1 00:00:01,001 --> 00:00:06,756 ♪~ 2 00:01:35,386 --> 00:01:40,391 ~♪ 3 00:01:43,019 --> 00:01:45,104 (一(はじめ)) 炎にのまれた青山龍子(あおやま たつこ) 4 00:01:45,980 --> 00:01:48,108 滝つぼに沈んだ乾英基(いぬい ひでき) 5 00:01:48,566 --> 00:01:50,693 オロチの墓では白井(しらい)教授が 6 00:01:52,403 --> 00:01:55,240 出雲(いずも)精霊伝説を巡って 起きた連続殺人事件 7 00:02:01,830 --> 00:02:05,375 その謎の全てが ついに明かされる時が来た 8 00:02:13,466 --> 00:02:15,802 (巽海(たつみ))黄泉(よみ)の国の死者が 犯人を教えたって? 9 00:02:16,177 --> 00:02:18,054 (右艮(うこん)) 一体 どういうことですか? 10 00:02:18,179 --> 00:02:19,430 (玄武(げんぶ))教えてください 11 00:02:19,556 --> 00:02:22,267 (はじめ)まず 最初に 疑問に思ったことがある 12 00:02:22,767 --> 00:02:27,522 (はじめ)あの朝 白井教授が突然 オロチの墓を発見したのは なぜか 13 00:02:27,856 --> 00:02:30,483 白井教授のポケットに 入っていた封筒だ 14 00:02:30,817 --> 00:02:34,362 そして これが教授の持っていた オロチの墓の地図だ 15 00:02:34,487 --> 00:02:36,239 折り目が こうして重なることから 16 00:02:36,364 --> 00:02:39,284 地図は この封筒で 送られてきたのに違いない 17 00:02:39,409 --> 00:02:41,744 差出人は朱雀斎助(すざく せいすけ) 18 00:02:42,996 --> 00:02:44,205 (右艮)朱雀? 19 00:02:44,330 --> 00:02:48,334 (巽海) 殺された朱雀から 白井教授に 送られてきたっていうの? 20 00:02:48,459 --> 00:02:50,211 (はじめ)白井教授は 日付を見て 21 00:02:50,336 --> 00:02:52,839 朱雀が死ぬ前に投函(とうかん)したと 思ったんだろう 22 00:02:52,964 --> 00:02:56,342 多分 教授と朱雀は顔見知りだったんだ 23 00:02:56,467 --> 00:02:58,386 そして 白井教授には― 24 00:02:58,511 --> 00:03:01,764 朱雀が本物のオロチの墓の地図を 送ってきたと信じる― 25 00:03:01,890 --> 00:03:03,850 何らかの根拠があった 26 00:03:03,975 --> 00:03:08,396 だが 恐らく これは犯人が 朱雀の名前を使って送った物だ 27 00:03:08,521 --> 00:03:11,107 白井教授を あの遺跡に誘い込むためにね 28 00:03:11,232 --> 00:03:12,942 (剣持(けんもち))それじゃ… (はじめ)ああ 29 00:03:13,067 --> 00:03:15,528 恐らく あれは本物の遺跡じゃないはずだ 30 00:03:16,404 --> 00:03:19,449 (はじめ)そうとも知らず 教授は遺跡に向かった 31 00:03:19,741 --> 00:03:22,076 自分が 歴史的大発見を 成し遂げるところを― 32 00:03:22,410 --> 00:03:26,247 第三者に証言させるために わざわざ 俺たちを連れてね 33 00:03:26,623 --> 00:03:30,209 しかし 遺跡の中で 待ち受けていたのは犯人だった 34 00:03:31,544 --> 00:03:35,757 あのとき 駆けつけた俺は 時計の 針が止まっていることに気づいた 35 00:03:35,924 --> 00:03:38,051 実は あれは 倒れたショックで 止まったんじゃなかった 36 00:03:38,176 --> 00:03:39,302 (二三(フミ))どういうこと? 37 00:03:40,053 --> 00:03:42,055 (はじめ)時計のリューズが 飛び出していたのさ 38 00:03:42,180 --> 00:03:43,723 (美雪(みゆき))えっ? (はじめ)つまり― 39 00:03:43,848 --> 00:03:46,643 白井教授は 死の間際に リューズを引っ張り出し 40 00:03:46,768 --> 00:03:48,311 わざと針を止めたんだ 41 00:03:53,316 --> 00:03:55,318 (剣持)まさか それは… (はじめ)そう 42 00:03:55,902 --> 00:03:59,447 恐らく 時計の針が指していた時刻こそが 43 00:03:59,572 --> 00:04:01,824 白井教授の