1 00:00:18,935 --> 00:00:21,237 (王賁(おうほん))飛信(ひしん)隊隊長 覚えておけ 2 00:00:22,205 --> 00:00:23,840 (王賁)我が名は王賁 3 00:00:23,973 --> 00:00:25,175 (信)王賁? 4 00:00:26,075 --> 00:00:27,043 “王”… 5 00:00:27,977 --> 00:00:29,179 “王”! 6 00:00:30,180 --> 00:00:34,517 ああ お前の大好きな あの王騎(おうき)の一族 7 00:00:35,018 --> 00:00:36,853 分家の王騎とは違い 8 00:00:36,986 --> 00:00:40,857 王一族の総本家を継ぐ王賁だ 9 00:00:46,896 --> 00:00:49,399 (王騎) 皆と共に修羅場をくぐりなさい 10 00:00:49,933 --> 00:00:53,069 素質はありますよ 信 11 00:01:24,133 --> 00:01:27,003 (田永(でんえい)) なんだ あの王賁とかいう若造は! 12 00:01:27,136 --> 00:01:29,105 俺たちは蟻(あり)だと? 13 00:01:29,239 --> 00:01:32,108 黙って命令に従ってりゃいいだと? 14 00:01:32,242 --> 00:01:33,610 ふざけやがって! 15 00:01:37,947 --> 00:01:42,252 (竜有(りゅうゆう)) それなのに 俺たち 反論するどころか… 16 00:01:42,885 --> 00:01:44,921 (去亥(きょがい))でっけえ じいさんのひと声で― 17 00:01:45,021 --> 00:01:47,123 気をつけまで しちまうなんて 18 00:01:47,257 --> 00:01:52,328 (松左(しょうさ))まいったな… 久々に 思い知らされちまった 19 00:01:53,229 --> 00:01:56,232 俺たちとヤツら士族との間には― 20 00:01:56,332 --> 00:01:59,569 超えられねえ でっけえ壁が あったってことを 21 00:02:02,272 --> 00:02:03,139 (昂(こう))でも… 22 00:02:04,040 --> 00:02:07,377 (昂) カッコよかったな 玉鳳(ぎょくほう)隊って 23 00:02:08,978 --> 00:02:11,547 (尾平(びへい)) 昂… 今 何つった? てめえ 24 00:02:11,648 --> 00:02:14,651 あっ… ご… ごめんなさい 25 00:02:14,984 --> 00:02:19,589 お前 この場の空気が読めねえのか (信)やめとけよ 尾平 26 00:02:20,390 --> 00:02:24,460 別にいいじゃねえか 思ってることを正直に言ったって 27 00:02:25,395 --> 00:02:29,565 確かに 玉鳳隊のヤツらは キラキラしてて カッコよかったぜ 28 00:02:29,666 --> 00:02:32,969 なあ? 昂 (昂)う… うん 29 00:02:34,103 --> 00:02:36,973 あいつらみてえになりてえか? (昂)えっ? 30 00:02:37,106 --> 00:02:41,544 でっけえ武功を上げまくりゃ なれるぞ お前も士族に 31 00:02:42,111 --> 00:02:44,580 お… おいらが士族に? 32 00:02:45,148 --> 00:02:49,185 松左! 今更 壁なんて くだらねえこと言ってんなよ 33 00:02:49,986 --> 00:02:53,690 そんなの ただの言い訳だろう (松左)言い訳? 34 00:02:54,023 --> 00:02:56,459 ああ とどのつまり― 35 00:02:56,559 --> 00:03:00,697 俺たちは ヤツらに圧倒されて 下向いちまっただけだ 36 00:03:01,297 --> 00:03:06,269 いきなり ガツンと1発やられて 戦意喪失しちまったんだよ 37 00:03:07,236 --> 00:03:08,705 冗談じゃねえぞ! 38 00:03:09,038 --> 00:03:11,975 王騎将軍の 親戚だか何だか知らねえが 39 00:03:12,075 --> 00:03:16,079 このまま黙ってられっかよ! 今度は こっちの番だ 40 00:03:16,546 --> 00:03:19,615 やられた分 きっちり やり返すぞ てめえら! 41 00:03:30,326 --> 00:03:35,431 やり返すって… でも 味方同士で戦っちゃ 罪に… 42 00:03:35,531 --> 00:03:37,533 (尾平)分かんねえか? 