1 00:00:16,224 --> 00:00:19,436 (掘る音) 2 00:00:19,561 --> 00:00:20,562 (とがめ)えい 3 00:00:27,652 --> 00:00:28,570 えい 4 00:01:05,355 --> 00:01:06,316 (七花(しちか))とがめ 5 00:01:07,442 --> 00:01:08,401 とがめ 6 00:01:10,445 --> 00:01:11,488 大丈夫か 7 00:01:13,448 --> 00:01:14,282 ああ 8 00:01:17,535 --> 00:01:18,161 あっ 9 00:01:18,453 --> 00:01:20,497 とがめ! とがめ! 10 00:01:21,414 --> 00:01:27,420 ♪~ 11 00:02:43,705 --> 00:02:49,711 ~♪ 12 00:03:14,402 --> 00:03:16,195 (とがめ)ううっ 13 00:03:27,957 --> 00:03:32,921 (ナレーション)尾張(おわり)幕府 家鳴(やなり)将軍直轄 預奉所(あずかりたてまつるところ)― 14 00:03:33,046 --> 00:03:36,633 軍所(いくさどころ)総監督 奇策士(きさくし)とがめが― 15 00:03:36,758 --> 00:03:39,427 何やら不思議な現象に 遭っているのは― 16 00:03:39,677 --> 00:03:45,225 今から3日前 虚刀流(きょとうりゅう)七代目当主 鑢(やすり)七花と共に― 17 00:03:45,308 --> 00:03:50,813 ここ奥州百刑場にて 十本目の誠刀・銓(はかり)の所有者― 18 00:03:50,939 --> 00:03:54,609 彼我木輪廻(ひがきりんね)に 会ってからでございます 19 00:04:04,827 --> 00:04:07,288 (ナレーション) 百刑場 それは― 20 00:04:07,497 --> 00:04:10,625 飛騨鷹比等(ひだたかひと)始め 反乱に関わった者が― 21 00:04:10,708 --> 00:04:14,212 皆 処刑された 公開処刑場であり― 22 00:04:14,629 --> 00:04:18,466 2人にとって 因縁の場所なのでございます 23 00:04:20,051 --> 00:04:22,929 (七花)何だろう? 胸が痛(い)てえ 24 00:04:23,513 --> 00:04:28,142 締めつけられるような 自分の大事な物が失われたような 25 00:04:28,685 --> 00:04:30,520 踏みにじられたような気がする 26 00:04:32,647 --> 00:04:39,570 (水たまりを歩く音) 27 00:04:48,454 --> 00:04:49,163 あっ 28 00:04:53,293 --> 00:04:54,252 (七花)とがめ 29 00:04:58,798 --> 00:05:03,177 (とがめ)まさか こんな形で 故郷を訪れることになろうとは― 30 00:05:03,303 --> 00:05:05,096 思っておらんかったがな 31 00:05:05,346 --> 00:05:06,306 やれやれだ 32 00:05:07,724 --> 00:05:11,602 なあ 本当にこんな所に 仙人がいるのか? 33 00:05:12,395 --> 00:05:15,189 どう見ても 人が住んでいる様子はないぜ 34 00:05:18,026 --> 00:05:21,529 これから手当たりしだい 近くの 村を当たっていくってことなのか? 35 00:05:22,363 --> 00:05:24,407 (とがめ)いや その必要はない 36 00:05:25,074 --> 00:05:27,160 彼我木輪廻はここにいる 37 00:05:27,327 --> 00:05:29,704 ただ 姿を現さぬだけでな 38 00:05:31,539 --> 00:05:32,248 何を言って… 39 00:05:35,043 --> 00:05:35,793 えっ 40 00:05:37,045 --> 00:05:39,422 どうしてこんな所に女の子が… 41 00:05:40,048 --> 00:05:43,843 (女の子)へえ~ 君には僕が そういうふうに見えるのかい? 42 00:05:44,635 --> 00:05:47,472 女の子になるのは久しぶりだな 43 00:05:47,722 --> 00:05:50,433 まあ 堪能させてもらうさ 44 00:05:50,725 --> 00:05:52,685 そういうわけで はじめまして 45 00:05:52,810 --> 00:05:54,687 僕は彼我木輪廻だよ 46 00:05:54,771 --> 00:05:57,065 今後よろしく お見知りおきをってところかな 47 00:05:57,148 --> 00:05:57,732 は? 48 00:05:58,107 --> 00:05:59,650 ウケケケッ ケケッ ケケッ 49 00:06:00,068 --> 00:06:02,820 あんたが彼我木輪廻? 仙人の? 50 00:06:02,904 --> 00:06:03,571 いかにも 51 00:06:04,864 --> 00:06:05,656 あっ! 52 00:06:07,116 --> 00:06:09,327 やあ とがめちゃん 53 00:06:10,745 --> 00:06:13,831 うんうん 言わなくても分かっているよ 54 00:06:13,915 --> 00:06:15,958 誠刀・銓が欲しいんだろ? 55 00:06:16,125 --> 00:06:19,087 そうかい そうかい いいよ あげる 56 00:06:19,796 --> 00:06:22,673 そこに埋めてあるから 好きなように掘り出しなさい 57 00:06:23,091 --> 00:06:25,468 多分 10畳くらいの深さかな 58 00:06:25,593 --> 00:06:27,637 もちろん 君1人でやってよね 59 00:06:27,762 --> 00:06:31,224 とがめちゃん ちょうど 君の立っている真下だから 60 00:06:31,432 --> 00:06:32,642 うっ 61 00:06:33,392 --> 00:06:35,561 まっ 頑張ってみてよね 62 00:06:38,189 --> 00:06:39,023 消えた 63 00:06:56,916 --> 00:06:57,792 はっ 64 00:06:57,875 --> 00:06:59,836 とがめ 大丈夫か 65 00:07:03,923 --> 00:07:05,883 もう 朝か 66 00:07:08,427 --> 00:07:09,804 (七花)むちゃすんなよ 67 00:07:11,264 --> 00:07:12,682 今日ぐらい休めって 68 00:07:13,141 --> 00:07:15,101 そういうわけにはいかぬ 69 00:07:15,184 --> 00:07:17,937 1人で10畳 掘らねばならぬのでな 70 00:07:18,271 --> 00:07:20,857 ていうか 奇策はどうしたんだよ 71 00:07:22,108 --> 00:07:26,070 いつもの とがめなら奇策を練って 彼我木と交渉するだろ 72 00:07:26,446 --> 00:07:27,488 (とがめ)会いたくない 73 00:07:27,613 --> 00:07:28,281 (七花)えっ 74 00:07:32,452 --> 00:07:35,496 彼我木輪廻に会ってから とがめは絶対 変だ 75 00:07:35,621 --> 00:07:37,457 追い詰められているっていうか… 76 00:07:38,040 --> 00:07:40,251 そんなとがめ 俺 見てられねえよ 77 00:07:41,544 --> 00:07:42,837 (とがめ)なら 見るな 78 00:07:47,717 --> 00:07:50,136 彼我木輪廻…か 79 00:07:59,103 --> 00:08:01,397 どうかしたのかい 鑢君 80 00:08:02,023 --> 00:08:04,859 とがめちゃんは 今日も穴掘りに夢中かな 81 00:08:05,193 --> 00:08:08,196 あんたが10畳の深さに 銓を埋めたせいでな 82 00:08:08,571 --> 00:08:10,114 ウケケケケッ ケケッ ケケッ 83 00:08:10,823 --> 00:08:13,117 (七花) どうして誠刀・銓を埋めたんだ 84 00:08:13,242 --> 00:08:15,536 (彼我木) あんな刀 邪魔なだけだからね 85 00:08:15,703 --> 00:08:19,207 かと言って友人として もらった物を捨てるのも何だし 86 00:08:19,373 --> 00:08:21,792 つまり 埋めるのが 一番よかったんだ 87 00:08:21,918 --> 00:08:23,336 (七花)友人からもらった? 88 00:08:23,419 --> 00:08:24,253 (彼我木)そうだよ 89 00:08:24,420 --> 00:08:26,130 四季崎記紀(しきざききき) 本人からね 90 00:08:26,923 --> 00:08:28,466 四季崎記紀から? 91 00:08:28,549 --> 00:08:29,383 (彼我木)うん 92 00:08:29,509 --> 00:08:32,178 うんって あんた いったい何歳だよ 93 00:08:32,260 --> 00:08:33,721 (彼我木)およそ300歳 94 00:08:33,846 --> 00:08:37,015 人間だったころを 含めれば350歳かな 95 00:08:37,390 --> 00:08:38,433 ウケケケッ ケケッ 96 00:09:00,790 --> 00:09:03,584 (七花)あんた 俺と どっかで 会ったことないか? 