ダイイングメッセージだったんだよ 44 00:04:02,867 --> 00:04:05,536 (右艮) 針が指していた時刻って まさか… 45 00:04:05,912 --> 00:04:07,497 ああ これさ 46 00:04:07,622 --> 00:04:12,252 方位図の方角には 8人の精霊の ひとりひとりの名前が含まれている 47 00:04:12,835 --> 00:04:15,255 つまり 白井教授は 時計の針を使って― 48 00:04:15,588 --> 00:04:17,257 ある人物の名を示そうとしたんだ 49 00:04:17,840 --> 00:04:21,052 その人物こそ 教授を殺した犯人に違いない 50 00:04:21,177 --> 00:04:24,222 そして その犯人は この中にいる 51 00:04:29,477 --> 00:04:32,146 俺が その人物に違和感を感じたのは― 52 00:04:32,272 --> 00:04:35,441 あの火事の夜以降の ちぐはぐな行動だった 53 00:04:35,566 --> 00:04:36,526 (公子(きみこ))どういうこと? 54 00:04:36,651 --> 00:04:39,320 ああ あの夜 その人物は― 55 00:04:39,445 --> 00:04:41,197 能舞台にガソリンをまいて 細工し 56 00:04:41,614 --> 00:04:44,242 完全に 舞台が燃え上がるようにしていた 57 00:04:44,450 --> 00:04:45,702 そこまでは良かったが 58 00:04:46,119 --> 00:04:48,371 そのあと 大きなミスを犯した 59 00:04:48,496 --> 00:04:49,872 (玄武)そ… それは? 60 00:04:49,998 --> 00:04:52,875 その人物は 俺が最初に会ったときは― 61 00:04:53,042 --> 00:04:55,253 普通に右手を使っていたのに 62 00:04:55,420 --> 00:04:56,838 あの火事の夜以降 63 00:04:57,005 --> 00:04:59,757 なぜか ぎこちなく 左手だけを使ってたんだよ 64 00:04:59,882 --> 00:05:02,885 まるで ケガでもしている右手を かばうかのようにね 65 00:05:04,053 --> 00:05:05,263 前にも言ったけど 66 00:05:05,388 --> 00:05:09,267 あの夜 火事の最中に 何らかのアクシデントが起きた 67 00:05:09,392 --> 00:05:13,187 それによって その人物は 火事の最中に 右手を負傷したんだ 68 00:05:14,105 --> 00:05:16,733 そして その傷を隠そうとしたために― 69 00:05:16,858 --> 00:05:21,321 ついつい右手をかばい 利き腕が 変わってしまったように見えたのさ 70 00:05:22,905 --> 00:05:26,784 教えてくれ 白井教授の時計の針は 何時を指していたんだ? 71 00:05:32,915 --> 00:05:34,208 10時52分 72 00:05:34,542 --> 00:05:36,085 (巽海)10時52分? 73 00:05:40,298 --> 00:05:41,257 ハッ… 74 00:05:42,341 --> 00:05:43,301 (公子)アア… 75 00:05:43,509 --> 00:05:44,761 (巽海)アア… 76 00:05:44,927 --> 00:05:47,221 (巽海)あなたが… (公子)えっ? 77 00:05:47,513 --> 00:05:50,058 そんな… 私は… 78 00:05:51,142 --> 00:05:52,602 (坤田(こんだ))違います (公子)ハッ… 79 00:05:54,979 --> 00:05:56,981 犯人は私です 80 00:05:57,106 --> 00:05:58,357 これが その証拠 81 00:05:58,691 --> 00:05:59,984 (一同)アア… 82 00:06:00,735 --> 00:06:03,905 (坤田)全ては私がしたことです 83 00:06:04,322 --> 00:06:08,951 あなたは分かってらしたのね 私が こうして名乗り出ることも 84 00:06:09,494 --> 00:06:10,495 (フミ)あっ… 85 00:06:11,537 --> 00:06:13,623 どういうことだ? 