昂 43 00:03:37,667 --> 00:03:39,268 “やり返す”ってのは― 44 00:03:39,369 --> 00:03:44,307 この次は 玉鳳隊のヤツらより先に 俺たちが手柄を上げるって意味だ 45 00:03:44,407 --> 00:03:48,244 (崇原(すうげん))しかし 問題は どうやって手柄を上げるかだ 46 00:03:49,245 --> 00:03:52,648 (崇原)全員が 馬に乗ってる玉鳳隊を出し抜くには 47 00:03:52,749 --> 00:03:55,351 何か特別な作戦が必要だぞ 48 00:03:57,186 --> 00:03:59,522 それをこれから考えるんだよ 49 00:04:06,462 --> 00:04:10,266 (魯延(ろえん))ひとつ作戦があるぞい (信)魯延じい 50 00:04:11,134 --> 00:04:15,037 (魯延)わしらにしか できぬ 過酷な作戦じゃがのぅ 51 00:04:15,405 --> 00:04:17,807 過酷な作戦? 52 00:04:24,247 --> 00:04:26,649 (番陽(ばんよう)) 聞かれましたか? 王賁さま 53 00:04:26,749 --> 00:04:29,786 先日 出会った飛信隊 なんでも― 54 00:04:30,086 --> 00:04:35,358 あの夜から行方が分からなくなり ほかの部隊が捜し回っているとか 55 00:04:35,491 --> 00:04:37,293 (番陽) 我らに手柄を取られたうえに― 56 00:04:37,393 --> 00:04:41,664 力の差を見せつけられて よほど こたえたのでしょう 57 00:04:42,465 --> 00:04:47,470 今ごろ 田舎に戻って 田畑を 耕しているのではありませんか? 58 00:05:22,138 --> 00:05:23,806 (尾平)いてー! 59 00:05:24,640 --> 00:05:26,309 何やってんだ… 60 00:05:26,442 --> 00:05:30,513 いててて… 野良犬め いきなり かみつきやがって 61 00:05:30,646 --> 00:05:33,115 ンンッ… 尾平のヤツ 62 00:05:40,756 --> 00:05:43,526 うせろ 犬公! 63 00:05:52,468 --> 00:05:55,438 来るぞ 魏(ぎ)のヤツらが 64 00:06:02,812 --> 00:06:08,284 (信)よし 魯延じい 聞かせてくれ その過酷な作戦ってのをよ 65 00:06:08,751 --> 00:06:10,486 魏国の軍は― 66 00:06:10,586 --> 00:06:15,458 いったん散らばっていた兵を集めて 陣地を整えようとしておる 67 00:06:16,159 --> 00:06:18,194 大勢の敵が集まるのは― 68 00:06:18,294 --> 00:06:22,431 大きな手柄を上げたいと 思っておるわしらには好都合じゃが 69 00:06:22,532 --> 00:06:28,271 その分 本陣に たどりつくまでに 戦わねばならん敵の数も多くなり 70 00:06:28,371 --> 00:06:32,241 少ない人数で 攻め込む わしらには不利でもある 71 00:06:33,242 --> 00:06:36,312 幸い この辺りは 霧が深いうえに 72 00:06:36,412 --> 00:06:41,684 打ち続く戦で命を落とした者たちの 屍(しかばね)が放置されたままじゃ 73 00:06:46,422 --> 00:06:49,792 わしらは この霧と屍に紛れながら 74 00:06:49,892 --> 00:06:54,797 敵と刃(やいば)を交えることなく 敵の本陣に 忍び寄ることができる 75 00:06:56,799 --> 00:07:00,336 ただし 腐乱した屍に紛れるのは 76 00:07:00,436 --> 00:07:04,440 敵と一戦交えるより 苦しいものと覚悟しておけ 77 00:07:27,663 --> 00:07:29,432 ウッ… (尾平)どうした? 昂 78 00:07:29,532 --> 00:07:32,501 大丈夫か? 顔色が真っ青だぞ 79 00:07:32,602 --> 00:07:34,537 だ… 大丈夫 80 00:07:34,670 --> 00:07:37,340 (地響き) また来たぞ 隠れろ 81 00:07:37,907 --> 00:07:40,743 し… 士族になるためだ 82 00:07:40,876 --> 00:07:43,846 おいら 士族になって― 83 00:07:43,946 --> 00:07:48,718 おいらを女手ひとつで育ててくれた 母ちゃんを幸せにするんだ 84 00:07:49,885 --> 00:07:50,953 昂… 85 00:07:53,389 --> 00:07:59,328 どうだ? 王賁 お前ら玉鳳隊に ここまでやる根性あるか? 