1 00:00:01,869 --> 00:00:03,804 (馬印)ーー以上が➡ 2 00:00:03,804 --> 00:00:07,207 お頭がお前たちに伝える最後の命令だ。 3 00:00:07,207 --> 00:00:09,142 っ…。 4 00:00:09,142 --> 00:00:11,778 よいな 心してかかれよ。 5 00:00:11,778 --> 00:00:14,047 ちょっと待てオッサン! ん? 6 00:00:14,047 --> 00:00:16,583 本当に桓騎が言ったのか⁉ 7 00:00:16,583 --> 00:00:19,286 お前たちの役割か? そうだ。 8 00:00:19,286 --> 00:00:21,622 違う! そっちじゃねェ! 9 00:00:21,622 --> 00:00:26,293 本当に桓騎は 今日で戦が終わるって言ったのか⁉ 10 00:00:26,293 --> 00:00:29,396 ああ。 確かに そう言った。 11 00:00:31,064 --> 00:00:51,151 ♬~ 12 00:00:51,151 --> 00:00:57,925 ♬「滴る汗と日差しで閉じた目」 13 00:00:57,925 --> 00:01:04,264 ♬「映し出したのはあなたとの約束」 14 00:01:04,264 --> 00:01:10,771 ♬「意志を紡いだ 導火線に火をつけたら」 15 00:01:10,771 --> 00:01:16,576 ♬「今より強く高く翔べる」 16 00:01:16,576 --> 00:01:23,183 ♬「恐れを知って 哀を知って進むなら」 17 00:01:23,183 --> 00:01:30,724 ♬「己の全て捧げ旗を上げろ」 18 00:01:30,724 --> 00:01:36,296 ♬「掠れた声を何度も張りあげてよ」 19 00:01:36,296 --> 00:01:41,101 ♬「希望を決意を抱いて」 20 00:01:41,101 --> 00:01:59,186 ♬~ 21 00:02:06,193 --> 00:02:08,895 ん! んん…? 22 00:02:08,895 --> 00:02:10,831 …っ! 23 00:02:10,831 --> 00:02:13,233 でっ 伝令を呼べ! 急げ! 24 00:02:17,371 --> 00:02:19,606 (伝令)紀彗様ァっ! ん? 25 00:02:19,606 --> 00:02:22,976 いっ 急いで麓まで来て下さい! 急いでっ…! 26 00:02:22,976 --> 00:02:25,412 麓⁉ (馬呈)敵襲か⁉ 27 00:02:25,412 --> 00:02:27,481 てっ 敵襲ではありません! 28 00:02:27,481 --> 00:02:29,616 あっ あれは…➡ 29 00:02:29,616 --> 00:02:32,085 あれを何と言っていいのか…! 30 00:02:32,085 --> 00:02:35,956 (紀彗 馬呈)っ⁉ (伝令)か 桓騎からは“伝文”も…。 31 00:02:35,956 --> 00:02:39,526 その伝文には… あれは…➡ 32 00:02:39,526 --> 00:02:42,095 あれは紀彗様への贈り物だと!➡ 33 00:02:42,095 --> 00:02:45,032 とっ とにかく急いで下へっ! 34 00:02:45,032 --> 00:02:47,300 金毛。 …? 35 00:02:47,300 --> 00:02:49,703 (紀彗)しばし本陣を頼む…。 36 00:02:55,008 --> 00:02:58,845 っ⁉ オイ! 砦の外まで出て行くのか⁉ 37 00:02:58,845 --> 00:03:02,382 大丈夫です! 一帯に桓騎兵はいません! 38 00:03:02,382 --> 00:03:05,685 こちらの隊も 今 下に広く配置してます! 39 00:03:05,685 --> 00:03:08,789 チッ… 一体何だってんだ! 40 00:03:15,362 --> 00:03:17,297 青公。 41 00:03:17,297 --> 00:03:19,599 城主 こちらです…。 42 00:03:19,599 --> 00:03:21,635 っ…? 43 00:03:21,635 --> 00:03:24,738 <あの青公じィが… 怯えてる?> 44 00:03:29,276 --> 00:03:31,611 ん…? 45 00:03:31,611 --> 00:03:33,613 っ⁉ 46 00:03:37,951 --> 00:03:39,953 (いななき) 47 00:03:56,303 --> 00:03:58,238 な… 何だこりゃ…。 48 00:03:58,238 --> 00:04:01,007 人ではない…。 49 00:04:01,007 --> 00:04:03,477 もはや人の所業ではない! 50 00:04:03,477 --> 00:04:05,479 鬼畜桓騎めがァ!うぐ…。 51 00:04:07,247 --> 00:04:09,683 <あえて 捕らえた兵ではなく➡ 52 00:04:09,683 --> 00:04:13,653 わざわざ黒羊の民を集めて この姿に…➡ 53 00:04:13,653 --> 00:04:17,157 桓騎が この私に見せるために➡ 54 00:04:17,157 --> 00:04:20,026 あえて… 民を…> 55 00:04:20,026 --> 00:04:22,028 っ!! 56 00:04:22,028 --> 00:04:24,865 城主… 恐れながら➡ 57 00:04:24,865 --> 00:04:27,901 これの下に桓騎からの“伝文”が…。 っ! 58 00:04:27,901 --> 00:04:30,604 …そのまま読め。 59 00:04:30,604 --> 00:04:33,507 …ハ。 (馬呈)っ…。 60 00:04:33,507 --> 00:04:39,312 け… “敬愛なる名将 紀彗殿へ”…。 61 00:04:39,312 --> 00:04:44,251 “副将ながら獅子奮迅の活躍お見事”➡ 62 00:04:44,251 --> 00:04:48,021 “その紀彗殿を称えて”➡ 63 00:04:48,021 --> 00:04:51,725 “この骸の巨像を贈る”…。 64 00:04:51,725 --> 00:04:55,929 “じっくりと見て”… “目に焼きつけろ”。 65 00:04:55,929 --> 00:05:00,734 “いいか紀彗”… “これ以上の”…。 66 00:05:00,734 --> 00:05:03,236 くっ… うっ…。 67 00:05:04,938 --> 00:05:07,841 こっ… “これ以上の”っ…➡ 68 00:05:07,841 --> 00:05:13,947 “これ以上の惨劇を お前の離眼城で 起こしてやる故 楽しみにしていろ”と!! 69 00:05:13,947 --> 00:05:16,550 っ!! 70 00:05:16,550 --> 00:05:19,252 なっ 何だと⁉く…! (鐘の音) 71 00:05:19,252 --> 00:05:21,221 (鐘の音) (馬呈)見張り台の鐘⁉ 72 00:05:21,221 --> 00:05:24,658 急報!! 