1 00:00:04,004 --> 00:00:06,006 (ボールを打つ音) 2 00:00:07,007 --> 00:00:10,010 雪さん ナイスサーブ! やる~! 3 00:00:10,010 --> 00:00:12,012 (雪)ありがとうございます。 4 00:00:12,012 --> 00:00:15,015 ああ~ 雪さんは 何しても画になるなあ。 5 00:00:15,015 --> 00:00:17,017 同じ年とは思えねえよな! (ボールを打つ音) 6 00:00:17,017 --> 00:00:21,021 また雪さんのサービスエース! (一同)かっけえ~! 7 00:00:21,021 --> 00:00:25,025 (横谷人好)《まあ 雪さんの本気は あんなもんじゃないけどな》 8 00:00:25,025 --> 00:00:28,028 (男子生徒) 美人だし 頭もいいし 運動もできて 9 00:00:28,028 --> 00:00:31,031 人好と血が繋がってるとは思えねえ! 10 00:00:31,031 --> 00:00:34,034 あっ…。 《まあ 俺も そう思いますけど…》 11 00:00:35,035 --> 00:00:39,039 〈雪さんの命が狙われ 映画のような体験をした俺は 12 00:00:39,039 --> 00:00:42,042 いまだ 興奮冷めやらない状態で…〉 13 00:00:42,042 --> 00:00:45,045 (グレイス)冷酷非道な殺人鬼。 14 00:00:45,045 --> 00:00:51,051 それが『竜生九子』第四子 白狼の雪。 15 00:00:51,051 --> 00:00:54,054 私は もう 誰も殺さない。 16 00:00:54,054 --> 00:00:58,058 自分のせいで 誰かを死なせたりもしない! 17 00:00:58,058 --> 00:01:01,061 〈気になることもありすぎて…〉 18 00:01:01,061 --> 00:01:06,066 〈でも 雪さんは相変わらず 「普通」を目指して目下奮闘中で…〉 19 00:01:07,067 --> 00:01:09,069 フフッ…。 あっ…。 20 00:01:09,069 --> 00:01:11,071 (男子生徒たち)何!? ううっ…。 21 00:01:11,071 --> 00:01:14,074 《雪さんなりに頑張ってるんだ》 22 00:01:14,074 --> 00:01:16,076 《これしきの嫉妬や羨望 23 00:01:16,076 --> 00:01:19,079 俺には… 効かん!》 24 00:01:20,080 --> 00:01:23,083 (ボールを打つ音) (男子生徒)おい 人好! 25 00:01:23,083 --> 00:01:25,085 あっ…。 26 00:01:25,085 --> 00:01:28,088 いや~ 危ない 危ない。 あっ…。 27 00:01:28,088 --> 00:01:34,094 (グレイス)君が怪我でもしたら大変だろ? 誰かさんが。 28 00:01:34,094 --> 00:01:39,099 《そもそも この肩身の狭さは 雪さんだけが原因というわけではなく 29 00:01:39,099 --> 00:01:43,103 彼女の存在も 大きな原因になっていたりする》 30 00:01:43,103 --> 00:01:52,112 ♪♪~ 31 00:03:14,194 --> 00:03:17,197 なんの用でしょうか? 新田先生。 32 00:03:17,197 --> 00:03:22,202 なんだよ~ 新任で心細い先生に 優しくしてほしいなあ。 33 00:03:22,202 --> 00:03:24,204 ひ と よ し。 34 00:03:24,204 --> 00:03:28,208 いや 近っ! 教師と生徒の社会的距離を保ってほしい! 35 00:03:28,208 --> 00:03:30,210 うっ…! 36 00:03:30,210 --> 00:03:34,214 《なぜ こんな とっ散らかった展開に なっているかというと…》 37 00:03:38,218 --> 00:03:40,220 来ちった! 誰!? 38 00:03:40,220 --> 00:03:42,222 やだ~! 39 00:03:42,222 --> 00:03:45,225 昨日 あんなに熱い夜を過ごした仲なのに 忘れちゃったの? 40 00:03:45,225 --> 00:03:47,227 グレイスだよ。 41 00:03:47,227 --> 00:03:51,231 ここでは 新任体育教師の新田先生かつ 42 00:03:51,231 --> 00:03:55,235 上京したての人好の親戚のお姉さんって 設定で~す! 43 00:03:55,235 --> 00:03:58,238 ニャン。 見た目も口調も違いますけど!? 44 00:03:58,238 --> 00:04:00,240 あと 設定 複雑! 45 00:04:00,240 --> 00:04:04,244 シュエの特技がナイフなら 私は情報。 