1 00:00:05,036 --> 00:00:10,036 <奇策士 とがめと 虚刀流 七代目当主 鑢 七花が→ 2 00:00:10,036 --> 00:00:15,036 四季崎 記紀の変体刀 12本のうち 残り 10本を集める旅に出て→ 3 00:00:15,036 --> 00:00:19,036 みつきが たとうとしております> 4 00:00:19,036 --> 00:00:22,036 <古くから 神々の集う地とされ→ 5 00:00:22,036 --> 00:00:27,036 幕府すら介入が難しい 自治区 出雲> 6 00:00:27,036 --> 00:00:30,036 <その中央にある 三途神社のおさ→ 7 00:00:30,036 --> 00:00:33,036 敦賀 迷彩の所有する 千刀 つるぎこそ→ 8 00:00:33,036 --> 00:00:39,036 とがめと七花が 次に集めんとする刀でございます> 9 00:00:39,036 --> 00:00:49,036 ・~ 10 00:02:25,050 --> 00:02:27,050 (とがめ) これが有名な 千段階段だ。→ 11 00:02:27,050 --> 00:02:33,050 まるで 要塞のようだな。 行くぞ 七花。 迷彩は あの頂上だ。 12 00:02:33,050 --> 00:02:36,050 (七花)んっ? 自分で上るのか? (とがめ)フン。 13 00:02:36,050 --> 00:02:40,050 わたしは あの地獄のような 因幡砂漠を横断したのだぞ。 14 00:02:40,050 --> 00:02:43,050 このくらい お茶の子さいさいだ。 15 00:02:50,050 --> 00:02:55,050 待て 七花。 疲れた。 手を貸してくれ。 16 00:02:55,050 --> 00:02:57,050 えっ? 疲れたって。 17 00:02:57,050 --> 00:03:00,050 そなた みつきも 共に旅しているというのに→ 18 00:03:00,050 --> 00:03:02,050 まだ わたしの 弱さを心得ておらんのか。 19 00:03:02,050 --> 00:03:04,050 おらんのかって。 20 00:03:04,050 --> 00:03:06,050 そよ風に 吹き飛ばされ 小雨で寝込む→ 21 00:03:06,050 --> 00:03:08,050 そんな 弱き体を酷使して→ 22 00:03:08,050 --> 00:03:12,050 ここまで 自力で上ったのだ。 褒めてほしいくらいだわ! 23 00:03:12,050 --> 00:03:17,050 悪かったよ。 えっと じゃあ おぶろうか? 24 00:03:17,050 --> 00:03:20,050 そのような 破廉恥なまねを わたしにしろと言うのか? 25 00:03:20,050 --> 00:03:22,050 破廉恥? 26 00:03:22,050 --> 00:03:25,050 お… 男に 後ろから 抱き付く姿勢になるであろうが。 27 00:03:25,050 --> 00:03:27,050 それが どうした? 28 00:03:27,050 --> 00:03:30,050 どうしたも こうしたも 体が 密着するであろう。 29 00:03:30,050 --> 00:03:32,050 それが どうした? 30 00:03:32,050 --> 00:03:34,050 じゃ 肩車なら どうだ? 31 00:03:34,050 --> 00:03:36,050 あっ! ちぇりお! 32 00:03:38,050 --> 00:03:40,050 肩車なんぞ 余計に破廉恥だわ! 33 00:03:40,050 --> 00:03:42,050 成人した男女の やることでは ない! 34 00:03:42,050 --> 00:03:45,050 えっ? 俺 島にいたころは 姉ちゃんと よく。 35 00:03:45,050 --> 00:03:48,050 よく!? 36 00:03:48,050 --> 00:03:50,050 いや 何でもない。 37 00:03:50,050 --> 00:03:53,050 って じゃあ どうすれば いいんだ? 38 00:03:53,050 --> 00:03:56,050 バカ者。 わたしは奇策士だぞ。 39 00:03:56,050 --> 00:03:59,050 その程度のこと ちゃんと妙案があるわ! 40 00:03:59,050 --> 00:04:02,050 どうだ? これなら よいであろう。 41 00:04:02,050 --> 00:04:05,050 誰が見ても 破廉恥では ないぞ。 42 00:04:10,050 --> 00:04:12,050 なあ とがめ。 何だ? 43 00:04:12,050 --> 00:04:14,050 その 千刀 つるぎって→ 44 00:04:14,050 --> 00:04:16,050 ひょっとして 1,000本あったりするのか? 45 00:04:16,050 --> 00:04:22,050 そうだ。 つるぎは 圧倒的な数量を主題にして作られた 刀だからな。 46 00:04:22,050 --> 00:04:24,050 故に 1,000本でも 1本だ。 47 00:04:24,050 --> 00:04:27,050 1本でも ニンジンみたいな 言い方すんなよ。 48 00:04:27,050 --> 00:04:30,050 うっ! 痛っ。 49 00:04:30,050 --> 00:04:33,050 ようやく 頂上の 大鳥居が見えてきたわ! 50 00:04:33,050 --> 00:04:35,050 そなたが 亀よりも のろのろ上るので→ 51 00:04:35,050 --> 00:04:38,050 日が暮れると思ったぞ。 悪かったな。 52 00:04:38,050 --> 00:04:49,050 ・~ 53 00:04:49,050 --> 00:04:56,050 (とがめ・七花)うわっ! うわーっ! うわーっ! ううっ! あっ? 54 00:05:01,050 --> 00:05:05,050 (迷彩)ご機嫌よう。 あっ…。 55 00:05:05,050 --> 00:05:07,050 (迷彩)幕府の使いね。→ 56 00:05:07,050 --> 00:05:12,050 信じるよ。 だって 信じた方が 面白そうじゃないか。 57 00:05:12,050 --> 00:05:16,050 ねっ 奇策士殿。 あっ。 58 00:05:16,050 --> 00:05:21,050 あんた 本当に 敦賀 迷彩なのか?元 山賊に見えないな。 59 00:05:21,050 --> 00:05:25,050 山賊であったのは 7年も前のことでな。 60 00:05:25,050 --> 00:05:30,050 以来 山賊稼業からは 足を洗って 仲間とも会っていない。→ 61 00:05:30,050 --> 00:05:33,050 それに 敦賀 迷彩というのは 前の神主の名で→ 62 00:05:33,050 --> 00:05:37,050 わたしは 便宜上 それを 名乗っているに すぎない。→ 63 00:05:37,050 --> 00:05:42,050 だから 「本当に 敦賀 迷彩なのか」と問われると 難しいものだな。→ 64 00:05:42,050 --> 00:05:46,050 んっ? 前の名前かい? 忘れたよ。→ 65 00:05:46,050 --> 00:05:51,050 確か なかったんじゃないかな。 山賊に 名前は いらないからね。→ 66 00:05:51,050 --> 00:05:55,050 神社といっても 今は形だけ。 ここには もう 巫女しかいない。→ 67 00:05:55,050 --> 00:05:59,050 まあ 仏教でいう 尼寺みたいなものだ。→ 68 00:05:59,050 --> 00:06:02,050 君 うちの 巫女たちに会っただろう? 69 00:06:02,050 --> 00:06:04,050 ああ ふもとにいたやつらだろう。 70 00:06:04,050 --> 00:06:09,050 下だけじゃなく ここにもいるよ。 50人ほどね。 71 00:06:09,050 --> 00:06:12,050 一応 武装神社ということに なっているからさ。→ 72 00:06:12,050 --> 00:06:15,050 うちには 全部で 1,000人の 巫女がいるのでな→ 73 00:06:15,050 --> 00:06:18,050 辺りにばらしておかないと あふれてしまう。 74 00:06:18,050 --> 00:06:23,050 で 突然 幕府から使いが来るとは 緊急の用件らしいな。 75 00:06:23,050 --> 00:06:28,050 その件だが 迷彩殿。 ここからは 一対一で話したい。 76 00:06:28,050 --> 00:06:31,050 よろしいか? いいだろう。 77 00:06:31,050 --> 00:06:33,050 とがめ。 心配には 及ばない。 78 00:06:33,050 --> 00:06:36,050 しばし その辺で遊んでおれ。 79 00:06:36,050 --> 00:06:40,050 (迷彩) では 用件は本殿で聞こうか。→ 80 00:06:40,050 --> 00:06:45,050 この境内にいる 50人は 深刻な症状の者ばかりでな。→ 81 00:06:45,050 --> 00:06:49,050 親を 殺された者。 家族を 皆殺しにされた者。→ 82 00:06:49,050 --> 00:06:52,050 一族郎党 根絶やしにされた者。→ 83 00:06:52,050 --> 00:06:55,050 永遠に心の安らぎとは 無縁の者たちだ。 84 00:06:55,050 --> 00:06:57,050 気にしないでくれ。 85 00:07:01,050 --> 00:07:04,050 (迷彩)それにしても 面白い髪だね お嬢ちゃん。 