1 00:00:03,136 --> 00:00:05,138 (カヤちゃん)お~。 2 00:00:05,138 --> 00:00:08,308 (カヤパパ)カヤ! パパ! 3 00:00:08,308 --> 00:00:10,611 (チエ先生)あれ? カヤちゃんパパ。 4 00:00:10,611 --> 00:00:12,646 今日のお迎えは ナナさんじゃ…。 5 00:00:12,646 --> 00:00:14,715 それが…。 6 00:00:14,715 --> 00:00:16,950 ゆうべ お母様が 亡くなられたそうです。 7 00:00:16,950 --> 00:00:18,952 えっ? 8 00:00:20,954 --> 00:00:22,956 お母様が…。 9 00:00:22,956 --> 00:00:25,626 ☎️ 10 00:00:25,626 --> 00:00:29,096 (チヒロ先生)はい 花麦幼稚園です。 11 00:00:29,096 --> 00:00:31,798 (チヒロ先生)あっ こんばんは。 12 00:00:31,798 --> 00:00:34,468 チエ先生…? 13 00:00:34,468 --> 00:00:36,436 ええ います。 14 00:00:36,436 --> 00:00:38,639 代わりますので 少々お待ちください。 15 00:00:38,639 --> 00:00:41,241 カヤちゃんの伯母さんからお電話。 16 00:00:44,011 --> 00:00:47,080 お電話代わりました 蓮見です。 17 00:00:47,080 --> 00:00:48,949 ☎️(ナナ)ナナです。 18 00:00:48,949 --> 00:00:51,151 ナナさん このたびは…。 19 00:00:51,151 --> 00:00:54,288 ☎️(ナナ)チエ先生 お話があります。 20 00:00:54,288 --> 00:00:56,290 なんでしょうか? 21 00:00:56,290 --> 00:01:00,994 ☎️(ナナ)込み入った話になるので 直接お会いしたいのです。 22 00:01:00,994 --> 00:01:03,864 ☎️(ナナ)できれば 戎杜本家で。 23 00:01:03,864 --> 00:01:05,899 へっ? 24 00:01:05,899 --> 00:01:09,269 ええ~!? 25 00:02:56,243 --> 00:02:58,145 あと これ! 26 00:02:58,145 --> 00:03:00,847 あっ! これ カヤの絵! 27 00:03:00,847 --> 00:03:04,818 そう。 先生 カヤちゃんのそれ 大好きだから。 28 00:03:04,818 --> 00:03:09,156 おばあちゃんにも見せてあげたら 喜ぶかな~って思って。 29 00:03:09,156 --> 00:03:12,159 おまいりで? うん。 30 00:03:12,159 --> 00:03:16,029 そういうことに なってるんですよね ナナさん。 31 00:03:16,029 --> 00:03:18,065 (ナナ)そうです。 32 00:03:18,065 --> 00:03:19,100 (ナナ)お疲れの お父さんに代わって➨ 33 00:03:19,100 --> 00:03:22,002 祖母の弔問かたがた➨ 34 00:03:22,002 --> 00:03:26,506 今日1日 預かるという体で 連れ出してきました。 35 00:03:26,506 --> 00:03:28,675 《体で…。 36 00:03:28,675 --> 00:03:34,681 つまり 本当の目的は 他にある…》 37 00:03:40,153 --> 00:03:42,189 (ナナ)到着しました。 38 00:03:42,189 --> 00:03:44,191 ここが…。 39 00:03:44,191 --> 00:03:47,494 (ナナ)戎杜本家です。 40 00:03:47,494 --> 00:03:50,664 《戎杜家…。 41 00:03:50,664 --> 00:03:53,733 カヤちゃんの ママの実家》 42 00:03:56,002 --> 00:03:59,673 で… なんで モブさんたちまで いるんですか! 43 00:03:59,673 --> 00:04:02,142 (モブオ)カヤ様に関する案件ですよ! 44 00:04:02,142 --> 00:04:05,011 僕が放っておくわけ ないじゃないですか! 45 00:04:05,011 --> 00:04:07,848 (ナム)オサムくんに関わる案件だよ。 46 00:04:07,848 --> 00:04:09,983 俺が放っておくわけないでしょ。 47 00:04:09,983 --> 00:04:15,355 (モブオ)ふお~! 聖地巡礼ですよ 師匠! ムッフ~! 48 00:04:15,355 --> 00:04:17,324 (ナム)禁足地の間違いでしょ。 49 00:04:17,324 --> 00:04:19,793 なんなの この人たち。 50 00:04:22,829 --> 00:04:24,831 本当に いいんですか? 51 00:04:24,831 --> 00:04:29,169 ナムさんはともかく モブさん 完全に部外者ですけど。 