46 00:04:04,244 --> 00:04:08,248 中でも 変装は得意中の得意なんだわ。 47 00:04:08,248 --> 00:04:10,250 素の私は こっちだしね。 48 00:04:10,250 --> 00:04:14,254 それとも 人好は 黒髪ロングのほうが好みだった? 49 00:04:14,254 --> 00:04:16,256 雪さんみたいに。 えっ! 50 00:04:16,256 --> 00:04:18,258 いや そんなことは…。 51 00:04:18,258 --> 00:04:24,264 ニャハハハ! その すぐ顔に出るとこ! 面白えな! 52 00:04:24,264 --> 00:04:28,268 もう懲りたと思ったが まだ 私に何か用か? 53 00:04:29,269 --> 00:04:32,272 私さ 面白いことが大好きなんだよね! 54 00:04:32,272 --> 00:04:36,276 あの伝説級の暗殺者であるシュエ様が 55 00:04:36,276 --> 00:04:41,281 こんなとこでパンピーのガキに仕えてる。 しかも 不殺を掲げて。 56 00:04:41,281 --> 00:04:46,286 こんな面白いこと 南の島なんかじゃ絶対に味わえない! 57 00:04:46,286 --> 00:04:51,291 ってことで もう殺す気もないし 殺される気も毛頭なし! 58 00:04:51,291 --> 00:04:53,293 つまり 敵意はゼロ。 59 00:04:53,293 --> 00:04:57,297 もちろん タダで信用しろなんて言わんよ。 交渉だ。 60 00:04:57,297 --> 00:05:00,300 あっ…! 《暗殺者同士の交渉!》 61 00:05:00,300 --> 00:05:05,305 まず お前と人好には もう 殺す目的で手を出さない。 62 00:05:07,307 --> 00:05:09,309 それと…。 63 00:05:09,309 --> 00:05:13,313 《やっぱり 大金とか重要機密情報とかを 取引材料に?》 64 00:05:14,314 --> 00:05:18,318 3カ月 購買のパンを提供する! 65 00:05:18,318 --> 00:05:20,320 《えっ パン? 庶民的な…》 66 00:05:20,320 --> 00:05:24,324 《いや 暗殺者同士の暗号かもしれない!》 67 00:05:24,324 --> 00:05:28,328 もちろん ただのパンじゃない。 提供するのは…。 68 00:05:28,328 --> 00:05:30,330 んっ…。 69 00:05:30,330 --> 00:05:34,334 勝田パン! そう 勝田パンの食べ放題で どうだ! 70 00:05:38,338 --> 00:05:40,340 乗った。 《あっ 乗った…》 71 00:05:40,340 --> 00:05:43,343 交渉成立~! フフフ…。 72 00:05:43,343 --> 00:05:47,347 雪さん!? 本当に大丈夫なの? 73 00:05:47,347 --> 00:05:49,349 ご心配には及びません。 74 00:05:49,349 --> 00:05:54,354 むやみに一般の者を殺すのは この世界では ご法度です。 75 00:05:54,354 --> 00:05:56,356 私に太刀打ちできないと知った今 76 00:05:56,356 --> 00:06:00,360 人好様に危害を加えるメリットも ないでしょう。 77 00:06:00,360 --> 00:06:04,364 ですが そのようなことになったとしても 78 00:06:04,364 --> 00:06:06,366 私が 必ず お護り…。 79 00:06:06,366 --> 00:06:08,368 じゅる…。 80 00:06:08,368 --> 00:06:10,370 よだれ拭いて。 81 00:06:10,370 --> 00:06:12,372 それに あの程度の者 82 00:06:12,372 --> 00:06:16,376 何千何万と刃向かってこようと 問題ではありません。 83 00:06:16,376 --> 00:06:20,380 そう? 《おお~ おお~ クソ雑魚扱いされとる》 84 00:06:20,380 --> 00:06:25,385 まっ そんなわけで 君たちをこっそり観察するつもりだから 85 00:06:25,385 --> 00:06:27,387 よろしくな! 86 00:06:27,387 --> 00:06:30,390 《というわけだったんだけど…》 87 00:06:30,390 --> 00:06:34,394 いやさ~ ホントは 体育とか好きじゃねえんだけどさ 88 00:06:34,394 --> 00:06:38,398 一番サボれそうなのが これか 保健医かな~って。 89 00:06:38,398 --> 00:06:41,401 「こっそり観察する」とか 言ってませんでした? 