1 00:00:34,635 --> 00:00:41,642 (木剣を振る音) 2 00:00:41,642 --> 00:00:43,644 (ベリル・ガーデナント)ん…? 3 00:00:44,645 --> 00:00:46,647 (門下生たちのはしゃぎ声) 4 00:00:46,647 --> 00:00:48,649 (モルデア・ガーデナント)俺にもなあ…。 ん? 5 00:00:48,649 --> 00:00:53,654 (モルデア)本当なら あれぐらいの孫がいるはずなのになあ…。 6 00:00:53,654 --> 00:00:55,656 《また その話…》 7 00:00:56,657 --> 00:00:58,659 太刀筋 見てたんじゃなかったのか! 8 00:00:58,659 --> 00:01:01,662 お前の太刀筋は 十分 ちゃんとしとるわ。 9 00:01:01,662 --> 00:01:04,665 師範譲ってから もう 20年だぞ? 10 00:01:04,665 --> 00:01:07,668 こんな年になるまで 孫も抱けねえとは→ 11 00:01:07,668 --> 00:01:11,672 俺は なんて親不孝な息子を持っちまったんだ…。 12 00:01:11,672 --> 00:01:13,674 (門下生たち)先生 おはようございま~す! 13 00:01:13,674 --> 00:01:15,676 おはよう! 14 00:01:15,676 --> 00:01:19,680 道場継いで 弟子も増えた。 十分 親孝行じゃないか。 15 00:01:19,680 --> 00:01:21,682 もうひと声! 16 00:01:21,682 --> 00:01:25,686 はあ…。 嫁もいないのに 孫は無理だろ。 17 00:01:25,686 --> 00:01:27,688 話は終わっとらんぞ! 18 00:01:27,688 --> 00:01:30,691 いい娘の一人ぐらい 弟子におらんのか? 19 00:01:30,691 --> 00:01:35,696 あのな おやじ 剣術道場は出会いの場じゃないんだ。 20 00:01:36,630 --> 00:01:39,666 《片田舎で代々続く剣術道場》 21 00:01:39,666 --> 00:01:41,635 《俺は ここで生まれて→ 22 00:01:41,635 --> 00:01:44,638 物心ついた頃から 木剣と じゃれ合っていた》 23 00:01:44,638 --> 00:01:47,641 《そのまま 今に至る》 24 00:01:47,641 --> 00:01:50,644 《もちろん それなりに努力はした》 25 00:01:50,644 --> 00:01:54,648 《若い頃は ひとかどの剣士になる という望みも抱いたけど→ 26 00:01:54,648 --> 00:01:58,652 結果 身についたのは 常人よりも幾分マシな太刀筋→ 27 00:01:58,652 --> 00:02:02,656 年齢にしては鋭い反応速度 それぐらいのもんだ》 28 00:02:02,656 --> 00:02:04,658 《まあ 不満はない》 29 00:02:04,658 --> 00:02:08,662 《むしろ 俺の到達点は ここなんだなという 妙な納得感があった》 30 00:02:08,662 --> 00:02:11,665 《剣の腕は 程々で収まった俺だけど→ 31 00:02:11,665 --> 00:02:14,668 人に教える才能は あったらしい》 32 00:02:14,668 --> 00:02:16,670 (門下生たち)ありがとうございました! 33 00:02:16,670 --> 00:02:18,672 はい お疲れさまでした。 34 00:02:18,672 --> 00:02:22,676 《ここを卒業して 結構出世した弟子も 何人かいるからね》 35 00:02:25,679 --> 00:02:27,681 (モルデア)はあ~…。 36 00:02:27,681 --> 00:02:31,718 孫の顔 見たいってのは そんなに贅沢な望みかねえ…。 37 00:02:31,718 --> 00:02:35,622 《今日は いつにも増して長いな…》 38 00:02:35,622 --> 00:02:37,624 なあ フレン お前も孫抱きたいよな? 39 00:02:37,624 --> 00:02:40,627 ベリルに 早く嫁さんもらってほしいよな? 40 00:02:40,627 --> 00:02:44,631 《おやじめ おふくろを味方につけようってのか…》 41 00:02:44,631 --> 00:02:46,633 (フレン・ガーデナント)そのうち いいご縁があるでしょうよ。 42 00:02:46,633 --> 00:02:49,636 そのうちってのは いつだ? (フレン)そのうちは そのうちよ。 43 00:02:49,636 --> 00:02:52,639 《さすが おふくろ 軽く いなしたな》 44 00:02:53,640 --> 00:02:57,644 いつか かわいい赤ちゃんを抱かせてくれるはずよ。 45 00:02:57,644 --> 00:02:59,646 ねえ ベリル。 