1 00:00:01,235 --> 00:00:21,021 ♬~ 2 00:00:21,021 --> 00:00:27,794 ♬「滴る汗と日差しで閉じた目」 3 00:00:27,794 --> 00:00:34,201 ♬「映し出したのはあなたとの約束」 4 00:00:34,201 --> 00:00:40,707 ♬「意志を紡いだ 導火線に火をつけたら」 5 00:00:40,707 --> 00:00:46,513 ♬「今より強く高く翔べる」 6 00:00:46,513 --> 00:00:53,120 ♬「恐れを知って 哀を知って進むなら」 7 00:00:53,120 --> 00:01:00,594 ♬「己の全て捧げ旗を上げろ」 8 00:01:00,594 --> 00:01:06,199 ♬「掠れた声を何度も張りあげてよ」 9 00:01:06,199 --> 00:01:10,971 ♬「希望を決意を抱いて」 10 00:01:10,971 --> 00:01:29,056 ♬~ 11 00:01:33,226 --> 00:01:38,498 (混) たしか もう十五年前とかその辺りの話だ。 12 00:01:38,498 --> 00:01:41,168 紀彗様たちは➡ 13 00:01:41,168 --> 00:01:46,974 当時の城主を含めた 離眼の大人たちのほとんどを➡ 14 00:01:46,974 --> 00:01:50,744 眼の前で殺されてしまったのじゃよ。 15 00:01:50,744 --> 00:01:53,647 っ⁉ あれはまだ➡ 16 00:01:53,647 --> 00:01:59,353 離眼一帯が治まっていない頃 離眼の城主が…➡ 17 00:01:59,353 --> 00:02:05,058 まだ先代の紀昌だった頃の出来事だ。 18 00:02:05,058 --> 00:02:07,361 あの頃あの一帯は➡ 19 00:02:07,361 --> 00:02:13,600 離眼と暗何という城が 地域の覇権をかけて争っていた。 20 00:02:13,600 --> 00:02:18,171 王都邯鄲は 小競り合い程度と思っていたようだが➡ 21 00:02:18,171 --> 00:02:21,808 実際は激しい“戦争”だった。 22 00:02:21,808 --> 00:02:25,479 力で圧政をしく暗何の唐寒。 23 00:02:25,479 --> 00:02:28,782 対極に善政で民に慕われ➡ 24 00:02:28,782 --> 00:02:32,386 結束の固い離眼の紀昌。 25 00:02:32,386 --> 00:02:36,189 兵数で言えば暗何が倍以上。 26 00:02:36,189 --> 00:02:42,062 だが 戦上手の紀昌と 猛者ぞろいの側近衆➡ 27 00:02:42,062 --> 00:02:48,902 平時より鍛えられた兵団を擁する離眼は それと互角に戦い➡ 28 00:02:48,902 --> 00:02:53,006 そして若き紀彗・劉冬・馬呈の台頭で➡ 29 00:02:53,006 --> 00:02:56,510 戦局は離眼の方に傾きだした。 30 00:02:56,510 --> 00:02:59,413 (側近)何と… もう終わりそうだ。 31 00:02:59,413 --> 00:03:01,948 (側近)援軍は必要なかったか…。 32 00:03:01,948 --> 00:03:04,951 我らも相当と思っておったが。 33 00:03:04,951 --> 00:03:09,356 どうやら あの三人は ものが違うようですな 城主。 34 00:03:09,356 --> 00:03:13,326 ああ。 親として嬉しい限りだ。 35 00:03:13,326 --> 00:03:18,498 紀昌は 劉冬・馬呈の育ての親でもある。 36 00:03:18,498 --> 00:03:22,035 死んだ腹心の子供ら だとか…。 37 00:03:22,035 --> 00:03:27,274 故に あの三人は 兄弟のように“絆”が深いと聞く。 38 00:03:27,274 --> 00:03:30,477 日々勢いを増す離眼に対し➡ 39 00:03:30,477 --> 00:03:33,714 暗何は決戦に打って出た。 40 00:03:33,714 --> 00:03:38,485 それが この辺りじゃ有名な“旦虎の戦い”じゃ。 41 00:03:38,485 --> 00:03:44,791 離眼も全軍で挑んだが 財をはたいて 周辺の兵を駆り集めた暗何軍は➡ 42 00:03:44,791 --> 00:03:47,828 それの五倍はいたそうだ。 43 00:03:47,828 --> 00:03:51,264 凄まじい戦いだったと聞く。 44 00:03:51,264 --> 00:03:55,168 奮戦した劉冬・馬呈も深手を負った。 45 00:03:55,168 --> 00:03:58,939 だが最後は➡ 46 00:03:58,939 --> 00:04:04,778 五倍の敵をかいくぐった紀彗が 自ら暗何の城主 唐寒を討ち取り➡ 47 00:04:04,778 --> 00:04:08,215 離眼が見事に勝利した。 