金田一(きんだいち) 86 00:06:13,748 --> 00:06:17,460 時計の針が指していたのは 本当は7時35分だった 87 00:06:18,503 --> 00:06:22,173 (はじめ)つまり 南西の坤田さんを指していたんだよ 88 00:06:22,840 --> 00:06:25,134 乾には 悪いことをしたと思ってるよ 89 00:06:25,259 --> 00:06:30,431 けど たった1つの決定的な証拠が 犯人自身の体の一部で 90 00:06:30,556 --> 00:06:32,767 決して 人目につかないものだとすると― 91 00:06:32,892 --> 00:06:34,852 俺は どうすることもできない 92 00:06:34,977 --> 00:06:38,439 …というより 本人に自ら名乗り出てほしかった 93 00:06:39,482 --> 00:06:41,234 (はじめ) あの遺跡の作りから考えても― 94 00:06:41,651 --> 00:06:45,863 あのとき 乾は絶対に 犯人の姿を見ているに違いなかった 95 00:06:46,364 --> 00:06:49,075 なのに 乾は明らかに犯人をかばった 96 00:06:50,201 --> 00:06:53,496 でも 俺には分かるような気がするんだ 97 00:06:53,621 --> 00:06:55,039 俺だって そうしてたかもしれない 98 00:06:55,873 --> 00:06:57,208 あのとき… 99 00:06:57,583 --> 00:07:02,964 あのとき 俺は これまでになく とても優しい気分に浸れた 100 00:07:03,131 --> 00:07:06,884 自分が とても温かくなれるのを 感じてたんだ 101 00:07:07,510 --> 00:07:10,847 そんな… そんな人だからこそ 俺は… 102 00:07:11,639 --> 00:07:12,765 だから… 103 00:07:13,641 --> 00:07:15,726 どうしても本人の口から― 104 00:07:15,852 --> 00:07:17,854 本当のことを 言ってほしかったんだよ 105 00:07:25,236 --> 00:07:26,237 うん? 106 00:07:26,362 --> 00:07:29,115 (足音) 金田一君? 107 00:07:29,407 --> 00:07:31,617 (坤田)ハァハァハァ… 108 00:07:31,784 --> 00:07:33,327 (公子・坤田)ハッ… 109 00:07:40,626 --> 00:07:43,713 本当に父は殺されたんですか? 110 00:07:44,088 --> 00:07:45,089 (坤田)ええ 111 00:07:45,214 --> 00:07:48,259 (公子) でも あなたが なぜ父のために? 112 00:07:49,427 --> 00:07:51,596 (坤田) あなたは何も知らないほうがいいわ 113 00:07:51,971 --> 00:07:53,014 えっ? 114 00:07:53,139 --> 00:07:56,058 (坤田)こんなことに 関わり合いになっちゃいけないわ 115 00:07:56,184 --> 00:07:58,144 もっと自分のことを大切にして 116 00:07:58,269 --> 00:08:01,314 お父さんの分まで しっかり生きていくのよ 117 00:08:01,689 --> 00:08:02,773 あっ… 118 00:08:06,611 --> 00:08:08,112 (公子)母さん? (坤田)えっ? 119 00:08:10,323 --> 00:08:15,161 父から聞いたことがあります ある人をずっと捜し続けていたと 120 00:08:15,286 --> 00:08:18,456 父が捜していたのは あなただったのね? 121 00:08:18,581 --> 00:08:19,415 (坤田)ハァ… 122 00:08:19,790 --> 00:08:21,209 捜し続けた人? 123 00:08:23,336 --> 00:08:27,632 金田一さん その先は 私がお話ししましょう 124 00:08:28,925 --> 00:08:30,843 全ては40年前 125 00:08:30,968 --> 00:08:35,348 私とあの人が子供のころ 既に始まっていたのかもしれません 126 00:08:36,057 --> 00:08:37,350 (坤田)乾家と坤田家は― 127 00:08:37,475 --> 00:08:40,937 出雲に古くから続く家として 知られていました 128 00:08:41,062 --> 00:08:45,107 両家は 精霊の末裔(まつえい)であることを 世間には秘密にしながらも― 129 00:08:45,233 --> 00:08:46,609 親しく行き来しており 130 00:08:47,193 --> 00:08:52,281 私と乾英基は 幼いころから きょうだいのように育ったのです 131 00:08:52,782 --> 00:08:56,285 彼は そのころから 出雲の神々に夢中でした 132 00:08:56,410 --> 00:08:59,372 土蔵の奥に ぎっしり詰まった古い物語を― 133 00:08:59,497 --> 00:09:02,416 繰り返し 私に聞かせてくれたのです 134 00:09:02,708 --> 00:09:06,254 私たちは 空想の翼で時間を遡り 135 00:09:06,379 --> 00:09:09,507 スサノオノミコトや クシナダヒメと遊びました 136 00:09:09,674 --> 00:09:14,470 それは はるか古代を2人で 冒険するような夢の時間でした 137 00:09:15,304 --> 00:09:18,140 (坤田)これは なに? (英基)「精霊文書」だよ 138 00:09:18,307 --> 00:09:19,308 (坤田)「精霊文書」? 