97 00:09:03,751 --> 00:09:04,627 (彼我木)ないよ 98 00:09:04,752 --> 00:09:07,088 僕はこれでも仙人だからね 99 00:09:07,171 --> 00:09:09,590 基本的に俗世からは離れている 100 00:09:10,049 --> 00:09:13,761 でも俺はあんたを知っている… ような気がする 101 00:09:13,886 --> 00:09:16,055 (彼我木) それはね 君がこの僕を― 102 00:09:16,138 --> 00:09:18,933 そういうふうに 見ているというだけなんだよ 103 00:09:19,058 --> 00:09:22,395 僕はね 君の記憶の投影なんだ 104 00:09:23,020 --> 00:09:24,605 記憶の投影? 105 00:09:24,730 --> 00:09:25,356 (彼我木)そう 106 00:09:25,439 --> 00:09:29,735 君の正当なる記憶に基づく 正当なる認識だ 107 00:09:29,944 --> 00:09:31,779 秤(はかり)にかけるまでもなくね 108 00:09:32,154 --> 00:09:33,197 ウケケケケッ ケケケッ 109 00:09:34,490 --> 00:09:38,995 人は僕という存在を通して 自分の記憶をのぞくことになるのさ 110 00:09:39,203 --> 00:09:42,415 僕は いながらにして この世に存在していない 111 00:09:42,540 --> 00:09:44,458 それが仙人ということだ 112 00:09:44,542 --> 00:09:46,168 (七花)よく分かんねえな 113 00:09:46,377 --> 00:09:48,254 いったい仙人って何なんだ 114 00:09:48,337 --> 00:09:51,591 (彼我木)そうだね 一言で言えば仙人は― 115 00:09:51,674 --> 00:09:54,135 人にとって鏡みたいなもんだよ 116 00:09:54,218 --> 00:09:54,927 (七花)鏡? 117 00:09:55,011 --> 00:09:55,761 (彼我木)ああ 118 00:09:55,886 --> 00:09:59,265 真実を映し出す 魔法の鏡ってところかな? 119 00:09:59,473 --> 00:10:02,476 鑢君 こんな外国の童話を 知っているかな? 120 00:10:02,643 --> 00:10:03,519 (七花)何だよ 121 00:10:03,644 --> 00:10:06,105 (彼我木) とある所に女王様がいてさ 122 00:10:06,188 --> 00:10:09,650 その女王様が 鏡に対して聞くわけだよ 123 00:10:09,734 --> 00:10:11,485 “鏡よ 鏡 鏡さん” 124 00:10:11,611 --> 00:10:14,822 “この世で 一番美しいのは誰?”と 125 00:10:14,989 --> 00:10:18,826 女王様としては ここで自分だと 答えてほしいんだけれど― 126 00:10:18,909 --> 00:10:23,581 鏡は女王様が大嫌いな 違う人物の名前を答えるんだ 127 00:10:23,664 --> 00:10:26,500 けどさ 鑢君 これってどう思う? 128 00:10:26,626 --> 00:10:29,045 鏡がそんなこと答えると思うかい? 129 00:10:29,754 --> 00:10:32,715 思うも思わねえも 鏡がしゃべるわけねえだろ! 130 00:10:33,215 --> 00:10:34,008 (彼我木)そう 131 00:10:34,300 --> 00:10:36,510 答えたのは鏡じゃない 132 00:10:36,594 --> 00:10:38,679 女王様自身の心根が― 133 00:10:38,804 --> 00:10:42,683 自身の虚栄心に対して そう言ったにすぎないんだ 134 00:10:43,434 --> 00:10:47,521 (七花)あんたの話だと 全部 見る側の都合みてぇだな 135 00:10:47,605 --> 00:10:49,523 (彼我木)仙人は何もしないんだ 136 00:10:49,607 --> 00:10:51,567 というよりも何もできない 137 00:10:51,692 --> 00:10:55,237 何か しでかすのは いつも君ら人間なんだよ 138 00:10:56,072 --> 00:10:58,824 そう言われて 思い当たる節はないかい? 139 00:10:58,908 --> 00:11:00,534 この僕の姿に 140 00:11:00,826 --> 00:11:03,621 君が僕を見た瞬間に形成された― 141 00:11:03,746 --> 00:11:05,706 この僕の存在に 142 00:11:08,417 --> 00:11:10,586 (七花)凍空(いてぞら)こなゆき 143 00:11:17,218 --> 00:11:17,802 あっ 144 00:11:18,552 --> 00:11:19,678 姉ちゃん 145 00:11:24,683 --> 00:11:26,143 汽口斬鬼(きぐちざんき)か 146 00:11:29,939 --> 00:11:31,399 敦賀迷彩(つるがめいさい) 147 00:11:38,364 --> 00:11:41,450 はあ 凍空こなゆき 148 00:11:41,575 --> 00:11:44,203 姉ちゃん 汽口斬鬼 149 00:11:44,286 --> 00:11:46,288 それに敦賀迷彩ねえ~ 150 00:11:47,540 --> 00:11:50,709 (七花)俺は この3人に負けたことがある 151 00:11:51,419 --> 00:11:51,961 3人? 152 00:11:52,628 --> 00:11:55,047 敦賀迷彩には負けちゃいねえが 153 00:11:56,048 --> 00:11:57,925 かなり苦い経験みたいだね 154 00:11:59,385 --> 00:12:01,804 後悔と罪悪感だろ? 155 00:12:06,434 --> 00:12:09,603 (彼我木)鑢君 自分の記憶をのぞくとは― 156 00:12:09,687 --> 00:12:12,773 自分の苦手意識を のぞくということだよ 157 00:12:13,023 --> 00:12:15,359 自分の記憶っていうのは 大抵の場合― 158 00:12:15,443 --> 00:12:17,945 都合よく改変されてるからね 159 00:12:18,112 --> 00:12:21,449 しかし この僕を 通してしまえば― 160 00:12:21,866 --> 00:12:23,784 そうはいかない 161 00:12:36,422 --> 00:12:39,383 (飛騨鷹比等)どうやら僕は 失敗してしまったようだよ 162 00:12:40,009 --> 00:12:41,427 こうやって最後に― 163 00:12:41,510 --> 00:12:44,180 君に伝えるべきことを 伝えられたんだから 164 00:12:44,305 --> 00:12:45,848 それで よしとしよう 165 00:12:55,649 --> 00:12:56,609 はっ 166 00:13:01,405 --> 00:13:05,201 (彼我木)僕といると 否応(いやおう)なしに苦手な― 167 00:13:05,326 --> 00:13:09,330 思い出したくもない おのれの 記憶と向き合うことになるのさ 168 00:13:10,706 --> 00:13:11,916 鑢君 169 00:13:13,167 --> 00:13:16,712 人知を超えた 仙人たる僕の見るところ 君は― 170 00:13:17,546 --> 00:13:19,590 ここらで そろそろ自分の苦手意識と― 171 00:13:19,715 --> 00:13:21,800 向き合うことが必要だろう 172 00:13:26,555 --> 00:13:28,265 (瓶が転がる音) 173 00:13:30,684 --> 00:13:31,977 (物が転がる音) 174 00:13:36,106 --> 00:13:37,399 (彼我木)やあ 鑢君 (七花)わあ! 175 00:13:39,818 --> 00:13:41,028 暇そうだね 176 00:13:50,371 --> 00:13:52,748 (汽口)剣をとったほうが 弱くなるなど― 177 00:13:52,873 --> 00:13:55,042 まるで呪いのようですね 178 00:13:58,546 --> 00:13:59,129 呪い? 179 00:14:08,556 --> 00:14:11,141 (七花)虚刀流 桔梗(ききょう) 180 00:14:11,767 --> 00:14:13,727 ああ ううっ 181 00:14:15,980 --> 00:14:16,897 はっ 182 00:14:17,940 --> 00:14:18,607 ああっ 183 00:14:21,402 --> 00:14:22,152 ああ 184 00:14:24,488 --> 00:14:26,574 はあ~! 