1 00:00:11,078 --> 00:00:15,082 (踏切の警報音) 2 00:00:15,082 --> 00:00:17,050 (警笛) 3 00:00:17,050 --> 00:00:22,055 (電車の走行音) 4 00:00:25,092 --> 00:00:27,060 (踏切の警報音) 5 00:00:29,096 --> 00:00:35,102 (鈴) 6 00:00:38,138 --> 00:00:43,143 ⚟(鈴) 7 00:00:44,044 --> 00:00:48,081 (鈴) 8 00:00:48,081 --> 00:00:54,087 (セミの鳴き声) 9 00:00:54,087 --> 00:00:56,056 (チャイム) 10 00:00:57,090 --> 00:01:00,060 (チャイム) 11 00:01:02,095 --> 00:01:05,065 (チャイム) 12 00:01:06,099 --> 00:01:10,070 (チャイム) (横谷人好)はーい 今 出ます…。 13 00:01:13,073 --> 00:01:16,076 はいはい… ええっと…。 (操作音) 14 00:01:16,076 --> 00:01:20,080 どちら様… あっ! 15 00:01:20,080 --> 00:01:23,083 (メイドさん) 「不躾に大変申し訳ございません」 16 00:01:23,083 --> 00:01:28,055 「私を使用人として 雇ってはいただけないでしょうか」 17 00:01:29,089 --> 00:01:32,059 〈ある日 突然 メイドさんが営業に来た〉 18 00:01:33,060 --> 00:01:35,062 (鈴) 19 00:01:35,062 --> 00:01:37,064 (セミの鳴き声) 20 00:01:37,064 --> 00:01:46,073 ♬~ 21 00:03:11,124 --> 00:03:15,262 すみません 今 親がいなくて 散らかってて…。 22 00:03:15,262 --> 00:03:18,098 いえ。 あっ 何か飲みます? 23 00:03:18,098 --> 00:03:20,067 お構いなく。 24 00:03:25,272 --> 00:03:28,275 《思わず 家に入れちゃったけど…》 25 00:03:31,111 --> 00:03:34,081 《本当に営業に来たのか? この人》 26 00:03:34,081 --> 00:03:38,085 《勧誘とか非合法な何かを売りに来たとかじゃ ないよな…》 27 00:03:38,085 --> 00:03:41,088 《やっぱ 適当にあしらって帰ってもらうか》 28 00:03:41,088 --> 00:03:43,123 えっと…。 29 00:03:43,123 --> 00:03:48,128 使用人さんってことは 以前 どこかで働いてらっしゃったんですよね? 30 00:03:48,128 --> 00:03:51,098 主に どんなお仕事を? 31 00:03:51,098 --> 00:03:53,100 そうですね…。 32 00:03:53,100 --> 00:03:55,102 主に暗殺などを…。 33 00:03:55,102 --> 00:03:59,106 …と言っても お館様に仇なす不忠者をですが。 34 00:03:59,106 --> 00:04:03,110 こちらには お館様の紹介で 訪問させていただいております。 35 00:04:05,112 --> 00:04:08,115 ええっと あの… 冗談ですよね? 36 00:04:10,117 --> 00:04:12,119 冗談…? あっ…! 37 00:04:12,119 --> 00:04:16,123 《帰ってもらおう! 怒らせない程度に 丁重にお断りして帰ってもらおう!》 38 00:04:17,124 --> 00:04:22,095 あの… そのご紹介というのは 一体 どういうことなのでしょうか? 39 00:04:22,095 --> 00:04:25,098 何か うちと繋がりがあるんですかね? 40 00:04:27,134 --> 00:04:34,141 お館様の嫡子の奥様のいとこの次男のお宅に 居候していた女性の孫が あなたです。 41 00:04:34,141 --> 00:04:36,109 いや それ 他人では!? 42 00:04:36,109 --> 00:04:38,178 《ハッ! やばい! 普通にツッコんでしまった!》 43 00:04:38,178 --> 00:04:41,148 《ヒィ~! なんか怒ってる!? 話題を変えなくては!》 44 00:04:42,082 --> 00:04:45,085 ああ~! あ… あ… 暗殺っていっても いろいろありますよね? 