52 00:04:29,169 --> 00:04:32,339 それ 先生が言っちゃう? 53 00:04:32,339 --> 00:04:34,374 (ナナ)彼らも カヤと➨ 54 00:04:34,374 --> 00:04:36,810 浅からぬ因縁がある ということでしたから。 55 00:04:36,810 --> 00:04:39,513 ま… まあ それはそうかも。 56 00:04:39,513 --> 00:04:43,850 今は 1人でも多くの助けが 欲しいので。 57 00:04:43,850 --> 00:04:45,919 助け…? 58 00:04:45,919 --> 00:04:47,821 (ナム)調子がいいな。 59 00:04:47,821 --> 00:04:50,991 今更になって よそ者だのみか? 60 00:04:50,991 --> 00:04:53,660 (ナム)親の死に様を見て 怖気づいた? 61 00:04:53,660 --> 00:04:55,662 師匠…。 62 00:04:55,662 --> 00:04:58,832 (ナム)戎杜ムツは➨ 63 00:04:58,832 --> 00:05:02,302 殺されたんだろ。 64 00:05:02,302 --> 00:05:04,971 やめてよ! 小さい子の前で! 65 00:05:04,971 --> 00:05:08,842 (ナナ)勘がいいのは変わりませんね。 66 00:05:08,842 --> 00:05:11,378 (ナナ)今日は そのことも踏まえて➨ 67 00:05:11,378 --> 00:05:13,446 これまでのこと➨ 68 00:05:13,446 --> 00:05:15,315 これからのことを➨ 69 00:05:15,315 --> 00:05:17,984 すべて打ち明けるために お呼びしました。 70 00:05:17,984 --> 00:05:20,654 どうぞ こちらへ。 71 00:05:20,654 --> 00:05:23,790 カヤちゃん お庭で縄跳びして 待ってよっか! 72 00:05:23,790 --> 00:05:25,792 わかった! 73 00:05:25,792 --> 00:05:29,296 お気をつけて~。 74 00:05:29,296 --> 00:05:31,965 あの ナナさん以外に お家の方は…。 75 00:05:31,965 --> 00:05:34,334 (ナナ)いません。 私だけです。 76 00:05:34,334 --> 00:05:38,138 (ナナ)母が仕切っていたころは 出入りも多かったのですが…。 77 00:05:38,138 --> 00:05:41,141 今日び 拝み屋なんて 流行んないだろ。 78 00:05:41,141 --> 00:05:44,644 当代の主人は 先代みたいな ハッタリもきかない➨ 79 00:05:44,644 --> 00:05:48,081 ショボい霊能力者だし。 ちょっ 失礼でしょ…。 80 00:05:48,081 --> 00:05:49,983 そのとおりです。 81 00:05:49,983 --> 00:05:53,119 私には 母や カヤのような力はありません。 82 00:05:53,119 --> 00:05:55,822 せいぜい お祓いの真似事が できる程度。 83 00:05:55,822 --> 00:05:59,626 えっ? そうだったんですか? ベー。 84 00:05:59,626 --> 00:06:01,695 でも いいのです。 85 00:06:01,695 --> 00:06:05,232 現代に霊能力者なんて 胡乱な存在は➨ 86 00:06:05,232 --> 00:06:08,001 必要ないのですから。 87 00:06:08,001 --> 00:06:11,137 ただ 不要になったからといって➨ 88 00:06:11,137 --> 00:06:14,007 そう簡単に なくすこともできない。 89 00:06:14,007 --> 00:06:16,009 (ナナ)ここにあるのは➨ 90 00:06:16,009 --> 00:06:18,078 そういうモノの残滓。 (シャッター音) 91 00:06:18,078 --> 00:06:21,181 (ナナ)事は急を要しています。 92 00:06:21,181 --> 00:06:24,317 ですので 本来は 決して表に出ることのない➨ 93 00:06:24,317 --> 00:06:28,288 巫女子再生の呪術 呪胎。 94 00:06:28,288 --> 00:06:30,724 そのすべてをお伝えします。 95 00:06:30,724 --> 00:06:32,759 《呪胎…。 96 00:06:32,759 --> 00:06:37,130 この前言ってた 意図的に霊能力者を産む方法…》 97 00:06:37,130 --> 00:06:39,132 (ナナ)呪胎に欠かせないのは➨ 98 00:06:39,132 --> 00:06:42,068 なによりも まず 身ごもった女。 99 00:06:42,068 --> 00:06:46,139 これは 戎杜家の 女自身が行います。 100 00:06:46,139 --> 00:06:49,309 (ナナ)父親も 胎児の性別も問いません。 