1 00:00:02,900 --> 00:00:04,900 この世界には 2 00:00:04,900 --> 00:00:11,150 人の運命をつかさどる なんらかの超越的な「律」 3 00:00:11,150 --> 00:00:15,160 神の手が存在するのだろうか 4 00:00:15,160 --> 00:00:17,570 少なくとも人は 5 00:00:17,570 --> 00:00:21,370 自らの意思さえ 自由にはできない 6 00:01:01,150 --> 00:01:03,480 王子よ 7 00:01:03,480 --> 00:01:06,790 許されざる者どもの王子よ 8 00:01:08,930 --> 00:01:12,330 ご拝謁 賜りたく 9 00:01:26,100 --> 00:01:29,600 いずれ かの地で相まみえようぞ 10 00:01:34,210 --> 00:01:37,020 我らが眷族 11 00:03:26,340 --> 00:03:28,650 こんな辛気くせえ所に 12 00:03:28,650 --> 00:03:32,520 抜け道なんかあんのか? 確かな情報だ 13 00:03:32,520 --> 00:03:34,990 そんなもんが簡単に見つかりゃ 14 00:03:34,990 --> 00:03:37,100 傭兵なんて廃業だぜ 15 00:03:39,900 --> 00:03:42,600 あった 16 00:03:42,600 --> 00:03:44,540 廃業だな 17 00:03:44,540 --> 00:03:46,650 ピピン 18 00:03:59,640 --> 00:04:02,110 間違いない これだ 19 00:04:02,110 --> 00:04:05,490 よし 行くぞ ちょっと待った 20 00:04:05,490 --> 00:04:07,560 ピピンやジュドーはともかく 21 00:04:07,560 --> 00:04:10,630 大将のおめえ自ら 乗り込むってのは 22 00:04:10,630 --> 00:04:12,860 やっぱり まずいんじゃねえのか? 23 00:04:12,860 --> 00:04:15,480 グリフィスを救出するのが目的だ 24 00:04:15,480 --> 00:04:18,380 鷹の団の最強メンバーである この4人で行動するのが 25 00:04:18,380 --> 00:04:22,750 一番 その可能性が高い だけどよ 26 00:04:22,750 --> 00:04:26,530 心配しているんだろ お前 冗談じゃない 27 00:04:26,530 --> 00:04:31,170 剣の腕なら あの2人より 私のほうが上なんだ 28 00:04:31,170 --> 00:04:34,570 作戦に私情は持ち込むな 上官の指示には従え 29 00:04:37,950 --> 00:04:41,560 私がお前の背中ぐらい 守れるってこと 30 00:04:41,560 --> 00:04:45,440 忘れるな ああ 31 00:04:45,440 --> 00:04:47,370 フッフッフッ… 32 00:04:47,370 --> 00:04:49,370 行くぞ 33 00:05:15,460 --> 00:05:20,740 グリフィス お前はいつも 上を見つめていた 34 00:05:20,740 --> 00:05:22,670 上りつめること 35 00:05:22,670 --> 00:05:26,550 飛び続けること以外は 何も意に介さない 36 00:05:26,550 --> 00:05:29,650 高みを望み 1人 飛び続ける鷹 37 00:05:31,760 --> 00:05:35,640 そうだ お前は 俺たちが這い回る地面には 38 00:05:35,640 --> 00:05:38,540 絶対に降り立つことはない 39 00:05:38,540 --> 00:05:42,410 冷静で冷酷で 抜け目がない 40 00:05:42,410 --> 00:05:46,820 俺がお前のために体を張ることに 41 00:05:46,820 --> 00:05:51,200 いちいち理由が必要なのか? 42 00:05:51,200 --> 00:05:54,170 勝ち続け 奪い続け 43 00:05:54,170 --> 00:05:57,480 俺をひどい奴だと思うか? 44 00:06:00,480 --> 00:06:05,200 グリフィスは お前がいなきゃ ダメなんだ! 