46 00:02:59,646 --> 00:03:03,650 《うっ…! おやじには与しないが 俺の味方でもない》 47 00:03:03,650 --> 00:03:05,652 (ノック) 48 00:03:05,652 --> 00:03:07,654 ⚟ごめんください。 ん? 49 00:03:09,656 --> 00:03:11,658 はいはい どちら様で? 50 00:03:11,658 --> 00:03:14,661 先生 ご無沙汰しております。 51 00:03:15,662 --> 00:03:18,665 えーっと もしかして…。 52 00:03:18,665 --> 00:03:22,669 はい。 アリューシア・シトラスです。 53 00:03:24,671 --> 00:03:46,693 ♬~ 54 00:05:11,645 --> 00:05:15,649 本当に久しぶりだね。 見違えた。 55 00:05:16,650 --> 00:05:18,652 先生は お変わりないようで。 56 00:05:18,652 --> 00:05:23,657 まめに手紙を送ってくれる元弟子が えらく出世したと聞いちゃいたが→ 57 00:05:23,657 --> 00:05:27,661 王国騎士団の団長さんとはなあ。 58 00:05:27,661 --> 00:05:30,664 ベリルも 師匠冥利に尽きるだろうよ。 59 00:05:30,664 --> 00:05:33,600 で 今日は 一体 どういった用件かな? 60 00:05:33,600 --> 00:05:35,602 はい。 61 00:05:35,602 --> 00:05:39,606 実は私 騎士団長の任の傍ら 団の剣術指南もしておりまして。 62 00:05:39,606 --> 00:05:41,608 ほう すごいね。 63 00:05:41,608 --> 00:05:45,612 君は 子供の頃から優秀だったけど そこまでの剣士に。 64 00:05:45,612 --> 00:05:47,614 つきましては この度→ 65 00:05:47,614 --> 00:05:53,620 先生を騎士団付きの特別指南役として推薦し 無事 承認されました。 66 00:05:53,620 --> 00:05:55,655 んん…? 67 00:05:55,655 --> 00:05:58,625 国王御璽付きの任命書です。 68 00:05:58,625 --> 00:06:02,662 な… なんの冗談かな? 俺みたいな しがない中年に…。 69 00:06:02,662 --> 00:06:06,633 ああ~! こりゃ お前 行かないと死刑になるやつだ! 70 00:06:06,633 --> 00:06:10,637 死刑にはなりませんが それ相応の それにはなります。 71 00:06:10,637 --> 00:06:13,640 身内が それになると 俺も困るなあ。 72 00:06:13,640 --> 00:06:15,642 馬車を待たせています。 73 00:06:15,642 --> 00:06:18,645 今日は 首都で1泊していただき 詳細は明日に。 74 00:06:18,645 --> 00:06:20,647 はあ!? 今から!? 75 00:06:20,647 --> 00:06:23,650 明日は 確か 道場はお休みの日ですし→ 76 00:06:23,650 --> 00:06:26,653 師範のお仕事に支障はないかと。 77 00:06:26,653 --> 00:06:30,657 行け行け! ついでに首都で嫁の一人でも見つけてこい! 78 00:06:30,657 --> 00:06:32,592 お隣のべっぴんさんは どうなんだ? 79 00:06:32,592 --> 00:06:36,596 おやじ 悪ふざけは やめろ。 アリューシアが困ってるだろ。 80 00:06:36,596 --> 00:06:39,599 …ったく いくつ 年 離れてると思ってんだ。 81 00:06:39,599 --> 00:06:42,602 悪ふざけ… ですか? 82 00:06:42,602 --> 00:06:45,605 私は別に困りませんし 年の差など…。 83 00:06:45,605 --> 00:06:48,608 ん? 何か言ったかい? なんでもありません。 84 00:06:48,608 --> 00:06:51,611 フレン! 今日 ベリルの晩飯は なしでいいってよ! 85 00:06:51,611 --> 00:06:53,613 ⚟(フレン)はいはい。 86 00:06:53,613 --> 00:06:57,617 くっ… 先を取られっぱなしで 返しを入れる隙がない…。 87 00:07:02,622 --> 00:07:05,625 《なんで こんなことに…》 88 00:07:05,625 --> 00:07:08,628 ん? まだ その剣なんだね。 89 00:07:08,628 --> 00:07:10,630 はい。 90 00:07:10,630 --> 00:07:15,635 《俺の道場で全てを修めた子に渡している 餞別の剣》 91 00:07:15,635 --> 00:07:18,638 大事にしてくれてるのは嬉しいけど→ 92 00:07:18,638 --> 00:07:24,644 村の鍛冶屋で売ってるような代物じゃ 騎士団長には ふさわしくないだろう? 93 00:07:24,644 --> 00:07:27,647 いえ これこそが私の剣です。 