1 00:02:08,307 --> 00:02:10,307 (汽口)あっ。 2 00:02:14,313 --> 00:02:16,315 (汽口)参りました。 3 00:02:16,315 --> 00:02:18,317 (とがめ)うん。 では 約束どおり→ 4 00:02:18,317 --> 00:02:22,321 ここにいる 虚刀流 七代目 鑢 七花と→ 5 00:02:22,321 --> 00:02:25,321 王刀・鋸を懸けて 勝負していただこうか。 6 00:02:29,328 --> 00:02:31,330 (汽口)はい。 7 00:02:31,330 --> 00:02:34,333 (汽口)人を バカにするのも たいがいにしていただきたい!→ 8 00:02:34,333 --> 00:02:37,336 剣士が 刀なしで 戦えるわけがないでしょう!→ 9 00:02:37,336 --> 00:02:39,338 それとも わたしに 防具も着けず→ 10 00:02:39,338 --> 00:02:42,341 刀も持たぬ者を相手に 剣を振るえというのですか! 11 00:02:42,341 --> 00:02:46,345 これこそ 心王一鞘流を 侮辱している! 12 00:02:46,345 --> 00:02:48,345 (七花)とがめ…。 13 00:02:50,349 --> 00:02:52,349 はーっ! 14 00:02:56,355 --> 00:02:58,357 七花! 七花! 15 00:02:58,357 --> 00:03:00,359 えっ? 16 00:03:00,359 --> 00:03:10,359 ♪♪~ 17 00:06:41,547 --> 00:06:45,551 <長月 秋も深まってまいりました> 18 00:06:45,551 --> 00:06:48,554 <ここ 出羽 天童 将棋村は→ 19 00:06:48,554 --> 00:06:52,558 将棋の聖地と 呼ばれる地でございます> 20 00:06:52,558 --> 00:06:56,562 <四季崎 記紀の変体刀 王刀・鋸を求めて→ 21 00:06:56,562 --> 00:07:02,568 この地を訪れた 奇策士 とがめと 虚刀流 七代目 当主 鑢 七花> 22 00:07:02,568 --> 00:07:08,574 <早々に 刀の持ち主 心王一鞘流 十二代目 当主→ 23 00:07:08,574 --> 00:07:13,579 汽口 慚愧との 交渉に当たったのですが…> 24 00:07:13,579 --> 00:07:15,579 <失敗に終わっております> 25 00:07:17,583 --> 00:07:21,587 ごめん… とがめは 将棋戦で 汽口を倒したのに→ 26 00:07:21,587 --> 00:07:23,589 俺が 足を引っ張っちゃって。 27 00:07:23,589 --> 00:07:27,593 そなた 本当に 剣が使えぬのだな。 28 00:07:27,593 --> 00:07:29,595 うん。 29 00:07:29,595 --> 00:07:31,597 どういう理屈なのだ? 30 00:07:31,597 --> 00:07:35,618 汽口の言うとおり 武器を持って 弱くなるというのは考えられんぞ。 31 00:07:35,618 --> 00:07:39,538 言い訳と思われても 仕方ない。 俺には 説明できない。 32 00:07:39,538 --> 00:07:43,542 さて どうしたものか。 これは これで 手詰まりだ。 33 00:07:43,542 --> 00:07:46,545 でもさ 何だろう…。 34 00:07:46,545 --> 00:07:49,548 四季崎 記紀の刀の毒に 当てられてるとは思えない→ 35 00:07:49,548 --> 00:07:51,550 真っすぐさだよな 汽口は。 36 00:07:51,550 --> 00:07:54,553 当てられておらぬのかな。 37 00:07:54,553 --> 00:07:58,557 ひょっとすると それが 王刀・鋸の特性なのかもしれぬな。 38 00:07:58,557 --> 00:08:02,561 うん? それって どれだよ。 だから→ 39 00:08:02,561 --> 00:08:06,565 「四季崎の刀の毒を持たぬ 四季崎の刀であることが」だ。 40 00:08:06,565 --> 00:08:11,570 砕いて言うなら 毒気のなさこそが王の証しとでもいうのか。 41 00:08:11,570 --> 00:08:16,575 仮に 防具なしの無刀 反則なしで 汽口と対峙していたら→ 42 00:08:16,575 --> 00:08:20,579 果たして そなたは 勝利を 収めることができておったか? 43 00:08:20,579 --> 00:08:23,582 う~ん… 分からない。 44 00:08:23,582 --> 00:08:26,585 ただ 言えることは 汽口には すきがないって思ったよ。 45 00:08:26,585 --> 00:08:29,588 まるで 張り詰めた糸だった。 46 00:08:29,588 --> 00:08:34,593 気迫っていうのか そういうのは ひしひしと感じられたぜ。 47 00:08:34,593 --> 00:08:37,529 あれくらい まじめに 剣の道に励んでる人間ってのは→ 48 00:08:37,529 --> 00:08:40,532 初めて 見た気がする。 49 00:08:40,532 --> 00:08:43,535 これまで戦った相手の中じゃ→ 50 00:08:43,535 --> 00:08:45,771 それなりの上位に 食い込むことになるだろうな。 51 00:08:45,771 --> 00:08:47,539 ちぇりおー! 52 00:08:47,539 --> 00:08:49,541 ぐほっ! 痛っ…。 ったく。 53 00:08:49,541 --> 00:08:51,210 負けた相手に 感心して どうするのだ! 54 00:08:51,210 --> 00:08:52,878 ああ…。 55 00:08:52,878 --> 00:08:56,548 なあ とがめ 錆のときや 姉ちゃんのとき→ 56 00:08:56,548 --> 00:08:59,551 日和号のときみたいに 何か いい作戦は ないのかよ。 57 00:08:59,551 --> 00:09:01,553 作戦と言われてもな。 58 00:09:01,553 --> 00:09:03,555 基本的に わたしは→ 59 00:09:03,555 --> 00:09:05,557 戦闘そのものについては 門外漢だ。 60 00:09:05,557 --> 00:09:09,561 現に 薩摩で 賊刀・鎧の収集に当たったとき→ 61 00:09:09,561 --> 00:09:11,563 わたしの提案した鎧通しは→ 62 00:09:11,563 --> 00:09:14,566 校倉 必には 通用しなかったわけだしな。 63 00:09:14,566 --> 00:09:16,568 ああ そんなこともあったっけ。 64 00:09:16,568 --> 00:09:20,806 だいたい 錆のときや 七実のとき 日和号のときに立てた→ 65 00:09:20,806 --> 00:09:25,577 わたしの奇策は あくまでも そなたの強度と練度が 前提だ。 66 00:09:25,577 --> 00:09:27,579 そなたが 弱体化しておるなどという→ 67 00:09:27,579 --> 00:09:31,583 余計な条件があっては さしもの わたしも打つ手がない。 68 00:09:31,583 --> 00:09:33,585 打つ手ねぇ。 69 00:09:33,585 --> 00:09:36,522 あっ! 汽口の将棋の 腕前の方は どうだったんだ? 70 00:09:36,522 --> 00:09:38,524 まあ そこそこだ。 71 00:09:38,524 --> 00:09:41,527 剣の道を選ばず 将棋一本に絞りこんでおれば→ 72 00:09:41,527 --> 00:09:43,529 かなりの使い手になったであろう。 73 00:09:43,529 --> 00:09:45,531 わたしなど 相手にならぬほどのな。 74 00:09:45,531 --> 00:09:47,533 へぇ~ そこまで言うんだ。 75 00:09:47,533 --> 00:09:50,536 とがめも 褒めてるじゃん。 褒めてはいない! 76 00:09:50,536 --> 00:09:53,539 鳳凰から 「次の刀は 天童だ」と 聞いたとき→ 77 00:09:53,539 --> 00:09:56,542 あの道場だと思った。 78 00:09:56,542 --> 00:09:58,544 だが 当主は 代わっていたな。 79 00:09:58,544 --> 00:10:00,546 孫娘が 継いでおったのか。 80 00:10:00,546 --> 00:10:05,551 そうか 最近 当主になったのか。 年齢は そなたと同じくらいかな。 81 00:10:05,551 --> 00:10:07,553 ってことは 24~25か。 82 00:10:07,553 --> 00:10:11,557 ふ~ん もうちょっと 若く見えなくもなかったけれど。 83 00:10:11,557 --> 00:10:14,560 女の年は よく分からんな。 フンッ。 84 00:10:14,560 --> 00:10:16,562 まあ そなたは そうであろうよ。 85 00:10:16,562 --> 00:10:19,565 とがめが 俺より年下だってことは分かるんだが…。 86 00:10:19,565 --> 00:10:21,567 ちぇりお! 87 00:10:21,567 --> 00:10:23,569 誰が 童子属性だ! 誰が! 88 00:10:23,569 --> 00:10:26,572 いや そんなことは 一言も言ってないが。 89 00:10:26,572 --> 00:10:28,574 そなたの姉に 髪を切られてしまったせいで→ 90 00:10:28,574 --> 00:10:32,578 ますます 幼く見えるように なってしまったことは 認めるが。 91 00:10:32,578 --> 00:10:35,597 そんなこと わざわざ 認めなくてもいいよ。 92 00:10:35,597 --> 00:10:38,517 そなたこそ この髪が 気に入っておるのではないか? 93 00:10:38,517 --> 00:10:41,520 どうだ? ほれ ほれ! 94 00:10:41,520 --> 00:10:43,522 いや… その…。 95 00:10:43,522 --> 00:10:45,522 (汽口)失礼します。 96 00:10:51,530 --> 00:10:55,534 ど… どうしたのだ 汽口殿。 97 00:10:55,534 --> 00:10:58,537 (汽口)とがめ殿。 先ほどの勝負なのですが…。 