101 00:06:49,309 --> 00:06:52,312 (ナナ)元がどうあれ 呪術によって➨ 102 00:06:52,312 --> 00:06:55,815 巫女子という器に 作り変えられてしまうからです。 103 00:06:55,815 --> 00:06:58,985 (ナナ)ただ その作り変えを起こすには➨ 104 00:06:58,985 --> 00:07:00,954 あるモノが必要でした。 105 00:07:00,954 --> 00:07:03,123 あ… あるモノって? 106 00:07:03,123 --> 00:07:06,192 臍帯…。 へその緒です。 107 00:07:06,192 --> 00:07:10,597 (ナナ)巫女子の力は へその緒の中に 宿っていると考え➨ 108 00:07:10,597 --> 00:07:13,300 へその緒ごと 体内に取り込んだのです。 109 00:07:13,300 --> 00:07:15,302 (2人)うえ…。 110 00:07:15,302 --> 00:07:17,337 なるほど なるほど! 111 00:07:17,337 --> 00:07:21,241 胎盤食などの風習から 着想を得たのでしょうか! 112 00:07:21,241 --> 00:07:25,312 (ナナ)結果的に その理屈で呪術は成立。 113 00:07:25,312 --> 00:07:27,981 (ナナ)呪胎によって 変質する胎児は➨ 114 00:07:27,981 --> 00:07:30,884 胎内にいる期間が 長ければ長いほど➨ 115 00:07:30,884 --> 00:07:33,987 その力を増したといいます。 116 00:07:33,987 --> 00:07:38,158 (ナナ)私は早産で その期間がとても短かったので➨ 117 00:07:38,158 --> 00:07:41,027 変質も ほんのわずかでした。 118 00:07:41,027 --> 00:07:45,298 これが ショボい霊能力者な 理由です。 119 00:07:45,298 --> 00:07:49,736 ふ~ん… なるほどね。 つまり➨ 120 00:07:49,736 --> 00:07:52,238 ムツの下位互換の アンタじゃ➨ 121 00:07:52,238 --> 00:07:57,477 戎杜への呪いに 手も足もでないってことか。 122 00:07:57,477 --> 00:07:59,479 くだらない。 123 00:07:59,479 --> 00:08:01,648 どこで買った 恨みか知らないけど➨ 124 00:08:01,648 --> 00:08:05,285 自分たちの ケツは 自分たちで拭いたらどうなんだ? 125 00:08:05,285 --> 00:08:08,154 どういうこと? 呪いって…。 126 00:08:08,154 --> 00:08:13,460 戎杜ムツは 病死でも ましてや老衰でもない。 127 00:08:13,460 --> 00:08:15,495 殺されたんだよ。 128 00:08:15,495 --> 00:08:19,632 戎杜を恨む人間の呪いで。 129 00:08:19,632 --> 00:08:22,502 な… 何を根拠にそんな話を…! 130 00:08:22,502 --> 00:08:28,641 あの日 俺は事情があって 戎杜ムツの元を訪れてた。 131 00:08:28,641 --> 00:08:32,812 (ナム)だけど あいつは 突然 俺の目の前で死んだ。 132 00:08:32,812 --> 00:08:34,814 (ナム)それ自体は どうでもいい。 133 00:08:34,814 --> 00:08:37,717 (ナム)むしろ 清々したくらいだ。 134 00:08:37,717 --> 00:08:42,622 (ナム)死んだ後に嫌味のひとつでも 言ってやろうと思った。 が…。 135 00:08:42,622 --> 00:08:47,127 (ナム)死の直後 戎杜ムツの魂は現れなかった。 136 00:08:47,127 --> 00:08:49,295 そんな! それはおかしい! 137 00:08:49,295 --> 00:08:53,800 人は亡くなっても その魂が即座に 消滅することはありません! 138 00:08:53,800 --> 00:08:56,803 (モブオ)だから キョウコも…。 139 00:08:56,803 --> 00:09:00,140 そう。 自然死ではありえない。 140 00:09:00,140 --> 00:09:03,710 ありえるとしたら 人為的な呪い。 141 00:09:05,812 --> 00:09:08,815 戎杜の人間は呪われている。 142 00:09:08,815 --> 00:09:12,485 お前たちを 強烈に恨んでいる誰かによって。 143 00:09:12,485 --> 00:09:16,489 アンタは それが誰か 知っているんだろう。 144 00:09:18,458 --> 00:09:21,261 戎杜ナナ。 145 00:09:26,499 --> 00:09:30,003 あなたの言うとおりです 蛭子守ナム。 146 00:09:36,776 --> 00:09:38,778 これ…。 