急報ーっ!! (馬呈)どうしたっ⁉ 73 00:05:24,658 --> 00:05:27,961 かっ 桓騎軍が移動し始めました!➡ 74 00:05:27,961 --> 00:05:29,896 あれは…! 東南へっ…!➡ 75 00:05:29,896 --> 00:05:32,465 離眼城の方へ向かっています!! 76 00:05:32,465 --> 00:05:36,970 <さァ どうするよ… 紀彗!> 77 00:05:40,006 --> 00:05:41,942 (金毛)丘を捨てるだとっ⁉ 78 00:05:41,942 --> 00:05:45,579 いっ 言っている意味が 分かっているのか 紀彗! 79 00:05:45,579 --> 00:05:48,248 この丘の占拠が戦の勝利だ! 80 00:05:48,248 --> 00:05:51,885 ここまできて 自らそれを捨てると言うのか! 81 00:05:51,885 --> 00:05:55,722 私は 助けに行かねばならんのだ! 離眼を! 82 00:05:55,722 --> 00:05:57,657 …ハ。 83 00:05:57,657 --> 00:06:00,060 紀彗 冷静になれ! 84 00:06:00,060 --> 00:06:03,930 戦略的に 桓騎軍が離眼城を落とす意味はない!➡ 85 00:06:03,930 --> 00:06:08,802 飛び地の離眼を奪っても 趙軍に包囲され 滅するだけだ! 86 00:06:08,802 --> 00:06:12,539 明らかにあれは お前を誘い出す罠だ! 87 00:06:12,539 --> 00:06:15,242 紀彗軍が去った後 この丘を攻め上がる兵が➡ 88 00:06:15,242 --> 00:06:17,677 必ずどこかに隠してある! 89 00:06:17,677 --> 00:06:20,580 んなことは当然 城主も分かってる! 90 00:06:20,580 --> 00:06:25,552 くッ…! それでも追わねェと… 桓騎のヤロォは➡ 91 00:06:25,552 --> 00:06:28,989 必ず腹いせに離眼を血の海にする!➡ 92 00:06:28,989 --> 00:06:32,192 黒羊の民よりひでェ方法でな! 93 00:06:32,192 --> 00:06:35,695 今こうしている間にも 桓騎は進軍しています! 94 00:06:35,695 --> 00:06:37,731 早く追いましょう 紀彗様! 95 00:06:37,731 --> 00:06:40,267 紀彗様! 紀彗様っ! 96 00:06:40,267 --> 00:06:42,235 金毛…。 97 00:06:42,235 --> 00:06:46,706 紀彗… 三日… いや せめて二日待て! 98 00:06:46,706 --> 00:06:50,677 砦が完成すれば慶舎軍だけで丘を守れる! 99 00:06:50,677 --> 00:06:55,882 無理だ…! 今の離眼は桓騎軍を相手に半日ともたぬ! 100 00:06:55,882 --> 00:06:58,285 (岳嬰)いい加減にしろ! 101 00:06:58,285 --> 00:07:02,923 そんな身勝手が通じるとでも 思っているのか 貴様ら! 102 00:07:02,923 --> 00:07:06,793 ここまできて戦の放棄など この俺が許さぬ! 103 00:07:06,793 --> 00:07:08,828 どうしても行くと言うのなら➡ 104 00:07:08,828 --> 00:07:11,631 殺してでも 貴様をここに留めるまでだ➡ 105 00:07:11,631 --> 00:07:13,867 紀彗! っ⁉ 106 00:07:13,867 --> 00:07:17,837 その前に俺がてめェをぶっ殺す!! 107 00:07:17,837 --> 00:07:20,407 ほう 申したな… 下郎っ! 108 00:07:20,407 --> 00:07:23,076 止めろ岳嬰! っ! 109 00:07:23,076 --> 00:07:25,845 もしこの場で紀彗を殺せば➡ 110 00:07:25,845 --> 00:07:30,750 全ての離眼兵は 決死隊となって我らに襲いかかる! 111 00:07:30,750 --> 00:07:35,588 それが 今の趙軍にとって 最悪の道であると気付かぬと言うなら➡ 112 00:07:35,588 --> 00:07:38,925 お前は歩兵からやり直してこい 岳嬰! 113 00:07:38,925 --> 00:07:40,860 っ…! 114 00:07:40,860 --> 00:07:43,129 金毛様…。 115 00:07:43,129 --> 00:07:48,268 (金毛)今我々は この戦いの “勝ち”か“負け”のどちらを選ぶかという➡ 116 00:07:48,268 --> 00:07:51,171 究極の選択を突きつけられているのだ! 117 00:07:51,171 --> 00:07:55,608 あのっ… 桓騎から! 118 00:07:55,608 --> 00:08:00,447 そしてその決断を下すのは 無論 軍の大将…➡ 119 00:08:00,447 --> 00:08:03,750 今の趙軍で実質的総大将である➡ 120 00:08:03,750 --> 00:08:05,785 紀彗だ! っ! 121 00:08:05,785 --> 00:08:08,555 金毛 貴様っ! 122 00:08:08,555 --> 00:08:10,490 金毛…。 123 00:08:10,490 --> 00:08:12,492 ぁ…! 124 00:08:12,492 --> 00:08:17,197 くっ…! だが最後に 中央の武将として➡ 125 00:08:17,197 --> 00:08:20,100 離眼城城主 紀彗に 言っておくことがある! 126 00:08:20,100 --> 00:08:22,035 …っ! 127 00:08:22,035 --> 00:08:24,938 我々慶舎軍は離眼のためではなく➡ 128 00:08:24,938 --> 00:08:28,575 “趙国を守るために” 黒羊に戦いに来たのだ! 129 00:08:28,575 --> 00:08:30,643 っ! 130 00:08:30,643 --> 00:08:37,684 (金毛)黒羊を失えば ここを拠点に 周囲一帯が秦国軍の侵略を受けるだろう。 131 00:08:37,684 --> 00:08:40,620 離眼は その中の一城にすぎず➡ 132 00:08:40,620 --> 00:08:44,457 実際そうなった時 どれほどの趙の人びとの血が流れるか➡ 133 00:08:44,457 --> 00:08:49,763 命が失われるか 予測すら立たぬ! 134 00:08:49,763 --> 00:08:54,601 そして一帯全てが秦の領土と化した時 言うまでもなく➡ 135 00:08:54,601 --> 00:09:00,206 そこからさらに幅広く奥深くまで 次の侵略を受ける! 136 00:09:00,206 --> 00:09:03,843 そうさせぬための黒羊戦だったのだ!! 137 00:09:03,843 --> 00:09:07,747 それを防ぐために皆は戦い 血を流し➡ 138 00:09:07,747 --> 00:09:10,617 その大義のために死んだのだ! 