86 00:07:04,050 --> 00:07:06,050 あなたに お嬢ちゃんと言われるほど→ 87 00:07:06,050 --> 00:07:08,050 わたしは 若くはない。 88 00:07:08,050 --> 00:07:11,050 お嬢ちゃんさ。 わたしから見ればね。 89 00:07:11,050 --> 00:07:15,050 まあ 確かに見た目ほど 若くは ないようだが…。 90 00:07:17,050 --> 00:07:23,050 迷彩殿。 まあまあ そう慌てなさんな。 91 00:07:23,050 --> 00:07:25,050 あっ。 92 00:07:29,050 --> 00:07:31,050 (栓が抜ける音) 93 00:07:34,050 --> 00:07:36,050 飲みたまえよ。 94 00:07:39,050 --> 00:07:42,050 毒など入っておらんのは 見てのとおりだ。 95 00:07:44,050 --> 00:07:46,050 あっ。 96 00:07:48,050 --> 00:07:50,050 良い 飲みっぷりだ。 97 00:07:50,050 --> 00:07:52,050 これで いいか? 98 00:07:52,050 --> 00:07:55,050 ああ これで わたしたちは 友達だ。 99 00:07:55,050 --> 00:07:59,050 まっ 正直 言って話の内容は 予想ついているさ。 100 00:07:59,050 --> 00:08:03,050 四季崎 記紀の 変体刀のことだろう?→ 101 00:08:03,050 --> 00:08:05,050 ここに お上が 口を出してきたのは→ 102 00:08:05,050 --> 00:08:07,050 一度しかないからね。 103 00:08:07,050 --> 00:08:12,050 言うまでもなく 旧将軍の刀狩令のときのことさ。 104 00:08:12,050 --> 00:08:15,050 まして あんたは軍所の 総監督だっていうじゃないか。 105 00:08:15,050 --> 00:08:19,050 ならば 用件は 十中八九。 千刀 つるぎのことだ。 106 00:08:19,050 --> 00:08:22,050 お察しのとおりだ。 四季崎 記紀の→ 107 00:08:22,050 --> 00:08:26,050 変体刀 完成形 12本の収集を 役目としている。 108 00:08:26,050 --> 00:08:30,050 何のために? むろん 国家安寧のために。 109 00:08:30,050 --> 00:08:32,050 ふうん。 110 00:08:32,050 --> 00:08:35,050 わたしたちは すでに 2本の刀を入手しておる。 111 00:08:35,050 --> 00:08:39,050 ほう? 絶刀 鉋と 斬刀 鈍だ。 112 00:08:39,050 --> 00:08:44,050 千刀 つるぎの所有者ならば 刀の名前くらいは聞いておろう。 113 00:08:44,050 --> 00:08:46,050 ああ 知っているよ。 114 00:08:46,050 --> 00:08:51,050 旧将軍でも集められなかった刀を すでに 2本か。 すごいな。 115 00:08:51,050 --> 00:08:55,050 そして あなたの 千刀 つるぎが 3本目だ。 116 00:08:55,050 --> 00:08:59,050 四季崎が 唯一 刀を消耗品とみなして作った→ 117 00:08:59,050 --> 00:09:03,050 至高にして 絶対の 1,000本。 迷彩殿が 1,000人の 巫女に→ 118 00:09:03,050 --> 00:09:07,050 それぞれ 帯刀させているという 千刀 つるぎ。 119 00:09:07,050 --> 00:09:09,050 わたしも 幕府の人間だ。 120 00:09:09,050 --> 00:09:13,050 出雲の事情には 少なからず通じておる。 121 00:09:13,050 --> 00:09:16,050 三途神社の抱えておる 裏事情にもな。 122 00:09:16,050 --> 00:09:19,050 もしも 千刀を 譲ってくださるのであれば→ 123 00:09:19,050 --> 00:09:22,050 その辺りの裏事情を 幕府が引き受けることは 可能だ。 124 00:09:22,050 --> 00:09:26,050 ふうん。 悪い話では ないと思うが。 125 00:09:26,050 --> 00:09:30,050 そうだね。 良い話だと思うよ。 126 00:09:30,050 --> 00:09:32,050 ところで。 あっ。 127 00:09:32,050 --> 00:09:35,050 1つ 聞きたいことがあるんだが。 128 00:09:35,050 --> 00:09:38,050 (あくび) 129 00:09:41,050 --> 00:09:44,050 んっ? 130 00:09:44,050 --> 00:09:48,050 よう! (黒巫女)あっ あっ…。 131 00:09:50,050 --> 00:09:53,050 俺 何かしたかな。 んっ? 132 00:09:56,050 --> 00:09:58,050 あっ。 133 00:10:00,050 --> 00:10:02,050 (迷彩) あの坊やは お嬢ちゃんの男かい? 134 00:10:02,050 --> 00:10:07,050 あれは わたしの刀だ。 刀ねえ。 見たところ→ 135 00:10:07,050 --> 00:10:11,050 刀を帯びては いなかったようだがどこに隠しているのかい? 136 00:10:11,050 --> 00:10:13,050 そういう たちなのだよ。 137 00:10:13,050 --> 00:10:18,050 あれの名は 鑢 七花。 虚刀流 七代目当主 鑢 七花だ。 138 00:10:18,050 --> 00:10:25,050 あっ。 虚刀流 七代目か。 139 00:10:25,050 --> 00:10:27,050 なるほど。 だから 刀と言ったわけだ。 140 00:10:27,050 --> 00:10:30,050 少し 斬れ過ぎるところが あるがな。 141 00:10:30,050 --> 00:10:34,050 その力で 鉋と鈍の所有者を 斬ったか? 142 00:10:34,050 --> 00:10:38,050 斬った。 大乱の英雄 虚刀流。 143 00:10:38,050 --> 00:10:42,050 刀を使わない剣士か。 興味があるな。 144 00:10:42,050 --> 00:10:46,050 いや 血が騒ぐっていうのかね。 145 00:10:46,050 --> 00:10:50,050 あの坊やの 虚刀流と わたしの 千刀流が衝突すれば→ 146 00:10:50,050 --> 00:10:53,050 どちらが勝つのか。 千刀流。 147 00:10:53,050 --> 00:10:58,050 よし 分かった お嬢ちゃん。 いや 奇策士 とがめさん。 148 00:10:58,050 --> 00:11:02,050 出雲大山三途神社の おさとしての結論だ。 149 00:11:02,050 --> 00:11:05,050 ちょっとした条件さえ のんでくれりゃ→ 150 00:11:05,050 --> 00:11:10,050 千刀 つるぎ あんたに譲っても 構わないよ。 151 00:11:15,050 --> 00:11:17,050 あっ。 152 00:11:19,050 --> 00:11:25,050 どうだった? 残念ながら 最悪の結果だ。 153 00:11:29,063 --> 00:11:31,063 千刀 つるぎの 最初の1本を 探し出す? 154 00:11:31,063 --> 00:11:35,063 ああ。 つるぎは 1,000本とも まるっきり同じ刀だ。 155 00:11:35,063 --> 00:11:40,063 その中に 原型があるはずだと 迷彩は言うのだ。 156 00:11:40,063 --> 00:11:44,063 それを見つけろって? そなたの助け なしでな。 157 00:11:44,063 --> 00:11:49,063 最初の 1本を見つければ 迷彩と そなたが 一対一の決闘をし→ 158 00:11:49,063 --> 00:11:53,063 勝てば つるぎを譲るという。 負けたら? 159 00:11:53,063 --> 00:11:57,063 鉋と鈍を 迷彩に譲る。 何だよ それ。 160 00:11:57,063 --> 00:11:59,063 何だとは 何だ! あんまりじゃないか! 161 00:11:59,063 --> 00:12:03,063 こっちは 勝っても 1本。 向こうは 勝ったら 2本かよ! 162 00:12:03,063 --> 00:12:08,063 うむ。 というより 今回にかぎって戦闘は避けたかったのだが。 163 00:12:08,063 --> 00:12:11,063 七花。 もう 髪を下ろして いいぞ。 164 00:12:11,063 --> 00:12:14,063 うわー! うっ! 165 00:12:14,063 --> 00:12:16,063 うっ! 166 00:12:16,063 --> 00:12:21,063 こっ こら… どかんか! あーっ!いや どけと言われても。 167 00:12:21,063 --> 00:12:23,063 これって もしかして→ 168 00:12:23,063 --> 00:12:26,063 とがめが言ってた 破廉恥ってやつか? 169 00:12:28,063 --> 00:12:30,063 ちぇりお! こら! よけるなー! 170 00:12:30,063 --> 00:12:36,063 いや よけては ないんですけど。 言い訳など 聞きたくないわ! 