1 00:00:01,235 --> 00:00:05,005 慶舎様 ちょうどここが奴らの二列目のようです。 2 00:00:05,005 --> 00:00:07,007 っ⁉ 3 00:00:07,007 --> 00:00:10,811 <一体どうして 敵の大将自らが こんな所に…⁉> 4 00:00:10,811 --> 00:00:15,649 (側近)奥にもまだ いくつか後から続く隊があるようです。 5 00:00:15,649 --> 00:00:19,653 (慶舎)全て叩きに行け。 一隊も前に通すな。 6 00:00:19,653 --> 00:00:22,489 精鋭部隊を率いた慶舎は➡ 7 00:00:22,489 --> 00:00:25,325 中央の丘の裾を斜めに走り➡ 8 00:00:25,325 --> 00:00:27,394 一気に樹海地を飛び越え➡ 9 00:00:27,394 --> 00:00:30,731 雷土隊の二列目を真横から攻撃。 10 00:00:30,731 --> 00:00:33,634 さらに 慶舎軍右翼の各隊を➡ 11 00:00:33,634 --> 00:00:38,338 続々と雷土隊一列目の方へ行軍させた。 12 00:00:38,338 --> 00:00:44,278 この樹海地の中 雷土・ゼノウ隊は 気付かぬうちに孤立し 包囲され➡ 13 00:00:44,278 --> 00:00:47,447 窮地に陥っていたのである。 14 00:00:47,447 --> 00:00:50,484 ここで完全に頭と後続を“分断”する。 15 00:00:50,484 --> 00:00:52,986 <…分断⁉> 16 00:00:52,986 --> 00:00:56,890 <もう出した手は 引けぬぞ 桓騎…> 17 00:00:58,825 --> 00:01:19,413 ♬~ 18 00:01:19,413 --> 00:01:25,852 ♬「滴る汗と日差しで閉じた目」 19 00:01:25,852 --> 00:01:32,225 ♬「映し出したのはあなたとの約束」 20 00:01:32,225 --> 00:01:38,732 ♬「意志を紡いだ 導火線に火をつけたら」 21 00:01:38,732 --> 00:01:44,538 ♬「今より強く高く翔べる」 22 00:01:44,538 --> 00:01:51,178 ♬「恐れを知って 哀を知って進むなら」 23 00:01:51,178 --> 00:01:58,719 ♬「己の全て捧げ旗を上げろ」 24 00:01:58,719 --> 00:02:04,257 ♬「掠れた声を何度も張りあげてよ」 25 00:02:04,257 --> 00:02:09,029 ♬「希望を決意を抱いて」 26 00:02:09,029 --> 00:02:26,413 ♬~ 27 00:02:28,148 --> 00:02:31,952 (乱戦の声) 28 00:02:34,388 --> 00:02:36,323 “本能型”。 29 00:02:36,323 --> 00:02:41,161 李牧様は よく慶舎様を蜘蛛にたとえられる。➡ 30 00:02:41,161 --> 00:02:46,299 見えぬ糸で 巣を張っている 恐ろしい蜘蛛だと。➡ 31 00:02:46,299 --> 00:02:48,902 敵は好機と思い近づくと➡ 32 00:02:48,902 --> 00:02:53,407 知らぬうちに からめ捕られて 骸となる。 33 00:02:53,407 --> 00:02:59,646 桓騎… あ奴はうかつにも 慶舎様の巣に手を伸ばしてしまった。 34 00:02:59,646 --> 00:03:05,452 結果 初日から桓騎は 片腕を喰いつぶされるはめになったな。 35 00:03:05,452 --> 00:03:07,421 ぐぉ! ごあっ! 36 00:03:07,421 --> 00:03:09,523 どはっ! うぁっ! 37 00:03:11,258 --> 00:03:13,794 くそォ こいつら次から次にっ! 38 00:03:13,794 --> 00:03:16,063 こっちの後続は なぜ来ない! 39 00:03:16,063 --> 00:03:17,998 分かりやせ… ぅぐっ! 40 00:03:17,998 --> 00:03:20,834 今 ホウロたちが 後続を呼びに行ってます! 41 00:03:20,834 --> 00:03:23,737 この密林で迷ってんじゃねぇかって! 42 00:03:23,737 --> 00:03:26,039 雷土さん! 後ろがっ…! 43 00:03:26,039 --> 00:03:28,275 あっ ホウロ! 44 00:03:28,275 --> 00:03:30,911 後続の姿がないっ! 全くないっ! 45 00:03:30,911 --> 00:03:35,215 そっそれで さらに戻ったら 代わりに敵が出てきやがった! 46 00:03:35,215 --> 00:03:38,518 な 何っ⁉ どっ どういうことだ! 