98 00:10:58,537 --> 00:11:00,539 う… うむ。 やはり→ 99 00:11:00,539 --> 00:11:03,208 不公平があったように思うのです。(七花・とがめ)ん? 100 00:11:03,208 --> 00:11:08,447 とがめ殿と七花殿が 帰られてからわたしも考えてみたのですが→ 101 00:11:08,447 --> 00:11:11,450 七花殿が あそこまで弱かった…。 うっ…。 102 00:11:11,450 --> 00:11:15,454 となれば これは 勝負が成立したとはいえません。 103 00:11:15,454 --> 00:11:18,457 不公平があったように思うのです。あっ…。 104 00:11:18,457 --> 00:11:21,460 不公平は 是正されねばなりません。 105 00:11:21,460 --> 00:11:25,464 よって 七花殿を わが 心王一鞘流の門下生として→ 106 00:11:25,464 --> 00:11:28,901 迎え入れた上で この わたしが 直々に鍛え上げ→ 107 00:11:28,901 --> 00:11:30,569 その後 あらためて→ 108 00:11:30,569 --> 00:11:34,569 正々堂々の対戦ということで いかがでしょうか? 109 00:11:38,510 --> 00:11:40,512 (鴛鴦)こんな所に あるのかい? 110 00:11:40,512 --> 00:11:42,181 (人鳥)あっ… はい。→ 111 00:11:42,181 --> 00:11:45,417 あっ… あそこです。 112 00:11:45,417 --> 00:11:47,417 (鳳凰)うむ。 113 00:11:58,430 --> 00:12:00,430 (3人)あっ…。 114 00:12:07,439 --> 00:12:10,442 (鴛鴦)これが 毒刀・鍍ですか。 115 00:12:10,442 --> 00:12:13,445 (鳳凰)あっ… 間違いない。→ 116 00:12:13,445 --> 00:12:16,445 川獺の左腕も そう言っている。 117 00:12:18,450 --> 00:12:20,452 剣の修行か。 118 00:12:20,452 --> 00:12:26,458 虚刀流が 刀を持つなんて 親父や姉ちゃんが 聞いたらなぁ。 119 00:12:26,458 --> 00:12:30,462 でも 剣の修行って 何するんだろう? 120 00:12:30,462 --> 00:12:33,465 親父以外に 手ほどき 受けたことないからな 俺。 121 00:12:33,465 --> 00:12:37,402 と さっきから 愚痴っぽいことを 並べておるわりには→ 122 00:12:37,402 --> 00:12:39,404 なぜに 顔が ほころんでおるのだ? 123 00:12:39,404 --> 00:12:42,407 えっ? いや そんなことないけどな。 124 00:12:42,407 --> 00:12:45,410 ったく 女と見れば すぐこれだ。 はっ? 125 00:12:45,410 --> 00:12:48,413 せいぜい 手取り足取り 教えてもらうがいいわ! 126 00:12:48,413 --> 00:12:52,184 えっ? 何? どうしたの? 127 00:12:52,184 --> 00:12:54,419 とがめ? とがめさん? 128 00:12:54,419 --> 00:12:58,423 でも ちょっとヤバいな 今回は。 129 00:12:58,423 --> 00:13:00,425 ヤバいどころか 最悪だ! 130 00:13:00,425 --> 00:13:03,428 あれは 己が 不利になることは 許せても→ 131 00:13:03,428 --> 00:13:06,431 相手が 不利になることは 許せないという性格だ。 132 00:13:06,431 --> 00:13:09,201 いや 防具なしは 俺には 不利じゃなくて 有利だろ。 133 00:13:09,201 --> 00:13:12,437 それが 説明できなかっただろう!ああ…。 134 00:13:12,437 --> 00:13:14,439 たまにいるのだよ ああいう人間が。 135 00:13:14,439 --> 00:13:17,442 わたしのように 知謀策略を巡らすことにしか→ 136 00:13:17,442 --> 00:13:21,446 興味のない人間には 理解に苦しむところだがな。 137 00:13:21,446 --> 00:13:23,448 だからこそ 策も通じぬ。 138 00:13:23,448 --> 00:13:26,451 心の鬼を 心で斬ると書いて 慚愧。 139 00:13:26,451 --> 00:13:29,454 わたしの見るところ 一筋縄ではいかんよ。 140 00:13:29,454 --> 00:13:33,458 十二代目 汽口 慚愧は 真人間過ぎる。 141 00:13:33,458 --> 00:13:37,396 真人間か…。 142 00:13:37,396 --> 00:13:41,400 あそこまで 行きついてしまうと 逆に 人間らしからぬ存在だな。 143 00:13:41,400 --> 00:13:45,404 心王一鞘流の道場から 門下生が いなくなった理由も→ 144 00:13:45,404 --> 00:13:48,407 何となく 分かろうというものだ。 145 00:13:48,407 --> 00:13:50,407 かといって…。 146 00:13:52,411 --> 00:13:57,416 さて 行くか! あれ? とがめは 行かないのか? 147 00:13:57,416 --> 00:14:00,419 わたしが行って どうする。 稽古を見ないのかなって。 148 00:14:00,419 --> 00:14:03,422 わたしがいると そなたも 気が散るであろう。 149 00:14:03,422 --> 00:14:05,424 いや 全然。 150 00:14:05,424 --> 00:14:09,428 それに わたしは 策を練るのに 忙しい身だ! 151 00:14:09,428 --> 00:14:13,198 ああ… それも そうだな。 152 00:14:13,198 --> 00:14:15,434 じゃあ 行ってくる! 153 00:14:15,434 --> 00:14:19,434 あっさりし過ぎだー! もう一押ししろー! 154 00:14:27,446 --> 00:14:29,448 あれ? 早過ぎたかな。 155 00:14:29,448 --> 00:14:32,451 (汽口)いえ。 もう稽古は 始まっております。 156 00:14:32,451 --> 00:14:35,454 そこにある ぞうきんを お使いください。 157 00:14:35,454 --> 00:14:39,391 えっ? 七花殿 まずは 道場を清め→ 158 00:14:39,391 --> 00:14:41,393 すがすがしい空間を 整えることから→ 159 00:14:41,393 --> 00:14:44,396 武芸の道は 始まります。 160 00:14:44,396 --> 00:14:48,400 あっ… ああ。 返事は 「はい」と。 161 00:14:48,400 --> 00:14:50,402 はい。 162 00:14:50,402 --> 00:14:52,402 よし! 163 00:14:56,408 --> 00:15:01,413 七花め 初稽古を 心細く思っているであろう。 164 00:15:01,413 --> 00:15:04,413 ここは わたしが いきなり行って 励ましてやらねばな! 165 00:15:06,418 --> 00:15:08,420 (汽口)さて 掃除は これで よしとしましょう。 166 00:15:08,420 --> 00:15:11,423 いや~ 朝から いい汗をかいたな。 167 00:15:11,423 --> 00:15:15,427 七花殿 動かないで。 うん? 168 00:15:15,427 --> 00:15:18,430 七花…。 169 00:15:18,430 --> 00:15:21,433 あっ…。 170 00:15:21,433 --> 00:15:24,436 ≪(物音) 171 00:15:24,436 --> 00:15:27,439 とがめ殿? うん? とがめ? 172 00:15:27,439 --> 00:15:31,443 何 あんなに慌ててるんだ? 173 00:15:31,443 --> 00:15:34,446 これが 髪に付いておりました。 おっ… おう。 174 00:15:34,446 --> 00:15:36,446 殺生は なりません。 175 00:15:42,387 --> 00:15:45,387 わが流派は 殺人剣にあらず。 176 00:15:49,394 --> 00:15:51,394 か… 関係ない! 177 00:15:54,399 --> 00:15:57,402 べ… 別に どうってことない。 178 00:15:57,402 --> 00:15:59,404 違う 違う! 179 00:15:59,404 --> 00:16:03,408 違うったらー! 180 00:16:03,408 --> 00:16:06,411 では 始めるといたしましょう。 よしっ! 181 00:16:06,411 --> 00:16:09,414 まずは 素振りです。 182 00:16:09,414 --> 00:16:11,416 1。 あっ! 183 00:16:11,416 --> 00:16:13,418 2。 あれ? 184 00:16:13,418 --> 00:16:15,420 3。 うわっ!? 185 00:16:15,420 --> 00:16:18,420 4。 どわーっ! 186 00:16:28,433 --> 00:16:30,433 ハァ…。 187 00:16:36,441 --> 00:16:38,443 遅い。 188 00:16:38,443 --> 00:16:41,880 ≪(足音) んっ!? 189 00:16:41,880 --> 00:16:43,548 ≪今 帰ったぞ。 190 00:16:43,548 --> 00:16:48,553 ≪(ふすまの開く音) あれ? もう寝てんのか? 191 00:16:48,553 --> 00:16:52,557 いや~ 疲れたなぁ。 192 00:16:52,557 --> 00:16:56,561 しかし 何だな 想像以上に 剣の道は険しいし→ 193 00:16:56,561 --> 00:17:01,566 それにも増して 厳しいな 汽口は。 194 00:17:01,566 --> 00:17:03,568 でも それが嫌じゃない。 195 00:17:03,568 --> 00:17:05,570 ほう どう嫌じゃないと? 196 00:17:05,570 --> 00:17:08,573 んっ? 起きてたの? 