48 00:04:08,215 --> 00:04:12,986 <それが本当なら 趙将 紀彗は相当やる…> 49 00:04:12,986 --> 00:04:16,957 その時は これで 一帯に紀昌の統治が➡ 50 00:04:16,957 --> 00:04:21,161 広がると喜んだ者も多かったろう。 51 00:04:21,161 --> 00:04:26,099 だが 長年続いていた離眼・暗何の因縁は➡ 52 00:04:26,099 --> 00:04:30,370 旦虎の一戦では終わりとならなかった。 (羌瘣)っ⁉ 53 00:04:30,370 --> 00:04:34,975 唐寒の残りの兵を 紀彗軍が追っている間に➡ 54 00:04:34,975 --> 00:04:39,713 (住民の悲鳴) 留守中の離眼城が 落とされてしまったのじゃ。 55 00:04:39,713 --> 00:04:44,184 襲ったのは唐寒の子 唐釣であった。 56 00:04:44,184 --> 00:04:51,458 臆病者で 旦虎に出陣せず 暗何城に残っていた唐釣が➡ 57 00:04:51,458 --> 00:04:55,395 城のわずかな衛兵を 引き連れて急襲したのじゃ。 58 00:04:55,395 --> 00:05:00,534 バカ息子にも 父の仇を 討ちたい愛はあったらしい…。 59 00:05:00,534 --> 00:05:06,273 城内にいた兵士は 旦虎から帰還していた重傷兵のみ。 60 00:05:06,273 --> 00:05:10,143 くそーーっ!! 劉冬ーっ!! (混)中には馬呈・劉冬もいたそうだが➡ 61 00:05:10,143 --> 00:05:14,047 二人では どうにもならなかったろうて。 62 00:05:14,047 --> 00:05:16,683 とにかく 離眼は落ち➡ 63 00:05:16,683 --> 00:05:19,986 (泣き声) 城内にいた女・子供・老人全員が➡ 64 00:05:19,986 --> 00:05:23,256 人質となってしまった。 65 00:05:23,256 --> 00:05:27,494 そして唐釣は それらの命と引き換えに➡ 66 00:05:27,494 --> 00:05:32,199 紀昌と将校・兵たちの投降を迫ったのだ。 67 00:05:32,199 --> 00:05:36,002 なりません父上! 行けば必ず殺されます! 68 00:05:36,002 --> 00:05:37,938 こんな卑劣な手! 69 00:05:37,938 --> 00:05:41,808 唐釣は 成人以下を見逃す条件をのんだ。 70 00:05:41,808 --> 00:05:43,777 これ以上はなかろう。 71 00:05:43,777 --> 00:05:47,013 父上…! 城主様…! 72 00:05:47,013 --> 00:05:50,617 どうした岳印! なぜ父上をお止めせぬ⁉ 73 00:05:50,617 --> 00:05:55,155 行けば そなたたちとて 同じく命を… 赫公も! 74 00:05:55,155 --> 00:05:59,726 行かねば 中にいる我らの子たちが殺されまする。 75 00:05:59,726 --> 00:06:02,062 っ…! 76 00:06:02,062 --> 00:06:04,431 彗…。➡ 77 00:06:04,431 --> 00:06:09,936 女・子供を人質にして 武将の首を取らんとする唐釣の下策を➡ 78 00:06:09,936 --> 00:06:13,340 あえて受けることにしたのだ。➡ 79 00:06:13,340 --> 00:06:19,546 我々は 決して中央にもひけをとらぬ 屈強な武将であるが➡ 80 00:06:19,546 --> 00:06:24,084 儂は武将の前に 離眼の城主であり➡ 81 00:06:24,084 --> 00:06:28,788 そして側近たちは離眼の大人たちだ。 82 00:06:28,788 --> 00:06:34,027 親が子供のために命をかけるのは 当然のことだ。 83 00:06:34,027 --> 00:06:37,664 そしてその責を 少々早いが➡ 84 00:06:37,664 --> 00:06:40,567 お前に継いでもらわねばならぬ。 85 00:06:40,567 --> 00:06:42,869 倅よ。 86 00:06:44,471 --> 00:06:47,707 (混)そうして“人質交換”となった。 87 00:06:47,707 --> 00:06:50,610 城主様! 紀昌様ァ! 88 00:06:50,610 --> 00:06:54,214 何ということに! 後を頼むぞ。 89 00:06:54,214 --> 00:06:57,884 こんな老人の命はいらぬのに…! うぅっ…! 90 00:06:57,884 --> 00:07:02,355 婆らのためじゃない 子供らのためだ! ッハハハハ! 91 00:07:02,355 --> 00:07:05,759 城主っ!! お許し下さい! 92 00:07:05,759 --> 00:07:08,561 私が… 城内にありながら…! 