1 00:02:12,385 --> 00:02:17,390 <虚刀流 七代目 当主 鑢 七花> 2 00:02:17,390 --> 00:02:19,392 <尾張幕府 家鳴将軍 直轄→ 3 00:02:19,392 --> 00:02:25,398 預奉所 軍所 総監督 奇策士 とがめ> 4 00:02:25,398 --> 00:02:28,401 <四季崎 記紀の 完成形 変体刀を追う→ 5 00:02:28,401 --> 00:02:31,401 2人の旅が始まりました> 6 00:02:33,406 --> 00:02:39,412 <天下を統べるほどの力を 持つといわれる その12本の刀> 7 00:02:39,412 --> 00:02:44,417 <真庭 蝙蝠が所持していた 絶刀・鉋を手に入れた2人は→ 8 00:02:44,417 --> 00:02:49,422 旅支度のために まず 京の町を訪れたのでございます> 9 00:02:49,422 --> 00:02:51,424 (七花)ああ…。 10 00:02:51,424 --> 00:02:54,427 (とがめ)見慣れない光景に 驚いたか? 11 00:02:54,427 --> 00:02:57,430 (七花)ああ 人間だらけだな。 12 00:02:57,430 --> 00:02:59,432 こんなに多いと 区別できない。 13 00:02:59,432 --> 00:03:02,369 区別など せんでもよい。 そうなのか? 14 00:03:02,369 --> 00:03:05,372 そうだ。 いちいち 目につく人間を→ 15 00:03:05,372 --> 00:03:08,375 全て気にしていたら 頭が変になるぞ。 16 00:03:08,375 --> 00:03:10,377 俺は すでに おかしくなりそうだよ とがめ。 17 00:03:10,377 --> 00:03:13,380 (娘)ん? こら わたしは こっちだ。 18 00:03:13,380 --> 00:03:16,383 おお 同じような背丈だと いよいよ 分からん。 19 00:03:16,383 --> 00:03:19,386 ひどいにも程があるな。 (娘)あの…。 20 00:03:19,386 --> 00:03:22,389 何? あなた 寒くないんですか? 21 00:03:22,389 --> 00:03:25,392 (くしゃみ) (男)ああ…。 22 00:03:25,392 --> 00:03:28,395 いや。 ああ こいつのことは 気にするな。 23 00:03:28,395 --> 00:03:34,401 熊か 何かの仲間だと思ってくれ。 (娘)はっ はあ…。 24 00:03:34,401 --> 00:03:37,404 何か変なのか? 何が変といえば→ 25 00:03:37,404 --> 00:03:40,407 そなたの何もかもがと 言わなければならないが。 26 00:03:40,407 --> 00:03:42,409 んっ? 27 00:03:42,409 --> 00:03:45,412 確かに そんな格好ではな。 28 00:03:45,412 --> 00:03:49,416 どれも嫌だ。 人の厚意を無にするやつだな。 29 00:03:49,416 --> 00:03:52,419 そもそも こんなものは 俺に必要ない。 30 00:03:52,419 --> 00:03:55,422 動きにくくなる。 それ以前に 裸だと→ 31 00:03:55,422 --> 00:03:57,657 さっきのような 奇異な目で見られるのだ。 32 00:03:57,657 --> 00:03:59,426 俺は 別に構わん。 33 00:03:59,426 --> 00:04:01,444 わたしが困る。 34 00:04:01,444 --> 00:04:05,365 冬の寒空の下に 裸の若い男を連れ歩く。 35 00:04:05,365 --> 00:04:07,367 そんな女を 人は どう思うだろうか。 36 00:04:07,367 --> 00:04:11,371 どう思うんだ? 異常な性癖の持ち主として→ 37 00:04:11,371 --> 00:04:13,373 わたしは 行く先々で迫害を受け→ 38 00:04:13,373 --> 00:04:15,375 石つぶてを ぶつけられるだろうな。 39 00:04:15,375 --> 00:04:17,377 それは 困るな。 40 00:04:17,377 --> 00:04:20,380 そう思うなら 着物を着ろ。 41 00:04:20,380 --> 00:04:22,382 本土ってのは 色々 面倒なんだな。 42 00:04:22,382 --> 00:04:25,385 そういう しがらみの中で みんな 生きておる。 43 00:04:25,385 --> 00:04:27,387 (店主)お決まりに なられましたか? 44 00:04:27,387 --> 00:04:30,390 うむ。 これと これと それと あれと あれを くれ。 45 00:04:30,390 --> 00:04:34,394 (店主)わっ! そんなに。 俺は そんなに いらないぞ。 46 00:04:34,394 --> 00:04:36,396 わたしのだ。 47 00:04:36,396 --> 00:04:39,399 あんた 服だったら もう たくさん着ているだろう。 48 00:04:39,399 --> 00:04:42,402 女子のおしゃれ心を分かれ。 分かんねえな。 49 00:04:42,402 --> 00:04:45,405 分からんのは そなただ。 50 00:04:45,405 --> 00:04:48,408 何だ その着こなしは。 裸じゃないから いいだろ? 51 00:04:48,408 --> 00:04:50,410 斬新といえば 斬新で→ 52 00:04:50,410 --> 00:04:54,414 この冬一番の挑戦的な おしゃれと いえるかもしれんが→ 53 00:04:54,414 --> 00:04:56,416 わたしは 好きではないな。 54 00:04:56,416 --> 00:05:00,420 好きとか嫌いとか それこそ よく分からねえ。 55 00:05:00,420 --> 00:05:02,355 (七花・とがめ)んっ? 56 00:05:02,355 --> 00:05:05,358 (男)フッ…。 何? 57 00:05:05,358 --> 00:05:08,361 ああ こういう やからが たまにいるのだ。 58 00:05:08,361 --> 00:05:11,364 どうすればいい? わたしを守れ。 59 00:05:11,364 --> 00:05:14,367 了解。 俺は あんたを守ろう。 60 00:05:14,367 --> 00:05:17,370 (男)奇麗な おべべを 着ちゃって まあ。 61 00:05:17,370 --> 00:05:21,374 死にたくなければ どうすればいいか分かるよな? 62 00:05:21,374 --> 00:05:25,378 わたしは 何も渡す気はないぞ。 ああ? 63 00:05:25,378 --> 00:05:29,382 それに お前たち 死にたくなかったら 刀は 抜くな。 64 00:05:29,382 --> 00:05:32,385 ああ? 何 言ってやが…。 65 00:05:32,385 --> 00:05:34,387 ああ…。 66 00:05:34,387 --> 00:05:38,387 だから 刀を抜くなと。 野郎! 67 00:05:40,393 --> 00:05:43,396 んっ? あっ…。 68 00:05:43,396 --> 00:05:47,067 剣筋が もう少し ましだったら お前たち 死んでいたぞ。 69 00:05:47,067 --> 00:05:49,302 (男たち)えっ…。 70 00:05:49,302 --> 00:05:51,304 虚刀流 奥義…。 (男たち)あっ…。 71 00:05:51,304 --> 00:05:54,307 待て 待て。 何 とどめを刺そうとしておるのだ。 72 00:05:54,307 --> 00:05:58,311 しては 駄目なのか? しては 駄目だ。 73 00:05:58,311 --> 00:06:03,249 よかったな わたしが止めなければ本当に殺されていたぞ。 74 00:06:03,249 --> 00:06:05,251 面倒だ。 75 00:06:05,251 --> 00:06:09,255 <人を知らぬ男と 心をなくした女> 76 00:06:09,255 --> 00:06:14,260 <前途多難な 旅の幕開けでした> 77 00:06:14,260 --> 00:06:24,260 ♪♪~ 78 00:09:55,548 --> 00:10:00,553 <四季崎 記紀の変体刀を求める 旅も あれから1カ月> 79 00:10:00,553 --> 00:10:02,555 <2本目の刀を求め→ 80 00:10:02,555 --> 00:10:06,559 とがめと 七花は 因幡を目指しておりました> 81 00:10:06,559 --> 00:10:10,563 んっ… あまり強くするな。 82 00:10:10,563 --> 00:10:12,563 加減が分からん。 83 00:10:18,571 --> 00:10:21,574 なあ これ まだ続けなきゃならないのか? 84 00:10:21,574 --> 00:10:24,577 そなたが わたしを しっかと 認識できるようになるまでだ。 85 00:10:24,577 --> 00:10:26,579 うーん。 86 00:10:26,579 --> 00:10:28,581 いつまでも 他人の判別がつかない→ 87 00:10:28,581 --> 00:10:31,584 びっくり人間のままでは困る。 確かに。 88 00:10:31,584 --> 00:10:34,587 ちゃっ ちゃめっ気で 声を掛けた際に→ 89 00:10:34,587 --> 00:10:37,590 刺客と間違われて 殺されては かなわんからな。 90 00:10:37,590 --> 00:10:40,593 それは そうだ。 だから こうして 俺は→ 91 00:10:40,593 --> 00:10:43,596 しっかと お前の色や においを 覚えようとしている。 92 00:10:43,596 --> 00:10:47,600 バカ かむのは なしだぞ。 かんだら傷むからな。 93 00:10:47,600 --> 00:10:49,619 なめるのは? なめるのは いい。 94 00:10:49,619 --> 00:10:52,538 むしろ なめて 味も覚えておけ。 95 00:10:52,538 --> 00:10:56,542 けれど あんまり身をよじるな。 頭皮が引っ張られるのは 痛い。 96 00:10:56,542 --> 00:10:59,545 そりゃそうだ。 97 00:10:59,545 --> 00:11:02,548 《教育とは こっけいなものだ》 98 00:11:02,548 --> 00:11:05,551 それは ともかく あしたは 因幡だ。 99 00:11:05,551 --> 00:11:10,556 おう 因幡の… えっと 何だっけ? 100 00:11:10,556 --> 00:11:14,560 下酷城。 