --> 00:06:24,851 まあ 俺の剣を見て 剣を振ることに 興味を持ってくれたんだとしたら→ 77 00:06:24,851 --> 00:06:26,853 うれしいけどね。 78 00:06:26,853 --> 00:06:28,855 チッ…。 79 00:06:28,855 --> 00:06:32,792 …で 相談事ってなんなの? (ルーシー)おお そうじゃった。 80 00:06:32,792 --> 00:06:37,797 おぬし 魔術師学院の剣魔法科で 教鞭を執ってみんか? 81 00:06:37,797 --> 00:06:41,801 はあ? いきなり そんなこと言われても 魔法は全くできないよ? 82 00:06:41,801 --> 00:06:44,804 (ルーシー)誰も おぬしに 魔法なんぞ期待しとらんわ。 83 00:06:44,804 --> 00:06:46,806 教えてほしいのは剣のほうじゃ。 84 00:06:46,806 --> 00:06:48,808 フィスの手伝いを頼みたい。 うんうん。 85 00:06:48,808 --> 00:06:50,810 う~む…。 86 00:06:50,810 --> 00:06:53,813 (ルーシー)アリューシアも 週1回程度なら構わんと言っておったぞ。 87 00:06:53,813 --> 00:06:57,817 昼間 騎士団庁舎に来てたのは 根回しだったのか。 88 00:06:57,817 --> 00:07:01,821 まあな。 もちろん 相応の給金も出す。 89 00:07:01,821 --> 00:07:05,825 悪い話じゃなかろ。 おぬし 剣を教えるのは得意じゃろうし。 90 00:07:05,825 --> 00:07:09,829 私は賛成。 先生に また教えてもらえる。 91 00:07:09,829 --> 00:07:11,831 ミュイは どうじゃ? 92 00:07:11,831 --> 00:07:13,833 (ミュイ)別に どっちでも。 93 00:07:13,833 --> 00:07:17,837 ふむ 差し当たり 反対する者はおらんようじゃな。 94 00:07:17,837 --> 00:07:22,842 とはいえ 強制でも命令でもない。 あくまで相談事じゃよ。 95 00:07:22,842 --> 00:07:26,846 《外堀をきれいに埋められて 断る理由がない》 96 00:07:26,846 --> 00:07:29,849 《かといって 即決で引き受けるのもなあ…》 97 00:07:29,849 --> 00:07:34,788 取りあえず 一度 生徒たちの反応を見てから っていうのでもいいかい? 98 00:07:34,788 --> 00:07:38,792 構わんよ。 それで話を進めておく。 うんうん。 99 00:07:38,792 --> 00:07:41,795 来るっつっても 話が早すぎんだよ…。 100 00:07:41,795 --> 00:07:44,798 ん? 何が早いって? なんでもねえよ。 101 00:07:44,798 --> 00:07:46,800 ん…? 102 00:07:47,801 --> 00:07:52,806 魔術師学院のほうで先生を借り受けたい という件ですね。 103 00:07:52,806 --> 00:07:56,810 騎士団としては問題ありませんので そのようにお答えしました。 104 00:07:56,810 --> 00:08:01,815 うん。 俺としては 一度 見学してから決めるつもりだけどね。 105 00:08:01,815 --> 00:08:05,819 今日の午後 来るように言われたんで 行ってくるよ。 106 00:08:05,819 --> 00:08:08,822 僭越ですが お引き受けになるべきかと。 107 00:08:08,822 --> 00:08:11,825 先生の名声を高めることにも つながりますし。 108 00:08:11,825 --> 00:08:14,828 ああ そう…。 109 00:08:14,828 --> 00:08:17,831 《俺みたいなおっさんの名声なんて 気にしてるの→ 110 00:08:17,831 --> 00:08:19,833 君だけだよ 多分…》 111 00:08:23,837 --> 00:08:25,839 そういえば→ 112 00:08:25,839 --> 00:08:29,843 俺は 一応 国王御璽付きの任命書で 今の仕事に就いてるはずなんだけど→ 113 00:08:29,843 --> 00:08:31,778 その辺は大丈夫なの? 114 00:08:31,778 --> 00:08:36,783 元々 大丈夫ですが ルーシー団長のほうで 念押しもされているようです。 