139 00:09:10,617 --> 00:09:13,086 っ…! 140 00:09:13,086 --> 00:09:19,325 離眼一城を救いに行くというのなら その全てが無に帰すことになる! 141 00:09:19,325 --> 00:09:25,131 離眼一城のために 趙国西部一帯が失われるやも知れぬのだ! 142 00:09:25,131 --> 00:09:29,536 それほど… それほど重い選択なのだ!! 143 00:09:29,536 --> 00:09:32,939 よく考えて決断しろ 紀彗!! 144 00:09:34,441 --> 00:09:36,543 っ…。 145 00:09:40,013 --> 00:09:42,082 っ…。 146 00:09:42,082 --> 00:09:44,484 じょ… 城主…。 147 00:09:49,456 --> 00:09:51,758 っ…。 148 00:09:51,758 --> 00:09:53,760 私は…。 149 00:09:58,531 --> 00:10:00,467 どう? お父。 150 00:10:00,467 --> 00:10:04,270 おー よくできてるじゃないか 佳徳。 151 00:10:04,270 --> 00:10:09,109 紀彗様が無事に帰ってこられるように みんなでたくさん作ってるんだよ。 152 00:10:09,109 --> 00:10:11,478 おー そうかそうか。 153 00:10:11,478 --> 00:10:14,114 おっ おい あれっ…! へ? 154 00:10:14,114 --> 00:10:16,616 あっ! なっ…! 155 00:10:16,616 --> 00:10:20,153 ぐっ 軍だッ! もっ もの凄い数の! 156 00:10:20,153 --> 00:10:22,922 バッ 馬鹿な! 紀彗様から…➡ 157 00:10:22,922 --> 00:10:25,325 黒羊から何か連絡はあったか⁉ 158 00:10:25,325 --> 00:10:29,028 何もない! 黒羊からは二日前から何もっ…! 159 00:10:29,028 --> 00:10:31,431 (鐘の音) 160 00:10:31,431 --> 00:10:34,934 敵襲!! 敵襲だ!! 皆地下に入れ! 161 00:10:34,934 --> 00:10:37,403 桓騎だっ! 桓騎が来たぞォッ! 162 00:10:37,403 --> 00:10:40,039 バカな 黒羊が抜かれたのか⁉ 163 00:10:40,039 --> 00:10:43,910 では紀彗様たちは…⁉ まっ… 負けたのか⁉ 164 00:10:43,910 --> 00:10:46,813 (泣き声)紀彗様…! 紀彗様が! 165 00:10:46,813 --> 00:10:48,748 いいから早く地下へ! 166 00:10:48,748 --> 00:10:51,451 桓騎軍はもう目の前まで来てるぞ! 167 00:10:51,451 --> 00:10:54,320 何してる佳徳! 早く下に行け! 168 00:10:54,320 --> 00:10:56,289 ばァさんと地下に…! っ…! 169 00:10:56,289 --> 00:10:58,491 …お父! え⁉ 170 00:11:13,273 --> 00:11:15,708 (子供たち)紀彗様ァっ! 171 00:11:15,708 --> 00:11:19,078 (子供たちの泣き声) 紀彗様! よくぞご帰還をっ! 172 00:11:19,078 --> 00:11:21,781 っ…! 173 00:11:21,781 --> 00:11:25,051 …家臣たちを集めよ。 っ! 174 00:11:25,051 --> 00:11:29,455 (紀彗) 離眼を… 離れる準備をせねばならぬ! 175 00:11:36,062 --> 00:11:39,532 時は二日前に遡るーー。 176 00:11:39,532 --> 00:11:44,370 桓騎のヤロォは マジで俺らだけで この丘取れって言ってんのかよ! 177 00:11:44,370 --> 00:11:46,940 飛信隊だけじゃない。 178 00:11:46,940 --> 00:11:50,810 伝令の話では 他にも桓騎兵が伏せてある。 179 00:11:50,810 --> 00:11:53,613 それも そんなすげェ 数じゃねェだろ! 180 00:11:53,613 --> 00:11:56,516 桓騎軍は大半が 黒羊を離れやがった! 181 00:11:56,516 --> 00:11:58,918 信殿 シーッ! 182 00:11:58,918 --> 00:12:02,288 大体 丘を占拠しちまった趙軍が➡ 183 00:12:02,288 --> 00:12:05,491 わざわざ その桓騎軍を追って 丘から降りるって読みが➡ 184 00:12:05,491 --> 00:12:08,261 大間違いじゃねェのか⁉ (河了貂)そのとおり! 185 00:12:08,261 --> 00:12:12,065 ふつうに考えりゃ そんなバカなマネ…。…っ⁉ あっ! 186 00:12:12,065 --> 00:12:15,001 (渕)信殿! 趙軍が丘を降りて行く!! 187 00:12:15,001 --> 00:12:17,870 なっ… まっ マジか! 188 00:12:17,870 --> 00:12:20,273 奴らっ… 何で…。 189 00:12:22,675 --> 00:12:24,677 よっしゃあーっ! 190 00:12:27,680 --> 00:12:31,384 (羌瘣)お前が恐れるようなことは 離眼では起こさせない。 191 00:12:34,153 --> 00:12:39,292 この時 丘を占拠していた趙軍の およそ半分を占める紀彗軍が➡ 192 00:12:39,292 --> 00:12:43,162 下へ降り 丘を後にした。 193 00:12:43,162 --> 00:12:46,899 桓騎の背を捉える! 飛ばすぞ!! (離眼兵たち)ハハッ!! 194 00:12:46,899 --> 00:12:54,507 一方 金毛・岳嬰率いる慶舎軍は丘に留まり 徹底抗戦の構えを示した。 195 00:12:54,507 --> 00:12:56,509 (桓騎兵たち) しゃあ!オラァ! 196 00:12:58,311 --> 00:13:00,413 死ね! クズどもが! 197 00:13:02,682 --> 00:13:05,585 うぅぅ…! ぐあはっ! 198 00:13:05,585 --> 00:13:07,987 ルアア!! 199 00:13:09,889 --> 00:13:13,192 (去亥)信! 奴ら続々と 丘から降りていってるぞ! 200 00:13:13,192 --> 00:13:15,228 (松左)こっちもだ 隊長! 201 00:13:15,228 --> 00:13:18,131 信殿 これは我々の…。 202 00:13:18,131 --> 00:13:20,767 (兵たち)うおぉーっ! よっしゃー! 203 00:13:20,767 --> 00:13:22,802 …ああ。 204 00:13:22,802 --> 00:13:27,240 岳嬰 行くぞ! 先に行け! 後から追う! 205 00:13:27,240 --> 00:13:30,476 ならん! ここで死ねば負け犬で終わるだけだぞ! 