収集対象は 斬刀・鈍だ。 101 00:11:14,560 --> 00:11:18,564 弱そうな名前だな。 それは 四季崎なりの皮肉だ。 102 00:11:18,564 --> 00:11:22,568 この斬刀は 比類なき切れ味が特性だ。 103 00:11:22,568 --> 00:11:27,573 どんなものでも 抵抗なく 一刀両断してしまう… らしいぞ。 104 00:11:27,573 --> 00:11:29,242 ふーん。 105 00:11:29,242 --> 00:11:31,477 んっ? そうすると その斬刀で→ 106 00:11:31,477 --> 00:11:35,481 頑丈な絶刀を斬ろうとした場合 どうなるんだ? 107 00:11:35,481 --> 00:11:39,485 試してみんと分からんが おそらくは 完成度の低い方が→ 108 00:11:39,485 --> 00:11:42,488 矛盾なく 負けることになるのだろう。 109 00:11:42,488 --> 00:11:45,491 作られたのは 斬刀の方が後になるはずだから→ 110 00:11:45,491 --> 00:11:48,494 絶刀が斬られるのかもしれん。 111 00:11:48,494 --> 00:11:51,431 2本目に鈍を選んだのには 理由がある。 112 00:11:51,431 --> 00:11:54,434 んっ? 今回の相手は 剣士だ。 113 00:11:54,434 --> 00:11:57,437 剣士ならば 忍者よりも やりやすい。 114 00:11:57,437 --> 00:12:01,441 宇練 銀閣という 浪人ということになるのかな? 115 00:12:01,441 --> 00:12:04,444 それとも あるいは 城主なのか。 はあ? 116 00:12:04,444 --> 00:12:06,446 かつて 旧将軍が→ 117 00:12:06,446 --> 00:12:09,449 刀狩令を出した段階での 所有者は→ 118 00:12:09,449 --> 00:12:13,453 鳥取藩主に仕えた武士 宇練 金閣。 119 00:12:13,453 --> 00:12:18,458 武士として あるまじきことだが 金閣は 斬刀の提出を拒んだ。 120 00:12:18,458 --> 00:12:22,462 あくまでも われの物なりと。 はあ~。 121 00:12:22,462 --> 00:12:26,466 その際 斬刀で撃退した 旧将軍の兵団は→ 122 00:12:26,466 --> 00:12:30,470 合わせて1万を超えたという。 1万!? 123 00:12:30,470 --> 00:12:32,472 現所有者 宇練 銀閣は→ 124 00:12:32,472 --> 00:12:35,475 十代目の子孫に当たると 聞いている。 125 00:12:35,475 --> 00:12:37,477 (白鷺)ックックック→ 126 00:12:37,477 --> 00:12:39,479 よどけだ話いしかず恥→ 127 00:12:39,479 --> 00:12:42,482 ものてっる入 らかますふ と々堂 が者忍→ 128 00:12:42,482 --> 00:12:45,485 かえね方仕 は合場のこ あま→ 129 00:12:45,485 --> 00:12:48,488 ぜうらもてせら乗名 だ鷺白 庭真→ 130 00:12:48,488 --> 00:12:52,425 人一が領頭二十 軍忍庭真 は俺→ 131 00:12:52,425 --> 00:12:58,431 などけだんうつっ 「鷺白のり喋さ逆」 称通→ 132 00:12:58,431 --> 00:13:02,435 ックックック 鈍・刀斬 刀いしろそっお→ 133 00:13:02,435 --> 00:13:06,439 のみ込れ触 ういといな はのもいなきで断両刀一→ 134 00:13:06,439 --> 00:13:08,441 よれく れそ→ 135 00:13:08,441 --> 00:13:10,443 かえねゃじうまちっなくし寂→ 136 00:13:10,443 --> 00:13:12,445 よえねゃじんすトカシ いおいお→ 137 00:13:12,445 --> 00:13:16,449 かのいた見を法忍の俺になんそ たんあ もとれそ→ 138 00:13:16,449 --> 00:13:18,451 ぜだんえねゃじんもるれ見 になんそ→ 139 00:13:18,451 --> 00:13:23,456 はし探鱗逆法忍の鷺白 庭真 えねたっ参。 140 00:13:23,456 --> 00:13:25,458 (刀のつばが鳴る音) (白鷺)んっ? 141 00:13:25,458 --> 00:13:30,463 (銀閣)ひょっとして あんたの忍法 逆鱗探しとは→ 142 00:13:30,463 --> 00:13:32,465 一刀両断されても なお→ 143 00:13:32,465 --> 00:13:35,468 しゃべり続けることが できるという技なのか? 144 00:13:35,468 --> 00:13:37,470 (白鷺)えっ…。→ 145 00:13:37,470 --> 00:13:43,476 うわっ! いっ いつの間に! ぎっ 銀閣…。 146 00:13:43,476 --> 00:13:45,478 (銀閣)秘剣 零閃。 147 00:13:45,478 --> 00:13:49,482 あ~あ 畳が汚れちまったな。 148 00:13:49,482 --> 00:13:52,482 (あくび) 149 00:13:54,420 --> 00:14:00,426 実は 俺 親父に聞いていてさ ひそかに楽しみにしていたんだが。 150 00:14:00,426 --> 00:14:04,430 ああ そなたが聞いていた 因幡の風景は 以前のものだ。 151 00:14:04,430 --> 00:14:06,199 はっ? 152 00:14:06,199 --> 00:14:09,435 因幡砂漠は 5年ほど前から 拡大の一途をたどってな。 153 00:14:09,435 --> 00:14:12,438 鳥取藩 全土をのみ込んだ。 154 00:14:12,438 --> 00:14:15,441 今や 因幡は 人の住めぬ地だ。 155 00:14:15,441 --> 00:14:19,445 その 宇練 銀閣ってのは こんな所で 何をやってるんだ? 156 00:14:19,445 --> 00:14:21,447 言ったであろう 城主であると。 157 00:14:21,447 --> 00:14:23,449 そいつが分からねえ。 158 00:14:23,449 --> 00:14:26,452 こんな 人の住めない所で 殿様をやっていても→ 159 00:14:26,452 --> 00:14:28,221 仕方がないだろうに。 160 00:14:28,221 --> 00:14:32,458 そう思って 幕府からの使いの者が何度も訪ねたのだがな→ 161 00:14:32,458 --> 00:14:34,460 誰一人として戻らなかった。 162 00:14:34,460 --> 00:14:36,462 斬り捨て御免ね。 163 00:14:36,462 --> 00:14:39,465 ああ そうだ! それは それとして→ 164 00:14:39,465 --> 00:14:41,467 そろそろ 口癖を考えなければな。 165 00:14:41,467 --> 00:14:43,469 はっ? 口癖? そうだ。 166 00:14:43,469 --> 00:14:45,471 誰の? そなたのだ。 167 00:14:45,471 --> 00:14:47,473 はあ…。 168 00:14:47,473 --> 00:14:52,411 先月のな そなたの活躍ぶりを 取りあえず 文字にしてみたのだ。 169 00:14:52,411 --> 00:14:55,414 ああ 報告書ってやつな。 170 00:14:55,414 --> 00:14:57,416 そうそう あんたの言うとおり→ 171 00:14:57,416 --> 00:15:00,419 俺は あの忍者野郎を 派手に やっつけたんだった。 172 00:15:00,419 --> 00:15:02,421 それなのだが→ 173 00:15:02,421 --> 00:15:05,424 そなたが どれほど派手に 真庭をやっつけたのかは→ 174 00:15:05,424 --> 00:15:08,427 じかに見たわけではないから 書けなかった。 175 00:15:08,427 --> 00:15:11,430 はっ? せっかく あんたの 言うとおりにしたってのに? 176 00:15:11,430 --> 00:15:15,434 仕方なかろうが。 見ていないものは書きようがない。 177 00:15:15,434 --> 00:15:18,437 しかし まあ それは あまり 大した問題ではない。 178 00:15:18,437 --> 00:15:21,440 また機会もあるだろうしな。 179 00:15:21,440 --> 00:15:23,442 それよりも 七花→ 180 00:15:23,442 --> 00:15:25,444 鉋 収集の模様を 書いているうちに→ 181 00:15:25,444 --> 00:15:28,447 わたしは 1つ 大事なことに気付いたのだ。 182 00:15:28,447 --> 00:15:30,449 へぇ~ 大事なことって? 183 00:15:30,449 --> 00:15:33,452 そなたは 個性が弱い。 184 00:15:33,452 --> 00:15:36,455 …と 流れのまま 一応 驚いてみたが→ 185 00:15:36,455 --> 00:15:38,457 それが 何の問題だ? 186 00:15:38,457 --> 00:15:42,461 甘いぞ 素人か? 剣法以外は 素人だよ。 187 00:15:42,461 --> 00:15:45,464 そういう自分本位では なおのこと いかんな。 188 00:15:45,464 --> 00:15:48,467 はあ? どうも 報告書を書いていると→ 189 00:15:48,467 --> 00:15:51,404 そなたよりも あの忍者 真庭 蝙蝠の方が→ 190 00:15:51,404 --> 00:15:53,406 目立ってしまうのだ。 191 00:15:53,406 --> 00:15:55,408 推敲しても 推敲しても 結果は 同じだ。 192 00:15:55,408 --> 00:15:58,411 ついぞ 蝙蝠よりも そなたを目立たせることは→ 193 00:15:58,411 --> 00:16:00,413 できなかったのだ。 いや ちょっと待て。 194 00:16:00,413 --> 00:16:04,417 最終的に 清書を終えて 自分で読み返してみても→ 195 00:16:04,417 --> 00:16:08,421 そなたのことは 上半身 裸のバカ という印象しか 残らなかった。 196 00:16:08,421 --> 00:16:11,424 だから 待てよ とがめさん。 