90 00:06:41,401 --> 00:06:43,403 こっそり話しかけてるじゃん。 91 00:06:43,403 --> 00:06:46,406 耳元でしゃべるの やめてもらえます!? 92 00:06:46,406 --> 00:06:51,411 それにさあ ホントは気になってんじゃないのかな? 93 00:06:51,411 --> 00:06:54,414 (女子生徒)雪さん サーブ 早く打って! 94 00:06:54,414 --> 00:06:56,416 はい 申し訳ございません。 95 00:06:58,418 --> 00:07:01,421 あなたが変なことしないか 心配なんじゃないですか? 96 00:07:01,421 --> 00:07:04,424 ん? 気づいてないんだ? 97 00:07:04,424 --> 00:07:08,428 何がです? いや~ 別に~! 98 00:07:08,428 --> 00:07:10,430 うっ… くっ…。 99 00:07:11,431 --> 00:07:14,434 でも やっぱり 君にだけ特別に…。 100 00:07:14,434 --> 00:07:16,436 ギョッ! 教えて…。 101 00:07:17,437 --> 00:07:19,439 あ げ る。 102 00:07:19,439 --> 00:07:21,441 (ボールを打つ音) 103 00:07:21,441 --> 00:07:23,443 (ぶつかる音) 104 00:07:27,447 --> 00:07:30,450 (生徒たち)ええ~…。 (グレイス)フフッ…。 105 00:07:30,450 --> 00:07:32,452 ああ…。 106 00:07:32,452 --> 00:07:36,456 雪さん すごい! ネットを突き破るなんて すごすぎるよ! 107 00:07:36,456 --> 00:07:38,458 (女子生徒)雪さん 何者? 108 00:07:38,458 --> 00:07:41,461 (女子生徒)うちの部に入らない? その… えっと… あの…。 109 00:07:42,462 --> 00:07:44,464 (日陰ナカ)はあ~…。 110 00:07:46,466 --> 00:07:49,469 あっ…。 111 00:07:50,470 --> 00:07:52,472 あっ…。 112 00:07:54,474 --> 00:07:56,476 はあ…。 113 00:07:58,478 --> 00:08:01,481 だ… 大失態でした。 114 00:08:04,484 --> 00:08:07,487 まあ 雪さんのせいではないことは 確かだから。 115 00:08:09,489 --> 00:08:12,492 でも… 急に どうしたの? 116 00:08:18,498 --> 00:08:21,501 私も よくわからないのですが… 117 00:08:21,501 --> 00:08:25,505 グレイスに敵意はないというのは 理解しています。 118 00:08:25,505 --> 00:08:30,510 なのに 人好様が 他の裏社会の者と一緒にいると 119 00:08:30,510 --> 00:08:33,513 なぜか疎外感のようなものを 感じてしまって…。 120 00:08:33,513 --> 00:08:35,515 あっ…。 121 00:08:35,515 --> 00:08:42,522 これは普通なのでしょうか? それとも 私は何か変なのでしょうか? 122 00:08:42,522 --> 00:08:44,524 あっ…。 123 00:08:45,525 --> 00:08:47,527 (グレイスの声) 気づいてないんだ? 気づいてないんだ? 124 00:08:47,527 --> 00:08:49,529 ないんだ? ないんだ…? 125 00:08:49,529 --> 00:08:51,531 うっ… うっ! 126 00:08:52,532 --> 00:08:55,535 えっと… それは普通。 127 00:08:55,535 --> 00:08:57,537 はっ… 普通! 128 00:08:58,538 --> 00:09:00,540 ぐっ… ガハッ…! 129 00:09:00,540 --> 00:09:02,542 人好様!? 130 00:09:06,546 --> 00:09:21,561 ♪♪~ 131 00:09:21,561 --> 00:09:23,563 (鈴) 132 00:09:23,563 --> 00:09:32,572 ♪♪~ 133 00:09:32,572 --> 00:09:34,574 (洗濯機の終了音) あっ…。 134 00:09:34,574 --> 00:09:37,577 (洗濯機の終了音) 135 00:09:43,583 --> 00:09:45,585 ん~! 136 00:09:46,586 --> 00:09:48,588 おはよう。 