1 00:00:34,701 --> 00:00:36,703 (人々のにぎわう声) 2 00:00:36,703 --> 00:00:38,705 (ベリル・ガーデナント)うう~…。 3 00:00:38,705 --> 00:00:40,707 (店主)旦那 どうだい? ひとつ。 ん? 4 00:00:41,708 --> 00:00:46,713 うちの田舎じゃ この大きさの魚は口に入らなかったね。 5 00:00:46,713 --> 00:00:49,716 しかし 高いなあ。 出始めだからな。 6 00:00:49,716 --> 00:00:53,720 冬本番になりゃ 仕入れが増えて 売値もなんぼか下がるよ。 7 00:00:53,720 --> 00:00:56,723 う~む…。 (スレナ・リサンデラ)先生! 8 00:00:56,723 --> 00:00:59,726 すみません。 しばらく顔を見せに行けず。 9 00:00:59,726 --> 00:01:02,729 いやいや スレナも忙しいでしょ。 10 00:01:02,729 --> 00:01:04,731 魚を買うのですか? 11 00:01:04,731 --> 00:01:09,736 ん~ 興味はあるんだけど どう料理すれば美味しくいただけるのか…。 12 00:01:09,736 --> 00:01:12,739 店でいろいろ食べてみては どうですか? 13 00:01:12,739 --> 00:01:16,743 魚料理のうまい店なら 何軒か知っています。 14 00:01:16,743 --> 00:01:18,745 おおっ! 教えてもらえる? 15 00:01:18,745 --> 00:01:22,749 もちろんです! 差し当たり8軒ほど紹介しますので→ 16 00:01:22,749 --> 00:01:25,752 今から一緒にハシゴしましょう! 17 00:01:25,752 --> 00:01:27,754 いや 今からは無理だよ!? 18 00:01:28,755 --> 00:01:53,780 ♬~ 19 00:03:09,723 --> 00:03:13,727 助かったよ 洋服屋まで教えてもらえて。 20 00:03:13,727 --> 00:03:17,731 私も 冬物がだいぶ傷んできたので ちょうど見ておきたかったんです。 21 00:03:17,731 --> 00:03:21,735 こっちは そろそろ ミュイにコートを買ってあげたくてね。 22 00:03:22,736 --> 00:03:28,742 その… 先生は 少し前に 貴族の招待を受けたと聞きましたが。 23 00:03:28,742 --> 00:03:31,745 ん? ああ… よく知ってるね。 24 00:03:31,745 --> 00:03:35,682 冒険者ギルドには さまざまな情報が集まってきますので。 25 00:03:35,682 --> 00:03:38,685 えらい目に遭ったよ。 26 00:03:38,685 --> 00:03:42,689 かなりの深手を負った騎士団員がいると 聞きましたが…。 27 00:03:42,689 --> 00:03:45,692 完治は望めないらしい。 28 00:03:45,692 --> 00:03:49,696 彼は もう 騎士団には復帰できないかもしれない。 29 00:03:49,696 --> 00:03:52,699 俺が もう少し うまくやれていれば…。 30 00:03:55,702 --> 00:03:57,704 先生。 31 00:03:57,704 --> 00:04:00,707 先生が己を責めることではありません。 32 00:04:00,707 --> 00:04:04,711 お会いできた時に これだけは言おうと思っていました。 33 00:04:04,711 --> 00:04:08,715 あっ… すまない 気を遣わせてしまって。 34 00:04:08,715 --> 00:04:11,718 このことばかり考えて 過ごしてるわけじゃないけど→ 35 00:04:11,718 --> 00:04:14,721 忘れるわけにもいかないし。 36 00:04:15,722 --> 00:04:17,724 悔しいです。 えっ? 37 00:04:17,724 --> 00:04:22,729 私が 常にお手伝いできれば 先生に そのような思いはさせないのですが→ 38 00:04:22,729 --> 00:04:25,732 立場上 それも難しく…。 39 00:04:25,732 --> 00:04:28,735 気持ちだけでも ありがたいよ。 40 00:04:28,735 --> 00:04:33,673 情けないです。 気持ちだけで 先生に受けた恩を返せるとは とても…。 41 00:04:33,673 --> 00:04:36,676 じゃあ 今日じゃなくて また今度→ 42 00:04:36,676 --> 00:04:39,679 スレナのおすすめの店で 魚料理をごちそうしてもらおう。 43 00:04:39,679 --> 00:04:41,681 あっ…。 44 00:04:41,681 --> 00:04:43,683 ミュイも連れてきていい? 