147 00:09:38,778 --> 00:09:41,481 カヤちゃんのお守りと一緒…。 148 00:09:41,481 --> 00:09:44,884 私のは子どもだましですが➨ 149 00:09:44,884 --> 00:09:46,986 母さんのは本物です。 150 00:09:46,986 --> 00:09:51,458 (ナナ)母さんは 私の 身代わりになって死にました。 151 00:09:53,493 --> 00:09:58,198 今 私たちを絶やそうと 呪いを練っているのは…。 152 00:10:02,969 --> 00:10:05,472 (ナナ)そう…。 153 00:10:05,472 --> 00:10:07,474 私の妹。 154 00:10:09,642 --> 00:10:12,145 カヤの母親…。 155 00:10:14,647 --> 00:10:17,116 (ナナ)戎杜ミライ。 156 00:10:33,133 --> 00:10:37,036 カヤちゃんのママが… ムツさんを? 157 00:10:37,036 --> 00:10:38,972 (モブオ)お… お待ちください! 158 00:10:38,972 --> 00:10:41,608 人を死に至らしめる 呪詛を練るなど➨ 159 00:10:41,608 --> 00:10:43,776 並大抵のことではない! 160 00:10:43,776 --> 00:10:46,946 (モブオ)ましてや カヤ様のお母様は 尋常のお生まれ。 161 00:10:46,946 --> 00:10:48,948 そんなことが…。 162 00:10:48,948 --> 00:10:52,152 できるのです。 なぜなら➨ 163 00:10:52,152 --> 00:10:55,522 呪物の出産こそが➨ 164 00:10:55,522 --> 00:10:59,225 戎杜家に生まれた すべての妹たちの役割だからです。 165 00:11:01,127 --> 00:11:03,129 呪物…!? 166 00:11:03,129 --> 00:11:05,665 時にたやすく標的を滅ぼし➨ 167 00:11:05,665 --> 00:11:09,769 時にその力を売ることで ばく大な富をもたらす➨ 168 00:11:09,769 --> 00:11:11,804 呪詛の要。 169 00:11:11,804 --> 00:11:14,474 (ナナ)戎杜が これほどまでに膨れ上がり➨ 170 00:11:14,474 --> 00:11:17,477 霊能稼業が 下火になった時代において➨ 171 00:11:17,477 --> 00:11:19,445 悠々と暮らしていられるのは➨ 172 00:11:19,445 --> 00:11:24,117 巫女子よりも その呪物の力に よるところが大きい。 173 00:11:24,117 --> 00:11:27,086 それを… カヤちゃんママが? 174 00:11:27,086 --> 00:11:29,088 はい。 175 00:11:29,088 --> 00:11:32,592 あの子は 今 呪物を孕んでいます。 176 00:11:35,595 --> 00:11:37,630 (ナム)わからないな。 177 00:11:37,630 --> 00:11:40,767 それなら 戎杜は 妹さまさまだ。 178 00:11:40,767 --> 00:11:43,102 大切に扱うはずじゃないか。 179 00:11:43,102 --> 00:11:45,104 どこに恨む理由がある? 180 00:11:47,106 --> 00:11:50,210 順を追って お話ししましょう。 181 00:11:53,546 --> 00:11:55,715 誰? 182 00:12:00,620 --> 00:12:04,958 おなか おっきい。 赤ちゃん? 183 00:12:04,958 --> 00:12:06,960 (ナナ)先程 言ったように➨ 184 00:12:06,960 --> 00:12:08,962 呪胎においては➨ 185 00:12:08,962 --> 00:12:12,932 胎内期間が長いほど 胎児の力が強くなる。 186 00:12:18,471 --> 00:12:21,507 (ナナ)生まれてくる子は すでに人の形を成さず➨ 187 00:12:21,507 --> 00:12:27,080 壊れた器からは 絶えず呪いがまき散らされる。 188 00:12:27,080 --> 00:12:29,115 (ナナ)母親の命を食い➨ 189 00:12:29,115 --> 00:12:32,952 胎を破って産まれてくる ソレは➨ 190 00:12:32,952 --> 00:12:35,588 母親が願った相手を 死に絶えさせる➨ 191 00:12:35,588 --> 00:12:37,624 嬰児でできた呪物。 192 00:12:37,624 --> 00:12:40,260 呪胎水蛭子神。 193 00:12:40,260 --> 00:12:43,263 オギャア…。 194 00:12:55,108 --> 00:12:58,478 (ナナ)より強い力を持った 巫女子を作ろうと考え➨ 195 00:12:58,478 --> 00:13:02,548 その欲望の果てに現れた ソレは➨ 196 00:13:02,548 --> 00:13:06,619 戎杜家の在り方を 決定づけました。 