115 00:08:37,784 --> 00:08:40,787 《誰に どう念押ししたのかは 聞かないでおこう…》 116 00:08:40,787 --> 00:08:44,791 (ヘンブリッツ)生徒たちは 魔術を学びながら ベリル殿の剣も教われる。 117 00:08:44,791 --> 00:08:47,794 将来 国の宝となること 間違いなしですな。 118 00:08:47,794 --> 00:08:51,798 《言い方が大げさなんだよな ヘンブリッツくんも…》 119 00:08:51,798 --> 00:08:55,802 いや その… まだ引き受けるかどうかは 決めてないんだけどね。 120 00:08:55,802 --> 00:08:59,806 (クルニ)フィスちゃんは もう 先生と一緒にやれるつもりになってて→ 121 00:08:59,806 --> 00:09:01,808 めちゃめちゃ喜んでるっすよ! 122 00:09:01,808 --> 00:09:03,810 そんなに喜ぶことなの? 123 00:09:03,810 --> 00:09:05,812 (クルニ)もちろんっす! フィスちゃん ずっと→ 124 00:09:05,812 --> 00:09:10,817 「クルニは 先生と しょっちゅう会えてずるい」 って言ってたっすから。 125 00:09:10,817 --> 00:09:12,819 ずるくはないと思うけどね…。 126 00:09:13,820 --> 00:09:16,823 《久しぶりだな ここに来るのも》 127 00:09:18,825 --> 00:09:21,828 今日は よろしくね。 (フィッセル)うん。 128 00:09:21,828 --> 00:09:25,832 剣魔法科を受講している生徒って どれくらいいるんだい? 129 00:09:25,832 --> 00:09:28,835 今は5人。 少ない。 そうか…。 130 00:09:28,835 --> 00:09:31,771 でも 先生がいれば きっと大丈夫。 131 00:09:31,771 --> 00:09:33,773 人気が出て 生徒も増える。 132 00:09:33,773 --> 00:09:35,775 そ… そうかな? 133 00:09:35,775 --> 00:09:38,778 《アリューシアとかスレナとかも そうなんだけど→ 134 00:09:38,778 --> 00:09:40,780 俺への期待が大きすぎる…》 135 00:09:40,780 --> 00:09:42,782 (フィッセル)ここ。 ん? 136 00:09:43,783 --> 00:09:45,785 (フィッセル)今日は この教室でやる。 137 00:09:45,785 --> 00:09:48,788 (ドアの開閉音) 138 00:09:52,792 --> 00:09:54,794 (フィッセル)みんな おはよう。 139 00:09:54,794 --> 00:09:56,796 (シンディ・ラビュート)おはようございます! 140 00:09:56,796 --> 00:10:00,800 《ふむ… 積極的な子は1人→ 141 00:10:00,800 --> 00:10:04,804 あとの4人は ミュイも含めて反応が薄い… か》 142 00:10:05,805 --> 00:10:08,808 《絵に描いたような うさんくさいおっさんを見る目…》 143 00:10:08,808 --> 00:10:10,810 《まあ そうだよね》 144 00:10:10,810 --> 00:10:13,813 《ミュイとは 毎日 顔を合わせてるけど→ 145 00:10:13,813 --> 00:10:16,816 こういう所で見ると新鮮に感じる》 146 00:10:16,816 --> 00:10:20,820 この人は ベリル先生。 私の剣術の先生。 147 00:10:20,820 --> 00:10:23,823 つまり みんなの先生の先生。 148 00:10:23,823 --> 00:10:27,827 《短い紹介の中で 何回 先生って言うんだ この子は…》 149 00:10:27,827 --> 00:10:29,829 (息を吐く音) 150 00:10:29,829 --> 00:10:32,832 初めまして。 ベリル・ガーデナントといいます。 151 00:10:32,832 --> 00:10:35,835 今日は フィッセル先生と ルーシー… 学院長に頼まれて→ 152 00:10:35,835 --> 00:10:38,838 授業を見学しに来ました。 153 00:10:38,838 --> 00:10:41,841 私のことは気にせず 普段どおりやってください。 