197 00:17:08,573 --> 00:17:12,577 ほ~ ほ~ あれほど 剣を持つことを拒んでいた→ 198 00:17:12,577 --> 00:17:15,580 そなたの変わりようったら びっくりするわ! 199 00:17:15,580 --> 00:17:17,582 いや 虚刀流が 刀を持つことには→ 200 00:17:17,582 --> 00:17:20,585 今でも 抵抗があることに 変わりはない。 201 00:17:20,585 --> 00:17:22,587 でも 対戦相手の俺に→ 202 00:17:22,587 --> 00:17:25,257 あんなに厳しく 手ほどきをしてくれる 汽口が…。 203 00:17:25,257 --> 00:17:29,494 ほ~ ほ~ 手ほどきとは 何の手ほどきやら。 204 00:17:29,494 --> 00:17:33,498 えっ? 今日はな こう 上段の素振りをな。 205 00:17:33,498 --> 00:17:38,870 ほ~ ほ~ そうだったかな? えっ? 206 00:17:38,870 --> 00:17:42,541 あっ そういえば とがめ 今日 道場に来てなかったか? 207 00:17:42,541 --> 00:17:44,209 うっ。 確か…。 208 00:17:44,209 --> 00:17:46,445 行ってない! えっ だって…。 209 00:17:46,445 --> 00:17:49,448 人違いだ! いや その格好 そう やたらに…。 210 00:17:49,448 --> 00:17:51,450 疲れた もう寝る! 211 00:17:51,450 --> 00:17:54,450 はっ? 何 怒ってんだ? 212 00:17:57,456 --> 00:18:00,459 (汽口)1 2 3。 やあ! やあ! 213 00:18:00,459 --> 00:18:02,459 やっ… あっ。 214 00:18:14,473 --> 00:18:16,475 《風呂?》 215 00:18:16,475 --> 00:18:18,477 《稽古で 風呂?》 216 00:18:18,477 --> 00:18:23,482 《いや 修行 荒行 滝 乾布摩擦…》 217 00:18:23,482 --> 00:18:26,485 いやー! 218 00:18:26,485 --> 00:18:29,488 ≪(ふすまの開く音) ただいま。 219 00:18:29,488 --> 00:18:32,491 いや~ 参った 参った。 220 00:18:32,491 --> 00:18:38,430 あの心王一鞘流って なかなか すごいらしいぞ とがめ。 221 00:18:38,430 --> 00:18:42,434 活人剣といってな 無用な争いを好まず→ 222 00:18:42,434 --> 00:18:45,437 ただ 剣のみを追求する 流派なんだそうだ。 223 00:18:45,437 --> 00:18:47,439 殺人剣にあらず。 224 00:18:47,439 --> 00:18:51,209 まさに 虫も殺さずだ。 225 00:18:51,209 --> 00:18:53,445 まあ 言ったら そこは→ 226 00:18:53,445 --> 00:18:57,449 虚刀流とは 真逆ってことになるんだけどな。 227 00:18:57,449 --> 00:19:00,452 とがめ? 228 00:19:00,452 --> 00:19:03,455 食事…。 えっ? 229 00:19:03,455 --> 00:19:05,457 あれ? まだ 食べてなかったのか? 230 00:19:05,457 --> 00:19:07,459 もしかして 俺のこと待ってた? 231 00:19:07,459 --> 00:19:11,463 うん… 遅過ぎるぞ。 232 00:19:11,463 --> 00:19:16,468 すまん 俺 汽口んとこで 夕飯 ごちそうになっ… て…。 233 00:19:16,468 --> 00:19:19,471 汽口と食事したから もう食べないと? 234 00:19:19,471 --> 00:19:21,473 そなたのことを 待っていたのだぞ! 235 00:19:21,473 --> 00:19:24,476 いや 違う…。 何が違うのだ! 236 00:19:24,476 --> 00:19:26,478 いつから あの女と 膝 つき合わせて→ 237 00:19:26,478 --> 00:19:28,480 食事をする仲になったのだ! 238 00:19:28,480 --> 00:19:31,483 いや そうじゃなくて あまりに 稽古が激しくて→ 239 00:19:31,483 --> 00:19:35,487 俺 腹が減って動けなくなったから汽口が見かねて…。 240 00:19:35,487 --> 00:19:37,422 ふん! もちろん これは食べる。 241 00:19:37,422 --> 00:19:40,422 とがめと 一緒に。 決まってるじゃん。 242 00:19:42,427 --> 00:19:46,431 いや 汽口のところの食事は 何というか すごく質素で→ 243 00:19:46,431 --> 00:19:48,433 全然 腹の足しにならなかった。 244 00:19:48,433 --> 00:19:51,436 でも 先に食べててくれて よかったんだぞ。 245 00:19:51,436 --> 00:19:53,438 1人で食べても おいしくない…。 246 00:19:53,438 --> 00:19:55,440 えっ? 何でもない。 247 00:19:55,440 --> 00:19:59,878 で 剣の修行は どうだった? いや なかなか 大変だ。 248 00:19:59,878 --> 00:20:02,547 道のりは かなり 険しくて長い。 249 00:20:02,547 --> 00:20:04,549 いや 汽口がさ…。 250 00:20:04,549 --> 00:20:06,551 もう よい! 251 00:20:06,551 --> 00:20:08,553 まずは 食事だ! 252 00:20:08,553 --> 00:20:10,789 …って えっ? とがめが 話題 振ったんじゃ? 253 00:20:10,789 --> 00:20:13,558 いただきます! 254 00:20:13,558 --> 00:20:16,558 あっ… いただきます。 255 00:20:19,564 --> 00:20:22,567 (汽口)えい! えい! えい!→ 256 00:20:22,567 --> 00:20:26,567 えい! えい! えい! えい! 257 00:20:29,574 --> 00:20:32,577 おはようございます。 258 00:20:32,577 --> 00:20:34,577 おはようございます。 259 00:20:36,514 --> 00:20:39,517 (調理人)このくらいで よろしいですか? 260 00:20:39,517 --> 00:20:42,520 ああ。 261 00:20:42,520 --> 00:20:44,522 あっ あれ? 262 00:20:44,522 --> 00:20:46,524 視線は もっと真っすぐ。 はい。 263 00:20:46,524 --> 00:20:49,524 腰を もっと落とす。 はい。 264 00:20:51,529 --> 00:20:54,529 ん? うん? 265 00:21:00,205 --> 00:21:02,505 七花殿 ちょっと よろしいか? 266 00:21:05,443 --> 00:21:07,445 腰は ここまで落とす。 267 00:21:07,445 --> 00:21:10,445 うん。 そのまま 前へ。 268 00:21:13,451 --> 00:21:15,451 うわっ! 269 00:21:25,463 --> 00:21:28,466 すまん。 いえ。 270 00:21:28,466 --> 00:21:32,470 すり足は 良くなってきました。 今の要領を お忘れなく。 271 00:21:32,470 --> 00:21:35,473 はい。 さて お昼にしましょう。 272 00:21:35,473 --> 00:21:37,473 あら? うん? 273 00:21:41,413 --> 00:21:43,415 えっ? 274 00:21:43,415 --> 00:21:45,417 七花と 汽口が…。 275 00:21:45,417 --> 00:21:48,417 《そんな…》 276 00:21:50,422 --> 00:21:52,424 《まさか…》 277 00:21:52,424 --> 00:21:55,427 《うっ… あれ?》 278 00:21:55,427 --> 00:21:58,430 何? わたし…。 279 00:21:58,430 --> 00:22:03,435 何で 涙が…。 280 00:22:03,435 --> 00:22:08,440 ハァ…。 何だろう どうしてなんだろう。 281 00:22:08,440 --> 00:22:12,440 1人でいる時間が これほどまでに 長く感じるとは。 282 00:22:14,446 --> 00:22:17,449 あっ! いかん いかん。 283 00:22:17,449 --> 00:22:19,449 とがめ~ ちぇりおー! 284 00:24:38,556 --> 00:24:40,558 稽古 行ってきます。 285 00:24:40,558 --> 00:24:42,560 ほ~ いやに楽しそうだな。 286 00:24:42,560 --> 00:24:45,563 そんなに 修行は 面白いのか? 287 00:24:45,563 --> 00:24:50,568 それがさ もう 十日近くになるが 実際 何一つ 進歩はしてない。 288 00:24:50,568 --> 00:24:53,571 のようだな。 何で分かるんだ? 289 00:24:53,571 --> 00:24:55,573 そ… そなたの様子を 見ておれば分かる。 290 00:24:55,573 --> 00:24:57,575 じ… 実際に見てなくても。 291 00:24:57,575 --> 00:25:01,579 だが とがめの言うとおり 道場通いは 楽しくなってきたぞ。 292 00:25:01,579 --> 00:25:03,581 まあ 得手 不得手にかかわらず→ 293 00:25:03,581 --> 00:25:06,581 体を動かすのは 気持ちいいもんだ。 294 00:25:08,586 --> 00:25:10,586 ちぇりおー! 295 00:25:12,590 --> 00:25:14,592 (汽口・七花) やあ! やあ! やあ!→ 296 00:25:14,592 --> 00:25:18,596 やあ! やあ! やあ! やあ! 297 00:25:18,596 --> 00:25:22,600 ああ…。 お疲れさまです 七花殿。 