1 00:00:11,111 --> 00:00:14,147 (メイドさん)《体が熱い。 息が苦しい》 2 00:00:14,147 --> 00:00:21,121 《心臓が破れそうなほどに 血液が ぐるぐると体内を駆け巡る》 3 00:00:21,121 --> 00:00:23,123 《いつだったろう…》 4 00:00:23,123 --> 00:00:29,129 《数十人の敵を相手にした時も 似たような高ぶりを感じた》 5 00:00:29,129 --> 00:00:33,133 《けれど 今は その時とは まるで違う》 6 00:00:33,133 --> 00:00:37,137 《確かに 体が勝手に動いたのだ》 7 00:00:37,137 --> 00:00:39,106 《なぜ?》 8 00:00:39,106 --> 00:00:41,141 《一体 何が→ 9 00:00:41,141 --> 00:00:45,145 あれほどまでに 私の体を動かしたのか…》 10 00:00:45,145 --> 00:00:48,115 《私は知りたい》 11 00:00:53,153 --> 00:00:55,122 (横谷人好)おはよう。 12 00:00:55,122 --> 00:00:57,124 (あくび) 13 00:00:57,124 --> 00:00:59,126 うわっ きれいに入ってる! 14 00:00:59,126 --> 00:01:02,129 ゴミは なるべく少ないほうがいいかと思いまして→ 15 00:01:02,129 --> 00:01:05,132 全て細かく切り刻んでみました。 16 00:01:05,132 --> 00:01:08,201 すごい! いつもの半分くらいになってるよ! 17 00:01:08,201 --> 00:01:10,137 ありがとう メイドさん。 18 00:01:10,137 --> 00:01:12,105 あっ…。 19 00:01:13,140 --> 00:01:22,149 ♬~ 20 00:02:45,132 --> 00:02:50,103 まさか こんな堂々と 家の前に置いていくなんて…。 21 00:02:50,103 --> 00:02:53,206 一体 うちを なんだと思っているんだ? 22 00:02:53,206 --> 00:02:56,176 人好様 手紙があります。 23 00:03:09,189 --> 00:03:13,193 めちゃくちゃ勝手! しかも 軽い感じが すげえ腹立つ! 24 00:03:13,193 --> 00:03:18,331 ったく… うちがペットNGだったら どうするんだよ。 25 00:03:18,331 --> 00:03:20,333 なあ? 26 00:03:21,101 --> 00:03:25,138 飼われるんですか? えっ? だって 放っておけないでしょ。 27 00:03:25,138 --> 00:03:31,111 こんな小さいし 真夏に外に置いといたら 最悪 死ぬかもしれないし。 28 00:03:31,111 --> 00:03:34,114 他に飼ってくれそうな人の当てもないし…。 29 00:03:34,114 --> 00:03:37,084 小さくとも…。 ん? 30 00:03:38,318 --> 00:03:42,122 「生きたい」と切に願えば→ 31 00:03:42,122 --> 00:03:47,094 どのような者も どのような状況でも 生き延びることができます。 32 00:03:47,094 --> 00:03:51,131 それが動物の本能というものです。 33 00:03:51,131 --> 00:03:57,104 同情心だけで救う命は 時として 悲惨な結果を招きかねない。 34 00:03:57,104 --> 00:04:03,110 その子犬は 捨てられるべくして捨てられた 誰からも必要とされていない存在。 35 00:04:03,110 --> 00:04:06,113 そのような脆弱な者たちは→ 36 00:04:06,113 --> 00:04:11,084 己が力のみで強くならなければ いずれ野垂れ死ぬ運命となりましょう。 37 00:04:11,084 --> 00:04:14,187 いたずらに その命を救えば→ 38 00:04:14,187 --> 00:04:20,093 その責任は いずれ あだとなり 自分自身へ返ることもございます。 39 00:04:20,093 --> 00:04:24,097 その責任を 人好様は負いきれますか? 40 00:04:24,097 --> 00:04:27,100 えーっと…。 41 00:04:27,100 --> 00:04:30,103 俺には そういうの よくわかんないけどさ→ 42 00:04:30,103 --> 00:04:35,108 昨日 メイドさんが 俺の命を救ってくれたのは→ 43 00:04:35,108 --> 00:04:38,111 同情なんかじゃないでしょ? 