93 00:07:08,561 --> 00:07:10,864 こんな… こんな…! いや! 俺のせいだ! 94 00:07:10,864 --> 00:07:14,067 お許しをっ! この俺が人質になるなんてっ! ぐぅ…! 95 00:07:14,067 --> 00:07:18,238 お許しを城主! うぅっ…! ふぐゥッ…! 96 00:07:18,238 --> 00:07:23,777 …よい。 お前たちが生きていて 天に感謝する。➡ 97 00:07:23,777 --> 00:07:26,346 劉冬。 うっ… うぐ…! 98 00:07:26,346 --> 00:07:29,015 馬呈。 はぁっ…! 99 00:07:29,015 --> 00:07:31,918 彗を頼むぞ。 (劉冬 馬呈)っ…! 100 00:07:31,918 --> 00:07:35,188 …む そうじゃ。 101 00:07:35,188 --> 00:07:37,590 これを返しておく。➡ 102 00:07:37,590 --> 00:07:40,393 門出の意味も込めてな…。 103 00:07:42,195 --> 00:07:47,033 王都邯鄲より派遣されし 善満である! 104 00:07:47,033 --> 00:07:51,905 この儀は 朝廷の裁可の下で 執り行われるものとする!➡ 105 00:07:51,905 --> 00:07:54,374 つまり! このあと暗何は➡ 106 00:07:54,374 --> 00:07:58,278 離眼の残りの兵・老人・女・子供への➡ 107 00:07:58,278 --> 00:08:01,314 一切の手出しを禁ず! 108 00:08:01,314 --> 00:08:04,884 これを破らば 朝廷に弓引くものとして➡ 109 00:08:04,884 --> 00:08:08,755 この善満軍が武を以て裁きを下す! 110 00:08:08,755 --> 00:08:11,024 よいな! 111 00:08:11,024 --> 00:08:16,229 <邯鄲は もっと早く 仲裁の軍を送るべきだった…。➡ 112 00:08:16,229 --> 00:08:18,898 (泣き崩れる声) そうか…。➡ 113 00:08:18,898 --> 00:08:22,736 あれが旦虎で唐寒を討った紀彗か…> 114 00:08:22,736 --> 00:08:24,838 縛り上げろ! 115 00:08:31,745 --> 00:08:38,218 唐釣 倅たちの命を助ける条件を のんでくれたことは 感謝するぞ。 116 00:08:38,218 --> 00:08:41,788 くっ…! 勘違いするな! 117 00:08:41,788 --> 00:08:44,557 同じ苦しみを味わわせるためだ! 118 00:08:44,557 --> 00:08:47,027 …そうか。 119 00:08:47,027 --> 00:08:49,262 くそっ くそォっ! 120 00:08:49,262 --> 00:08:51,264 火を放てェっ! 121 00:08:53,466 --> 00:08:56,035 ああっ! 紀昌様! 父上っ! 122 00:08:56,035 --> 00:08:58,705 城主様っ! …っ! 123 00:08:58,705 --> 00:09:03,143 彗がこれより離眼の城主だ!! 124 00:09:03,143 --> 00:09:06,045 若き父だ!! 皆で支えよ!! 125 00:09:06,045 --> 00:09:09,249 ハ… ハイ!! (劉冬)城主…!! 126 00:09:09,249 --> 00:09:12,218 心得ました!! (馬呈)うあ゛あ゛あ゛!! 127 00:09:12,218 --> 00:09:14,220 …彗! 128 00:09:14,220 --> 00:09:16,356 っ…! 129 00:09:16,356 --> 00:09:19,559 離眼の子らを守り抜け! 130 00:09:19,559 --> 00:09:22,429 頼んだぞ 倅よ。 131 00:09:22,429 --> 00:09:24,731 …っ! 132 00:09:24,731 --> 00:09:27,434 ハッ! 必ず!! 133 00:09:32,439 --> 00:09:36,976 それが 紀彗の名が外に広まっていない理由か…。 134 00:09:36,976 --> 00:09:40,480 あぁ。 その処刑で離眼は➡ 135 00:09:40,480 --> 00:09:44,350 主だった大人たちを ほとんど失ったが➡ 136 00:09:44,350 --> 00:09:49,656 紀彗様は たった五年ほどで 離眼の力を復活させ➡ 137 00:09:49,656 --> 00:09:56,463 次の三年で暗何も屈服させ 一帯の盟主となったよ。 138 00:09:56,463 --> 00:10:00,767 善政をしいて 誰も文句がないって話だ。 139 00:10:02,602 --> 00:10:06,172 それで… その人形は? 140 00:10:06,172 --> 00:10:11,411 これは 離眼に古くからある風習の一つ“守り子”。 