1 00:00:06,106 --> 00:00:14,114 (木剣を振る音) 2 00:00:14,114 --> 00:00:16,083 (ベリル・ガーデナント)ん…? 3 00:00:17,084 --> 00:00:19,119 (門下生たちのはしゃぎ声) 4 00:00:19,119 --> 00:00:21,121 (モルデア・ガーデナント)俺にもなあ…。 ん? 5 00:00:21,121 --> 00:00:26,093 (モルデア)本当なら あれぐらいの孫がいるはずなのになあ…。 6 00:00:26,093 --> 00:00:28,061 《また その話…》 7 00:00:29,096 --> 00:00:31,098 太刀筋 見てたんじゃなかったのか! 8 00:00:31,098 --> 00:00:34,101 お前の太刀筋は 十分 ちゃんとしとるわ。 9 00:00:34,101 --> 00:00:37,104 師範譲ってから もう 20年だぞ? 10 00:00:37,104 --> 00:00:40,107 こんな年になるまで 孫も抱けねえとは→ 11 00:00:40,107 --> 00:00:44,111 俺は なんて親不孝な息子を持っちまったんだ…。 12 00:00:44,111 --> 00:00:46,113 (門下生たち)先生 おはようございま~す! 13 00:00:46,113 --> 00:00:48,115 おはよう! 14 00:00:48,115 --> 00:00:52,119 道場継いで 弟子も増えた。 十分 親孝行じゃないか。 15 00:00:52,119 --> 00:00:54,121 もうひと声! 16 00:00:54,121 --> 00:00:58,091 はあ…。 嫁もいないのに 孫は無理だろ。 17 00:00:58,091 --> 00:01:00,093 話は終わっとらんぞ! 18 00:01:00,093 --> 00:01:03,096 いい娘の一人ぐらい 弟子におらんのか? 19 00:01:03,096 --> 00:01:08,101 あのな おやじ 剣術道場は出会いの場じゃないんだ。 20 00:01:09,102 --> 00:01:12,105 《片田舎で代々続く剣術道場》 21 00:01:12,105 --> 00:01:14,107 《俺は ここで生まれて→ 22 00:01:14,107 --> 00:01:17,110 物心ついた頃から 木剣と じゃれ合っていた》 23 00:01:17,110 --> 00:01:20,113 《そのまま 今に至る》 24 00:01:20,113 --> 00:01:23,083 《もちろん それなりに努力はした》 25 00:01:23,083 --> 00:01:27,120 《若い頃は ひとかどの剣士になる という望みも抱いたけど→ 26 00:01:27,120 --> 00:01:31,091 結果 身についたのは 常人よりも幾分マシな太刀筋→ 27 00:01:31,091 --> 00:01:35,095 年齢にしては鋭い反応速度 それぐらいのもんだ》 28 00:01:35,095 --> 00:01:37,064 《まあ 不満はない》 29 00:01:37,064 --> 00:01:41,168 《むしろ 俺の到達点は ここなんだなという 妙な納得感があった》 30 00:01:41,168 --> 00:01:44,104 《剣の腕は 程々で収まった俺だけど→ 31 00:01:44,104 --> 00:01:47,074 人に教える才能は あったらしい》 32 00:01:47,074 --> 00:01:49,076 (門下生たち)ありがとうございました! 33 00:01:49,076 --> 00:01:51,078 はい お疲れさまでした。 34 00:01:51,078 --> 00:01:55,082 《ここを卒業して 結構出世した弟子も 何人かいるからね》 35 00:01:58,085 --> 00:02:00,087 (モルデア)はあ~…。 36 00:02:00,087 --> 00:02:04,057 孫の顔 見たいってのは そんなに贅沢な望みかねえ…。 37 00:02:04,057 --> 00:02:08,061 《今日は いつにも増して長いな…》 38 00:02:08,061 --> 00:02:10,097 なあ フレン お前も孫抱きたいよな? 39 00:02:10,097 --> 00:02:13,066 ベリルに 早く嫁さんもらってほしいよな? 40 00:02:13,066 --> 00:02:17,070 《おやじめ おふくろを味方につけようってのか…》 41 00:02:17,070 --> 00:02:19,106 (フレン・ガーデナント)そのうち いいご縁があるでしょうよ。 42 00:02:19,106 --> 00:02:22,075 そのうちってのは いつだ? (フレン)そのうちは そのうちよ。 43 00:02:22,075 --> 00:02:25,078 《さすが おふくろ 軽く いなしたな》 44 00:02:26,079 --> 00:02:30,083 いつか かわいい赤ちゃんを抱かせてくれるはずよ。 45 00:02:30,083 --> 00:02:32,085 ねえ ベリル。 