154 00:10:44,844 --> 00:10:47,847 (フィッセル)じゃあ 今日の授業を始める。 155 00:10:47,847 --> 00:10:49,849 教本の12ページ開いて。 156 00:10:49,849 --> 00:10:52,852 《さてと… フィッセルのお手並み拝見だな》 157 00:10:52,852 --> 00:10:57,857 《まずは 余計な口出しをしないで 助言をするとしても後回しだ》 158 00:10:57,857 --> 00:11:00,860 剣術の基本術理 読んで頭に入れて。 159 00:11:00,860 --> 00:11:03,863 (シンディ)あの… フィッセル先生! 160 00:11:03,863 --> 00:11:05,865 (フィッセル)何? 161 00:11:05,865 --> 00:11:09,869 この 「外旋運動と内旋運動」というのが よく分からないんですけど…。 162 00:11:09,869 --> 00:11:14,874 外旋は外向きのあれ。 内旋は内向きに それする。 163 00:11:18,878 --> 00:11:21,881 《あれとかそれとか言われても 分かんないでしょ…》 164 00:11:21,881 --> 00:11:23,883 《俺でも分かんないよ 今の説明じゃ》 165 00:11:23,883 --> 00:11:27,887 やれば分かる。 みんな 木剣持って素振り1000回。 166 00:11:27,887 --> 00:11:31,824 ちょっ… ちょっと待って!? ん? 先生 何かあった? 167 00:11:31,824 --> 00:11:35,828 いきなり素振り1000回は ちょっと やりすぎじゃないかな…。 168 00:11:35,828 --> 00:11:40,833 (フィッセル)1回1秒でやれば1000秒 20分もかからない。 169 00:11:40,833 --> 00:11:42,835 いやいや いやいや…。 170 00:11:42,835 --> 00:11:45,838 (フィッセル)私は やってた。 そうかもしれないけどね…。 171 00:11:45,838 --> 00:11:48,841 《ルーシーが言ってたのは これか》 172 00:11:48,841 --> 00:11:51,844 《確かに 教え方としては 下手としか言いようがない》 173 00:11:51,844 --> 00:11:53,846 《思わず口を挟んでしまった…》 174 00:11:53,846 --> 00:11:55,848 (シンディ)私は大丈夫です! 175 00:11:55,848 --> 00:11:57,850 1000回でも2000回でも振ります! 176 00:11:57,850 --> 00:12:01,854 ああ~ その… 元気があるのは いいことだけど→ 177 00:12:01,854 --> 00:12:05,858 ただ振るだけじゃ なかなか… ね? (シンディ)むむむ… 難しいものですね! 178 00:12:05,858 --> 00:12:09,862 (ルーマイト・バファン)あの… では ベリルさんは どのような…? 179 00:12:09,862 --> 00:12:13,866 《割って入って止めたからには このおっさんは どんな教え方をするのか→ 180 00:12:13,866 --> 00:12:15,868 聞きたくもなるよね》 181 00:12:15,868 --> 00:12:18,871 まずは それぞれが どんな剣の振り方をするのか→ 182 00:12:18,871 --> 00:12:20,873 見せてもらえるかな。 183 00:12:20,873 --> 00:12:24,877 もし よかったら その前に自己紹介をしてくれると助かる。 184 00:12:24,877 --> 00:12:27,880 はい! シンディ・ラビュートです! 15歳です! 185 00:12:28,881 --> 00:12:30,883 ルーマイト・バファンです。 186 00:12:30,883 --> 00:12:32,819 フレドーラ・エネックですわ。 187 00:12:32,819 --> 00:12:34,821 ネイジア・ガンド。 188 00:12:34,821 --> 00:12:37,824 なんでもいいけど早くやろうぜ。 時間がもったいない。 189 00:12:37,824 --> 00:12:39,826 ミュイ・フレイア…。 190 00:12:39,826 --> 00:12:41,828 うん みんな ありがとう。 191 00:12:41,828 --> 00:12:44,831 じゃあ 最初に 5回でいい。 