44 00:04:38,111 --> 00:04:40,113 あっ…。 45 00:04:40,113 --> 00:04:42,182 目の前に 救える命があったら→ 46 00:04:42,182 --> 00:04:47,087 考えるより先に体が動くのは 人の本能なんだよ きっと! 47 00:04:47,087 --> 00:04:51,124 人の本能…。 48 00:04:51,124 --> 00:04:56,096 それに 俺だって 置いていかれた奴の気持ちが わかるから…。 49 00:04:57,097 --> 00:05:00,167 まあ こんなとこで立ち話もなんだし→ 50 00:05:00,167 --> 00:05:03,103 さっさとゴミ出して 部屋に戻ろうか。 51 00:05:03,103 --> 00:05:07,073 この暑さじゃ 俺も お前も 茹で上がっちゃうもんな。 52 00:05:09,109 --> 00:05:13,113 ハハハハ…。 人懐っこくて かわいいなあ お前。 53 00:05:13,113 --> 00:05:15,182 メイドさんも抱いてみる? 54 00:05:15,182 --> 00:05:19,119 いいえ 私は… 結構です。 55 00:05:19,119 --> 00:05:21,087 さっきから遠くない? 56 00:05:21,087 --> 00:05:23,190 そんなことは…。 57 00:05:23,190 --> 00:05:25,158 ほら ふわふわ! 58 00:05:29,129 --> 00:05:33,133 もしかして メイドさん… 犬 苦手? 59 00:05:33,133 --> 00:05:36,102 うっ… いえ あの…。 60 00:05:37,170 --> 00:05:40,106 ほんの少しだけ…。 61 00:05:40,106 --> 00:05:44,077 本当に少しだけ 苦手意識がございまして…。 62 00:05:45,111 --> 00:05:47,180 《かわいいな》 63 00:05:47,180 --> 00:05:52,085 で… ですが ご… ご命令とあらば… 人好様が望まれるのであれば。 64 00:05:52,085 --> 00:05:55,121 そんな無理しなくていいけど…。 65 00:05:55,121 --> 00:05:57,090 なんで苦手なの? 66 00:05:59,192 --> 00:06:02,128 私には 師に当たる方がおりまして→ 67 00:06:02,128 --> 00:06:05,198 幼少の頃 訓練と称して→ 68 00:06:05,198 --> 00:06:10,103 獰猛な野犬が多くいる山に 置いていかれたことが…。 69 00:06:10,103 --> 00:06:13,106 そりゃトラウマになる…。 70 00:06:13,106 --> 00:06:16,109 となると やっぱり 世話とか難しいよね? 71 00:06:16,109 --> 00:06:18,111 困ったなあ。 はっ…! 72 00:06:18,111 --> 00:06:22,148 (人好の声) 困ったなあ 困ったなあ 困ったなあ…。 73 00:06:22,148 --> 00:06:27,120 お… お役に立てず 申し訳ありません…。 74 00:06:27,120 --> 00:06:29,122 あっ 責めたわけではなくてね…! 75 00:06:29,122 --> 00:06:33,226 ただ… また こいつを ひとりぼっちにしたくないから→ 76 00:06:33,226 --> 00:06:37,197 メイドさんには 我慢させちゃうことになるかなって。 77 00:06:38,231 --> 00:06:42,102 もし もらい手を探すにしても そう簡単にはいかないだろうし…。 78 00:06:42,102 --> 00:06:46,106 たらい回しにするのは ちょっと… ね。 79 00:06:47,107 --> 00:06:49,309 (鈴) 80 00:06:49,309 --> 00:06:51,111 人好様。 81 00:06:51,111 --> 00:06:55,115 やはり 私にも 抱かせていただいてもよろしいですか? 82 00:06:57,117 --> 00:07:02,122 メイドさん 気持ちはありがたいんだけど その…。 83 00:07:02,122 --> 00:07:06,126 本当に無理しなくていいからね…? 84 00:07:06,126 --> 00:07:10,130 む… 無理などは… 決して…。 85 00:07:10,130 --> 00:07:14,200 かなり おとなしい子なんだけどなあ。 どこら辺が怖いの? 86 00:07:14,200 --> 00:07:16,169 どこら辺…。 87 00:07:16,169 --> 00:07:18,104 猛々しい爪。 