171 00:12:36,063 --> 00:12:40,063 (側近)とがめ殿は 迷彩さまの 条件を のむようでした。 172 00:12:43,063 --> 00:12:47,063 (迷彩)あの2人 ただの 主従関係では あるまいな。→ 173 00:12:47,063 --> 00:12:50,063 もちろん 男女の関係でもない。→ 174 00:12:50,063 --> 00:12:53,063 定めとでもいえる絆で 結ばれているのだろう。 175 00:12:53,063 --> 00:12:57,063 (側近)ああ。 確かに そうかもしれません。 176 00:12:57,063 --> 00:13:00,063 見たか あの髪。 177 00:13:00,063 --> 00:13:04,063 よほどのことが ないかぎり ああには ならない。 178 00:13:04,063 --> 00:13:06,063 それに あの立ち振る舞い。 179 00:13:06,063 --> 00:13:08,063 どんな むごい目に遭おうとも→ 180 00:13:08,063 --> 00:13:11,063 自分という核は 捨てられないようだな。 181 00:13:11,063 --> 00:13:14,063 いや 捨ててはいけないと→ 182 00:13:14,063 --> 00:13:18,063 潜在的に 守ろうとしているのかもしれない。 183 00:13:18,063 --> 00:13:20,063 (側近)迷彩さま? 184 00:13:20,063 --> 00:13:23,063 なぜ あんな仰々しい着物を 身に着けているのか。 185 00:13:23,063 --> 00:13:26,063 それは 己が 何たるかを忘れないためさ。 186 00:13:26,063 --> 00:13:28,063 (2人)あっ。 187 00:13:28,063 --> 00:13:32,063 (迷彩)あの奇策士は どこぞの藩主の娘だったのだろう。 188 00:13:32,063 --> 00:13:35,063 世が世なら 一国一城の姫というところだ。 189 00:13:35,063 --> 00:13:41,063 戦国の世も 平安な世も決して わたしたちを癒やしてはくれない。 190 00:13:41,063 --> 00:13:54,063 ・~ 191 00:13:54,063 --> 00:13:56,063 どうだ 七花。 192 00:13:58,063 --> 00:14:02,063 似合うか? ほれ 何か感じないか? 193 00:14:02,063 --> 00:14:06,063 んっ? ああ。 もう。 194 00:14:06,063 --> 00:14:08,063 そなたに 聞いたのが 間違いだった。 195 00:14:08,063 --> 00:14:10,063 えっ? いいか! 196 00:14:10,063 --> 00:14:12,063 これから わたしが 「似合うか?」と聞いたら→ 197 00:14:12,063 --> 00:14:16,063 「よく 似合ってる」と答えろ。 んっ? 198 00:14:16,063 --> 00:14:19,063 <残念ながら 七花には 今でいう→ 199 00:14:19,063 --> 00:14:23,063 「巫女もえ」の属性は なかったのでございます> 200 00:14:23,063 --> 00:14:26,063 とがめ。 今日は どこ行くんだ? 201 00:14:26,063 --> 00:14:30,063 まず 境内にいる 黒巫女たちの刀を見せてもらう。 202 00:14:30,063 --> 00:14:32,063 それから ふもとだ。 203 00:14:34,063 --> 00:14:36,063 夜 帰るときは 下で たいまつを灯すから→ 204 00:14:36,063 --> 00:14:39,063 それを見たら すぐ 迎えに来るように。 205 00:14:39,063 --> 00:14:42,063 なあ 俺の役目って それだけかよ。 206 00:14:42,063 --> 00:14:45,063 もう一つあるぞ。 何だ? 207 00:14:45,063 --> 00:14:47,063 うろちょろするな! 208 00:14:49,063 --> 00:14:52,063 ハァー。 209 00:14:52,063 --> 00:14:55,063 つまんねえなあ。 210 00:14:55,063 --> 00:14:57,063 あっ。 211 00:15:00,063 --> 00:15:03,063 刀の毒か…。 212 00:15:09,063 --> 00:15:11,063 (2人)ヘヘヘッ… バァ。→ 213 00:15:11,063 --> 00:15:14,063 嬢ちゃん。 俺らと遊ばねえかい? 214 00:15:14,063 --> 00:15:17,063 (白兵)おい 邪魔だ。 どくで ござる。 215 00:15:22,063 --> 00:15:27,063 けっ! 邪魔なのは お前の方だ! 216 00:15:27,063 --> 00:15:29,063 (男)うわっ! 217 00:15:29,063 --> 00:15:32,063 うわっ うわっ うわー! 218 00:15:32,063 --> 00:15:35,063 やりやがったな! (男)ぶっ殺してやる! 219 00:15:35,063 --> 00:15:38,063 (2人)うわー! 220 00:15:40,063 --> 00:15:42,063 うわっ! 221 00:15:44,063 --> 00:15:46,063 (2人)うわー。 222 00:15:48,063 --> 00:15:52,063 すげえ。 こんな刀 見たことねえ。 223 00:15:52,063 --> 00:15:55,063 ああ。 お天道様が透けて見えらあ。 224 00:15:55,063 --> 00:15:59,063 (白兵)刀は 見せ物ではない。 斬るものにござる。 225 00:15:59,063 --> 00:16:03,063 (白兵)拙者に ときめいてもらうでござる。 226 00:16:07,063 --> 00:16:11,063 (2人)うっ。 うわっ。 227 00:16:11,063 --> 00:16:15,063 カ… カッコイイ! 228 00:16:15,063 --> 00:16:17,063 うわー。 229 00:16:24,063 --> 00:16:28,063 (迷彩)これが この境内にある 残りの千刀だ。 230 00:16:35,063 --> 00:16:39,063 (黒巫女)うわー! あっ。 ハァー。 231 00:16:39,063 --> 00:16:44,063 (側近たち)あっ! うっ… うっ。 232 00:16:44,063 --> 00:16:47,063 あっ。 (黒巫女)あー! 233 00:16:54,063 --> 00:16:57,063 (黒巫女たちの悲鳴) 234 00:16:57,063 --> 00:17:01,063 うっ… うっ。 あっ! 235 00:17:03,063 --> 00:17:06,063 迷彩殿! (側近たち)迷彩さま! 236 00:17:06,063 --> 00:17:08,063 (迷彩)彼女たちを 連れていけ。 (側近たち)しかし! 237 00:17:08,063 --> 00:17:11,063 (迷彩)わたしのことは 構うな。 (2人)あっ。 238 00:17:11,063 --> 00:17:15,063 ああ…。 あ… ああ。 あー! ああーあー。 239 00:17:15,063 --> 00:17:17,063 迷彩殿! (側近)さあ。 240 00:17:19,063 --> 00:17:23,063 (黒巫女)ああ…。 あ… ああ。 241 00:17:23,063 --> 00:17:25,063 あっ。 242 00:17:33,063 --> 00:17:39,063 (黒巫女の おえつ) 243 00:17:39,063 --> 00:17:42,063 もう大丈夫だよ。 244 00:17:42,063 --> 00:17:44,063 ケガは ないか? 245 00:17:44,063 --> 00:17:47,063 ああ。 それより 早く 傷の手当てを! 246 00:17:47,063 --> 00:17:49,063 (迷彩)大丈夫だ。 あっ。 247 00:17:49,063 --> 00:17:53,063 (迷彩)調べ終えた刀は 机に戻しておいてくれ。 248 00:17:53,063 --> 00:17:58,063 迷彩殿! ありがとう。 249 00:18:10,063 --> 00:18:14,063 《わたしが 最初の 1本を 見つけたら 迷彩は…》 250 00:18:20,113 --> 00:18:23,113 (喰鮫)真庭 蝙蝠 真庭 白鷺→ 251 00:18:23,113 --> 00:18:27,113 2人とも 四季崎 記紀の変体刀の 入手に失敗し→ 252 00:18:27,113 --> 00:18:30,113 返り討ちにされた 可能性がありますね。→ 253 00:18:30,113 --> 00:18:33,113 蝙蝠は すでに 絶刀 鉋を 持っていたのですが→ 254 00:18:33,113 --> 00:18:35,113 どうなったことやら。 255 00:18:35,113 --> 00:18:39,113 気になりますね 気になりますね 気になりますね。→ 256 00:18:39,113 --> 00:18:41,113 そう思いませんか? (船頭・客たち)ひっ! 257 00:18:45,113 --> 00:18:48,113 (喰鮫)おっ 見えてきましたね。 258 00:18:50,113 --> 00:18:53,113 (船頭)だ… だんな。 つ… 着きました。 259 00:18:53,113 --> 00:18:56,113 (一同)うわ…。 (喰鮫)そんなに期待されちゃうと→ 260 00:18:56,113 --> 00:19:00,113 こちらとしては 応えないわけに いかなくなるじゃないですか。 261 00:19:00,113 --> 00:19:02,113 ・ひっ! お… お許しを…。 262 00:19:02,113 --> 00:19:04,113 (喰鮫)忍法渦刀。→ 263 00:19:04,113 --> 00:19:10,113 わたしが 鎖に呪縛の縛と書いて 「鎖縛の喰鮫」と呼ばれる ゆえん。 264 00:19:10,113 --> 00:19:14,113 えっ? お前は 先月登場しておけ? ハハハ…。 265 00:19:14,113 --> 00:19:18,113 面白いこと 言う人たちですね! そういう人たちを斬るのは→ 266 00:19:18,113 --> 00:19:21,113 最高に楽しいですね。 267 00:19:21,113 --> 00:19:24,113 (一同)うわー。 268 00:19:24,113 --> 00:19:27,113 (喰鮫)楽しいですね。 うれしいですねえ。 269 00:19:27,113 --> 00:19:30,113 期待に応えられるということは。 270 00:19:30,113 --> 00:19:34,113 さて 千刀 つるぎの収集に いそしむとしますか。 271 00:19:34,113 --> 00:19:41,113 確か 三途神社でしたっけ? 楽しみですね 楽しみですね。 272 00:19:41,113 --> 00:19:44,113 (あくび) 273 00:19:44,113 --> 00:19:46,113 おっ。 274 00:19:49,113 --> 00:19:51,113 (黒巫女)あっ。 275 00:19:56,113 --> 00:20:00,113 (黒巫女たち)キャー! 276 00:20:13,113 --> 00:20:16,113 んっ? 277 00:20:25,113 --> 00:20:27,113 あっ…。 278 00:20:38,113 --> 00:20:40,113 (側近)七花殿! あっ。 279 00:20:40,113 --> 00:20:44,113 (側近)ありがとうございました。 別に 暇だったから。 280 00:20:44,113 --> 00:20:46,113 (側近)初めてです。 あの子たちが→ 281 00:20:46,113 --> 00:20:49,113 わたしや 迷彩さま以外の者と触れ合うのは。 282 00:20:49,113 --> 00:20:53,113 ふ~ん… あいつらって 迷彩が連れてきたのか? 283 00:20:53,113 --> 00:20:55,113 (側近)いいえ。 ほとんどは→ 284 00:20:55,113 --> 00:20:58,113 前の神主のときから 仕えております。 285 00:20:58,113 --> 00:21:00,113 迷彩さまの噂を聞き→ 286 00:21:00,113 --> 00:21:03,113 わらをもすがる思いで 来た者も 中にはおりますが。 287 00:21:03,113 --> 00:21:05,113 迷彩の噂? 288 00:21:05,113 --> 00:21:11,113 心の傷を 癒やす刀があると。 つるぎのことか? 289 00:21:11,113 --> 00:21:14,113 う~ん。 (側近)何か? 290 00:21:14,113 --> 00:21:16,113 感じないんだよな。 291 00:21:16,113 --> 00:21:19,113 あんたたちの刀が 四季崎のだっていうのさ。 292 00:21:19,113 --> 00:21:22,113 まっ 俺の思い違いかもしれないけどな。 293 00:21:22,113 --> 00:21:25,113 じゃあ ちょっと休むよ。 294 00:21:27,113 --> 00:21:30,113 (迷彩) 四季崎 記紀の刀だと感じない? 295 00:21:30,113 --> 00:21:33,113 (迷彩)面白いことを言う。 296 00:21:33,113 --> 00:21:38,113 あの虚刀流の坊やとは一度 話しておかないとな。 297 00:21:40,113 --> 00:21:43,113 遅いな とがめのやつ。 298 00:21:45,113 --> 00:21:48,113 (迷彩)虚刀流の坊や。 んっ? 299 00:21:48,113 --> 00:21:51,113 やらないかい? 300 00:21:53,113 --> 00:21:55,113 (迷彩)聞いたよ。 うちの巫女たちを→ 301 00:21:55,113 --> 00:21:58,113 手伝ってくれたんだって。 礼を言うぞ。 302 00:21:58,113 --> 00:22:02,113 別に。 それより この神社って どんな神社なんだ? 303 00:22:02,113 --> 00:22:07,113 巫女は 俺を見ると逃げるし 何がなんだか。 304 00:22:07,113 --> 00:22:10,113 へえ お嬢ちゃんは 教えてないんだ。 305 00:22:10,113 --> 00:22:12,113 三途神社の何たるかを。 306 00:22:12,113 --> 00:22:15,113 この神社はね 一言で 言えば→ 307 00:22:15,113 --> 00:22:19,113 駆け込み寺みたいなものなのだよ。駆け込み寺? 308 00:22:19,113 --> 00:22:25,113 縁切り寺とも言うな。 どっちも よく分からん。 309 00:22:25,113 --> 00:22:28,113 ぶっちゃけ黒巫女ってのは どういうやつらなんだ? 310 00:22:28,113 --> 00:22:32,113 どうして あんたは刀を持たずに あいつらに与えてるんだ。 311 00:22:32,113 --> 00:22:35,113 それが 彼女たちにとって 必要なものだからだよ。 312 00:22:35,113 --> 00:22:39,113 いや 必要悪なのかもしれないが。 313 00:22:39,113 --> 00:22:42,113 彼女たちは 皆 被害者なのだよ。 314 00:22:42,113 --> 00:22:48,113 男どもに ひどい目に遭わされて 精神が崩壊してしまったね。 315 00:22:48,113 --> 00:22:51,113 精神が崩壊? 精神だけじゃないさ。 316 00:22:51,113 --> 00:22:56,113 心も体も 限界まで 痛めつけられている。 317 00:22:56,113 --> 00:23:01,113 いや 限界を超えても 痛め続けられ 捨てられるのさ。 318 00:23:01,113 --> 00:23:03,113 ただ単に。 そして→ 319 00:23:03,113 --> 00:23:05,113 捨てられた場所から 拾ってきたのが→ 320 00:23:05,113 --> 00:23:08,113 この神社に仕える 1,000人の巫女たちなのだよ。 321 00:23:08,113 --> 00:23:12,113 これで 君を 怖がる理由も分かっただろう。 322 00:23:12,113 --> 00:23:15,113 彼女たちにとって 男っていうのは それだけで→ 323 00:23:15,113 --> 00:23:18,113 恐怖と忌避の対象だからね。 324 00:23:18,113 --> 00:23:23,113 恐怖と忌避。 男と女か… そういうのは よく分からん。 325 00:23:23,113 --> 00:23:29,113 そうかい。 まあ剣士には 縁のない世界だからね。 326 00:23:29,113 --> 00:23:33,113 でも とがめが うろつくなって 言った理由は 分かったぜ。 327 00:23:33,113 --> 00:23:37,113 うむ。 女性らしい 気遣いといえるだろうな。 328 00:23:37,113 --> 00:23:40,113 ついでに もう一つ 分かったんじゃないかな? 329 00:23:40,113 --> 00:23:44,113 わたしが つるぎを 彼女たちに 持たせている理由。 330 00:23:44,113 --> 00:23:51,113 それは 四季崎 記紀の刀の毒を 薬として使うためだよ。 331 00:23:51,113 --> 00:23:54,113 薬として? 薬も 過ぎれば毒となるよう→ 332 00:23:54,113 --> 00:23:58,113 毒も転ずれば薬になる。 刀の毒は→ 333 00:23:58,113 --> 00:24:00,113 彼女たちの 壊されてしまった心を→ 334 00:24:00,113 --> 00:24:04,113 立て直すには 一役 買ってくれるはずだ。 335 00:24:04,113 --> 00:24:09,113 当然 変体刀に そんな人知を 超えた力が あるのならだけれど。 336 00:24:09,113 --> 00:24:12,113 へえ 四季崎の刀を そんなふうに使ったのは→ 337 00:24:12,113 --> 00:24:16,113 あんたが 初めてだろうよ。 そうだろうな。 338 00:24:16,113 --> 00:24:21,113 殺す つるぎで 生かすとは 誰も考えないだろう。 339 00:24:21,113 --> 00:24:24,113 しかし それなりに 効果はあるようだよ。 340 00:24:24,113 --> 00:24:27,113 7年間 それを見ている身として 言わせてもらえればね。 341 00:24:27,113 --> 00:24:32,113 刀の毒を抜きにしても 刃物という 強さを持つことで→ 342 00:24:32,113 --> 00:24:36,113 女は男と 対等になれるからな。 