86 00:08:01,297 --> 00:08:05,901 あいつらをやり過ごしたら 一気に 敵の本陣に突撃だ 87 00:08:13,476 --> 00:08:14,410 (騎兵B)どうした? 88 00:08:14,510 --> 00:08:17,680 (騎兵A) あの辺で 何か動いたように見えた 89 00:08:19,649 --> 00:08:21,417 (騎兵A)おい お前たち 90 00:08:21,517 --> 00:08:24,587 (騎兵B)生き残っている者が いないか 確かめてこい 91 00:08:35,898 --> 00:08:39,001 ンンッ… マジかよ 92 00:08:43,673 --> 00:08:47,810 どうする? いっそ ここで一戦交えるか? 93 00:08:47,943 --> 00:08:51,013 (渕(えん)) いや このまま やり過ごすんだ 94 00:08:51,314 --> 00:08:57,320 ここで見つかっては 全て水の泡 本陣を奇襲することができなくなる 95 00:08:57,453 --> 00:09:00,523 (沛浪(はいろう)) それに これだけの数の屍だ 96 00:09:01,023 --> 00:09:04,694 魏のヤツらが突き刺して歩くのは ほんの一部 97 00:09:05,661 --> 00:09:08,964 そうそう俺たちが刺されるわけが… 98 00:09:13,703 --> 00:09:15,671 こ… 昂が… 99 00:09:21,477 --> 00:09:22,945 逃げろ 昂! 100 00:09:23,079 --> 00:09:28,351 ダメだ… ここで おいらが動いたら 作戦がバレちまう 101 00:09:36,359 --> 00:09:37,660 昂! 102 00:09:39,528 --> 00:09:40,863 母ちゃん! 103 00:10:06,689 --> 00:10:07,723 (騎兵B)どうだ? 104 00:10:08,023 --> 00:10:11,494 (歩兵)はっ! 生き残っている者はいないようです 105 00:10:12,027 --> 00:10:13,896 (騎兵A)そうか 気のせいか 106 00:10:14,730 --> 00:10:15,898 行くぞ! 107 00:10:27,977 --> 00:10:29,044 (尾平)昂… 108 00:10:43,626 --> 00:10:45,928 (守備隊長)玉鳳隊が来るぞ! 109 00:10:46,061 --> 00:10:50,199 本陣に行かせるわけには いかん ここで食い止めろ! 110 00:10:55,538 --> 00:10:57,006 (魏兵)と… 止めろ! 111 00:10:59,742 --> 00:11:05,514 (番陽)ヌハハハッ! 今度の敵も軽かったですな 賁さま 112 00:11:05,648 --> 00:11:10,019 まだだ 敵の大将の首を取るまでは 気を緩めるな! 113 00:11:10,152 --> 00:11:13,556 しかし あとは もう本陣を落とすだけ 114 00:11:26,836 --> 00:11:29,972 ひと足遅かったな 玉鳳隊 115 00:11:30,539 --> 00:11:32,775 ピッカピカの馬に乗ってるくせに 116 00:11:32,875 --> 00:11:35,611 アリンコの俺たちに 先を越されるなんて 117 00:11:35,711 --> 00:11:39,215 軍事の英才教育も たかが知れてんなぁ! 118 00:11:39,548 --> 00:11:42,218 王賁のお坊ちゃん フッ… 119 00:11:59,888 --> 00:12:00,989 (秦兵A)まただ! 120 00:12:01,122 --> 00:12:03,992 また 玉鳳隊が敵将の首を取ったぞ 121 00:12:04,125 --> 00:12:06,595 (秦兵B) 今度は 飛信隊が敵陣を落とした! 122 00:12:09,731 --> 00:12:13,501 (秦兵C) すごいぞ あの2つの三百人隊は! 123 00:12:13,602 --> 00:12:16,605 競うように武功を上げまくっている 124 00:12:16,705 --> 00:12:20,141 (秦兵A) しかし やはり玉鳳隊のほうが上だ 125 00:12:20,242 --> 00:12:24,913 あの完全武装の騎馬隊は そこらの千人隊より強力だぞ 126 00:12:25,013 --> 00:12:28,216 (秦兵B) いや 飛信隊だって負けては いない 127 00:12:28,516 --> 00:12:31,987 あいつらは ほかの部隊には 決してできない危険な作戦を― 128 00:12:32,087 --> 00:12:33,822 平気で やってのける 129 00:12:34,956 --> 00:12:39,828 (蒙恬(もうてん))へ~え… ここは また 随分と盛り上がってるみたいだな 130 00:12:40,662 --> 00:12:46,534 (じい)飛信隊という新参の部隊と 玉鳳隊が武功を争っておるようです 131 00:12:46,668 --> 00:12:51,640 (陸仙(りくせん)) あの王賁が 武功を独占せずに 手を焼いているとは面白い 132 00:12:51,740 --> 00:12:53,141 いかがでしょう? 