139 00:09:19,433 --> 00:09:21,644 (英基) オロチとか スサノオノミコトとか 140 00:09:21,769 --> 00:09:24,480 古い時代のことが たくさん書かれてるんだって 141 00:09:24,605 --> 00:09:27,358 でも 暗号みたいになってて 誰も読めないんだ 142 00:09:27,483 --> 00:09:30,653 (坤田)ふ~ん… (英基)僕は いつか解読するよ 143 00:09:30,820 --> 00:09:33,781 (英基)フフッ… そして 出雲王国を見つけるんだ 144 00:09:33,906 --> 00:09:36,617 そしたら いちばん最初に 君を連れていくからね 145 00:09:37,034 --> 00:09:38,828 (英基)約束だよ (坤田)うん 146 00:09:42,790 --> 00:09:47,253 (坤田)彼の情熱は 年を経ても 色あせることはありませんでした 147 00:09:48,129 --> 00:09:50,298 そして 私たちの心も― 148 00:09:50,423 --> 00:09:54,051 いつしか 通い合い ひとつになっていったのです 149 00:09:54,635 --> 00:09:57,763 しかし 精霊の血筋である私たちは― 150 00:09:57,888 --> 00:10:00,391 別々に 子孫を残さなければならないと― 151 00:10:01,058 --> 00:10:02,977 定められていました 152 00:10:03,728 --> 00:10:08,524 まもなく身ごもった私は 乾の子を産んだのでした 153 00:10:08,649 --> 00:10:12,194 そのことは すぐに彼の両親にも知れてしまい 154 00:10:12,320 --> 00:10:15,990 私たちの子を 連れ去ってしまったのです 155 00:10:16,324 --> 00:10:18,242 (英基の父親)断じて許さん! 156 00:10:18,367 --> 00:10:21,662 坤田の娘とは 結ばれてはならぬ運命なのだ 157 00:10:21,787 --> 00:10:24,415 乾と坤田が 別々に子孫を残さなければ― 158 00:10:24,540 --> 00:10:27,126 精霊の歴史は終わってしまうのだぞ 159 00:10:27,251 --> 00:10:29,879 (英基) ならば 私は この家を出ます 160 00:10:30,671 --> 00:10:31,714 私の妻は 彼女だけ… 161 00:10:31,881 --> 00:10:33,633 (殴る音) ウッ! 162 00:10:37,178 --> 00:10:39,013 (父親)勝手は許さん! 163 00:10:41,265 --> 00:10:42,475 ハッ… 164 00:10:44,560 --> 00:10:48,564 (坤田)私は 彼に行き先も告げず 故郷を離れました 165 00:10:48,689 --> 00:10:51,651 そして 小さな町で 子供たちに書道を教えながら― 166 00:10:51,776 --> 00:10:54,570 ひっそりと歳月を重ねたのです 167 00:10:54,695 --> 00:11:00,284 そして 独り身を守り 50を迎えたとき 私は病に侵され 168 00:11:00,409 --> 00:11:02,662 余命いくばくもないことを 知りました 169 00:11:03,621 --> 00:11:05,956 そのとき 私の心の中に― 170 00:11:06,082 --> 00:11:09,585 長い間 せき止めていたものが あふれ出したのです 171 00:11:09,710 --> 00:11:15,257 “会いたい たったひとりの娘に 最後に1度だけ” 172 00:11:27,019 --> 00:11:28,771 (英基)友代(ともよ)? (坤田)ハッ… 173 00:11:29,522 --> 00:11:30,731 アア… 174 00:11:32,274 --> 00:11:33,776 あなた… 175 00:11:35,486 --> 00:11:37,696 アア… 友代… 176 00:11:41,242 --> 00:11:42,785 (坤田)あなた… (英基)アア… 177 00:11:44,245 --> 00:11:48,457 (坤田) 私たちは 時がたつのを忘れて 語り合いました 178 00:11:49,250 --> 00:11:53,170 (英基)友代 私は「精霊文書」の 全てを解読したんだよ 179 00:11:53,295 --> 00:11:56,715 見つけたのだ オロチの墓を そして 出雲王国を 180 00:11:56,841 --> 00:11:57,967 (坤田)なんですって? 