197 00:13:06,619 --> 00:13:09,956 (ナナ)妹たちは お胎様と呼ばれ➨ 198 00:13:09,956 --> 00:13:12,592 有事には その命を差し出し➨ 199 00:13:12,592 --> 00:13:16,629 呪物を産むようにと 洗脳されたのです。 200 00:13:16,629 --> 00:13:21,267 そして 最後にお胎様となったのが この人➨ 201 00:13:21,267 --> 00:13:23,436 戎杜ヨシエ。 202 00:13:23,436 --> 00:13:25,438 母さんの 妹です。 203 00:13:25,438 --> 00:13:30,109 あっ この人…! チエ先生には見せていましたね。 204 00:13:30,109 --> 00:13:32,979 この写真の女性です。 205 00:13:32,979 --> 00:13:34,981 (ナナ)ヨシエ叔母さんは➨ 206 00:13:34,981 --> 00:13:38,518 私たち姉妹の面倒を よく見てくれました。 207 00:13:38,518 --> 00:13:41,554 (ナナ)明るく優しい人だった。 208 00:13:41,554 --> 00:13:43,456 (ナナ)とくに ミライは➨ 209 00:13:43,456 --> 00:13:46,826 母さんに あまり構って もらえなかったこともあって➨ 210 00:13:46,826 --> 00:13:51,798 叔母さんを 本当の母親のように 慕っていました。 211 00:13:51,798 --> 00:13:55,001 ⸨カヤママ:ヨシちゃ~ん! あっ! 212 00:13:55,001 --> 00:13:57,470 (ヨシエ)ナナちゃん ミライちゃん! 213 00:13:57,470 --> 00:13:59,439 おなか おっきい! 214 00:13:59,439 --> 00:14:01,441 触ってい~い? 215 00:14:01,441 --> 00:14:04,477 ミライ ダメ! なんで? 216 00:14:04,477 --> 00:14:06,813 え えっと…。 217 00:14:06,813 --> 00:14:09,282 お胎様の赤ちゃんは 触っちゃ ダメって➨ 218 00:14:09,282 --> 00:14:11,284 母さんが。 む…。 219 00:14:11,284 --> 00:14:13,286 ミライは そんなの知らない! 220 00:14:13,286 --> 00:14:16,122 なんにも言われてない! 221 00:14:16,122 --> 00:14:19,792 (ヨシエ)2人とも 怖い顔しないで。 222 00:14:19,792 --> 00:14:21,794 2人が ニコニコしてるほうが➨ 223 00:14:21,794 --> 00:14:24,197 きっと 赤ちゃんも うれしいからね。 224 00:14:24,197 --> 00:14:26,966 そっとなら触ってもいいよ。 225 00:14:26,966 --> 00:14:29,635 わ~い! フフフ…⸩ 226 00:14:32,138 --> 00:14:34,140 (ナナ)巫女子として➨ 227 00:14:34,140 --> 00:14:37,310 すでに お胎様についても 承知していた私と違って➨ 228 00:14:37,310 --> 00:14:39,278 ヨシエ叔母さんの最期を➨ 229 00:14:39,278 --> 00:14:42,448 ミライは知らずじまいだった。 230 00:14:42,448 --> 00:14:46,119 そう思っていました。 231 00:14:46,119 --> 00:14:48,121 (ナナ)あの時まで。 232 00:14:48,121 --> 00:14:52,291 きっと あの子は 知ってしまったんです。 233 00:14:52,291 --> 00:14:55,294 戎杜家のすべてを。 234 00:15:03,970 --> 00:15:07,640 (カヤママ)カヤが… あの家に。 235 00:15:11,110 --> 00:15:13,479 ⸨カヤママ:ナナちゃん 見て~! 236 00:15:13,479 --> 00:15:16,282 拾ったの! かわいいでしょ。 237 00:15:16,282 --> 00:15:18,317 ひっ…。 238 00:15:18,317 --> 00:15:20,286 母さん! 239 00:15:24,457 --> 00:15:27,427 ハァ ハァ ハァ…⸩ 240 00:15:29,962 --> 00:15:32,799 (カヤママ)母と姉は生まれつき➨ 241 00:15:32,799 --> 00:15:35,968 私には見えないものが見えた。 242 00:15:35,968 --> 00:15:40,273 ⸨ダメ ダメ ダメ! ミライの うさちゃんなの! 243 00:15:42,375 --> 00:15:46,779 (ムツ)物憑きは 焚けば力量関係なく 大概どうにかなる。 