141 00:10:11,411 --> 00:10:18,885 子供たちがね 戦場に出る父たちに贈る お守りみたいなものさ。 142 00:10:18,885 --> 00:10:24,691 私を斬った劉冬って奴は三つ持ってたけど 子供が三人ってこと? 143 00:10:24,691 --> 00:10:27,393 そこまでは知らんよ。 144 00:10:27,393 --> 00:10:31,831 っ⁉ ってあんた 劉冬に斬られたのかい⁉ 145 00:10:31,831 --> 00:10:34,634 …まァいい。 146 00:10:34,634 --> 00:10:37,904 とにかく その紀彗軍は強い。 147 00:10:37,904 --> 00:10:42,208 かつて五倍の暗何軍を討った 紀昌様の時より➡ 148 00:10:42,208 --> 00:10:46,079 今の方が はるかに強いって噂だ。 149 00:10:46,079 --> 00:10:51,251 さらに 黒羊の先へ行かすまいとする 士気も高い。 150 00:10:51,251 --> 00:10:56,656 な… 戻らずに ここにいた方がよいと 思ってきただろう? 151 00:10:56,656 --> 00:10:59,192 逆だよ。 っ! 152 00:10:59,192 --> 00:11:02,996 強敵なら なおさら 仲間たちの元に戻らないと。 153 00:11:02,996 --> 00:11:06,466 …どんな相手だろうと➡ 154 00:11:06,466 --> 00:11:09,702 負けるわけにはいかないんだ…。 155 00:11:09,702 --> 00:11:12,405 黒羊三日目の夜は➡ 156 00:11:12,405 --> 00:11:15,608 不気味なほど静かにふけた。 157 00:11:17,577 --> 00:11:23,116 そして この黒羊最大の激戦日となる 四日目の朝焼けは➡ 158 00:11:23,116 --> 00:11:25,818 血のように赤かったという。 159 00:11:32,792 --> 00:11:37,297 何ィ~⁉ このまま この場にずっと 踏み止まれだとォ⁉ 160 00:11:37,297 --> 00:11:42,735 何だ?早朝から 桓騎将軍の伝令が 来てるみたいだ。 161 00:11:42,735 --> 00:11:48,107 っ! 言っとくが 昨日の大好機を お前の大将が見逃したせいで➡ 162 00:11:48,107 --> 00:11:50,910 今度は俺たちが窮地になってんだ! 163 00:11:50,910 --> 00:11:53,813 置きざりにしてた馬呈軍が 夜のうちに追いついて➡ 164 00:11:53,813 --> 00:11:56,316 背中についちまったんだぞ! 165 00:11:56,316 --> 00:12:00,186 大体 何で昨日 桓騎は動かなかったんだ!! 166 00:12:00,186 --> 00:12:02,255 ふんッ! 呼び捨てにするな! 167 00:12:02,255 --> 00:12:05,024 待って 信。 ん…? 168 00:12:05,024 --> 00:12:07,594 伝令に言われるまでもなく➡ 169 00:12:07,594 --> 00:12:11,564 オレはギリギリまで ここに止まった方が いいと思ってたよ。 170 00:12:11,564 --> 00:12:13,700 理由は➡ 171 00:12:13,700 --> 00:12:18,404 戦局としては 昨日と同様に オレたち飛信隊が ここにいれば➡ 172 00:12:18,404 --> 00:12:21,941 桓騎軍に有利な局面にあるからだ。 173 00:12:21,941 --> 00:12:24,611 だが 背中に回ってる敵は➡ 174 00:12:24,611 --> 00:12:27,213 それを黙って見てるほど甘くねェぞ。 175 00:12:27,213 --> 00:12:29,148 そのとおり。 176 00:12:29,148 --> 00:12:33,987 そこに関して お頭から 伝言を受けてきた。 伝言⁉ 177 00:12:33,987 --> 00:12:35,922 援軍を送ると。 178 00:12:35,922 --> 00:12:37,924 っ! 援軍⁉ 179 00:12:37,924 --> 00:12:41,494 っ… 信用していいの? 180 00:12:41,494 --> 00:12:44,397 さァな。 …チッ! 181 00:12:44,397 --> 00:12:46,933 (渕 楚水)っ…! 182 00:12:46,933 --> 00:12:52,305 分かった。 飛信隊は ギリギリまで粘って ここに踏み止まる。 183 00:12:52,305 --> 00:12:55,141 でも恐らく昼までが限界だ。 184 00:12:55,141 --> 00:12:59,545 桓騎将軍に その気があるなら 昼までに送るよう伝えといて。 