47 00:03:38,518 --> 00:03:41,922 だから二列目が来るはずの道から 敵が来てんだよ!! 48 00:03:43,857 --> 00:03:45,792 (雷土兵)ぐはぁっ! 49 00:03:45,792 --> 00:03:48,695 フ…。 チッ。 50 00:03:48,695 --> 00:03:55,202 <ゼノウ一家の暴れっぷり見ても 余裕ヅラしてんのは そういうわけか> 51 00:03:55,202 --> 00:03:57,270 あっ⁉ なっ⁉ 52 00:03:57,270 --> 00:04:00,040 <恐らく初めてだ…。➡ 53 00:04:00,040 --> 00:04:04,878 こんなにきれいに お頭が敵に はめられちまったのは…> 54 00:04:04,878 --> 00:04:09,382 お頭… なんか 雷土たちのとこの気配が…。 55 00:04:11,184 --> 00:04:17,657 雷土が感じたとおり この危機は 桓騎の予測を大きく越えた事態であった。 56 00:04:17,657 --> 00:04:19,659 お頭…。 57 00:04:21,294 --> 00:04:23,897 フッ… まァ見てろ。 58 00:04:25,932 --> 00:04:31,404 だが 慶舎も一つだけ 気付いていないことがあった。 59 00:04:31,404 --> 00:04:33,807 (雷土)オラァ!! 60 00:04:33,807 --> 00:04:39,112 桓騎軍は 元野盗団ならではの 特別な“知恵”を持っていたのである。 61 00:04:39,112 --> 00:04:41,047 ゼノウ!! 62 00:04:41,047 --> 00:04:43,517 ん⁉ ちょっと耳を貸せェ!! 63 00:04:43,517 --> 00:04:45,485 “火兎”を鳴らせェ!! 64 00:04:45,485 --> 00:04:48,722 …! 65 00:04:48,722 --> 00:04:51,191 ん⁉ 66 00:04:51,191 --> 00:04:53,126 <笛⁉> 67 00:04:53,126 --> 00:05:01,835 (笛の音) 68 00:05:01,835 --> 00:05:04,237 (兵たち)っ!! クソッ!クソォッ! 69 00:05:04,237 --> 00:05:08,074 ハッ ハッ ハッ ハッ…! 70 00:05:08,074 --> 00:05:11,812 “火兎”の笛。 その笛の音の意味は➡ 71 00:05:11,812 --> 00:05:14,581 “絶体絶命”“完全包囲”。 72 00:05:14,581 --> 00:05:18,451 もはや隊ごとの伝令や号令は必要ない。 73 00:05:18,451 --> 00:05:23,323 この音さえ聞けば 桓騎兵は全員 野盗時代に戻り➡ 74 00:05:23,323 --> 00:05:28,228 それぞれ 脱兎の如く我先にと その場から逃げ去る。 75 00:05:30,664 --> 00:05:32,599 っ…⁉ 76 00:05:32,599 --> 00:05:34,601 ハァッ ハァ…!ぐはっ! 77 00:05:36,469 --> 00:05:38,905 ク…。 78 00:05:38,905 --> 00:05:40,841 貴様らァ! あぁっ! 79 00:05:40,841 --> 00:05:44,077 クク… クハハハハハ!! 80 00:05:44,077 --> 00:05:46,012 何だ こいつら!! 81 00:05:46,012 --> 00:05:49,049 何たる無様! 何たる無秩序! 82 00:05:49,049 --> 00:05:51,918 はっ! うはっ!がっ! 83 00:05:51,918 --> 00:05:55,989 “殿”も知らんのか この素人どもがァ! 84 00:05:55,989 --> 00:06:00,260 クハハハハ! まさに猿! 山猿! 85 00:06:00,260 --> 00:06:03,129 マヌケすぎて少しお前が好きになったぞ! 86 00:06:03,129 --> 00:06:05,098 桓騎ィィ!! 87 00:06:05,098 --> 00:06:08,935 行けェイ! 遠慮なく猿どもの背を突きまくれェ! 88 00:06:08,935 --> 00:06:10,937 (趙兵たち)オオオ!! 89 00:06:14,107 --> 00:06:18,478 さっきのは雷土とゼノウの “火兎”っスね。ああ。 90 00:06:18,478 --> 00:06:21,982 よそのでも“火兎”聞くのは やっぱ嫌っスね。 91 00:06:21,982 --> 00:06:25,952 フフ… 昔を思い出すか。 ええ。 92 00:06:25,952 --> 00:06:30,156 両方とも 今ごろバンバン背中やられてんなァ。 93 00:06:33,927 --> 00:06:37,864 でもあの判断の早さは さすが雷土っスね。 