137 00:09:48,588 --> 00:09:50,590 人好様! 138 00:09:50,590 --> 00:09:54,594 タオルが… タオルが ふかふかです! おおっ! 139 00:09:54,594 --> 00:09:58,598 《タオルの洗濯にチャレンジし始めて 苦節1カ月》 140 00:09:58,598 --> 00:10:01,601 《色ものと白いタオルを 一緒に洗ってしまったり 141 00:10:01,601 --> 00:10:05,605 洗濯洗剤と間違えて 食器用洗剤を入れてしまったり 142 00:10:05,605 --> 00:10:09,609 ティッシュも一緒に洗ってしまったり 数々の失敗を乗り越え…》 143 00:10:09,609 --> 00:10:12,612 ついに成功したんだ 洗濯が! 144 00:10:12,612 --> 00:10:14,614 大成長だね 雪さん! 145 00:10:14,614 --> 00:10:16,616 はい! 146 00:10:16,616 --> 00:10:19,619 (あげもち太郎)わふわふ! もち太も喜んでくれるか~! 147 00:10:19,619 --> 00:10:23,623 フフフ… あたたかいです。 畳んできますね! 148 00:10:23,623 --> 00:10:25,625 フフッ…。 149 00:10:29,629 --> 00:10:31,631 わふ! 150 00:10:36,636 --> 00:10:40,640 さて 今日の夜ご飯 どうしようか? 151 00:10:40,640 --> 00:10:42,642 夜ご飯…。 152 00:10:42,642 --> 00:10:44,644 今 冷蔵庫にあるの キャベツくらいだよね。 153 00:10:44,644 --> 00:10:46,646 はっ… キャベツ…。 154 00:10:46,646 --> 00:10:49,649 千切り… 千切りキャベツ! 155 00:10:49,649 --> 00:10:51,651 じゅる…。 156 00:10:51,651 --> 00:10:54,654 千切りキャベツの隣は とんかつの… 157 00:10:54,654 --> 00:10:58,658 いえ 勝田ソースの指定席ではないでしょうか! 158 00:11:00,660 --> 00:11:03,663 福さん とんかつ 2つください。 159 00:11:03,663 --> 00:11:07,667 (勝田 福)はいよ~。 いつもありがとうねえ。 160 00:11:07,667 --> 00:11:12,672 ちょうど今 揚がるところだから 少し待っててもらっていいかい? 161 00:11:12,672 --> 00:11:14,674 (福)ごめんねえ。 はい。 162 00:11:14,674 --> 00:11:16,676 ところで… 163 00:11:16,676 --> 00:11:19,679 そのべっぴんさんは どなただい? 164 00:11:19,679 --> 00:11:25,685 人好様 か… 勝田ソースが… ソースが箱にいっぱいあります! 165 00:11:25,685 --> 00:11:30,690 あっ… えっと… うちで働いてもらってるメイドさんでして…。 166 00:11:30,690 --> 00:11:35,695 ここで あの勝田ソースが 生み出されてるんですね! 感激です! 167 00:11:35,695 --> 00:11:38,698 フフッ… なんか親近感。 あっ…。 168 00:11:39,699 --> 00:11:42,702 人好様も このようなことがあるのですか? 169 00:11:42,702 --> 00:11:46,706 うん。 昔 ヒーローショーを見に行った時にさ…。 170 00:11:49,209 --> 00:11:52,212 (人好の声)やっぱ 大好きなものが目の前にあると 171 00:11:52,212 --> 00:11:56,216 興奮しちゃうよね。 それが普通。 172 00:11:56,216 --> 00:11:58,218 普通…。 173 00:11:59,219 --> 00:12:02,222 (福)待たせちゃって ごめんねえ。 174 00:12:02,222 --> 00:12:06,226 とんかつ揚がったよ。 切るんだっけねえ? 175 00:12:06,226 --> 00:12:08,228 あっ はい お願いします。 176 00:12:08,228 --> 00:12:12,232 あっ…! 見てください 人好様。 ん? 177 00:12:12,232 --> 00:12:17,237 加齢による震え 刃物を扱うには致命的… ですが 178 00:12:17,237 --> 00:12:20,240 とんかつを切断する その刹那…。 179 00:12:24,244 --> 00:12:28,248 震えが止まり 的確に獲物をさばいている。 180 00:12:29,249 --> 00:12:34,254 あの年齢で あれほど均一に切断するとは どのような鍛錬を? 