298 00:25:22,600 --> 00:25:25,603 ありがとう。 299 00:25:25,603 --> 00:25:27,605 もう 稽古 始めて 十日か。 300 00:25:27,605 --> 00:25:30,608 きっと わたしの教え方が 悪いのでしょう。 301 00:25:30,608 --> 00:25:33,611 えっ? 実をいえば→ 302 00:25:33,611 --> 00:25:35,613 わたしは 門下生を持つのは 初めてなもので。 303 00:25:35,613 --> 00:25:38,549 色々と不格好なところも あるのでしょうが→ 304 00:25:38,549 --> 00:25:40,551 そこは 我慢していただくしか ありません。 305 00:25:40,551 --> 00:25:42,553 いや そんな…。 306 00:25:42,553 --> 00:25:46,557 それより 俺が 今まで会ってきた 変体刀の所有者とは→ 307 00:25:46,557 --> 00:25:48,559 あんた 違うな。 そんなことは ないでしょう。 308 00:25:48,559 --> 00:25:51,562 えっ? 天下国家のためを思えば→ 309 00:25:51,562 --> 00:25:54,565 とがめ殿に この王刀を手渡すのが→ 310 00:25:54,565 --> 00:25:56,567 一番 正しいのだと 分かっていながら→ 311 00:25:56,567 --> 00:26:00,571 どうしても 私心を捨てられない 未熟者こそが わたしです。 312 00:26:00,571 --> 00:26:04,575 天下国家のためねぇ…。 313 00:26:04,575 --> 00:26:06,577 しかし 分かっていただきたい。 314 00:26:06,577 --> 00:26:11,582 これは 道場の看板であると同時に自身の証明でもあるのです。 315 00:26:11,582 --> 00:26:14,585 代々 当主に受け継がれている ということだったけど→ 316 00:26:14,585 --> 00:26:17,588 旧将軍の刀狩令の折には どうしてたんだ? 317 00:26:17,588 --> 00:26:20,591 心王一鞘流は どうやって そのそれを→ 318 00:26:20,591 --> 00:26:22,593 旧将軍から守りきったんだ? 319 00:26:22,593 --> 00:26:26,597 その時代には 王刀・鋸は わが 心王一鞘流の→ 320 00:26:26,597 --> 00:26:28,599 所有物ではありませんでしたので。うん? 321 00:26:28,599 --> 00:26:32,603 確か 王刀・鋸を 心王一鞘流に持ち込んだのは→ 322 00:26:32,603 --> 00:26:35,606 八代目 当主だったと 記憶しております。 323 00:26:35,606 --> 00:26:38,543 あんたの おじいちゃんの おじいちゃんの おじいちゃんの→ 324 00:26:38,543 --> 00:26:40,545 おじいちゃんくらいか? 325 00:26:40,545 --> 00:26:45,550 いえ わたしと 先代とは 確かに 孫と祖父の関係ですが→ 326 00:26:45,550 --> 00:26:48,219 基本的に 心王一鞘流は→ 327 00:26:48,219 --> 00:26:51,456 血縁によって 受け継がれる 流派ではありませんから。 328 00:26:51,456 --> 00:26:54,459 そうなんだ。 虚刀流とは 違うんだ。 329 00:26:54,459 --> 00:26:58,463 じゃあ 八代目が どうして 王刀を持っていたのかということは→ 330 00:26:58,463 --> 00:27:01,466 はっきりとは 分からないのか。 分かりません。 331 00:27:01,466 --> 00:27:04,469 はっきりどころか まるで 皆目。 332 00:27:04,469 --> 00:27:07,472 刀狩令のころほどでは ないとはいえ→ 333 00:27:07,472 --> 00:27:10,475 かなり 昔のこととなりますので。 ふーん。 334 00:27:10,475 --> 00:27:12,477 わたしは 未熟者です。 335 00:27:12,477 --> 00:27:15,480 そりゃあ さっきも聞いたけど。 今も そうですが→ 336 00:27:15,480 --> 00:27:18,483 昔は 見られたものでは ありませんでした。 337 00:27:18,483 --> 00:27:23,488 剣の修行を怠り 村で将棋遊びに 明け暮れていました。 338 00:27:23,488 --> 00:27:26,491 先代とは そのことで よくケンカをしたものです。 339 00:27:26,491 --> 00:27:28,926 ふーん。 あっ とがめが→ 340 00:27:28,926 --> 00:27:30,595 あんたは 将棋も強いって 褒めてたぞ。 341 00:27:30,595 --> 00:27:33,598 いえ とんでもない。 342 00:27:33,598 --> 00:27:37,535 七花殿は 将棋は? いや 俺は さっぱり。 343 00:27:37,535 --> 00:27:41,539 しかし 祖父が亡くなり わたしも 将棋三昧な生活を→ 344 00:27:41,539 --> 00:27:44,542 しているわけには いかなくなったのです。 345 00:27:44,542 --> 00:27:46,544 門下生が 一人もいない道場を 継ぐことに→ 346 00:27:46,544 --> 00:27:49,547 わたしは 何の魅力も感じませんでしたが→ 347 00:27:49,547 --> 00:27:52,550 しかし 当主の証しである この王刀を手にした途端→ 348 00:27:52,550 --> 00:27:56,554 身が引き締まるような そんな気分になりました。 349 00:27:56,554 --> 00:27:58,556 もしも わたしが あのころに比べて→ 350 00:27:58,556 --> 00:28:00,558 少しでも ましな人間に なっているとするならば→ 351 00:28:00,558 --> 00:28:04,558 それは この王刀・鋸の おかげだと思います。 352 00:28:06,564 --> 00:28:09,567 あっ そういえば 祖父も 先代から 王刀を受け継いだ際→ 353 00:28:09,567 --> 00:28:13,571 生まれ変わったような気持ちに なったということでしたが。 354 00:28:13,571 --> 00:28:16,574 王刀楽土などと言っていましたね。 355 00:28:16,574 --> 00:28:18,576 王刀楽土。 356 00:28:18,576 --> 00:28:20,578 敦賀 迷彩が知ったら→ 357 00:28:20,578 --> 00:28:22,580 どうしたって 手に入れたかった刀だろうな。 358 00:28:22,580 --> 00:28:25,583 うん? 敦賀 迷彩とは どなたです? 359 00:28:25,583 --> 00:28:27,585 いや 何でもない。 360 00:28:27,585 --> 00:28:30,588 けど まあ もし あんたが その木刀のおかげで→ 361 00:28:30,588 --> 00:28:34,592 更生できたっていうなら それに越したことはないだろうな。 362 00:28:34,592 --> 00:28:37,528 どうですかね。 わたしは どうにも俗物ですから。 363 00:28:37,528 --> 00:28:41,532 いや あんたが 俗物なんて…。 ない ない。 364 00:28:41,532 --> 00:28:43,534 真っすぐに まじめに生きてるって気がする。 365 00:28:43,534 --> 00:28:46,537 わたしにも 別の人生が あったかもしれないと→ 366 00:28:46,537 --> 00:28:48,539 考えない日はありません。 367 00:28:48,539 --> 00:28:50,541 別の人生? 368 00:28:50,541 --> 00:28:54,545 恋に生きる人生もあったでしょう。えっ? 369 00:28:54,545 --> 00:28:57,548 とがめ殿と七花殿を見ていると→ 370 00:28:57,548 --> 00:29:00,551 そういった あきらめていた感情がわき上がってくるのを→ 371 00:29:00,551 --> 00:29:03,554 抑えることができません。 372 00:29:03,554 --> 00:29:05,556 剣の道だって 悪くはないだろう。 373 00:29:05,556 --> 00:29:10,561 しかし この時代に 剣の腕が 何になりますか? 374 00:29:10,561 --> 00:29:12,563 心王一鞘流も→ 375 00:29:12,563 --> 00:29:15,566 おそらく わたしの代で 最後になるでしょう。 376 00:29:15,566 --> 00:29:18,803 なればこそ 先達に恥じぬ 剣士たろうという気持ちに→ 377 00:29:18,803 --> 00:29:20,571 偽りありません。 378 00:29:20,571 --> 00:29:24,242 とはいえ わたしの代で 終わってしまうものに→ 379 00:29:24,242 --> 00:29:26,477 こうして しがみつくことは あるいは→ 380 00:29:26,477 --> 00:29:30,481 ただの未練なのではないかと 思わなくもないのです。 381 00:29:30,481 --> 00:29:33,484 俺も そう…。 382 00:29:33,484 --> 00:29:35,920 どうかされましたか? 七花殿。 383 00:29:35,920 --> 00:29:39,524 いや いいんじゃないかって 思ってさ。 384 00:29:39,524 --> 00:29:41,526 殺人剣ならまだしも→ 385 00:29:41,526 --> 00:29:44,529 心王一鞘流っていうのは 活人剣なんだろ? 386 00:29:44,529 --> 00:29:49,534 この天下太平の時代ってやつにも そぐわなくは ないはずだ。 387 00:29:49,534 --> 00:29:55,540 七花殿 たとえ 木刀でも 頭を打てば 人は 死にますよ。 388 00:29:55,540 --> 00:29:59,544 小手を打てば 骨が折れるし 胴を打てば 内臓が破裂し→ 389 00:29:59,544 --> 00:30:02,547 のどを突けば 気管が つぶれます。 390 00:30:02,547 --> 00:30:06,551 だから 試合となれば 防具を着ける必要がある。 