197 00:16:11,424 --> 00:16:15,428 あんなよ 口から 刀を 取り出すようなやつを相手に→ 198 00:16:15,428 --> 00:16:17,430 個性で勝てるわけがないだろうが。 199 00:16:17,430 --> 00:16:20,433 戦闘では 俺の勝ちだったんだから構わないだろ? 200 00:16:20,433 --> 00:16:23,436 それは もちろん 戦闘で負けてもらっては困るが→ 201 00:16:23,436 --> 00:16:26,439 個性でも負けてもらっては困る。 はっ? 202 00:16:26,439 --> 00:16:29,442 そなたの人間性には いまいち 華がないのだ。 203 00:16:29,442 --> 00:16:32,445 あんたに気遣いはねえのか。 気遣いで→ 204 00:16:32,445 --> 00:16:34,447 読者を とりこにするような 報告書が書けるか! 205 00:16:34,447 --> 00:16:37,883 《こいつは いったい 何と戦っているのだろう》 206 00:16:37,883 --> 00:16:39,552 そういう訳で→ 207 00:16:39,552 --> 00:16:42,555 差し当たって そなたの口癖を 考えようというのだ。 208 00:16:42,555 --> 00:16:44,557 考えて決めるようなことなのか? それ。 209 00:16:44,557 --> 00:16:47,560 ああ こいつは 普通じゃないんだなと→ 210 00:16:47,560 --> 00:16:49,578 読者への印象が強くなる。 211 00:16:49,578 --> 00:16:52,498 俺は 別に 普通と思われてもいいんだけど。 212 00:16:52,498 --> 00:16:54,500 わたしが そうは いかん。 退屈で 途中で→ 213 00:16:54,500 --> 00:16:57,503 読むのを やめられてしまったら どうするのだ。 214 00:16:57,503 --> 00:17:01,507 《報告書って 面白く 書かなくちゃならないのか?》 215 00:17:01,507 --> 00:17:05,511 おお そうだ! 例の天才剣士 錆 白兵の口癖も→ 216 00:17:05,511 --> 00:17:07,513 まあまあ カッコ良かったぞ。 217 00:17:07,513 --> 00:17:11,517 わたしを裏切ったやつのことを 褒めるのも しゃくに障るが。 218 00:17:11,517 --> 00:17:14,520 それでも 認めるべきところは 認めねばなるまい。 219 00:17:14,520 --> 00:17:17,520 参考までに聞こうか。 220 00:17:19,525 --> 00:17:22,528 「拙者に ときめいてもらうでござる」 221 00:17:22,528 --> 00:17:25,531 《そんな口癖をつけられたら 悲惨だ…》 222 00:17:25,531 --> 00:17:29,535 あっ そうだ。 ほら 俺が よく 口にする言葉があったぜ。 223 00:17:29,535 --> 00:17:32,538 ほう。 あのな 「面倒だ」ってやつ。 224 00:17:32,538 --> 00:17:35,541 ちぇりお! 225 00:17:35,541 --> 00:17:40,546 愚か者。 そんな だるそうな言葉を個性として確立して どうする。 226 00:17:40,546 --> 00:17:44,550 そんな動きのない登場人物を書く わたしの身にもなってみろ。 227 00:17:44,550 --> 00:17:48,554 途中で 書くのを やめたくなって しまったら どうするのだ。 228 00:17:48,554 --> 00:17:51,490 そうか。 そもそも 刀を集めながら→ 229 00:17:51,490 --> 00:17:54,493 「面倒だ 面倒だ」と言っている姿を描写したりしたら→ 230 00:17:54,493 --> 00:17:57,496 まるで そなたが 嫌々 働いているようではないか。 231 00:17:57,496 --> 00:17:59,498 ノリノリで働けってか? 232 00:17:59,498 --> 00:18:02,501 そのとおりだ。 とにかく わたしが そなたを→ 233 00:18:02,501 --> 00:18:05,504 無理やり働かしているかのような 形になることだけは 避けたい。 234 00:18:05,504 --> 00:18:08,507 《あんたこそ 自分本位だろ》 235 00:18:08,507 --> 00:18:12,511 とはいってもな そんな簡単に思い付かねえよ。 236 00:18:12,511 --> 00:18:14,513 安心しろ。 そう言うと思って→ 237 00:18:14,513 --> 00:18:16,515 わたしが あらかじめ 考えておいてやった。 238 00:18:16,515 --> 00:18:18,184 うっ…。 239 00:18:18,184 --> 00:18:20,419 まあ そなたにも 好みがあるだろうからな。 240 00:18:20,419 --> 00:18:24,423 候補の中から 最終的に選ぶのは そなたの権利だ。 241 00:18:24,423 --> 00:18:27,426 好きなものを選んでくれて構わぬ。 242 00:18:27,426 --> 00:18:29,428 押し付けがましい権利だな…。 243 00:18:29,428 --> 00:18:34,433 まあ 好きなのがあったらな。 うむ 案ずるな。 244 00:18:34,433 --> 00:18:37,433 カッコイイ中でも お薦めの口癖を用意した。 245 00:18:41,440 --> 00:18:43,442 ほっ ほら…。 246 00:18:43,442 --> 00:18:47,446 いや 確か あんたは 戦闘能力を持たない代わりに→ 247 00:18:47,446 --> 00:18:49,448 その分 頭がいいって 設定じゃなかったっけ? 248 00:18:49,448 --> 00:18:54,386 何を言う! こんな口癖 頭が良くなければ ひらめかんぞ。 249 00:18:54,386 --> 00:18:57,389 確かに 悪魔的な ひらめきではあるが。 250 00:18:57,389 --> 00:19:02,394 基本的に 敵に対して 挑発の用途で使う言葉だな。 251 00:19:02,394 --> 00:19:04,396 格の違いを示すというか→ 252 00:19:04,396 --> 00:19:07,399 自らの絶対的自信を 示すというか。 253 00:19:07,399 --> 00:19:09,401 こういう せりふを言うことで→ 254 00:19:09,401 --> 00:19:11,403 そなたの全能性が 表れると同時に→ 255 00:19:11,403 --> 00:19:16,408 勝利を収めたときに かなりの楽勝感が出る。 256 00:19:16,408 --> 00:19:19,411 ただの嫌なやつに なってる気がするぞ。 257 00:19:19,411 --> 00:19:21,413 うーん ぶっちゃけ→ 258 00:19:21,413 --> 00:19:25,417 そなたが 多少 嫌なやつの方が わたしとしては 助かるのだ。 259 00:19:25,417 --> 00:19:28,420 手に負えないような やんちゃで 生意気な荒くれ者を→ 260 00:19:28,420 --> 00:19:30,422 手綱をとって うまく操ってこそ→ 261 00:19:30,422 --> 00:19:33,425 わたしの評価も 上がるだろうからな。 262 00:19:33,425 --> 00:19:36,428 その意味では そなたは 少し善良過ぎる。 263 00:19:36,428 --> 00:19:38,428 《勝手だ》 264 00:19:41,433 --> 00:19:46,438 なぜ 20年もの間 島流しの目に遭っていた自分が→ 265 00:19:46,438 --> 00:19:48,440 ほかの誰かに向けて そんな せりふを→ 266 00:19:48,440 --> 00:19:50,442 得意気に 言わなければならないのだろう。 267 00:19:50,442 --> 00:19:53,445 バカ者! だからこそ 説得力があって よいのだろう。 268 00:19:53,445 --> 00:19:56,448 《いらねえよ そんな説得力》 269 00:19:56,448 --> 00:20:00,452 うーん 好みの うるさい男だ。 270 00:20:00,452 --> 00:20:04,456 《この不毛な会話 道中 ずっと続くのだろうか》 271 00:20:04,456 --> 00:20:07,459 あとは あまり ひねりがないのだが…。 272 00:20:07,459 --> 00:20:09,461 「ただし そのころには→ 273 00:20:09,461 --> 00:20:12,464 あんたは 八つ裂きに なっているだろうけどな」 274 00:20:12,464 --> 00:20:14,466 …と これくらいか? 275 00:20:14,466 --> 00:20:16,468 ああもう それでいい。 それでいこう。 276 00:20:16,468 --> 00:20:19,471 んっ? それがいいと言ったんだ。 277 00:20:19,471 --> 00:20:21,473 「ただし そのころには あんたは→ 278 00:20:21,473 --> 00:20:23,475 八つ裂きに なっているだろうけどな」 279 00:20:23,475 --> 00:20:25,477 うん とても いい感じだ。 280 00:20:25,477 --> 00:20:29,481 ああ これでいいのか? 少し意外だな。 281 00:20:29,481 --> 00:20:31,250 これは 考えた中では→ 282 00:20:31,250 --> 00:20:34,486 それほど強く推すつもりのない 一品だったのだが。 283 00:20:34,486 --> 00:20:36,488 まあ そうはいっても→ 284 00:20:36,488 --> 00:20:38,490 自信作であったことには 違いがない。 285 00:20:38,490 --> 00:20:41,493 ああ びっくりしたぜ。 俺に似合い過ぎる。 286 00:20:41,493 --> 00:20:45,497 そうか そうか。 これは そなたの 超必殺技であるところの→ 287 00:20:45,497 --> 00:20:48,500 七花八裂から 着想を得たものなのだ。 288 00:20:48,500 --> 00:20:51,437 そっ そうか。 うむ 礼を言っていいぞ。 289 00:20:51,437 --> 00:20:53,439 感謝感激雨あられ。 290 00:20:53,439 --> 00:20:55,441 うむうむ そうか そうか。 291 00:20:55,441 --> 00:20:58,444 そなたが気に入ったのならば 是非はない。 