185 00:12:59,545 --> 00:13:02,048 (馬印)…心得た。 186 00:13:03,783 --> 00:13:06,586 (馬の駆ける音) 187 00:13:06,586 --> 00:13:10,356 お頭! そろそろ始まるぜ! 188 00:13:10,356 --> 00:13:13,126 あぁ…。 189 00:13:13,126 --> 00:13:15,128 さァて…。 190 00:13:16,996 --> 00:13:19,399 (飛信隊兵)止めろォォ! (離眼兵)押し込めェ! 191 00:13:19,399 --> 00:13:21,334 (兵たち)ウォオオオオ!! 192 00:13:21,334 --> 00:13:23,269 ウオァア!! ぶち殺せェ!! 193 00:13:23,269 --> 00:13:25,271 来るぞ! …どわァ! 194 00:13:25,271 --> 00:13:29,409 昨日の借りを倍にして返すぞォオ!! (兵たち)オオオ!! 195 00:13:29,409 --> 00:13:32,011 下手に馬呈には近づくな! 196 00:13:32,011 --> 00:13:35,415 弓兵を集めろ! 矢を撃ち込んで遠ざけよ! 197 00:13:35,415 --> 00:13:37,350 (兵たち)オオオ!! 198 00:13:37,350 --> 00:13:40,620 行くぞ! (劉冬)…チッ! 199 00:13:40,620 --> 00:13:44,957 テン! 本当に俺らも後ろに回らなくて大丈夫か⁉ 200 00:13:44,957 --> 00:13:50,330 大丈夫! 昨日先に着いたから 有利な地形は全部こっちが押さえてる! 201 00:13:50,330 --> 00:13:52,832 そう簡単には突破されない! 202 00:13:52,832 --> 00:13:55,134 それより本命は前だ! 203 00:13:55,134 --> 00:13:59,539 桓騎将軍の号令と同時に 丘へ攻め上がる準備をしとかないと! 204 00:13:59,539 --> 00:14:01,908 …ッ! 205 00:14:01,908 --> 00:14:05,345 今日は本当に号令かけんだろうな 桓騎は! 206 00:14:05,345 --> 00:14:08,581 つか援軍の気配もねェぞ! 207 00:14:08,581 --> 00:14:17,290 ♬~ 208 00:14:18,958 --> 00:14:20,960 姐さん…。 黙ってろ。 209 00:14:24,831 --> 00:14:27,667 敵に動く気配はありませぬ。 210 00:14:27,667 --> 00:14:30,370 ひょっとしたら今日も桓騎は…。 211 00:14:30,370 --> 00:14:32,338 ン…。 212 00:14:32,338 --> 00:14:35,208 <それならそれでいい。➡ 213 00:14:35,208 --> 00:14:41,047 劉冬と馬呈が飛信隊にくらいつき その脅威は半減した。➡ 214 00:14:41,047 --> 00:14:44,884 このまま飛信隊を滅するか追い払えば➡ 215 00:14:44,884 --> 00:14:49,822 晴れて我らは 前方の敵を集中攻撃できる。➡ 216 00:14:49,822 --> 00:14:53,226 どういうつもりか分からぬが…➡ 217 00:14:53,226 --> 00:14:57,029 そのまま動くな 桓騎…> 218 00:15:03,236 --> 00:15:06,038 ぬおぉお! (飛信隊兵)ぐああっ! 219 00:15:06,038 --> 00:15:08,941 河了貂! 渕副長の所が危ない! 220 00:15:08,941 --> 00:15:12,445 楚水副長も予備兵が尽きたぞ! 221 00:15:12,445 --> 00:15:15,248 分かってる! 田有は渕さん! 222 00:15:15,248 --> 00:15:18,551 沛浪は楚水の所へ! (田有 沛浪)オオオ!! 223 00:15:18,551 --> 00:15:21,020 …くそっ! くそォっ! 224 00:15:21,020 --> 00:15:24,357 桓騎の奴は また動かねェ気かァっ!! 225 00:15:24,357 --> 00:15:31,464 ここまで 飛信隊の所以外は 前日と全く同じ 膠着そのものであった。 226 00:15:38,471 --> 00:15:40,473 ーーだが。 227 00:15:43,342 --> 00:15:45,344 <おのれ…> 228 00:15:48,047 --> 00:15:50,049 <おのれ…> 229 00:15:51,818 --> 00:15:57,089 <意地でも 私に動きを捕捉させぬつもりか 桓騎…> 230 00:15:57,089 --> 00:15:59,692 (鼻を鳴らす音といななき) 231 00:16:02,462 --> 00:16:05,998 <いいだろう 桓騎➡ 232 00:16:05,998 --> 00:16:10,970 動かぬのなら 今のうちに貴様の片腕を斬り落として➡ 233 00:16:10,970 --> 00:16:14,040 本当に動けぬようにしてやる> 234 00:16:14,040 --> 00:16:16,943 陽央。 