181 00:12:34,254 --> 00:12:36,256 はっ… もしや 同業? 182 00:12:36,256 --> 00:12:41,261 ま… まさか 日本を拠点にしていたとされる 伝説の暗殺者!? 183 00:12:41,261 --> 00:12:43,263 《ファン補正が すごい…》 184 00:12:43,263 --> 00:12:45,265 どうしたんだい? 185 00:12:45,265 --> 00:12:51,271 あっ! いや このメイドさんは 勝田ソースの大ファンなんですよ! ねっ! 186 00:12:51,271 --> 00:12:53,273 あっ… うん。 187 00:12:54,274 --> 00:12:57,277 そうかい そうかい。 嬉しいねえ。 188 00:12:57,277 --> 00:13:00,280 ソースはね 私が作ってるんだよお。 189 00:13:01,281 --> 00:13:03,283 あなたが神でしたか! 190 00:13:04,284 --> 00:13:10,290 まあね おじいさんが考えて 私が作ってるんだねえ。 ごめんねえ。 191 00:13:10,290 --> 00:13:16,296 すごい人気ですよね 勝田ソース! 揚げ物もサクサクで最高ですし! 192 00:13:16,296 --> 00:13:19,299 そうかい そうかい。 ありがとうねえ。 193 00:13:19,299 --> 00:13:23,303 あ… あの… わ… 私 お礼が言いたくて…。 194 00:13:23,303 --> 00:13:25,305 お礼かい? 195 00:13:27,307 --> 00:13:30,310 (雪の声) 私は 今まで 食事を美味しいと… 196 00:13:30,310 --> 00:13:34,314 ましてや 楽しいなんて思ったことが ありませんでした。 197 00:13:34,314 --> 00:13:40,320 でも このソースを初めてなめた時 世界が変わったんです。 198 00:13:41,321 --> 00:13:43,323 大げさだと思われるかもしれません。 199 00:13:43,323 --> 00:13:48,328 ですが それは 私にとって とても大切なことで…。 200 00:13:48,328 --> 00:13:52,332 ソースをなめていると なんとも言えない気持ちになって 201 00:13:52,332 --> 00:13:55,335 胸の奥があたたかくなって…。 202 00:13:56,336 --> 00:14:00,340 ですから 改めて ありがとうございます。 203 00:14:00,340 --> 00:14:03,343 勝田福様。 204 00:14:03,343 --> 00:14:05,345 フン。 205 00:14:06,346 --> 00:14:09,349 メイドちゃんだっけかい? はい。 206 00:14:09,349 --> 00:14:13,353 メイドちゃんは 今 幸せかい? 幸せ…。 207 00:14:13,353 --> 00:14:18,358 メイドちゃんが感じているあったかいのは 幸せのおかげで 208 00:14:18,358 --> 00:14:20,360 今 メイドちゃんは幸せだから 209 00:14:20,360 --> 00:14:25,365 ソースが美味しいことに気づけたのかもねえ。 フン。 210 00:14:25,365 --> 00:14:29,369 わからないけどねえ ごめんねえ。 211 00:14:30,370 --> 00:14:32,372 《あたたかい…》 212 00:14:32,372 --> 00:14:38,378 いえ 確かに そうかもしれません。 213 00:14:44,384 --> 00:14:47,387 (勝田)おっと お嬢ちゃん。 はっ…! 214 00:14:47,387 --> 00:14:51,391 肩にゴミがついておるぞ 肩に。 215 00:14:51,391 --> 00:14:54,394 《この私が後ろを取られた…?》 216 00:14:55,395 --> 00:15:00,400 《やはり 勝田のおじい様 ただ者じゃない!》 217 00:15:00,400 --> 00:15:04,404 フフフ…。 そういえば 出来たてのソースがあるよ。 218 00:15:04,404 --> 00:15:06,406 ちょっとなめるかい? 219 00:15:06,406 --> 00:15:09,409 えっ… あっ… はい! ぜひ! 220 00:15:09,409 --> 00:15:12,412 では 一口…。 221 00:15:12,412 --> 00:15:14,414 (福)フフフ…。 222 00:15:17,417 --> 00:15:21,421 ん~ わあ~! 223 00:15:21,421 --> 00:15:26,426 人好様 ソース美味しい… ソース…! 224 00:15:26,426 --> 00:15:29,429 アハハ… よかったね。 