94 00:06:37,864 --> 00:06:40,467 ああ。 95 00:06:40,467 --> 00:06:46,139 包囲が狭まる前の“火兎”なら 二隊が壊滅することはないでしょう。 96 00:06:46,139 --> 00:06:51,077 趙の奴らには素人丸出しの 逃げに見えてるだろうな。 97 00:06:51,077 --> 00:06:53,313 …フフ。 98 00:06:53,313 --> 00:06:59,085 だが 何だかんだで あの逃げ方が一番多く助かるんだよなァ。 99 00:06:59,085 --> 00:07:01,087 っスね。 100 00:07:01,087 --> 00:07:04,624 野盗時代 山々に潜み➡ 101 00:07:04,624 --> 00:07:07,894 秦軍に追われながらも 捕まらなかった彼らは➡ 102 00:07:07,894 --> 00:07:10,430 逃げることに長けている。 103 00:07:10,430 --> 00:07:15,101 その経験から 最も生還率が高いと生み出されたのが➡ 104 00:07:15,101 --> 00:07:20,273 味方を一切 気にせぬ ばらばらの逃げ方である。 105 00:07:20,273 --> 00:07:24,778 集団で追ってくる敵の標的になれば ひとたまりもないが➡ 106 00:07:24,778 --> 00:07:28,481 その間 他の多くが逃げる時間となる。 107 00:07:34,454 --> 00:07:38,358 な 何だこいつら! 馬が追いつかぬぞっ! 108 00:07:38,358 --> 00:07:41,227 何より その走りは➡ 109 00:07:41,227 --> 00:07:46,833 追撃する岳嬰兵が 目を疑うほどの速さであった。 110 00:07:46,833 --> 00:07:49,502 そして もう一つ利点がーー。 111 00:07:49,502 --> 00:07:52,405 ほ… 報告します! 112 00:07:52,405 --> 00:07:58,011 先ほどの将と思われる大男二人の… 行方を見失ったそうです! 113 00:07:58,011 --> 00:08:00,647 なっ何っ! バカな! 114 00:08:00,647 --> 00:08:03,550 目の前にいた敵将を 取り逃がしたと言うのかっ! 115 00:08:03,550 --> 00:08:06,052 さっさと追って 首級をあげてこい!! 116 00:08:06,052 --> 00:08:08,722 はっ もちろん追ってはいます! 117 00:08:08,722 --> 00:08:13,360 しかし… “殿”などがいれば その先を追うのですが➡ 118 00:08:13,360 --> 00:08:17,897 奴ら 将すら守らず 完全に個々に散っておりまして…。 119 00:08:17,897 --> 00:08:20,367 一度見失うと もう…。 120 00:08:20,367 --> 00:08:22,302 クッハァ…! 121 00:08:22,302 --> 00:08:26,673 (趙兵)正直 追っている方角が正しいのかどうか…。 122 00:08:26,673 --> 00:08:28,975 (側近)追撃隊を もっと出せ!!➡ 123 00:08:28,975 --> 00:08:32,078 将二人だぞ!! 絶対に逃がすな!! 124 00:08:39,719 --> 00:08:44,257 (雷土)チッ… もう 日暮れ近くなってんじゃねェかよクソ! 125 00:08:44,257 --> 00:08:47,460 どんくらい殺られましたかね うち。 126 00:08:47,460 --> 00:08:49,396 知るかクソが。 127 00:08:49,396 --> 00:08:51,331 雷土か。 ん? 128 00:08:51,331 --> 00:08:53,333 あっ ゼノウ!➡ 129 00:08:53,333 --> 00:08:56,169 うわっ! 一家の奴ら けっこういやがる! 130 00:08:56,169 --> 00:08:59,072 お前も こっちに来たのか。 131 00:08:59,072 --> 00:09:01,074 ああ…。 132 00:09:01,074 --> 00:09:03,510 フーー…。 133 00:09:03,510 --> 00:09:07,981 考えるごとは同じのようだな 雷土。 134 00:09:07,981 --> 00:09:09,983 (雷土)ああ。 135 00:09:14,454 --> 00:09:16,089 ん? 136 00:09:16,089 --> 00:09:18,191 ん…? 137 00:09:21,327 --> 00:09:23,263 ん? あっ! 138 00:09:23,263 --> 00:09:25,198 あぁ…。 139 00:09:25,198 --> 00:09:27,434 ぬぁっ…! 