88 00:07:18,104 --> 00:07:20,106 獰猛な牙! 89 00:07:20,106 --> 00:07:22,108 鋭い眼光! 90 00:07:22,108 --> 00:07:24,177 …あたりでしょうか。 91 00:07:24,177 --> 00:07:28,114 ごめん。 俺には その子が お餅にしか見えない。 92 00:07:28,114 --> 00:07:33,186 お餅… というと あの 米から作られる…? 93 00:07:33,186 --> 00:07:35,088 そうそう! 94 00:07:35,088 --> 00:07:38,091 んっ? んんっ…? 95 00:07:38,091 --> 00:07:42,128 いや… 俺のほうが多数派意見だからね。 96 00:07:42,128 --> 00:07:44,097 わふ…。 97 00:07:46,132 --> 00:07:48,168 はっ…! 98 00:07:48,168 --> 00:07:50,103 ああっ…! 99 00:07:50,103 --> 00:07:53,106 あ… 甘噛みだから それ! 本気じゃないから! 100 00:07:53,106 --> 00:07:55,108 お… 落ち着いて! 投げたらダメ! 101 00:07:58,111 --> 00:08:01,114 よ… よく頑張りました。 (荒い息遣い) 102 00:08:01,114 --> 00:08:04,217 ふ… ふがいなく 申し訳ありません…。 103 00:08:04,217 --> 00:08:06,119 ん? 104 00:08:06,119 --> 00:08:09,255 あっ もしかして 歯がムズムズするのか? 105 00:08:09,255 --> 00:08:12,258 (荒い息遣い) 106 00:08:14,294 --> 00:08:16,196 そんな危険なことをしては…! 107 00:08:16,196 --> 00:08:18,098 大丈夫 大丈夫! 108 00:08:18,098 --> 00:08:21,101 よし じゃあ ちょっと出かけよう。 109 00:08:21,101 --> 00:08:23,103 はい…。 110 00:08:26,106 --> 00:08:29,075 動物病院…。 111 00:08:29,075 --> 00:08:31,111 うん。 元気そうだけど→ 112 00:08:31,111 --> 00:08:34,114 一応 診てもらったほうがいいと思ってさ。 113 00:08:35,115 --> 00:08:39,085 (ドアの開閉音) 114 00:08:43,089 --> 00:08:46,126 メイドさんは 隣のショップに行ってもらっていい? 115 00:08:46,126 --> 00:08:48,094 はい。 116 00:08:48,094 --> 00:08:58,104 ♬~ 117 00:08:58,104 --> 00:09:02,108 お前のために すごく真剣になってくれてるぞ。 118 00:09:02,108 --> 00:09:04,110 嬉しいな。 わふわふ! 119 00:09:09,115 --> 00:09:11,117 ありがとう メイドさん。 120 00:09:11,117 --> 00:09:15,088 ちゃんと お願いしたもの 全部 選んでくれて。 121 00:09:16,089 --> 00:09:19,092 人好様は 本当にお優しい方です。 122 00:09:19,092 --> 00:09:21,094 えっ? 123 00:09:21,094 --> 00:09:27,100 今まで 私の世界には あなたのような方は いなかった。 124 00:09:27,100 --> 00:09:32,138 私がいた場所は 失敗など 決して許されません。 125 00:09:32,138 --> 00:09:38,111 だからこそ 優しくしていただく度に→ 126 00:09:38,111 --> 00:09:43,149 人好様との距離を 感じてしまうのかもしれません。 127 00:09:43,149 --> 00:09:49,122 今までは 要求されたことを遂行すればよかった。 128 00:09:49,122 --> 00:09:54,127 でも あなたの望みは 私には初めてのことばかりで…。 129 00:09:54,127 --> 00:10:00,200 何度も 空回って 失敗して…。 130 00:10:00,200 --> 00:10:05,105 私には わからないんです。 131 00:10:05,105 --> 00:10:11,111 人好様にとって どうあれば 私は必要とされる存在になれるのか。 