45 00:04:45,085 --> 00:04:48,088 メイドさんは 何が得意なんですか? 46 00:04:48,088 --> 00:04:50,090 (セミの鳴き声) 47 00:05:09,109 --> 00:05:11,111 いかがでしょう! 《自慢げ!?》 48 00:05:13,113 --> 00:05:16,183 実際に投げることは少ないのですが→ 49 00:05:16,183 --> 00:05:21,188 こちらのほうが 私の技術を よりわかりやすく お伝えできるのではないかと…。 50 00:05:22,088 --> 00:05:24,124 あ… あの…! 51 00:05:24,124 --> 00:05:28,094 こ… 殺してほしい人なんて 俺には いないです…。 52 00:05:28,094 --> 00:05:32,098 それに ここを紹介したっていう お館様って人も よくわかんないし…。 53 00:05:32,098 --> 00:05:35,101 ど… どういう事情か知らないですけど→ 54 00:05:35,101 --> 00:05:40,073 うちでは雇えない… ですね…。 55 00:05:40,073 --> 00:05:44,177 (セミの鳴き声) 56 00:05:44,177 --> 00:05:46,079 (鈴) 57 00:05:46,079 --> 00:05:48,081 さようでございますか…。 58 00:05:49,115 --> 00:05:53,119 お手間を取らせてしまい 申し訳ございません。 59 00:05:53,119 --> 00:05:55,088 それでは 失礼いたします。 60 00:06:03,096 --> 00:06:06,066 (ドアの開閉音) 61 00:06:10,103 --> 00:06:12,072 白昼夢…? 62 00:06:14,074 --> 00:06:16,109 ん? 63 00:06:16,109 --> 00:06:27,087 ♬~ 64 00:06:27,087 --> 00:06:29,055 (人好の声)いや それ 他人では!? 65 00:06:30,090 --> 00:06:32,092 (踏切の警報音) 66 00:06:32,092 --> 00:06:35,095 《私は 何を浮かれていたんだ…》 67 00:06:36,096 --> 00:06:38,098 《これから どこへ行こう…》 68 00:06:38,098 --> 00:07:00,086 ♬~ 69 00:07:00,086 --> 00:07:02,122 おーい! (鈴) 70 00:07:02,122 --> 00:07:04,090 メイドさ~ん! 71 00:07:04,090 --> 00:07:06,092 忘れ物! 72 00:07:13,099 --> 00:07:16,102 (クラクション) あっ…! 73 00:07:18,138 --> 00:07:20,106 (ブレーキ音) 74 00:07:20,106 --> 00:07:22,108 (運転手)危ねえだろ! 75 00:07:23,109 --> 00:07:26,112 ハァ ハァ…。 76 00:07:26,112 --> 00:07:28,114 メイド… さん…? 77 00:07:28,114 --> 00:07:31,084 ご… ご無事でしょうか? 78 00:07:32,118 --> 00:07:34,120 あ… ありがとうございます。 79 00:07:34,120 --> 00:07:36,189 も… 申し訳ありません…。 80 00:07:36,189 --> 00:07:41,127 このように 直接 人の命を救ったことがなくて…。 81 00:07:41,127 --> 00:07:44,130 ど… 動悸が止まらなくて…。 82 00:07:46,132 --> 00:07:49,102 あっ… はい 忘れ物。 83 00:07:49,102 --> 00:07:51,071 あっ…。 84 00:07:53,073 --> 00:07:55,075 ありがとうございます。 85 00:07:58,178 --> 00:08:00,180 (鈴) 86 00:08:08,121 --> 00:08:10,090 メイドさん! 87 00:08:11,091 --> 00:08:16,096 ちょうど 掃除してくれる人 探してたんで お願いできますか? 88 00:08:24,104 --> 00:08:28,108 ナイフとは 人類が初めて手にした道具とも いわれており→ 89 00:08:28,108 --> 00:08:30,110 その使い道は シンプルながら→ 90 00:08:30,110 --> 00:08:33,079 使い手次第で 標的の命を確実にとらえることが可能です。 