140 00:09:27,434 --> 00:09:45,819 ♬~ 141 00:09:45,819 --> 00:09:49,689 せっかく作った柵が ぜ~んぶ灰だこりゃ。 142 00:09:49,689 --> 00:09:52,592 夜に向けて いい篝火だぜ。 143 00:09:52,592 --> 00:09:57,997 チッ しっかり覚えとけ 趙のクソどもが!➡ 144 00:09:57,997 --> 00:10:03,603 元野盗団の俺たち桓騎軍は どんなに下手をうったとしても➡ 145 00:10:03,603 --> 00:10:07,006 ぜってェ手ぶらじゃ 帰らねェんだよ! 146 00:10:07,006 --> 00:10:09,109 だよな。 147 00:10:20,186 --> 00:10:25,525 (河了貂)敵にとっては オレたちが この地に不慣れな間が最も好機だ! 148 00:10:25,525 --> 00:10:31,397 つまり 初日の今夜 趙軍は必ず夜襲をかけてくる! 149 00:10:31,397 --> 00:10:34,367 外周の隊は いつでも戦える準備を! 150 00:10:34,367 --> 00:10:36,369 (兵たち)オオオ!! 151 00:10:38,104 --> 00:10:40,073 (河了貂)見張りは いつもの倍に! 152 00:10:40,073 --> 00:10:43,843 茂みに入る偵察隊は 随時報告を怠るな! 153 00:10:43,843 --> 00:10:48,681 月が雲に入る前に 配備を全てすませろ! (兵たち)オオオ!! 154 00:10:48,681 --> 00:10:53,253 くそっ こんな樹海地での敵前夜営は初めてだ。 155 00:10:53,253 --> 00:10:58,658 ああ 敵が明かりを消して来たら どこまで近づかれてるか分かんねェぞ。 156 00:11:02,562 --> 00:11:04,831 (楚水)信殿。 ん…! 157 00:11:04,831 --> 00:11:07,800 楚水か 早いな。 158 00:11:07,800 --> 00:11:10,169 東側の配備 終わったのか。 159 00:11:10,169 --> 00:11:14,374 ええ。 西側も もうすぐかと。 160 00:11:14,374 --> 00:11:18,178 それより 羌瘣殿がまだ戻ってないと 聞いたのですが。 161 00:11:19,512 --> 00:11:25,084 ああ。 斥候に出たっきり この樹海ン中に消えたままだ。 162 00:11:25,084 --> 00:11:28,688 音沙汰がねえ。 羌瘣殿が前に出た後➡ 163 00:11:28,688 --> 00:11:34,160 我々は手前の丘に戻って 間隔が大きく開いた。 164 00:11:34,160 --> 00:11:37,497 その間に趙軍が押し寄せたとしたら➡ 165 00:11:37,497 --> 00:11:40,733 羌瘣殿は ひょっとして今…。 166 00:11:40,733 --> 00:11:44,203 前線の向こう側かも知れねぇ。 167 00:11:44,203 --> 00:11:48,041 つか 戻ってねェってことは そうなんだろ。 168 00:11:48,041 --> 00:11:50,643 羌瘣殿たちは わずか数騎。 169 00:11:50,643 --> 00:11:53,613 敵に捕まってないとよいのですが…。 170 00:11:53,613 --> 00:11:56,849 あいつに限って そんなヘマはないだろ。 171 00:11:56,849 --> 00:11:59,185 それよりも心配は…。 (馬の駆けてくる音) 172 00:11:59,185 --> 00:12:01,487 ⚟(渕)しっ 信殿! ん? 173 00:12:01,487 --> 00:12:05,358 本軍からっ… 桓騎将軍から伝令がっ…! 174 00:12:05,358 --> 00:12:08,261 あ あぁ…! 175 00:12:08,261 --> 00:12:10,463 …チッ 今行く。 176 00:12:13,032 --> 00:12:15,034 (斥候隊の兵)ヤベ 月が隠れるぞ。 177 00:12:15,034 --> 00:12:17,904 火をつけるか? バカかお前は。 178 00:12:17,904 --> 00:12:21,941 (羌瘣)声が大きい。 くそっ マジで奥は何も見えねェ。 179 00:12:21,941 --> 00:12:24,611 ちょっと集まれ。 180 00:12:24,611 --> 00:12:27,046 見えるか? 181 00:12:27,046 --> 00:12:30,049 …こっち。 (兵たち)っ…。 182 00:12:30,049 --> 00:12:34,621 こっちが飛信隊で こっちが趙軍。 