185 00:14:40,921 --> 00:14:42,423 痛てて 186 00:14:42,715 --> 00:14:43,257 うん? 187 00:14:43,757 --> 00:14:45,259 さすがですね 188 00:14:45,384 --> 00:14:48,637 もう少しの間はごまかせるかと 思ったのですが 189 00:14:48,929 --> 00:14:49,930 これが限界です 190 00:14:52,266 --> 00:14:54,435 参りました 七花殿 191 00:14:54,518 --> 00:14:55,269 えっ 192 00:14:56,645 --> 00:14:59,440 どうでしょう 七花殿のお悩みに― 193 00:14:59,523 --> 00:15:03,402 何らかの風穴は開けられたのでは ないかと自負いたしますが 194 00:15:03,485 --> 00:15:05,863 (七花)いや よく分からねえんだけど 195 00:15:06,322 --> 00:15:07,740 (汽口)私が言いたいのは― 196 00:15:07,823 --> 00:15:11,785 一芸に秀でる者は万芸に秀でると いうことです 197 00:15:12,119 --> 00:15:14,955 初心者の私でも 戦えと言われれば― 198 00:15:15,080 --> 00:15:18,167 ある程度の徒手空拳の 振る舞いは可能なのです 199 00:15:18,292 --> 00:15:20,461 つまり 木刀を持ったことで― 200 00:15:20,586 --> 00:15:23,297 あそこまで弱くなるのは おかしいってことだよな 201 00:15:24,256 --> 00:15:28,218 ですから 私は呪いという言葉を 使ってしまった 202 00:15:28,636 --> 00:15:31,180 これは剣士としての 私の勘ですが― 203 00:15:31,430 --> 00:15:34,391 心王一鞘(いっそう)流が 心王一鞘流であるために― 204 00:15:34,475 --> 00:15:36,810 必要な概念が いくつかあるように― 205 00:15:36,894 --> 00:15:40,856 七花殿の虚刀流が虚刀流で あるために必要な概念が― 206 00:15:40,981 --> 00:15:42,149 あるのかもしれません 207 00:15:45,653 --> 00:15:46,612 姉ちゃん 208 00:15:50,699 --> 00:15:53,452 (七実(ななみ))私は刀だわ 209 00:15:54,161 --> 00:15:55,829 あなたも刀 210 00:15:57,206 --> 00:15:59,917 七花 私の弟 211 00:16:00,167 --> 00:16:02,252 私をやっと殺してくれる 212 00:16:05,005 --> 00:16:08,217 嫌だ 俺は 俺は… 213 00:16:08,342 --> 00:16:11,345 (七実)刀の刀を使おうとすると こうなってしまう 214 00:16:12,513 --> 00:16:15,557 刀に関する才能を一切 持たない 215 00:16:16,058 --> 00:16:17,851 それが虚刀流 216 00:16:26,694 --> 00:16:28,028 姉ちゃん! 217 00:16:31,031 --> 00:16:34,660 (七花の荒い息) 218 00:16:42,543 --> 00:16:45,004 刀が刀を使っちゃいけねえ 219 00:16:45,921 --> 00:16:49,216 それがあんたの言う 虚刀流の呪いなんだな 220 00:16:49,341 --> 00:16:50,092 (木が裂ける音) 221 00:16:50,384 --> 00:16:52,386 おめでとう 鑢君 222 00:16:52,511 --> 00:16:55,889 何か分かったみたいだね 本当に よかったね 223 00:16:57,891 --> 00:16:59,601 (七花)1つ気になってんだけど 224 00:16:59,727 --> 00:17:00,686 なんだい? 225 00:17:01,020 --> 00:17:05,232 (七花) あんたの姿や中身は見る側の 記憶の投影だって言ってたよな? 226 00:17:05,648 --> 00:17:06,733 そのとおり 227 00:17:06,858 --> 00:17:09,694 (七花)じゃあ その人を食った 性格ってのは誰なんだ 228 00:17:09,778 --> 00:17:14,407 ああ これはとがめちゃんにとって 僕はそういう人だってことだよ 229 00:17:15,075 --> 00:17:17,911 あんた とがめの記憶からも 形成されているのか 230 00:17:18,037 --> 00:17:21,915 (彼我木)そうだよ 君らは2人で 一緒に僕を見たからね 231 00:17:21,999 --> 00:17:24,960 姿や立ち居振る舞いは君の記憶から 232 00:17:25,085 --> 00:17:28,255 この性格は 彼女の記憶からのようだね 233 00:17:28,589 --> 00:17:31,258 あの とがめに 苦手なもんなんかあるのかよ 234 00:17:32,051 --> 00:17:33,469 苦手なものを― 235 00:17:33,594 --> 00:17:37,431 思い出したくもない記憶を 持たない者なんていないよ 236 00:17:37,765 --> 00:17:39,099 ウケケケッ ケケケッ 237 00:17:42,936 --> 00:17:44,938 とがめの苦手なやつ? 238 00:17:45,606 --> 00:17:47,357 飛騨鷹比等 239 00:17:48,609 --> 00:17:50,110 (七花)飛騨鷹比等? 240 00:17:50,444 --> 00:17:54,782 (とがめ)ああ あやつの性格は 私の父親に瓜(うり)二つだ 241 00:17:54,907 --> 00:17:59,078 あの もったいぶったしゃべり方 ふざけた態度 砕けた態度は 242 00:17:59,244 --> 00:18:02,956 何より私に肉体労働を 強いるという この嫌がらせ 243 00:18:03,165 --> 00:18:07,878 私が最も苦手とした あの男が いかにも やりそうなことなのだよ 244 00:18:09,171 --> 00:18:10,631 そっ そうか 245 00:18:13,550 --> 00:18:14,259 あっ 246 00:18:20,057 --> 00:18:22,643 おのれの 苦手意識と向き合え か… 247 00:18:23,644 --> 00:18:26,396 どうりで ここへ来てからというもの― 248 00:18:26,647 --> 00:18:29,316 あの男のことを思い出すわけだ 249 00:18:29,983 --> 00:18:31,652 いまわの際に 250 00:18:31,902 --> 00:18:35,280 父が私に何かを 言い残したようなのだよ 251 00:18:35,781 --> 00:18:38,200 そんな大切なことすら忘れていた 252 00:18:58,137 --> 00:19:00,597 (否定姫(ひていひめ)) 今頃 あの不愉快な女は― 253 00:19:00,681 --> 00:19:03,517 彼我木輪廻に 会っているのかしらねえ 254 00:19:04,977 --> 00:19:07,020 (右衛門左衛門(えもんざえもん)) 仙人の彼我木輪廻ですか? 255 00:19:07,688 --> 00:19:11,191 しかし よりによってあの仙人に 誠刀・銓を託すとは― 256 00:19:11,316 --> 00:19:13,902 姫様も随分なまねを なさいますね 257 00:19:14,194 --> 00:19:17,072 いつもの奇策士に対する 嫌がらせなのでしょうか 258 00:19:17,364 --> 00:19:19,116 勘違いしないでよ 259 00:19:19,324 --> 00:19:22,452 別に私が彼我木輪廻に 託したわけじゃないわ 260 00:19:22,870 --> 00:19:26,415 むしろあいつが所有しているせいで 困ってるくらいなんだから 261 00:19:27,416 --> 00:19:29,668 それより毒刀・鍍(めっき)よ 262 00:19:30,210 --> 00:19:35,591 四季崎記紀の作りし変体刀の中でも 最も強い毒を持つ鍍 263 00:19:35,716 --> 00:19:38,343 それがよりにもよって あんたが暗殺し損ねた― 264 00:19:38,427 --> 00:19:40,929 真庭鳳凰(まにわほうおう)の手にあるとはね 265 00:19:41,054 --> 00:19:42,556 (右衛門左衛門) 面目次第もございません 266 00:19:43,724 --> 00:19:47,561 毒刀・鍍と真庭鳳凰という 組み合わせね 267 00:19:47,644 --> 00:19:50,522 果たして凶と出るか大凶と出るか 268 00:19:50,606 --> 00:19:52,983 私にも予想がつかないわ 269 00:19:53,066 --> 00:19:56,904 (右衛門左衛門) しかし もしも奇策士が 誠刀・銓の収集に成功すれば― 270 00:19:57,321 --> 00:20:02,117 これで いよい四季崎記紀の作りし 完成形変体刀 十二本がすべて― 271 00:20:02,326 --> 00:20:05,579 舞台の上に出そろうということに なるのですね 272 00:20:06,538 --> 00:20:08,916 姫様の悲願の達成も近い 273 00:20:08,999 --> 00:20:10,167 (否定姫)ちょっと ちょっと 274 00:20:10,292 --> 00:20:12,920 どこで誰が聞いているか 分からないんだから― 275 00:20:13,045 --> 00:20:15,839 うかつなことを言うのは やめてちょうだい 276 00:20:15,923 --> 00:20:19,843 そんな言い方をしたら まるで私が 伝説の刀鍛冶 277 00:20:19,927 --> 00:20:23,639 