91 00:08:33,079 --> 00:08:35,081 ちょちょ… ストーップ! 92 00:08:35,081 --> 00:08:38,118 たた… 確かに 手伝ってほしい的なことは 言ったかもしれないけど→ 93 00:08:38,118 --> 00:08:41,087 してほしいのは掃除! 掃除です! 94 00:08:41,087 --> 00:08:44,090 掃除… 掃除…。 うん うん…。 95 00:08:44,090 --> 00:08:46,092 ですから 「暗殺」ですよね? 96 00:08:46,092 --> 00:08:49,095 「暗殺」と書いて 「そうじ」と読みます的な!? 97 00:08:49,095 --> 00:08:51,097 他に 掃除というと…? あるでしょ! 98 00:08:51,097 --> 00:08:53,099 見てよ この荒れ果てたゴミ部屋! 99 00:08:53,099 --> 00:08:55,068 俺が散らかしたんですけどね! 100 00:08:55,068 --> 00:08:57,103 なるほど…。 101 00:08:57,103 --> 00:08:59,105 この中のどれかが 死体袋…。 102 00:08:59,105 --> 00:09:01,174 ひとまず そこから離れてほしい! 103 00:09:01,174 --> 00:09:05,111 ほら ゴミを捨てたりとか 掃除機かけて 洗濯したり…。 104 00:09:05,111 --> 00:09:07,080 必要なのは ハウスキーパー! 105 00:09:07,080 --> 00:09:09,082 ハウスキーパー…。 106 00:09:11,117 --> 00:09:14,120 《命を助けてもらったし…》 107 00:09:14,120 --> 00:09:17,090 《根は悪い人じゃなさそうなんだよなあ…》 108 00:09:18,091 --> 00:09:21,094 その家事ができれば…→ 109 00:09:21,094 --> 00:09:24,097 こちらで雇っていただけますか? 110 00:09:24,097 --> 00:09:30,069 (セミの鳴き声) 111 00:09:32,105 --> 00:09:34,073 《何が起きた…!?》 112 00:09:35,108 --> 00:09:38,111 《掃除道具を貸しただけなのに!?》 113 00:09:38,111 --> 00:09:40,080 《驚きの不器用…!》 114 00:09:40,080 --> 00:09:42,082 あっ…! 115 00:09:42,082 --> 00:09:44,083 もももももも… 申し訳ございません。 116 00:09:44,083 --> 00:09:46,086 い… 今 片付けますので…。 117 00:09:46,086 --> 00:09:48,087 あっ! 118 00:09:48,087 --> 00:09:50,090 メイドさ…! 119 00:09:52,091 --> 00:09:54,093 ご心配おかけしました。 120 00:09:54,093 --> 00:09:57,096 さすがに これ以上の失態は…! 121 00:09:57,096 --> 00:09:59,098 《あ~ちゃちゃちゃちゃ~…》 122 00:09:59,098 --> 00:10:01,101 もしかして メイドさん→ 123 00:10:01,101 --> 00:10:03,102 結構 いや だいぶ→ 124 00:10:03,102 --> 00:10:05,071 かなりドジ? 125 00:10:07,106 --> 00:10:10,110 誠に申し訳ございません…。 126 00:10:10,110 --> 00:10:14,080 このような失態続きで雇っていただくなど…。 127 00:10:19,119 --> 00:10:22,088 まあ 慣れないことをさせたのは 俺のほうだし…。 128 00:10:26,125 --> 00:10:29,129 これから覚えていけばいいんじゃない? 129 00:10:29,129 --> 00:10:31,097 俺も手伝う…。 130 00:10:31,097 --> 00:10:33,233 いや 2人で片付けよう。 131 00:10:33,233 --> 00:10:35,101 手伝ってくれませんか? 132 00:10:35,101 --> 00:10:42,108 ♬~ 133 00:10:42,108 --> 00:10:44,110 おお~! 134 00:10:44,110 --> 00:10:48,214 だいぶ片付いた! とりあえず リビングは。 135 00:10:48,214 --> 00:10:51,117 いや 一人じゃ 全然 やる気 起きなくてさ…。 