45 00:04:43,683 --> 00:04:45,685 お安いご用です! 46 00:04:45,685 --> 00:04:49,689 1軒でいいよ。 ハシゴはなしね。 承知しました。 47 00:04:51,691 --> 00:04:55,695 (アリューシア・シトラス)先生 朝早くのお呼び立て 申し訳ありません。 48 00:04:55,695 --> 00:04:59,699 問題ないよ。 で 用件は? 早速 本題に入りますが→ 49 00:04:59,699 --> 00:05:04,704 サラキア王女殿下の輿入れについて 行程が決まりました。 50 00:05:04,704 --> 00:05:07,707 今月末にバルトレーンをたち→ 51 00:05:07,707 --> 00:05:12,712 スフェンドヤードバニアにて滞在後 新年に婚姻の儀を執り行うとのことです。 52 00:05:12,712 --> 00:05:14,714 そうか。 53 00:05:14,714 --> 00:05:18,718 つきましては先生に 王女殿下の護衛団に加わっていただきたく。 54 00:05:18,718 --> 00:05:21,721 分かった。 やろう。 55 00:05:21,721 --> 00:05:23,723 ありがとうございます。 56 00:05:23,723 --> 00:05:25,725 ヘンブリッツ。 (ヘンブリッツ・ドラウト)はい。 57 00:05:26,726 --> 00:05:29,729 目的地は スフェンドヤードバニアの教都→ 58 00:05:29,729 --> 00:05:33,667 つまり 首都ですが ディルマハカという都市です。 59 00:05:33,667 --> 00:05:38,672 騎士団総員の半数が帯同し あとの半数は首都防衛のために残します。 60 00:05:38,672 --> 00:05:40,674 (ヘンブリッツ)魔法師団は 全て残ります故→ 61 00:05:40,674 --> 00:05:43,677 有事の備えとしては十分かと。 うん。 62 00:05:43,677 --> 00:05:47,681 遠征中 私とヘンブリッツは それぞれ部隊を率います。 63 00:05:47,681 --> 00:05:49,683 先生は 私の部隊に加わり→ 64 00:05:49,683 --> 00:05:53,687 王女殿下をお守りする近衛として お務めいただけますか。 65 00:05:53,687 --> 00:05:56,690 分かった。 恐れ入ります。 66 00:05:56,690 --> 00:06:01,695 では 今回の任務に際しては こちらを身に着けてください。 67 00:06:01,695 --> 00:06:03,697 ん? 外套か。 68 00:06:03,697 --> 00:06:06,700 騎士の鎧は 叙任を受けないと下賜されませんが→ 69 00:06:06,700 --> 00:06:08,702 これなら支給できます。 70 00:06:08,702 --> 00:06:11,705 上着だけでも そろいのほうが 体裁はいいか。 71 00:06:12,706 --> 00:06:14,708 しかし やけに準備がいいね。 72 00:06:14,708 --> 00:06:17,711 お引き受けいただけると思っていましたので。 73 00:06:17,711 --> 00:06:20,714 まあ さすがにね…。 74 00:06:20,714 --> 00:06:23,717 《人任せにはできないよ》 75 00:06:23,717 --> 00:06:25,719 それで ルートは? 76 00:06:25,719 --> 00:06:27,721 先日の襲撃を考慮し→ 77 00:06:27,721 --> 00:06:31,725 2カ月前の下見とは違う経路で 直前に決定します。 78 00:06:31,725 --> 00:06:35,662 国境に位置するフルームヴェルク領で 1日滞在する点のみ→ 79 00:06:35,662 --> 00:06:37,664 すでに決まっていますが。 80 00:06:37,664 --> 00:06:40,667 うん 妥当な段取りだと思う。 81 00:06:40,667 --> 00:06:44,671 あとは しばらく団員たちの修練は 強めに追い込んで→ 82 00:06:44,671 --> 00:06:49,676 輿入れ出発の数日前から 負荷を下げる方向にしていただければ。 83 00:06:49,676 --> 00:06:52,679 今日のところは以上です。 分かった。 84 00:06:52,679 --> 00:06:54,681 じゃあ 早速始めるよ。 85 00:06:59,686 --> 00:07:03,690 団長 ひとつ伺ってもよろしいですか? 86 00:07:03,690 --> 00:07:05,692 どうぞ。 87 00:07:05,692 --> 00:07:08,695 先ほどの団長のお言葉に 含みを感じたのですが→ 88 00:07:08,695 --> 00:07:12,699 フルームヴェルク領で ベリル殿と何かあったのですか? 