292 00:20:58,444 --> 00:21:02,448 ハァ… しかし そなたの好みが うるさいせいで→ 293 00:21:02,448 --> 00:21:05,451 思いのほか 長話になってしまったな。 294 00:21:05,451 --> 00:21:08,454 とはいえ まだ 急がなければ ならぬほどではない。 295 00:21:08,454 --> 00:21:11,457 この調子なら 夕方ごろには 目的地に着くであろう。 296 00:21:11,457 --> 00:21:13,459 ああ ただし そのころには→ 297 00:21:13,459 --> 00:21:16,462 あんたは 八つ裂きに なっているだろうけどな。 298 00:21:16,462 --> 00:21:18,464 ちぇりお! 299 00:21:18,464 --> 00:21:21,467 うっ…。 そなた 何も考えておらんな!? 300 00:21:21,467 --> 00:21:23,469 ややこしいな。 301 00:21:23,469 --> 00:21:26,472 ああ ちなみに さっきから 多用している「ちぇりお」だが→ 302 00:21:26,472 --> 00:21:28,474 これは わたしの口癖だ。 303 00:21:28,474 --> 00:21:31,477 そっ そうか 気にもしていなかった。 304 00:21:31,477 --> 00:21:33,479 「ちぇりお」とは 九州のな→ 305 00:21:33,479 --> 00:21:37,483 薩摩藩あたりで流行している 気合を入れるための掛け声だ。 306 00:21:37,483 --> 00:21:40,919 これは 方言というより むしろ 文化かな。 307 00:21:40,919 --> 00:21:43,155 別に わたしは 九州と→ 308 00:21:43,155 --> 00:21:45,157 ゆかりがあるというわけでは ないのだが→ 309 00:21:45,157 --> 00:21:47,593 「ちぇりお!」なんて 気合を入れる掛け声の割に→ 310 00:21:47,593 --> 00:21:49,612 何だか発音が カワイイであろう? 311 00:21:49,612 --> 00:21:52,531 これは わたしの外見との 相乗効果もあって→ 312 00:21:52,531 --> 00:21:55,534 かなり期待できる 思い付きだと 自負しておる。 313 00:21:55,534 --> 00:21:57,536 報告書を提出した後には…。 314 00:21:57,536 --> 00:22:01,540 <もちろん ご存じのとおり 薩摩藩が発祥の→ 315 00:22:01,540 --> 00:22:04,543 気合を入れるための掛け声は 「ちぇすと」> 316 00:22:04,543 --> 00:22:06,545 <とがめの言う「ちぇりお」では→ 317 00:22:06,545 --> 00:22:09,548 別れを意味する 外来語となってしまいます> 318 00:22:09,548 --> 00:22:12,551 <彼女が その間違いに気付き 恥ずかしさのあまり→ 319 00:22:12,551 --> 00:22:16,555 まれな混乱っぷりを 見せてしまうことになるのは→ 320 00:22:16,555 --> 00:22:20,555 これより 数カ月後の 物語でございます> 321 00:24:42,534 --> 00:24:45,537 ハァ… 待て待て 歩くのが速いぞ。 322 00:24:45,537 --> 00:24:47,506 ああ 悪い。 人と歩くのは 慣れてないからな。 323 00:24:50,542 --> 00:24:54,546 あんた 着込んでるから 足が重いんだよ。 324 00:24:54,546 --> 00:24:58,550 たわけ! 女子に軽々しく 重いとか言うな。 325 00:24:58,550 --> 00:25:01,553 いや あんたは じゅうぶん 軽いって。 326 00:25:01,553 --> 00:25:03,555 けど そんな格好じゃ 動きづらいだろ? 327 00:25:03,555 --> 00:25:07,559 重ねて たわけ。 女子のおしゃれは 別筋肉だ。 328 00:25:07,559 --> 00:25:09,561 女子には そんな器官があるのか? 329 00:25:09,561 --> 00:25:12,564 粗野な男には分からぬ 繊細な器官よ。 330 00:25:12,564 --> 00:25:15,567 服なんて 着るだけ邪魔だと思うけどな。 331 00:25:15,567 --> 00:25:18,570 ふん。 そなたの上半身に 服を着せることを→ 332 00:25:18,570 --> 00:25:20,572 わたしは すでに あきらめているが→ 333 00:25:20,572 --> 00:25:22,574 下半身までは 脱いでくれるなよ。 334 00:25:22,574 --> 00:25:24,576 変態と 旅はしたくない。 335 00:25:24,576 --> 00:25:26,578 安心しろ。 336 00:25:26,578 --> 00:25:28,580 あんたが買ってくれた この はかまは→ 337 00:25:28,580 --> 00:25:30,582 そこそこ 気に入っている。 338 00:25:30,582 --> 00:25:32,584 動きやすいし 戦いやすい。 339 00:25:32,584 --> 00:25:35,587 動きやすいと 戦いやすいは 違うのか? 340 00:25:35,587 --> 00:25:37,589 まあ 違うね。 ふーん。 341 00:25:37,589 --> 00:25:42,528 で その下酷城は まだなのか? 夜になっちまうぞ。 342 00:25:42,528 --> 00:25:44,530 そしたら 困るのは とがめだろ。 343 00:25:44,530 --> 00:25:47,533 そうだな。 女子が 砂漠で野宿とあっては→ 344 00:25:47,533 --> 00:25:49,535 せっかくの おしゃれが 台無しだ。 345 00:25:49,535 --> 00:25:51,537 そういう問題か? あっ…。 346 00:25:51,537 --> 00:25:55,541 誰だ こんな所に 物を置いたやつは! 347 00:25:55,541 --> 00:25:57,543 わあっ! 348 00:25:57,543 --> 00:26:00,543 こいつは まにわにの… 真庭 白鷺! 349 00:26:06,552 --> 00:26:09,555 えっ? 城? 何で!? 350 00:26:09,555 --> 00:26:12,558 蜃気楼による大気の迷彩。 351 00:26:12,558 --> 00:26:17,563 ここまで近寄らねば認識できない。それが 因幡砂漠の下酷城だ。 352 00:26:17,563 --> 00:26:20,566 攻めるに難く 守るにやすい。 353 00:26:20,566 --> 00:26:26,572 知らない人間は 知らないことだが一部では 有名な話ではある。 354 00:26:26,572 --> 00:26:28,574 びっくりしちまったじゃねえか。 355 00:26:28,574 --> 00:26:32,574 すまぬ そなたを びっくりさせようと思って。 356 00:26:34,580 --> 00:26:37,583 そいつ 城のそばに 捨てられていたってことは…。 357 00:26:37,583 --> 00:26:42,521 真庭忍軍は 十二頭領内で 競争しておると言っておったな。 358 00:26:42,521 --> 00:26:47,526 四季崎 記紀の完成形 変体刀 12本 収集競争。 359 00:26:47,526 --> 00:26:50,529 おそらくは 因幡 下酷城の宇練 銀閣が→ 360 00:26:50,529 --> 00:26:57,536 斬刀・鈍を所有していると知り 白鷺は ここを訪れたのであろう。 361 00:26:57,536 --> 00:27:00,539 そして 返り討ちに遭った。 362 00:27:00,539 --> 00:27:03,542 真庭忍軍の頭領が このざまとは…。 363 00:27:03,542 --> 00:27:05,544 まにわにの頭領なら 俺も倒したぜ。 364 00:27:05,544 --> 00:27:09,548 そなたの場合は 運にも恵まれていただろうが。 365 00:27:09,548 --> 00:27:12,551 まあ 前向きに考えるとしよう。 366 00:27:12,551 --> 00:27:17,556 先に たどりついた まにわにが 斬刀の収集に失敗した。 367 00:27:17,556 --> 00:27:20,559 これは 捉えようによっては 悪いことではあるまい。 368 00:27:20,559 --> 00:27:24,563 もしも 白鷺が 変体刀収集に成功していれば→ 369 00:27:24,563 --> 00:27:26,565 無駄足に なってしまっておったのだからな。 370 00:27:26,565 --> 00:27:29,568 なるほど 前向きだ。 371 00:27:29,568 --> 00:27:32,571 だけど こいつが 襲撃に失敗したことで→ 372 00:27:32,571 --> 00:27:35,574 ここの城主は 警戒しちまっただろう。 373 00:27:35,574 --> 00:27:38,593 最悪の場合 姿を消しているかもしれないぜ。 374 00:27:38,593 --> 00:27:40,178 それは ない。 375 00:27:40,178 --> 00:27:43,415 宇練 銀閣は 因幡全土が砂漠化しても→ 376 00:27:43,415 --> 00:27:47,419 それでも この土地から退かなかった男だ。 377 00:27:47,419 --> 00:27:50,422 それに この白鷺の ありさまを見るかぎり→ 378 00:27:50,422 --> 00:27:54,426 宇練は 自分の腕に 絶対の自信を持っておる。 379 00:27:54,426 --> 00:27:57,429 士道不覚悟の敵前逃亡など 考えもすまい。 380 00:27:57,429 --> 00:28:01,429 どうやら 思っていた以上に 強敵のようだな。 381 00:28:03,435 --> 00:28:06,438 あるいは 出直すってのも ありかもしれねえぜ。 382 00:28:06,438 --> 00:28:08,440 あり得ん話だ。 383 00:28:08,440 --> 00:28:11,443 真庭忍軍が これほどの速度で動いている今→ 384 00:28:11,443 --> 00:28:14,446 わたしが たたらを 踏んでいる暇などあるものか。 385 00:28:14,446 --> 00:28:18,450 七花 わたしは 今 むしろ 安心しているところなのだ。 