183 00:12:34,621 --> 00:12:39,492 それで 私たちは今この辺にいる。 多分。 184 00:12:39,492 --> 00:12:43,196 か… 完全にうちら 孤立してるじゃないスか。 185 00:12:43,196 --> 00:12:47,500 道理で戻ろうとしても 趙軍の背中ばっかり見えたわけだ。 186 00:12:47,500 --> 00:12:51,504 (兵) ってか何で本隊 こんなに後ろなんだよ。 187 00:12:51,504 --> 00:12:54,007 すぐに戻るべきだ 羌瘣。 188 00:12:54,007 --> 00:12:56,876 こうなったらもう 斥候は必要ない。 189 00:12:56,876 --> 00:13:01,247 でも どうやって戻る。 趙軍も夜営は厳重なはずだ。 190 00:13:01,247 --> 00:13:03,249 下手に近づくと…。 191 00:13:03,249 --> 00:13:06,753 (孫仁)一度 横に走って趙軍を外して➡ 192 00:13:06,753 --> 00:13:09,355 迂回して戻るしかないだろう。 193 00:13:09,355 --> 00:13:13,226 そんな長い道のりを 火もつけずに走るのか? 194 00:13:13,226 --> 00:13:17,030 この闇の中じゃ 方向すら すぐに分からなくなるぞ。 195 00:13:17,030 --> 00:13:19,165 (羌瘣)迂回はしない。 (兵たち)っ! 196 00:13:19,165 --> 00:13:21,167 孫仁の言うとおり➡ 197 00:13:21,167 --> 00:13:24,504 明日は戻って隊を率いて戦う。 198 00:13:24,504 --> 00:13:26,939 だけどその前に やることがある。 199 00:13:26,939 --> 00:13:29,275 …? 200 00:13:29,275 --> 00:13:32,612 (羌瘣)今 私たちは敵の後ろ側にいる。 201 00:13:32,612 --> 00:13:35,415 こんな好機は めったにない。 202 00:13:35,415 --> 00:13:37,517 ウェエエ…!カァアア…! 203 00:13:42,922 --> 00:13:45,625 (馬印)このクソ下僕 信!! 204 00:13:45,625 --> 00:13:48,928 初日の大失態により “斬首”に処す! 205 00:13:48,928 --> 00:13:51,130 ッ…!! 206 00:13:53,199 --> 00:13:56,102 ちょっと待って! いくら何でも そんな権限は…! 207 00:13:56,102 --> 00:13:59,939 (馬印)ある! お頭はこの軍の総大将だ。 208 00:13:59,939 --> 00:14:01,874 っ…! 209 00:14:01,874 --> 00:14:05,578 だが 今ここで お前の首を飛ばせば➡ 210 00:14:05,578 --> 00:14:10,383 右側の事態が悪化することは お頭も重々承知している。 211 00:14:12,652 --> 00:14:16,356 よって特別に減刑だそうだ。 212 00:14:16,356 --> 00:14:19,892 右腕だけ斬り落として持ち帰る。 213 00:14:19,892 --> 00:14:22,128 ちょっと待って! それでも…。 214 00:14:22,128 --> 00:14:24,130 しょうがねェ。 へっ⁉ 215 00:14:25,798 --> 00:14:27,734 この辺でいいか? 216 00:14:27,734 --> 00:14:29,736 …ん? 217 00:14:31,471 --> 00:14:35,475 (馬印)なっ 何やっとんじゃ貴様ァァ!! (渕)しっ 信殿!! 218 00:14:35,475 --> 00:14:39,579 うるせェ!! たかが初日から ガタガタ言ってんじゃねェ!! 219 00:14:39,579 --> 00:14:42,381 戦は最後に勝ちゃあいいんだろうがァ!! 220 00:14:42,381 --> 00:14:46,919 <こ… この男 開き直りよった> 221 00:14:46,919 --> 00:14:50,890 フフ 一本取られたね馬印。 ぁあ? 222 00:14:50,890 --> 00:14:55,495 ここの連中は おどしやハッタリは通じないみたいだよ。 223 00:14:55,495 --> 00:14:59,098 いや 右腕は本当に持って来いって。 224 00:14:59,098 --> 00:15:01,367 楚水 穴掘ってこい。 225 00:15:01,367 --> 00:15:05,104 こいつら埋めて 伝令は来なかったことにする。な⁉ 226 00:15:05,104 --> 00:15:07,440 <こ こ奴…!> 227 00:15:07,440 --> 00:15:11,744 オイ伝令 帰って桓騎将軍に伝えろ! 