46 00:02:32,085 --> 00:02:36,089 《うっ…! おやじには与しないが 俺の味方でもない》 47 00:02:36,089 --> 00:02:38,158 (ノック) 48 00:02:38,158 --> 00:02:40,127 ⚟ごめんください。 ん? 49 00:02:42,095 --> 00:02:44,064 はいはい どちら様で? 50 00:02:44,064 --> 00:02:47,067 先生 ご無沙汰しております。 51 00:02:48,068 --> 00:02:51,104 えーっと もしかして…。 52 00:02:51,104 --> 00:02:55,075 はい。 アリューシア・シトラスです。 53 00:02:57,077 --> 00:03:19,066 ♬~ 54 00:04:44,117 --> 00:04:48,088 本当に久しぶりだね。 見違えた。 55 00:04:49,122 --> 00:04:51,124 先生は お変わりないようで。 56 00:04:51,124 --> 00:04:56,129 まめに手紙を送ってくれる元弟子が えらく出世したと聞いちゃいたが→ 57 00:04:56,129 --> 00:05:00,133 王国騎士団の団長さんとはなあ。 58 00:05:00,133 --> 00:05:03,103 ベリルも 師匠冥利に尽きるだろうよ。 59 00:05:03,103 --> 00:05:06,139 で 今日は 一体 どういった用件かな? 60 00:05:06,139 --> 00:05:08,141 はい。 61 00:05:08,141 --> 00:05:12,145 実は私 騎士団長の任の傍ら 団の剣術指南もしておりまして。 62 00:05:12,145 --> 00:05:14,147 ほう すごいね。 63 00:05:14,147 --> 00:05:18,218 君は 子供の頃から優秀だったけど そこまでの剣士に。 64 00:05:18,218 --> 00:05:20,120 つきましては この度→ 65 00:05:20,120 --> 00:05:26,159 先生を騎士団付きの特別指南役として推薦し 無事 承認されました。 66 00:05:26,159 --> 00:05:28,161 んん…? 67 00:05:28,161 --> 00:05:31,231 国王御璽付きの任命書です。 68 00:05:31,231 --> 00:05:35,135 な… なんの冗談かな? 俺みたいな しがない中年に…。 69 00:05:35,135 --> 00:05:39,139 ああ~! こりゃ お前 行かないと死刑になるやつだ! 70 00:05:39,139 --> 00:05:43,143 死刑にはなりませんが それ相応の それにはなります。 71 00:05:43,143 --> 00:05:46,146 身内が それになると 俺も困るなあ。 72 00:05:46,146 --> 00:05:48,148 馬車を待たせています。 73 00:05:48,148 --> 00:05:51,117 今日は 首都で1泊していただき 詳細は明日に。 74 00:05:51,117 --> 00:05:53,119 はあ!? 今から!? 75 00:05:53,119 --> 00:05:56,122 明日は 確か 道場はお休みの日ですし→ 76 00:05:56,122 --> 00:05:59,159 師範のお仕事に支障はないかと。 77 00:05:59,159 --> 00:06:03,163 行け行け! ついでに首都で嫁の一人でも見つけてこい! 78 00:06:03,163 --> 00:06:05,131 お隣のべっぴんさんは どうなんだ? 79 00:06:05,131 --> 00:06:09,135 おやじ 悪ふざけは やめろ。 アリューシアが困ってるだろ。 80 00:06:09,135 --> 00:06:12,138 …ったく いくつ 年 離れてると思ってんだ。 81 00:06:12,138 --> 00:06:15,141 悪ふざけ… ですか? 82 00:06:15,141 --> 00:06:18,144 私は別に困りませんし 年の差など…。 83 00:06:18,144 --> 00:06:21,214 ん? 何か言ったかい? なんでもありません。 84 00:06:21,214 --> 00:06:24,217 フレン! 今日 ベリルの晩飯は なしでいいってよ! 85 00:06:24,217 --> 00:06:26,119 ⚟(フレン)はいはい。 86 00:06:26,119 --> 00:06:30,123 くっ… 先を取られっぱなしで 返しを入れる隙がない…。 87 00:06:35,161 --> 00:06:38,131 《なんで こんなことに…》 88 00:06:38,131 --> 00:06:41,134 ん? まだ その剣なんだね。 89 00:06:41,134 --> 00:06:43,136 はい。 90 00:06:43,136 --> 00:06:48,141 《俺の道場で全てを修めた子に渡している 餞別の剣》 91 00:06:48,141 --> 00:06:51,111 大事にしてくれてるのは嬉しいけど→ 92 00:06:51,111 --> 00:06:57,117 村の鍛冶屋で売ってるような代物じゃ 騎士団長には ふさわしくないだろう? 93 00:06:57,117 --> 00:07:00,120 いえ これこそが私の剣です。 