戦国を実質的に支配した 四季崎記紀の末裔(まつえい)で― 278 00:20:23,764 --> 00:20:27,517 だからこそ完成形変体刀について いろいろと詳しく― 279 00:20:27,601 --> 00:20:29,186 あの不愉快な女に対して― 280 00:20:29,269 --> 00:20:31,772 一歩 先んじることが できているみたいじゃない 281 00:20:32,397 --> 00:20:35,859 そんな事実はないんだから そんなことを言うべきじゃないわ 282 00:20:36,235 --> 00:20:37,611 そうでした 283 00:20:37,778 --> 00:20:41,281 もちろん姫様は四季崎記紀の 末孫などではございません 284 00:20:42,074 --> 00:20:45,535 誤解を招くような発言をして 申し訳ありませんでした 285 00:20:45,744 --> 00:20:48,664 (否定姫)そう 私は否定姫よ 286 00:20:48,830 --> 00:20:52,793 それ以外の自分を 私は余すところなく否定する 287 00:20:52,876 --> 00:20:56,171 私の悲願など達成されようが 達成されまいが― 288 00:20:56,296 --> 00:20:58,215 それこそ否定的なだけよ 289 00:20:59,549 --> 00:21:00,634 それから― 290 00:21:01,510 --> 00:21:03,595 気になっていることがあってさ 291 00:21:03,804 --> 00:21:07,808 これはついででいいから あんたが 直々に調べてみてくれない? 292 00:21:07,891 --> 00:21:09,142 (右衛門左衛門)何でしょう 293 00:21:09,268 --> 00:21:11,103 この間 奇策士と虚刀流を― 294 00:21:11,186 --> 00:21:14,231 この部屋に呼びつけた時の ことなんだけどさ 295 00:21:14,523 --> 00:21:17,818 誠刀・銓の在りかを 教えたあとの七花君の様子が― 296 00:21:17,985 --> 00:21:19,987 なんか変だったのよね 297 00:21:22,948 --> 00:21:27,077 誠刀・銓の在りかは 奥州の百刑場 298 00:21:27,160 --> 00:21:29,830 所有者は仙人の彼我木輪廻よ 299 00:21:35,252 --> 00:21:36,628 奇策士の様子? 300 00:21:36,712 --> 00:21:39,423 (否定姫)あの不愉快な女は いつもどおりよ 301 00:21:39,923 --> 00:21:43,343 そう言えば あの女も 奥州は初めてなのよね 302 00:21:43,677 --> 00:21:45,095 なんでかしら 303 00:21:45,178 --> 00:21:47,180 あそこは軍所の人間なら― 304 00:21:47,264 --> 00:21:49,975 まず 知っておくべき 土地柄なんじゃない? 305 00:21:50,392 --> 00:21:53,353 まあ 気のせいかも しれないけれど 306 00:21:53,729 --> 00:21:57,190 あんたに無駄足を 踏ませるというのも悪くないわ 307 00:21:58,608 --> 00:22:01,528 鑢七花と百刑場の関係 308 00:22:01,778 --> 00:22:05,365 あるいは奇策士とがめと 百刑場の関係 309 00:22:05,449 --> 00:22:07,659 よろしく調べておいてちょうだい 310 00:22:07,743 --> 00:22:08,785 (右衛門左衛門)御意 311 00:22:09,828 --> 00:22:12,748 (ナレーション) 尾張幕府におります2人の鬼女 312 00:22:13,040 --> 00:22:17,711 本名不詳 経歴不明の否定姫と 奇策士とがめ 313 00:22:18,253 --> 00:22:20,047 その2人の決着も― 314 00:22:20,172 --> 00:22:23,592 そう遠くない日に 迫っていたのでございます 315 00:22:30,932 --> 00:22:31,975 (とがめ)んっ んっ 316 00:22:32,267 --> 00:22:34,728 何! 彼我木輪廻が― 317 00:22:34,895 --> 00:22:38,315 四季崎記紀 本人から 誠刀・銓をもらっただと! 318 00:22:38,565 --> 00:22:40,901 (七花)友人として もらったって言ってたな 319 00:22:41,026 --> 00:22:42,277 (とがめ) そんな大事なことを― 320 00:22:42,402 --> 00:22:45,280 言い忘れるとは そなた どういうつもりだ 321 00:22:45,405 --> 00:22:46,448 どういうって… 322 00:22:46,573 --> 00:22:48,408 だから今 とがめに 323 00:22:48,658 --> 00:22:49,618 (とがめ)ふん ふん 324 00:22:49,826 --> 00:22:52,454 他に言い忘れておることは ないだろうな 325 00:22:52,662 --> 00:22:53,288 あっ 326 00:22:53,872 --> 00:22:55,707 あるなら さっさと言え! 327 00:22:55,916 --> 00:22:58,585 とがめは大事なことを 忘れているって 328 00:23:00,003 --> 00:23:02,005 それは自分の苦手意識と― 329 00:23:02,130 --> 00:23:04,758 向き合わないことには 思い出せないって 330 00:23:04,925 --> 00:23:06,259 んぐっ んっ んっ 331 00:23:07,052 --> 00:23:09,971 言い忘れたことは それだけだと思う 332 00:23:10,097 --> 00:23:11,014 ごっくん 333 00:23:11,139 --> 00:23:12,182 そうか 334 00:23:12,724 --> 00:23:16,103 それで そなた 彼我木と戦うつもりなのか? 335 00:23:16,228 --> 00:23:18,855 うーん ただ戦うだけなんて― 336 00:23:18,980 --> 00:23:21,274 意味のないこと したいとは思わないけど… 337 00:23:21,483 --> 00:23:22,109 けど? 338 00:23:22,776 --> 00:23:25,153 何のために 戦うって聞かれたら― 339 00:23:25,278 --> 00:23:27,656 戦わないわけには いかないだろ? 340 00:23:27,948 --> 00:23:30,033 その答えを見つけるためにさ 341 00:23:30,242 --> 00:23:32,994 相変わらず まっすぐだな そなたは 342 00:23:33,370 --> 00:23:35,789 七花 その答え 見つけたなら― 343 00:23:35,914 --> 00:23:37,541 私にも教えてくれ 344 00:23:37,749 --> 00:23:38,959 ぜひ 聞きたいものだ 345 00:23:39,417 --> 00:23:40,001 分かった 346 00:23:40,335 --> 00:23:42,170 存分にやり合うがよいわ 347 00:23:42,587 --> 00:23:44,631 仙人と戦ったという経験は― 348 00:23:44,756 --> 00:23:47,843 そなたにとって かなり 有益なものとなるだろう 349 00:23:47,968 --> 00:23:48,593 (七花)ああ 350 00:23:49,886 --> 00:23:53,890 先に言っておくけど 僕は君よりも圧倒的に弱い 351 00:23:54,182 --> 00:23:57,102 何だよ 最初から負けた時の言い訳か? 352 00:23:57,227 --> 00:23:58,186 違うよ 353 00:23:58,353 --> 00:24:02,232 君は自分よりも弱い者に勝てない そう言いたいんだよ 354 00:24:03,024 --> 00:24:04,693 さっ 始めようか 355 00:24:04,860 --> 00:24:06,027 いつでも おいで 356 00:24:06,153 --> 00:24:08,738 なんて言って 僕から かかっていったりして 357 00:24:09,072 --> 00:24:10,157 虚刀流 358 00:24:11,449 --> 00:24:12,033 百合! 359 00:24:17,998 --> 00:24:18,832 へい! 360 00:24:19,374 --> 00:24:20,333 (七花)やられる! 361 00:24:21,751 --> 00:24:23,336 あっ… 何! 362 00:24:25,797 --> 00:24:27,549 虚刀流 薔薇(ばら) 363 00:24:28,341 --> 00:24:29,342 おっと 危ない 364 00:24:33,096 --> 00:24:34,014 逃がすか! 365 00:24:38,435 --> 00:24:39,102 変だ 366 00:24:39,519 --> 00:24:41,438 今までの どの戦いとも違う 367 00:24:42,147 --> 00:24:43,356 かみ合わねぇんだ 368 00:24:44,399 --> 00:24:46,151 このままじゃ らちが明かねぇ 369 00:24:48,195 --> 00:24:49,196 虚刀流 370 00:24:49,613 --> 00:24:50,739 