391 00:30:06,551 --> 00:30:08,553 ただ 斬れないというだけで→ 392 00:30:08,553 --> 00:30:11,556 殺人剣でないというだけで→ 393 00:30:11,556 --> 00:30:14,856 活人剣も 立派な殺人術なのです。 394 00:30:16,561 --> 00:30:18,561 さあ 稽古の続きを始めましょう。 395 00:32:27,525 --> 00:32:30,528 (鳳凰)これは 蝙蝠が手にした 絶刀・鉋とは わけが違う。→ 396 00:32:30,528 --> 00:32:32,530 富士の風穴で→ 397 00:32:32,530 --> 00:32:36,767 川獺の手で この刀のさやに 触れたときには 驚いたものだ。→ 398 00:32:36,767 --> 00:32:40,538 絶刀の特性が 折れず 曲がらず よく斬れる→ 399 00:32:40,538 --> 00:32:44,542 あの頑丈さにあったように この毒刀・鍍の特性は→ 400 00:32:44,542 --> 00:32:48,546 ほかの どの変体刀よりも 強き毒気にあるというのだから。→ 401 00:32:48,546 --> 00:32:50,548 フフフフ…。 402 00:32:50,548 --> 00:32:54,785 (人鳥)ど… どうされましたか? 鳳凰さま。 403 00:32:54,785 --> 00:32:57,788 いや おかしくなってしまってな。 404 00:32:57,788 --> 00:33:00,558 あの 奇策士は 四季崎 記紀の 完成形 変体刀を→ 405 00:33:00,558 --> 00:33:02,560 8本まで集めているという→ 406 00:33:02,560 --> 00:33:06,230 真庭忍軍にとって 絶望的な状況下において→ 407 00:33:06,230 --> 00:33:08,232 しかし われらの方が 先んじて→ 408 00:33:08,232 --> 00:33:12,236 最も 変体刀らしい変体刀を 入手したというのは→ 409 00:33:12,236 --> 00:33:15,473 何とも 皮肉な話ではないか。→ 410 00:33:15,473 --> 00:33:17,475 対等…。→ 411 00:33:17,475 --> 00:33:19,477 とまでは いかぬまでも→ 412 00:33:19,477 --> 00:33:22,480 これで 奇策士との 駆け引きが 可能になろう。 413 00:33:22,480 --> 00:33:27,418 し… しかし 信濃に向かっていた 海亀さまが落命。 414 00:33:27,418 --> 00:33:30,421 相手が 虚刀流でないとすると ほかに 誰が…。 415 00:33:30,421 --> 00:33:33,190 もっと… 言えば…。 416 00:33:33,190 --> 00:33:35,426 (鴛鴦)どういうこと? (人鳥)もう一つの刀…。→ 417 00:33:35,426 --> 00:33:38,195 えっと… えっと…。 418 00:33:38,195 --> 00:33:43,195 炎刀・銃か 誠刀・銓に近づいていたということでしょうか? 419 00:33:44,869 --> 00:33:48,539 (人鳥)あ… あの… 鳳凰さま。 420 00:33:48,539 --> 00:33:52,543 毒刀・鍍を 川獺さまの左腕で 読み調べたことで→ 421 00:33:52,543 --> 00:33:56,547 ほかの刀についての情報が 明らかになったりは→ 422 00:33:56,547 --> 00:33:58,549 し… しなかったのでしょうか? 423 00:33:58,549 --> 00:34:01,552 (鳳凰)ああ まだだ。→ 424 00:34:01,552 --> 00:34:04,555 そのためには さらに深く潜る必要があろうな。→ 425 00:34:04,555 --> 00:34:07,558 忍法 記録辿りは もともと われの忍法ではない故に→ 426 00:34:07,558 --> 00:34:10,227 まだ 使いこなせているとは 言い難い。→ 427 00:34:10,227 --> 00:34:12,463 われの修練しだいだ。→ 428 00:34:12,463 --> 00:34:17,468 まずは 海亀が落命したとされる 信濃へと足を向けるとするか。 429 00:34:17,468 --> 00:34:22,473 はい。 海亀さんの れ… 霊も 弔わなければ。 430 00:34:22,473 --> 00:34:26,410 あっ…。 ほかの亡くなった方たちも…。 431 00:34:26,410 --> 00:34:29,413 あっ! すっ… すみません。 432 00:34:29,413 --> 00:34:31,415 蝶々さんのこと…。 433 00:34:31,415 --> 00:34:34,418 (鴛鴦)いいんだよ。→ 434 00:34:34,418 --> 00:34:38,422 皆の弔いは 必ず するさ。 435 00:34:38,422 --> 00:34:40,424 は… はい。 436 00:34:40,424 --> 00:34:42,426 (鳳凰)では 参るぞ。 437 00:34:42,426 --> 00:34:44,862 ≪(右衛門左衛門)不許。 438 00:34:44,862 --> 00:34:46,530 (鳳凰)お前は? 439 00:34:46,530 --> 00:34:49,533 (右衛門左衛門)その行為を 許すわけにはいかない。→ 440 00:34:49,533 --> 00:34:51,833 真庭忍軍の者どもよ。 441 00:34:56,207 --> 00:34:58,209 ただいま~。 442 00:34:58,209 --> 00:35:00,444 いや~ とがめ 今日は いい話を聞いたぞ。 443 00:35:00,444 --> 00:35:02,213 ちぇりお! 444 00:35:02,213 --> 00:35:04,448 おりぇち! 445 00:35:04,448 --> 00:35:07,451 って 最近 意味もなく 攻撃し過ぎだろ。 446 00:35:07,451 --> 00:35:09,453 俺 何かしたか? 447 00:35:09,453 --> 00:35:12,456 意味もなく!? 何を言っておる! 448 00:35:12,456 --> 00:35:14,458 その鉄ついを受ける 意味がないと? 449 00:35:14,458 --> 00:35:17,461 七花! ちょっと ここへ座れ! 450 00:35:17,461 --> 00:35:19,230 情けないからであろう。 451 00:35:19,230 --> 00:35:22,466 そなた 心王一鞘流の修行に なじみ過ぎてないか? 452 00:35:22,466 --> 00:35:24,235 え? 453 00:35:24,235 --> 00:35:26,403 虚刀流 当主としての 矜持は どうした! 454 00:35:26,403 --> 00:35:29,406 いや… やらせてる あんたに 言われたくないんだけど。 455 00:35:29,406 --> 00:35:33,410 ていうか よく そんな 重たそうな服を着て 跳べるよな。 456 00:35:33,410 --> 00:35:36,413 髪が短くなった分 身軽になった。 457 00:35:36,413 --> 00:35:39,416 今なら 空も飛べそうだぞ。 あっ? 458 00:35:39,416 --> 00:35:41,852 そんなことは どうでもよい! だいたい そなた→ 459 00:35:41,852 --> 00:35:44,522 あの汽口と やけに 意気投合しているではないか。 460 00:35:44,522 --> 00:35:48,526 ああ そうだな。 え~! 認めるのか? 461 00:35:48,526 --> 00:35:51,529 あのな 汽口は 戦う相手だぞ。 462 00:35:51,529 --> 00:35:54,532 いやね 心王一鞘流と 虚刀流→ 463 00:35:54,532 --> 00:35:56,534 互いに 忘れられた流派だとか→ 464 00:35:56,534 --> 00:35:59,203 同じように 最近 当主になったとか 色々…。 465 00:35:59,203 --> 00:36:00,871 キー! 466 00:36:00,871 --> 00:36:03,107 キー? ふーんだ! 467 00:36:03,107 --> 00:36:06,544 残念だけど そんな 楽しい修行生活も もう終わりだ。 468 00:36:06,544 --> 00:36:08,546 終わらせてやるもんね。 はあ? 469 00:36:08,546 --> 00:36:11,549 まあ 思わぬ時間が かかってしまったが→ 470 00:36:11,549 --> 00:36:13,551 取りあえず 思い付いたぞ。 えっ? 471 00:36:13,551 --> 00:36:16,554 思い付いたって 何が? 472 00:36:16,554 --> 00:36:19,557 奇策に決まっておる。 473 00:36:19,557 --> 00:36:21,559 とにかく 色々 考えてみたのだが→ 474 00:36:21,559 --> 00:36:25,579 そなたが 汽口 慚愧に勝つための 現実的なやり方は→ 475 00:36:25,579 --> 00:36:27,498 この一つしかなさそうだ。 476 00:36:27,498 --> 00:36:30,501 俺が 汽口に勝つ方法は 一つしかねえのかよ。 477 00:36:30,501 --> 00:36:36,507 むろん 木刀使用 防具着用 規則採用という条件下でのことだ。 478 00:36:36,507 --> 00:36:38,509 そなたが まっとうに はだしで 手っ甲を外した→ 479 00:36:38,509 --> 00:36:41,512 上半身裸の状態で あの女と戦えば→ 480 00:36:41,512 --> 00:36:44,515 きっと そなたが勝つと もちろん わたしは 信じておる。 481 00:36:44,515 --> 00:36:47,518 しかし 汽口の性格上 それは 不可能であろう。 482 00:36:47,518 --> 00:36:49,520 不可能か…。 483 00:36:49,520 --> 00:36:52,756 それで 俺が あいつに 勝つための奇策っていうのは? 484 00:36:52,756 --> 00:36:56,760 そなたの その弱さを利用する。 弱さ…。 485 00:36:56,760 --> 00:36:59,530 踊山においての 凍空こなゆき戦を→ 486 00:36:59,530 --> 00:37:02,533 そなたは 忘れておらぬだろう。 