94 00:07:00,120 --> 00:07:02,122 《これは あれだ…》 95 00:07:02,122 --> 00:07:06,126 《子供のうちは 師匠を自分より圧倒的に上と感じるもの》 96 00:07:06,126 --> 00:07:10,130 《アリューシアは その感覚のままなんだろう》 97 00:07:10,130 --> 00:07:12,132 《気持ちは ありがたいが→ 98 00:07:12,132 --> 00:07:16,136 俺は峠を過ぎたおっさんで 特別指南役なんて とても…》 99 00:07:16,136 --> 00:07:18,138 楽しみでなりません。 100 00:07:18,138 --> 00:07:21,141 片田舎… すみません→ 101 00:07:21,141 --> 00:07:26,112 地方に住む剣聖が ついに首都で活躍すると思うと。 102 00:07:26,112 --> 00:07:29,115 ん? 剣聖って 誰のこと? 103 00:07:29,115 --> 00:07:31,117 先生のことに決まっています! 104 00:07:31,117 --> 00:07:35,121 数多の有名騎士 有名冒険者を輩出した 「片田舎の剣聖」は→ 105 00:07:35,121 --> 00:07:37,123 剣の道では有名ですから。 106 00:07:37,123 --> 00:07:40,126 失礼な枕詞には納得できませんが…。 107 00:07:40,126 --> 00:07:42,195 あっ そう…。 108 00:07:42,195 --> 00:07:46,099 《多分 そんなこと言ってるの この子だけだよね》 109 00:07:46,099 --> 00:07:50,136 先生に ふさわしい舞台をご用意できたと 自負しています。 110 00:07:50,136 --> 00:07:54,140 私も 先生に ふさわしい存在を目指して 日々 自分磨きに取り組み…。 111 00:07:55,141 --> 00:07:57,110 ん? 何か言ったかい? 112 00:07:57,110 --> 00:07:59,112 いえ なんでもありません。 113 00:07:59,112 --> 00:08:03,116 おっ 見えてきた! 首都 バルトレーン。 何年ぶりだっけ? 114 00:08:03,116 --> 00:08:05,118 あっ そうだ。 お土産買わないと。 115 00:08:05,118 --> 00:08:12,125 ♬~ 116 00:08:12,125 --> 00:08:17,130 では 明朝 お迎えに上がりますので 今日は この宿でお休みください。 117 00:08:17,130 --> 00:08:19,132 うん ありがとう。 118 00:08:19,132 --> 00:08:23,136 《人も多いし 店も多い 夜でも明るい…》 119 00:08:23,136 --> 00:08:25,105 《これが都会ってやつだよな》 120 00:08:26,139 --> 00:08:28,108 はあ… 落ち着かない…。 121 00:08:29,142 --> 00:08:33,146 以上の経緯から 今後 ベリル・ガーデナント氏に→ 122 00:08:33,146 --> 00:08:37,117 レベリオ騎士団の特別指南役として ご協力いただく。 123 00:08:37,117 --> 00:08:41,121 なお ガーデナント氏は 私など相手にならぬほど強い。 124 00:08:42,122 --> 00:08:44,124 では 先生 ひと言 お願いします。 125 00:08:46,159 --> 00:08:48,128 《いろいろと荷が重すぎる…》 126 00:08:49,129 --> 00:08:51,164 (せき払い) え… えー…。 127 00:08:51,164 --> 00:08:55,135 ご紹介にあずかりました ベリル・ガーデナントです。 128 00:08:55,135 --> 00:08:59,139 私の技術が どこまで 皆さんの役に立つかは わかりませんが→ 129 00:08:59,139 --> 00:09:04,144 精いっぱい頑張らせていただきますので どうぞ よろしくお願いします。 130 00:09:04,144 --> 00:09:07,147 (拍手) 131 00:09:07,147 --> 00:09:09,149 (エヴァンス・ジーン)大丈夫ですかね? 132 00:09:10,150 --> 00:09:12,118 (ヘンブリッツ・ドラウト)くっ…。 133 00:09:15,221 --> 00:09:18,124 さすがです 先生。 素晴らしいあいさつでした。 134 00:09:18,124 --> 00:09:21,127 はあ…。 お渡しした書類にありますように→ 135 00:09:21,127 --> 00:09:25,165 今後は 月に3度か4度 指導にお越しください。 136 00:09:25,165 --> 00:09:29,135 これなら 師範のお仕事への影響も軽微かと。 137 00:09:29,135 --> 00:09:31,371 うん そうだね…。 138 00:09:31,371 --> 00:09:33,139 ⚞せんせ~い! ん? 139 00:09:33,139 --> 00:09:35,141 先生! お久しぶりっす! 