89 00:07:12,699 --> 00:07:16,703 何もありませんよ。 先生と私はずっと。 90 00:07:16,703 --> 00:07:20,707 それで構わない。 ずっと そう思っていたはずなのですが→ 91 00:07:20,707 --> 00:07:23,710 分からなくなりました。 92 00:07:23,710 --> 00:07:26,713 現実に 先生を幸せにできるかもしれない存在を→ 93 00:07:26,713 --> 00:07:28,715 目の当たりにして…。 94 00:07:28,715 --> 00:07:30,717 あっ…。 95 00:07:31,718 --> 00:07:34,654 この話は 忘れてもらって構いません。 96 00:07:34,654 --> 00:07:38,658 当然ですが 任務には なんら影響しないことです。 97 00:07:38,658 --> 00:07:40,660 (ドアの閉まる音) 98 00:07:42,662 --> 00:07:44,664 みんな 剣先が下がってる! 99 00:07:44,664 --> 00:07:47,667 この程度でバテてるようじゃ駄目だ! (騎士団員たち)はい! 100 00:07:47,667 --> 00:07:49,669 フラーウ! 101 00:07:49,669 --> 00:07:51,671 けがのほうは? 102 00:07:51,671 --> 00:07:54,674 (フラーウ・ハルネリンド)完治しましたので 今日からまた お願いします。 103 00:07:54,674 --> 00:07:56,676 しばらく きつい鍛錬になるけど。 104 00:07:56,676 --> 00:07:59,679 今は それくらいのほうが むしろありがたいです。 105 00:07:59,679 --> 00:08:01,681 うん。 106 00:08:02,682 --> 00:08:04,684 エヴァンスくん。 クルニを ちょっと借りるよ。 107 00:08:04,684 --> 00:08:06,686 (エヴァンス・ジーン)はい。 (クルニ・クルーシエル)ん? 108 00:08:08,688 --> 00:08:10,690 リカッソを使わず→ 109 00:08:10,690 --> 00:08:13,693 柄から先は 全て刃が付いてる想定で 打ち込んでくれるかな。 110 00:08:13,693 --> 00:08:15,695 はいっす! 111 00:08:17,697 --> 00:08:19,699 フンッ! 112 00:08:20,700 --> 00:08:24,704 《何せ本番だ あの連中が来る可能性は高い》 113 00:08:24,704 --> 00:08:27,707 《どう戦うか考えずにいられない》 114 00:08:27,707 --> 00:08:31,711 《剣士の業なのか ただの思い上がりか…》 115 00:08:32,645 --> 00:08:34,647 ハアーッ! 116 00:08:34,647 --> 00:08:36,649 フンッ! あっ…! 117 00:08:36,649 --> 00:08:41,654 《なんにせよ 奴の始末は自分の手でつけたい》 118 00:08:42,655 --> 00:08:44,657 よし 焼けたぞ。 119 00:08:44,657 --> 00:08:46,659 いただきます。 (ミュイ・フレイア)いただきます。 120 00:08:49,662 --> 00:08:52,665 おお~ こりゃ いいな! 121 00:08:52,665 --> 00:08:55,668 皮が香ばしくて 脂が少ないのに うまみは強い。 122 00:08:55,668 --> 00:08:57,670 (ミュイ)うまっ! 123 00:08:57,670 --> 00:09:01,674 いや~ 結局 気になって買っちゃったんだけど 正解だったな。 124 00:09:03,676 --> 00:09:08,681 簡単なのは 内臓抜いて塩振って焼くだけって 店の人に教わったけど→ 125 00:09:08,681 --> 00:09:10,683 これで十分じゃないか。 126 00:09:10,683 --> 00:09:13,686 初めて食う味だけど むちゃくちゃうまい。 127 00:09:13,686 --> 00:09:15,688 俺も焼き魚なんて初めてだよ。 128 00:09:15,688 --> 00:09:19,692 寒くなると値段がこなれるらしいから また買ってこよう。 129 00:09:19,692 --> 00:09:21,694 (ミュイ)うん。 130 00:09:21,694 --> 00:09:23,696 洗いもんしてくる。 131 00:09:23,696 --> 00:09:25,698 あっ… 待って。 なんだよ? 132 00:09:25,698 --> 00:09:28,701 ちょっと相談したいことがあって。 (ミュイ)仕事のことか? 133 00:09:28,701 --> 00:09:31,704 《いい勘してるな~ ミュイは…》 134 00:09:31,704 --> 00:09:35,642 そう。 