343 00:24:36,113 --> 00:24:39,113 あの顔面に はってあるお札も そういうもんなのか? 344 00:24:39,113 --> 00:24:42,113 いやいや あれは 単に隠すためのものさ。 345 00:24:42,113 --> 00:24:46,113 彼女たちの中には 罪人として 追われている者も→ 346 00:24:46,113 --> 00:24:49,113 少なくないんでね。 そうなのか。 347 00:24:49,113 --> 00:24:52,113 お嬢ちゃんの言う 裏事情っていうやつさ。 348 00:24:52,113 --> 00:24:55,113 神社だけに はったりが 利いていいだろ。 349 00:24:55,113 --> 00:24:57,113 なるほど。 350 00:24:57,113 --> 00:25:01,113 お札は ただの覆面。 必要なのは 刀だけだ。 351 00:25:01,113 --> 00:25:05,113 心の傷のせいで 眠ることすら ままならない者たちだが→ 352 00:25:05,113 --> 00:25:11,113 それでも つるぎを帯刀することで何とか自我を保っている。 353 00:25:11,113 --> 00:25:17,113 彼女たちにとって 千刀 つるぎは 心のよりどころだ。 354 00:25:17,113 --> 00:25:21,113 だから わたしは つるぎを 失うわけにはいかない。 355 00:25:21,113 --> 00:25:24,113 1人でも 多くの女を助けるために→ 356 00:25:24,113 --> 00:25:27,113 君を倒して 2本の変体刀が手に入れば→ 357 00:25:27,113 --> 00:25:31,113 さらに 2人助けることができる。 358 00:25:31,113 --> 00:25:34,113 だから わたしは 君に勝たなければならない。 359 00:25:34,113 --> 00:25:36,113 うん。 いいんじゃないか? 360 00:25:36,113 --> 00:25:41,113 俺は 俺でちゃんと戦うからさ。 あんたはあんたで ちゃんと戦えよ。 361 00:25:41,113 --> 00:25:43,113 いい勝負になりそうじゃん。 362 00:25:43,113 --> 00:25:48,113 哀れみを誘う作戦 失敗。 363 00:25:48,113 --> 00:25:54,113 飲みたまえよ 大事な話をしよう。 おう。 364 00:25:57,113 --> 00:26:02,113 ブーッ! ゲホッ…。 何だ この苦い水は! 365 00:26:02,113 --> 00:26:05,113 坊や もしかして 下戸かい? 366 00:26:05,113 --> 00:26:08,113 酒だったのか。 酒は 飲んだことがない。 367 00:26:08,113 --> 00:26:10,113 いい酒なんだけどね。 368 00:26:13,113 --> 00:26:15,113 しかし 見てくれに反して→ 369 00:26:15,113 --> 00:26:18,113 ずいぶんと 非情なことを言うね 君は。 370 00:26:18,113 --> 00:26:21,113 まるで 釣れないじゃないか。 371 00:26:21,113 --> 00:26:23,113 俺は 刀だからな。 372 00:26:23,113 --> 00:26:27,113 とがめ以外のためには 心も体も 動かないさ。 373 00:26:27,113 --> 00:26:30,113 つるぎを奪えば 再び心が→ 374 00:26:30,113 --> 00:26:33,113 壊れてしまう女が いるかもしれないが→ 375 00:26:33,113 --> 00:26:35,113 それでもよいのか? 376 00:26:35,113 --> 00:26:37,113 いいも悪いも 仕方ないことだろう。 377 00:26:37,113 --> 00:26:41,113 とがめが つるぎを欲している以上俺には どうしようもないことだ。 378 00:26:41,113 --> 00:26:43,113 あきらめてもらうしかない。 379 00:26:43,113 --> 00:26:50,113 君は 葛藤をしないんだな 決めたら もう迷わないのかな? 380 00:26:50,113 --> 00:26:53,113 しかし それは迷うことに 怠慢なだけではないかな? 381 00:26:53,113 --> 00:26:57,113 選ぶことに 臆病なだけではないのかな? 382 00:26:57,113 --> 00:27:00,113 ただ 面倒がっているだけとか? 383 00:27:00,113 --> 00:27:03,113 俺が 面倒がりなのは 否定しないけどな。 384 00:27:03,113 --> 00:27:07,113 今まで 何人斬った? 2人。 385 00:27:07,113 --> 00:27:12,113 2人か… 君のような人間にしてはずいぶんと少ないな。 386 00:27:12,113 --> 00:27:14,113 無人島育ちの山猿でね。 387 00:27:14,113 --> 00:27:17,113 初めての実践が 2カ月前のことだ。 388 00:27:17,113 --> 00:27:23,113 変体刀を 2本集めるのに2人か。 ああ そういうところだ。 389 00:27:23,113 --> 00:27:25,113 わたしも斬るか。 だろうな。 390 00:27:25,113 --> 00:27:29,113 あんたこそ どうなんだ。 これまで 何人殺している? 391 00:27:29,113 --> 00:27:36,113 数えきれないさ。 ただ確実に 言えるのは43人だ。 392 00:27:36,113 --> 00:27:39,113 43? 何の数字だ。 393 00:27:39,113 --> 00:27:44,113 7年前 山賊を抜けるときに 殺した仲間の数だ。 394 00:27:44,113 --> 00:27:47,113 これだけは どうしたって 忘れようがない。 395 00:27:47,113 --> 00:27:53,113 逆に言えば 覚えているのは その 43人くらいのもの。 396 00:27:53,113 --> 00:27:57,113 人は そんなわたしを 冷酷残忍だと言うだろう。 397 00:27:57,113 --> 00:27:59,113 しかし そんなわたしでも→ 398 00:27:59,113 --> 00:28:02,113 人を 斬るためには 覚悟が必要なのさ。 399 00:28:02,113 --> 00:28:04,113 何か 捨てるものがね。 400 00:28:04,113 --> 00:28:06,113 君には どうやら それがないらしい。 401 00:28:06,113 --> 00:28:09,113 ないだろうな たぶん。 402 00:28:09,113 --> 00:28:11,113 ならば 君は いったい 何のために戦う? 403 00:28:11,113 --> 00:28:16,113 言ったろ とがめのためだ。 俺は あいつにほれてんだよ。 404 00:28:16,113 --> 00:28:18,113 それ以外に 何かあんのか? 405 00:28:18,113 --> 00:28:23,113 揺さぶりをかける作戦も失敗。 やれやれだ。 406 00:28:25,113 --> 00:28:29,113 あっ 違った。 んっ? どうした? 407 00:28:29,113 --> 00:28:36,113 2人じゃなかった 3人だ。 俺は もう1人斬っていたんだった。 408 00:28:36,113 --> 00:28:40,113 俺は 親父を斬り殺している。 409 00:28:42,113 --> 00:28:45,113 あっ…。 ハッ…。 410 00:28:48,113 --> 00:28:52,113 (喰鮫)おやおや。 もう気付かれてしまいましたか。 411 00:28:52,113 --> 00:28:55,113 意外と早かったですね。 あと少しだけ→ 412 00:28:55,113 --> 00:28:59,113 興味深いお話を 聞いて いたかったものですけれどね。→ 413 00:28:59,113 --> 00:29:01,113 しかし まあ おかげさまで→ 414 00:29:01,113 --> 00:29:03,113 だいたいの事情は つかめましたよ。→ 415 00:29:03,113 --> 00:29:07,113 ありがとうございました。 下げた頭が 上がりませんと→ 416 00:29:07,113 --> 00:29:10,113 お礼を 言わなくては ならないのでしょうね。 417 00:29:10,113 --> 00:29:14,113 では高い所から 失礼して 名乗らせていただきますよ。 418 00:29:14,113 --> 00:29:18,113 ああ いいですね 忍ぶことなく 名乗れるというのは→ 419 00:29:18,113 --> 00:29:20,113 いいですね いいですね。 420 00:29:20,113 --> 00:29:23,113 わたしは 真庭忍軍 十二頭領が一人。 421 00:29:23,113 --> 00:29:29,113 真庭 喰鮫と申す者です。 以後 よろしくお見知りおきを。 422 00:29:29,113 --> 00:29:32,113 まにわにか! まっ まにわにですって?  423 00:29:32,113 --> 00:29:34,113 何と いうことでしょう。 424 00:29:34,113 --> 00:29:37,113 めちゃくちゃ イカしてるでは ありませんか! 