140 00:09:35,141 --> 00:09:39,145 クルニ 騎士たる者が みだりに走ってはいけません。 141 00:09:39,145 --> 00:09:41,147 はいっす! クルニ…。 142 00:09:41,147 --> 00:09:44,150 クルニか! 立派な騎士になったじゃないか。 143 00:09:44,150 --> 00:09:47,120 い… いえいえ! 自分なんて まだまだっす! 144 00:09:47,120 --> 00:09:50,190 《うちにいたのは 2年ぐらいだったか…》 145 00:09:50,190 --> 00:09:54,194 《騎士団入りを目指して 一生懸命 励んでいた》 146 00:09:55,128 --> 00:09:57,163 夢がかなって 何よりだ。 147 00:09:57,163 --> 00:10:00,133 また 先生に教えてもらえるの 嬉しいっす! 148 00:10:00,133 --> 00:10:04,137 我々門弟が先生をもり立てますので 存分にご指導ください。 149 00:10:06,139 --> 00:10:09,142 《クルニは 2年で引っ越しちゃったんだよな》 150 00:10:09,142 --> 00:10:12,145 《続きを教えられるのは 僥倖だ》 151 00:10:12,145 --> 00:10:16,115 《しかし 弟子が2人も騎士団にいるとはね…》 152 00:10:17,116 --> 00:10:19,119 ただいま~。 153 00:10:20,186 --> 00:10:24,124 お土産 買ってきたよ。 おやじ 甘いもの好きだろ。 154 00:10:24,124 --> 00:10:26,125 …って えっ? お客さん? 155 00:10:26,125 --> 00:10:28,094 あっ ランドリド? 156 00:10:30,130 --> 00:10:33,099 (ランドリド・パトルロック)ご無沙汰してます 先生。 157 00:10:33,099 --> 00:10:38,138 来てくれたのか! いや~ 昨日今日と よく元弟子に会うよ! 158 00:10:38,138 --> 00:10:41,140 そちらは 奥さんと子供さんか? ええ まあ…。 159 00:10:41,140 --> 00:10:45,111 というわけでな ベリル お前 もう帰ってこなくていいぞ。 160 00:10:45,111 --> 00:10:47,146 えっ? 161 00:10:47,146 --> 00:10:51,117 バルトレーンに腰を据えて きっちり役目を果たしてこい。 162 00:10:51,117 --> 00:10:53,119 はあ? 163 00:10:53,119 --> 00:10:56,122 で ついでに嫁見つけるまで帰ってくんな。 164 00:10:56,122 --> 00:10:58,124 早く 孫の顔 見せろ。 165 00:10:59,125 --> 00:11:01,094 はああーーーー!? 166 00:11:03,096 --> 00:11:06,099 子供が生まれたのを機に この村に越してくると。 167 00:11:06,099 --> 00:11:08,101 (ランドリド)はい。 168 00:11:08,101 --> 00:11:11,104 冒険者も引退するのか…。 169 00:11:11,104 --> 00:11:14,073 プラチナムランクまで上がってるのに 随分と思い切ったね。 170 00:11:15,108 --> 00:11:18,111 先生のご指導のおかげで ここまでこられたので→ 171 00:11:18,111 --> 00:11:20,079 申し訳ないことですが…。 172 00:11:20,079 --> 00:11:23,116 俺が教えてた頃から 10年以上 経ってる。 173 00:11:23,116 --> 00:11:25,084 全ては 君の努力のたまものだ。 174 00:11:25,084 --> 00:11:27,086 恐縮です。 175 00:11:27,086 --> 00:11:32,091 《冒険者は 腕次第で いくらでも稼げるが 危険と隣り合わせだからな》 176 00:11:32,091 --> 00:11:35,094 奥さんも賛成なら いいんじゃないかな。 177 00:11:37,096 --> 00:11:40,099 しかし 渡りに船とは このことだな。 178 00:11:40,099 --> 00:11:43,102 ランドリドは うちの流派の皆伝。 179 00:11:43,102 --> 00:11:48,074 こいつが師範代をやってくれれば お前は お役目に専念できる。 180 00:11:48,074 --> 00:11:50,076 事情は伺いました。 181 00:11:50,076 --> 00:11:53,079 不肖 ランドリド・パトルロック しっかりと勤めさせていただきます! 182 00:11:53,079 --> 00:11:56,082 あっ いや… ああ うん…。 183 00:11:56,082 --> 00:12:01,087 《おやじめ… 俺がいない間に ランドリドを言いくるめやがったな》 184 00:12:01,087 --> 00:12:03,089 まあ 今日だけは泊めてやる。 