132 00:10:13,112 --> 00:10:20,086 《今まで 不必要と判断されたことが なかったわけではない》 133 00:10:20,086 --> 00:10:26,125 《私のいた世界は 数少ない居場所を奪い合う 椅子取りゲームのようなものだ》 134 00:10:26,125 --> 00:10:29,095 《我々のような 権力者の駒は→ 135 00:10:29,095 --> 00:10:33,099 能力さえあれば 年も性別も関係ない》 136 00:10:33,099 --> 00:10:36,102 《居場所が欲しければ…》 137 00:10:38,104 --> 00:10:42,108 《私がやるべきことは 一つだった》 138 00:10:42,108 --> 00:10:44,177 《だが ここは違う》 139 00:10:44,177 --> 00:10:49,115 《私のやれることなんて… 私がやってきたことなんて→ 140 00:10:49,115 --> 00:10:51,117 高が知れていて…》 141 00:10:52,118 --> 00:10:56,089 私も その子犬のように あなたと出会えていたら…。 142 00:10:57,123 --> 00:11:02,128 《世界は これほどまで あたたかいもので あふれているのだと→ 143 00:11:02,128 --> 00:11:04,097 知り得ていたら…》 144 00:11:05,231 --> 00:11:10,236 あなたが本当に望む「何か」に なれたのかもしれません。 145 00:11:11,104 --> 00:11:14,107 私は ここにいていいのでしょうか? 146 00:11:14,107 --> 00:11:20,213 このような まぶしい世界に 私は必要ないのではないでしょうか…? 147 00:11:20,213 --> 00:11:22,115 もしかして メイドさん…。 148 00:11:22,115 --> 00:11:27,120 わふっ! うわっ…! しゃべってる時に引っ張んなよ! 149 00:11:28,188 --> 00:11:33,126 メイドさんはさ きっと 前の仕事をやめてさ→ 150 00:11:33,126 --> 00:11:36,129 普通の子になりたいんじゃない? 151 00:11:36,129 --> 00:11:39,098 殺しを… やめる…? 152 00:11:39,098 --> 00:11:41,100 俺には そう聞こえた。 153 00:11:42,101 --> 00:11:44,103 ちょっ…! 154 00:11:44,103 --> 00:11:47,173 あーあ… こんがらがっちゃってるよ。 155 00:11:47,173 --> 00:11:50,143 殺し屋をやめて 普通の…。 156 00:11:53,212 --> 00:11:56,115 《考えたこともなかった》 157 00:11:56,115 --> 00:12:00,119 《殺しは 私の唯一のアイデンティティーだ》 158 00:12:00,119 --> 00:12:02,121 《そう言い聞かされていたし→ 159 00:12:02,121 --> 00:12:06,125 私のような人間が 誰かに必要とされるためには→ 160 00:12:06,125 --> 00:12:13,199 殺して 殺して 殺して 殺すしか道はなかった》 161 00:12:13,199 --> 00:12:16,102 《でも もしも…》 162 00:12:16,102 --> 00:12:20,139 うわ~! 夕日 超きれいだな。 163 00:12:20,139 --> 00:12:28,147 ♬~ 164 00:12:28,147 --> 00:12:30,116 (鈴) 165 00:12:32,118 --> 00:12:37,123 《もしも 殺すこと以外で 自分の居場所を見つけられるのなら…→ 166 00:12:37,123 --> 00:12:41,127 私は この方のことを→ 167 00:12:41,127 --> 00:12:45,131 この まぶしくて あたたかな世界のことを→ 168 00:12:45,131 --> 00:12:48,134 もっと知ることができるのかな…》 169 00:12:49,135 --> 00:12:53,172 俺さ 最初に メイドさんが うちに来た時→ 170 00:12:53,172 --> 00:12:56,142 メイドさんのことが すごい怖かったんだけどさ…。 171 00:12:56,142 --> 00:12:58,144 ええっ…! 172 00:12:58,144 --> 00:13:01,114 いや… 俺の周りに 殺し屋なんかいないしね!? 173 00:13:01,114 --> 00:13:07,120 でも 一緒にいて いろんなとこ見て 違うってわかった。 174 00:13:07,120 --> 00:13:11,190 メイドさんは 実は めちゃくちゃいい子! 175 00:13:11,190 --> 00:13:14,127 いい子…。 