206 00:13:30,476 --> 00:13:32,812 ぅうっ…! 207 00:13:32,812 --> 00:13:35,748 (金毛)慶舎様の仇を討つためにも生きろ! 208 00:13:35,748 --> 00:13:39,285 無念だが… ここまでだ! 209 00:13:39,285 --> 00:13:42,255 黒羊から撤退する…!! 210 00:13:42,255 --> 00:13:46,626 五日目夕刻 趙軍 全軍撤退ーー。 211 00:13:46,626 --> 00:13:52,565 よって黒羊丘の戦いは 秦軍の完全勝利に終わった。 212 00:13:52,565 --> 00:13:57,270 一方 桓騎は 紀彗軍が追って来たことを確認すると➡ 213 00:13:57,270 --> 00:14:02,475 十分 引きつけてから分散し 四方へ逃走した。 214 00:14:02,475 --> 00:14:04,510 そして➡ 215 00:14:04,510 --> 00:14:07,714 すでに桓騎軍が占領した中央の丘にーー。 216 00:14:09,849 --> 00:14:12,752 ゆっくりと登頂したのである。 (大歓声) 217 00:14:12,752 --> 00:14:17,356 (大歓声) 218 00:14:20,259 --> 00:14:26,132 (笑い声や騒ぐ声) 219 00:14:26,132 --> 00:14:29,502 またどっかから女連れてきてやがる…。 220 00:14:29,502 --> 00:14:32,905 圧倒的勝利⁉ (河了貂)うん…。➡ 221 00:14:32,905 --> 00:14:38,411 那貴たちにも少し手伝ってもらって 戦の全容が だいぶ見えてきた…。 222 00:14:38,411 --> 00:14:41,614 そしたら桓騎のとんでもなさが 浮き彫りとなった。 223 00:14:41,614 --> 00:14:43,549 っ⁉ 224 00:14:43,549 --> 00:14:46,819 昨日オレたちが 慶舎を討とうとしていた頃➡ 225 00:14:46,819 --> 00:14:51,124 桓騎はすでに“標的”を 慶舎から紀彗に移していた。 226 00:14:51,124 --> 00:14:53,192 っ⁉ 227 00:14:53,192 --> 00:14:55,995 くっ… それで…➡ 228 00:14:55,995 --> 00:14:58,865 特別な拷問係を呼んで➡ 229 00:14:58,865 --> 00:15:03,436 捕らえた離眼兵から 紀彗の過去を全て聞き出した。 230 00:15:03,436 --> 00:15:09,542 この四日間 両軍が必死に繰り広げていた 丘取り合戦を いきなり止めて➡ 231 00:15:09,542 --> 00:15:13,346 全ての兵を丘から降ろして 趙軍に明け渡した! 232 00:15:13,346 --> 00:15:14,981 えっ⁉ 233 00:15:14,981 --> 00:15:19,452 (河了貂)そして趙軍に 丘の砦化を進めさせる一方で➡ 234 00:15:19,452 --> 00:15:23,256 桓騎は黒羊の村焼きを行い➡ 235 00:15:23,256 --> 00:15:26,259 一般人の死体を集めた。 236 00:15:26,259 --> 00:15:30,029 その死体を紀彗に見せて脅したんだ。 237 00:15:30,029 --> 00:15:32,465 “離眼を同じ目に遭わせるぞ”と。 238 00:15:32,465 --> 00:15:34,700 ぁ…。 239 00:15:34,700 --> 00:15:40,039 (河了貂)それで紀彗は 自ら丘を捨て離眼救出に向かい…➡ 240 00:15:40,039 --> 00:15:42,475 趙軍は敗れた。 241 00:15:42,475 --> 00:15:46,112 じゃ じゃあ 結果的に あの村焼きのおかげで➡ 242 00:15:46,112 --> 00:15:47,713 秦軍が勝ったことに…! 243 00:15:47,713 --> 00:15:49,982 ぐっ! あたーっ…。昂! 244 00:15:49,982 --> 00:15:52,285 昂の言うとおり。 っ! 245 00:15:52,285 --> 00:15:54,387 それで勝ったんだ。 246 00:15:56,722 --> 00:15:59,392 戦争四日目で大局も動き➡ 247 00:15:59,392 --> 00:16:04,564 どう丘を攻略するかと 軍略家なら前のめりになるところで➡ 248 00:16:04,564 --> 00:16:10,670 桓騎は丘ではなく 紀彗一人を的にした戦いに切り替えた! 249 00:16:10,670 --> 00:16:14,373 そして 村人たちの死体を必殺の武器として➡ 250 00:16:14,373 --> 00:16:17,910 紀彗の 弱点をえぐり 丘から引きずり降ろして➡ 251 00:16:17,910 --> 00:16:21,214 黒羊戦を勝利に導いた…。 252 00:16:21,214 --> 00:16:25,117 こんなの… 軍略でも戦術でもない…。 253 00:16:25,117 --> 00:16:28,354 こんな勝ち方…➡ 254 00:16:28,354 --> 00:16:30,690 昌平君でも李牧でも➡ 255 00:16:30,690 --> 00:16:32,658 決して真似できやしない! 256 00:16:32,658 --> 00:16:36,229 っ! だが真似できない分➡ 257 00:16:36,229 --> 00:16:40,099 こんな圧勝劇も お頭ならではだ。 っ…。 258 00:16:40,099 --> 00:16:43,603 この丘は 取ってからの砦化も難題だったが➡ 259 00:16:43,603 --> 00:16:49,075 お頭は それもまんまと趙軍にやらせて 完成に近い状態で手に入れた。 260 00:16:49,075 --> 00:16:52,612 (慶 尾平)あっ! (那貴)そして何より“数”だ。 261 00:16:52,612 --> 00:16:56,249 消耗戦となるはずだった 丘取り合戦を止めたおかげで➡ 262 00:16:56,249 --> 00:16:59,485 戦死者の数が開戦前の予想の…➡ 263 00:16:59,485 --> 00:17:01,420 半分以下だったんだ! 264 00:17:01,420 --> 00:17:03,422 半分以下⁉ 265 00:17:03,422 --> 00:17:09,161 結果だけ見れば 大軍略家の出せる以上の 結果を叩き出したことになる…! 266 00:17:09,161 --> 00:17:11,230 ちょっと待て! 267 00:17:11,230 --> 00:17:15,334 あんなふざけたヤロォが 李牧以上だとでも言うのかよ! 268 00:17:15,334 --> 00:17:17,270 くっ…! 269 00:17:17,270 --> 00:17:19,872 ふざけんな… 何なんだ…! 270 00:17:21,641 --> 00:17:24,543 あいつは一体 何なんだっ! 271 00:17:27,880 --> 00:17:30,182 お頭は謎の多い人だ。 