192 00:12:44,831 --> 00:12:47,834 みんなの素振りを 5回ずつ見せてほしい。 (シンディ)はい! 193 00:12:47,834 --> 00:12:50,837 では 振ります! 194 00:12:50,837 --> 00:12:54,841 エイッ! トウッ! ヤアッ! ナアッ! 195 00:12:54,841 --> 00:12:56,843 トリャーッ! 196 00:12:56,843 --> 00:12:59,846 シンディ 少し体に触ってもいいかな? どうぞ! 197 00:12:59,846 --> 00:13:02,849 足の幅は もう少し広く…。 198 00:13:02,849 --> 00:13:06,853 肘を しっかり前に…。 199 00:13:07,854 --> 00:13:09,856 で 振り下ろす時に 脇を締めて。 200 00:13:10,857 --> 00:13:12,859 そうそう。 おおっ! なるほど! 201 00:13:12,859 --> 00:13:16,863 最初は ゆっくりでいいから 形を崩さないように気を付けて。 202 00:13:16,863 --> 00:13:18,865 はい! 203 00:13:18,865 --> 00:13:22,869 ベリルさん 僕もお願いします! 振ってみて。 204 00:13:22,869 --> 00:13:24,871 (ルーマイト)フンッ! (木剣を振る音) 205 00:13:25,872 --> 00:13:28,875 肘が伸びすぎてるね。 206 00:13:28,875 --> 00:13:31,811 振り切るのではなく 目線の高さで止めて→ 207 00:13:31,811 --> 00:13:35,815 肘の跳ね返る感覚をつかんでみて。 はい! 208 00:13:35,815 --> 00:13:37,817 (木剣を振る音) そうそう! うまいうまい。 209 00:13:37,817 --> 00:13:39,819 私もお願いしますわ! 210 00:13:39,819 --> 00:13:41,821 (ネイジア)お… 俺もだ! 見てくれよ ベリルさん! 211 00:13:41,821 --> 00:13:43,823 はい どうぞ 振って。 212 00:13:43,823 --> 00:13:46,826 (木剣を振る音) ミュイ 体がぶれてる。 213 00:13:46,826 --> 00:13:50,830 腕だけで振ろうとしないようにね。 (ミュイ)…分かったよ。 214 00:13:51,831 --> 00:13:54,834 フフッ… やっぱり 先生はすごい。 215 00:13:54,834 --> 00:13:57,837 感心してちゃ駄目だよ フィッセル。 216 00:13:57,837 --> 00:14:00,840 君も 剣を教えるというのは どういうことか→ 217 00:14:00,840 --> 00:14:02,842 もう少し考えないと。 218 00:14:03,843 --> 00:14:05,845 むう…。 219 00:14:06,846 --> 00:14:10,850 《うん… アドバイスを素直に聞いてさえくれれば→ 220 00:14:10,850 --> 00:14:13,853 子供の吸収力というのは抜群だ》 221 00:14:13,853 --> 00:14:16,856 《道場で教えていた頃を思い出すよ》 222 00:14:16,856 --> 00:14:20,860 よし 少し休憩しよう。 手を止めて 楽にして。 223 00:14:20,860 --> 00:14:22,862 (生徒たち)ふう…。 224 00:14:22,862 --> 00:14:26,866 そういえば ベリルさんは お強いのですか? 225 00:14:26,866 --> 00:14:29,869 えっ? うーん… 強いかって言われると…。 226 00:14:29,869 --> 00:14:31,804 強い。 すごく強い。 227 00:14:31,804 --> 00:14:37,810 《なんで 君が自慢げに断言するんだ… 本人が答えに迷ってるのに》 228 00:14:37,810 --> 00:14:40,813 (フレドーラ)フィッセル先生がお強いのは 存じておりますけれど…。 229 00:14:41,814 --> 00:14:43,816 私より強い。 文句ある? 230 00:14:43,816 --> 00:14:46,819 い… いえ そういうわけではありませんわ。 231 00:14:46,819 --> 00:14:51,824 《教師が生徒を威圧しちゃ駄目だと思うよ。 