386 00:28:18,450 --> 00:28:20,452 ん? 387 00:28:20,452 --> 00:28:23,455 真庭 白鷺が 引き立て役に なってくれたおかげで→ 388 00:28:23,455 --> 00:28:27,459 上に提出する報告書に 盛り上がりができたのだからな。 389 00:28:27,459 --> 00:28:30,462 裏切り者の真庭忍軍。 390 00:28:30,462 --> 00:28:34,466 それを撃退したという剣士から 変体刀を収集したなどと→ 391 00:28:34,466 --> 00:28:36,468 何とも痛快ではないか。 392 00:28:36,468 --> 00:28:40,405 何より 逆さ喋りなどという描写のうっとうしい忍者を→ 393 00:28:40,405 --> 00:28:42,407 これで わたしは 書かずに済む。 394 00:28:42,407 --> 00:28:44,409 お… おう。 395 00:28:44,409 --> 00:28:48,413 だいたい 七花 ここまで おぜん立てが整っていながら→ 396 00:28:48,413 --> 00:28:51,416 すごすご 引き下がるなどという カッコ悪いありさまを→ 397 00:28:51,416 --> 00:28:53,418 そなたは わたしに書けというのか? 398 00:28:53,418 --> 00:28:57,422 なるほど 前向きだ。 うむ。 399 00:28:57,422 --> 00:28:59,422 だから 俺は あんたに ほれたんだ。 400 00:31:11,489 --> 00:31:14,492 前に出ると 危ないじゃないか。 401 00:31:14,492 --> 00:31:16,494 戦うのは 俺なんだろ? 402 00:31:16,494 --> 00:31:21,499 それとも あんたが まず最初に 宇練 銀閣と戦おうってのか? 403 00:31:21,499 --> 00:31:25,503 バカ者 わたしの戦闘力は そなたも よく知るところだろう? 404 00:31:25,503 --> 00:31:29,507 わたしを倒すことなど 障子紙を破くよりも たやすいぞ。 405 00:31:29,507 --> 00:31:32,510 そんなこと 威張って言われても…。 406 00:31:32,510 --> 00:31:35,513 あのな どうも そなたは そのあたりを→ 407 00:31:35,513 --> 00:31:38,516 誤解しているようだから 一応 言っておくが→ 408 00:31:38,516 --> 00:31:41,753 わたしたちは 別に 強盗というわけでは ないのだ。 409 00:31:41,753 --> 00:31:43,521 んっ? 410 00:31:43,521 --> 00:31:45,523 いきなり 丁々発止の ちゃんばらを行い→ 411 00:31:45,523 --> 00:31:48,526 強奪すればよい というものではない。 412 00:31:48,526 --> 00:31:51,529 手順を踏み 交渉が必要なのだよ。 413 00:31:51,529 --> 00:31:55,533 えっと… お役所的な手続きってことか? 414 00:31:55,533 --> 00:31:58,536 今回のところは その理解でもいい。 415 00:31:58,536 --> 00:32:02,540 それで済むんだったら 別に 俺 いらないんじゃないのか? 416 00:32:02,540 --> 00:32:06,561 四季崎の刀の毒を 好んで摂取するような人間は→ 417 00:32:06,561 --> 00:32:10,482 およそ 狂人と 相場は 決まっておるでな。 418 00:32:10,482 --> 00:32:13,485 つまり はなっから 交渉で済むと 思ってないってことだろ? 419 00:32:13,485 --> 00:32:16,488 しかしな そうはいってもだ…。 んっ? 420 00:32:16,488 --> 00:32:20,492 例えば 刀の所有者が 善人だったとき→ 421 00:32:20,492 --> 00:32:22,494 そなたは どうするつもりなのだ?うーん。 422 00:32:22,494 --> 00:32:25,497 幕府の後ろ盾がある以上 人を斬っても→ 423 00:32:25,497 --> 00:32:29,501 とがめられることはないが だからといって→ 424 00:32:29,501 --> 00:32:33,505 むやみやたらに斬り刻んでよい ということでは ないのだ。 425 00:32:33,505 --> 00:32:35,505 分かったら 行くぞ。 426 00:32:38,510 --> 00:32:41,513 あからさまに怪しい ふすまだが…。 427 00:32:41,513 --> 00:32:43,513 ここに 何かあるってことだろ? 428 00:32:45,517 --> 00:32:48,520 ああ 待て! 不用心に開けるな! 429 00:32:48,520 --> 00:32:50,520 こら! 430 00:33:00,532 --> 00:33:03,535 宇練 銀閣だな? 431 00:33:03,535 --> 00:33:07,472 わたしは 尾張幕府 家鳴将軍家 直轄→ 432 00:33:07,472 --> 00:33:13,478 預奉所 軍所 総監督 奇策士 とがめだ。 433 00:33:13,478 --> 00:33:18,483 その刀 斬刀・鈍と見受けるが いかがかな? 434 00:33:18,483 --> 00:33:20,485 うるせえな。 435 00:33:20,485 --> 00:33:26,491 確かに 俺は 宇練 銀閣だが そう大きな声で 怒鳴るなよ。 436 00:33:26,491 --> 00:33:28,493 それは 失礼した。 437 00:33:28,493 --> 00:33:33,498 で 幕府の お偉いさんが こんな砂漠に 何の用だよ。 438 00:33:33,498 --> 00:33:38,503 その斬刀 譲ってもらえんかな。 439 00:33:38,503 --> 00:33:40,505 もちろん タダとは言わん。 440 00:33:40,505 --> 00:33:43,505 幕府として できる限りのことは させてもらおう。 441 00:33:45,510 --> 00:33:49,514 むろん 刀 一本とはいえ そなたの差す その刀の価値は→ 442 00:33:49,514 --> 00:33:52,517 よく認識しておるつもりだ。 443 00:33:52,517 --> 00:33:57,522 間違っても ほかの何かに 換えられるものではあるまい。 444 00:33:57,522 --> 00:34:01,526 しかし 宇練よ そこを曲げて 幕府のために→ 445 00:34:01,526 --> 00:34:04,529 ひいては 天下国家のために 貢献してはくれぬか? 446 00:34:04,529 --> 00:34:09,467 「天下国家のために」なんてやつに ろくなやつは いねえよ。 447 00:34:09,467 --> 00:34:13,471 (あくび) 448 00:34:13,471 --> 00:34:16,474 ああ お主とて いつまでも この城の中で→ 449 00:34:16,474 --> 00:34:20,478 のうのうと暮らしておるつもりは ないであろう。 450 00:34:20,478 --> 00:34:24,482 野心があるのならば わたしは 協力できると思うぞ。 451 00:34:24,482 --> 00:34:26,484 表にも 裏にもだ。 452 00:34:26,484 --> 00:34:30,488 浪人の俺を 取り立ててくれるってのかい? 453 00:34:30,488 --> 00:34:32,490 ありがたい話だがね。 454 00:34:32,490 --> 00:34:35,493 しかし 俺の首には 賞金が懸かってるとも聞くぜ。 455 00:34:35,493 --> 00:34:40,498 むろん そのかせも 外してやれる。どんな望みも 思うがままだ。 456 00:34:40,498 --> 00:34:44,502 (あくび) おい 宇練! 457 00:34:44,502 --> 00:34:47,505 今度は 声が小さ過ぎて よく聞こえねえな。 458 00:34:47,505 --> 00:34:50,508 もうちょっと 近づいてきてくれねえか? 459 00:34:50,508 --> 00:34:52,510 んっ? 460 00:34:52,510 --> 00:34:56,514 だいたい 敷居越しに話をするなんて→ 461 00:34:56,514 --> 00:34:58,516 剣士に対して 失礼だろうがよ。 462 00:34:58,516 --> 00:35:00,518 うっ…。 463 00:35:00,518 --> 00:35:03,521 あんたが どれだけ偉いか知らねえけど→ 464 00:35:03,521 --> 00:35:05,523 少なくとも それは→ 465 00:35:05,523 --> 00:35:09,461 頼み事をしようって 態度じゃねえよな? 466 00:35:09,461 --> 00:35:13,461 確かに そのとおりだ。 失礼した。 467 00:35:16,468 --> 00:35:18,468 あっ! 468 00:35:20,472 --> 00:35:22,472 虚刀流 百合! 469 00:35:26,478 --> 00:35:28,478 だっ… うっ… だっ! 470 00:35:30,482 --> 00:35:33,485 何すんじゃー! 落ち着けよ。 471 00:35:33,485 --> 00:35:36,488 いきなり蹴られて 落ち着けるか このバカ者! 472 00:35:36,488 --> 00:35:38,490 後ろから 見えない力に 吸い寄せられるから→ 473 00:35:38,490 --> 00:35:41,493 宇宙人に 誘拐されたかと思ったわー! 474 00:35:41,493 --> 00:35:43,493 その発想は ものすごいが…。 475 00:35:45,497 --> 00:35:47,499 あっ…。 476 00:35:47,499 --> 00:35:52,504 なっ なっ…。 居合抜きか? 477 00:35:52,504 --> 00:35:56,508 も… もしも厚着をしていなければ今ごろ わたしの体は…。 478 00:35:56,508 --> 00:36:02,514 いや その分だけの着物が 無事で済んだだけだと思うけど。 479 00:36:02,514 --> 00:36:06,534 びっくりした。 この斬刀を手にして以来→ 480 00:36:06,534 --> 00:36:09,454 俺の零閃が かわされたのは 初めてだぜ。 481 00:36:09,454 --> 00:36:12,457 びっくりしたのは こっちの方だ。 482 00:36:12,457 --> 00:36:16,461 居合抜きが 剣術の 究極系というのは 聞いていたが→ 483 00:36:16,461 --> 00:36:18,463 そこまで 速いものだとは。 