七花八裂! 371 00:24:52,365 --> 00:24:53,158 よっと 372 00:24:53,283 --> 00:24:53,825 (七花)あっ… 373 00:24:57,120 --> 00:24:57,746 ああっ… 374 00:24:58,079 --> 00:25:00,081 てっ… てめえ ずるいぞ! 375 00:25:00,290 --> 00:25:01,458 ケケケッ ケケケッ 376 00:25:01,833 --> 00:25:03,919 はっ! あんた まさか… 377 00:25:04,794 --> 00:25:07,088 こいつ 戦おうとしてねぇ 378 00:25:07,589 --> 00:25:11,092 自分から誘っておいて 戦う気が全くねぇんだ 379 00:25:13,011 --> 00:25:13,678 (とがめ)んっ! 380 00:25:14,804 --> 00:25:15,597 んんっ! 381 00:25:16,598 --> 00:25:17,515 ええい! 382 00:25:18,266 --> 00:25:18,850 んっ! 383 00:25:20,060 --> 00:25:20,894 ええい! 384 00:25:25,398 --> 00:25:27,776 (七花)とがめは 大事なことを忘れている 385 00:25:28,068 --> 00:25:31,529 それは自分の苦手意識と 向き合わないことには― 386 00:25:31,655 --> 00:25:33,073 思い出せないって 387 00:25:41,373 --> 00:25:44,084 (飛騨鷹比等)どうやら 僕は失敗してしまったようだよ 388 00:25:44,709 --> 00:25:47,128 君は歴史とは何だと思う? 389 00:25:47,629 --> 00:25:48,421 僕はね 390 00:25:48,880 --> 00:25:51,383 歴史とは 人間の生きた証しだと思う 391 00:25:51,800 --> 00:25:54,177 精いっぱい 生きた 人間の証しだと 392 00:25:54,511 --> 00:25:56,888 だから あるべき姿で あるべきなんだと 393 00:25:57,305 --> 00:25:58,056 それなのに― 394 00:25:58,640 --> 00:26:01,518 この歴史は 本来あるべき歴史とまるで違う 395 00:26:01,768 --> 00:26:05,063 僕は その間違いを 十分に示せただろう 396 00:26:05,605 --> 00:26:08,358 ここで ひとまず 僕の役割は終わりだ 397 00:26:08,984 --> 00:26:11,778 こうやって最後に 君に伝えるべきことを― 398 00:26:11,903 --> 00:26:14,823 伝えられたんだから それで よしとしよう 399 00:26:17,867 --> 00:26:20,120 (叫び声) 400 00:26:22,163 --> 00:26:24,916 (飛騨鷹比等)君はこのまま ここに隠れていなさい 401 00:26:25,125 --> 00:26:26,918 絶対に出てきたらダメだよ 402 00:26:27,794 --> 00:26:30,422 もしも歴史が 僕の思っているとおりなら― 403 00:26:30,755 --> 00:26:32,340 君だけは死なないはずだ 404 00:26:32,841 --> 00:26:36,094 君は この過酷な歴史に 生き残ることになる 405 00:26:36,511 --> 00:26:37,971 武士道に従うなら― 406 00:26:38,138 --> 00:26:41,266 僕はここで 君を殺してあげなきゃ ならないんだろうけど 407 00:26:41,641 --> 00:26:43,184 いくら それが 歴史の間違いを― 408 00:26:43,310 --> 00:26:45,312 正すために 必要なことであっても― 409 00:26:45,478 --> 00:26:46,563 それだけはできない 410 00:26:47,022 --> 00:26:48,648 自分の娘は― 411 00:26:49,524 --> 00:26:50,483 殺せない 412 00:26:54,154 --> 00:26:57,949 やあ やっぱり僕を 殺しに来たのは君だったかい 413 00:26:58,116 --> 00:26:58,700 六枝(むつえ)君 414 00:27:03,038 --> 00:27:04,706 僕は君のことが… 415 00:27:08,501 --> 00:27:09,627 (とがめ)ううっ… 416 00:27:09,919 --> 00:27:12,881 もう… もう たくさんだ! 417 00:27:13,715 --> 00:27:15,925 なぜ 今になって こんなことを― 418 00:27:16,301 --> 00:27:17,719 思い出させるのだ! 419 00:27:21,681 --> 00:27:22,307 (彼我木)ヒヒヒ… 420 00:27:22,807 --> 00:27:23,350 やあ! 421 00:27:24,476 --> 00:27:26,686 君の戦戦能力を10とすれば― 422 00:27:26,853 --> 00:27:29,856 僕の戦戦能力は 7がいいところだろう 423 00:27:30,023 --> 00:27:32,692 まともに やり合ったら 戦いにさえならないさ 424 00:27:33,151 --> 00:27:34,027 だったら― 425 00:27:34,527 --> 00:27:37,238 今頃 あんたは八つ裂きに なっているはずだろうが! 426 00:27:37,530 --> 00:27:38,490 でもね 427 00:27:38,656 --> 00:27:43,203 君は10の力を攻撃と防御に 半分ずつ使っているんだよ 428 00:27:43,370 --> 00:27:47,207 つまり 攻撃において君の力は 5割しか発揮されない 429 00:27:47,582 --> 00:27:50,543 僕の戦闘能力を すべて防御へ回せば― 430 00:27:50,710 --> 00:27:54,214 君にはその防御を打破することは できないというわけだ 431 00:27:55,882 --> 00:27:56,841 やああ! 432 00:27:58,468 --> 00:27:59,052 あっ! 433 00:28:01,721 --> 00:28:04,474 誠刀・銓という 完成形変体刀の― 434 00:28:04,599 --> 00:28:07,060 特性に従って 言わせてもらうなら― 435 00:28:08,061 --> 00:28:09,479 誠刀防衛! 436 00:28:10,563 --> 00:28:12,899 誠刀・銓の特性って何だよ! 437 00:28:13,024 --> 00:28:15,402 この世で最も誠実な刀だ 438 00:28:15,568 --> 00:28:17,904 なにせ この僕が 所有しているんだからね 439 00:28:18,071 --> 00:28:20,824 ふざけんな! お前のどこが誠実なんだ! 440 00:28:21,116 --> 00:28:24,244 おいおい そんなところを責めるなよ 441 00:28:24,369 --> 00:28:24,994 えいっ 442 00:28:25,412 --> 00:28:27,664 この性格は とがめちゃんのせいだろ 443 00:28:27,956 --> 00:28:30,625 (彼我木)ウケケケケッ… (七花)くそっ! やってられっか 444 00:28:31,251 --> 00:28:33,378 こんなもん 戦いでも何でもねぇ 445 00:28:33,962 --> 00:28:37,507 俺に新たな苦手意識を 植え付けて 何が楽しいんだ 446 00:28:37,757 --> 00:28:41,428 楽しいよ 僕は嫌がらせが大好きなんだ 447 00:28:41,594 --> 00:28:43,388 こんな戦いでも人によっては― 448 00:28:43,513 --> 00:28:45,765 得がたき教訓を 得られるはずなんだぜ 449 00:28:45,974 --> 00:28:46,516 あっ 450 00:28:47,726 --> 00:28:48,435 ああ? 451 00:28:48,601 --> 00:28:50,228 戦いなど むなしい 452 00:28:50,353 --> 00:28:53,022 勝ち負けに 大した意味なんてないっとね 453 00:28:53,148 --> 00:28:53,690 (七花)ふん! 454 00:28:53,815 --> 00:28:56,776 とがめちゃんは 有益な経験になるだろうなんて― 455 00:28:56,943 --> 00:29:01,281 言ったみたいだけれど 戦いから 得る経験なんて無益なもんだ 456 00:29:01,781 --> 00:29:04,617 有益であったとしても 悲しいだけだ 457 00:29:05,368 --> 00:29:08,371 君は彼女と1年近く 戦ってきたわけだが― 458 00:29:08,496 --> 00:29:11,458 まるで それを 学んでいなかったらしいからね 459 00:29:11,583 --> 00:29:14,878 親切な僕としては 教えてあげたくなっちゃったのさ 460 00:29:15,003 --> 00:29:16,212 (七花)大きなお世話だ 461 00:29:16,755 --> 00:29:18,882 (彼我木)彼女は戦いに こだわりすぎだ 462 00:29:19,007 --> 00:29:22,802 何というか 生きること自体が 戦いといったふうじゃないか 463 00:29:22,969 --> 00:29:25,805 彼女の目的って いったい 何なんだろうね 464 00:29:26,139 --> 00:29:27,974 君はそれを 知っているけれど― 465 00:29:28,099 --> 00:29:31,686 それに同調しているわけじゃない 同情しているだけだ 466 00:29:32,228 --> 00:29:33,354 違う! 