487 00:37:02,533 --> 00:37:06,537 この刀集めの旅における そなたの最初の敗北。 488 00:37:06,537 --> 00:37:09,206 ああ… そりゃ 忘れるわけがないよ。 489 00:37:09,206 --> 00:37:11,442 あれを踏襲する。 踏襲? 490 00:37:11,442 --> 00:37:14,445 踏襲というより ここでは こう言っておいた方がいいか。 491 00:37:14,445 --> 00:37:16,213 ん? 492 00:37:16,213 --> 00:37:19,450 わたしたちが狙うのは まぐれ勝ちだ! 493 00:37:19,450 --> 00:37:21,050 ん? 494 00:37:26,390 --> 00:37:29,159 (右衛門左衛門)不解。→ 495 00:37:29,159 --> 00:37:32,830 まさか お前が残って 2人を逃がすとは…。→ 496 00:37:32,830 --> 00:37:37,067 煙幕か… 古臭い忍法を使うな。 497 00:37:37,067 --> 00:37:41,505 (鴛鴦)はっ うるさいのよ。 ただ単に あんたごときは→ 498 00:37:41,505 --> 00:37:44,508 わたし一人で 十分というだけのことよ。 499 00:37:44,508 --> 00:37:46,176 (右衛門左衛門)大した自信だ。 500 00:37:46,176 --> 00:37:49,413 しかし わたしは お前が相手では 不満なのだ。 501 00:37:49,413 --> 00:37:53,417 わたしの目的は 真庭 鳳凰の暗殺なのだから。 502 00:37:53,417 --> 00:37:56,420 (鴛鴦)あんた 何者よ。 503 00:37:56,420 --> 00:37:58,422 (右衛門左衛門)不答。 504 00:37:58,422 --> 00:38:02,192 (鴛鴦)もしかして あんただね? 海亀さんを やったのは。 505 00:38:02,192 --> 00:38:04,194 (右衛門左衛門) あれは 毒刀・鍍か? 506 00:38:04,194 --> 00:38:08,432 あ? 何だい あんた 話を聞いていたのかい。 507 00:38:08,432 --> 00:38:10,434 あの距離から よく聞こえたねえ。 508 00:38:10,434 --> 00:38:12,436 (右衛門左衛門) いや 知っていただけだ。 509 00:38:12,436 --> 00:38:15,439 はあ? (右衛門左衛門)理解しなくていい。 510 00:38:15,439 --> 00:38:17,441 どうせ お前は ここで 死ぬのだから。 511 00:38:17,441 --> 00:38:19,441 そうかい。 512 00:38:22,446 --> 00:38:24,448 (右衛門左衛門)むちか…。 513 00:38:24,448 --> 00:38:27,384 真庭忍法 永劫鞭。 514 00:38:27,384 --> 00:38:29,384 (鴛鴦)いくわよ! 515 00:38:36,393 --> 00:38:40,393 フッ… 巻き戻しの鴛鴦か。 516 00:38:43,400 --> 00:38:45,400 (右衛門左衛門)あっ…。 517 00:38:47,404 --> 00:38:51,408 フッ… どうする? 518 00:38:51,408 --> 00:38:54,411 フッ… 面白い。 519 00:38:54,411 --> 00:38:56,413 褒めてもらって うれしいわね。 520 00:38:56,413 --> 00:38:58,415 お礼に教えてあげる。 521 00:38:58,415 --> 00:39:01,418 これ 攻撃力は それほどでもないの。 522 00:39:01,418 --> 00:39:06,190 先端の刃物だけ 気を付けていれば致命傷は 避けられるわよ。 523 00:39:06,190 --> 00:39:08,192 でもね→ 524 00:39:08,192 --> 00:39:11,428 この永劫鞭は 敵を じわじわと なぶり殺しにするのに→ 525 00:39:11,428 --> 00:39:14,431 最高に 適した武器なのよ。 526 00:39:14,431 --> 00:39:16,200 (右衛門左衛門)ならば…。 527 00:39:16,200 --> 00:39:18,202 相生拳法 背弄拳。 528 00:39:18,202 --> 00:39:20,502 (鴛鴦)悪いわね。 (右衛門左衛門)あっ…。 529 00:39:22,439 --> 00:39:25,442 不得禁。 530 00:39:25,442 --> 00:39:27,377 (右衛門左衛門) 驚きを禁じ得ない。→ 531 00:39:27,377 --> 00:39:29,146 背弄拳が通じないとは…。→ 532 00:39:29,146 --> 00:39:32,149 そんな相手は 真庭 鳳凰くらいかと。 533 00:39:32,149 --> 00:39:36,153 はっ 何だい あんた 鳳凰さまと知り合いなのかい? 534 00:39:36,153 --> 00:39:38,388 (右衛門左衛門) 知り合い以上 怨敵未満だ。 535 00:39:38,388 --> 00:39:41,391 答えになってないよ!→ 536 00:39:41,391 --> 00:39:44,394 どうしたの? もう終わりかい?→ 537 00:39:44,394 --> 00:39:47,397 ハハッ…。 そうよね これは むちの結界。→ 538 00:39:47,397 --> 00:39:50,400 防御こそ 最大の攻撃ってこと。 539 00:39:50,400 --> 00:39:54,404 じゃ こっちから 終わらせてあげる。 540 00:39:54,404 --> 00:40:01,411 あんたの命 海亀さんに捧げてやる。 541 00:40:01,411 --> 00:40:04,414 だが それは わたしには 不通。 542 00:40:04,414 --> 00:40:07,417 (鴛鴦)うおーっ! 543 00:40:07,417 --> 00:40:10,417 (銃声) 544 00:40:13,423 --> 00:40:15,723 それは… 何? 545 00:40:17,861 --> 00:40:19,461 不満。 546 00:40:21,532 --> 00:40:24,535 (右衛門左衛門) 結局 真庭 鳳凰暗殺は 失敗だ。→ 547 00:40:24,535 --> 00:40:28,472 しかし この女は 見事に 役割を全うした。→ 548 00:40:28,472 --> 00:40:30,474 さすがは 忍者。→ 549 00:40:30,474 --> 00:40:34,478 忍者を辞めた わたしより ずっと潔い。→ 550 00:40:34,478 --> 00:40:36,078 褒めてやろう。 551 00:40:38,482 --> 00:40:41,485 聞こえず… か。 552 00:40:41,485 --> 00:40:45,485 蝶… ちょ… さ…。 553 00:41:02,506 --> 00:41:06,510 あのさ できれば 汽口とは 泥仕合は 避けたいな。 554 00:41:06,510 --> 00:41:10,180 やはり そなた 汽口に じょ… 情が移ったのだな! 555 00:41:10,180 --> 00:41:12,850 そなた またも 心変わりをしたというのか!? 556 00:41:12,850 --> 00:41:15,519 またもって 俺が いつ…。 557 00:41:15,519 --> 00:41:17,521 道場で 二人きりで 何をしておったのか→ 558 00:41:17,521 --> 00:41:19,523 わたしは 知っているのだぞ! 559 00:41:19,523 --> 00:41:23,527 ああ 知ってのとおり 稽古だ。 あ~ 何の稽古だか。 560 00:41:23,527 --> 00:41:25,546 はあ? わたしは そなたを信頼して→ 561 00:41:25,546 --> 00:41:28,465 あの道場に 通わせていたというのに! 562 00:41:28,465 --> 00:41:32,469 ええい! もう そなたの 浮気性には 付き合いきれぬわ。 563 00:41:32,469 --> 00:41:34,705 付き合いきれないのは こっちだ。 564 00:41:34,705 --> 00:41:37,474 自分から そういう話を 振ってきておいて…。 565 00:41:37,474 --> 00:41:41,478 俺は あんたの言うとおり この十日間… あっ。 566 00:41:41,478 --> 00:41:44,481 とがめ ちょっと ヤバいかもしれないぞ。 567 00:41:44,481 --> 00:41:47,484 ヤバい? いや… まあ 確かに→ 568 00:41:47,484 --> 00:41:49,486 よその流派の 門下生になれという→ 569 00:41:49,486 --> 00:41:51,488 わたしの命令は 理不尽であったと思うし→ 570 00:41:51,488 --> 00:41:54,491 それで 愛想を尽かされても 仕方ないのかもしれないけど→ 571 00:41:54,491 --> 00:41:57,494 わたしには わたしなりの考えがあってだな→ 572 00:41:57,494 --> 00:41:59,496 それを聞いてくれても いいではないか! 573 00:41:59,496 --> 00:42:01,732 それを! それを! 574 00:42:01,732 --> 00:42:03,500 分かった 分かった。 575 00:42:03,500 --> 00:42:07,738 いや その件についての話は もう終わっている。 576 00:42:07,738 --> 00:42:10,173 終わっているとは 何だ! 577 00:42:10,173 --> 00:42:12,409 まだ 話し合いの余地は 残っておるだろうが! 578 00:42:12,409 --> 00:42:14,411 2人で 築いてきた関係を→ 579 00:42:14,411 --> 00:42:16,413 1人で 一方的に終わらそうとは どういうつもりだ。 580 00:42:16,413 --> 00:42:19,416 わたしは この十日間 どういう思いで…。 581 00:42:19,416 --> 00:42:21,852 いや ヤバいのは とがめの立てた奇策だよ。 582 00:42:21,852 --> 00:42:23,520 ん? 583 00:42:23,520 --> 00:42:27,524 そうなのか? ならば よい。 いや よくはないだろ。 