181 00:11:58,467 --> 00:12:00,719 まだ公子にさえ話していないんだよ 182 00:12:00,845 --> 00:12:02,430 (坤田)まあ どうして? 183 00:12:02,555 --> 00:12:04,932 (英基)約束したじゃないか (坤田)えっ? 184 00:12:05,516 --> 00:12:07,893 いちばん最初に君を連れていくと 185 00:12:09,770 --> 00:12:10,604 アア… 186 00:12:11,188 --> 00:12:12,815 行こう 出雲へ 187 00:12:14,275 --> 00:12:16,610 (坤田)奇跡が舞い降りたのです 188 00:12:17,278 --> 00:12:22,116 私たちは 翌週末 出雲で会う約束をしました 189 00:12:22,241 --> 00:12:25,202 幼いころからの夢が ついに かなうのだと― 190 00:12:25,327 --> 00:12:26,996 そう思っていました 191 00:12:27,913 --> 00:12:31,459 しかし 出雲で 私たちを待っていたものは… 192 00:12:41,760 --> 00:12:44,138 (青山)それじゃ あなたは どうあっても― 193 00:12:44,263 --> 00:12:47,516 私たちにはオロチの墓の在りかを 教える気はないのね? 194 00:12:47,975 --> 00:12:49,727 (青山)困った人ね (坤田)ハッ… 195 00:12:50,144 --> 00:12:52,688 (青山)私はね この朱雀と組んで 196 00:12:52,813 --> 00:12:56,192 出雲で数十億という金を 動かそうとしているのよ 197 00:12:56,734 --> 00:13:02,656 オロチの墓や 出雲王朝の遺跡を 更に数多く発掘することができれば 198 00:13:02,781 --> 00:13:07,161 この出雲を中心に 古代史ブームを 起こすことができるはず 199 00:13:07,286 --> 00:13:12,082 そうなれば 何十万… いえ 何千万という人が出雲を訪れるわ 200 00:13:12,875 --> 00:13:16,795 ここに高級ホテル数棟を含む 一大リゾート施設を作れば― 201 00:13:16,921 --> 00:13:19,882 出雲は 底知れぬ金を吸い込むことになる 202 00:13:20,341 --> 00:13:25,095 その関連株を買いあさっておけば 莫大(ばくだい)な利益を手にすることもできる 203 00:13:25,804 --> 00:13:29,225 (朱雀)贈収賄スキャンダルで 政治生命が危ぶまれている― 204 00:13:29,350 --> 00:13:30,851 青山先生としては― 205 00:13:30,976 --> 00:13:34,271 是非 この出雲開発プロジェクトを 成功させて 206 00:13:34,396 --> 00:13:37,066 もう一度 息を吹き返したいとこですな 207 00:13:37,650 --> 00:13:41,862 あなたにも 好きなだけ研究を 続けさせてあげるって言ってるのよ 208 00:13:41,987 --> 00:13:45,491 欲しい額を言って 1億? 2億? 209 00:13:46,116 --> 00:13:48,911 あなた方の考えは 受け入れられない 210 00:13:49,453 --> 00:13:53,707 (白井)フッ… 君は 千数百年前に 命じられた使命とやらを― 211 00:13:53,832 --> 00:13:55,751 いまだに守ろうとしているのかね? 212 00:13:56,126 --> 00:13:59,505 (朱雀)人知れず オロチの墓を 守り続けようという あれか 213 00:14:00,005 --> 00:14:04,468 ばかばかしい そんなこと 本気で 考えていたわけじゃないでしょう? 214 00:14:04,760 --> 00:14:09,265 (朱雀)そもそも精霊伝説自体 あんたの作り話じゃないのかい? 215 00:14:09,848 --> 00:14:10,724 アア… 216 00:14:12,685 --> 00:14:16,647 フッ… 乾君 どうあっても 教えたくないというなら― 217 00:14:17,106 --> 00:14:20,025 せめて「精霊文書」を 渡してもらえんかね? 