272 00:17:30,182 --> 00:17:34,954 …!何であんなに強いのか 家族はいるのか。➡ 273 00:17:34,954 --> 00:17:37,490 そもそも どこから来たのか…。➡ 274 00:17:37,490 --> 00:17:39,959 雷土ら幹部たちでさえ知らない。 275 00:17:39,959 --> 00:17:42,562 ん? お頭は? 276 00:17:42,562 --> 00:17:45,464 だが昔 一度だけ➡ 277 00:17:45,464 --> 00:17:48,200 俺は最古参だという者から➡ 278 00:17:48,200 --> 00:17:51,704 お頭の“根っこ”の部分について 聞いたことがある。 279 00:17:51,704 --> 00:17:54,473 桓騎の…“根っこ”? 280 00:17:54,473 --> 00:17:57,376 ああ。 あの冷酷 無慈悲で➡ 281 00:17:57,376 --> 00:18:00,813 戦は負け知らずの天才の“中心”…➡ 282 00:18:00,813 --> 00:18:04,517 “根っこ”には何があるのかってな。 283 00:18:04,517 --> 00:18:07,820 そしたらそいつは こう言った。 284 00:18:07,820 --> 00:18:10,222 “怒り”…。 285 00:18:10,222 --> 00:18:15,027 桓騎の“根”にあるのは 岩をも溶かすほどの“怒り”だ。 286 00:18:15,027 --> 00:18:17,663 っ⁉ 怒り…⁉ 287 00:18:17,663 --> 00:18:20,766 何に対しての… “怒り”だ⁉ 288 00:18:24,270 --> 00:18:26,372 (那貴) “全て”に対してだ。 289 00:18:28,874 --> 00:18:30,810 (河了貂)ちょっと待ってよ! 290 00:18:30,810 --> 00:18:34,547 西の丘一つを 飛信隊だけで砦化なんて無茶だよ! 291 00:18:34,547 --> 00:18:39,385 それに加えて 黒羊の外側の警邏隊も やれなんて 冗談じゃない! 292 00:18:39,385 --> 00:18:43,356 でも まだ八千のうち 五千くらいはいますよね? 293 00:18:43,356 --> 00:18:45,691 重傷者ばかりだ! 294 00:18:45,691 --> 00:18:49,161 うちは慶舎本陣の奇襲を受けた時に ボロボロに…! 295 00:18:49,161 --> 00:18:52,064 それは てめェらが アホだからだろうが。 296 00:18:52,064 --> 00:18:55,368 お頭みてェに ちゃんと ここ使って戦わねーから➡ 297 00:18:55,368 --> 00:18:58,270 バカみてェに バンバン死傷者出すんだ 間抜け。 298 00:18:58,270 --> 00:19:01,640 ふざけんな! あれは…! もういい テン。 299 00:19:01,640 --> 00:19:05,611 持ち場と役目は分かった。 もういいか?信! 300 00:19:05,611 --> 00:19:08,047 フー…。 301 00:19:08,047 --> 00:19:11,417 くれぐれもさぼらぬよう お願いしますよ。 302 00:19:11,417 --> 00:19:15,087 監視役の那貴さんは もう桓騎軍に戻りましたので。 303 00:19:15,087 --> 00:19:17,623 (慶 尾平)えっ…⁉ 304 00:19:17,623 --> 00:19:21,827 桓騎は今何してる。 あれから顔も出さねェで。 305 00:19:21,827 --> 00:19:26,065 あ? 何で てめェごときに イチイチ顔見せなきゃなんねェんだよ! 306 00:19:26,065 --> 00:19:29,935 ご心配なく。 上で楽しくやってます。 307 00:19:29,935 --> 00:19:32,838 自惚れんなよ 元下僕…。 308 00:19:32,838 --> 00:19:37,343 てめェなんざ最初っから お頭の眼中にすら入ってねェんだよ!➡ 309 00:19:37,343 --> 00:19:39,745 こっから先も一生な! 310 00:19:46,585 --> 00:19:48,688 (羌瘣)うかない顔だな。 っ! 311 00:19:50,456 --> 00:19:52,458 …羌瘣。 312 00:19:57,930 --> 00:20:02,468 見せつけられたな 奴の言う大人の戦いを。 313 00:20:02,468 --> 00:20:06,038 ああ… 戦い方はクソだが➡ 314 00:20:06,038 --> 00:20:09,475 結果は真正面から 受け止めねェといけねェと思う。 315 00:20:09,475 --> 00:20:13,879 桓騎とは まだこの先も 戦場を共にする機会があるだろうからな。 316 00:20:16,582 --> 00:20:20,386 奴が強かろうと 制止すべきところは制止すべきだ。 317 00:20:20,386 --> 00:20:25,725 もちろんだ。 だがそのためには 奴の上に行く必要がある。 318 00:20:25,725 --> 00:20:28,828 桓騎より先に大将軍になる。 319 00:20:31,163 --> 00:20:33,466 先は難しいな。 ぬっ⁉ 320 00:20:35,034 --> 00:20:38,304 だが並びさえすれば十分止められる。 321 00:20:38,304 --> 00:20:40,272 悩むことはないだろ 信。 322 00:20:40,272 --> 00:20:44,110 お前は尾平に言ったように➡ 323 00:20:44,110 --> 00:20:48,314 お前のやり方で 天下の大将軍になればいいんだ。 324 00:20:52,551 --> 00:20:55,521 ああ 分かってる。 325 00:20:55,521 --> 00:21:02,228 <桓騎… お前が何をどう思ってるか 知んねェが… 俺は絶対ーー> 326 00:21:02,228 --> 00:21:07,233 ルオオオオオオ!! <お前に負けはしねェからな> 327 00:21:07,233 --> 00:21:10,402 羌瘣っ! ついでに気合い入れに 一発ぶんな…! 328 00:21:10,402 --> 00:21:13,606 ちょっ 早っ 待っ やっぱ平手っ! 329 00:21:13,606 --> 00:21:15,608 ぐお゛ァッ! 330 00:21:18,177 --> 00:21:25,384 黒羊の戦いは 桓騎の強さと恐ろしさを 中華に広める結果となった。 331 00:21:25,384 --> 00:21:29,922 一方 飛信隊は 大将桓騎への反逆行為の咎により➡ 332 00:21:29,922 --> 00:21:33,793 慶舎討ち取りの戦果は相殺とされた。 がーー➡ 333 00:21:33,793 --> 00:21:41,133 その際に信の思いを皆が聞いたことで 隊の結束は より強くなった。 334 00:21:41,133 --> 00:21:45,304 そして その風にあたって心揺れた者がーー。 