後で言っとかないと》 232 00:14:51,824 --> 00:14:53,826 (ネイジア)じゃあ 見せてくれよ。 233 00:14:53,826 --> 00:14:55,828 そのほうが教わるにしても 身が入るってもんだぜ! 234 00:14:55,828 --> 00:14:57,830 《ふむ… もっともな話だ》 235 00:14:57,830 --> 00:15:03,836 《突然 現れた えたいの知れないおっさんは 物を教わるに値する相手なのか》 236 00:15:03,836 --> 00:15:07,840 フィッセル 今から みんなで 外に移動することはできるかな? 237 00:15:07,840 --> 00:15:11,844 (フィッセル)できる。 この時間なら 校庭は空いてるはず。 238 00:15:11,844 --> 00:15:14,847 じゃあ 軽くやってみようか。 239 00:15:15,848 --> 00:15:17,850 うん。 240 00:15:26,859 --> 00:15:29,862 《実は ちょっと興味があってね… 剣魔法に》 241 00:15:29,862 --> 00:15:34,867 《実際に相対した時 どう戦うか… やってみたいと思ってた》 242 00:15:36,803 --> 00:15:40,807 まずは 魔法なしで軽くやろう。 243 00:15:40,807 --> 00:15:42,809 (フィッセル)分かった。 244 00:15:42,809 --> 00:15:45,812 よろしくお願いします。 お願いします。 245 00:15:45,812 --> 00:15:57,824 ♬~ 246 00:15:57,824 --> 00:15:59,826 すげえな…。 速い…! 247 00:15:59,826 --> 00:16:01,828 いい動きだ。 ぶい。 248 00:16:01,828 --> 00:16:04,831 《剣士としての腕は 全く落ちてないな》 249 00:16:06,833 --> 00:16:10,837 《入門したての頃は 普通の子だったけど→ 250 00:16:10,837 --> 00:16:14,841 努力の量がすさまじかった》 251 00:16:14,841 --> 00:16:17,844 《素振り1000回を 本当に続けていた》 252 00:16:17,844 --> 00:16:23,850 《5年で皆伝… 餞別の剣を渡した元弟子の一人》 253 00:16:23,850 --> 00:16:25,852 《今も鍛錬は怠っていないんだな》 254 00:16:25,852 --> 00:16:28,855 そろそろ使う。 255 00:16:28,855 --> 00:16:30,857 どうぞ。 256 00:16:30,857 --> 00:16:32,792 (息を吐く音) 257 00:16:32,792 --> 00:16:34,794 (フィッセル)フンッ! 258 00:16:34,794 --> 00:16:41,801 ♬~ 259 00:16:41,801 --> 00:16:43,803 (フィッセル)さすが 先生 やっぱり 抜けない。 260 00:16:43,803 --> 00:16:46,806 《これは思ってた以上に厄介だな…》 261 00:16:46,806 --> 00:16:51,811 《魔法に気を取られてると フィッセル自身が斬り込んでくる》 262 00:16:51,811 --> 00:16:54,814 《ルーシーと違って 接近すればいいってもんじゃない》 263 00:16:54,814 --> 00:16:57,817 《フィッセルは 剣士としても一流だ》 264 00:16:57,817 --> 00:17:02,822 ♬~ 265 00:17:02,822 --> 00:17:04,824 《どの間合いにも隙がない》 266 00:17:04,824 --> 00:17:06,826 《簡単に勝てるとも思ってなかったけど→ 267 00:17:06,826 --> 00:17:09,829 このまま完封されるのは 非常にまずい》 268 00:17:09,829 --> 00:17:13,833 《俺の剣を見て 剣を手にしてくれたミュイを→ 269 00:17:13,833 --> 00:17:16,836 失望させるわけにはいかない》 270 00:17:16,836 --> 00:17:22,842 ♬~ 271 00:17:22,842 --> 00:17:24,844 あっ… ううっ…! 272 00:17:27,847 --> 00:17:29,849 (生徒たち)あっ…! 273 00:17:32,785 --> 00:17:34,787 うっ…! 一本。 