584 00:42:27,524 --> 00:42:29,526 で 奇策が どうヤバい? 585 00:42:29,526 --> 00:42:31,528 つまりさ その奇策は→ 586 00:42:31,528 --> 00:42:36,533 俺が 刀剣使いの素人であることを前提に考えられているわけだろ。 587 00:42:36,533 --> 00:42:39,536 けれど とがめ 十日前なら いざ知らず→ 588 00:42:39,536 --> 00:42:41,538 あんたが その奇策を 練っている間に→ 589 00:42:41,538 --> 00:42:43,540 俺は 達人である汽口から→ 590 00:42:43,540 --> 00:42:46,543 直々に ずっと 教えを受けていたんだぜ。 591 00:42:46,543 --> 00:42:49,546 俺は もう 素人とは 言えないんじゃないのか? 592 00:42:49,546 --> 00:42:53,550 あっ そうか。 確かに そこまでは 考えてはいなかった。 593 00:42:53,550 --> 00:42:55,552 わたしとしたことが 不覚だったな。 594 00:42:55,552 --> 00:42:57,552 よし 分かった。 595 00:42:59,556 --> 00:43:01,556 チュッ。 596 00:43:04,561 --> 00:43:06,561 あっ…。 597 00:43:10,567 --> 00:43:13,570 まだ 何か覚えておるか? 598 00:43:13,570 --> 00:43:15,570 全部 忘れた…。 599 00:45:34,311 --> 00:45:37,314 (汽口)まだ 七花殿は わたしと 戦うまでには 及んでいないと…。 600 00:45:37,314 --> 00:45:40,317 相手の実力が 劣るという理由で 立ち合うに及ばないとは→ 601 00:45:40,317 --> 00:45:41,985 汽口殿も ずいぶんと 思い上がったことを→ 602 00:45:41,985 --> 00:45:43,653 言うではないか。 603 00:45:43,653 --> 00:45:45,655 剣の道に さような絶対はあるまい。 604 00:45:45,655 --> 00:45:47,324 どのような実力差があろうが→ 605 00:45:47,324 --> 00:45:51,324 剣を取って立ち合う以上は 対等であろう! 606 00:45:53,330 --> 00:45:56,333 分かりました。 うむ。 607 00:45:56,333 --> 00:45:58,333 《とがめの思惑どおりだ》 608 00:46:01,338 --> 00:46:05,342 ただ その前に お願いがあります。 609 00:46:05,342 --> 00:46:08,345 この勝負 わたしが勝ったならば→ 610 00:46:08,345 --> 00:46:12,349 どうか 王刀・鋸を すっぱりと あきらめていただきたい。 611 00:46:12,349 --> 00:46:16,349 承知した。 では まずは 将棋戦 9局。 612 00:46:25,362 --> 00:46:27,364 (汽口)王手。→ 613 00:46:27,364 --> 00:46:30,367 ですが 結局 4勝5敗。→ 614 00:46:30,367 --> 00:46:33,303 将棋戦 9局は とがめ殿の勝ちです。 615 00:46:33,303 --> 00:46:39,309 では 次。 剣術は 1回勝負の1本勝負で。 616 00:46:39,309 --> 00:46:41,311 (汽口)用意は いいですか? 七花殿。 617 00:46:41,311 --> 00:46:44,314 いいよ。 一応 先に言っとくけど→ 618 00:46:44,314 --> 00:46:46,316 十日間 色々と世話になったな。 619 00:46:46,316 --> 00:46:51,321 何一つ 身に付きはしなかった 出来の悪い門下生だったけれど→ 620 00:46:51,321 --> 00:46:53,323 いい経験になったと思っているぜ。 621 00:46:53,323 --> 00:46:56,326 いや わたしの方が 多くのものを学ばされました。 622 00:46:56,326 --> 00:46:59,329 おそらく まだ わたしは 人に ものを教えられるような→ 623 00:46:59,329 --> 00:47:02,332 立場にないということ だったのでしょう。 624 00:47:02,332 --> 00:47:05,335 かのような結果に 終わってしまったことについては→ 625 00:47:05,335 --> 00:47:08,338 誠に申し訳なく思っております。 まだ 謝るなよ。 626 00:47:08,338 --> 00:47:10,340 これで もしも 俺が あんたに勝てば→ 627 00:47:10,340 --> 00:47:15,345 あんたの正しさが 逆に証明されるってことにもなるんじゃないか? 628 00:47:15,345 --> 00:47:17,347 そうですね。 629 00:47:17,347 --> 00:47:21,351 七花殿 あの…。 うん? 630 00:47:21,351 --> 00:47:24,354 木刀の持ち方が 間違っています。 631 00:47:24,354 --> 00:47:28,358 えっ? ああ… うん…。 632 00:47:28,358 --> 00:47:31,361 七花殿 心の鬼を心で斬る。 633 00:47:31,361 --> 00:47:34,297 これをもって 慚愧と名乗る。 634 00:47:34,297 --> 00:47:37,300 心王一鞘流 十二代目 汽口 慚愧。 635 00:47:37,300 --> 00:47:40,303 お手並み 拝見いたします。 636 00:47:40,303 --> 00:47:42,305 言われなくても見せてやるさ。 637 00:47:42,305 --> 00:47:43,974 ただし そのころには→ 638 00:47:43,974 --> 00:47:46,209 あんたは 八つ裂きになっている かもしれないけどな。 639 00:47:46,209 --> 00:47:49,212 それでは そろそろ 始めましょうか。 640 00:47:49,212 --> 00:47:51,214 (せきばらい) 641 00:47:51,214 --> 00:47:54,217 それでは いざ尋常に 始め! 642 00:47:54,217 --> 00:48:13,236 ♪♪~ 643 00:48:13,236 --> 00:48:15,238 フフ…。 644 00:48:15,238 --> 00:48:18,238 7六歩。 あっ…。 645 00:48:22,245 --> 00:48:25,248 《わたしは 3四歩と返す》 646 00:48:25,248 --> 00:48:27,250 2六歩。 あっ…。 647 00:48:27,250 --> 00:48:29,252 《4四歩》 648 00:48:29,252 --> 00:48:31,254 2五歩。 649 00:48:31,254 --> 00:48:33,189 《3三角》 650 00:48:33,189 --> 00:48:35,191 《まるで わたしの手を 読み知っているかのように…》 651 00:48:35,191 --> 00:48:37,193 4八銀。 652 00:48:37,193 --> 00:48:40,196 《動けない…。 駄目だ 集中力を乱される》 653 00:48:40,196 --> 00:48:42,198 《3二銀》 654 00:48:42,198 --> 00:48:44,200 5六歩。 655 00:48:44,200 --> 00:48:49,205 《そうか だから 9局対局を 負けで終わらせたのか》 656 00:48:49,205 --> 00:48:52,208 《最後に 先手を取るために》 657 00:48:52,208 --> 00:48:55,211 《この人とは 10局対局しただけ→ 658 00:48:55,211 --> 00:48:58,214 わずか 2,000手で わたしの動きを読み取ってしまった》 659 00:48:58,214 --> 00:49:00,216 《この人は…》 6八玉。 660 00:49:00,216 --> 00:49:02,218 《考えなければいいのだ》 661 00:49:02,218 --> 00:49:06,222 《そうか 七花殿は 将棋が できないのであったな》 662 00:49:06,222 --> 00:49:08,224 7八銀。 663 00:49:08,224 --> 00:49:13,229 《考えなければいいのに どうしても 考えてしまう…》 664 00:49:13,229 --> 00:49:15,231 《2二飛》 7八玉! 665 00:49:15,231 --> 00:49:18,234 面! 666 00:49:18,234 --> 00:49:20,236 あっ…。 667 00:49:20,236 --> 00:49:22,236 あ~…! 668 00:49:24,240 --> 00:49:29,245 <心王一鞘流 対 虚刀流の一番は とても静かに あっけなく→ 669 00:49:29,245 --> 00:49:32,545 しかも 地味に 決着がついたのでございます> 670 00:49:34,184 --> 00:49:36,186 なるほど 心理戦ね。 671 00:49:36,186 --> 00:49:39,189 まったく 俺の苦手な領域だな。 672 00:49:39,189 --> 00:49:41,191 しかし とがめの その才覚は→ 673 00:49:41,191 --> 00:49:45,195 できれば 敦賀 迷彩戦あたりで 発揮してほしかったものだが。 674 00:49:45,195 --> 00:49:47,197 たわけが。 だから 何度も言うが→ 675 00:49:47,197 --> 00:49:50,200 戦闘は あくまで そなたの領分であろうが。 676 00:49:50,200 --> 00:49:54,204 今回のことこそ 例外だと思え。 まあ そうだな。 677 00:49:54,204 --> 00:49:58,208 でもさ あれって 厳密には 反則じゃないのか? 678 00:49:58,208 --> 00:50:01,211 横合いから 選手に ぺらぺらと 話し掛けるっていうのは→ 679 00:50:01,211 --> 00:50:03,213 何だか ずるい気もするんだけど。 680 00:50:03,213 --> 00:50:05,215 そなたは 何を言っておるのだ。 681 00:50:05,215 --> 00:50:08,218 反則に決まっておろうが。 