94 00:07:27,647 --> 00:07:29,649 《これは あれだ…》 95 00:07:29,649 --> 00:07:33,620 《子供のうちは 師匠を自分より圧倒的に上と感じるもの》 96 00:07:33,620 --> 00:07:37,624 《アリューシアは その感覚のままなんだろう》 97 00:07:37,624 --> 00:07:39,626 《気持ちは ありがたいが→ 98 00:07:39,626 --> 00:07:43,630 俺は峠を過ぎたおっさんで 特別指南役なんて とても…》 99 00:07:43,630 --> 00:07:45,632 楽しみでなりません。 100 00:07:45,632 --> 00:07:48,635 片田舎… すみません→ 101 00:07:48,635 --> 00:07:53,640 地方に住む剣聖が ついに首都で活躍すると思うと。 102 00:07:53,640 --> 00:07:56,643 ん? 剣聖って 誰のこと? 103 00:07:56,643 --> 00:07:58,645 先生のことに決まっています! 104 00:07:58,645 --> 00:08:02,649 数多の有名騎士 有名冒険者を輩出した 「片田舎の剣聖」は→ 105 00:08:02,649 --> 00:08:04,651 剣の道では有名ですから。 106 00:08:04,651 --> 00:08:07,654 失礼な枕詞には納得できませんが…。 107 00:08:07,654 --> 00:08:09,656 あっ そう…。 108 00:08:09,656 --> 00:08:13,660 《多分 そんなこと言ってるの この子だけだよね》 109 00:08:13,660 --> 00:08:17,664 先生に ふさわしい舞台をご用意できたと 自負しています。 110 00:08:17,664 --> 00:08:21,634 私も 先生に ふさわしい存在を目指して 日々 自分磨きに取り組み…。 111 00:08:22,669 --> 00:08:24,671 ん? 何か言ったかい? 112 00:08:24,671 --> 00:08:26,639 いえ なんでもありません。 113 00:08:26,639 --> 00:08:30,643 おっ 見えてきた! 首都 バルトレーン。 何年ぶりだっけ? 114 00:08:30,643 --> 00:08:32,579 あっ そうだ。 お土産買わないと。 115 00:08:32,579 --> 00:08:39,586 ♬~ 116 00:08:39,586 --> 00:08:44,591 では 明朝 お迎えに上がりますので 今日は この宿でお休みください。 117 00:08:44,591 --> 00:08:46,593 うん ありがとう。 118 00:08:46,593 --> 00:08:50,597 《人も多いし 店も多い 夜でも明るい…》 119 00:08:50,597 --> 00:08:52,599 《これが都会ってやつだよな》 120 00:08:53,600 --> 00:08:55,602 はあ… 落ち着かない…。 121 00:08:56,603 --> 00:09:00,607 以上の経緯から 今後 ベリル・ガーデナント氏に→ 122 00:09:00,607 --> 00:09:04,611 レベリオ騎士団の特別指南役として ご協力いただく。 123 00:09:04,611 --> 00:09:08,615 なお ガーデナント氏は 私など相手にならぬほど強い。 124 00:09:09,616 --> 00:09:11,618 では 先生 ひと言 お願いします。 125 00:09:13,620 --> 00:09:15,622 《いろいろと荷が重すぎる…》 126 00:09:16,656 --> 00:09:18,658 (せき払い) え… えー…。 127 00:09:18,658 --> 00:09:22,662 ご紹介にあずかりました ベリル・ガーデナントです。 128 00:09:22,662 --> 00:09:26,666 私の技術が どこまで 皆さんの役に立つかは わかりませんが→ 129 00:09:26,666 --> 00:09:31,671 精いっぱい頑張らせていただきますので どうぞ よろしくお願いします。 130 00:09:31,671 --> 00:09:34,574 (拍手) 131 00:09:34,574 --> 00:09:36,576 (エヴァンス・ジーン)大丈夫ですかね? 132 00:09:37,577 --> 00:09:39,579 (ヘンブリッツ・ドラウト)くっ…。 133 00:09:42,582 --> 00:09:45,585 さすがです 先生。 素晴らしいあいさつでした。 134 00:09:45,585 --> 00:09:48,588 はあ…。 お渡しした書類にありますように→ 135 00:09:48,588 --> 00:09:52,592 今後は 月に3度か4度 指導にお越しください。 136 00:09:52,592 --> 00:09:56,596 これなら 師範のお仕事への影響も軽微かと。 137 00:09:56,596 --> 00:09:58,598 うん そうだね…。 138 00:09:58,598 --> 00:10:00,600 ⚞せんせ~い! ん? 139 00:10:00,600 --> 00:10:02,602 先生! お久しぶりっす! 