425 00:29:37,113 --> 00:29:39,113 暗殺専門の忍者である わたしたちに→ 426 00:29:39,113 --> 00:29:42,113 そんな すてきな愛称を 付けてくださるなんて→ 427 00:29:42,113 --> 00:29:45,113 あなたは 何と 良い方なのでしょう! 428 00:29:45,113 --> 00:29:49,113 知り合いか? いや あいつ単体では知らないが→ 429 00:29:49,113 --> 00:29:53,113 刀を 狙っているやつらだ。 (喰鮫)そのとおり。 430 00:29:53,113 --> 00:29:56,113 わたしは お二人の刀を 手に入れるために→ 431 00:29:56,113 --> 00:30:00,113 ここまで参りました。 ああ いいですね いいですね。→ 432 00:30:00,113 --> 00:30:03,113 闘争の空気は いいですね。 433 00:30:03,113 --> 00:30:06,113 忍法渦刀。 434 00:30:06,113 --> 00:30:10,113 忍法渦刀。 わたしが 鎖に呪縛の縛と書いて→ 435 00:30:10,113 --> 00:30:13,113 「鎖縛の喰鮫」と呼ばれる ゆえん。 436 00:30:15,113 --> 00:30:19,113 おや? 「お前は先月登場しとけ」 って 言わないんですね。 437 00:30:19,113 --> 00:30:24,113 まあ そんなこと言ってる 場合でもないですしね。 438 00:30:24,113 --> 00:30:26,113 (迷彩)坊や。 んっ? 439 00:30:26,113 --> 00:30:29,113 (迷彩)わたしは 出雲を 守護する神社のおさとして→ 440 00:30:29,113 --> 00:30:32,113 あの忍者を 捨て置くわけにはいかない。 441 00:30:32,113 --> 00:30:35,113 (迷彩)それに わたしは 虚刀流を知っているのに→ 442 00:30:35,113 --> 00:30:39,113 君が 千刀流を知らないというのは不公平だろう。 443 00:30:39,113 --> 00:30:42,113 何が 言いたい。 444 00:30:42,113 --> 00:30:45,113 では 参りますよ。 445 00:30:47,113 --> 00:30:51,113 ああ いいですね いいですね。 興奮しますね。 446 00:30:51,113 --> 00:30:53,113 くっ…。 447 00:30:59,113 --> 00:31:02,113 えっ? ええっ!? 448 00:31:02,113 --> 00:31:05,113 そういえば あなた おっしゃっていましたね。 449 00:31:05,113 --> 00:31:07,113 敦賀 迷彩さん。 450 00:31:07,113 --> 00:31:09,113 「いったい 何のために戦う?」と。 451 00:31:09,113 --> 00:31:12,113 あえて 答えるなら 金のためですよ。 452 00:31:12,113 --> 00:31:14,113 それ以外に 戦ったことがないことを→ 453 00:31:14,113 --> 00:31:16,113 何よりも誇りにしています。→ 454 00:31:16,113 --> 00:31:18,113 しかしね いちいちそんなことを→ 455 00:31:18,113 --> 00:31:20,113 聞かなければ ならないくらいだったら→ 456 00:31:20,113 --> 00:31:24,113 そもそも あなたは 戦わなければよいのですよ。 457 00:31:24,113 --> 00:31:26,113 「何のために戦う?」→ 458 00:31:26,113 --> 00:31:29,113 そんな 余裕のある言葉 聞きたくもありません。→ 459 00:31:29,113 --> 00:31:32,113 バカバカしいですね。 460 00:31:37,113 --> 00:31:41,113 (喰鮫の叫び声) 461 00:31:47,113 --> 00:31:49,113 虚刀流の 坊や→ 462 00:31:49,113 --> 00:31:53,113 この死体の始末を 手伝ってくれるかい? 463 00:31:57,113 --> 00:32:01,113 遅い遅い! 遅い! わたしが このだだっ広い神社を→ 464 00:32:01,113 --> 00:32:04,113 西へ 東へ 南へ 北へと 身を削って走り回っておる間→ 465 00:32:04,113 --> 00:32:06,113 よく 悠々と 寝ていられるものだな! 466 00:32:06,113 --> 00:32:09,113 まにわにが現れた。 あっ…。 467 00:32:09,113 --> 00:32:12,113 いつまた まにわにが現れるか 分からない。 468 00:32:12,113 --> 00:32:16,113 だから あしたからは とがめの刀として行動を共にする。 469 00:32:16,113 --> 00:32:18,113 いらん心配だ。 でもよぉ。 470 00:32:18,113 --> 00:32:21,113 最初の1本だ。 471 00:32:21,113 --> 00:32:25,113 しょせんは さやに付いた傷 程度の話。 472 00:32:25,113 --> 00:32:28,113 さすがに 確実な保証までは できないが。 473 00:32:28,113 --> 00:32:32,113 この さやの傷が最も古く 最も深かった。 474 00:32:32,113 --> 00:32:36,113 故に おそらく この刀がそうであろう。 475 00:32:36,113 --> 00:32:40,113 (迷彩)なるほど さやとは 盲点だったな。 476 00:32:40,113 --> 00:32:46,113 ありがとう うれしいよ。 あっ それでいいのか? 477 00:32:46,113 --> 00:32:49,113 ああ お嬢ちゃんが 「最初の1本」と 言うのなら→ 478 00:32:49,113 --> 00:32:51,113 そうなのだろう。 479 00:32:53,113 --> 00:32:56,113 では あした。 正午きっかりに。 480 00:32:56,113 --> 00:33:00,113 どうだ 気付けに一杯やらないか?いいな。 481 00:33:04,163 --> 00:33:06,163 (迷彩)虚刀流の坊や。→ 482 00:33:06,163 --> 00:33:08,163 さっさと始めて さっさと終わらそうではないか。 483 00:33:08,163 --> 00:33:12,163 命を懸けた勝負を前に ずいぶんと気楽に言ってくれるぜ。 484 00:33:12,163 --> 00:33:15,163 そういうのは 俺の領分のはずなんだけどな。 485 00:33:15,163 --> 00:33:18,163 一応 降参も ありということにしておくか。→ 486 00:33:18,163 --> 00:33:21,163 勝てないと感じたら いつでも言っておくれ。 487 00:33:21,163 --> 00:33:23,163 そうかい。 488 00:33:25,163 --> 00:33:27,163 虚刀流を 見せてもらおうか。 489 00:33:27,163 --> 00:33:32,163 ああ。 あんたの自慢の千刀流を とっくりと見せてもらうぜ。 490 00:33:32,163 --> 00:33:37,163 自慢? わたしは千刀流を 自慢に思ってなどないよ。 491 00:33:37,163 --> 00:33:41,163 こんなもの ただの剣技だろう。 492 00:33:41,163 --> 00:33:44,163 じゃあ始めようか。 493 00:33:44,163 --> 00:33:49,163 そうだな。 ご託を並べていても始まらない。 494 00:33:49,163 --> 00:34:08,163 ・~ 495 00:34:08,163 --> 00:34:10,163 ・~ 496 00:34:10,163 --> 00:34:14,163 いざ 尋常に始め! 497 00:34:15,163 --> 00:34:18,163 えっ? 498 00:34:18,163 --> 00:34:21,163 えっ!? 499 00:34:21,163 --> 00:34:23,163 あっ ちょっと…。 500 00:34:40,163 --> 00:34:44,163 何ーっ! 一刀 一文字斬り! 501 00:34:53,163 --> 00:34:55,163 えっ? 502 00:34:55,163 --> 00:34:57,163 どこから刀を…。 503 00:35:06,163 --> 00:35:08,163 あっ。 504 00:35:13,163 --> 00:35:15,163 最初の1本探し。  505 00:35:15,163 --> 00:35:20,163 あれは この仕掛けのための 時間稼ぎだったのか。 506 00:35:20,163 --> 00:35:22,163 これが千刀流か。 507 00:35:22,163 --> 00:35:25,163 (迷彩)そのとおりだよ。 虚刀流の坊や。→ 508 00:35:25,163 --> 00:35:29,163 相手の刀を 自分の刀に するだけじゃない。→ 509 00:35:29,163 --> 00:35:34,163 戦場にある全ての刀を 自分の刀とするから千刀流なんだ。 510 00:35:34,163 --> 00:35:38,163 これぞ 千刀 つるぎとの共同合作。→ 511 00:35:38,163 --> 00:35:40,163 比形効果千刀巡り! 512 00:35:42,163 --> 00:35:44,163 どこへ行ったのだ。 513 00:35:44,163 --> 00:35:48,163 決闘の様子を見なければ 報告が書けないではないか。 