133 00:12:53,275 --> 00:12:57,646 我ら楽華(がくか)隊も この戦に 参戦するというのは 134 00:12:57,779 --> 00:12:59,214 (じい・陸仙)蒙恬さま 135 00:13:04,786 --> 00:13:07,022 (蒙恬)ヤ~ダよ (じい・陸仙)ええっ! 136 00:13:07,122 --> 00:13:11,893 俺 王賁 苦手だし 第一 暑っ苦しいじゃん 137 00:13:12,260 --> 00:13:15,664 こんな狭いとこで あいつらと競り合うの 138 00:13:15,797 --> 00:13:18,066 おお さすがです! 139 00:13:18,166 --> 00:13:22,103 若は もっと大きな目で 戦を捉えておられるのですな? 140 00:13:22,203 --> 00:13:24,573 じいは うれしゅうございます… 141 00:13:24,906 --> 00:13:27,075 (蒙恬)泣かなくていいから… 142 00:13:27,175 --> 00:13:30,745 そのようなお考えであれば 我ら楽華隊は― 143 00:13:30,845 --> 00:13:35,350 蒙恬さまに ふさわしい もっと大きな戦場を探しましょう 144 00:13:35,650 --> 00:13:36,885 ていうか― 145 00:13:37,018 --> 00:13:40,722 この三百人隊が やる気をなくさせるんですけど 146 00:13:42,624 --> 00:13:46,227 俺って この間の韓(かん)との戦で 手柄を立てて 147 00:13:46,328 --> 00:13:50,665 千人将に昇格したはずなんだよね (陸仙)確かに… 148 00:13:50,765 --> 00:13:56,938 しかし 白老さまが“あと1年は 三百人将で経験を積め”と 149 00:13:57,238 --> 00:14:00,342 白老さまの命令に逆らうわけには… 150 00:14:00,842 --> 00:14:05,647 身内には異常に厳しいよな うちのじいさまは 151 00:14:06,081 --> 00:14:07,716 かわいそうな俺 152 00:14:07,849 --> 00:14:11,152 おいたわしや 若… (蒙恬)だから泣かなくていいって 153 00:14:12,287 --> 00:14:14,623 行こっか (じい・陸仙)はっ! 154 00:14:16,958 --> 00:14:18,760 (陸仙)ここから南に向かうと― 155 00:14:18,860 --> 00:14:22,764 更に大きな戦が繰り広げられている 最前線がありますので― 156 00:14:22,864 --> 00:14:24,633 そこへ まいりましょう 157 00:14:24,933 --> 00:14:29,070 (蒙恬)いや その前に どっか にぎやかな町に行く 158 00:14:29,170 --> 00:14:32,941 買い物に (じい・陸仙)え~っ! 159 00:14:34,075 --> 00:14:37,078 (ナレーター) かつて 秦国が誇った六大将軍 160 00:14:37,178 --> 00:14:40,048 最後の1人 王騎が死して2年 161 00:14:40,782 --> 00:14:42,817 玉鳳隊の王賁 162 00:14:43,184 --> 00:14:45,120 楽華隊の蒙恬 163 00:14:45,987 --> 00:14:48,957 そして 飛信隊の信 164 00:14:50,358 --> 00:14:53,962 秦国の新たな時代の 大将軍を目指す若者たちが― 165 00:14:54,095 --> 00:14:58,967 今 着実に芽を出し 更なる成長を遂げるべく― 166 00:14:59,100 --> 00:15:01,870 戦場で躍動していた 167 00:15:03,004 --> 00:15:09,678 そのころ 秦国の都 咸陽(かんよう)でも 巨大な勢力が動きだそうとしていた 168 00:15:10,145 --> 00:15:12,781 (廷臣A) 呂不韋(りょふい)のもとに集まった食客は― 169 00:15:12,881 --> 00:15:16,384 ついに 