140 00:10:02,602 --> 00:10:06,606 クルニ 騎士たる者が みだりに走ってはいけません。 141 00:10:06,606 --> 00:10:08,608 はいっす! クルニ…。 142 00:10:08,608 --> 00:10:11,611 クルニか! 立派な騎士になったじゃないか。 143 00:10:11,611 --> 00:10:14,614 い… いえいえ! 自分なんて まだまだっす! 144 00:10:14,614 --> 00:10:17,617 《うちにいたのは 2年ぐらいだったか…》 145 00:10:17,617 --> 00:10:21,621 《騎士団入りを目指して 一生懸命 励んでいた》 146 00:10:22,622 --> 00:10:24,624 夢がかなって 何よりだ。 147 00:10:24,624 --> 00:10:27,627 また 先生に教えてもらえるの 嬉しいっす! 148 00:10:27,627 --> 00:10:31,631 我々門弟が先生をもり立てますので 存分にご指導ください。 149 00:10:33,633 --> 00:10:36,636 《クルニは 2年で引っ越しちゃったんだよな》 150 00:10:36,636 --> 00:10:39,639 《続きを教えられるのは 僥倖だ》 151 00:10:39,639 --> 00:10:43,643 《しかし 弟子が2人も騎士団にいるとはね…》 152 00:10:44,644 --> 00:10:46,646 ただいま~。 153 00:10:47,647 --> 00:10:51,651 お土産 買ってきたよ。 おやじ 甘いもの好きだろ。 154 00:10:51,651 --> 00:10:53,653 …って えっ? お客さん? 155 00:10:53,653 --> 00:10:55,655 あっ ランドリド? 156 00:10:57,657 --> 00:11:00,660 (ランドリド・パトルロック)ご無沙汰してます 先生。 157 00:11:00,660 --> 00:11:05,665 来てくれたのか! いや~ 昨日今日と よく元弟子に会うよ! 158 00:11:05,665 --> 00:11:08,668 そちらは 奥さんと子供さんか? ええ まあ…。 159 00:11:08,668 --> 00:11:12,672 というわけでな ベリル お前 もう帰ってこなくていいぞ。 160 00:11:12,672 --> 00:11:14,674 えっ? 161 00:11:14,674 --> 00:11:18,678 バルトレーンに腰を据えて きっちり役目を果たしてこい。 162 00:11:18,678 --> 00:11:20,680 はあ? 163 00:11:20,680 --> 00:11:23,683 で ついでに嫁見つけるまで帰ってくんな。 164 00:11:23,683 --> 00:11:25,685 早く 孫の顔 見せろ。 165 00:11:26,686 --> 00:11:28,688 はああーーーー!? 166 00:11:30,690 --> 00:11:33,626 子供が生まれたのを機に この村に越してくると。 167 00:11:33,626 --> 00:11:35,628 (ランドリド)はい。 168 00:11:35,628 --> 00:11:38,631 冒険者も引退するのか…。 169 00:11:38,631 --> 00:11:41,634 プラチナムランクまで上がってるのに 随分と思い切ったね。 170 00:11:42,635 --> 00:11:45,638 先生のご指導のおかげで ここまでこられたので→ 171 00:11:45,638 --> 00:11:47,640 申し訳ないことですが…。 172 00:11:47,640 --> 00:11:50,643 俺が教えてた頃から 10年以上 経ってる。 173 00:11:50,643 --> 00:11:52,645 全ては 君の努力のたまものだ。 174 00:11:52,645 --> 00:11:54,647 恐縮です。 175 00:11:54,647 --> 00:11:59,652 《冒険者は 腕次第で いくらでも稼げるが 危険と隣り合わせだからな》 176 00:11:59,652 --> 00:12:02,655 奥さんも賛成なら いいんじゃないかな。 177 00:12:04,657 --> 00:12:07,660 しかし 渡りに船とは このことだな。 178 00:12:07,660 --> 00:12:10,663 ランドリドは うちの流派の皆伝。 179 00:12:10,663 --> 00:12:15,668 こいつが師範代をやってくれれば お前は お役目に専念できる。 180 00:12:15,668 --> 00:12:17,670 事情は伺いました。 181 00:12:17,670 --> 00:12:20,673 不肖 ランドリド・パトルロック しっかりと勤めさせていただきます! 182 00:12:20,673 --> 00:12:23,676 あっ いや… ああ うん…。 183 00:12:23,676 --> 00:12:28,681 《おやじめ… 俺がいない間に ランドリドを言いくるめやがったな》 184 00:12:28,681 --> 00:12:30,683 まあ 今日だけは泊めてやる。 