228 00:15:11,744 --> 00:15:17,183 やらかしちまった責任の重大さは 俺たちが誰よりも重く受け止めてる! 229 00:15:17,183 --> 00:15:21,988 だから二日目以降で必ず 目前の敵を撃破し➡ 230 00:15:21,988 --> 00:15:26,492 俺たち飛信隊が 戦局を覆すきっかけを作る! 231 00:15:26,492 --> 00:15:30,963 そして最後は この俺が 敵将 慶舎の首をとって➡ 232 00:15:30,963 --> 00:15:34,500 黒羊の戦いを勝利に導いてやるってなァ!! 233 00:15:34,500 --> 00:15:36,502 っ! 234 00:15:38,871 --> 00:15:43,176 馬印 右腕の件は この那貴が預かるとお頭に。 235 00:15:44,744 --> 00:15:50,583 こっちに送られてた以上 少なからず俺の責任も発生してるから。 236 00:15:50,583 --> 00:15:54,787 フッ 隊長が啖呵を切るのはいい。 237 00:15:54,787 --> 00:15:57,190 だが今日見た感じ➡ 238 00:15:57,190 --> 00:16:00,226 相対してる敵は一筋縄じゃいかないぜ? 239 00:16:00,226 --> 00:16:03,362 それは大丈夫。 ん? 240 00:16:03,362 --> 00:16:08,334 今日一日の苦戦の中で やれること やれないこと➡ 241 00:16:08,334 --> 00:16:11,671 この樹海地での戦い方が大体分かった。 242 00:16:11,671 --> 00:16:13,706 この首にかけて➡ 243 00:16:13,706 --> 00:16:15,842 明日は前線を 突破して➡ 244 00:16:15,842 --> 00:16:18,644 隊を中央の丘の 横まで持って行く。 245 00:16:22,081 --> 00:16:24,784 フッ… だといいがな。 246 00:16:26,385 --> 00:16:29,021 (乱戦の声) 一刻の後➡ 247 00:16:29,021 --> 00:16:32,258 河了貂の読みどおり 夜襲があった。 248 00:16:32,258 --> 00:16:34,660 大丈夫みてェだな。 249 00:16:34,660 --> 00:16:38,831 来ると分かっていれば そうはやられないよ。 250 00:16:38,831 --> 00:16:42,368 それよりも 羌瘣が戻って来ないのが気になる。 251 00:16:42,368 --> 00:16:45,171 ん… 俺もだ。 252 00:16:45,171 --> 00:16:47,840 “密林”“夜”。 253 00:16:47,840 --> 00:16:51,477 はっきり言って 羌瘣にとっては得意な状況下だ。 254 00:16:51,477 --> 00:16:56,282 あぁ。 だから無茶しそうで 逆に心配だ。 うん。 255 00:16:56,282 --> 00:17:00,119 <巻き返しの本番は 明日からだぞ。➡ 256 00:17:00,119 --> 00:17:03,322 さっさと帰って来いよ 羌瘣> 257 00:17:11,531 --> 00:17:13,933 こっ これは無理だ! 258 00:17:13,933 --> 00:17:17,904 何だ この隙間のない夜営は! これで後ろ側かよ! 259 00:17:17,904 --> 00:17:22,108 副長ダメだ! この敵はやばい 早くここを…。 260 00:17:25,011 --> 00:17:26,846 中止だ羌瘣。 261 00:17:26,846 --> 00:17:31,117 あんたの力は疑わんが これは いくら何でもやりすぎだ。 262 00:17:31,117 --> 00:17:34,353 あんな中に入って 敵将を討った挙句に➡ 263 00:17:34,353 --> 00:17:36,956 生きて脱出するなんて不可能だ! 264 00:17:40,226 --> 00:17:42,461 お前たちは ここで待機。 265 00:17:42,461 --> 00:17:47,133 (兵たち)え? 騒ぎが大きくなったら 速やかに離脱しろ。 266 00:17:47,133 --> 00:17:50,136 羌瘣! やりすぎだって言ってんだ! 267 00:17:50,136 --> 00:17:53,039 こんなことは隊の奴らだって…➡ 268 00:17:53,039 --> 00:17:55,508 隊長だって望んでねェ! 269 00:17:55,508 --> 00:17:57,543 孫仁 声が大きいぞっ。 270 00:17:57,543 --> 00:18:00,846 何だって こんな無茶を やろうとしてんだ あんたは! 271 00:18:05,117 --> 00:18:07,053 副長…。 