274 00:17:34,787 --> 00:17:36,789 やられた…。 275 00:17:36,789 --> 00:17:40,793 どんな間合いでも戦える すさまじい技だった。 276 00:17:40,793 --> 00:17:42,795 よくここまで仕上げたね。 277 00:17:42,795 --> 00:17:47,800 飛び道具の想定ができてなかった。 まだまだ鍛錬が足りない。 278 00:17:47,800 --> 00:17:52,805 でも 久しぶりに先生と立ち合えて 良かった! 279 00:17:52,805 --> 00:17:54,807 こちらこそ。 280 00:17:55,808 --> 00:17:57,810 すげえもんを見た…。 281 00:17:57,810 --> 00:18:01,814 けどよ 最後に剣をぶん投げたのは ありなのか? 282 00:18:01,814 --> 00:18:04,817 (フィッセル)戦いの中では 使えるものはなんでも使う。 283 00:18:04,817 --> 00:18:07,820 勝ち方にこだわったら負ける。 284 00:18:07,820 --> 00:18:09,822 (ネイジア)なるほどな。 285 00:18:09,822 --> 00:18:12,825 (ルーマイト)剣魔法も その手段の一つにすぎないと…。 286 00:18:12,825 --> 00:18:14,827 (フィッセル)そう。 剣術もね。 287 00:18:14,827 --> 00:18:16,829 ベリルさん! もっと教えてください! 288 00:18:16,829 --> 00:18:18,831 講義の続きをお願いしますわ! 289 00:18:18,831 --> 00:18:20,833 (ネイジア)そうだ 早く頼むぜ! 290 00:18:20,833 --> 00:18:25,838 じゃあ せっかく外に来たし 気持ちよく素振りといこうか。 291 00:18:25,838 --> 00:18:27,840 (生徒たち)はい! 292 00:18:27,840 --> 00:18:30,843 《なし崩しって感じもするけど→ 293 00:18:30,843 --> 00:18:33,779 しばらく この子たちに 教えてみたくなってきた》 294 00:18:33,779 --> 00:18:35,781 《フィッセルにも→ 295 00:18:35,781 --> 00:18:39,785 人に物を教えるということを 知ってもらいたいしね》 296 00:18:39,785 --> 00:18:44,790 ♬~ 297 00:18:44,790 --> 00:18:46,792 はあ…。 298 00:18:46,792 --> 00:18:52,798 剣魔法科の臨時講師 正式に引き受けるってことでいいかな? 299 00:18:52,798 --> 00:18:54,800 なんで アタシに聞くんだよ。 300 00:18:54,800 --> 00:18:56,802 それは その…→ 301 00:18:56,802 --> 00:18:59,805 今日 ちょっと 嫌そうな顔をしてる時なかった? 302 00:18:59,805 --> 00:19:01,807 気のせいならいいんだけど。 303 00:19:01,807 --> 00:19:04,810 別に嫌じゃねえよ。 304 00:19:04,810 --> 00:19:06,812 ただ おっさんに見られるなら→ 305 00:19:06,812 --> 00:19:09,815 今じゃなくて 少しはマシになってからのほうが良かった。 306 00:19:09,815 --> 00:19:11,817 そんなこと 気にしてたの? 307 00:19:11,817 --> 00:19:16,822 大丈夫 大丈夫。 若い子は吸収が早いから すぐに上達するよ。 308 00:19:16,822 --> 00:19:19,825 多少はできるようになったとしても→ 309 00:19:19,825 --> 00:19:22,828 おっさんやフィッセル先生ほど 強くは… なれねえだろ? 310 00:19:22,828 --> 00:19:24,830 なれるさ。 えっ…。 311 00:19:24,830 --> 00:19:27,833 なんで言い切れるんだよ。 312 00:19:27,833 --> 00:19:31,771 例えば フィッセルは ミュイから見て はるか遠くに感じるだろう。 313 00:19:31,771 --> 00:19:34,774 でも 正しい努力をすれば 人は変わっていく。 314 00:19:36,776 --> 00:19:39,779 少しずつかもしれないけど 確実に。 