514 00:35:48,163 --> 00:35:52,163 (迷彩)この千刀巡りに虚刀流では 対抗できないだろう。→ 515 00:35:52,163 --> 00:35:56,163 どうするね? 降参も ありという取り決めだった。→ 516 00:35:56,163 --> 00:36:00,163 参ったと言うならば それを受け入れる準備が あるよ。 517 00:36:00,163 --> 00:36:03,163 よほど 千刀流を 信じてるってことか。 518 00:36:03,163 --> 00:36:05,163 信じる?→ 519 00:36:05,163 --> 00:36:08,163 ああ信じていたさ。 心の底からね。→ 520 00:36:08,163 --> 00:36:11,163 わたしの全てだったんだ。→ 521 00:36:11,163 --> 00:36:14,163 あの大乱までは。 大乱? 522 00:36:14,163 --> 00:36:18,163 (迷彩)20年前 奥州の顔役 飛騨 鷹比等が→ 523 00:36:18,163 --> 00:36:22,163 起こした反乱のことさ。→ 524 00:36:22,163 --> 00:36:27,163 わたしの父は 出雲の地を 守護していた護神三連隊の→ 525 00:36:27,163 --> 00:36:30,163 二番隊隊長であると同時に→ 526 00:36:30,163 --> 00:36:34,163 古くから伝わる剣道場の 道場主だった。→ 527 00:36:34,163 --> 00:36:40,163 そこで千刀流を教えていたのだ。 わたしは その跡取り娘だった。→ 528 00:36:40,163 --> 00:36:42,163 だから 物心ついたころから→ 529 00:36:42,163 --> 00:36:46,163 千刀流を 絶対の護身術だと 信じて疑わなかった。 530 00:36:48,163 --> 00:36:50,163 (迷彩)けれど 千刀流は 大乱の最中には→ 531 00:36:50,163 --> 00:36:52,163 まるで 役に立たなかった。→ 532 00:36:52,163 --> 00:36:58,163 父は死に 門弟たちも 一人残らず 討ち死んだ。→ 533 00:36:58,163 --> 00:37:01,163 生き残ったのは 戦場に 出なかった わたしだけだった。→ 534 00:37:01,163 --> 00:37:08,163 わたしは 大乱で全てを失った。 家も家族も信念すらも。→ 535 00:37:08,163 --> 00:37:10,163 気が付くと わたしは→ 536 00:37:10,163 --> 00:37:14,163 千刀流を 殺すための道具として 使っていた。→ 537 00:37:14,163 --> 00:37:18,163 やがて 出雲で一番 規模の 大きかった山賊衆に参入した。→ 538 00:37:18,163 --> 00:37:23,163 その頭目が 千刀 つるぎを持っていたのさ。 539 00:37:25,163 --> 00:37:30,163 (迷彩)千刀流とは 「自ら武装しない絶対の護身術」→ 540 00:37:30,163 --> 00:37:35,163 それは 「刀は消耗品である」という考えに基づいている。→ 541 00:37:35,163 --> 00:37:37,163 つるぎと同じ主題だ。→ 542 00:37:37,163 --> 00:37:40,163 自分の元に この刀が来たのは 偶然ではない。→ 543 00:37:40,163 --> 00:37:42,163 運命だと感じたよ。 544 00:37:44,163 --> 00:37:49,163 (迷彩)いつの間にか わたしは 山賊の頭目に なっていた。→ 545 00:37:49,163 --> 00:37:57,163 そこから先は 語る価値もない。 ただ戦い ただ殺す日々だった。→ 546 00:37:57,163 --> 00:38:00,163 何のために戦うのか?→ 547 00:38:00,163 --> 00:38:04,163 そんなことを考える余裕すら なかった。→ 548 00:38:04,163 --> 00:38:09,163 そんな わたしが 生まれて初めて その疑問に ぶつかったのは→ 549 00:38:09,163 --> 00:38:14,163 当時 神主だった 敦賀 迷彩に会ったときだ。→ 550 00:38:14,163 --> 00:38:17,163 三途神社のことは 以前から知っていた。→ 551 00:38:17,163 --> 00:38:21,163 弱き女たちにとっての 療養所だと。→ 552 00:38:21,163 --> 00:38:25,163 ならば なぜ わたしを 救ってくれなかったのか!→ 553 00:38:25,163 --> 00:38:29,163 誰でも救ってくれるから 神様というんじゃないのか。 554 00:38:29,163 --> 00:38:47,163 ・~ 555 00:38:47,163 --> 00:38:49,163 あっ。 556 00:38:49,163 --> 00:38:52,163 (迷彩) 当時の 敦賀 迷彩は言った。→ 557 00:38:52,163 --> 00:38:55,163 「どうか あの子たちのことは 許してあげてください」→ 558 00:38:55,163 --> 00:39:02,163 「あの子たちは悪くないんです」 それが最期の言葉だった。→ 559 00:39:02,163 --> 00:39:06,163 死ぬ間際に そんなことを 言った人間は 初めてだった。→ 560 00:39:06,163 --> 00:39:09,163 だから こう考えてしまった。→ 561 00:39:09,163 --> 00:39:15,163 何のために 戦うのか。 何のために 生きるのか。 562 00:39:17,163 --> 00:39:21,163 (迷彩)山賊の根城に戻った わたしは 仲間を斬った。→ 563 00:39:21,163 --> 00:39:25,163 43人の仲間を 一人残らず。→ 564 00:39:25,163 --> 00:39:30,163 そして わたしは 敦賀 迷彩の 遺志を受け継いだのだ。→ 565 00:39:30,163 --> 00:39:34,163 以来 わたしは あの子たちのために戦っている。→ 566 00:39:34,163 --> 00:39:37,163 だから わたしは 負けるわけにはいかない。→ 567 00:39:37,163 --> 00:39:39,163 あの子たちのためにも。 568 00:39:45,163 --> 00:39:49,163 (迷彩)話は ここまでだ。 さあ どうするね。→ 569 00:39:49,163 --> 00:39:54,163 無駄な抵抗は よして 負けを認めてしまえば よい。→ 570 00:39:54,163 --> 00:40:00,163 虚刀流は 千刀流に及ばなかった。 ただ それだけのことなのだから。 571 00:40:00,163 --> 00:40:05,163 たっ…。 ハァー フゥー。 572 00:40:07,163 --> 00:40:09,163 俺 獣の肉を食うんだよな。 573 00:40:09,163 --> 00:40:13,163 えっ? それが どうした?→ 574 00:40:13,163 --> 00:40:17,163 肉食らいなど 武芸者の間では 珍しくもない。 575 00:40:17,163 --> 00:40:22,163 獣ってよ 素早くて 簡単には捕まえられねえんだ。 576 00:40:22,163 --> 00:40:26,163 どうしても 食いたいときには わなを仕掛けなきゃ。 577 00:40:26,163 --> 00:40:28,163 でも 俺はバカだから→ 578 00:40:28,163 --> 00:40:31,163 うちの すぐそばに わなを仕掛けちゃったんだ。 579 00:40:31,163 --> 00:40:33,163 それに 姉ちゃんが 掛かっちまってさ。 580 00:40:33,163 --> 00:40:36,163 あんときは大変だった。 581 00:40:36,163 --> 00:40:39,163 要は 獲物に対する わななんだから→ 582 00:40:39,163 --> 00:40:41,163 自分のうちの周りに→ 583 00:40:41,163 --> 00:40:43,163 わなを仕掛けちゃ いけねえってことだ。 584 00:40:43,163 --> 00:40:48,163 いったい 何を言ってるんだい? 降参しないと言うのなら もう。 585 00:40:48,163 --> 00:40:50,163 1つだけ思い付いた。 586 00:40:50,163 --> 00:40:55,163 ずっと 考えてたんだよ。 この千刀巡りを脱する方法を。 587 00:40:55,163 --> 00:40:59,163 ないよ そんなものは。 千刀巡りは無敵だ。→ 588 00:40:59,163 --> 00:41:02,163 千刀流は 絶対の護身術だ。 589 00:41:02,163 --> 00:41:06,163 虚刀流が 本当に 千刀流に劣るのか。 590 00:41:06,163 --> 00:41:08,163 試してみるんだよ! 591 00:41:08,163 --> 00:41:10,163 なっ まさか! 592 00:41:10,163 --> 00:41:25,163 ・~ 593 00:41:25,163 --> 00:41:30,163 さすがに ここには 仕掛けられないよな。 594 00:41:30,163 --> 00:41:32,163 俺は ともかく→ 595 00:41:32,163 --> 00:41:35,163 とがめを警戒しないわけには いかないもんな。 