218 00:14:20,693 --> 00:14:21,360 (英基)ンッ… 219 00:14:28,367 --> 00:14:29,410 (英基)アア… (坤田)あっ… 220 00:14:29,618 --> 00:14:31,412 言え 「精霊文書」は どこだ? 221 00:14:31,787 --> 00:14:33,372 アア… 222 00:14:35,499 --> 00:14:36,625 アア… 223 00:14:36,750 --> 00:14:37,751 ンンッ… 224 00:14:37,877 --> 00:14:39,420 (英基)断る (白井)なに? 225 00:14:39,962 --> 00:14:41,589 私は精霊だ 226 00:14:41,714 --> 00:14:45,634 この出雲の地を汚(けが)すようなことに 手を貸すわけにはいかない 227 00:14:45,926 --> 00:14:48,470 あなたたちは もはや精霊ではない 228 00:14:48,596 --> 00:14:51,307 オロチに心を乗っ取られた 卑しき妖怪だ 229 00:14:51,473 --> 00:14:52,558 (白井)クッ… 230 00:14:52,892 --> 00:14:54,518 (銃声) 231 00:14:57,897 --> 00:14:58,731 アアッ! 232 00:14:59,231 --> 00:14:59,899 アア… 233 00:15:00,107 --> 00:15:02,276 アアーッ! 234 00:15:05,195 --> 00:15:08,198 アア… 235 00:15:08,949 --> 00:15:13,913 (朱雀)ああっ… ハハハハッ… ささ… さすが白井先生だ 236 00:15:14,038 --> 00:15:17,875 し… しっかりと 自殺に見える角度で撃ちましたね 237 00:15:18,000 --> 00:15:22,963 ああ… だが ここなら 乾君も 一生 見つかることはないだろう 238 00:15:23,088 --> 00:15:24,423 (青山)なんてことするのよ! (朱雀・白井)うん? 239 00:15:24,882 --> 00:15:28,302 「精霊文書」を奪ってから 始末するって言ったでしょう 240 00:15:28,427 --> 00:15:30,721 これで オロチの墓を 見つけられなくなったわ 241 00:15:31,096 --> 00:15:33,807 (朱雀) フフフッ… 心配は無用ですよ 242 00:15:33,933 --> 00:15:36,477 今ごろ 私の知り合いの若い者(もん)が― 243 00:15:36,602 --> 00:15:39,688 ヤツの研究資料を 盗み出しているはずです 244 00:15:39,813 --> 00:15:42,191 そこで 「精霊文書」も手に入るでしょう 245 00:15:42,733 --> 00:15:46,820 あれさえ手に入れば 私がオロチの墓を突き止める 246 00:15:47,321 --> 00:15:49,949 なるほど… そういうこと 247 00:15:53,994 --> 00:15:57,539 (朱雀)先生は 歴史的大発見をした教授として― 248 00:15:57,665 --> 00:16:01,126 学界での地位も ますます向上するわけですな 249 00:16:01,251 --> 00:16:05,464 (青山) けど 教授先生ともあろう人が とんだ飛び道具を使ったものね 250 00:16:05,589 --> 00:16:07,716 (朱雀) 私の知り合いの おもちゃでしてね 251 00:16:08,092 --> 00:16:11,637 (震える声) 252 00:16:12,680 --> 00:16:14,598 約束したじゃないか 253 00:16:15,224 --> 00:16:17,977 いちばん最初に君を連れていくと 254 00:16:18,769 --> 00:16:20,187 行こう 出雲へ 255 00:16:21,188 --> 00:16:25,150 (坤田の泣き声) 256 00:16:25,317 --> 00:16:29,738 (泣き声) 257 00:16:30,239 --> 00:16:32,408 (オロチ)精霊よ (坤田)うん? 258 00:16:33,117 --> 00:16:35,786 (オロチ)思い知ったか 精霊よ 259 00:16:35,911 --> 00:16:40,457 お前たちも 所詮 汚れにまみれた人間なのだ 260 00:16:40,708 --> 00:16:42,126 アア… 261 00:16:42,960 --> 00:16:46,755 清らかな魂など この世に存在せぬ 262 00:16:46,880 --> 00:16:50,300 人は 欲望の海で のたうつ生き物なのだ 263 00:16:51,385 --> 00:16:52,720 アア… 264 00:16:53,887 --> 00:16:56,807 違う! あの人は… あの人だけは違う! 