俺は! 467 00:29:33,605 --> 00:29:34,522 惚(ほ)れてる? 468 00:29:34,898 --> 00:29:38,485 けどさ 僕の見るところ 君の気持ちは恋でもなければ― 469 00:29:38,651 --> 00:29:40,320 愛でもないんだよね 470 00:29:40,445 --> 00:29:41,988 (七花)聞き捨てならねぇな 471 00:29:42,155 --> 00:29:46,201 そう怒るなよ このぐらいのことは 聞き流さなくっちゃ 472 00:29:46,826 --> 00:29:50,413 僕は とがめちゃんの目的が 何なのかは知らないけれど― 473 00:29:50,538 --> 00:29:51,456 それが自分を― 474 00:29:51,581 --> 00:29:54,584 ましてや他人を犠牲にするほどの ものじゃないことは― 475 00:29:54,709 --> 00:29:55,668 僕にも分かる 476 00:29:56,336 --> 00:29:58,463 君だって刀集めの旅の途中で― 477 00:29:58,588 --> 00:30:01,674 決して少なくない人数を 殺しているんだろう? 478 00:30:02,008 --> 00:30:05,804 生きるという人間にとっての 最大の目的を阻害して 479 00:30:05,929 --> 00:30:07,680 (彼我木)違うかい? (七花)くっ! 480 00:30:09,974 --> 00:30:13,311 (彼我木)鑢君 人は殺したら死ぬんだよ 481 00:30:14,020 --> 00:30:16,689 君たちは そんな単純な原理からさえ― 482 00:30:16,815 --> 00:30:18,233 目をそらしている 483 00:30:18,566 --> 00:30:23,238 僕から見れば 君はもちろん とがめちゃんも覚悟が足りない 484 00:30:24,489 --> 00:30:26,866 銓ってのは天秤(てんびん)って意味だ 485 00:30:27,116 --> 00:30:28,868 君は自分のやっていることが― 486 00:30:29,035 --> 00:30:32,080 どれほどの何と釣り合うのか 考えてみることだ 487 00:30:32,664 --> 00:30:35,041 とがめちゃんにも そう伝えてくれるかい? 488 00:30:35,250 --> 00:30:38,211 彼女は僕と 話してはくれないだろうからね 489 00:30:38,545 --> 00:30:39,128 ああ 490 00:30:39,879 --> 00:30:42,173 次の休憩時間にでも伝えておくよ 491 00:30:42,507 --> 00:30:44,050 だったら それは今だ 492 00:30:44,467 --> 00:30:46,761 とがめちゃん 穴の中で力つきちゃって― 493 00:30:46,886 --> 00:30:49,180 休憩中みたいだからさ 494 00:30:49,347 --> 00:30:50,181 とがめ! 495 00:30:54,894 --> 00:30:55,520 なっ… 496 00:31:01,192 --> 00:31:02,777 たあああ! 497 00:31:04,404 --> 00:31:05,029 んふふふっ 498 00:31:07,282 --> 00:31:07,824 あっ… 499 00:31:07,949 --> 00:31:10,076 (迷彩)君は何のために戦う? 500 00:31:15,874 --> 00:31:17,959 君は何のために戦う? 501 00:31:19,002 --> 00:31:22,922 私の命を犠牲にして 君は何のために戦う? 502 00:31:27,427 --> 00:31:28,845 決まっているだろ 503 00:31:29,470 --> 00:31:30,680 とがめのためだ 504 00:31:43,234 --> 00:31:46,321 そうだ! 俺は とがめのために戦っているんだ 505 00:31:47,447 --> 00:31:50,366 とがめと出会ったその日から 俺は… 506 00:32:02,879 --> 00:32:04,088 僕の見るところ― 507 00:32:04,213 --> 00:32:07,467 君の気持ちは 恋でもなければ 愛でもないんだよね 508 00:32:07,717 --> 00:32:09,636 (七花) 恋とか愛なんてくだらねぇ! 509 00:32:09,802 --> 00:32:11,763 俺は とがめだから戦っている! 510 00:32:11,930 --> 00:32:14,599 とがめでなければ 戦ってこなかったってことだ! 511 00:32:14,766 --> 00:32:16,351 分かったか! 彼我木輪廻! 512 00:32:23,441 --> 00:32:24,192 (七花)とがめ! 513 00:32:24,609 --> 00:32:25,610 しっかりしろ! 514 00:32:28,029 --> 00:32:29,364 とがめ! とがめ! 515 00:32:30,406 --> 00:32:31,032 ううっ 516 00:32:32,116 --> 00:32:34,744 しちりん… 七花? 517 00:32:35,286 --> 00:32:36,245 大丈夫か? 518 00:32:36,871 --> 00:32:39,874 (とがめ)彼我木輪廻との 試合はどうだった? 519 00:32:40,333 --> 00:32:42,502 それが勝負にならなくてよぉ 520 00:32:42,752 --> 00:32:44,379 あいつ 逃げてばっかでさ 521 00:32:44,796 --> 00:32:46,130 逃げる? 522 00:32:46,339 --> 00:32:50,510 誠刀防衛とか言って 力のすべてを防御に回すんだと 523 00:32:50,677 --> 00:32:53,513 それは勝負放棄ではないのか? 524 00:32:53,680 --> 00:32:56,599 けどよ それも1つの手なんだよな 525 00:32:56,849 --> 00:32:59,978 勝負ってのは 互いの合意で 成り立ってるんだから― 526 00:33:00,103 --> 00:33:03,690 相手が勝負を放棄しちまえば 勝つことができなくなっちまう 527 00:33:03,856 --> 00:33:04,857 そうでもないぞ! 528 00:33:05,358 --> 00:33:05,900 (七花)えっ? 529 00:33:06,025 --> 00:33:08,319 (とがめ) その戦略には大きな穴がある 530 00:33:08,486 --> 00:33:11,030 その穴を突けば 打破することができるだろう 531 00:33:11,197 --> 00:33:13,533 (七花)なら 教えてくれよ 負けてもねぇのに― 532 00:33:13,700 --> 00:33:15,118 負けたみてぇで参ってんだ 533 00:33:15,243 --> 00:33:19,288 (とがめ)まったく 少し自分で考えろ それはだな… 534 00:33:19,539 --> 00:33:20,081 あっ… 535 00:33:21,165 --> 00:33:23,710 そうか… そういうことか 536 00:33:26,587 --> 00:33:27,255 えいっ! 537 00:33:34,387 --> 00:33:35,054 あっ… 538 00:33:46,399 --> 00:33:48,818 僕は君のことが大好きだった 539 00:33:51,029 --> 00:33:51,779 あっ… ああ… 540 00:34:01,914 --> 00:34:07,211 (とがめ)七花… 私は… 父の最期の言葉を思い出したぞ 541 00:34:12,382 --> 00:34:13,342 よかったな 542 00:34:26,938 --> 00:34:29,108 (とがめ) 誠刀・銓で間違いないな? 543 00:34:29,358 --> 00:34:31,277 思ったよりも早く見つけたね 544 00:34:31,569 --> 00:34:34,697 七花を通して あれだけ 謎かけを持ちかけられてはな 545 00:34:35,031 --> 00:34:37,492 でも何か 気づきがあったんだろ? 546 00:34:37,617 --> 00:34:41,579 君が攻撃に重きをおいたままで 発掘を続けていたら― 547 00:34:41,704 --> 00:34:45,750 そんな柄(つか)と鍔(つば)だけの刀を 誠刀・銓だと思ったかな 548 00:34:45,875 --> 00:34:47,335 思わなかっただろうな 549 00:34:47,960 --> 00:34:51,297 誠刀・銓とは おのれ自身をはかる刀 550 00:34:51,422 --> 00:34:54,801 人を斬る刀ではなく おのれを斬る刀 551 00:34:54,967 --> 00:34:58,471 おのれを試す刀 おのれを知る刀 552 00:34:58,805 --> 00:35:01,974 だから刃(やいば)なき刀 無刀ということだ 553 00:35:02,100 --> 00:35:03,810 (拍手) (彼我木)ご名答! 554 00:35:03,976 --> 00:35:06,354 (とがめ)考えてみれば 分かりそうなものだ 555 00:35:06,479 --> 00:35:10,483 日本刀を地中に埋めて保管など できるわけがないからな 556 00:35:10,650 --> 00:35:13,778 保管すべき刃がないのならば 何の問題もない 557 00:35:13,903 --> 00:35:17,115 (彼我木)そういう答えから 逆算するみたいな考え方― 558 00:35:17,240 --> 00:35:18,241 好きじゃないなぁ 559 00:35:18,366 --> 00:35:20,827 でも まっ それはそれで君らしいか 560 00:35:21,285 --> 00:35:24,789 (とがめ) そういう いやらしい性格 あの男にそっくりだ 561 00:35:25,206 --> 00:35:28,543 あの男が誰なのか よかったら教えてくれないかな? 