うん! 225 00:15:29,429 --> 00:15:31,431 フフッ…。 226 00:15:34,434 --> 00:15:37,437 (2人)ごちそうさまでした。 227 00:15:37,437 --> 00:15:39,439 洗い物は私がいたします。 228 00:15:39,439 --> 00:15:43,443 人好様は ゆっくりなさってください。 うん ありがとう。 229 00:15:49,449 --> 00:15:51,451 《なんていうか…》 230 00:15:55,455 --> 00:15:59,459 《あんなふうに 一喜一憂してる雪さん見てると 231 00:15:59,459 --> 00:16:02,462 元最強の暗殺者って信じられないよな》 232 00:16:06,466 --> 00:16:10,470 《やっぱり 中国の伝承しか出てこない》 233 00:16:12,472 --> 00:16:15,475 《き… 聞いてみるか? 本人に?》 234 00:16:15,475 --> 00:16:20,480 《でもなあ 何か話したくない理由が あるかもしれないし 235 00:16:20,480 --> 00:16:27,487 それに つらい過去って割り切ったつもりでも 簡単には忘れられないし…》 236 00:16:27,487 --> 00:16:31,491 《もし トラウマを掘り起こすことになったら 嫌だし…》 237 00:16:31,491 --> 00:16:36,496 《雪さんから話してくれるのを待つのが 正解なんだよな》 238 00:16:36,496 --> 00:16:38,498 《多分…》 239 00:16:39,499 --> 00:16:43,503 《それでも 雪さんのこと もっと知りたい》 240 00:16:44,504 --> 00:16:46,506 (すすり泣き) 241 00:16:46,506 --> 00:16:52,512 人好 人好 会おうと思えば いつでも会えるから。 242 00:16:52,512 --> 00:16:57,517 ごめんね。 お母さんのせいで こんなことになって…。 243 00:16:57,517 --> 00:17:00,520 もう行くね 人好。 244 00:17:00,520 --> 00:17:03,523 お母さん 行かないで! 245 00:17:03,523 --> 00:17:06,526 きっと すぐに会えるから 人好。 246 00:17:06,526 --> 00:17:11,531 置いていかないで! お母さん お母さん! 247 00:17:12,532 --> 00:17:15,535 うっ…。 (雪の声)人好様。 248 00:17:17,537 --> 00:17:19,539 あっ…。 249 00:17:20,540 --> 00:17:22,542 大丈夫ですか? 250 00:17:22,542 --> 00:17:25,545 うなされていらしたので 様子をうかがおうとしたら 251 00:17:25,545 --> 00:17:30,550 突然 こちらに倒れ込んできたもので 思わず 受け止めたのですが…。 252 00:17:32,552 --> 00:17:34,554 おぎゃー! 253 00:17:34,554 --> 00:17:38,558 ご… ごめん。 なんか ちょっと 変な夢を見ていまして…。 254 00:17:38,558 --> 00:17:43,563 また お母様の夢ですか? う… うん。 255 00:17:43,563 --> 00:17:45,565 でしたら 256 00:17:45,565 --> 00:17:49,569 ひざ枕は いかがでしょう? 好きっすね! 257 00:17:49,569 --> 00:17:52,572 いや もう 目が覚めたから大丈夫。 258 00:17:52,572 --> 00:17:54,574 (落ちる音) 259 00:17:54,574 --> 00:17:56,576 これは…。 260 00:17:56,576 --> 00:17:58,578 えっ… あっ! 261 00:17:58,578 --> 00:18:01,581 調べていらしたんですか? うん。 262 00:18:01,581 --> 00:18:04,584 気になりますか? す… 少しだけね! 263 00:18:04,584 --> 00:18:08,588 俺って 雪さんのこと あんまり知らないなって思ってさ…。 264 00:18:09,589 --> 00:18:14,594 そうですね 『竜生九子』は…。 あっ…。 265 00:18:14,594 --> 00:18:17,597 実は 私も よくは知らないのです。 266 00:18:17,597 --> 00:18:22,602 私は師に拾われ その組織に連れて行かれたのですが 267 00:18:22,602 --> 00:18:26,606 組織に入ってからは 師に言われた依頼を こなしていただけですので…。 268 00:18:26,606 --> 00:18:28,608 ああ…。 