315 00:19:40,780 --> 00:19:44,784 だから ミュイが努力を続ければ 俺ともフィッセルとも違う→ 316 00:19:44,784 --> 00:19:47,787 ミュイだけの強さを会得する時が いつか来る。 317 00:19:47,787 --> 00:19:50,790 本当かよ…。 318 00:19:50,790 --> 00:19:52,792 本当だ! ミュイだけじゃない→ 319 00:19:52,792 --> 00:19:56,796 フィッセルだって きっと 今よりずっと いい先生になる。 320 00:19:56,796 --> 00:20:01,801 うらやましいよ。 2人とも まだ若いし 時間がたっぷりある。 321 00:20:01,801 --> 00:20:03,803 (ミュイ)おっさんは どうなんだよ。 えっ? 322 00:20:03,803 --> 00:20:07,807 おっさんは 今よりもっと強くならねえのか? 323 00:20:07,807 --> 00:20:12,812 う~ん… なれるものならなりたいけど 俺は このくらいかな。 324 00:20:12,812 --> 00:20:15,815 (ミュイ)なんでだよ。 まだいけるだろ。 325 00:20:15,815 --> 00:20:18,818 いやいや もうだいぶ いい年だから。 326 00:20:21,821 --> 00:20:24,824 (ミュイ)年を理由にして そう思い込んでるだけなんじゃねえの? 327 00:20:24,824 --> 00:20:26,826 グフッ…! ゲホ ゲホッ…。 328 00:20:26,826 --> 00:20:31,831 宿題あるから 洗いもん 頼んでいいか? あ… ああ 分かった。 329 00:20:31,831 --> 00:20:34,834 (ドアの開閉音) はあ…。 330 00:20:34,834 --> 00:20:39,839 そりゃ 若い頃は 剣士としての高みを目指してたけど→ 331 00:20:39,839 --> 00:20:42,842 今はね…。 332 00:20:43,843 --> 00:20:46,846 (ルーシー)そうか 負けたか。 333 00:20:46,846 --> 00:20:50,850 剣魔法がある分 私のほうが有利だったはずなのに→ 334 00:20:50,850 --> 00:20:53,853 やっぱり 先生はすごい。 335 00:20:54,854 --> 00:20:59,859 あやつとやり合って勝てる者など そうはおらんよ。 336 00:20:59,859 --> 00:21:02,862 …で 臨時講師の件はどうじゃ? 337 00:21:02,862 --> 00:21:04,864 (フィッセル)引き受けてくれると思う。 338 00:21:04,864 --> 00:21:07,867 先生は教えるの好きだし 上手だから。 339 00:21:07,867 --> 00:21:10,870 フィスも教え上手になれ。 340 00:21:10,870 --> 00:21:14,874 それが さらなる高みに至る道じゃからな。 (フィッセル)ん? 341 00:21:16,876 --> 00:21:21,881 何事も深く知らなければ 人に教えることはできん。 342 00:21:21,881 --> 00:21:25,885 教えることで 自らを磨き直す必要にも迫られる。 343 00:21:25,885 --> 00:21:30,890 ただ… 同じ相手に同じように教えていては 停滞もする。 344 00:21:30,890 --> 00:21:34,827 今回の件が 新たな刺激になればいいんじゃが。 345 00:21:34,827 --> 00:21:37,830 それは 先生にとって? 346 00:21:37,830 --> 00:21:43,836 真の強者であれば 年が幾つになろうと変わり続ける。 347 00:21:43,836 --> 00:21:45,838 変わらねばならん。 348 00:21:49,842 --> 00:21:53,846 (ルーシーの声)剣聖と呼ばれるに値する者は→ 349 00:21:53,846 --> 00:21:55,848 その業を背負う。 350 00:22:01,854 --> 00:22:06,859 ♬~ 351 00:23:32,811 --> 00:23:37,816 〈晩酌してて もう一杯いくか ここでやめるか 散々悩んだあげく→ 352 00:23:37,816 --> 00:23:40,819 結局 もう一杯飲むのが おっさんだ〉 353 00:23:41,820 --> 00:23:45,824 〈次回 「片田舎のおっさん、成長を見守る」〉