月末から またしばらく出張でね。 135 00:09:35,642 --> 00:09:39,646 今度は2カ月くらいになりそうなんだ。 ふーん。 136 00:09:39,646 --> 00:09:43,650 また学院の寮に短期寄宿できるように 手続きしておくよ。 137 00:09:43,650 --> 00:09:46,653 いや 寮には行かねえ。 えっ? 138 00:09:46,653 --> 00:09:52,659 もしかして… 前に俺が出張行った時 寮に寝泊まりしたけど 合わなかったとか? 139 00:09:52,659 --> 00:09:54,661 そんなんじゃねえ。 140 00:09:54,661 --> 00:09:58,665 じゃあ なんで? ルーシーの豪邸に しばらく住んでみたくなった? 141 00:09:58,665 --> 00:10:01,668 違う。 ここでいいっつってるんだ。 142 00:10:01,668 --> 00:10:03,670 はっ? 143 00:10:03,670 --> 00:10:07,674 何もおかしくねえだろ。 ここがアタシの家なんだから。 144 00:10:07,674 --> 00:10:09,676 ミュイ一人きりになるんだよ? 145 00:10:09,676 --> 00:10:12,679 家のことなら 大体一人でできるようになった。 146 00:10:12,679 --> 00:10:15,682 学校も来月の頭から冬休みだし。 147 00:10:15,682 --> 00:10:20,687 《子供扱いされるのを嫌うからな ミュイは。 でも…》 148 00:10:20,687 --> 00:10:23,690 危なくない? 心配しすぎなんだよ。 149 00:10:23,690 --> 00:10:27,694 空き巣の狙いどころくらい知ってるし 用心しときゃ大丈夫だろ。 150 00:10:27,694 --> 00:10:30,697 《別の意味で心配になってきたぞ》 151 00:10:30,697 --> 00:10:34,701 《しかし この独立心は尊重すべきか…》 152 00:10:34,701 --> 00:10:36,703 じゃあ… やってみる? 153 00:10:36,703 --> 00:10:38,705 うん。 154 00:10:38,705 --> 00:10:41,708 ただし 困ったことが起きたら ルーシーのところに行くようにね。 155 00:10:41,708 --> 00:10:44,711 話は通しておくから。 うん。 156 00:10:44,711 --> 00:10:46,713 あと 服はちゃんと畳んで片付けてね。 157 00:10:46,713 --> 00:10:50,717 うっ… 分かってるよ。 158 00:10:50,717 --> 00:10:52,719 頼むよ ホント。 159 00:10:56,723 --> 00:10:59,726 これより騎士団は 所定の行動を実施する。 160 00:10:59,726 --> 00:11:03,730 おのおのの たゆまぬ努力と研鑽が 遺憾なく発揮されることを期待する。 161 00:11:03,730 --> 00:11:05,732 以上! 162 00:11:05,732 --> 00:11:07,734 《いよいよ始まったか…》 163 00:11:08,735 --> 00:11:11,738 ベリル殿 われわれも参りましょう。 164 00:11:11,738 --> 00:11:15,742 ああ まずは 北区の王宮前だね。 165 00:11:15,742 --> 00:11:17,744 (クルニ)先生~! 166 00:11:17,744 --> 00:11:19,746 クルニ どうしたの? 167 00:11:19,746 --> 00:11:21,748 先生と団長 また遠くまで行って お泊まりっすね。 168 00:11:21,748 --> 00:11:23,750 今回は副団長も。 169 00:11:23,750 --> 00:11:25,752 私も行きたいっす! 170 00:11:25,752 --> 00:11:28,755 《旅行みたいなノリで言うよね この子…》 171 00:11:28,755 --> 00:11:31,758 残念だけど そういう配置だから。 へっ? 172 00:11:31,758 --> 00:11:35,695 王女殿下を自らお守りしたいという 意気込みは買うが→ 173 00:11:35,695 --> 00:11:37,697 首都の守りも おろそかにできない。 174 00:11:37,697 --> 00:11:39,699 頼りにしているぞ クルニ。 175 00:11:39,699 --> 00:11:43,703 うう… 副団長に そこまで言われたら→ 176 00:11:43,703 --> 00:11:45,705 ここに残って頑張るしかないっす! 177 00:11:45,705 --> 00:11:49,709 《ヘンブリッツくん クルニの扱いがうまいな…》 178 00:11:49,709 --> 00:11:52,712 じゃあ 頼んだよ クルニ。 (クルニ)はいっす! 179 00:11:52,712 --> 00:11:57,717 先生 お土産楽しみにしてるっす! えっ? ああ… うん。 180 00:11:57,717 --> 00:12:00,720 《やっぱり 旅行のノリなのね…》 181 00:12:04,724 --> 00:12:07,727 では ベリル殿は 2番目の馬車に。 了解。 182 00:12:08,728 --> 00:12:10,730 (ヘンブリッツ)総員騎乗! 183 00:12:12,732 --> 00:12:22,742 ♬~ 184 00:12:22,742 --> 00:12:27,747 《今回も囮… まあ 適材適所ではあるけどね》 185 00:12:27,747 --> 00:12:30,750 《俺も一応 馬には乗れるけど→ 186 00:12:30,750 --> 00:12:33,686 これほど足並みをそろえるのは まねできないし》 187 00:12:33,686 --> 00:12:35,688 《じきに首都を出て街道に入る》 188 00:12:35,688 --> 00:12:40,693 《そこから先は いつ あいつらが襲ってきても おかしくない》 189 00:12:40,693 --> 00:12:43,696 《こっちの戦力は あの時と比べものにならないが→ 190 00:12:43,696 --> 00:12:46,699 どんな手で来るか分からない連中だ》 191 00:12:46,699 --> 00:12:50,703 《気を抜くな。 ただし 気負いすぎるな》 192 00:12:50,703 --> 00:12:55,708 《目いっぱいで気を張り続けていたら 長旅は持たないし 体の動きも硬くなる》 193 00:12:55,708 --> 00:12:57,710 (深呼吸) 194 00:12:57,710 --> 00:13:02,715 《何が起きても後の先をとる。 まずは それだけでいい》 195 00:13:04,717 --> 00:13:06,719 (ウォーレン・フルームヴェルク) ようこそ おいでくださいました→ 196 00:13:06,719 --> 00:13:08,721 サラキア王女殿下。 197 00:13:08,721 --> 00:13:11,724 わが領にて 歓待できまするは光栄の至り。 198 00:13:11,724 --> 00:13:13,726 (ウォーレン)どうぞ おくつろぎください。 199 00:13:13,726 --> 00:13:16,729 (サラキア・アスフォード・エル・レベリス) 卿の良きように計らってください→ 200 00:13:16,729 --> 00:13:18,731 フルームヴェルク辺境伯。 201 00:13:18,731 --> 00:13:20,733 仰せのままに。 202 00:13:21,734 --> 00:13:23,736 (シュステ・フルームヴェルク)フフッ…。 あっ…。 203 00:13:23,736 --> 00:13:28,741 《さすが貴族。 王女さまへの対応も完璧だ》 204 00:13:28,741 --> 00:13:31,744 (ウォーレン)晩餐の支度も じきに整います。 205 00:13:31,744 --> 00:13:34,681 まずは お部屋にご案内いたしますので どうぞ こちらに。 206 00:13:34,681 --> 00:13:36,683 よしなに。 207 00:13:39,686 --> 00:13:42,689 俺たちも休ませてもらおうか。 208 00:13:42,689 --> 00:13:45,692 今回も あの別邸でいいんだよね? はい…。 209 00:13:45,692 --> 00:13:49,696 ん? どうしたの? アリューシア。 210 00:13:49,696 --> 00:13:54,701 あくまで 例えばの話として 聞いていただきたいのですが。 211 00:13:54,701 --> 00:13:56,703 ん…? 例えば→ 212 00:13:56,703 --> 00:14:01,708 その人が幸せになるなら なんでもできる 命すら惜しくない。 213 00:14:01,708 --> 00:14:04,711 本心から そう思える人がいて→ 214 00:14:04,711 --> 00:14:08,715 でも その人は 自分より他の人と一緒にいたほうが→ 215 00:14:08,715 --> 00:14:11,718 幸せになれるとしたら…。 216 00:14:11,718 --> 00:14:13,720 先生なら どうしますか? 217 00:14:16,723 --> 00:14:22,729 申し訳ありません つい…。 公務の最中に変なたとえ話を。 218 00:14:22,729 --> 00:14:24,731 あっ… いや…。 219 00:14:24,731 --> 00:14:29,736 やはり これは自分で考えるべきことでした。 別邸に参りましょう。 