185 00:12:03,089 --> 00:12:05,058 いや ここ 俺んちだから! 186 00:12:07,093 --> 00:12:11,064 …ってことがあってね。 参ったよ。 187 00:12:11,064 --> 00:12:14,100 それは 好つご… 大変ですね。 188 00:12:14,100 --> 00:12:17,070 申し訳ない 宿探しに付き合わせてしまって。 189 00:12:17,070 --> 00:12:19,105 いえ なんの問題もありません。 190 00:12:19,105 --> 00:12:23,076 おととい取ってくれたホテルは 定宿にするには高級すぎるし→ 191 00:12:23,076 --> 00:12:26,079 手頃な宿があれば いいんだけど…。 192 00:12:26,079 --> 00:12:30,083 先生が寝泊まりするに ふさわしい場所…。 193 00:12:30,083 --> 00:12:34,087 首都には不案内だから アリューシアがいてくれて助かるよ。 194 00:12:34,087 --> 00:12:37,090 私の家に住む というのは駄目かなと…。 195 00:12:37,090 --> 00:12:39,058 いや そりゃ駄目でしょ! 196 00:12:40,059 --> 00:12:42,061 そうですか…。 197 00:12:44,097 --> 00:12:46,065 《びっくりさせないでほしいな…》 198 00:12:46,065 --> 00:12:50,069 《都会で暮らすと 冗談の切れ味が上がるのかな…?》 199 00:12:50,069 --> 00:12:53,072 ところで 先生 まずは食事にしませんか? 200 00:12:53,072 --> 00:12:55,108 あっ ちょうど昼時だね。 201 00:12:55,108 --> 00:12:57,076 先生と町歩き そして ランチ。 202 00:12:57,076 --> 00:13:00,079 これは もはや れっきとしたデート。 203 00:13:00,079 --> 00:13:03,049 何か言ったかい? いえ なんでもありません。 204 00:13:05,151 --> 00:13:08,154 ⚞天下の騎士団長様が男連れで町歩きか。 205 00:13:08,154 --> 00:13:10,156 ⚞ふぬけたものだな。 206 00:13:11,090 --> 00:13:13,059 《うかつだった》 207 00:13:13,059 --> 00:13:15,061 《騎士団長は注目の的》 208 00:13:15,061 --> 00:13:19,065 《俺みたいな しょぼくれたおっさんと 並んで歩くのは イメージダウンだよな…》 209 00:13:19,065 --> 00:13:21,067 リサンデラですか。 210 00:13:21,067 --> 00:13:24,070 難癖は やめていただきたいですね。 211 00:13:24,070 --> 00:13:26,072 職務は きちんと こなしています。 212 00:13:29,075 --> 00:13:31,077 フン! どうだか…。 213 00:13:31,077 --> 00:13:34,080 あの~ 知り合い? 俺 少し外そうか? 214 00:13:34,080 --> 00:13:38,117 ただの顔見知りです。 先生が気を使うことはありません。 215 00:13:38,117 --> 00:13:40,119 あっ そうなの…。 216 00:13:41,087 --> 00:13:46,125 話の途中で立ち去るとは 礼儀知らずにも程があるな。 217 00:13:46,125 --> 00:13:48,094 話すことなどありません。 218 00:13:49,095 --> 00:13:53,066 フン! どこの誰かもわからん男を先生などと…。 219 00:13:54,100 --> 00:13:57,103 《あっ あのプレート ブラックランクの冒険者か!?》 220 00:13:57,103 --> 00:13:59,072 《初めて生で見た》 221 00:14:00,106 --> 00:14:02,108 ベリル… 先生…。 222 00:14:02,108 --> 00:14:04,110 えっ? 223 00:14:04,110 --> 00:14:06,079 見間違うはずもない。 えっ…? 224 00:14:06,079 --> 00:14:08,114 覚えていらっしゃらないのか…。 225 00:14:08,114 --> 00:14:12,118 もう 20年も経っているからな。 いや しかし…! 226 00:14:12,118 --> 00:14:15,088 先生 私です! スレナ・リサンデラです! 227 00:14:15,088 --> 00:14:20,093 遠い昔 身をやつした幼子を拾い 剣を教えた記憶はありませんか? 228 00:14:21,094 --> 00:14:24,097 あっ もしかして あのスレナかい? 229 00:14:24,097 --> 00:14:26,065 思い出していただけましたか! 