185 00:12:30,683 --> 00:12:32,685 いや ここ 俺んちだから! 186 00:12:34,654 --> 00:12:38,658 …ってことがあってね。 参ったよ。 187 00:12:38,658 --> 00:12:41,661 それは 好つご… 大変ですね。 188 00:12:41,661 --> 00:12:44,664 申し訳ない 宿探しに付き合わせてしまって。 189 00:12:44,664 --> 00:12:46,666 いえ なんの問題もありません。 190 00:12:46,666 --> 00:12:50,670 おととい取ってくれたホテルは 定宿にするには高級すぎるし→ 191 00:12:50,670 --> 00:12:53,673 手頃な宿があれば いいんだけど…。 192 00:12:53,673 --> 00:12:57,677 先生が寝泊まりするに ふさわしい場所…。 193 00:12:57,677 --> 00:13:01,681 首都には不案内だから アリューシアがいてくれて助かるよ。 194 00:13:01,681 --> 00:13:04,684 私の家に住む というのは駄目かなと…。 195 00:13:04,684 --> 00:13:06,653 いや そりゃ駄目でしょ! 196 00:13:07,687 --> 00:13:09,656 そうですか…。 197 00:13:11,691 --> 00:13:13,693 《びっくりさせないでほしいな…》 198 00:13:13,693 --> 00:13:17,697 《都会で暮らすと 冗談の切れ味が上がるのかな…?》 199 00:13:17,697 --> 00:13:20,700 ところで 先生 まずは食事にしませんか? 200 00:13:20,700 --> 00:13:22,702 あっ ちょうど昼時だね。 201 00:13:22,702 --> 00:13:24,671 先生と町歩き そして ランチ。 202 00:13:24,671 --> 00:13:27,707 これは もはや れっきとしたデート。 203 00:13:27,707 --> 00:13:30,677 何か言ったかい? いえ なんでもありません。 204 00:13:32,612 --> 00:13:35,615 ⚞天下の騎士団長様が男連れで町歩きか。 205 00:13:35,615 --> 00:13:37,617 ⚞ふぬけたものだな。 206 00:13:38,618 --> 00:13:40,620 《うかつだった》 207 00:13:40,620 --> 00:13:42,622 《騎士団長は注目の的》 208 00:13:42,622 --> 00:13:46,626 《俺みたいな しょぼくれたおっさんと 並んで歩くのは イメージダウンだよな…》 209 00:13:46,626 --> 00:13:48,628 リサンデラですか。 210 00:13:48,628 --> 00:13:51,631 難癖は やめていただきたいですね。 211 00:13:51,631 --> 00:13:53,633 職務は きちんと こなしています。 212 00:13:56,636 --> 00:13:58,638 フン! どうだか…。 213 00:13:58,638 --> 00:14:01,641 あの~ 知り合い? 俺 少し外そうか? 214 00:14:01,641 --> 00:14:05,645 ただの顔見知りです。 先生が気を使うことはありません。 215 00:14:05,645 --> 00:14:07,647 あっ そうなの…。 216 00:14:08,648 --> 00:14:13,653 話の途中で立ち去るとは 礼儀知らずにも程があるな。 217 00:14:13,653 --> 00:14:15,655 話すことなどありません。 218 00:14:16,656 --> 00:14:20,660 フン! どこの誰かもわからん男を先生などと…。 219 00:14:21,661 --> 00:14:24,664 《あっ あのプレート ブラックランクの冒険者か!?》 220 00:14:24,664 --> 00:14:26,666 《初めて生で見た》 221 00:14:27,667 --> 00:14:29,669 ベリル… 先生…。 222 00:14:29,669 --> 00:14:31,671 えっ? 223 00:14:31,671 --> 00:14:33,606 見間違うはずもない。 えっ…? 224 00:14:33,606 --> 00:14:35,608 覚えていらっしゃらないのか…。 225 00:14:35,608 --> 00:14:39,612 もう 20年も経っているからな。 いや しかし…! 226 00:14:39,612 --> 00:14:42,615 先生 私です! スレナ・リサンデラです! 227 00:14:42,615 --> 00:14:47,620 遠い昔 身をやつした幼子を拾い 剣を教えた記憶はありませんか? 228 00:14:48,621 --> 00:14:51,624 あっ もしかして あのスレナかい? 229 00:14:51,624 --> 00:14:53,626 思い出していただけましたか! 