244 00:15:46,779 --> 00:15:51,284 覚えておきなさい ナナ。 うん⸩ 245 00:15:51,284 --> 00:15:53,953 (カヤママ)母と姉の会話は➨ 246 00:15:53,953 --> 00:15:58,624 私には 何ひとつ理解できなかった。 247 00:15:58,624 --> 00:16:01,494 (泣き声) 248 00:16:01,494 --> 00:16:04,130 ⸨ヨシエ:ミライちゃん。 249 00:16:04,130 --> 00:16:07,533 どしたの~? ナナちゃんと ケンカ? 250 00:16:07,533 --> 00:16:10,102 それとも お母さんかな~? 251 00:16:10,102 --> 00:16:12,972 うう… どっちも~! 252 00:16:12,972 --> 00:16:15,741 ありゃあ~。 うう…。 253 00:16:17,844 --> 00:16:20,613 (ヨシエ)そりゃあ しようがないかな~。 254 00:16:20,613 --> 00:16:22,982 ナナちゃんと お母さんは➨ 255 00:16:22,982 --> 00:16:26,619 巫女子さんなんだから。 巫女子さん…? 256 00:16:26,619 --> 00:16:28,955 (ヨシエ)巫女子さんの力は特別で➨ 257 00:16:28,955 --> 00:16:32,625 お家のために たくさんのお勤めを果たしてる。 258 00:16:32,625 --> 00:16:36,629 私たちが 何不自由なく 穏やかに暮らせるのは➨ 259 00:16:36,629 --> 00:16:39,098 ぜ~んぶ 巫女子さんのおかげなのよ。 260 00:16:39,098 --> 00:16:42,435 でも ミライのぬいぐるみ燃やした…。 261 00:16:42,435 --> 00:16:45,605 (ヨシエ)あ~ 根に持ってるね~。 262 00:16:45,605 --> 00:16:47,607 じゃあ…。 263 00:16:47,607 --> 00:16:49,609 (ヨシエ)もっといいもん あげようね。 264 00:16:49,609 --> 00:16:51,611 わっ! いいの!? 265 00:16:51,611 --> 00:16:54,280 お母さんと ナナちゃんには内緒よ。 266 00:16:54,280 --> 00:16:57,650 ヨシちゃんも食べる? ありがと。 267 00:16:57,650 --> 00:17:00,786 でも 赤ちゃんのために 我慢してるの。 268 00:17:00,786 --> 00:17:04,790 えらいね。 でしょ~。 フフフ…⸩ 269 00:17:04,790 --> 00:17:06,792 (カヤママ)叔母の ヨシエは➨ 270 00:17:06,792 --> 00:17:09,629 母よりも母という 感じのする人で➨ 271 00:17:09,629 --> 00:17:11,764 じきに生まれるという その子が➨ 272 00:17:11,764 --> 00:17:15,468 ほんの少しだけ羨ましかった。 273 00:17:20,706 --> 00:17:24,443 (カヤママ)交通事故だと母は言った。 274 00:17:24,443 --> 00:17:27,446 ⸨赤ちゃんは? 275 00:17:27,446 --> 00:17:30,249 もう… いない⸩ 276 00:17:33,286 --> 00:17:35,922 ⸨え~い それっ! 悪霊退散! 277 00:17:35,922 --> 00:17:38,257 キャッ! ぺっ ぺっ! 278 00:17:38,257 --> 00:17:40,760 な… 何? 何じゃねえよ! 279 00:17:40,760 --> 00:17:42,828 いつも やってることだろ! 280 00:17:42,828 --> 00:17:46,599 のうまくさんまん おんきりきり…。 281 00:17:46,599 --> 00:17:48,768 か~! あっ! 282 00:17:48,768 --> 00:17:51,938 わ… 私 そんなの したことない! 283 00:17:51,938 --> 00:17:54,941 ウソつくな! うちの親が言ってたぞ。 284 00:17:54,941 --> 00:17:56,943 戎杜の人間は ろくでもない。 285 00:17:56,943 --> 00:18:00,613 インチキ レイカンショーホーだって!⸩ 286 00:18:00,613 --> 00:18:04,116 ⸨ムツ:学校に行かない…? 287 00:18:04,116 --> 00:18:07,019 大方 また いじめられたんでしょう。 288 00:18:07,019 --> 00:18:10,790 話は通しておくから 気にしないこと。 289 00:18:10,790 --> 00:18:14,260 (カヤママ)ナナだって 学校 行ってないじゃない! 290 00:18:14,260 --> 00:18:16,295 んっ? 291 00:18:16,295 --> 00:18:18,297 (カヤママ)私だって そうしたい。 