230 00:14:27,100 --> 00:14:30,103 《そうか あの時の…》 231 00:14:30,103 --> 00:14:39,078 ♬~ 232 00:14:39,078 --> 00:14:43,082 身を立てたことをご報告したいと ずっと思っていました。 233 00:14:43,082 --> 00:14:46,119 ですが なかなか機会に恵まれず…。 234 00:14:46,119 --> 00:14:48,187 申し訳ありません。 235 00:14:48,187 --> 00:14:50,089 大人になると忙しくなるもんだ。 236 00:14:50,089 --> 00:14:54,093 立派になった姿を見られただけで 俺は嬉しいよ。 237 00:14:55,128 --> 00:14:58,097 しかし 先生は なぜ シトラスなどと一緒におられるのです? 238 00:14:58,097 --> 00:15:00,099 ああ それは…。 239 00:15:00,099 --> 00:15:03,102 先生は レベリオ騎士団の特別指南役に就任され→ 240 00:15:03,102 --> 00:15:05,171 バルトレーンに 常駐いただくことになりましたので→ 241 00:15:05,171 --> 00:15:07,106 宿を探しているのです。 242 00:15:07,106 --> 00:15:09,075 私は そのお手伝いをしています。 243 00:15:09,075 --> 00:15:12,078 特別指南役か 先生の実力なら うなずける話だが→ 244 00:15:12,078 --> 00:15:15,081 宿探しなら シトラスより私のほうが適任だ。 245 00:15:15,081 --> 00:15:18,084 なぜなら 遠方から来る冒険者に 斡旋もしているからな。 246 00:15:18,084 --> 00:15:21,053 お前 この街の宿なんて 泊まったことないだろう。 247 00:15:23,089 --> 00:15:26,092 《なんなの? この子たち…》 248 00:15:26,092 --> 00:15:31,097 ここなら おおむね 先生のご要望に沿っていると思いますが。 249 00:15:31,097 --> 00:15:33,065 助かったよ スレナ。 250 00:15:33,065 --> 00:15:35,101 アリューシアも ありがとう。 251 00:15:35,101 --> 00:15:38,070 あ… あの… 2人とも仲良くね? 252 00:15:39,071 --> 00:15:42,074 先生 では また! 失礼します。 253 00:15:42,074 --> 00:15:44,076 (2人)フンッ! 254 00:15:44,076 --> 00:15:46,045 (ドアの閉まる音) 255 00:15:47,079 --> 00:15:49,081 はあ…。 256 00:15:50,049 --> 00:15:55,087 《いきなりの都会暮らし 面白がれるほど若くはないが…》 257 00:15:55,087 --> 00:15:59,058 《昔の弟子が世話を焼いてくれるのは 嬉しいもんだな》 258 00:16:08,067 --> 00:16:10,069 (エヴァンス)ま… 参りました。 259 00:16:10,069 --> 00:16:12,071 総員 傾聴! 260 00:16:12,071 --> 00:16:16,075 予定を繰り上げ 本日より ガーデナント氏に指南を頂く。 261 00:16:16,075 --> 00:16:19,078 一同 一層の鍛錬を期待する。 262 00:16:19,078 --> 00:16:21,080 よろしくお願いします。 263 00:16:21,080 --> 00:16:23,082 (ヘンブリッツ)お待ちください 団長。 264 00:16:23,082 --> 00:16:25,051 あっ…。 265 00:16:27,086 --> 00:16:29,088 どうしました? 266 00:16:29,088 --> 00:16:33,059 レベリオ騎士団の指南役には 相応の力が求められます。 267 00:16:33,059 --> 00:16:37,063 ガーデナント氏の実力が いかほどか ご教示いただきたい。 268 00:16:37,063 --> 00:16:39,098 彼は? 269 00:16:39,098 --> 00:16:43,069 ヘンブリッツ・ドラウト。 騎士団の副団長を務める男です。 270 00:16:43,069 --> 00:16:45,104 失礼を承知で申し上げる。 271 00:16:45,104 --> 00:16:48,107 ぜひとも お手合わせを。 いいでしょう。 272 00:16:48,107 --> 00:16:50,076 はあ!? 273 00:16:50,076 --> 00:16:53,079 先生の力を示す 良い機会です。 274 00:16:53,079 --> 00:16:56,048 《勝手に了承しないでほしいな…》 275 00:17:00,086 --> 00:17:02,088 はあ…。 276 00:17:02,088 --> 00:17:05,091 (騎士団員)団長の師匠といっても 子供の頃の話だろ? 