562 00:35:30,253 --> 00:35:31,337 (とがめ)私の… 563 00:35:32,338 --> 00:35:34,715 父だ! 名は明かせぬがな 564 00:35:34,966 --> 00:35:38,177 そうかい 嫌な父親だったんだね~ 565 00:35:38,302 --> 00:35:40,388 もしかして 敵対でも していたのかい? 566 00:35:40,638 --> 00:35:42,515 敵対など とんでもないわ 567 00:35:42,682 --> 00:35:45,184 むしろ私は 父のために生きておるのだ 568 00:35:45,351 --> 00:35:48,563 刀集めも父のために 行っておると言ってよい 569 00:35:48,688 --> 00:35:50,398 (彼我木)けど苦手だ (とがめ)くっ… 570 00:35:51,357 --> 00:35:54,819 (彼我木)君はそれを認めたから 銓を発見できたんだし― 571 00:35:54,944 --> 00:35:58,531 避けていた僕の前に こうして姿を現したんだろう 572 00:35:58,698 --> 00:35:59,323 ふんっ! 573 00:35:59,532 --> 00:36:03,703 (彼我木) でもさあ どうして鑢君をもう一度 けしかけてこなかったの? 574 00:36:03,828 --> 00:36:07,373 君なら僕に勝つ方法を すぐ思いついたろうに 575 00:36:07,540 --> 00:36:09,667 (とがめ) 七花の戦闘能力の10を― 576 00:36:09,792 --> 00:36:12,128 すべて防御に 回したとしたらどうなる 577 00:36:12,253 --> 00:36:15,715 そうすれば勝負どころか 戦闘そのものが起こらない 578 00:36:15,840 --> 00:36:20,219 つまり 攻撃を放棄することにより 勝ちでは なくとも結果的に― 579 00:36:20,344 --> 00:36:22,680 勝利と同じものを 得られることもある 580 00:36:22,805 --> 00:36:24,015 ということだ 581 00:36:24,348 --> 00:36:25,224 (彼我木)続けて 582 00:36:25,975 --> 00:36:28,394 (とがめ) 刀の本体は あくまで刃 583 00:36:28,519 --> 00:36:30,396 折れず 曲がらず よく切れる 584 00:36:30,521 --> 00:36:32,899 それのみに あると私は考えていた 585 00:36:33,608 --> 00:36:38,404 しかし 刃がないのなら それを守るための鞘(さや)もいらぬ 586 00:36:38,613 --> 00:36:40,489 こうして決意と共に握り― 587 00:36:40,615 --> 00:36:43,826 おのれ自身と向き合える 柄と鍔のみがあればよい 588 00:36:44,535 --> 00:36:45,661 そういうことであろう 589 00:36:46,078 --> 00:36:47,413 (拍手) (彼我木)ご名答! 590 00:36:47,872 --> 00:36:49,749 それに ご明察だ! 591 00:36:49,874 --> 00:36:51,959 お利口さんだね とがめちゃん! 592 00:36:52,418 --> 00:36:54,795 少女の姿で上から ものを言われるのは― 593 00:36:54,921 --> 00:36:56,589 思いのほか腹が立つものだな 594 00:36:56,714 --> 00:36:58,049 ウケケケッ ケケッ 595 00:36:58,966 --> 00:37:04,263 (とがめ) 彼我木よ 正解のご褒美に1つ 私の質問に答えてはくれぬか? 596 00:37:04,388 --> 00:37:06,849 (彼我木)いいよ 1つと言わず いくらでも 597 00:37:06,974 --> 00:37:08,226 (とがめ) 四季崎記紀 本人から― 598 00:37:08,351 --> 00:37:11,145 誠刀・銓を 引き受けたということだったが― 599 00:37:11,395 --> 00:37:13,481 四季崎とは どのような男だったのだ? 600 00:37:13,606 --> 00:37:16,567 (彼我木)何ていうか 否定的なやつだったよ 601 00:37:16,692 --> 00:37:19,946 (とがめ)否定的? どこかで聞いたような言葉だな 602 00:37:20,071 --> 00:37:23,115 (彼我木) まっ 友人とは言ったものの かなり昔のことだし― 603 00:37:23,241 --> 00:37:24,992 結構 忘れちゃったけれど― 604 00:37:25,117 --> 00:37:29,872 ただ 彼は僕の中に おのれの 真影を見たみたいなんだよね 605 00:37:29,997 --> 00:37:32,667 で とうとう その苦手を苦手のまま― 606 00:37:32,792 --> 00:37:34,877 否定したままに去っていったよ 607 00:37:35,044 --> 00:37:37,797 僕に誠刀・銓を押しつけてさ 608 00:37:38,506 --> 00:37:42,551 まったく 迷惑極まりないよ 僕はそんなものに毒されるのは― 609 00:37:42,677 --> 00:37:44,637 まっぴらだから すぐに埋めたのさ 610 00:37:44,762 --> 00:37:47,974 えっ 埋めたのは 最近の話ではないのか 611 00:37:48,140 --> 00:37:49,934 (彼我木)いや もらった直後だよ 612 00:37:50,059 --> 00:37:50,643 ああっ… 613 00:37:50,851 --> 00:37:53,020 (彼我木)そしたら その上に 城は建っちゃうわ 614 00:37:53,145 --> 00:37:56,857 その城が燃えたと思ったら 今度は処刑場になっちゃうわ 615 00:37:56,983 --> 00:37:59,443 時代ってのは流れるもんだねぇ 616 00:37:59,568 --> 00:38:00,653 そうか 617 00:38:01,195 --> 00:38:03,447 飛騨城が存在する以前から― 618 00:38:03,698 --> 00:38:06,826 誠刀・銓は その下に 埋まっていたのか 619 00:38:07,326 --> 00:38:10,913 だから父は気づいたのだ 歴史のゆがみに… 620 00:38:11,539 --> 00:38:16,335 そして 間違った歴史を正すために 尾張幕府に弓を引いたのだ 621 00:38:16,627 --> 00:38:18,504 多くの犠牲を払って 622 00:38:20,548 --> 00:38:25,219 身内も見方も すべての命を 危険にさらして弓を引いた 623 00:38:25,845 --> 00:38:27,179 歴史のために… 624 00:38:27,680 --> 00:38:31,434 (彼我木)その辺りになってくると 四季崎記紀の変体刀作りも― 625 00:38:31,559 --> 00:38:34,186 だいぶ完了に 近づいたって感じだね 626 00:38:34,312 --> 00:38:35,354 完了? 627 00:38:35,688 --> 00:38:37,398 変な言い方をするな! 628 00:38:37,690 --> 00:38:40,568 完成形変体刀は もう完成しておるだろ 629 00:38:40,901 --> 00:38:44,697 (彼我木) あれ? まさか知らないまま 鑢君を引き連れているのかい? 630 00:38:44,864 --> 00:38:45,906 どういう意味だ? 631 00:38:46,324 --> 00:38:47,950 (彼我木)これは驚いたなあ! 632 00:38:48,075 --> 00:38:51,537 完成形変体刀 十二本という秀作を経て― 633 00:38:51,662 --> 00:38:56,208 最後の最後に作られた 完了形変体刀 虚刀鑢のことを― 634 00:38:56,375 --> 00:38:59,628 何も知らないでいるとは 丸っきり予想外だ 635 00:39:00,796 --> 00:39:01,547 ヒヒヒ… 636 00:39:01,714 --> 00:39:04,425 し… 七花が四季崎記紀の刀! 