1,000人に達したという報告がある 170 00:15:16,685 --> 00:15:21,890 (廷臣B)治めている農地に暮らす 農民たちの数も10万戸を超えたとか 171 00:15:22,023 --> 00:15:24,759 もはや ひとりの臣下という規模ではない 172 00:15:24,859 --> 00:15:28,196 (廷臣C)加えて 趙(ちょう)との間に同盟を結んだことが― 173 00:15:28,296 --> 00:15:30,899 一段と ヤツの評価を上げている 174 00:15:31,700 --> 00:15:34,202 (廷臣A) まだまだ呂不韋は大きくなるぞ 175 00:15:36,337 --> 00:15:40,175 (廷臣B)呂不韋の陣営にとって 我々 大王派をつぶすとは― 176 00:15:40,275 --> 00:15:43,011 武力で皆殺しにすることではない 177 00:15:43,344 --> 00:15:47,282 一方的な勢力図を作って こちらを弱らせ 178 00:15:47,382 --> 00:15:53,321 最後に残った数人の側近を抹殺して 大王を無力にするということだ 179 00:15:54,222 --> 00:15:58,827 (廷臣C)そして 我々が やらねばならぬのは正に その逆 180 00:15:59,094 --> 00:16:02,030 結局は 王宮内の勢力図を― 181 00:16:02,130 --> 00:16:05,366 我々 大王派の色に 塗り替えていくしかない 182 00:16:06,034 --> 00:16:08,837 (壁(へき))そのようなことは とうに分かっている 183 00:16:08,937 --> 00:16:14,242 だからこそ殿は治水工事に尽力して 実績を積み重ねているのだ 184 00:16:14,375 --> 00:16:16,978 (廷臣A) だが それだけでは不十分だ 185 00:16:17,378 --> 00:16:20,749 中立の立場を守っている者たちを 引き込むには― 186 00:16:20,849 --> 00:16:23,852 もっと大きな戦略が必要なのだ 187 00:16:23,985 --> 00:16:26,755 (壁) では 現実に どのような戦略が… 188 00:16:29,958 --> 00:16:33,194 (政(せい))どうした? 肆氏(しし) なぜ黙っている? 189 00:16:33,895 --> 00:16:37,232 今日の会議を呼びかけたのは お前のはずだが 190 00:16:41,002 --> 00:16:44,472 (肆氏) では 恐れながら申し上げます 191 00:16:45,140 --> 00:16:47,275 今も議論されたとおり― 192 00:16:47,375 --> 00:16:52,280 呂不韋の陣営を抑え 我々 大王派が実権を握るには― 193 00:16:52,380 --> 00:16:56,050 王宮内の勢力図を 塗り替えねばなりませぬ 194 00:16:56,785 --> 00:17:01,489 そのために 最も手っとり早いのは 大勢力を味方につけること 195 00:17:01,823 --> 00:17:03,558 しかし そなたをはじめ― 196 00:17:03,858 --> 00:17:07,095 竭氏(けつし)の残党を あらかた こちらに加えた今 197 00:17:07,195 --> 00:17:10,398 一気に 勢力を逆転させるほどの勢力など 198 00:17:10,498 --> 00:17:14,536 この咸陽には存在しないであろう (肆氏)いや 存在する 199 00:17:17,238 --> 00:17:18,273 (昌文君(しょうぶんくん))ハッ… 200 00:17:18,840 --> 00:17:20,475 (肆氏)ここにいる人間の中にも 201 00:17:20,575 --> 00:17:23,111 知っていて あえて 口に出さない者や― 202 00:17:23,444 --> 00:17:26,080 全く気づいていない者がいるが 203 00:17:26,447 --> 00:17:31,452 この咸陽には 呂不韋の陣営とも 我々 大王派のとも別の― 204 00:17:31,553 --> 00:17:34,923 “第3勢力”が確かに存在している 205 00:17:35,423 --> 00:17:40,228 あの呂不韋でさえ 手を出しあぐねている強大な勢力が 206 00:17:40,361 --> 00:17:41,963 やめよ 肆氏 207 00:17:42,096 --> 00:17:44,132 大王さまの御前であるぞ 208 00:17:44,566 --> 00:17:48,903 そもそも あそこには 我々とて 立ち入ることができぬ 209 00:17:49,003 --> 00:17:51,039 (肆氏)確かに そのとおりだが… 210 00:17:52,073 --> 00:17:55,043 向こうから 接触してきたとしたら どうだ? 211 00:17:56,911 --> 00:17:59,848 (政)何があったのだ? 