ハッ。 235 00:16:16,943 --> 00:16:22,748 <こちらの懐で“楔”となっている 目障りな貴様の右翼➡ 236 00:16:22,748 --> 00:16:26,252 飛信隊を皆殺しにする!> 237 00:16:26,252 --> 00:16:29,755 っ⁉(駆け下りる音と軍声) 238 00:16:29,755 --> 00:16:31,991 慶舎様が動いた⁉ 239 00:16:31,991 --> 00:16:33,926 てっ 敵襲!! 240 00:16:33,926 --> 00:16:36,329 (盾兵)すごい数がっ!! (盾兵)くっ 来るぞォ!! 241 00:16:38,564 --> 00:16:40,500 …フッ。 242 00:16:40,500 --> 00:16:43,035 ⚟敵襲ー!! 前だっ!! へ⁉ 243 00:16:43,035 --> 00:16:46,005 <滅せよ> (兵たちの悲鳴) 244 00:16:46,005 --> 00:16:48,007 (慶舎)<飛信隊!!> 245 00:16:48,007 --> 00:16:50,710 ウォオオオオオ!! 246 00:16:53,246 --> 00:16:56,582 河了貂! 危ない 下がれっ! 待って…! 247 00:16:56,582 --> 00:17:00,486 <分断する気だっ! まずい…!!➡ 248 00:17:00,486 --> 00:17:05,958 しかも後方の楚水・渕さんたちは 馬呈軍と交戦中だ。➡ 249 00:17:05,958 --> 00:17:08,027 後ろまで 貫かれたら➡ 250 00:17:08,027 --> 00:17:10,930 隊は一瞬で… 崩壊する!!> 251 00:17:10,930 --> 00:17:15,635 割って入る敵を何としても止めろ! 後ろへ届かせちゃダメだっ! 252 00:17:15,635 --> 00:17:18,905 むっ無理だ河了貂! それより ここも危ないっ! 253 00:17:18,905 --> 00:17:21,574 くっ 来るぞォ! くっ… 信ン! 254 00:17:21,574 --> 00:17:23,509 ってるよ!! 255 00:17:23,509 --> 00:17:25,511 信っ! …っぐ! 256 00:17:27,446 --> 00:17:30,416 ヘッ… 我呂! 岳雷! 257 00:17:30,416 --> 00:17:32,585 喜ぶなっ! 258 00:17:32,585 --> 00:17:35,988 どのみち 俺らだけじゃ そんなに長くは止めらんねェぞ! 259 00:17:35,988 --> 00:17:38,658 ルアァーッ! うっ…! 260 00:17:38,658 --> 00:17:40,626 ぬっ…! (我呂)くっ! 261 00:17:40,626 --> 00:17:43,162 ウォオオ! (我呂)<数もそうだが➡ 262 00:17:43,162 --> 00:17:46,065 こいつら一人一人が ただ者じゃねェ!> 263 00:17:46,065 --> 00:17:48,067 ウルア! ん⁉どあっ! 264 00:17:52,838 --> 00:17:55,608 ッ…! <何だ あいつ…⁉➡ 265 00:17:55,608 --> 00:17:58,110 “慶”の字…➡ 266 00:17:58,110 --> 00:18:01,981 まさか あれが趙軍の大将の…> 267 00:18:01,981 --> 00:18:04,984 その矛の若い男が信だ。 268 00:18:04,984 --> 00:18:07,219 (信 河了貂)っ⁉ 269 00:18:07,219 --> 00:18:12,091 李牧様が桓騎と並べて 名指しであげた標的だ。 270 00:18:12,091 --> 00:18:15,027 確実に首を狩り取れ。 271 00:18:15,027 --> 00:18:17,196 (河了貂 信)っ!! 272 00:18:17,196 --> 00:18:19,899 <つ… ついに…➡ 273 00:18:19,899 --> 00:18:24,203 あの李牧が 信を脅威と認識したのか!!> 274 00:18:24,203 --> 00:18:28,007 <…っ! 李牧!!➡ 275 00:18:28,007 --> 00:18:31,277 遅ェぐれェだ バカヤロオ!> 276 00:18:31,277 --> 00:18:33,212 上等だァァ!! 277 00:18:33,212 --> 00:18:35,948 取れるもんなら取ってみろ!! 278 00:18:35,948 --> 00:18:38,451 くっ…! 河了貂!! 279 00:18:38,451 --> 00:18:41,654 分かってる! ここにはもう止まれない! 280 00:18:41,654 --> 00:18:44,457 後ろへ行って退却の指揮をとる!