292 00:18:18,297 --> 00:18:21,667 (カヤママ)同じ家の子なんだから。 293 00:18:25,438 --> 00:18:27,440 (ナナ)ミライ。 294 00:18:27,440 --> 00:18:30,109 あまり 母さんを困らせないで。 295 00:18:30,109 --> 00:18:32,111 全部 ミライのためなんだから。 296 00:18:32,111 --> 00:18:34,113 (カヤママ)私のため? 297 00:18:34,113 --> 00:18:36,515 私だけ 家の外に連れ出されて➨ 298 00:18:36,515 --> 00:18:40,086 外の人間に言いたい放題 やりたい放題されて! 299 00:18:40,086 --> 00:18:42,922 家族の誰も助けてくれない! 300 00:18:42,922 --> 00:18:45,091 それが 私のため!? 301 00:18:45,091 --> 00:18:48,628 ミライ 聞い…。 (ムツ)そのとおりだ。 302 00:18:48,628 --> 00:18:50,630 どうして 私だけ!? 303 00:18:50,630 --> 00:18:53,265 私と ナナの 何が違うって言うの!? 304 00:18:53,265 --> 00:18:56,135 お前は 巫女子ではないからだ。 305 00:18:58,104 --> 00:19:00,673 ミライ! (ムツ)およし ナナ。 306 00:19:00,673 --> 00:19:03,242 (ムツ)放っておきなさい⸩ 307 00:19:10,349 --> 00:19:12,818 ⸨というわけで➨ 308 00:19:12,818 --> 00:19:15,855 次回は 君たちの母子手帳を参考に➨ 309 00:19:15,855 --> 00:19:17,757 講義を行いますので➨ 310 00:19:17,757 --> 00:19:21,293 原本 もしくは コピーを 持ってきてください。 311 00:19:21,293 --> 00:19:25,164 ねえ あの子でしょ。 うわさの宗教姫。 312 00:19:25,164 --> 00:19:28,934 ちょ ヤバいよ! 本気で消されるやつ…。 313 00:19:28,934 --> 00:19:31,604 《カヤママ:母子手帳…。 314 00:19:31,604 --> 00:19:35,775 そんなの あの人が保管してるだろうか。 315 00:19:35,775 --> 00:19:38,944 ナナのなら ともかく…》 316 00:19:38,944 --> 00:19:42,782 (カヤママ)う~ん あるとしたら ここら辺…。 317 00:19:42,782 --> 00:19:44,817 あれ? 318 00:19:44,817 --> 00:19:47,586 これって…。 319 00:19:47,586 --> 00:19:50,589 (カヤママ)ヨシちゃん。 320 00:19:50,589 --> 00:19:52,591 写真…。 321 00:19:52,591 --> 00:19:55,895 全然 見ないと思ったら こんなところに…。 322 00:20:00,299 --> 00:20:02,435 ヨシちゃんがいなくなってから➨ 323 00:20:02,435 --> 00:20:06,138 私 ずっと ひとりぼっちだよ…。 324 00:20:06,138 --> 00:20:08,107 あ…。 325 00:20:10,142 --> 00:20:13,612 えっ… これ ヨシちゃんの…⸩ 326 00:20:15,948 --> 00:20:18,651 ⸨ヨシエ:赤ちゃんのために 我慢してるの。 327 00:20:18,651 --> 00:20:20,619 えらいね⸩ 328 00:20:20,619 --> 00:20:24,623 ⸨フフ… ヨシちゃんってば。 329 00:20:24,623 --> 00:20:26,625 (ヨシエ)「普通のお産と違って➨ 330 00:20:26,625 --> 00:20:31,497 その時は一瞬だから 痛みも苦しみもないらしい。 331 00:20:31,497 --> 00:20:36,635 前は死後の世界について いろいろ考えたりもしたけれど➨ 332 00:20:36,635 --> 00:20:38,804 姉さんが 巫女子として➨ 333 00:20:38,804 --> 00:20:40,973 導いてくれると言っていた。 334 00:20:40,973 --> 00:20:43,309 心配はない。 335 00:20:43,309 --> 00:20:46,445 姉さんに守られてばかりの人生。 336 00:20:46,445 --> 00:20:48,447 ついに私が➨ 337 00:20:48,447 --> 00:20:52,785 姉さんや戎杜の お役に立つ日が近づいている。 338 00:20:52,785 --> 00:20:57,690 最近 お腹の中で 頻繁に動いている。 339 00:20:57,690 --> 00:21:01,260 怨敵を滅ぼす力を 強く感じられる」。 340 00:21:01,260 --> 00:21:04,964 え…? 何これ。 