272 00:18:07,053 --> 00:18:09,956 三千人将とかになると➡ 273 00:18:09,956 --> 00:18:14,660 さすがに 敵を討つのに どのくらい味方に犠牲が出るかを➡ 274 00:18:14,660 --> 00:18:17,129 少しは考える。 275 00:18:17,129 --> 00:18:23,436 そして今 万の軍の敵将の首を 犠牲無しで討てる好機がある。 276 00:18:23,436 --> 00:18:27,173 そうだな… つまり➡ 277 00:18:27,173 --> 00:18:29,642 飛信隊のために無茶をやるんだ。 278 00:18:29,642 --> 00:18:32,111 っ! 279 00:18:32,111 --> 00:18:34,046 くっ…。 280 00:18:34,046 --> 00:18:37,917 確かに難しくはあるが 勝算がないわけじゃない。 281 00:18:37,917 --> 00:18:40,820 っ…。 282 00:18:40,820 --> 00:18:42,822 仮にも…。 っ! 283 00:18:46,025 --> 00:18:51,564 千年前から こういう仕事をやってきてる 一族の出ではあるからな。 284 00:18:51,564 --> 00:18:53,632 <行くぞ趙将> 285 00:18:53,632 --> 00:19:14,320 ♬~ 286 00:19:14,320 --> 00:19:16,288 ん…? 287 00:19:16,288 --> 00:19:18,290 あ…? 288 00:19:21,027 --> 00:19:23,129 交代だ。 ああ。 289 00:19:25,831 --> 00:19:27,767 うっ! ぐ…。 290 00:19:27,767 --> 00:19:31,037 ぅ… ぁ ぁ ぁ…。 291 00:19:31,037 --> 00:19:46,786 ♬~ 292 00:19:46,786 --> 00:19:49,722 誰だ。 (羌瘣)っ! 293 00:19:49,722 --> 00:19:52,258 (羌瘣の足音) 294 00:19:52,258 --> 00:19:54,894 偶像崇拝か。 295 00:19:54,894 --> 00:19:58,597 珍しいな 軍の将にしては。 296 00:19:58,597 --> 00:20:00,900 笑われる筋合いはない。 297 00:20:02,568 --> 00:20:05,705 別に笑いはしない。 ただ➡ 298 00:20:05,705 --> 00:20:09,208 命をもらうだけだ 趙将。 299 00:20:20,219 --> 00:20:22,154  妖の類か。 300 00:20:22,154 --> 00:20:24,156 っ! 301 00:20:28,394 --> 00:20:34,166 俺の作った陣に忍び込み この寝所まで 来られる者がいるとは思えぬ。 302 00:20:34,166 --> 00:20:37,036 まして女でな。 303 00:20:37,036 --> 00:20:39,038 …ここにいる。 304 00:20:40,973 --> 00:20:42,975 そうだな。 305 00:20:42,975 --> 00:20:46,712 だが先ほど 火に照らし出されたお前の姿は➡ 306 00:20:46,712 --> 00:20:49,115 人ならざる者に見えた。 307 00:20:50,716 --> 00:20:55,421 そんな人形にすがっているから そういうふうに ものが見えるんだ。 308 00:20:55,421 --> 00:20:59,291 …フッ これは すがるものではなく➡ 309 00:20:59,291 --> 00:21:02,495 奮い立たせるものだ。➡ 310 00:21:02,495 --> 00:21:04,463 女。 311 00:21:04,463 --> 00:21:09,034 お前は己の命を賭して “守るべきもの”を持っているか? 312 00:21:09,034 --> 00:21:11,036 …! 313 00:21:15,941 --> 00:21:17,943 ないか。 314 00:21:20,513 --> 00:21:24,850 昔 唯一のものを失くした。 っ! 315 00:21:24,850 --> 00:21:29,255 そして今はまた… 別のものを持っている。 316 00:21:32,591 --> 00:21:34,527 (劉冬)そうか…。 317 00:21:34,527 --> 00:21:36,962 ならば もういいぞ。 318 00:21:36,962 --> 00:21:40,833 腰を折って悪かったな 飛信隊副長 羌瘣。 319 00:21:40,833 --> 00:21:42,902 っ! 320 00:21:42,902 --> 00:21:48,607 敵に人間離れした術を使う 女副長がいるという噂を思い出した。 