484 00:36:18,463 --> 00:36:21,466 んじゃあ まあ お前の びっくりと→ 485 00:36:21,466 --> 00:36:25,470 俺の びっくりで おあいこってことで。 486 00:36:25,470 --> 00:36:29,474 宇練! 貴様 今 自分が 何をしたのか 分かっておるのか!? 487 00:36:29,474 --> 00:36:32,477 あんたもさ そんな腕の立つ お兄ちゃん→ 488 00:36:32,477 --> 00:36:35,480 連れてきているくらいなんだ。 最終的には→ 489 00:36:35,480 --> 00:36:38,483 腕っ節に訴えてくるつもりが あったんだろう? 490 00:36:38,483 --> 00:36:40,485 「お兄ちゃん」だと!? 491 00:36:40,485 --> 00:36:43,488 貴様 わたしが こいつの妹に見えるのか!? 492 00:36:43,488 --> 00:36:45,490 わたしの どこが妹だ! 493 00:36:45,490 --> 00:36:48,493 俺の ご先祖さまはよ→ 494 00:36:48,493 --> 00:36:52,497 主君も… どころか当時の将軍すら敵に回しても→ 495 00:36:52,497 --> 00:36:55,500 この刀を 譲らなかったんだってよ。 496 00:36:55,500 --> 00:36:59,504 なのに 俺が はい そうですかと あんたに これを渡したんじゃ→ 497 00:36:59,504 --> 00:37:02,507 草葉の陰で 笑いものだぜ。 498 00:37:02,507 --> 00:37:05,510 その刀を なくすのが怖いのか? 499 00:37:05,510 --> 00:37:07,445 その 零閃って技→ 500 00:37:07,445 --> 00:37:11,449 そいつじゃなけりゃ そこまでの速度は 出ないんだろ? 501 00:37:11,449 --> 00:37:15,453 だから それを失うのが怖いのか?怖かったら 何だ? 502 00:37:15,453 --> 00:37:17,121 別に。 503 00:37:17,121 --> 00:37:21,421 それが 刀を使う剣士の 限界なんだろうなと思ってさ。 504 00:37:23,361 --> 00:37:25,363 フッ…。 505 00:37:25,363 --> 00:37:27,365 ハッ…。 506 00:37:27,365 --> 00:37:30,368 そう言う お前は 剣士じゃねえのかい? 507 00:37:30,368 --> 00:37:33,371 剣士だよ まごうことなくな。 508 00:37:33,371 --> 00:37:38,376 へぇ~ だったら 剣士に言葉は 不要なんだよ。 509 00:37:38,376 --> 00:37:42,380 この刀が 欲しいってんなら 黙って奪い取ればいい。 510 00:37:42,380 --> 00:37:46,384 俺は それに 黙って抵抗するだけだ。 511 00:37:46,384 --> 00:37:50,388 ああ 意地か。 512 00:37:50,388 --> 00:37:52,390 気位だよ。 513 00:37:52,390 --> 00:37:55,159 お前は その女を かばえて→ 514 00:37:55,159 --> 00:37:57,395 いい気に なってんのかもしれねえが→ 515 00:37:57,395 --> 00:38:00,398 今のが 全力だと思うなよ。 516 00:38:00,398 --> 00:38:04,402 零閃の最高速度は→ 517 00:38:04,402 --> 00:38:06,404 光を超える。 518 00:38:06,404 --> 00:38:08,106 やるか? 519 00:38:08,106 --> 00:38:12,343 とがめ 確認したいことが できたんだけど いいか? 520 00:38:12,343 --> 00:38:14,345 うん? おい…。 521 00:38:14,345 --> 00:38:16,347 ちょっと作戦会議だ。 522 00:38:16,347 --> 00:38:19,347 すぐに戻ってくるから うたた寝でもして 待ってろ。 523 00:38:21,352 --> 00:38:27,358 そのときは 披露してもらうぜ 最高速度の零閃とやらをよ。 524 00:38:27,358 --> 00:38:30,358 ふすま 閉めていけよ。 525 00:38:32,363 --> 00:38:34,365 ああ そうだ。 526 00:38:34,365 --> 00:38:38,369 まだ お兄ちゃんの名前は 聞いてなかったな。 527 00:38:38,369 --> 00:38:40,369 教えとけよ。 528 00:38:44,375 --> 00:38:49,380 虚刀流 七代目 当主 やしゅり 七花だ。 529 00:38:49,380 --> 00:38:52,383 フッ。 ああ…。 530 00:38:52,383 --> 00:38:54,383 かんじゃった。 531 00:39:02,393 --> 00:39:05,396 そう 不機嫌そうな顔すんなよ。 532 00:39:05,396 --> 00:39:07,332 ああしなきゃ あんた 真っ二つだったんだぜ。 533 00:39:07,332 --> 00:39:10,335 不機嫌そうな顔など しておらんもん! 534 00:39:10,335 --> 00:39:12,337 「もん」? あっ いや…。 535 00:39:12,337 --> 00:39:15,340 不機嫌そうな顔など しておらんわ。 536 00:39:15,340 --> 00:39:18,343 たまに あんた すげえ 子供っぽいこと言うけどさ→ 537 00:39:18,343 --> 00:39:22,347 正確には あんた 何歳なんだ? 俺より 年上なんだよな? 538 00:39:22,347 --> 00:39:25,350 そんなことは どうでもよかろう。 539 00:39:25,350 --> 00:39:28,353 それより 七花 確認したいことは 何だ? 540 00:39:28,353 --> 00:39:31,356 あそこで 戦闘を中断する 理由があったとは→ 541 00:39:31,356 --> 00:39:33,358 わたしには 思えないのだが。 542 00:39:33,358 --> 00:39:37,362 あいつが それに応じるかどうかを確認したかったんだ。 543 00:39:37,362 --> 00:39:40,365 応じるかどうか? 544 00:39:40,365 --> 00:39:43,368 つまり あの場から立ち去る 俺と とがめを→ 545 00:39:43,368 --> 00:39:45,370 あいつが 追ってくるかどうか。 546 00:39:45,370 --> 00:39:50,375 けれど あいつは そうしなかった。まあ そうだが。 547 00:39:50,375 --> 00:39:54,379 とがめが 敷居をまたいで あの部屋に入った瞬間に→ 548 00:39:54,379 --> 00:39:56,381 あいつは 斬りつけてきた。 549 00:39:56,381 --> 00:39:59,384 逆に言えば あの部屋に入らないかぎり→ 550 00:39:59,384 --> 00:40:02,387 あいつは 俺たちを 攻撃してこないということだ。 551 00:40:02,387 --> 00:40:05,390 あっ…。 あの 奥まった部屋こそが→ 552 00:40:05,390 --> 00:40:08,326 敵を迎撃する上で 都合がいいんだ。 553 00:40:08,326 --> 00:40:10,328 なるほど。 554 00:40:10,328 --> 00:40:14,332 真庭 白鷺も 正面から 勝負せざるを得なかったわけか。 555 00:40:14,332 --> 00:40:17,335 あの部屋は 完全に 宇練 銀閣の領域だ。 556 00:40:17,335 --> 00:40:22,340 では あいつを部屋から 引きずり出せば よいのだろうが→ 557 00:40:22,340 --> 00:40:25,343 そなた 考えがあるのか? 558 00:40:25,343 --> 00:40:31,349 まず とがめが あの部屋に入る。 ふむふむ わたしが入ると。 559 00:40:31,349 --> 00:40:33,351 そして 零閃の餌食となって→ 560 00:40:33,351 --> 00:40:35,353 真っ二つになる。 ほうほう。 561 00:40:35,353 --> 00:40:38,353 死体を そばに 放置しておくわけにもいくまい。 562 00:40:40,358 --> 00:40:44,362 真庭 白鷺の例と同じく 城外へと捨てるはずなんだ。 563 00:40:44,362 --> 00:40:47,131 そして そして? そこを 俺が 討つんだ。 564 00:40:47,131 --> 00:40:48,800 ちぇりお! 565 00:40:48,800 --> 00:40:51,469 わたしが 真っ二つに なってしまっておるだろうが! 566 00:40:51,469 --> 00:40:55,473 うーん だから この案は 使えないかなと思っている。 567 00:40:55,473 --> 00:40:57,475 当然だ! 568 00:40:57,475 --> 00:40:59,477 だから おびき出すのは あきらめるとして→ 569 00:40:59,477 --> 00:41:02,480 それでも なお 対策は あるんだよ とがめ。 570 00:41:02,480 --> 00:41:04,482 その 対策とやらでは→ 571 00:41:04,482 --> 00:41:08,486 わたしは 真っ二つには ならんのだろうな? 572 00:41:08,486 --> 00:41:11,489 まともに 勝負せざるを得ない相手なら→ 573 00:41:11,489 --> 00:41:13,491 まともに 勝負をすればいい。 574 00:41:13,491 --> 00:41:17,495 七花 それが結論だったら わたしは 怒るぞ。 575 00:41:17,495 --> 00:41:20,164 いや あんた 最初から ずっと怒ってるよ。 576 00:41:20,164 --> 00:41:23,401 ちゃかすな! なあ 今日だけじゃなく→ 577 00:41:23,401 --> 00:41:26,404 あしたも勝つためには ただ 勝つんじゃ駄目だと思う。 578 00:41:26,404 --> 00:41:28,406 うん? 579 00:41:28,406 --> 00:41:30,408 蝙蝠のときみたいに→ 580 00:41:30,408 --> 00:41:35,413 幸運に恵まれて勝つんじゃ 駄目なんだ。 581 00:41:35,413 --> 00:41:38,416 思いのほか まじめなことを言う…。 