220 00:14:34,674 --> 00:14:38,678 《ここにいる間は 襲われる心配もなさそうなのに…→ 221 00:14:38,678 --> 00:14:40,680 結局 落ち着かない》 222 00:14:40,680 --> 00:14:43,683 (ノック) ⚞(シュステ)お食事をお持ちしました。 223 00:14:43,683 --> 00:14:45,685 ⚞ああ どうぞ。 224 00:14:45,685 --> 00:14:48,688 えっ シュステ? (シュステ)はい。 225 00:14:48,688 --> 00:14:51,691 いやいや いやいや 「はい」じゃなくて…。 226 00:14:51,691 --> 00:14:54,694 (シュステ)何か問題でもございますか? 227 00:14:54,694 --> 00:14:57,697 こんなとこにいていいの? 王女さまの おもてなしは? 228 00:14:57,697 --> 00:15:02,702 (シュステ)そちらは 兄と父に任せておけば大丈夫です。 229 00:15:02,702 --> 00:15:04,704 何が大丈夫なの!? 230 00:15:05,705 --> 00:15:07,707 (シュステ)さあ 召し上がれ! 231 00:15:07,707 --> 00:15:09,709 (つばをのみ込む音) 232 00:15:09,709 --> 00:15:12,712 今 ちょっと喉を通りにくそうなんで 後でいただくよ。 233 00:15:12,712 --> 00:15:16,716 お好きになさってください。 ところで ベリルさま→ 234 00:15:16,716 --> 00:15:20,720 わたくし バルトレーンへの転居を 考えているのですが。 235 00:15:20,720 --> 00:15:23,723 やぶから棒だね。 なんで 首都に行きたいのかな? 236 00:15:23,723 --> 00:15:26,726 ベリルさまが いらっしゃるので。 237 00:15:26,726 --> 00:15:28,728 あの… 聞き間違いかな? 238 00:15:28,728 --> 00:15:31,731 ベリルさまが いらっしゃるので! 239 00:15:31,731 --> 00:15:34,667 その理由だと さすがに難しいんじゃないかな…。 240 00:15:34,667 --> 00:15:36,669 本気でお慕い申しております。 241 00:15:37,670 --> 00:15:41,674 ずっと この辺境伯家に尽くすために 生きてきました。 242 00:15:41,674 --> 00:15:45,678 そのわたくしが初めて尽くしたいと思えた方が ベリルさまです。 243 00:15:45,678 --> 00:15:47,680 うっ… あっ…。 244 00:15:47,680 --> 00:15:51,684 血のつながりのない方から 打算のない優しさを頂戴したのは→ 245 00:15:51,684 --> 00:15:53,686 初めてでした。 246 00:15:53,686 --> 00:15:57,690 そう思ってもらえるのは すごくうれしいよ。 素直にね。 247 00:15:57,690 --> 00:15:59,692 では…。 けど すまない。 248 00:15:59,692 --> 00:16:02,695 少なくとも すぐには応えられない。 249 00:16:02,695 --> 00:16:06,699 やはり わたくしでは 不相応でしょうか。 250 00:16:06,699 --> 00:16:09,702 シュステはいい子だよ。 これは俺の問題なんだ。 251 00:16:09,702 --> 00:16:11,704 ベリルさまの? 252 00:16:11,704 --> 00:16:14,707 先にやらなきゃいけないことが いくつかあって。 253 00:16:14,707 --> 00:16:18,711 実は 俺は ある女の子の後見人をやっていてね。 254 00:16:18,711 --> 00:16:22,715 その子が独り立ちするまでは そっちを優先したい。 255 00:16:23,716 --> 00:16:26,719 他にも おやじに勝った以上→ 256 00:16:26,719 --> 00:16:29,722 剣の頂を目指さないのは 裏切りになってしまう。 257 00:16:31,724 --> 00:16:33,659 それに…。 258 00:16:33,659 --> 00:16:36,662 先生なら どうしますか? 259 00:16:36,662 --> 00:16:40,666 どちらに転ぶにせよ 答えを出さなきゃいけないこともあって。 260 00:16:40,666 --> 00:16:42,668 それは悪いけど→ 261 00:16:42,668 --> 00:16:46,672 シュステの気持ちに どう応えるかよりも 先にやらなきゃいけないんだ。 262 00:16:46,672 --> 00:16:48,674 困ります。 263 00:16:48,674 --> 00:16:50,676 いや そこをなんとか分かってもらえると…。 264 00:16:50,676 --> 00:16:54,680 そんなに誠実に断られては 返す言葉がありません。 