➡ 281 00:18:44,457 --> 00:18:47,026 それまで何とか時間をかせいでくれ! 282 00:18:47,026 --> 00:18:49,695 くォオッ! 急げよ! 283 00:18:49,695 --> 00:18:54,533 (側近)劉冬様! 丘から騎馬隊が飛信隊前方をっ!! 284 00:18:54,533 --> 00:18:56,802 (側近)紀彗様がついに⁉ 285 00:18:56,802 --> 00:19:01,240 違う! あれは 丘の裏にいた慶舎様の精鋭隊だ! 286 00:19:01,240 --> 00:19:04,510 <しかも ほぼ総動員…。➡ 287 00:19:04,510 --> 00:19:09,048 大将慶舎は 一撃のもとに飛信隊を屠る気だ> 288 00:19:09,048 --> 00:19:10,983 応えるぞ! 289 00:19:10,983 --> 00:19:13,219 後方の隊を 左右に展開して➡ 290 00:19:13,219 --> 00:19:15,154 完全包囲にかかれ! 291 00:19:15,154 --> 00:19:17,556 馬呈にも伝えろ! (兵)ハッ! 292 00:19:17,556 --> 00:19:20,259 一人も外に出すな!! (兵たち)ハハァ!! 293 00:19:21,961 --> 00:19:25,564 (側近)おお まだ続くぞ! 慶舎様の騎馬隊は…! 294 00:19:25,564 --> 00:19:29,235 (側近)初日同様 動く時は とことんおやりになる…。 295 00:19:29,235 --> 00:19:34,373 ブハハ 城主! これは飛信隊 一溜まりもありませんぞ! 296 00:19:34,373 --> 00:19:37,576 <…確かに一溜まりもない。➡ 297 00:19:37,576 --> 00:19:42,048 降りて行った慶舎様の隊は 主力部隊のほぼ全軍。➡ 298 00:19:42,048 --> 00:19:46,018 察した劉冬・馬呈も包囲にかかった。➡ 299 00:19:46,018 --> 00:19:48,821 上から見ていれば よく分かる。➡ 300 00:19:48,821 --> 00:19:51,424 飛信隊が助かる道は一つもない> 301 00:19:53,225 --> 00:19:57,096 <だが何だ…? 何かが引っかかる…。➡ 302 00:19:57,096 --> 00:20:00,032 飛信隊…ではない…。➡ 303 00:20:00,032 --> 00:20:03,002 慶舎様の方か…?➡ 304 00:20:03,002 --> 00:20:06,639 いや… この急襲は間違いなく上策。➡ 305 00:20:06,639 --> 00:20:12,078 桓騎軍は これで右翼を失うことになるのだから…➡ 306 00:20:12,078 --> 00:20:16,916 だが… 何かがおかしい気が…> 307 00:20:16,916 --> 00:20:21,887 実は この時 慶舎の出陣に胸騒ぎを覚えた者が➡ 308 00:20:21,887 --> 00:20:25,324 紀彗の他に もう一人いた。 309 00:20:25,324 --> 00:20:29,195 長年その側近を務める 金毛である。 310 00:20:29,195 --> 00:20:32,198 丘向こうの物見より報告! 311 00:20:32,198 --> 00:20:35,501 慶舎様精鋭隊 飛信隊を襲撃中! 312 00:20:35,501 --> 00:20:38,971 飛信隊は早くも窮地に陥った模様です! 313 00:20:38,971 --> 00:20:41,741 っ! ワハハハッ 当然だ! 314 00:20:41,741 --> 00:20:45,311 うかつに懐に入りよって 愚か者どもが! 315 00:20:45,311 --> 00:20:50,449 <どういうことだ? 桓騎が動いた気配はないはずだが…> 316 00:20:50,449 --> 00:20:53,252 どうなされました 副将? 317 00:20:53,252 --> 00:20:57,123 初日と同じく慶舎様自らのご出陣。 318 00:20:57,123 --> 00:21:00,459 この戦 のっておられる! オオ! 319 00:21:00,459 --> 00:21:03,129 愚か者。 っ⁉ 320 00:21:03,129 --> 00:21:05,698 初日とは全く違う。 321 00:21:05,698 --> 00:21:09,135 <初日は 桓騎軍左翼が➡ 322 00:21:09,135 --> 00:21:12,605 “アミ”に 飛び込んで来たから狩りに行った。➡ 323 00:21:12,605 --> 00:21:17,810 だが 今は恐らく 対桓騎の“アミ”とは関係なく➡ 324 00:21:17,810 --> 00:21:22,014 目障りな飛信隊を討ちに出られた。➡ 325 00:21:22,014 --> 00:21:27,920 傍目には 飛信隊も“アミ”にかかった 餌食に見えるかもしれぬが➡ 326 00:21:27,920 --> 00:21:31,624 私には これは“焦れ”に見える。