265 00:16:56,974 --> 00:16:59,268 フフフフッ… 266 00:17:14,783 --> 00:17:16,326 やめて! 267 00:17:16,827 --> 00:17:20,539 目を背けるな しっかり見るがいい 268 00:17:20,664 --> 00:17:24,585 お前の心を覆い尽くす憎しみを 269 00:17:26,962 --> 00:17:28,797 アア… 270 00:17:30,174 --> 00:17:33,010 アア… 271 00:17:41,060 --> 00:17:43,437 フン… やっぱり お前か 272 00:17:43,562 --> 00:17:47,608 こんな手紙を送りつけて 一体 何をたくらんでいるんだ? 273 00:17:49,777 --> 00:17:51,945 うん? お前 まさか… 274 00:17:52,071 --> 00:17:54,156 フッ… そんなわけないな 275 00:17:54,281 --> 00:17:58,410 それより 「精霊文書」が どこにあるのか教えてくれよ 276 00:17:58,535 --> 00:18:00,996 いくら捜しても 見つからないんだ 277 00:18:01,121 --> 00:18:03,874 青山さんや白井教授も 困ってるんだよ 278 00:18:03,999 --> 00:18:05,667 あんたなら知ってるはずだしな 279 00:18:05,793 --> 00:18:10,464 ヘヘッ… 分かってたんだぜ 乾英基とあんたの関係 280 00:18:10,589 --> 00:18:14,218 フフフフッ… 281 00:18:15,511 --> 00:18:17,471 (坤田)ヤマタノオロチ… (朱雀)えっ? 282 00:18:18,013 --> 00:18:19,765 (坤田)ンッ! (朱雀)アアッ! 283 00:18:20,265 --> 00:18:25,270 (坤田)人の心に巣くう醜いもの ヤマタノオロチは その象徴でした 284 00:18:25,395 --> 00:18:26,980 精霊は それに打ち勝つ― 285 00:18:27,106 --> 00:18:30,901 清らかな魂の持ち主でなければ ならなかったのです 286 00:18:31,026 --> 00:18:35,197 なのに 憎しみの炎を 燃やしてしまった私の心は― 287 00:18:35,322 --> 00:18:37,741 オロチを受け入れてしまった 288 00:18:38,283 --> 00:18:42,412 私こそ 精霊の誇りを汚してしまったのです 289 00:18:42,538 --> 00:18:45,207 アア… ごめんなさい 公子 290 00:18:45,541 --> 00:18:46,291 あっ… 291 00:18:46,792 --> 00:18:49,378 (坤田)アア… (公子)あっ お母さん! 292 00:18:49,503 --> 00:18:51,255 (はじめ)ンッ… 坤田さん! 293 00:18:51,797 --> 00:18:54,550 (剣持)救急車を! (玄武)あっ… あっ はい! 294 00:18:56,218 --> 00:18:57,219 あっ… 295 00:19:00,013 --> 00:19:05,727 (はじめ) 全てを終えた坤田友代の体からは 魂が抜けてしまったように見えた 296 00:19:06,061 --> 00:19:08,480 そして その10日後 297 00:19:09,189 --> 00:19:15,279 不治の病に侵されていた彼女は 静かに 永遠の眠りに就いた 298 00:19:17,739 --> 00:19:18,991 (公子)金田一君 (はじめ)うん? 299 00:19:19,449 --> 00:19:21,618 (公子)これ… (はじめ)これは? 300 00:19:21,785 --> 00:19:25,497 そう 死んだ父が 母さんに宛てて書いた手紙だったの 301 00:19:25,789 --> 00:19:26,707 そうか 302 00:19:26,832 --> 00:19:28,709 でも そんな大事な手紙なら… 303 00:19:28,834 --> 00:19:31,461 (美雪)そうよ 大切にしまっておいたほうが… 304 00:19:31,837 --> 00:19:34,423 いいの 読んでみて 金田一君 305 00:19:35,048 --> 00:19:36,049 ああ 306 00:19:39,136 --> 00:19:40,345 (英基)友代 307 00:19:40,846 --> 00:19:44,850 私は今 君に再会した その夜に この手紙を書いている 308 00:19:45,767 --> 00:19:49,396 16年ぶりに 君の頬に触れた その手で 309 00:19:50,856 --> 00:19:56,195 君のいない長い年月 私は出雲王国を探し続けていた 310 00:19:56,862 --> 00:19:59,698 かつて この地を駆け巡った― 311 00:19:59,865 --> 00:20:01,867 王たちの姿を追い続けたのだ 312 00:20:03,202 --> 00:20:05,078 たった1人で 孤独と戦うとき― 313 00:20:06,038 --> 00:20:08,832 私は 