582 00:41:38,416 --> 00:41:40,418 「刀を守れ」 583 00:41:40,418 --> 00:41:45,423 そして 「あんたを守れ」だろ? 584 00:41:45,423 --> 00:41:48,426 そ… それが分かっているのなら→ 585 00:41:48,426 --> 00:41:50,428 わたしが 真っ二つになるような案を→ 586 00:41:50,428 --> 00:41:52,430 そもそも 思い付きすらするでない! 587 00:41:52,430 --> 00:41:55,433 そこでだ あんたは 俺の後ろにいてくれ。 588 00:41:55,433 --> 00:41:59,437 はあ!? いざってときの保険だよ。 589 00:41:59,437 --> 00:42:01,439 分かっているとは思うけれど→ 590 00:42:01,439 --> 00:42:05,443 わたしに そなたの背中を 守れるような 才覚は ないぞ。 591 00:42:05,443 --> 00:42:08,379 そんなんじゃねえよ。 七花…。 592 00:42:08,379 --> 00:42:10,381 何ていうか→ 593 00:42:10,381 --> 00:42:13,384 この場で うまく言うことは できないんだけどな。 594 00:42:13,384 --> 00:42:16,384 あんたには そうしてほしいんだよ。 595 00:42:18,389 --> 00:42:22,389 要するに 守るものがあるやつは 強いってことだ。 596 00:44:44,301 --> 00:44:48,305 (銀閣)《誰もが こぞって この砂漠から逃げ出した》→ 597 00:44:48,305 --> 00:44:50,307 《皆 故郷を捨てた》→ 598 00:44:50,307 --> 00:44:52,626 《あるいは 最後の一人でなければ→ 599 00:44:54,311 --> 00:44:58,315 俺も 因幡を 去れたかもしれない》→ 600 00:44:58,315 --> 00:45:03,320 《いや… 俺には はなから その選択は なかった》→ 601 00:45:03,320 --> 00:45:06,323 《迷うことは 許されない》→ 602 00:45:06,323 --> 00:45:10,327 《この地への この刀への偏執か》→ 603 00:45:10,327 --> 00:45:14,331 《そして それは 妄執だ》 604 00:45:14,331 --> 00:45:18,335 《剣士には 守るものが必要だ》 605 00:45:18,335 --> 00:45:22,335 《そうでなければ 戦えなくなる》 606 00:45:25,342 --> 00:45:29,346 ≪(ふすまの開く音) 607 00:45:29,346 --> 00:45:32,349 よう。 608 00:45:32,349 --> 00:45:35,352 待たせたな。 ああ それで? 609 00:45:35,352 --> 00:45:40,291 お兄ちゃん 俺の 零閃 対策でも考えてきたのかい? 610 00:45:40,291 --> 00:45:44,295 うーん 微妙なところだな。 何だ。 611 00:45:44,295 --> 00:45:48,299 虚刀流には 居合抜き対策でも あるってのかい? 612 00:45:48,299 --> 00:45:52,303 うーん まあ 相手が あんたほどの手合いなら→ 613 00:45:52,303 --> 00:45:54,305 たぶん 成功すると思う。 へぇ~。 614 00:45:54,305 --> 00:45:57,308 この技は 相手の剣が 速ければ速いほど→ 615 00:45:57,308 --> 00:46:00,308 成功率が 跳ね上がるからよ。 616 00:46:02,313 --> 00:46:06,317 虚刀流 七の構え 杜若。 617 00:46:06,317 --> 00:46:09,320 《何だ その 明らかな 突撃の構えは》 618 00:46:09,320 --> 00:46:12,323 《対策があるみたいな口ぶりで それか!》 619 00:46:12,323 --> 00:46:16,327 甘く見られたもんだ 虚刀流。 620 00:46:16,327 --> 00:46:20,331 相手にとって 満足なしか。 フッ…。 621 00:46:20,331 --> 00:46:24,335 アホ! バカにされているんだ! えっ? 622 00:46:24,335 --> 00:46:26,337 まあ いいや。 623 00:46:26,337 --> 00:46:31,342 それじゃ まあ… 位置について 用意 どん! 624 00:46:31,342 --> 00:46:33,344 《間合いは 3歩》 625 00:46:33,344 --> 00:46:35,346 《1…》 626 00:46:35,346 --> 00:46:37,348 《2…》 627 00:46:37,348 --> 00:46:40,284 3! 零閃! 628 00:46:40,284 --> 00:46:42,286 虚刀流 薔薇! 629 00:46:42,286 --> 00:46:43,954 ぐあっ! 630 00:46:43,954 --> 00:46:48,192 おお やったか!? 駄目だ 浅い。 631 00:46:48,192 --> 00:46:52,196 くっ… 足さばきの陽動は 認めてやる。 632 00:46:52,196 --> 00:46:55,199 ありもしねえ幻覚を 斬っちまった。 633 00:46:55,199 --> 00:46:58,202 だがな 何だ その詰めの甘さはよ! 634 00:46:58,202 --> 00:47:02,206 どういうことだ? 薔薇は 決まっていたんだよ。 635 00:47:02,206 --> 00:47:05,209 俺が 加減しなければな。 はあ? 636 00:47:05,209 --> 00:47:07,211 やつの剣圧に ビビっちゃった…。 637 00:47:07,211 --> 00:47:09,213 《しくじった…》 638 00:47:09,213 --> 00:47:12,216 《こんなところで 実戦経験の少なさが出たか》 639 00:47:12,216 --> 00:47:14,218 七花…。 動くな! 640 00:47:14,218 --> 00:47:16,220 俺の背中から 出るんじゃない。 641 00:47:16,220 --> 00:47:21,225 バカ者! 策の通じなかった今 そんな言葉が聞けるか! 642 00:47:21,225 --> 00:47:23,227 びっくりした。 643 00:47:23,227 --> 00:47:26,230 2回続けば もう まぐれじゃねえやな。 644 00:47:26,230 --> 00:47:30,234 すっかり 目が覚めちまったよ 虚刀流。 645 00:47:30,234 --> 00:47:34,238 こんなに気分がいいのは おぎゃーと 生まれたとき以来だ。 646 00:47:34,238 --> 00:47:36,240 そいつは どうも おはようございます。 647 00:47:36,240 --> 00:47:38,008 はあ? 648 00:47:38,008 --> 00:47:42,179 そして おやすみなさい かな? 649 00:47:42,179 --> 00:47:47,184 さっきのが とんでもねえ 境地だってことくらいは分かるぜ。 650 00:47:47,184 --> 00:47:51,188 しかし 同じ手が通じると思うなよ。 651 00:47:51,188 --> 00:47:54,191 《敵を手負いにさせたのは まずかったぞ》 652 00:47:54,191 --> 00:47:56,191 零閃編隊 五機! 653 00:47:58,195 --> 00:48:00,197 ああ! 654 00:48:00,197 --> 00:48:02,199 五連撃…。 655 00:48:02,199 --> 00:48:05,202 これなら お前が 多少 加速しようが→ 656 00:48:05,202 --> 00:48:08,205 減速しようが 関係あるまいよ。 657 00:48:08,205 --> 00:48:13,210 その程度の誤差など 軽く のみ込んでしまう。 658 00:48:13,210 --> 00:48:15,212 それが あんたの 隠し玉ってわけか? 659 00:48:15,212 --> 00:48:17,214 これが? 660 00:48:17,214 --> 00:48:19,214 いやいや 違うねえ。 661 00:48:22,219 --> 00:48:23,988 (七花・とがめ)なっ!? 662 00:48:23,988 --> 00:48:27,224 何が起きた!? 自分で 自分を斬りやがった。 663 00:48:27,224 --> 00:48:30,227 何のために? フッフッフッ…。 664 00:48:30,227 --> 00:48:36,233 これこそ 宇練 金閣の 1万人斬りの秘密だよ 虚刀流。 665 00:48:36,233 --> 00:48:41,171 見な。 さや内を血でぬらし 血をため→ 666 00:48:41,171 --> 00:48:43,173 じっとりと 湿らせることによって→ 667 00:48:43,173 --> 00:48:46,176 さや走りの速度を上げる。 668 00:48:46,176 --> 00:48:50,180 刀と さやとの摩擦係数を 格段に落として→ 669 00:48:50,180 --> 00:48:54,184 零閃は 光速へと達する。 670 00:48:54,184 --> 00:48:59,189 それが 斬刀・鈍 限定奥義 斬刀狩り! 671 00:48:59,189 --> 00:49:03,193 斬れば 斬るほど 速くなるってわけだ。 672 00:49:03,193 --> 00:49:05,195 あっ ひらめいた! 673 00:49:05,195 --> 00:49:08,198 七花 今こそ 戦術的撤退だ。 674 00:49:08,198 --> 00:49:11,201 あやつ 放っておくと 出血多量で死ぬぞ。 675 00:49:11,201 --> 00:49:13,203 却下だ。 勝機では ないか! 676 00:49:13,203 --> 00:49:15,205 そんなの勝利とは 言わん。 677 00:49:15,205 --> 00:49:19,209 言っただろ 偶然じゃ駄目だ。 うっ…。 678 00:49:19,209 --> 00:49:22,212 カッコイイな あんた。 679 00:49:22,212 --> 00:49:24,214 あん? あんたを見ていると→ 680 00:49:24,214 --> 00:49:27,217 奥の手を隠していた 自分が 恥ずかしいぜ。 681 00:49:27,217 --> 00:49:30,220 出し惜しみは やめだ。 682 00:49:30,220 --> 00:49:32,222 虚刀流の 全てを見せてやる。 