230 00:14:54,627 --> 00:14:57,630 《そうか あの時の…》 231 00:14:57,630 --> 00:15:06,672 ♬~ 232 00:15:06,672 --> 00:15:10,643 身を立てたことをご報告したいと ずっと思っていました。 233 00:15:10,643 --> 00:15:13,646 ですが なかなか機会に恵まれず…。 234 00:15:13,646 --> 00:15:15,648 申し訳ありません。 235 00:15:15,648 --> 00:15:17,650 大人になると忙しくなるもんだ。 236 00:15:17,650 --> 00:15:21,654 立派になった姿を見られただけで 俺は嬉しいよ。 237 00:15:22,655 --> 00:15:25,658 しかし 先生は なぜ シトラスなどと一緒におられるのです? 238 00:15:25,658 --> 00:15:27,660 ああ それは…。 239 00:15:27,660 --> 00:15:30,663 先生は レベリオ騎士団の特別指南役に就任され→ 240 00:15:30,663 --> 00:15:32,598 バルトレーンに 常駐いただくことになりましたので→ 241 00:15:32,598 --> 00:15:34,600 宿を探しているのです。 242 00:15:34,600 --> 00:15:36,602 私は そのお手伝いをしています。 243 00:15:36,602 --> 00:15:39,605 特別指南役か 先生の実力なら うなずける話だが→ 244 00:15:39,605 --> 00:15:42,608 宿探しなら シトラスより私のほうが適任だ。 245 00:15:42,608 --> 00:15:45,611 なぜなら 遠方から来る冒険者に 斡旋もしているからな。 246 00:15:45,611 --> 00:15:48,614 お前 この街の宿なんて 泊まったことないだろう。 247 00:15:50,616 --> 00:15:53,619 《なんなの? この子たち…》 248 00:15:53,619 --> 00:15:58,624 ここなら おおむね 先生のご要望に沿っていると思いますが。 249 00:15:58,624 --> 00:16:00,626 助かったよ スレナ。 250 00:16:00,626 --> 00:16:02,628 アリューシアも ありがとう。 251 00:16:02,628 --> 00:16:05,631 あ… あの… 2人とも仲良くね? 252 00:16:06,666 --> 00:16:09,635 先生 では また! 失礼します。 253 00:16:09,635 --> 00:16:11,637 (2人)フンッ! 254 00:16:11,637 --> 00:16:13,639 (ドアの閉まる音) 255 00:16:14,640 --> 00:16:16,642 はあ…。 256 00:16:17,643 --> 00:16:22,648 《いきなりの都会暮らし 面白がれるほど若くはないが…》 257 00:16:22,648 --> 00:16:26,652 《昔の弟子が世話を焼いてくれるのは 嬉しいもんだな》 258 00:16:35,628 --> 00:16:37,630 (エヴァンス)ま… 参りました。 259 00:16:37,630 --> 00:16:39,632 総員 傾聴! 260 00:16:39,632 --> 00:16:43,636 予定を繰り上げ 本日より ガーデナント氏に指南を頂く。 261 00:16:43,636 --> 00:16:46,606 一同 一層の鍛錬を期待する。 262 00:16:46,606 --> 00:16:48,608 よろしくお願いします。 263 00:16:48,608 --> 00:16:50,610 (ヘンブリッツ)お待ちください 団長。 264 00:16:50,610 --> 00:16:52,612 あっ…。 265 00:16:54,614 --> 00:16:56,616 どうしました? 266 00:16:56,616 --> 00:17:00,620 レベリオ騎士団の指南役には 相応の力が求められます。 267 00:17:00,620 --> 00:17:04,624 ガーデナント氏の実力が いかほどか ご教示いただきたい。 268 00:17:04,624 --> 00:17:06,626 彼は? 269 00:17:06,626 --> 00:17:10,630 ヘンブリッツ・ドラウト。 騎士団の副団長を務める男です。 270 00:17:10,630 --> 00:17:12,632 失礼を承知で申し上げる。 271 00:17:12,632 --> 00:17:15,635 ぜひとも お手合わせを。 いいでしょう。 272 00:17:15,635 --> 00:17:17,637 はあ!? 273 00:17:17,637 --> 00:17:20,640 先生の力を示す 良い機会です。 274 00:17:20,640 --> 00:17:23,643 《勝手に了承しないでほしいな…》 275 00:17:27,647 --> 00:17:29,649 はあ…。 276 00:17:29,649 --> 00:17:32,585 (騎士団員)団長の師匠といっても 子供の頃の話だろ? 