682 00:50:08,218 --> 00:50:12,222 でも だったら そう指摘しそうなものじゃねえか。 683 00:50:12,222 --> 00:50:15,225 あれだけ 規則に うるさい 汽口なら。 684 00:50:15,225 --> 00:50:19,229 だがな 七花 その反則を取るのは 誰だ? 685 00:50:19,229 --> 00:50:21,231 審判役の わたしであろうが。 686 00:50:21,231 --> 00:50:23,233 確かに…。 687 00:50:23,233 --> 00:50:25,235 それに この村において→ 688 00:50:25,235 --> 00:50:28,238 まさか 将棋を指したことを 反則扱いは できまいよ。 689 00:50:28,238 --> 00:50:30,240 えっ? 690 00:50:30,240 --> 00:50:34,177 なぜなら ここは 将棋の聖地だ。 ふ~ん。 691 00:50:34,177 --> 00:50:38,181 でも とがめの将棋は ホントに すごいな。 692 00:50:38,181 --> 00:50:40,183 《全力で お願いします》 693 00:50:40,183 --> 00:50:44,187 あっという間に。 42手だ。 694 00:50:44,187 --> 00:50:46,189 《参りました》 695 00:50:46,189 --> 00:50:48,191 とがめの圧勝。 696 00:50:48,191 --> 00:50:52,195 そなたも 6割の力で戦うという 縛りでも 圧勝したではないか。 697 00:50:52,195 --> 00:50:58,201 いやいや 奥義 百花繚乱を 繰り出して やっとの勝利だ。 698 00:50:58,201 --> 00:51:00,201 (汽口)《うっ…》 699 00:51:04,207 --> 00:51:06,209 《参りました》 700 00:51:06,209 --> 00:51:10,213 《おみそれしました 七花殿》 701 00:51:10,213 --> 00:51:13,216 《知らなかったとはいえ あなたのような使い手を→ 702 00:51:13,216 --> 00:51:17,220 わたしのごとき 未熟者の 門下生として扱った無礼を→ 703 00:51:17,220 --> 00:51:19,222 お許しください》 704 00:51:19,222 --> 00:51:21,224 《だから そんなに謝んなよ》 705 00:51:21,224 --> 00:51:25,228 《あんたの剣は 何も間違っちゃいないんだから》 706 00:51:25,228 --> 00:51:31,234 《剣を取った方が 弱くなるなど まるで 呪いのようですね》 707 00:51:31,234 --> 00:51:33,269 《呪い…》 708 00:51:33,269 --> 00:51:35,271 《どうぞ》 709 00:51:35,271 --> 00:51:38,274 《約束どおり 王刀・鋸は お渡しします》 710 00:51:38,274 --> 00:51:42,278 《いいのかよ それは 当主の証しなんだろ?》 711 00:51:42,278 --> 00:51:46,282 《わたしには まだ この刀を持つ 資格は ないようです》 712 00:51:46,282 --> 00:51:48,284 《いえ 逆ですね》 713 00:51:48,284 --> 00:51:51,287 《わたしは この刀から すでに 十分な力を得ました》 714 00:51:51,287 --> 00:51:56,292 《天下国家のために使うなり 折って捨てるなり 何なりと》 715 00:51:56,292 --> 00:51:59,295 《その後の処理は お任せいたします》 716 00:51:59,295 --> 00:52:01,297 《また いつでも いらしてください》 717 00:52:01,297 --> 00:52:05,301 《そして その際には ぜひ もう一度 お相手願いたい》 718 00:52:05,301 --> 00:52:09,305 《そのときを楽しみに わたしは 心王一鞘流の看板を→ 719 00:52:09,305 --> 00:52:12,308 これからも 守り続けようと思います》 720 00:52:12,308 --> 00:52:14,310 《看板って…》 721 00:52:14,310 --> 00:52:16,312 《看板は 王刀じゃなかったのかよ》 722 00:52:16,312 --> 00:52:18,314 《心の鬼を心で斬る》 723 00:52:18,314 --> 00:52:20,316 《これをもって 慚愧と名乗る》 724 00:52:20,316 --> 00:52:24,320 《これからは わたし自身が看板です》 725 00:52:24,320 --> 00:52:26,320 《看板娘です》 726 00:52:28,324 --> 00:52:30,326 楽しかったな。 727 00:52:30,326 --> 00:52:32,262 ちぇりお! 728 00:52:32,262 --> 00:52:35,265 何だ? 鼻の下が伸びておるぞ。 どこが? 729 00:52:35,265 --> 00:52:38,268 おっ 自覚ありか? だから 何の? 730 00:52:38,268 --> 00:52:40,270 まあ よい。 731 00:52:40,270 --> 00:52:43,273 それより 残る刀は いよいよ 3本か。 732 00:52:43,273 --> 00:52:45,275 まにわにの連中 あっちも あっちで→ 733 00:52:45,275 --> 00:52:49,279 刀 集めてたりするのかな? さて どうだろうな。 734 00:52:49,279 --> 00:52:52,282 連中に それだけの器量があるとも思えぬが。 735 00:52:52,282 --> 00:52:54,284 1本くらいは やつらの手に落ちていても→ 736 00:52:54,284 --> 00:52:56,286 不思議はないな。 737 00:52:56,286 --> 00:52:58,955 七花 今回の件は→ 738 00:52:58,955 --> 00:53:02,191 あまり考えたくない 今後の可能性を示唆しておるな。 739 00:53:02,191 --> 00:53:07,196 うん? ああ 俺が刀を持つと めちゃめちゃ弱いってことか? 740 00:53:07,196 --> 00:53:10,967 けど 今回みたいな場合って さすがに もう ないと…。 741 00:53:10,967 --> 00:53:14,203 いや それは それで はなはだ 不安要素ではあるが→ 742 00:53:14,203 --> 00:53:17,206 旧将軍のことだ。 旧将軍? 743 00:53:17,206 --> 00:53:19,208 刀狩令のことだ。 744 00:53:19,208 --> 00:53:23,212 旧将軍は どうして 王刀・鋸を 収集できなかったのかとな。 745 00:53:23,212 --> 00:53:25,214 どうしてって…。 746 00:53:25,214 --> 00:53:28,217 毒を発さないとか 毒気を抜くとか→ 747 00:53:28,217 --> 00:53:31,220 そんな王刀楽土の効果を さておけば→ 748 00:53:31,220 --> 00:53:33,156 あくまでも ただの木刀だぞ。 749 00:53:33,156 --> 00:53:37,160 その木刀で どうやって 当時の王刀・鋸の所有者は→ 750 00:53:37,160 --> 00:53:39,162 旧将軍を撃退したのだ? 751 00:53:39,162 --> 00:53:41,164 う~ん。 752 00:53:41,164 --> 00:53:43,166 刀狩令。 753 00:53:43,166 --> 00:53:46,169 表向きの目的は 刀大仏 建立のため。 754 00:53:46,169 --> 00:53:49,172 裏向きの目的は 剣客撲滅のため。 755 00:53:49,172 --> 00:53:52,175 真の目的は 四季崎 記紀の変体刀集め。 756 00:53:52,175 --> 00:53:56,179 しかし 実は その裏が あったのではないだろうか。 757 00:53:56,179 --> 00:53:59,182 旧将軍の刀集めの失敗も→ 758 00:53:59,182 --> 00:54:02,185 わたしが思うところとは 違ったのかもしれぬ。 759 00:54:02,185 --> 00:54:06,189 だとしたら どうなるんだ? だから…。 760 00:54:06,189 --> 00:54:09,192 だとしたら…。 761 00:54:09,192 --> 00:54:11,194 いや まだ可能性の話だ。 762 00:54:11,194 --> 00:54:14,197 そなたが 気にするようなことではない。 763 00:54:14,197 --> 00:54:17,200 忘れておけ。 忘れておけって…。 764 00:54:17,200 --> 00:54:19,202 でも そんなに気になること 言われたら。 765 00:54:19,202 --> 00:54:23,206 それとも 何か? また…。 うん? 766 00:54:23,206 --> 00:54:28,206 また 忘れさせてほしいという おねだりのつもりか? 767 00:54:33,149 --> 00:54:37,153 <さて 2人は この後 いったん 尾張に戻ったものの→ 768 00:54:37,153 --> 00:54:39,155 せきたてられるように 次の目的地へと→ 769 00:54:39,155 --> 00:54:42,158 旅立つことに なるのでございます> 770 00:54:42,158 --> 00:54:46,162 <10本目の収集対象は 誠刀・銓> 771 00:54:46,162 --> 00:54:50,166 <そして 次の目的地といえば 奥州> 772 00:54:50,166 --> 00:54:53,166 <物語も 佳境に入ってまいりました> 773 00:55:03,179 --> 00:55:07,183 <あろうことか 奇策士 とがめの 知られざる生まれ故郷が→ 774 00:55:07,183 --> 00:55:13,189 次の完成形 変体刀 誠刀・銓の 在りかなのでございます> 775 00:55:13,189 --> 00:55:14,957 <およそ 20年ぶりに→ 776 00:55:14,957 --> 00:55:18,194 里帰りを果たすことになる といったところで→ 777 00:55:18,194 --> 00:55:24,194 『刀語』 こよいの お楽しみは ここまでにございます> 778 00:55:26,202 --> 00:55:36,202 ♪♪~