136 00:10:51,117 --> 00:10:54,120 おかげで助かった! ありがとう! 137 00:10:56,122 --> 00:10:59,125 あっ… おおっ! もう こんな時間! 138 00:10:59,125 --> 00:11:02,128 いろいろあって 昼飯 食い損ねたもんなあ…。 139 00:11:02,128 --> 00:11:05,131 ハッ! ワンチャン メイドさんは 料理作れたり…。 140 00:11:05,131 --> 00:11:07,100 クゥーン…。 あ… うん ごめん…。 141 00:11:08,101 --> 00:11:11,104 大丈夫! 今夜は 最強メニューがあるんだった! 142 00:11:11,104 --> 00:11:13,106 ご飯の前に お風呂どうぞ! 143 00:11:13,106 --> 00:11:21,080 ♬~ 144 00:11:21,080 --> 00:11:24,083 おかげで助かった! ありがとう! 145 00:11:31,090 --> 00:11:33,059 《俺 横谷人好!》 146 00:11:33,059 --> 00:11:35,094 《ごく普通の高校1年生!》 147 00:11:35,094 --> 00:11:39,098 《親のいない夏休みを絶賛満喫中の俺は今→ 148 00:11:39,098 --> 00:11:42,068 かつてないほどの緊張を感じている!》 149 00:11:43,102 --> 00:11:47,106 《それは 突然現れたメイドさんが 殺し屋を名乗ったから→ 150 00:11:47,106 --> 00:11:49,075 …じゃなくて!》 151 00:11:51,110 --> 00:11:53,112 (ドアの開く音) 152 00:11:53,112 --> 00:11:56,082 《ど… どうしよう! あのお姉さんのことだし→ 153 00:11:56,082 --> 00:11:58,117 何も考えず バスタオル一枚で出てきちゃった…》 154 00:11:58,117 --> 00:12:00,220 あの…。 はい!! 155 00:12:00,220 --> 00:12:03,189 お先に頂きました。 思春期敗北! 156 00:12:05,191 --> 00:12:08,094 あの… 無理そうなら別にいいよ? 157 00:12:08,094 --> 00:12:11,097 いえ 切るのは誰より得意ですので。 158 00:12:11,097 --> 00:12:23,076 ♬~ 159 00:12:23,076 --> 00:12:25,078 キャベツの千切り 完遂いたしました! 160 00:12:25,078 --> 00:12:27,080 あ… ありがとう…。 161 00:12:27,080 --> 00:12:32,085 あとは インスタントみそ汁に 惣菜のとんかつを並べるだけ! 162 00:12:32,085 --> 00:12:36,089 とんかつ…。 あれ? メイドさん とんかつ知らない? 163 00:12:36,089 --> 00:12:40,059 以前 似たようなものは 口にしたかもしれません。 164 00:12:40,059 --> 00:12:44,063 ですが 食に あまり興味がなく 記憶が あいまいで…。 165 00:12:44,063 --> 00:12:49,068 私の中で 食事は 生命維持のためにとっているという認識です。 166 00:12:49,068 --> 00:12:52,105 味や品目を気にしたことがありません。 167 00:12:52,105 --> 00:12:54,073 マジで!? もったいない! 168 00:12:54,073 --> 00:12:58,077 でも そんなメイドさんも このとんかつを食べれば 世界が変わる! 169 00:12:58,077 --> 00:13:00,079 ジャーン! 170 00:13:00,079 --> 00:13:05,084 創業60年! 我が町の商店街が誇る勝田惣菜店! 171 00:13:05,084 --> 00:13:10,089 勝田夫妻が丹精込めて仕込んだ惣菜は 安い上に とにかくうまい! 172 00:13:10,089 --> 00:13:14,060 噂では 有名人が お忍びで買いに来るとか来ないとか…! 173 00:13:14,060 --> 00:13:17,063 勝田のとんかつ ぜひ ご賞味あれ! 174 00:13:17,063 --> 00:13:21,100 はあ…。 嘘だろ 今までで一番反応薄い! 175 00:13:21,100 --> 00:13:24,070 あの… どうぞ 召し上がってください。 