265 00:16:54,680 --> 00:16:58,684 ですが 本気で わたくしと 向き合われていることも感じられ→ 266 00:16:58,684 --> 00:17:03,689 ますます好きになってしまって困るのです。 267 00:17:03,689 --> 00:17:05,691 だから…→ 268 00:17:05,691 --> 00:17:07,693 待たせていただきます。 269 00:17:07,693 --> 00:17:12,698 ベリルさまが先になさりたいことを 全て済ませるまで。 270 00:17:12,698 --> 00:17:16,702 いつになるか分からないし いい返事ができるかも分からないよ。 271 00:17:16,702 --> 00:17:20,706 問題ありません 気は長いほうですし。 272 00:17:20,706 --> 00:17:23,709 ただ 時がたちすぎて→ 273 00:17:23,709 --> 00:17:27,713 ベリルさまが わたくしを忘れてしまわれたら 悲しいですわ。 274 00:17:27,713 --> 00:17:31,717 忘れることはないさ。 あの押し花は ずっと大事にしてる。 275 00:17:31,717 --> 00:17:34,720 うれしい! 276 00:17:35,655 --> 00:17:37,657 (ミュイ)ハッ ハッ ハッ…。 277 00:17:37,657 --> 00:17:40,660 (クルニ)あれ? もしかして ミュイちゃんっすか? 278 00:17:40,660 --> 00:17:43,663 やっぱりっす! おはようっす! 279 00:17:43,663 --> 00:17:47,667 (ミュイ)フィッセル先生とクルニ… さん。 280 00:17:47,667 --> 00:17:49,669 ミュイちゃんも走ってるっすか? 281 00:17:49,669 --> 00:17:52,672 走り込みは全ての基本だって いつも おっさ…→ 282 00:17:52,672 --> 00:17:55,675 いや ベリルさんが…。 283 00:17:55,675 --> 00:17:57,677 無理しなくていいっすよ。 284 00:17:57,677 --> 00:18:01,681 私から見ても 正直 先生は おっさん以外の何ものでもないっす。 285 00:18:01,681 --> 00:18:05,685 (フィッセル・ハーベラー)かっこいいおっさん。 そうそう かっこいいっす! 286 00:18:06,686 --> 00:18:09,689 (クルニ)ミュイちゃん せっかくだし 一緒にどうっすか? 287 00:18:09,689 --> 00:18:13,693 私とフィスちゃんは ちょくちょく時間合わせて走ってるっすけど。 288 00:18:13,693 --> 00:18:18,698 騎士団員とか先生になっても まだ走ってるんですか? 289 00:18:18,698 --> 00:18:22,702 ベリル先生の道場で最初に教わるのが 走り込み。 290 00:18:22,702 --> 00:18:25,705 免許皆伝の日まで ずっとやる。 291 00:18:25,705 --> 00:18:27,707 だから 体に染みついてるっす! 292 00:18:27,707 --> 00:18:30,710 でも ミュイちゃんは偉いっす。 自主的に走るなんて。 293 00:18:30,710 --> 00:18:32,645 いや 全然足りねえ…。 294 00:18:32,645 --> 00:18:37,650 木剣振り抜いたら体がぶれるし 剣魔法の魔力の変換もうまくいかねえ。 295 00:18:37,650 --> 00:18:40,653 (フィッセル)続けてれば いつか必ずできる。 296 00:18:40,653 --> 00:18:43,656 魔術は分かんないっすけど 続けてればできるようになるのは→ 297 00:18:43,656 --> 00:18:45,658 絶対そうっす! 298 00:18:45,658 --> 00:18:49,662 おっさんも そう言ってたし アタシもそうだと思ってやってるけど…。 299 00:18:49,662 --> 00:18:54,667 あ~! 出口が見えないと 気持ち的につらくなる時もあるっすね。 300 00:18:54,667 --> 00:18:56,669 (フィッセル)うんうん。 301 00:18:56,669 --> 00:18:58,671 (クルニ)いいこと思い付いたっす! 302 00:18:58,671 --> 00:19:02,675 魔術師学院って 今 冬休みっすよね? (フィッセル)うんうん。 303 00:19:02,675 --> 00:19:06,679 (クルニ)休みの間 3人で ミュイちゃんの秘密特訓するっすよ! 304 00:19:06,679 --> 00:19:09,682 えっ? い… いいんですか? 305 00:19:09,682 --> 00:19:13,686 名案。 私にとっては授業の練習にもなる。 306 00:19:13,686 --> 00:19:16,689 フィスちゃんも秘密特訓っすね! 