335 00:21:45,304 --> 00:21:47,273 (雷土)ンだとてめェ! 336 00:21:47,273 --> 00:21:50,643 もう一回言ってみろ! 那貴てめェ! 337 00:21:50,643 --> 00:21:53,546 (那貴)別に騒ぐほどのことじゃない…。 338 00:21:53,546 --> 00:21:57,416 ただ飛信隊に移ると言っているだけだ。 339 00:21:57,416 --> 00:22:01,687 内臓ぶちまけられてェのか てめェ! 340 00:22:01,687 --> 00:22:04,156 そう熱くなるなよ雷土。 341 00:22:04,156 --> 00:22:06,692 ここは軍であって軍じゃない。 342 00:22:06,692 --> 00:22:11,363 堅苦しい縛りがないところが 桓騎軍のいいところだろ。 343 00:22:11,363 --> 00:22:14,266 いいスよね お頭。 344 00:22:16,035 --> 00:22:18,571 理由だけ教えろ 那貴。 345 00:22:18,571 --> 00:22:23,275 ただの気まぐれですよ… いつもの。 346 00:22:23,275 --> 00:22:26,712 そうっスね… まー強いてあげるなら➡ 347 00:22:26,712 --> 00:22:30,616 飛信隊で食う飯って うまいんスよね 意外と。 348 00:22:34,887 --> 00:22:36,822 ぁ…。 349 00:22:36,822 --> 00:22:38,757 行かせるかよ。 350 00:22:38,757 --> 00:22:40,759 ぶち殺せっ! 351 00:22:43,295 --> 00:22:47,166 (尾平) なっ 那貴だっ! なんかいっぱい来たぞ! 352 00:22:47,166 --> 00:22:49,168 (飛信隊兵)皆ケガしてるぞ? 353 00:22:51,036 --> 00:22:53,272 へへっ。 354 00:22:53,272 --> 00:22:59,411 ♬~ 355 00:22:59,411 --> 00:23:04,250 ♬~ 356 00:23:04,250 --> 00:23:07,086 ♬「なぁ坊やどうした? ここは戦場だぜ」 357 00:23:07,086 --> 00:23:09,855 ♬「たぎる憎悪のラリー 背馳の成長過程」 358 00:23:09,855 --> 00:23:12,691 ♬「加減も知らず殺気立ったままの剣に」 359 00:23:12,691 --> 00:23:15,895 ♬「発汗する体 カルマか咎 如何に?」 360 00:23:15,895 --> 00:23:18,264 ♬「恒(つね) 現実は不調和な旋律さ」 361 00:23:18,264 --> 00:23:21,133 ♬「冷血なステンレス製の心臓持つ演説者」 362 00:23:21,133 --> 00:23:23,902 ♬「何回目の明滅 また凱旋するテンペスタ」 363 00:23:23,902 --> 00:23:28,073 ♬「アーチかける善悪 もう応答しない生存者」 364 00:23:28,073 --> 00:23:30,976 ♬「花のよう 咲うMy Red」 365 00:23:30,976 --> 00:23:39,485 ♬「守りたいものだって この掌離れれば」 366 00:23:39,485 --> 00:23:45,991 ♬「壊したいものなんて 壊せないものだけ」 367 00:23:49,161 --> 00:23:54,733 ♬「唸る その狂気が 花咲かすダリア」 368 00:23:54,733 --> 00:23:57,636 ♬「振りかざす度 歪んだ定規」 369 00:23:57,636 --> 00:24:00,272 ♬「反射する対照的な正義」 370 00:24:00,272 --> 00:24:06,011 ♬「裏切りのゲリラ 散らす羽たちが」 371 00:24:06,011 --> 00:24:08,781 ♬「飛ぶ鳥の蹴った地面のようさ」 372 00:24:08,781 --> 00:24:13,252 ♬「君にもあるんでしょう? キズツケタクナイモノ」 373 00:24:13,252 --> 00:24:22,461 ♬~ 374 00:24:28,600 --> 00:24:31,303 (李牧)私の落ち度です…。➡ 375 00:24:31,303 --> 00:24:34,206 桓騎の力を見誤りました。 376 00:24:34,206 --> 00:24:36,809 ここで慶舎に誓っておきます。 377 00:24:38,877 --> 00:24:42,081 私がこの手で仇を討つと。 378 00:24:49,021 --> 00:24:51,223 次回 「キングダム」 379 00:25:01,767 --> 00:25:05,604 黒羊戦の勝利の余韻も冷めやらぬ 咸陽ーー。 380 00:25:05,604 --> 00:25:07,906 (伝令)きゅっ 急報!! 381 00:25:07,906 --> 00:25:10,609 さっ 蔡沢様からの急報です! 382 00:25:10,609 --> 00:25:12,678 この伝書の封は たしか…! 383 00:25:12,678 --> 00:25:15,481 蔡沢様から⁉ 燕からか⁉ 384 00:25:15,481 --> 00:25:19,451 <あの 朱と青の封は…> 385 00:25:19,451 --> 00:25:22,921 <国運に関わる知らせの封ーー> 386 00:25:25,124 --> 00:25:28,494 蔡沢の急報から数日後ーー。 387 00:25:28,494 --> 00:25:35,300 ものものしい警備の中 国籍不明の一旅団が咸陽に到着した。 388 00:25:35,300 --> 00:25:38,737 「史記 秦始皇本紀」より抜粋ーー。 389 00:25:38,737 --> 00:25:41,507 あぁ…! 始皇十年。 390 00:25:41,507 --> 00:25:44,676 斉と趙が秦に来朝したーー。 391 00:25:49,381 --> 00:25:53,052 (文官) 一体どういうおつもりですか 蔡沢様っ! 392 00:25:53,052 --> 00:25:56,021 (文官) 今最大の敵となっている趙国の宰相➡ 393 00:25:56,021 --> 00:25:58,290 李牧を連れて来るなど…! 394 00:25:58,290 --> 00:26:00,559 しっ しかも もう一人っ…! 395 00:26:00,559 --> 00:26:02,995 斉の大王ご本人までっ…! 396 00:26:02,995 --> 00:26:05,898 (文官)何の相談もなく こんな…! 397 00:26:05,898 --> 00:26:07,900 ヒョッヒョ…。 398 00:26:07,900 --> 00:26:12,371 独断 無断で動いたことは心から詫びる。 399 00:26:12,371 --> 00:26:16,809 じゃが 段取りを踏んでおると危険度も増すし➡ 400 00:26:16,809 --> 00:26:20,479 何より実現が困難であったろうて。 401 00:26:20,479 --> 00:26:23,315 当たり前です! って言うかっ…➡ 402 00:26:23,315 --> 00:26:27,686 一体何で あの二人も自らこの敵地のど真ん中にッ! 