176 00:13:24,070 --> 00:13:26,072 あっ…。 177 00:13:26,072 --> 00:13:28,074 フフフフフ…! 大丈夫! 178 00:13:29,108 --> 00:13:32,078 こうして こうすると…。 179 00:13:33,079 --> 00:13:36,115 ほらほら 2人分 完成! 180 00:13:36,115 --> 00:13:38,084 俺とメイドさ…。 181 00:13:38,084 --> 00:13:41,054 そういや メイドさんの名前は なんていうの? 182 00:13:42,088 --> 00:13:45,091 名前… 名前は ありません。 183 00:13:45,091 --> 00:13:50,063 今までも 雇い主様からは お好きなように呼んでいただいておりました。 184 00:13:50,063 --> 00:13:55,101 ですから 横谷様のお好きなように 呼んでくださって結構です。 185 00:13:55,101 --> 00:13:58,104 そうなの? うーん…。 186 00:13:58,104 --> 00:14:01,274 それじゃあ とりあえず 「メイドさん」のままでいい? 187 00:14:01,274 --> 00:14:04,243 俺 ネーミングセンス ゼロらしくてさあ…。 188 00:14:06,212 --> 00:14:08,081 《なぜだろう…》 189 00:14:08,081 --> 00:14:12,085 《名前なんて 今まで どう呼ばれても気にしなかったのに…》 190 00:14:13,086 --> 00:14:16,155 それじゃ いただきま~す! 191 00:14:16,155 --> 00:14:18,124 いただきます。 192 00:14:19,092 --> 00:14:21,094 うん! うまい! 天才! 193 00:14:30,103 --> 00:14:32,071 ど… どう? 194 00:14:34,107 --> 00:14:39,078 《変わらず 味の良しあしの判別なんて つきはしない…》 195 00:14:40,079 --> 00:14:42,115 《それでも…》 196 00:14:42,115 --> 00:14:48,087 ♬~ 197 00:14:48,087 --> 00:14:50,089 《あたたかい…》 198 00:14:50,089 --> 00:14:52,091 どう? 199 00:14:52,091 --> 00:14:55,094 はい とても美味しいです。 200 00:14:55,094 --> 00:14:58,064 よかった! 《あたたかい》 201 00:14:59,098 --> 00:15:02,101 《湯あみも食事も…→ 202 00:15:02,101 --> 00:15:04,103 この方も…》 203 00:15:04,103 --> 00:15:07,106 あっ メイドさんの部屋 2階の端っこの部屋でいい? 204 00:15:07,106 --> 00:15:09,108 あっ…。 205 00:15:09,108 --> 00:15:12,178 とりあえず ベッドシーツと枕カバーは 新しいのにしたけど→ 206 00:15:12,178 --> 00:15:15,081 もし 不都合があったら言ってね。 207 00:15:15,081 --> 00:15:17,216 用意してくださったのですか…? 208 00:15:17,216 --> 00:15:19,185 うん! 209 00:15:21,087 --> 00:15:23,089 名前… 名前は ありません。 210 00:15:23,089 --> 00:15:25,091 (師匠)合格だよ。 211 00:15:25,091 --> 00:15:30,096 雪のように白い肌 雪のように冷たい心。 今日から お前の名は…。 212 00:15:30,096 --> 00:15:32,098 (メイドさんの声)名前は ありません。 213 00:15:33,099 --> 00:15:35,101 《そうか…》 214 00:15:35,101 --> 00:15:40,072 《だから 私 この人に 「冷たい女」と呼ばれたくないんだ》 215 00:15:41,107 --> 00:15:44,076 ん…? あれ? メイドさん そのまま とんかつ食べてるじゃん。 216 00:15:45,077 --> 00:15:47,079 いけなかったでしょうか? 217 00:15:47,079 --> 00:15:49,081 とんかつには とんかつソース。 218 00:15:49,081 --> 00:15:52,084 これ 勝田惣菜店のオリジナルなんだぜ! 219 00:15:52,084 --> 00:15:54,053 とんかつソース…。 