683 00:49:32,222 --> 00:49:34,224 やろう! 684 00:49:34,224 --> 00:49:38,228 フッ… ああ そうだ ちょっと 気になったんで→ 685 00:49:38,228 --> 00:49:41,165 聞いときてえんだけどよ お姉ちゃん。 686 00:49:41,165 --> 00:49:45,169 あんた もしも この斬刀を あんたに引き渡したら→ 687 00:49:45,169 --> 00:49:49,173 俺の望みを かなえてくれるって 言ったよな? 688 00:49:49,173 --> 00:49:51,175 あっ… ああ。 689 00:49:51,175 --> 00:49:54,178 だったら 斬刀を引き渡す代わりに→ 690 00:49:54,178 --> 00:49:58,182 この因幡を 元通りにしてもらう ってのは ありかい? 691 00:49:58,182 --> 00:50:00,184 それは 無理だ。 692 00:50:00,184 --> 00:50:05,189 すでに 鳥取藩は 幕府にとっては 存在しない藩になっておる。 693 00:50:05,189 --> 00:50:09,193 そうでなくとも 砂漠化した地帯を元通りにする方法など→ 694 00:50:09,193 --> 00:50:12,196 仮説さえもない。 そっか。 695 00:50:12,196 --> 00:50:16,200 じゃあ まあ あんたを斬りつけた 俺の判断に→ 696 00:50:16,200 --> 00:50:21,205 間違いは なかったってことか 安心したぜ。 697 00:50:21,205 --> 00:50:24,208 あんた 何で こんなことやってんだ? 698 00:50:24,208 --> 00:50:26,210 さあねえ。 699 00:50:26,210 --> 00:50:28,212 さっきも言ってた 気位ってやつか? 700 00:50:28,212 --> 00:50:32,216 それも さあねえ。 701 00:50:32,216 --> 00:50:37,221 あれは 適当に言った言葉だよ。 本気にするな。 702 00:50:37,221 --> 00:50:42,159 ただ 俺も 何かを守りたかっただけだよ。 703 00:50:42,159 --> 00:50:45,162 何かを守りたかっただけなのに→ 704 00:50:45,162 --> 00:50:51,168 守るべきもんが 俺には これっくらいしか なかったんだ。 705 00:50:51,168 --> 00:50:54,171 そっか。 706 00:50:54,171 --> 00:50:56,173 じゃあ いくぜ。 707 00:50:56,173 --> 00:51:01,178 ああ 零閃は いついつでも 出撃 可能だ。 708 00:51:01,178 --> 00:51:05,182 光速を超えた 零閃を見るがいい。 709 00:51:05,182 --> 00:51:09,186 そして もしも 本当に そんなものが あるのなら→ 710 00:51:09,186 --> 00:51:12,189 お前も 奥の手とやらを 見せてみろ。 711 00:51:12,189 --> 00:51:15,192 ああ 見せてやる。 712 00:51:15,192 --> 00:51:17,194 ただし そのころには→ 713 00:51:17,194 --> 00:51:21,198 あんたは 八つ裂きに なっているだろうけどな。 714 00:51:21,198 --> 00:51:24,201 位置について 用意 どん! 715 00:51:24,201 --> 00:51:27,201 零閃編隊 十機! 716 00:51:29,206 --> 00:51:31,208 なっ!? 717 00:51:31,208 --> 00:51:33,210 ギャフン! うん!? 718 00:51:33,210 --> 00:51:35,212 全てが 零閃の射程範囲内? 719 00:51:35,212 --> 00:51:37,214 違うな! 720 00:51:37,214 --> 00:51:39,216 真上の敵には 居合抜きもねえだろ! 721 00:51:39,216 --> 00:51:42,216 うっ…。 くっ! 虚刀流! 722 00:51:44,254 --> 00:51:48,258 虚刀流 七の奥義 落花狼藉! 723 00:51:48,258 --> 00:51:56,258 ♪♪~ 724 00:52:02,272 --> 00:52:07,277 なあ 次は どこ行くんだ? 725 00:52:07,277 --> 00:52:09,277 なあ。 726 00:52:11,281 --> 00:52:14,284 おーい とがめ 無視すんなよ。 727 00:52:14,284 --> 00:52:16,286 昨日から ずっとじゃないか。 728 00:52:16,286 --> 00:52:19,289 ひょっとして 俺が 蹴ったときに どっか ケガでもしたのか? 729 00:52:19,289 --> 00:52:21,291 やかましいわ! 730 00:52:21,291 --> 00:52:24,294 人が怒っているというのに 気安く 話し掛け続けるな! 731 00:52:24,294 --> 00:52:27,297 まったく まさか 壁として 蹴飛ばすために→ 732 00:52:27,297 --> 00:52:30,300 後ろに立たされていたとは 思わんかったわ! 733 00:52:30,300 --> 00:52:33,303 ああ それを怒ってたんだ。 怒ってない! 734 00:52:33,303 --> 00:52:37,307 ホントに とがめは ただの保険のつもりだったんだ。 735 00:52:37,307 --> 00:52:39,243 だったら 最初っから そう言わんか! 736 00:52:39,243 --> 00:52:42,246 「守るものがあるやつは 強い」とか何とか→ 737 00:52:42,246 --> 00:52:44,248 変に思わせぶりなことを 言いおって。 738 00:52:44,248 --> 00:52:47,251 すまん あれは 口から出任せだ。 739 00:52:47,251 --> 00:52:49,253 出任せとな! 740 00:52:49,253 --> 00:52:53,257 <守るものがある者は 強い> 741 00:52:53,257 --> 00:52:56,260 <それが 方便ではないことを> 742 00:52:56,260 --> 00:53:01,265 <生きるために 守るものを 必要とする者がいることを> 743 00:53:01,265 --> 00:53:05,269 <七花は 今回の戦いを通じて 知ったのでした> 744 00:53:05,269 --> 00:53:07,271 <『刀語』> 745 00:53:07,271 --> 00:53:11,508 <こよいの お楽しみは ここまでにございます> 746 00:53:11,508 --> 00:53:13,277 そういえば そなたは→ 747 00:53:13,277 --> 00:53:17,281 まだ 斬刀の刀身を 見ておらんのではないか? 748 00:53:17,281 --> 00:53:19,283 うーん。 ほれ。 749 00:53:19,283 --> 00:53:21,285 いや いいわ。 んっ? 750 00:53:21,285 --> 00:53:26,290 結局 俺は 銀閣の零閃を 目で捉えることができなかった。 751 00:53:26,290 --> 00:53:31,295 それならば それが 全てだと思うから。 752 00:53:31,295 --> 00:53:33,297 そうか。 753 00:53:33,297 --> 00:53:38,302 なあ これから 因幡は どうなる?下酷城は? 754 00:53:38,302 --> 00:53:40,237 どうにもならぬな。 755 00:53:40,237 --> 00:53:44,241 もはや あそこは 幕府の管轄ともいえぬ。 756 00:53:44,241 --> 00:53:47,244 故に 朽ち果てるだけだ。 757 00:53:47,244 --> 00:53:51,248 それでも わたしや そなたよりは ずっと長く→ 758 00:53:51,248 --> 00:53:55,252 ひょっとしたら 1,000年先まで あそこに あり続けるであろうが→ 759 00:53:55,252 --> 00:53:59,256 しかし それは もう城ではない。 760 00:53:59,256 --> 00:54:02,259 そうか。 剣客も 刀も→ 761 00:54:02,259 --> 00:54:05,262 自然には 勝てないということなのかな。 762 00:54:05,262 --> 00:54:09,266 結局 そういうことになるのか。 なりそうだな。 763 00:54:09,266 --> 00:54:11,268 ふーん。 764 00:54:11,268 --> 00:54:13,270 しかし とがめ→ 765 00:54:13,270 --> 00:54:17,274 宇練の最後のせりふは カッコ良かったな。 766 00:54:17,274 --> 00:54:23,280 ただ カッコイイんじゃなくて 個性が よく出てたっていうかさ。 767 00:54:23,280 --> 00:54:25,282 ああいうのも 口癖っていうのかい? 768 00:54:25,282 --> 00:54:27,284 少し違うな。 769 00:54:27,284 --> 00:54:30,287 あれは 散り際の一言だ。 770 00:54:30,287 --> 00:54:37,294 死に際の言葉 末期の言葉だ。 遺言といっても よいかもしれぬ。 771 00:54:37,294 --> 00:54:39,296 口癖とは異なり→ 772 00:54:39,296 --> 00:54:42,299 一生に一度 よみじに 旅立たんとするときにしか→ 773 00:54:42,299 --> 00:54:45,299 口にすることを 許されぬ せりふだ。 774 00:54:47,304 --> 00:54:50,307 そうか。 気になるのか? 775 00:54:50,307 --> 00:54:52,309 確かに 散り際の一言は→ 776 00:54:52,309 --> 00:54:56,313 口癖よりも さらに効果的な せりふとなろう。 777 00:54:56,313 --> 00:55:00,317 一生に たった一度の 言葉であるが故にな。 778 00:55:00,317 --> 00:55:03,320 だが しかし 七花。 そなたは その一度の機会が→ 779 00:55:03,320 --> 00:55:06,323 そもそも 許されておらぬのだからな。 780 00:55:06,323 --> 00:55:11,323 散り際の一言については 一切 考えずともよい。 781 00:55:19,336 --> 00:55:24,336 (銀閣)《これで やっと ぐっすり眠れる…》 782 00:55:26,343 --> 00:55:36,343 ♪♪~