403 00:26:27,686 --> 00:26:32,191 さすがに話が見えてきませぬ 蔡沢様。 404 00:26:32,191 --> 00:26:36,061 まずは そもそもなぜ あの二人を。 405 00:26:36,061 --> 00:26:38,097 …。 406 00:26:38,097 --> 00:26:40,265 一人じゃ。 407 00:26:40,265 --> 00:26:42,201 (文官たち)はァー⁉ 408 00:26:42,201 --> 00:26:44,136 斉王か。 409 00:26:44,136 --> 00:26:46,205 いかにも。 410 00:26:46,205 --> 00:26:50,809 斉王が咸陽まで来るには 趙国を通らねばならぬ。 411 00:26:50,809 --> 00:26:52,744 (文官たち)っ! 412 00:26:52,744 --> 00:26:55,180 (蔡沢)その旨 趙に伝えたところ➡ 413 00:26:55,180 --> 00:26:59,918 無事に通す条件として金とは別に➡ 414 00:26:59,918 --> 00:27:04,756 李牧も同行して 秦王と謁見する機会を➡ 415 00:27:04,756 --> 00:27:09,361 と言われたので “可”として連れて来た。 416 00:27:09,361 --> 00:27:11,797 王をないがしろにして そんなっ…! 417 00:27:11,797 --> 00:27:13,732 大逆罪ですぞ! 418 00:27:13,732 --> 00:27:15,734 たしかにな。 419 00:27:15,734 --> 00:27:20,005 ならばこの小首は その辺の棒キレで叩き折ればよい。 420 00:27:22,274 --> 00:27:24,610 じゃがな➡ 421 00:27:24,610 --> 00:27:29,448 かつて 東帝・西帝と中華に恐れられた 時代もあった➡ 422 00:27:29,448 --> 00:27:33,151 東の斉王と西の秦王が➡ 423 00:27:33,151 --> 00:27:37,422 直接会って対話する意味を考えると➡ 424 00:27:37,422 --> 00:27:42,794 この干からびた首など 蝶の羽より軽いものだぞ。 425 00:27:42,794 --> 00:27:47,166 大王 この蔡沢の最後の仕事として➡ 426 00:27:47,166 --> 00:27:50,702 お引き受け頂けませぬか。 427 00:27:50,702 --> 00:27:54,640 列国を滅ぼさんとする王として➡ 428 00:27:54,640 --> 00:27:58,844 それを 東の玉座で受けて立つであろう斉王と➡ 429 00:27:58,844 --> 00:28:01,914 舌鋒をお交わし下さい。 430 00:28:05,450 --> 00:28:10,289 (昌文君)せっ 斉王との会談は 何の話なのか不明なので➡ 431 00:28:10,289 --> 00:28:15,694 本殿ではなく 人目につかぬ方紀殿で 密かに執り行います! 432 00:28:15,694 --> 00:28:18,597 李牧の方は⁉ 待たせています! 433 00:28:18,597 --> 00:28:21,500 あちらは本殿にて謁見を!➡ 434 00:28:21,500 --> 00:28:25,771 李牧も何の目的で乗り込んで来たのか 不明ですが➡ 435 00:28:25,771 --> 00:28:29,207 とっ とにかく斉王をっ…! 436 00:28:29,207 --> 00:28:31,944 あれが方紀殿か? (昌文君)ハッ! 437 00:28:31,944 --> 00:28:34,813 斉王は? (昌文君)まだ下におられます! 438 00:28:34,813 --> 00:28:37,716 くそっ… いきなりやって来ておいて➡ 439 00:28:37,716 --> 00:28:41,320 “長居せぬ故 すぐに場を設けよ”などと…➡ 440 00:28:41,320 --> 00:28:44,156 …ん? ヒョッヒョ。 441 00:28:44,156 --> 00:28:46,491 あっ…!っ! 442 00:28:46,491 --> 00:28:48,427 よォ 秦王。 443 00:28:48,427 --> 00:28:50,896 <斉王ーー> 444 00:28:50,896 --> 00:28:53,799 急かしてすまぬなァ 秦丞相。 445 00:28:53,799 --> 00:28:56,401 っ! は…! 446 00:28:56,401 --> 00:28:58,604 い… いえ…。 447 00:29:00,672 --> 00:29:03,942 (王建)おー うまそうだな。➡ 448 00:29:03,942 --> 00:29:06,178 これは何だ? 449 00:29:06,178 --> 00:29:08,780 (女官)牛の舌の塩焼きでございます。 450 00:29:08,780 --> 00:29:13,485 蔡沢に言って 秦の美食を用意させている。 451 00:29:13,485 --> 00:29:18,323 と言うわけで 食べながら話すぞ 秦王。 よいな? 452 00:29:18,323 --> 00:29:20,859 なっ… お待ち下さい! 453 00:29:20,859 --> 00:29:25,264 大国の大王お二人の会談が こんな踊り場でなど…! 454 00:29:25,264 --> 00:29:30,235 今 あの方紀殿で準備が進んでいますので そちらで! 455 00:29:30,235 --> 00:29:35,907 密室で ただしゃべるだけなら わざわざ秦まで足を運ばぬわ。 456 00:29:35,907 --> 00:29:37,843 儂はーー➡ 457 00:29:37,843 --> 00:29:42,581 秦という国と王を感じに ここまで来たのだ➡ 458 00:29:42,581 --> 00:29:44,783 丞相よ。 っ! 459 00:29:46,451 --> 00:29:48,787 分かった。 ここでやろう。 460 00:29:48,787 --> 00:29:50,856 だっ 大王様! 461 00:29:50,856 --> 00:29:53,191 フッ…。➡ 462 00:29:53,191 --> 00:29:58,497 ならば始めるぞ。 席は王二人と蔡沢の三席しかない。➡ 463 00:29:58,497 --> 00:30:01,133 悪いが丞相らは外せ。 464 00:30:01,133 --> 00:30:03,969 わ 我々も外せとっ⁉ 465 00:30:03,969 --> 00:30:08,774 いやいや。…? 儂はただの橋渡し役。 466 00:30:08,774 --> 00:30:11,443 こちらで見守るとしよう。 467 00:30:11,443 --> 00:30:13,879 一席は丞相に。 468 00:30:13,879 --> 00:30:16,548 …二人いるようだが? 469 00:30:16,548 --> 00:30:19,451 悪いが退がってくれるか? 470 00:30:19,451 --> 00:30:22,421 昌平君。 