277 00:17:32,585 --> 00:17:34,587 (騎士団員)片田舎の剣聖…。 278 00:17:34,587 --> 00:17:38,591 耳にはするが しょせんは 噂話の類いにすぎんしな…。 279 00:17:38,591 --> 00:17:40,593 (騎士団員)教えを請うほどでは…。 280 00:17:40,593 --> 00:17:42,595 《いや 俺も そう思うよ》 281 00:17:43,596 --> 00:17:46,599 団長は お優しい方です。 282 00:17:47,600 --> 00:17:52,605 くすぶっている昔の師匠に 日の目を見せたいと思われても不思議はない。 283 00:17:52,605 --> 00:17:54,607 そうだね…。 284 00:17:54,607 --> 00:17:57,610 優しさは 時に間違いを生む。 285 00:17:57,610 --> 00:18:00,613 私は それを正すべき立場にある。 286 00:18:01,614 --> 00:18:03,616 うん 君は間違ってない。 287 00:18:03,616 --> 00:18:05,618 《そのとおりだよ》 288 00:18:05,618 --> 00:18:07,620 《俺は しがない 片田舎のおっさんだ》 289 00:18:07,620 --> 00:18:11,624 《あっ でもね せめて かっこ悪い負け方はしないように頑張るよ》 290 00:18:11,624 --> 00:18:13,626 では 始めてください。 291 00:18:13,626 --> 00:18:15,628 《アリューシアの顔を潰すわけにはいかない》 292 00:18:15,628 --> 00:18:19,632 《それに 今まで ずっと やってきたことが→ 293 00:18:19,632 --> 00:18:22,635 全く通用しないっていうのも 寂しすぎるしね》 294 00:18:24,637 --> 00:18:27,640 フゥ…。 295 00:18:27,640 --> 00:18:30,643 騎士団の誉れは 私が守る! 296 00:18:31,677 --> 00:18:33,579 カァッ! 297 00:18:33,579 --> 00:18:35,581 ハァッ!! 298 00:18:35,581 --> 00:18:37,583 《すさまじいな》 299 00:18:37,583 --> 00:18:39,585 《食らったら骨折確定… だけど…》 300 00:18:39,585 --> 00:18:42,588 (騎士団員)圧倒的だな。 (騎士団員)時間の問題か。 301 00:18:42,588 --> 00:18:45,591 ハァーッ! ハッ! 302 00:18:45,591 --> 00:18:48,594 《力の方向をそらすことができれば…》 303 00:18:49,595 --> 00:18:51,597 (ヘンブリッツ)がっ! 304 00:18:51,597 --> 00:18:53,599 す… すまない! 大丈夫かい? 305 00:18:53,599 --> 00:18:55,601 ぐっ…! お気遣いは無用! 306 00:18:56,602 --> 00:19:00,606 (騎士団員)なんだ? 今の… 偶然か? (騎士団員)見慣れない動きだが…。 307 00:19:00,606 --> 00:19:03,609 《寸止めのつもりが当ててしまった…》 308 00:19:03,609 --> 00:19:06,612 《指南役としては失格だな…》 309 00:19:07,613 --> 00:19:12,618 小手先の技で来るなら 正面から打ち砕くのみ! 310 00:19:12,618 --> 00:19:14,620 くっ! 311 00:19:14,620 --> 00:19:16,622 ハァーッ! 312 00:19:16,622 --> 00:19:18,624 えいっ! 313 00:19:19,625 --> 00:19:22,628 《スピードも威力も 俺より はるかに上…》 314 00:19:22,628 --> 00:19:25,631 《ただし 全てが直線的…》 315 00:19:26,632 --> 00:19:28,634 《だから 読むことはできる》 316 00:19:28,634 --> 00:19:30,636 うっ! 317 00:19:31,637 --> 00:19:35,608 くっ! うおおお~!! 318 00:19:35,608 --> 00:19:37,610 (騎士団員)副団長の決め技だ! 319 00:19:37,610 --> 00:19:40,613 (騎士団員)受けても逃げてもやられる 必殺の轟剣! 320 00:19:40,613 --> 00:19:50,623 ♬~ 321 00:19:50,623 --> 00:19:52,591 ハァァァァァァァ!! 322 00:19:53,626 --> 00:19:55,628 あっ…。 323 00:19:55,628 --> 00:19:57,596 (木剣が当たる音) あっ! 324 00:20:02,601 --> 00:20:04,603 フゥ…。 325 00:20:05,604 --> 00:20:08,607 ヘンブリッツ 気が済みましたか? あっ…。 