45 00:06:05,200 --> 00:06:07,130 もしそうなら 46 00:06:07,130 --> 00:06:09,930 もしそうだとしたら 俺は… 47 00:06:24,190 --> 00:06:28,110 しっかりしろ もうすぐ グリフィスが帰ってくるんだ 48 00:06:28,110 --> 00:06:30,410 大将のツラ拝むまで 49 00:06:30,410 --> 00:06:32,480 くたばってたまるかい 50 00:06:32,480 --> 00:06:35,660 あと1000針縫われようと 死にゃしねえ 51 00:06:35,660 --> 00:06:38,890 ああ リッケルト 水が足りない 52 00:06:38,890 --> 00:06:42,230 分かった 53 00:06:42,230 --> 00:06:44,170 グリフィスが戻ってきたらよ 54 00:06:44,170 --> 00:06:46,780 ああ 無敵の鷹の団の復活よ 55 00:06:55,160 --> 00:06:58,400 みんな 表情が明るい 56 00:06:58,400 --> 00:07:01,200 もうすぐグリフィスが 帰ってくるんだもんな 57 00:07:03,940 --> 00:07:06,550 グリフィスさえ戻ってくれば また… 58 00:07:08,890 --> 00:07:10,990 あ… 59 00:07:17,470 --> 00:07:19,570 はっ… 60 00:07:26,660 --> 00:07:28,760 妖精? 61 00:07:35,110 --> 00:07:39,050 見た 間違いない 今のは… 62 00:07:39,050 --> 00:07:42,150 あーっ! 63 00:07:45,900 --> 00:07:48,300 敵襲?こんな時に! 64 00:07:51,370 --> 00:07:53,740 もう少しで もう少しで グリフィスが 65 00:07:53,740 --> 00:07:57,020 戻ってくるっていうのに こんなところで 66 00:07:57,020 --> 00:08:00,490 終わってたまるか 67 00:08:00,490 --> 00:08:02,590 あっ… 68 00:08:11,610 --> 00:08:14,310 みんな… みんな どこへ行った? 69 00:08:23,230 --> 00:08:25,640 逃げろ ああ… 70 00:08:34,650 --> 00:08:37,030 逃げろ 71 00:08:37,030 --> 00:08:39,230 リッケルト… 72 00:08:41,300 --> 00:08:43,500 はっ… 73 00:09:11,200 --> 00:09:15,210 う… 嘘だ こんなものいるはず… 74 00:09:28,570 --> 00:09:30,770 うわあ!ああ… 75 00:09:43,990 --> 00:09:47,400 何… 何が起こったんだ 76 00:10:00,460 --> 00:10:02,900 こんな抜け道 よく見つけたもんだな 77 00:10:02,900 --> 00:10:06,110 内通者がいるのさ え? 78 00:10:09,210 --> 00:10:12,110 待て 内通者の使いだ 79 00:10:19,300 --> 00:10:22,670 鷹の団の方ですね 使いの者です 80 00:10:22,670 --> 00:10:27,120 鷹の団のキャスカです おい 内通者ってのは? 81 00:10:27,120 --> 00:10:30,390 シャルロット姫様だ へえ 82 00:10:30,390 --> 00:10:32,920 夜明けまで時間がありません 83 00:10:32,920 --> 00:10:35,940 一刻も早く グリフィスが 監禁されている場所へ 84 00:10:35,940 --> 00:10:37,940 はい 85 00:10:56,180 --> 00:10:58,280 ここからは私たちだけで 86 00:11:35,890 --> 00:11:41,130 闇… 一筋の光もない真の闇 87 00:11:41,130 --> 00:11:43,460 この闇に身をひたして 88 00:11:43,460 --> 00:11:46,070 もうどれだけの時が過ぎたのか 89 00:11:49,980 --> 00:11:51,950 永遠か 90 00:11:51,950 --> 00:11:55,300 一瞬のような気もする 91 00:11:55,300 --> 00:11:57,400 何も感じない 92 00:12:00,000 --> 00:12:03,400 体が宙を漂っているようだ 93 00:12:03,400 --> 00:12:05,380 俺は 94 00:12:05,380 --> 00:12:09,090 正気を保っているのだろうか 95 00:12:09,090 --> 00:12:12,290 それとも とうの昔に… 96 00:12:15,370 --> 00:12:19,710 だが 何もかもが うつろな中で 97 00:12:19,710 --> 00:12:22,010 1つだけ鮮明なものがある 98 00:12:27,420 --> 00:12:33,230 あいつだけが まるで 闇夜を切り裂く雷のように 99 00:12:33,230 --> 00:12:35,940 鮮烈に俺の中に 浮かび上がってくる 100 00:12:38,080 --> 00:12:41,010 繰り返し 繰り返し 101 00:12:41,010 --> 00:12:43,520 津波のように 押し寄せる 102 00:12:43,520 --> 00:12:48,160 憎悪 友愛 嫉妬 103 00:12:48,160 --> 00:12:51,500 悔しさ 虚しさ 104 00:12:51,500 --> 00:12:55,320 いとおしさ 切なさ 105 00:12:55,320 --> 00:12:58,750 それらすべてが巨大な渦となり 106 00:12:58,750 --> 00:13:01,390 消え入りそうな意識を 107 00:13:01,390 --> 00:13:03,590 楔となってつなぎとめる 108 00:13:05,400 --> 00:13:11,680 俺をこの闇の中に封じ込める 原因となったあいつが 109 00:13:11,680 --> 00:13:15,890 今 唯一 命をつなぐ糧となっている 110 00:13:17,920 --> 00:13:21,830 いつからだ? 手に入れたはずのあいつが 111 00:13:21,830 --> 00:13:24,100 こんなにも強く 112 00:13:24,100 --> 00:13:26,510 俺を掌握してしまったのは 113 00:13:29,450 --> 00:13:31,950 あいつは今 114 00:13:31,950 --> 00:13:34,650 俺の中で目が痛むほどに 115 00:13:34,650 --> 00:13:38,530 ギラギラ輝いている 116 00:13:38,530 --> 00:13:40,530 ガッツ… 117 00:13:51,060 --> 00:13:55,700 グリフィス グリフィス 118 00:13:55,700 --> 00:13:58,640 他の牢か? そんなはずはない 119 00:13:58,640 --> 00:14:00,840 確かに最下層の牢だと 120 00:14:02,910 --> 00:14:05,010 うん? 121 00:14:11,760 --> 00:14:14,530 グリフィス グリフィ… 122 00:14:14,530 --> 00:14:16,640 はっ… 123 00:14:20,650 --> 00:14:22,950 グ… グリフィス 124 00:14:39,090 --> 00:14:42,090 手足の腱が切られてる 125 00:14:45,300 --> 00:14:47,610 舌も… 126 00:14:47,610 --> 00:14:50,840 キャスカ 鍵だ! 127 00:14:50,840 --> 00:14:52,940 キャスカ! はっ… 128 00:15:07,040 --> 00:15:09,910 はっ… 129 00:15:09,910 --> 00:15:11,880 くっ… 130 00:15:11,880 --> 00:15:14,780 来るな!来るんじゃねえ! 131 00:15:17,970 --> 00:15:20,270 こんなはずはねえ 132 00:15:20,270 --> 00:15:23,870 これが あのグリフィスのはずがねえ 133 00:15:40,710 --> 00:15:42,710 グリフィス 134 00:16:25,770 --> 00:16:28,040 フッフッフッ… 135 00:16:28,040 --> 00:16:30,240 もう逃げられないよ 136 00:16:32,880 --> 00:16:38,590 すぐに兵隊が大挙して 駆けつけてくるからね 137 00:16:38,590 --> 00:16:41,000 そして君たちも1年後には 138 00:16:41,000 --> 00:16:43,300 彼のようになるんだよ 139 00:16:45,840 --> 00:16:49,050 てめえか? 140 00:16:49,050 --> 00:16:52,920 てめえが グリフィスを こんな体にしたのか? 141 00:16:52,920 --> 00:16:54,990 そのとおりだよ 142 00:16:54,990 --> 00:16:58,200 久々に楽しい仕事だった 143 00:16:58,200 --> 00:17:02,540 彼ほどの素晴らしい素材は 滅多にあるものではない 144 00:17:02,540 --> 00:17:05,380 私ほどの 拷問の プロフェッショナルになると 145 00:17:05,380 --> 00:17:08,420 うわべの美しさだけでなく 146 00:17:08,420 --> 00:17:10,620 皮をはいだ下の筋や 147 00:17:10,620 --> 00:17:14,460 血管の美しささえ理解できるんだ 148 00:17:14,460 --> 00:17:18,770 彼は本当にきれいだったよ 149 00:17:18,770 --> 00:17:21,210 無駄だよ この扉の厚みは 150 00:17:21,210 --> 00:17:24,110 普通の4倍はあるんだからね 151 00:17:46,700 --> 00:17:51,030 動くな 武器を捨てて投降しろ 152 00:17:51,030 --> 00:17:53,740 しっかりとついてこいよ 153 00:17:53,740 --> 00:17:55,850 ガッツ 154 00:18:05,800 --> 00:18:08,370 おのれ 手向かうか!