269 00:18:28,608 --> 00:18:31,611 構成員も 数人ほど顔を合わせた程度で 270 00:18:31,611 --> 00:18:36,616 名前すら知らず 特に お話しすることもなく…。 271 00:18:36,616 --> 00:18:39,619 《話せないんじゃなくて 知らないだけか》 272 00:18:39,619 --> 00:18:44,624 何より あの頃は 今より ずっと 生きることに必死で 273 00:18:44,624 --> 00:18:47,627 他人に興味なんてありませんでした。 274 00:18:47,627 --> 00:18:49,629 自分が 今 何をしているのか 275 00:18:49,629 --> 00:18:53,633 なぜ こんなことをしているのかも わからなくなって…。 276 00:18:53,633 --> 00:18:59,639 師を失望させたら私の居場所がなくなる という心配しかしていませんでした。 277 00:19:03,643 --> 00:19:07,647 だから 今の私は まだ慣れてはいないんです。 278 00:19:07,647 --> 00:19:12,652 鳥のさえずりや カーテンの隙間からの木漏れ日 279 00:19:12,652 --> 00:19:17,657 全ての些細なことが 全部 キラキラと輝いて見えて 280 00:19:17,657 --> 00:19:19,659 それが不思議で…。 281 00:19:20,660 --> 00:19:23,663 (雪の声)私は まだ夢の中にいるのではないかと 282 00:19:23,663 --> 00:19:25,665 そう思うんです。 283 00:19:25,665 --> 00:19:28,668 私には明るすぎるから…。 284 00:19:29,669 --> 00:19:33,673 でも 人好様の顔を見ると…。 285 00:19:38,678 --> 00:19:43,683 「ああ 私は 今 普通の女の子見習いだったんだな」なんて 286 00:19:43,683 --> 00:19:46,686 思い出せます。 フフッ…。 287 00:19:46,686 --> 00:19:51,691 いつか きっと このような日々に慣れる時が来たら 288 00:19:51,691 --> 00:19:57,697 私は「普通」になれるのだなと そう思えることが楽しくて…。 289 00:19:57,697 --> 00:20:00,700 お… 俺も! 290 00:20:00,700 --> 00:20:03,703 毎朝 雪さんの顔見ると 安心するっていうか 291 00:20:03,703 --> 00:20:05,705 嬉しかったんだ。 292 00:20:06,706 --> 00:20:10,710 (人好の声)あんなことがあっても ここにいることを選んでくれたのが。 293 00:20:10,710 --> 00:20:14,714 それで 俺 もっと雪さんのこと 知りたくなって…。 294 00:20:14,714 --> 00:20:17,717 だから その… とにかく 295 00:20:17,717 --> 00:20:20,720 うちに来てくれてありがとう! 296 00:20:20,720 --> 00:20:24,724 ござい… ます…。 297 00:20:24,724 --> 00:20:27,727 フフッ… はい。 298 00:20:30,730 --> 00:20:33,733 それでは 私のことを一つだけ…。 299 00:20:33,733 --> 00:20:37,737 あっ…。 私が ひざ枕が好きな理由は 300 00:20:37,737 --> 00:20:42,742 私が初めて 心から あなたのお役に立てたと感じたのが 301 00:20:42,742 --> 00:20:44,744 あの夜だったからです。 302 00:20:45,745 --> 00:20:50,750 ですから また悪い夢を見てしまった時は いつでもお貸しします。 303 00:20:50,750 --> 00:20:54,754 あっ… えっと… それは… 304 00:20:54,754 --> 00:20:58,758 いや… うん ありがとう。 305 00:20:58,758 --> 00:21:01,761 じゃあ 俺も一つだけ…。 306 00:21:01,761 --> 00:21:06,766 ホントは さっきの夢 悪夢ってほどでもなかったんだ。 307 00:21:06,766 --> 00:21:09,769 どんな夢だったんですか? 308 00:21:09,769 --> 00:21:12,772 母さんの代わりに…。 309 00:21:12,772 --> 00:21:16,776 (泣き声) 310 00:21:18,277 --> 00:21:24,283 (人好の声) ヒーローが迎えに来てくれた夢… かな? 311 00:21:30,289 --> 00:21:42,301 ♪♪~