176 00:13:14,127 --> 00:13:16,095 いい子…。 177 00:13:19,132 --> 00:13:21,134 フフッ…。 178 00:13:23,202 --> 00:13:25,104 人好様。 179 00:13:25,104 --> 00:13:29,108 普通の子になるには 何をすればいいでしょうか? 180 00:13:29,108 --> 00:13:34,113 えっ? ええー… 難しい質問だなあ。 181 00:13:34,113 --> 00:13:36,215 あっ でも 一個。 182 00:13:36,215 --> 00:13:40,119 メイドさんは 失敗を すごく気にしてるみたいだけど…→ 183 00:13:40,119 --> 00:13:42,088 自分でも言ってたでしょ? 184 00:13:42,088 --> 00:13:46,192 うちに来てから 初めてのことばっかりだって。 185 00:13:46,192 --> 00:13:51,197 初めてやることなら むしろ 失敗するのが普通なんじゃないかな? 186 00:13:58,104 --> 00:14:00,306 (エアコンの稼働音) 187 00:14:00,306 --> 00:14:04,310 ⚟(キャベツを切る音) 188 00:14:05,111 --> 00:14:07,113 《確かに こちらのほうが→ 189 00:14:07,113 --> 00:14:10,149 効率的かつ均一に キャベツを切れる》 190 00:14:10,149 --> 00:14:13,119 《精神統一もしなくていい》 191 00:14:13,119 --> 00:14:17,090 《「普通」とは 効率のことをいうのかもしれない》 192 00:14:17,090 --> 00:14:21,094 《お好み焼き… どんな食べ物だろう?》 193 00:14:21,094 --> 00:14:24,097 《ソースがメインの食べ物と聞いたけど…》 194 00:14:24,097 --> 00:14:29,102 《揚げ物ではないらしいし… でも キャベツは いるんだな》 195 00:14:29,102 --> 00:14:33,106 《確かに キャベツは ソースに合う気がする》 196 00:14:33,106 --> 00:14:35,074 はっ…! 197 00:14:36,109 --> 00:14:40,079 《バカな…! この私が背後を取られるだと!?》 198 00:14:40,079 --> 00:14:42,081 き… 貴様…。 199 00:14:42,081 --> 00:14:44,083 やはり ただの犬では…! 200 00:14:44,083 --> 00:14:47,086 (おなかが鳴る音) 201 00:14:47,086 --> 00:14:51,090 お前… おなかがすいてるのか? 202 00:14:51,090 --> 00:14:53,059 わふ…。 203 00:14:54,093 --> 00:14:56,162 《相手の気持ちがわかる…》 204 00:14:56,162 --> 00:14:59,098 《これも 普通の一つなのだろう》 205 00:14:59,098 --> 00:15:06,072 ♬~ 206 00:15:07,206 --> 00:15:09,175 ただいま。 207 00:15:09,175 --> 00:15:12,211 どうしたの? いえ…。 208 00:15:12,211 --> 00:15:15,081 あっ ご飯あげてくれたんだ! ありがとう。 209 00:15:15,081 --> 00:15:17,183 はい…。 210 00:15:17,183 --> 00:15:19,085 よかったな。 おいしいか? 211 00:15:19,085 --> 00:15:23,089 ハハッ… よく食べるなあ。 大丈夫か? 212 00:15:23,089 --> 00:15:26,092 おなか めっちゃモッチモチだぞ。 213 00:15:26,092 --> 00:15:28,094 本当にモッチモチだなあ。 214 00:15:28,094 --> 00:15:31,164 モッチモチ…。 215 00:15:31,164 --> 00:15:35,101 あっ… 降りてきた…。 えっ? 216 00:15:35,101 --> 00:15:38,070 お前の名は あげもち太郎! 217 00:15:39,138 --> 00:15:41,140 どう? 218 00:15:42,074 --> 00:15:44,076 素敵な名前だと思います。 219 00:15:44,076 --> 00:15:46,112 (あげもち太郎)わふわふ! 220 00:15:46,112 --> 00:15:49,115 おお! お前も気に入ってくれたか! わふ! 221 00:15:49,115 --> 00:15:53,085 わかりやすく その上 何か鬼気迫るものを感じます。 