326 00:20:08,607 --> 00:20:11,610 《終わりってことでいいのかな…?》 327 00:20:14,647 --> 00:20:16,615 参り… ました…! 328 00:20:16,615 --> 00:20:19,652 素晴らしい… 素晴らしい技です! 329 00:20:19,652 --> 00:20:22,655 一体 どうやったんですか!? ぜひ 教えていただきたい! 330 00:20:22,655 --> 00:20:24,623 あっ それは また おいおいね…。 331 00:20:25,658 --> 00:20:27,626 (騎士団員たちのどよめき) 332 00:20:30,629 --> 00:20:34,633 (ヘンブリッツ)それでは ベリル殿の指南役就任を祝って乾杯! 333 00:20:34,633 --> 00:20:36,635 (ベリル・クルニ・アリューシア)乾杯~! 334 00:20:37,636 --> 00:20:40,639 悪いね こんな場を設けてもらって。 335 00:20:40,639 --> 00:20:45,644 とんでもないことです。 私が失礼を働いた おわびでもありますし。 336 00:20:45,644 --> 00:20:49,648 いやいやいや! ヘンブリッツくんは間違ってないんだって。 337 00:20:49,648 --> 00:20:52,651 いきなり来た こんなおっさん 疑わないほうが おかしいよ。 338 00:20:53,652 --> 00:20:55,654 己の不明を恥じるばかりです。 339 00:20:56,655 --> 00:21:00,693 ですから 最初に伝えたでしょう! 先生は お強いと! 340 00:21:00,693 --> 00:21:02,661 すみません お代わり お願いいたします! 341 00:21:02,661 --> 00:21:05,664 早くない!? 団長は めちゃくちゃ お酒強いっす。 342 00:21:05,664 --> 00:21:07,666 副団長も かなりっす。 343 00:21:07,666 --> 00:21:11,670 私は たまに ちびちび飲むくらいなので ついていけないっす。 344 00:21:12,671 --> 00:21:16,675 しかし ベリル殿の剣技には感服いたしました。 ハハハハ…。 345 00:21:16,675 --> 00:21:20,679 君の剣技と うちの流派の相性が たまたまよかった。 346 00:21:20,679 --> 00:21:22,681 とても それだけとは思えません。 347 00:21:22,681 --> 00:21:27,686 最後に放った回転斬りを逆手に取った方法 そろそろ教えていただけませんか? 348 00:21:28,687 --> 00:21:32,625 (ベリルの声)あれは 君の回転に合わせて こっちも回っただけだよ。 349 00:21:32,625 --> 00:21:34,627 簡単そうに言うっす。 350 00:21:34,627 --> 00:21:38,631 先生には簡単なことです。 お代わり お願いいたします。 351 00:21:38,631 --> 00:21:41,634 多少の先読みは必要だけどね。 352 00:21:41,634 --> 00:21:45,638 でも ヘンブリッツくんが 柔軟に対応していたら 俺は勝てなかった。 353 00:21:47,640 --> 00:21:50,643 今後とも ご指導よろしくお願いします! 354 00:21:51,644 --> 00:21:53,646 こちらこそ。 355 00:21:56,649 --> 00:21:59,652 (モルデア)ありがとよ ランドリド。 356 00:21:59,652 --> 00:22:02,655 (ランドリド)ベリル先生が世に出る お手伝いができるなら→ 357 00:22:02,655 --> 00:22:04,657 これに勝る喜びはありません。 358 00:22:04,657 --> 00:22:08,661 あいつは この村で終わっちゃいけねえんだ。 359 00:22:08,661 --> 00:22:12,665 ええ。 冒険者として いろんな土地に行きましたが→ 360 00:22:12,665 --> 00:22:15,668 先生を上回る剣士は見たことがないです。 361 00:22:15,668 --> 00:22:17,670 ベリルよ。 362 00:22:17,670 --> 00:22:21,674 俺は ずっと待ってたんだぜ こんな時が来るのをよ。 363 00:22:25,678 --> 00:22:28,681 (モルデアの声)あとは お前次第だ。 364 00:22:33,619 --> 00:22:38,624 ♬~ 365 00:24:02,641 --> 00:24:05,644 〈仕事のあとの一杯は至福のひとときだ〉 366 00:24:05,644 --> 00:24:07,646 〈しかし おっさんになると→ 367 00:24:07,646 --> 00:24:10,649 翌日のことを気にして あんまり ぐいぐい飲めなくなる〉 368 00:24:10,649 --> 00:24:12,651 〈悲しい…〉 369 00:24:12,651 --> 00:24:16,655 〈次回 「片田舎のおっさん、魔術師に驚愕する」〉