596 00:41:40,163 --> 00:41:42,163 あっ。 597 00:41:46,163 --> 00:41:50,163 千刀を入手したとしても 尾張まで運ぶ手段を→ 598 00:41:50,163 --> 00:41:54,163 君たちは まだ 思い付いて いないのでは ないかな。→ 599 00:41:54,163 --> 00:41:57,163 もしも わたしが勝負に負けたら→ 600 00:41:57,163 --> 00:42:01,163 巫女たち全員で協力し 尾張まで 届けるように指示してある。 601 00:42:01,163 --> 00:42:05,163 何だよ それ。 その代わりと言っては 何だが→ 602 00:42:05,163 --> 00:42:07,163 彼女たちと 三途神社の行く末を→ 603 00:42:07,163 --> 00:42:10,163 幕府で保証してくれるよう お願いしたい。 604 00:42:10,163 --> 00:42:15,163 おい あんた それは…。 わたしの跡継ぎは 分かるよな?→ 605 00:42:15,163 --> 00:42:19,163 ただ あの子も まだ 万全に回復したわけではない。→ 606 00:42:19,163 --> 00:42:23,163 誰か人の心に関する教養と 優しさを持つ人間を→ 607 00:42:23,163 --> 00:42:26,163 幕府から派遣してくれ。→ 608 00:42:26,163 --> 00:42:29,163 ちみもうりょうのすむ 幕府といえど→ 609 00:42:29,163 --> 00:42:31,163 1人くらいは 心当たりがあるだろう。 610 00:42:31,163 --> 00:42:36,163 負けを認めるってことか。 いや。 言ったろう? 611 00:42:36,163 --> 00:42:38,163 わたしは 負けるわけには いかないと。 612 00:42:38,163 --> 00:42:42,163 あの子たちを守るためにね。 613 00:42:42,163 --> 00:42:45,163 ただ 矛盾したことを 言うようだけど→ 614 00:42:45,163 --> 00:42:50,163 この勝負 負けてもいいと 思っていたんだ。 615 00:42:50,163 --> 00:42:54,163 刀の毒でもって 彼女たちを 助けるなんて間違っている。 616 00:42:54,163 --> 00:42:57,163 わたしは 常に そう考えていた。 617 00:42:57,163 --> 00:43:00,163 刀は 薬として作用しているが→ 618 00:43:00,163 --> 00:43:02,163 それで 手放せなくなってしまうんじゃ→ 619 00:43:02,163 --> 00:43:05,163 やっぱり 薬じゃなくて 毒だ。 620 00:43:05,163 --> 00:43:07,163 だから 待っていたんだよ。 621 00:43:07,163 --> 00:43:11,163 わたしの くだらない 思惑を打ち砕いてくれる→ 622 00:43:11,163 --> 00:43:14,163 君たちのような 人間が来るのをね。 623 00:43:14,163 --> 00:43:19,163 むろん まだ 負けは認めてないが。 624 00:43:21,163 --> 00:43:23,163 あっ。 625 00:43:31,163 --> 00:43:33,163 あっ。 626 00:43:36,163 --> 00:43:39,163 それが 千刀 つるぎの 最初の1本だ。 627 00:43:39,163 --> 00:43:41,163 あっ なぜ 分かる? 628 00:43:41,163 --> 00:43:46,163 とがめが言ってた。 「刀には 魂が宿る」って。 629 00:43:46,163 --> 00:43:51,163 刀は 持ち主を選ぶ。 ただし 斬る相手は選ばない。 630 00:43:51,163 --> 00:43:56,163 千刀つるぎは あんたを選んだ。 俺が とがめを選んだようにな。 631 00:43:56,163 --> 00:43:58,163 いかにも。 632 00:44:03,163 --> 00:44:07,163 虚刀流 七代目当主 鑢 七花だ。 来いよ。 633 00:44:07,163 --> 00:44:11,163 出雲大山三途神社 いや…。 634 00:44:11,163 --> 00:44:14,163 千刀流 十二代目当主 敦賀 迷彩だ。 635 00:44:14,163 --> 00:44:18,163 行くさ。 千刀流の千の奥義を見せてやる。 636 00:44:18,163 --> 00:44:21,163 ああ。 ただし そのころには→ 637 00:44:21,163 --> 00:44:24,163 あんたは 八つ裂きに なっているだろうけどな。 638 00:44:28,163 --> 00:44:30,163 ふっ! 639 00:44:35,163 --> 00:44:39,163 空中一刀 億文字斬り! 640 00:44:39,163 --> 00:44:43,163 虚刀流 鏡花水月。 641 00:44:52,163 --> 00:44:57,163 (雨音) 642 00:45:01,163 --> 00:45:03,163 あっ。 643 00:45:13,163 --> 00:45:16,163 んっ? とがめ 勝ったぞ。 644 00:45:16,163 --> 00:45:20,163 見てのとおりだ。 誤審の生じる余地は ねえよな。 645 00:45:20,163 --> 00:45:22,163 ああ。 646 00:45:26,163 --> 00:45:28,163 七花 何も…。 647 00:45:28,163 --> 00:45:31,163 んっ? どうした? 648 00:45:36,163 --> 00:45:38,163 でかしたぞ。 649 00:45:47,163 --> 00:45:51,163 (側近)やはり こうなりましたか。 650 00:45:54,163 --> 00:45:57,163 1,000人の巫女と 三途神社の行く末は→ 651 00:45:57,163 --> 00:46:00,163 必ず 幕府が保証しよう。 652 00:46:00,163 --> 00:46:02,163 (側近)ありがとうございます。 653 00:46:02,163 --> 00:46:07,163 これからどうなるんだろうな この神社。 654 00:46:07,163 --> 00:46:10,163 刀がないんだから 武装神社じゃいられないだろう。 655 00:46:10,163 --> 00:46:15,163 確かに。 しかし それは 刀によって 変わっていたものが→ 656 00:46:15,163 --> 00:46:17,163 元に戻るだけの話だ。 657 00:46:17,163 --> 00:46:20,163 だったら 迷彩も最初から そうすればよかったのにな。 658 00:46:20,163 --> 00:46:24,163 迷彩は 変体刀の所有者だった。 659 00:46:24,163 --> 00:46:28,163 四季崎の刀の毒と 無縁ではなかったはず。 660 00:46:28,163 --> 00:46:32,163 奪われでもせんかぎり 手放せなかったろうよ。 661 00:46:32,163 --> 00:46:34,163 ふ~ん。 あんたはどうなんだ? 662 00:46:34,163 --> 00:46:36,163 んっ? 俺が負けてたら→ 663 00:46:36,163 --> 00:46:40,163 約束どおり あいつに 鉋と鈍を 渡していたのか? 664 00:46:40,163 --> 00:46:42,163 うっ…。 665 00:46:44,163 --> 00:46:46,163 んっ? ごにょごにょ…。 666 00:46:46,163 --> 00:46:49,163 ごにょごにょ? いや その…。 667 00:46:49,163 --> 00:46:54,163 わたしは そなたが負けることなどあり得んと! だから…。 668 00:46:54,163 --> 00:46:56,163 はいはい。 669 00:46:59,163 --> 00:47:03,163 この階段とも おさらばか。 名残惜しいぜ。 670 00:47:03,163 --> 00:47:08,163 神社でなく階段が名残惜しいのか。おかしなやつだな。 671 00:47:08,163 --> 00:47:11,163 いや。 とがめをこんなふうに 抱っこする機会なんて→ 672 00:47:11,163 --> 00:47:14,163 もう ないだろうからさ。 673 00:47:14,163 --> 00:47:16,163 ちぇりお! 674 00:47:16,163 --> 00:47:18,163 えっ? 675 00:47:18,163 --> 00:47:20,163 うっ! あっ! 676 00:47:20,163 --> 00:47:25,163 うわーっ! わー! 677 00:47:25,163 --> 00:47:27,163 <このときは まだ 行く末に→ 678 00:47:27,163 --> 00:47:33,163 日本最強の剣士 薄刀 針 の所有者 錆 白兵が 待ち構えているなど→ 679 00:47:33,163 --> 00:47:36,163 夢にも思っておりませんでした> 680 00:47:36,163 --> 00:47:41,163 <錆 白兵と七花の一騎打ち。 どうなることやら> 681 00:47:41,163 --> 00:47:45,163 <『刀語』 今月 こよいの お楽しみは→ 682 00:47:45,163 --> 00:47:47,163 ここまでに ございます> 683 00:47:50,163 --> 00:48:00,163 ・~