➡ 327 00:21:31,624 --> 00:21:35,628 気配をつかませぬ桓騎への“報復”に…> 328 00:21:37,396 --> 00:21:42,134 <やはり 昨日の最大の好機ですら動かず➡ 329 00:21:42,134 --> 00:21:47,106 気配を消し続けた桓騎に 苛立っておられるのか…。➡ 330 00:21:47,106 --> 00:21:52,411 長年 側にいるが こんな慶舎様は初めてやもしれぬ> 331 00:21:55,147 --> 00:21:57,082 っ…! 332 00:21:57,082 --> 00:22:00,286 っ… んん…。 333 00:22:00,286 --> 00:22:05,124 <今… 私はゾッとすることを考えた…。➡ 334 00:22:05,124 --> 00:22:08,460 この慶舎様の出陣を見て➡ 335 00:22:08,460 --> 00:22:13,465 もし 今 桓騎が笑っているとしたらーー⁉> 336 00:22:15,534 --> 00:22:18,070 とっ捕まえた敵兵が吐くには➡ 337 00:22:18,070 --> 00:22:23,309 慶舎は“沈黙の狩人” “待ち”の達人なんだと…。 338 00:22:23,309 --> 00:22:27,980 どの戦いでも敵は 張り巡らされたワナに気付かず➡ 339 00:22:27,980 --> 00:22:31,417 先に動いて からめ捕られる。 340 00:22:31,417 --> 00:22:37,289 結局 いつも皆 慶舎の手のひらの上で 踊らされて敗れると。 341 00:22:37,289 --> 00:22:40,192 (桓騎)へー おっかねェな。 342 00:22:40,192 --> 00:22:44,096 ーーで そういう奴に限って➡ 343 00:22:44,096 --> 00:22:48,601 最後は俺の手のひらの上で クリクリ踊って ぶっ殺されて➡ 344 00:22:48,601 --> 00:22:51,937 大グソ漏らすって話だろ? 亻厘玉。 345 00:22:51,937 --> 00:22:55,507 (亻厘玉)っスね クク… 大グソ。 346 00:22:55,507 --> 00:22:59,044 “沈黙の狩人”? 347 00:22:59,044 --> 00:23:03,749 あっさり血相変えて動きやがって ザコが。 348 00:23:05,584 --> 00:23:07,586 ん? っ! 349 00:23:09,455 --> 00:23:11,457 ゼノウ!! 350 00:23:11,457 --> 00:23:15,127 通るぞ ゴグオウ。 351 00:23:15,127 --> 00:23:21,267 ♬~ 352 00:23:21,267 --> 00:23:26,105 ♬~ 353 00:23:26,105 --> 00:23:29,008 ♬「なぁ坊やどうした? ここは戦場だぜ」 354 00:23:29,008 --> 00:23:31,777 ♬「たぎる憎悪のラリー 背馳の成長過程」 355 00:23:31,777 --> 00:23:34,613 ♬「加減も知らず殺気立ったままの剣に」 356 00:23:34,613 --> 00:23:37,816 ♬「発汗する体 カルマか咎 如何に?」 357 00:23:37,816 --> 00:23:40,219 ♬「恒(つね) 現実は不調和な旋律さ」 358 00:23:40,219 --> 00:23:43,055 ♬「冷血なステンレス製の心臓持つ演説者」 359 00:23:43,055 --> 00:23:45,824 ♬「何回目の明滅 また凱旋するテンペスタ」 360 00:23:45,824 --> 00:23:49,995 ♬「アーチかける善悪 もう応答しない生存者」 361 00:23:49,995 --> 00:23:52,898 ♬「花のよう 咲うMy Red」 362 00:23:52,898 --> 00:24:01,340 ♬「守りたいものだって この掌離れれば」 363 00:24:01,340 --> 00:24:07,846 ♬「壊したいものなんて 壊せないものだけ」 364 00:24:11,016 --> 00:24:16,588 ♬「唸る その狂気が 花咲かすダリア」 365 00:24:16,588 --> 00:24:19,491 ♬「振りかざす度 歪んだ定規」 366 00:24:19,491 --> 00:24:22,227 ♬「反射する対照的な正義」 367 00:24:22,227 --> 00:24:27,933 ♬「裏切りのゲリラ 散らす羽たちが」 368 00:24:27,933 --> 00:24:30,703 ♬「飛ぶ鳥の蹴った地面のようさ」 369 00:24:30,703 --> 00:24:35,174 ♬「君にもあるんでしょう? キズツケタクナイモノ」 370 00:24:35,174 --> 00:24:44,383 ♬~ 371 00:24:49,188 --> 00:24:51,690 次回 「キングダム」