肆氏 212 00:18:00,548 --> 00:18:03,351 実は昨夜… 213 00:18:04,185 --> 00:18:08,056 私の屋敷に現れたのです 214 00:18:08,356 --> 00:18:10,892 かの城より使者が 215 00:18:12,093 --> 00:18:13,928 (肆氏)な… なぜ― 216 00:18:14,095 --> 00:18:16,931 そなたたちが ここに? 217 00:18:18,499 --> 00:18:22,871 (趙高(ちょうこう)) 肆氏よ そなたに この書簡を 218 00:18:26,007 --> 00:18:28,309 ぎょ… 玉璽(ぎょくじ) 219 00:18:29,210 --> 00:18:32,647 (廷臣B)玉璽だと? 何をバカな 220 00:18:33,181 --> 00:18:37,252 王の印である玉璽は 当然 大王のもとにある 221 00:18:38,353 --> 00:18:40,989 大王のあずかり知れぬ所で― 222 00:18:41,089 --> 00:18:45,026 玉璽を押された書簡が 発せられるなど ありえぬわ! 223 00:18:45,159 --> 00:18:47,362 (廷臣C)一体 どういうことだ! 224 00:18:48,229 --> 00:18:53,434 (肆氏)先に 大王の弟君 成蟜(せいきょう)さまが反乱を起こされた折 225 00:18:54,269 --> 00:19:00,275 大王は 咸陽を脱出されるに際して 玉璽をある場所に隠され 226 00:19:00,375 --> 00:19:05,346 当時 成蟜派だった私は ついに それを発見できなかった 227 00:19:06,047 --> 00:19:10,518 それは 今言っている第3の勢力の 中に隠されたからだ 228 00:19:14,989 --> 00:19:21,029 反乱を平定した俺に玉璽を返す前に 複製を作られたということか? 229 00:19:23,998 --> 00:19:27,936 冒涜(ぼうとく)だ! 玉璽の複製など 国家に対する反逆罪 230 00:19:28,036 --> 00:19:30,405 万死に値する悪行です! 231 00:19:30,672 --> 00:19:33,942 先ほどから 何の話をしているのですか? 232 00:19:34,242 --> 00:19:36,277 第3の勢力とは… 233 00:19:36,377 --> 00:19:39,514 そんなものが この咸陽に存在するなどとは― 234 00:19:39,614 --> 00:19:43,117 聞いたことがありません! (昌文君)いや 壁 235 00:19:44,085 --> 00:19:47,655 お前は その勢力を知っている 236 00:19:49,190 --> 00:19:53,661 ただ その存在の異質さに気を取られ 237 00:19:53,962 --> 00:19:58,566 我らの勢力争いに関わる存在だと 気づいていないだけだ 238 00:19:59,200 --> 00:20:02,637 そこは 咸陽にありながら いかなる要人も― 239 00:20:02,737 --> 00:20:07,342 足を踏み入れることすら 許されぬ閉ざされた城 240 00:20:12,647 --> 00:20:15,083 (宦官(かんがん))低頭! 241 00:20:48,649 --> 00:20:51,586 (陽(よう))絶対に 頭を上げちゃダメだよ 向(こう)ちゃん… 242 00:20:51,686 --> 00:20:55,189 (向)わ… 分かってるよ 陽ちゃん 243 00:21:07,268 --> 00:21:11,706 (昌文君)1,000人を超える宮女と 無数の宦官からなる城 244 00:21:11,806 --> 00:21:15,576 宮女たちのほとんどが 国内外の名門の出であり― 245 00:21:15,676 --> 00:21:20,481 その背後に 有力者の勢力と 野望が うごめいている 246 00:21:21,349 --> 00:21:23,284 それらを束ねたならば… 247 00:21:25,186 --> 00:21:29,724 絶大な力を擁する女の城 後宮 248 00:21:30,425 --> 00:21:35,530 そして その女の城の主(あるじ)は 現在の秦国太后(たいこう)さま 249 00:21:36,697 --> 00:21:37,698 つまり― 250 00:21:38,266 --> 00:21:43,771 第3の勢力とは 大王さまのお母上の勢力だ