637 00:39:05,051 --> 00:39:08,888 (彼我木)鑢君がっていうか 虚刀流が… だね 638 00:39:09,055 --> 00:39:14,226 (とがめ) だから錆白兵は虚刀流を指して 四季崎記紀の遺品と言ったのか 639 00:39:14,393 --> 00:39:17,563 記紀の血統だと… そして自分は失敗作だと… 640 00:39:17,897 --> 00:39:20,941 うーん 血統っていうか 641 00:39:21,192 --> 00:39:23,402 血刀なんだけどね 642 00:39:24,695 --> 00:39:25,529 確か… 643 00:39:25,738 --> 00:39:30,326 四季崎記紀と虚刀流開祖の 鑢一根(かずね)は同世代だったな 644 00:39:31,952 --> 00:39:34,830 2人に何らかの つながりが あったということなのか 645 00:39:35,122 --> 00:39:38,876 虚刀流の成り立ちに 四季崎記紀は関与しているのか? 646 00:39:39,126 --> 00:39:43,923 完了形変体刀 虚刀鑢… だから無刀というわけか 647 00:39:46,425 --> 00:39:49,762 ともかく 誠刀・銓 確かにちょうだいした 648 00:39:52,431 --> 00:39:53,766 勉強になったよ 649 00:39:54,433 --> 00:39:56,769 貴様のような戦術もあるのだと 650 00:39:57,186 --> 00:40:00,648 目的のためには引き分けという 不完全燃焼でさえ― 651 00:40:00,773 --> 00:40:03,025 のみ込まねばならぬと いうことだな 652 00:40:03,401 --> 00:40:06,821 (彼我木)ご名答… じゃないねぇ それだけは 653 00:40:07,863 --> 00:40:10,783 目的のために 目的も捨てねばならない 654 00:40:11,033 --> 00:40:13,786 それが今回 君が得るべき教訓だ 655 00:40:13,994 --> 00:40:16,414 野望も野心も復讐(ふくしゅう)心も― 656 00:40:16,539 --> 00:40:19,500 真の目的のためには 捨てるべき目的だよ 657 00:40:19,917 --> 00:40:21,961 それだけは得心しかねるな 658 00:40:22,545 --> 00:40:25,089 目的以外のものは すべて捨てられるが― 659 00:40:25,214 --> 00:40:27,383 目的だけは捨てることはできない 660 00:40:30,553 --> 00:40:31,262 はあ~ 661 00:40:32,721 --> 00:40:36,976 苦手意識を克服しても その意固地さは変わらないか 662 00:40:37,184 --> 00:40:38,060 まあ いいさ 663 00:40:38,185 --> 00:40:41,647 それが君の生きざまなら 貫き通してみればいい 664 00:40:42,523 --> 00:40:46,235 ところで お父さんの 最期の言葉って何だったの? 665 00:40:48,529 --> 00:40:50,573 (とがめ)ふんっ! 決まっておろう 666 00:40:51,073 --> 00:40:53,492 父親が娘に向ける言葉だぞ 667 00:40:53,826 --> 00:40:56,537 まして 私のような かわいらしい娘にだ 668 00:40:56,662 --> 00:40:59,957 だから何だよ もったいぶらずに教えてよ 669 00:41:00,916 --> 00:41:03,461 (とがめ) “僕は君のことが大好きだった” 670 00:41:04,170 --> 00:41:07,339 こっちはこんなに 苦手に思っておったというのにな 671 00:41:57,973 --> 00:42:03,103 (七花) へえ~ 俺が四季崎記紀の作りし 変体刀の一本ねぇ 672 00:42:06,774 --> 00:42:08,567 全然 ピンとこないなぁ 673 00:42:09,068 --> 00:42:13,072 (とがめ)正確にはそなた個人が 完了形変体刀なのではなく― 674 00:42:13,239 --> 00:42:15,074 虚刀流が なのだがな 675 00:42:15,491 --> 00:42:19,245 (七花)うーん やっぱり だから どうしたって感じだよ 676 00:42:19,453 --> 00:42:21,789 別にどうでもいいじゃん… みたいな 677 00:42:22,081 --> 00:42:25,751 (とがめ)気楽でよいな そなたは 少しは悩むことを覚えろ 678 00:42:26,210 --> 00:42:28,587 まっ それもまた よいのか 679 00:42:29,046 --> 00:42:32,216 でもよ 俺が刀剣を 使えねぇのって― 680 00:42:32,341 --> 00:42:35,970 もしかしたら 四季崎記紀のかけた 呪いなのかもしれねぇな 681 00:42:36,470 --> 00:42:38,514 (とがめ)ふん そうかもしれぬな 682 00:42:38,764 --> 00:42:41,141 (七花)何にしろ あと残り二本か 683 00:42:41,350 --> 00:42:44,520 とがめの野望も いよいよ終局ってわけだな 684 00:42:44,645 --> 00:42:46,355 (とがめ)まだ何とも言えんよ 685 00:42:46,522 --> 00:42:51,151 毒刀・鍍(めっき)と炎刀・銃については 何の情報もないのだからな 686 00:42:51,443 --> 00:42:52,194 それに… 687 00:42:55,447 --> 00:42:56,115 んんっ 688 00:42:56,782 --> 00:42:58,826 野望だの目的だの言うと― 689 00:42:58,951 --> 00:43:01,704 またあの仙人が 現れるかもしれぬのでな 690 00:43:02,496 --> 00:43:04,623 とがめ 相当 苦手なんだな 691 00:43:04,832 --> 00:43:06,625 もう二度と会いたくないわ 692 00:43:07,251 --> 00:43:08,460 ハハハ… 693 00:43:08,961 --> 00:43:10,671 笑いすぎだぞ 七花! 694 00:43:13,173 --> 00:43:14,383 もう出羽(でわ)か 695 00:43:14,967 --> 00:43:17,428 せっかくだから 将棋村に寄ってから帰るわ 696 00:43:18,220 --> 00:43:20,514 どうして寄る必要がある? 697 00:43:20,723 --> 00:43:22,808 汽口慚愧に会うためか~? 698 00:43:22,933 --> 00:43:24,018 ああ~ん? 699 00:43:24,351 --> 00:43:25,227 “ああ~ん?”って 700 00:43:25,436 --> 00:43:26,061 (とがめ)ちぇりおー 701 00:43:27,187 --> 00:43:30,316 ふう~ あんたの嫉妬深さは異常だ 702 00:43:30,608 --> 00:43:34,486 尾張にさっさと帰らねばならぬから 将棋村には寄らぬぞ~ 703 00:43:35,195 --> 00:43:36,363 (七花)とがめのためだ! 704 00:43:36,488 --> 00:43:37,323 何? 705 00:43:37,781 --> 00:43:39,950 俺は とがめのために戦っている 706 00:43:40,367 --> 00:43:41,702 それが俺の出した答えだ 707 00:43:42,328 --> 00:43:42,953 あっ… 708 00:43:44,496 --> 00:43:45,205 きゃっ 709 00:43:46,624 --> 00:43:48,334 はっ はっ… 710 00:43:49,168 --> 00:43:49,960 えいっ 711 00:43:50,669 --> 00:43:52,838 チュウ~ 712 00:43:52,963 --> 00:43:53,964 とがめ! あれ 713 00:43:54,673 --> 00:43:55,382 なっ… 714 00:43:55,549 --> 00:43:57,217 あっ ぎゃふん! 715 00:43:59,845 --> 00:44:00,846 ああ… 716 00:44:01,513 --> 00:44:03,182 んん~ 717 00:44:03,307 --> 00:44:03,932 あっ! 718 00:44:04,683 --> 00:44:05,351 おい! 719 00:44:07,519 --> 00:44:08,562 生きてるのか? 720 00:44:14,526 --> 00:44:15,569 (とがめ)刀傷だな 721 00:44:16,153 --> 00:44:18,030 おっ… こいつは! 722 00:44:18,989 --> 00:44:20,949 (人鳥(ぺんぎん))たた… 助けて… 723 00:44:21,408 --> 00:44:22,868 助けてください 724 00:44:23,911 --> 00:44:28,457 僕のことなんて… ど… どうでもいいから 725 00:44:29,166 --> 00:44:32,252 鳳凰様を… 助けてください 726 00:44:32,795 --> 00:44:33,337 (とがめ)あっ 727 00:44:34,797 --> 00:44:37,049 (ナレーション) 寄策士と真庭忍軍 728 00:44:37,925 --> 00:44:42,096 時に協力し 時に反目した彼らの因縁が― 729 00:44:42,221 --> 00:44:45,849 ついに終焉(しゅうえん)の時を 迎えようとしていたのでございます 730 00:44:46,725 --> 00:44:52,356 「刀語」 今宵(こよい)のお楽しみは ここまでにございます 731 00:44:56,151 --> 00:45:00,989 ♪~ 732 00:46:18,901 --> 00:46:24,907 ~♪