321 00:21:48,607 --> 00:21:53,479 話をして頭の整理も おおよそついた。 322 00:21:53,479 --> 00:21:56,382 副長自らの この無謀➡ 323 00:21:56,382 --> 00:22:00,886 お前の決意の深さの表れとして あえて敬意を払おう。 324 00:22:02,855 --> 00:22:06,659 だがーー 俺にも倒れられぬ理由がある。 325 00:22:08,394 --> 00:22:13,232 お前たち秦軍を 黒羊の先へ 行かすわけにはいかん!! 326 00:22:13,232 --> 00:22:15,334 <黒羊の先⁉> 327 00:22:17,836 --> 00:22:20,139 (衛兵たち)あっ⁉ 劉冬様の寝所だ! 328 00:22:24,276 --> 00:22:27,112 っ!<糸⁉> 329 00:22:27,112 --> 00:22:29,048 はぁッ!! 330 00:22:29,048 --> 00:22:30,983 ぐ…! 331 00:22:30,983 --> 00:22:33,052 はっ!! っ…! 332 00:22:33,052 --> 00:22:35,321 がっ…! 333 00:22:35,321 --> 00:22:37,523 <黒羊にっ… 沈めっ!> 334 00:22:39,191 --> 00:22:41,126 っ!! 335 00:22:41,126 --> 00:22:43,162 (樹海に落ちる音) 336 00:22:43,162 --> 00:22:45,698 劉冬様っ! ご無事ですか⁉ 337 00:22:45,698 --> 00:22:49,168 飛信隊の女副長だ…。 えっ? 338 00:22:49,168 --> 00:22:51,503 (劉冬)恐らく まだ生きている。➡ 339 00:22:51,503 --> 00:22:53,505 できれば生け捕りにしろ。 (衛兵)ハ! 340 00:22:53,505 --> 00:22:56,809 っ… ぐっ…! 341 00:22:56,809 --> 00:22:58,811 …っ! 342 00:23:02,448 --> 00:23:05,284 ⚟(趙兵)こっちだ! 343 00:23:05,284 --> 00:23:07,987 ⚟間隔をあけるなー! ⚟鼠一匹見逃すな! 344 00:23:07,987 --> 00:23:10,256 ⚟(趙兵たちの声)…くっ。 345 00:23:10,256 --> 00:23:12,558 ⚟深手を負ってる 遠くには行けないはずだ!➡ 346 00:23:12,558 --> 00:23:15,160 絶対見つけろ! ⚟ハイ! 347 00:23:15,160 --> 00:23:26,171 ♬~ 348 00:23:26,171 --> 00:23:29,041 ♬「なぁ坊やどうした? ここは戦場だぜ」 349 00:23:29,041 --> 00:23:31,810 ♬「たぎる憎悪のラリー 背馳の成長過程」 350 00:23:31,810 --> 00:23:34,613 ♬「加減も知らず殺気立ったままの剣に」 351 00:23:34,613 --> 00:23:37,850 ♬「発汗する体 カルマか咎 如何に?」 352 00:23:37,850 --> 00:23:40,219 ♬「恒(つね) 現実は不調和な旋律さ」 353 00:23:40,219 --> 00:23:43,088 ♬「冷血なステンレス製の心臓持つ演説者」 354 00:23:43,088 --> 00:23:45,858 ♬「何回目の明滅 また凱旋するテンペスタ」 355 00:23:45,858 --> 00:23:50,029 ♬「アーチかける善悪 もう応答しない生存者」 356 00:23:50,029 --> 00:23:52,931 ♬「花のよう 咲うMy Red」 357 00:23:52,931 --> 00:24:01,373 ♬「守りたいものだって この掌離れれば」 358 00:24:01,373 --> 00:24:07,880 ♬「壊したいものなんて 壊せないものだけ」 359 00:24:11,050 --> 00:24:16,655 ♬「唸る その狂気が 花咲かすダリア」 360 00:24:16,655 --> 00:24:19,992 ♬「振りかざす度 歪んだ定規」 361 00:24:19,992 --> 00:24:22,261 ♬「反射する対照的な正義」 362 00:24:22,261 --> 00:24:27,966 ♬「裏切りのゲリラ 散らす羽たちが」 363 00:24:27,966 --> 00:24:30,769 ♬「飛ぶ鳥の蹴った地面のようさ」 364 00:24:30,769 --> 00:24:35,074 ♬「君にもあるんでしょう? キズツケタクナイモノ」 365 00:24:35,074 --> 00:24:44,383 ♬~ 366 00:24:48,987 --> 00:24:51,690 次回 「キングダム」