277 00:17:05,091 --> 00:17:07,093 (騎士団員)片田舎の剣聖…。 278 00:17:07,093 --> 00:17:11,063 耳にはするが しょせんは 噂話の類いにすぎんしな…。 279 00:17:11,063 --> 00:17:13,099 (騎士団員)教えを請うほどでは…。 280 00:17:13,099 --> 00:17:15,067 《いや 俺も そう思うよ》 281 00:17:16,068 --> 00:17:19,071 団長は お優しい方です。 282 00:17:20,072 --> 00:17:25,077 くすぶっている昔の師匠に 日の目を見せたいと思われても不思議はない。 283 00:17:25,077 --> 00:17:27,079 そうだね…。 284 00:17:27,079 --> 00:17:30,082 優しさは 時に間違いを生む。 285 00:17:30,082 --> 00:17:33,085 私は それを正すべき立場にある。 286 00:17:34,086 --> 00:17:36,088 うん 君は間違ってない。 287 00:17:36,088 --> 00:17:38,124 《そのとおりだよ》 288 00:17:38,124 --> 00:17:40,092 《俺は しがない 片田舎のおっさんだ》 289 00:17:40,092 --> 00:17:44,096 《あっ でもね せめて かっこ悪い負け方はしないように頑張るよ》 290 00:17:44,096 --> 00:17:46,098 では 始めてください。 291 00:17:46,098 --> 00:17:48,100 《アリューシアの顔を潰すわけにはいかない》 292 00:17:48,100 --> 00:17:52,104 《それに 今まで ずっと やってきたことが→ 293 00:17:52,104 --> 00:17:55,107 全く通用しないっていうのも 寂しすぎるしね》 294 00:17:57,076 --> 00:18:00,079 フゥ…。 295 00:18:00,079 --> 00:18:03,082 騎士団の誉れは 私が守る! 296 00:18:04,116 --> 00:18:06,085 カァッ! 297 00:18:06,085 --> 00:18:08,120 ハァッ!! 298 00:18:08,120 --> 00:18:10,122 《すさまじいな》 299 00:18:10,122 --> 00:18:12,091 《食らったら骨折確定… だけど…》 300 00:18:12,091 --> 00:18:15,127 (騎士団員)圧倒的だな。 (騎士団員)時間の問題か。 301 00:18:15,127 --> 00:18:18,097 ハァーッ! ハッ! 302 00:18:18,097 --> 00:18:21,100 《力の方向をそらすことができれば…》 303 00:18:22,101 --> 00:18:24,103 (ヘンブリッツ)がっ! 304 00:18:24,103 --> 00:18:26,105 す… すまない! 大丈夫かい? 305 00:18:26,105 --> 00:18:28,074 ぐっ…! お気遣いは無用! 306 00:18:29,141 --> 00:18:33,079 (騎士団員)なんだ? 今の… 偶然か? (騎士団員)見慣れない動きだが…。 307 00:18:33,079 --> 00:18:36,115 《寸止めのつもりが当ててしまった…》 308 00:18:36,115 --> 00:18:39,085 《指南役としては失格だな…》 309 00:18:40,086 --> 00:18:45,091 小手先の技で来るなら 正面から打ち砕くのみ! 310 00:18:45,091 --> 00:18:47,093 くっ! 311 00:18:47,093 --> 00:18:49,095 ハァーッ! 312 00:18:49,095 --> 00:18:51,063 えいっ! 313 00:18:52,098 --> 00:18:55,101 《スピードも威力も 俺より はるかに上…》 314 00:18:55,101 --> 00:18:58,104 《ただし 全てが直線的…》 315 00:18:59,105 --> 00:19:01,107 《だから 読むことはできる》 316 00:19:01,107 --> 00:19:03,109 うっ! 317 00:19:04,076 --> 00:19:08,080 くっ! うおおお~!! 318 00:19:08,080 --> 00:19:10,082 (騎士団員)副団長の決め技だ! 319 00:19:10,082 --> 00:19:13,085 (騎士団員)受けても逃げてもやられる 必殺の轟剣! 320 00:19:13,085 --> 00:19:23,095 ♬~ 321 00:19:23,095 --> 00:19:25,064 ハァァァァァァァ!! 322 00:19:26,065 --> 00:19:28,067 あっ…。 323 00:19:28,067 --> 00:19:30,069 (木剣が当たる音) あっ! 324 00:19:35,074 --> 00:19:37,076 フゥ…。 325 00:19:38,077 --> 00:19:41,080 ヘンブリッツ 気が済みましたか? あっ…。 