222 00:15:53,085 --> 00:15:55,054 エヘヘ… そう? 223 00:15:56,088 --> 00:15:59,091 キャベツ 切ってくれたんだね。 ありがとう 助かるよ。 224 00:15:59,091 --> 00:16:02,094 いえ… これくらい。 225 00:16:02,094 --> 00:16:06,165 メイド業も 板についてきたね! 226 00:16:06,165 --> 00:16:08,067 わあ…! 227 00:16:08,067 --> 00:16:10,069 あとは 俺が引き受けるよ。 228 00:16:11,170 --> 00:16:15,107 おっ… なんだ? あげもち太郎。 遊んでほしいのか? 229 00:16:15,107 --> 00:16:18,077 けど ごめんな。 夕飯のあとで。 230 00:16:18,077 --> 00:16:21,080 (あげもち太郎)クーン… わふわふ! おいおい…。 231 00:16:21,080 --> 00:16:23,115 私が見ていましょうか? 232 00:16:23,115 --> 00:16:26,118 えっ 大丈夫? 無理しなくても…。 233 00:16:26,118 --> 00:16:32,124 大丈夫です。 私は 「普通」になりたいんです。 234 00:16:32,124 --> 00:16:37,129 人好様は おっしゃいました。 その子犬は おとなしい子だと。 235 00:16:37,129 --> 00:16:44,103 ですが 私には やはり 凶暴な野犬と 変わらないように見えてしまいます。 236 00:16:44,103 --> 00:16:51,110 けれど 私の中の「普通」は 人好様のおっしゃることが全てなんです。 237 00:16:51,110 --> 00:16:54,080 もちろん 恐怖心は拭えません。 238 00:16:54,080 --> 00:16:56,115 それでも…→ 239 00:16:56,115 --> 00:17:01,120 信じたいんです。 あなたの言葉を。 240 00:17:03,256 --> 00:17:05,224 メイドさん…。 241 00:17:06,125 --> 00:17:08,094 じゃあ 俺も メイドさんを信じるよ! 242 00:17:13,199 --> 00:17:16,202 はい! お任せを。 243 00:17:21,173 --> 00:17:23,142 わふっ! 244 00:17:26,112 --> 00:17:28,180 あっ…。 245 00:17:28,180 --> 00:17:31,150 わふ~ わふ~ わふわふ~。 246 00:17:31,150 --> 00:17:33,185 抱いてみてもいいですか? 247 00:17:33,185 --> 00:17:35,187 もちろん! 248 00:17:37,123 --> 00:17:42,094 わふ~ わふ~ わふわふ~ わふっ…。 249 00:17:42,094 --> 00:17:44,096 これが お餅ですか? 250 00:17:44,096 --> 00:17:47,099 例えて言うなればね! 犬だけど! 251 00:17:48,100 --> 00:17:51,103 小さくて あたたかい…。 252 00:17:53,105 --> 00:17:56,108 メイドさんのことが すごい怖かったんだけどさ…。 253 00:17:56,108 --> 00:18:01,080 でも 一緒にいて いろんなとこ見て 違うってわかった。 254 00:18:01,080 --> 00:18:04,083 メイドさんは 実は めちゃくちゃいい子! 255 00:18:05,084 --> 00:18:09,088 私も… わかりました。 ん? 256 00:18:09,088 --> 00:18:13,092 なんだか 怖かったのが恥ずかしいです。 257 00:18:13,092 --> 00:18:23,069 ♬~ 258 00:18:23,069 --> 00:18:26,072 お好み焼き… 美味…。 259 00:18:26,072 --> 00:18:28,107 ソースが… ソース…→ 260 00:18:28,107 --> 00:18:32,178 この… 生地… キャベツとソースに合って…。 261 00:18:32,178 --> 00:18:35,147 《急に 幼稚園児みたいな語彙力…》 262 00:18:36,082 --> 00:18:40,086 お好み焼き… 美味…。 263 00:18:40,086 --> 00:18:42,088 なんなら もう一枚 焼く? 264 00:18:42,088 --> 00:18:46,058 えっ…!? しかし お手を煩わせるわけには…。 