何をしておる 155 00:18:08,370 --> 00:18:10,570 撃て 撃て! 156 00:18:22,600 --> 00:18:26,110 バカ者!誰が引けと言った 踏みとどまれ! 157 00:18:31,750 --> 00:18:33,820 急げ 158 00:18:33,820 --> 00:18:36,660 まだなのか?30人も繰り出して 159 00:18:36,660 --> 00:18:40,200 たかが4匹の賊を相手に 何を手こずっておる 160 00:18:40,200 --> 00:18:43,000 しかし隊長殿 鷹の団といえば 161 00:18:43,000 --> 00:18:45,920 かの百人斬りの… バカ者! 162 00:18:45,920 --> 00:18:49,850 切り込み隊長自ら 救出に来るとは限らんだろうが 163 00:18:49,850 --> 00:18:52,520 はあ それにそうした逸話は 164 00:18:52,520 --> 00:18:54,790 戦のどさくさに紛れて 165 00:18:54,790 --> 00:18:58,470 噂に尾ひれがつき 大げさになるものよ 166 00:18:58,470 --> 00:19:01,380 どこの世界に100人もの 武装した兵士を 167 00:19:01,380 --> 00:19:04,810 斬り殺せる者がおるというのだ 168 00:19:04,810 --> 00:19:07,120 せいぜい10人がいいとこ 169 00:19:20,010 --> 00:19:23,880 あいつは確か… 鷹の団の切り込み隊長 170 00:19:23,880 --> 00:19:26,590 ガッツ… 百人斬りのガッツだ! 171 00:19:29,800 --> 00:19:32,100 何をしておる 取り囲め! 172 00:19:32,100 --> 00:19:34,840 奴を包囲するんだ しかし… 173 00:19:34,840 --> 00:19:38,720 バカ者!こやつはここまで あの大きな剣を振り回して 174 00:19:38,720 --> 00:19:43,560 駆け上ってきたのだ すでに息が上がっておるわ 175 00:19:43,560 --> 00:19:46,200 愚か者めが 戦において 176 00:19:46,200 --> 00:19:48,770 己の呼吸を相手に見切られるとは 177 00:19:48,770 --> 00:19:52,440 勝機を逃したに等しい 戦場の厳しさ 178 00:19:52,440 --> 00:19:55,150 その命をもって とくと学ぶがよい 179 00:19:59,230 --> 00:20:01,230 ガッツ! 180 00:20:05,780 --> 00:20:07,880 続け! 181 00:20:12,550 --> 00:20:15,930 遅い やはり たった4人では… 182 00:20:15,930 --> 00:20:18,700 いや 必ず戻ってくるさ 183 00:20:18,700 --> 00:20:20,800 必ず 184 00:20:33,220 --> 00:20:35,330 ガッツ 185 00:21:13,900 --> 00:21:17,450 なんということだ 奴を逃がしたとなれば 186 00:21:17,450 --> 00:21:21,150 国王は我々を お許しにならないだろう 187 00:21:21,150 --> 00:21:24,960 追撃だ!先回りして 奴らを待ち伏せするのだ 188 00:21:24,960 --> 00:21:27,970 はっ 189 00:21:27,970 --> 00:21:30,370 うん? おおっ 190 00:23:10,210 --> 00:23:13,680 いとしい思いも生きる希望も 191 00:23:13,680 --> 00:23:17,890 すべてを失い 終わってしまった旅 192 00:23:17,890 --> 00:23:23,700 後悔と悲しみに それぞれの心が嘆き 立ちつくす 193 00:23:23,700 --> 00:23:27,880 人はそれでも生きていくのか 194 00:23:27,880 --> 00:23:32,580 風だけが 夢の終わりを告げていた