326 00:19:41,080 --> 00:19:44,083 《終わりってことでいいのかな…?》 327 00:19:47,153 --> 00:19:49,088 参り… ました…! 328 00:19:49,088 --> 00:19:52,091 素晴らしい… 素晴らしい技です! 329 00:19:52,091 --> 00:19:55,161 一体 どうやったんですか!? ぜひ 教えていただきたい! 330 00:19:55,161 --> 00:19:57,163 あっ それは また おいおいね…。 331 00:19:58,097 --> 00:20:00,066 (騎士団員たちのどよめき) 332 00:20:03,069 --> 00:20:07,073 (ヘンブリッツ)それでは ベリル殿の指南役就任を祝って乾杯! 333 00:20:07,073 --> 00:20:09,075 (ベリル・クルニ・アリューシア)乾杯~! 334 00:20:10,076 --> 00:20:13,079 悪いね こんな場を設けてもらって。 335 00:20:13,079 --> 00:20:18,084 とんでもないことです。 私が失礼を働いた おわびでもありますし。 336 00:20:18,084 --> 00:20:22,088 いやいやいや! ヘンブリッツくんは間違ってないんだって。 337 00:20:22,088 --> 00:20:25,057 いきなり来た こんなおっさん 疑わないほうが おかしいよ。 338 00:20:26,092 --> 00:20:28,060 己の不明を恥じるばかりです。 339 00:20:29,095 --> 00:20:33,165 ですから 最初に伝えたでしょう! 先生は お強いと! 340 00:20:33,165 --> 00:20:35,101 すみません お代わり お願いいたします! 341 00:20:35,101 --> 00:20:38,070 早くない!? 団長は めちゃくちゃ お酒強いっす。 342 00:20:38,070 --> 00:20:40,106 副団長も かなりっす。 343 00:20:40,106 --> 00:20:44,110 私は たまに ちびちび飲むくらいなので ついていけないっす。 344 00:20:45,077 --> 00:20:49,081 しかし ベリル殿の剣技には感服いたしました。 ハハハハ…。 345 00:20:49,081 --> 00:20:53,119 君の剣技と うちの流派の相性が たまたまよかった。 346 00:20:53,119 --> 00:20:55,087 とても それだけとは思えません。 347 00:20:55,087 --> 00:21:00,092 最後に放った回転斬りを逆手に取った方法 そろそろ教えていただけませんか? 348 00:21:01,093 --> 00:21:05,064 (ベリルの声)あれは 君の回転に合わせて こっちも回っただけだよ。 349 00:21:05,064 --> 00:21:07,099 簡単そうに言うっす。 350 00:21:07,099 --> 00:21:11,103 先生には簡単なことです。 お代わり お願いいたします。 351 00:21:11,103 --> 00:21:14,106 多少の先読みは必要だけどね。 352 00:21:14,106 --> 00:21:18,077 でも ヘンブリッツくんが 柔軟に対応していたら 俺は勝てなかった。 353 00:21:20,079 --> 00:21:23,082 今後とも ご指導よろしくお願いします! 354 00:21:24,083 --> 00:21:26,085 こちらこそ。 355 00:21:29,088 --> 00:21:32,124 (モルデア)ありがとよ ランドリド。 356 00:21:32,124 --> 00:21:35,060 (ランドリド)ベリル先生が世に出る お手伝いができるなら→ 357 00:21:35,060 --> 00:21:37,096 これに勝る喜びはありません。 358 00:21:37,096 --> 00:21:41,066 あいつは この村で終わっちゃいけねえんだ。 359 00:21:41,066 --> 00:21:45,070 ええ。 冒険者として いろんな土地に行きましたが→ 360 00:21:45,070 --> 00:21:48,073 先生を上回る剣士は見たことがないです。 361 00:21:48,073 --> 00:21:50,075 ベリルよ。 362 00:21:50,075 --> 00:21:54,046 俺は ずっと待ってたんだぜ こんな時が来るのをよ。 363 00:21:58,083 --> 00:22:01,086 (モルデアの声)あとは お前次第だ。 364 00:22:06,091 --> 00:22:11,096 ♬~ 365 00:23:35,080 --> 00:23:38,083 〈仕事のあとの一杯は至福のひとときだ〉 366 00:23:38,083 --> 00:23:40,085 〈しかし おっさんになると→ 367 00:23:40,085 --> 00:23:43,088 翌日のことを気にして あんまり ぐいぐい飲めなくなる〉 368 00:23:43,088 --> 00:23:45,090 〈悲しい…〉 369 00:23:45,090 --> 00:23:49,094 〈次回 「片田舎のおっさん、魔術師に驚愕する」〉