341 00:21:04,964 --> 00:21:07,933 (ヨシエ)「姉さんは ミライちゃんに➨ 342 00:21:07,933 --> 00:21:10,402 ちゃんとした教育を してないみたい」。 343 00:21:10,402 --> 00:21:13,973 (カヤママ)頭から 血の気が引いていくのを感じる。 344 00:21:13,973 --> 00:21:17,109 (ヨシエ)「巫女子様や お胎様の立場の違いを➨ 345 00:21:17,109 --> 00:21:20,112 まるで理解できていないようだ」。 346 00:21:20,112 --> 00:21:22,114 (カヤママ)本能が警鐘を鳴らしている。 347 00:21:22,114 --> 00:21:24,116 (ヨシエ)「ミライちゃんが今のままだと➨ 348 00:21:24,116 --> 00:21:26,152 将来 苦労するのは➨ 349 00:21:26,152 --> 00:21:28,787 巫女子である ナナちゃんなんだから」…。 350 00:21:28,787 --> 00:21:30,790 (カヤママ)これ以上 読んではいけない。 351 00:21:30,790 --> 00:21:33,592 (ヨシエ)「ミライちゃんの人生だもの。 352 00:21:33,592 --> 00:21:36,962 納得できる終わり方に してあげないとね」。 353 00:21:36,962 --> 00:21:38,998 (カヤママ)でないと…。 354 00:21:38,998 --> 00:21:41,567 (ヨシエ)「次のお胎様の ミライちゃんのために➨ 355 00:21:41,567 --> 00:21:45,771 この手帳に知っておくべきことを 書き残しておこう。 356 00:21:45,771 --> 00:21:47,806 お胎様として➨ 357 00:21:47,806 --> 00:21:51,277 立派にお役目を 果たせますように」。 358 00:21:51,277 --> 00:21:54,480 《渦の女性:みらいちゃん》 359 00:21:54,480 --> 00:21:57,149 (ヨシエ)「私の へその緒を使うのは➨ 360 00:21:57,149 --> 00:22:01,120 きっと ミライちゃんかな」。 361 00:22:03,122 --> 00:22:05,124 いやっ! 362 00:22:05,124 --> 00:22:08,127 《カヤママ:ヨシちゃんが死んだのは 事故じゃない…》 363 00:22:08,127 --> 00:22:10,129 (箱が落ちる音) 364 00:22:10,129 --> 00:22:13,899 おぎゃあ おぎゃあ…。 365 00:22:19,438 --> 00:22:23,609 (カヤママ)ヨシちゃんを 死に追いやったのは➨ 366 00:22:23,609 --> 00:22:26,912 戎杜の… 巫女子。 367 00:22:29,615 --> 00:22:33,586 《カヤママ:どうして 今まで 気づかなかったんだろう。 368 00:22:33,586 --> 00:22:39,191 この家は 特別な力を持った 長女だけが人間で➨ 369 00:22:39,191 --> 00:22:41,961 それ以外は いつでも化け物を産み➨ 370 00:22:41,961 --> 00:22:44,129 割れてもいい卵。 371 00:22:44,129 --> 00:22:46,999 肉親の命を なんとも思っていない➨ 372 00:22:46,999 --> 00:22:50,135 狂った一族》 373 00:22:50,135 --> 00:22:52,972 (ナナ)出ていくって… 急すぎるわ! 374 00:22:52,972 --> 00:22:54,940 せめて 母さんに ちゃんと話を…。 375 00:22:54,940 --> 00:22:56,942 冗談じゃない! 376 00:22:56,942 --> 00:22:59,912 アレが そんなの許すわけないって ナナなら わかってるんでしょ!? 377 00:22:59,912 --> 00:23:01,780 私は 一瞬だって➨ 378 00:23:01,780 --> 00:23:03,782 この家で 人間じゃ なかった!⸩ 379 00:23:05,784 --> 00:23:07,786 《戎杜家は➨ 380 00:23:07,786 --> 00:23:11,457 この世に あっては いけない家だ》 381 00:23:19,932 --> 00:23:23,435 (カヤママ)もうじきだねぇ。 382 00:23:23,435 --> 00:23:27,773 もう ここには いられないね。 383 00:23:27,773 --> 00:23:32,177 (カヤママ)次は 失敗できないからね。 384 00:23:34,179 --> 00:23:36,181 佐藤さ~ん。 385 00:23:36,181 --> 00:23:38,784 点滴 入れましょうね。 386 00:23:38,784 --> 00:23:41,820 ウソでしょ…!? 387 00:23:41,820 --> 00:23:43,789 大変! 388 00:23:43,789 --> 00:23:47,192 誰か… 誰か!