220 00:16:04,063 --> 00:16:06,065 んっ! 221 00:16:08,067 --> 00:16:11,070 んん~っ!! 222 00:16:12,104 --> 00:16:15,074 美味しかった? はい…! 223 00:16:16,075 --> 00:16:19,078 とんかつソース…! 224 00:16:27,086 --> 00:16:29,055 うっ! 225 00:16:30,089 --> 00:16:32,058 あっ…。 226 00:16:33,059 --> 00:16:37,063 《あっ… 久しぶりに見たな あの夢…》 227 00:16:40,066 --> 00:16:42,068 (おなかが鳴る音) 228 00:16:42,068 --> 00:16:44,070 カップラーメンがあったはず。 229 00:16:47,139 --> 00:16:49,075 ⚞(物音) あっ! 230 00:16:49,075 --> 00:16:52,078 《えっ!? キッチンに誰かいる!?》 231 00:16:53,079 --> 00:16:55,081 暗殺が得意です。 232 00:16:55,081 --> 00:16:57,083 《ええ~っ!?》 233 00:16:57,083 --> 00:16:59,085 《ま… まさかな…?》 234 00:17:02,088 --> 00:17:04,056 あっ! 235 00:17:08,060 --> 00:17:10,062 ヒィッ! 236 00:17:15,101 --> 00:17:19,105 ああっ! あの…! こ… これは 申し訳ありません! 237 00:17:19,105 --> 00:17:22,074 いや… いろいろと安心したから大丈夫。 238 00:17:24,076 --> 00:17:28,247 メイドさんも おなかすいた感じ? 俺も腹減っちゃってさ。 239 00:17:28,247 --> 00:17:30,082 その… 私は…。 240 00:17:30,082 --> 00:17:33,185 もし 明日死ぬかもしれないと思ったら→ 241 00:17:33,185 --> 00:17:38,257 最後に もう一度 このソースを 味わっておきたいと思いまして…。 242 00:17:38,257 --> 00:17:41,227 それなら いいこと 思いついた! 243 00:17:43,095 --> 00:17:46,098 なんちゃってソースフォンデュ! 244 00:17:46,098 --> 00:17:50,102 …って言っても 大したものなかったけど。 食べて 食べて! 245 00:17:50,102 --> 00:17:56,108 ♬~ 246 00:17:56,108 --> 00:17:58,210 とんかつソース…! 247 00:17:58,210 --> 00:18:01,080 もしかして ソースの味自体が好きなの? 248 00:18:01,080 --> 00:18:03,349 うん…。 249 00:18:03,349 --> 00:18:05,117 あの…。 250 00:18:05,117 --> 00:18:08,220 横谷様は 何か 怖い夢でも見られましたか? 251 00:18:08,220 --> 00:18:10,089 えっ なんで? 252 00:18:10,089 --> 00:18:13,259 ソ… ソースをなめに寝室を出た時→ 253 00:18:13,259 --> 00:18:18,297 横谷様のお部屋から うなされている声が聞こえてきまして…。 254 00:18:18,297 --> 00:18:21,100 暗殺者に襲われている可能性を考え→ 255 00:18:21,100 --> 00:18:24,103 勝手ながら 部屋に入らせていただいたのです。 256 00:18:24,103 --> 00:18:26,105 (人好の声)そんな可能性あるの!? 257 00:18:26,105 --> 00:18:28,107 もしかして… 見た? 258 00:18:28,107 --> 00:18:34,080 ♬~ 259 00:18:34,080 --> 00:18:37,149 は… 恥ずかしい!! 何か言ってた? 260 00:18:37,149 --> 00:18:39,118 はい。 「お母さん」と何度も…。 261 00:18:39,118 --> 00:18:41,087 わあああ…。 262 00:18:42,154 --> 00:18:44,156 私も…。 263 00:18:45,091 --> 00:18:47,159 夢を見たんです。 264 00:18:47,159 --> 00:18:51,097 とんかつソースが話しかけてきました。 (人好の声)話し…? 265 00:18:51,097 --> 00:18:55,101 (メイドさんの声)「僕は こんなに大きいから いくらなめても なくならないよ」→ 266 00:18:55,101 --> 00:18:58,070 「好きなだけお食べ」と。 267 00:18:58,070 --> 00:19:02,108 なのに なめようとしたところで 目が覚めてしまいまして…。 268 00:19:02,108 --> 00:19:05,077 あ~… めちゃくちゃ悲しいやつ。 269 00:19:05,077 --> 00:19:07,079 でも…。 270 00:19:09,081 --> 00:19:11,083 初めてだったんです。 271 00:19:12,051 --> 00:19:17,089 今までの夢は 人を殺し 殺されて そんな夢ばかりで。 272 00:19:17,089 --> 00:19:23,095 それでも 目覚めた時や夢の中でさえも 特別な感情なんてありませんでした。 273 00:19:24,096 --> 00:19:26,098 まだ 夢を見ていたい。 274 00:19:26,098 --> 00:19:30,069 生まれて初めて そう思ったんです。 275 00:19:30,069 --> 00:19:36,108 だから そんな日に 横谷様は悪夢を見たのだと思うと→ 276 00:19:36,108 --> 00:19:39,145 少し 残念に思ってしまいました。 277 00:19:39,145 --> 00:19:45,084 何より 私には 横谷様をお慰めできる方法が わかりません。 278 00:19:45,084 --> 00:19:48,054 それが とても寂しく感じてしまいました。 279 00:19:49,155 --> 00:19:53,125 心配かけて ごめん! たまに見る夢なんだ。 280 00:19:54,193 --> 00:19:57,196 お母さん どこ行くの? お母さん! 281 00:19:58,064 --> 00:20:02,068 俺さ 小さい頃から夢見が悪くて→ 282 00:20:02,068 --> 00:20:04,203 泣きながら起きたあとには→ 283 00:20:04,203 --> 00:20:07,206 母さんに膝枕してもらわないと 寝付けなかったりして…。 284 00:20:08,074 --> 00:20:10,076 膝枕…。 285 00:20:13,079 --> 00:20:16,082 でしたら…。 あっ! 286 00:20:16,082 --> 00:20:19,051 私の膝をどうぞ。 287 00:20:21,087 --> 00:20:23,055 えっ? 288 00:20:24,090 --> 00:20:26,058 いや! いやいや いやいや…! 289 00:20:26,058 --> 00:20:30,096 キッズの頃だし 今は 公序良俗をわきまえた一般男子ですし! 290 00:20:30,096 --> 00:20:33,065 というか それは 思春期男子には…! あれ…? 291 00:20:34,100 --> 00:20:37,103 《やっぱり 私は…》 292 00:20:37,103 --> 00:20:41,107 (師匠の声)お前は 人を殺すためだけに生まれてきた…。 293 00:20:41,107 --> 00:20:44,076 《私は… 私には…》 294 00:20:45,077 --> 00:20:48,080 《ああ 寒い…》 295 00:20:51,083 --> 00:20:53,085 あっ! 296 00:20:53,085 --> 00:20:58,090 ♬~ 297 00:20:58,090 --> 00:21:00,092 《やわっ…》 298 00:21:00,092 --> 00:21:04,096 あったかい! はい 私も…。 299 00:21:06,098 --> 00:21:09,101 あの… 横谷様? 300 00:21:09,101 --> 00:21:12,104 あっ えっと… 「人好」って呼んでくれていいんで…。 301 00:21:12,104 --> 00:21:15,107 か… かしこまりました。 302 00:21:15,107 --> 00:21:17,076 あっ じゃあ そろそろ 俺…。 303 00:21:19,111 --> 00:21:23,082 眠れそうですか? 人好様。 304 00:21:27,086 --> 00:21:29,088 うん ありがとう…。 305 00:21:32,191 --> 00:21:38,164 〈これは ひとりぼっちのメイドさんに 「家族」ができるまでの物語…〉 306 00:21:40,065 --> 00:21:52,077 ♬~