307 00:19:16,689 --> 00:19:21,694 じゃあ 決まり! 明日も同じくらいの時間に ここに集合っす! 308 00:19:21,694 --> 00:19:24,697 よろしく… お願いします。 309 00:19:24,697 --> 00:19:28,701 (フィッセル)休みの間は先生と生徒じゃない。 同じベリル先生の弟子。 310 00:19:28,701 --> 00:19:30,703 だから 敬語はなしでいい。 311 00:19:30,703 --> 00:19:32,638 マジかよ!? 312 00:19:32,638 --> 00:19:34,640 フウ~ 助かったぜ…。 313 00:19:34,640 --> 00:19:36,642 (クルニ)切り替え早いっす! 314 00:19:38,644 --> 00:19:40,646 (ガトガ・ラズオーン)しばらくぶりだな。 315 00:19:40,646 --> 00:19:43,649 シトラス ガーデナント。 元気そうで何よりだ。 316 00:19:43,649 --> 00:19:46,652 ラズオーンも変わりないようですね。 317 00:19:46,652 --> 00:19:50,656 (ガトガ)ああ。 ロゼが引退したんで また新しい副団長になっちまったが→ 318 00:19:50,656 --> 00:19:53,659 なんとか まとまってきたよ。 319 00:19:53,659 --> 00:19:57,663 《ロゼのその後は気になるが ここで聞くわけにもいかないしな》 320 00:19:57,663 --> 00:20:01,667 (ガトガ)積もる話は また 教都に着いてから ゆっくりとな。 321 00:20:02,668 --> 00:20:04,670 ええ。 ぜひ。 ん? 322 00:20:05,671 --> 00:20:08,674 (ガトガ)ようこそ スフェンドヤードバニアへ。 323 00:20:08,674 --> 00:20:11,677 貴殿らの入国を歓迎する。 324 00:20:11,677 --> 00:20:17,683 ここより 教都ディルマハカまでは われら教会騎士団も護衛の任に就く。 325 00:20:17,683 --> 00:20:20,686 《国境の関所を通過して さらに3日》 326 00:20:20,686 --> 00:20:25,691 《これが スフェンドヤードバニアの首都 教都ディルマハカ》 327 00:20:26,692 --> 00:20:30,696 《国が変わると 建物の感じも随分と変わるもんだな》 328 00:20:30,696 --> 00:20:51,717 ♬~ 329 00:20:51,717 --> 00:20:53,719 お久しぶりです。 330 00:20:53,719 --> 00:20:55,721 (グレン・タスマカン・グディル)待ちわびていました。 331 00:20:55,721 --> 00:21:02,728 ♬~ 332 00:21:02,728 --> 00:21:06,732 王女殿下は 無事 宮殿内にお入りになられました。 333 00:21:06,732 --> 00:21:11,737 ようやく最初のひと仕事が終わった…。 いや~ 長かった。 334 00:21:11,737 --> 00:21:15,741 下見の時より行軍速度は遅くなりますので 必然的に。 335 00:21:15,741 --> 00:21:19,745 これほどの大編成を動かすとなると 致し方ありませんな。 336 00:21:19,745 --> 00:21:21,747 (ため息) 337 00:21:21,747 --> 00:21:23,749 先生は 宿舎でお休みください。 338 00:21:23,749 --> 00:21:28,754 私とヘンブリッツは ラズオーンたちと 警備計画についての打ち合わせに入ります。 339 00:21:28,754 --> 00:21:30,756 分かった。 340 00:21:36,695 --> 00:21:38,697 《来なかったな》 341 00:21:38,697 --> 00:21:43,702 《あの傭兵連中 こちらの警備態勢を見て諦めたのか…》 342 00:21:43,702 --> 00:21:47,706 《いや わざわざ アリューシアのような強敵を→ 343 00:21:47,706 --> 00:21:50,709 あらかじめ つぶしておこうとするような奴らが→ 344 00:21:50,709 --> 00:21:53,712 果たして簡単に手を引くのか…》 345 00:21:53,712 --> 00:22:01,720 ♬~ 346 00:22:02,721 --> 00:22:07,726 ♬~ 347 00:23:33,679 --> 00:23:36,682 〈魚は脂っこくないので体に優しい〉 348 00:23:36,682 --> 00:23:41,687 〈そんなことを言いつつ晩酌はする。 それが おっさんだ〉 349 00:23:41,687 --> 00:23:46,692 〈次回 「片田舎のおっさん、新年を迎える」〉