遠い日の記憶を呼び寄せたものだ 314 00:20:11,668 --> 00:20:14,963 (少年時代の英基)“そのとき イザナギノミコトは見た” 315 00:20:15,088 --> 00:20:20,135 “暗い闇の中で 妻のイザナミの 体から 虫が湧き出ているのを” 316 00:20:20,469 --> 00:20:22,804 (坤田)あっ… 怖い 317 00:20:22,930 --> 00:20:26,558 (英基) あのころ 私は 小さな英雄だった 318 00:20:27,142 --> 00:20:32,898 恐ろしい魔物や 悲しみの涙から 君を守るのだと 胸に誓っていた 319 00:20:34,983 --> 00:20:37,110 あれから長い年月が過ぎ― 320 00:20:37,319 --> 00:20:41,823 私は 君との約束どおり ついに 「精霊文書」を読み明かしたのだ 321 00:20:43,116 --> 00:20:44,618 「精霊文書」には― 322 00:20:44,743 --> 00:20:47,746 私たちが想像していた以上の ことが書かれていた 323 00:20:48,747 --> 00:20:50,290 もし発表されれば― 324 00:20:50,415 --> 00:20:54,544 騒然たる議論を巻き起こし 激しい論争の的になるだろう 325 00:20:55,796 --> 00:20:57,798 今は まだ その時ではない 326 00:20:58,298 --> 00:21:01,468 研究が進み いつか その内容が証明され― 327 00:21:01,593 --> 00:21:04,179 真の歴史が 明らかになる その時まで― 328 00:21:04,304 --> 00:21:06,515 「精霊文書」は眠り続けるだろう 329 00:21:08,183 --> 00:21:12,396 そして今 若い2人は結ばれようとしている 330 00:21:12,896 --> 00:21:16,733 精霊同士 禁じられた愛を 誰も止めることなどできない 331 00:21:17,651 --> 00:21:20,654 私たちと同じ悲しみを 繰り返してはならないのだ 332 00:21:21,280 --> 00:21:23,365 たとえ子孫が途絶えたとしても 333 00:21:24,866 --> 00:21:26,702 何千年の歴史よりも― 334 00:21:26,827 --> 00:21:29,288 たったひとつの愛を 祝福してやりたい 335 00:21:30,289 --> 00:21:35,043 千八百有余年 精霊たちは 歴史の裏側で生き続けてきた 336 00:21:35,585 --> 00:21:37,796 その歴史が終わろうとしている 337 00:21:38,714 --> 00:21:41,258 あとは 若者たちが受け継いでいくはずだ 338 00:21:42,217 --> 00:21:46,638 友代 私たちは どうして こんな遠回りをしてきたのだろう? 339 00:21:47,472 --> 00:21:50,475 ここに 安らぎの時が 訪れることも知らずに 340 00:21:51,685 --> 00:21:53,770 私は君の精霊になる 341 00:21:53,895 --> 00:21:56,523 そして 君を守り続ける 342 00:21:56,815 --> 00:21:59,526 ずっと 永遠に 343 00:22:00,861 --> 00:22:03,030 (はじめ)ここに1枚の写真がある 344 00:22:03,739 --> 00:22:10,579 失われた時間の中で生きた2人は 出雲の空の下で 永遠に眠り続ける 345 00:22:12,914 --> 00:22:17,502 ♪~ 346 00:23:42,420 --> 00:23:47,425 ~♪ 347 00:23:49,427 --> 00:23:51,179 (剣持)金田一 明智(あけち)警視が― 348 00:23:51,346 --> 00:23:53,640 ロサンゼルスでの活躍を 話してくれるそうだぞ 349 00:23:53,807 --> 00:23:55,433 (はじめ)あっ 俺 いい いつもの自慢話だろう? 350 00:23:55,559 --> 00:23:57,978 (剣持)まあ そう言うなって 今度は 警視の趣味である― 351 00:23:58,145 --> 00:24:01,022 チェスの世界選手権に出るため 訪れたラスベガスで― 352 00:24:01,189 --> 00:24:03,775 ある事件をロス市警の女性刑事と 捜査する話だそうだ 353 00:24:03,900 --> 00:24:05,569 (はじめ)女性刑事って 金髪? 354 00:24:05,735 --> 00:24:07,112 (剣持)かもな (はじめ)まさか 明智さん― 355 00:24:07,237 --> 00:24:10,448 そのパツキンの刑事さんに チェックメートしたんじゃ… 356 00:24:10,866 --> 00:24:12,200 「金田一少年の事件簿」