265 00:18:47,093 --> 00:18:49,061 体は だいぶ正直だけどね。 266 00:18:50,096 --> 00:18:54,133 好きなことに関して わがまま言っちゃうのは 普通だよ。 267 00:18:54,133 --> 00:18:59,105 だから お好み焼きをおかわりしたい って思うのも 普通! 268 00:18:59,105 --> 00:19:03,075 では お言葉に甘えて…。 269 00:19:03,075 --> 00:19:07,113 他に わがままあったら 今のうちに どんどん言って! 270 00:19:07,113 --> 00:19:09,081 わがまま…。 271 00:19:09,081 --> 00:19:14,086 あげもち太郎と仲良くなれたメイドさんに 特別サービス! 272 00:19:14,086 --> 00:19:16,088 (お好み焼きを焼く音) 273 00:19:16,088 --> 00:19:18,157 それでしたら…→ 274 00:19:18,157 --> 00:19:23,095 私も 人好様に 名前を付けていただきたいです。 275 00:19:23,095 --> 00:19:26,098 俺に? メイドさんの名前を? 276 00:19:26,098 --> 00:19:29,101 はい。 「あげもち太郎」のような…。 277 00:19:29,101 --> 00:19:33,105 さすがに メイドさんに そのテンションで名付けるのは ちょっと…。 278 00:19:33,105 --> 00:19:37,076 うーん… 急に名前を付けろと言われても…。 279 00:19:38,177 --> 00:19:40,179 メイドさん 誕生日いつ? 280 00:19:40,179 --> 00:19:43,082 正確には わからないのですが→ 281 00:19:43,082 --> 00:19:48,120 とても寒い冬で 記録的な大雪の日に生まれたと…→ 282 00:19:48,120 --> 00:19:51,123 そう聞いた記憶が かすかにございます。 283 00:19:51,123 --> 00:19:54,160 冬! 冬生まれか…。 284 00:19:54,160 --> 00:19:57,163 じゃあ 「雪さん」は どう? 285 00:19:58,097 --> 00:20:02,101 (師匠の声)お前は冷酷な殺人鬼 「雪」。 286 00:20:03,102 --> 00:20:07,139 俺さ 雪が好きなんだよね! 287 00:20:07,139 --> 00:20:09,108 白くて きれいだし。 288 00:20:09,108 --> 00:20:13,112 なんか 雪降ってると ワクワクするでしょ。 289 00:20:14,113 --> 00:20:17,083 それに 雪って あったかいんだよ。 290 00:20:17,083 --> 00:20:19,118 雪が… ですか? 291 00:20:19,118 --> 00:20:22,121 何かで知ったんだけど→ 292 00:20:22,121 --> 00:20:27,126 畑に雪が積もることで その下の土や種は 凍らず過ごせて→ 293 00:20:27,126 --> 00:20:30,096 春になったら 芽吹けるんだって。 294 00:20:30,096 --> 00:20:34,100 それって 雪が守って あったかくしてくれたのかなあって。 295 00:20:38,104 --> 00:20:43,109 《なぜ あの時 体が突き動かされたのか》 296 00:20:43,109 --> 00:20:48,147 《なぜ この世界を あたたかいと感じたのか》 297 00:20:48,147 --> 00:20:53,152 《なぜ この人は こんなにも 私の心を動かすのか…》 298 00:20:56,122 --> 00:21:01,093 《ここにいれば… この人と共に過ごせば…→ 299 00:21:01,093 --> 00:21:07,099 いつか その理由を知ることができる気がする…》 300 00:21:09,168 --> 00:21:11,137 雪…。 301 00:21:11,137 --> 00:21:15,107 素敵な名前を ありがとうございます。 人好様。 302 00:21:19,278 --> 00:21:22,148 雪… 雪…。 303 00:21:22,148 --> 00:21:24,150 フフフッ…。 304 00:21:25,084 --> 00:21:28,087 《普通に 笑えるんだ…》 305 00:21:28,087 --> 00:21:40,099 ♬~ 306 00:22:58,110 --> 00:23:03,115 (チャイム) 307 00:23:03,115 --> 00:23:08,087 (横谷李恋)お兄ちゃーん! 李恋だよー!