っ!っ! 471 00:30:22,421 --> 00:30:25,257 っ…? …ハ。 472 00:30:25,257 --> 00:30:28,160 (昌平君)行くぞ 介億。 (介億)…ハハ。 473 00:30:28,160 --> 00:30:30,162 …。 474 00:30:30,162 --> 00:30:35,467 給仕たちも全員下がれ。 食は楽しむがーー➡ 475 00:30:35,467 --> 00:30:38,470 これより重い話をする。 476 00:30:42,240 --> 00:30:45,444 これ 酒だけここに。 ハ…。 477 00:30:48,113 --> 00:30:51,083 <なぜ蔡沢様は… 私を> 478 00:30:51,083 --> 00:30:53,418 (王建)さて。 っ! 479 00:30:53,418 --> 00:30:56,788 では改めてーー。 480 00:30:56,788 --> 00:30:58,724 ーーっ⁉ 481 00:30:58,724 --> 00:31:02,327 第八代斉王 王建である! 482 00:31:02,327 --> 00:31:04,896 <で でかい…!➡ 483 00:31:04,896 --> 00:31:07,699 これが東の大国 斉のっ…> 484 00:31:10,135 --> 00:31:13,438 第三十一代秦王 羸政である! 485 00:31:13,438 --> 00:31:15,974 っ! うぉっ 熱っ⁉ 486 00:31:15,974 --> 00:31:19,077 <今度は大王様から熱風がっ!!> 487 00:31:20,812 --> 00:31:22,781 ホウ。 488 00:31:22,781 --> 00:31:25,984 綺麗な顔の割に猛々しいな。➡ 489 00:31:25,984 --> 00:31:29,354 蔡沢から聞いていたとおりだ。➡ 490 00:31:29,354 --> 00:31:31,423 ーーして 秦王よ。 491 00:31:31,423 --> 00:31:33,925 待て 斉王。 492 00:31:33,925 --> 00:31:37,295 まずは四年前の合従軍の折➡ 493 00:31:37,295 --> 00:31:40,499 斉が合従より抜けてくれたことーー➡ 494 00:31:40,499 --> 00:31:44,236 秦王として 改めて礼を言う。 495 00:31:44,236 --> 00:31:47,172 斉軍が抜けなければ 正直➡ 496 00:31:47,172 --> 00:31:50,375 今の秦が どうなっていたか分からなかった。 497 00:31:50,375 --> 00:31:53,211 っ… 大王様。 498 00:31:53,211 --> 00:31:55,147 フッ…。 499 00:31:55,147 --> 00:32:00,085 別にあの時は 秦国を助けたいと思ったからではない。 500 00:32:00,085 --> 00:32:02,220 (羸政 昌文君)…? 501 00:32:02,220 --> 00:32:08,093 (王建)合従から離脱した本当の理由は 合従が秦を滅ぼして➡ 502 00:32:08,093 --> 00:32:12,831 その土地と人間を 六か国で取り合った後の世が➡ 503 00:32:12,831 --> 00:32:16,234 見るにたえぬ汚濁になると思ったからだ。 504 00:32:18,703 --> 00:32:22,207 だが あろうことか➡ 505 00:32:22,207 --> 00:32:27,746 そこで救われたお前たちが 今度は 六か国を滅ぼし 全てを手に入れて➡ 506 00:32:27,746 --> 00:32:30,949 それ以上の汚濁を示そうとしている。 507 00:32:30,949 --> 00:32:32,651 (羸政 昌文君)っ! 508 00:32:32,651 --> 00:32:34,653 斉王…。 509 00:32:34,653 --> 00:32:37,923 中華統一を汚濁と断ずるならば➡ 510 00:32:37,923 --> 00:32:40,492 俺は断固として それを否定する。 511 00:32:40,492 --> 00:32:43,094 そう… それだ。 512 00:32:43,094 --> 00:32:45,964 否定してみせろ 秦王。➡ 513 00:32:45,964 --> 00:32:51,803 蔡沢から中華統一の話を聞いた時 儂はすぐに こう思った。 514 00:32:51,803 --> 00:32:56,641 趙の李牧と結び 第二の合従軍を興し➡ 515 00:32:56,641 --> 00:33:01,479 次こそ秦国を滅ぼしてしまうかとな。 っ! 516 00:33:01,479 --> 00:33:07,886 だが蔡沢は 秦王は続けてこう言ったと儂に伝えた。 517 00:33:07,886 --> 00:33:12,691 “人が人を殺さなくてすむ世界がくる”と。 518 00:33:14,359 --> 00:33:16,661 相違ないか? 519 00:33:16,661 --> 00:33:18,997 ああ 勿論だ。 520 00:33:18,997 --> 00:33:21,199 空論だ。 違う!! 521 00:33:25,670 --> 00:33:30,675 秦王ーー お前の見ている“理想の世”を聞いた時➡ 522 00:33:30,675 --> 00:33:33,278 蔡沢同様に➡ 523 00:33:33,278 --> 00:33:38,250 この儂でさえ 正直胸にくるものがあった。 524 00:33:38,250 --> 00:33:41,019 だがな 秦王。 525 00:33:41,019 --> 00:33:44,923 “六か国征服”と“人を殺さぬ世”。 526 00:33:44,923 --> 00:33:51,463 この間には とてつもなく重い現実が抜け落ちている。 527 00:33:51,463 --> 00:33:56,167 “国”を滅ぼされ 強制的に秦の民にさせられる➡ 528 00:33:56,167 --> 00:34:00,639 六か国の人間たちの苦しみだ。 (羸政 昌文君)っ! 529 00:34:00,639 --> 00:34:05,510 “国”とは 民にとって “根”をはる大地のようなものだ。 530 00:34:05,510 --> 00:34:11,650 その国が失われれば 人は必ず心身共に朽ち果てる。 531 00:34:11,650 --> 00:34:17,022 即ち 今の六か国の人間全てが朽ち果てる。 532 00:34:17,022 --> 00:34:21,927 で ですから その場合は 秦が新しい根をはる大地にっ…。 533 00:34:21,927 --> 00:34:25,096 どうやって? うっ…! 534 00:34:25,096 --> 00:34:30,435 秦の民となるのを拒む者は? 力で従わせるか? 535 00:34:30,435 --> 00:34:33,972 国々を叩きつぶす その武の力で? 536 00:34:33,972 --> 00:34:36,675 それしかあるまいな。 537 00:34:36,675 --> 00:34:39,711 だが それを 全中華に行えば➡ 538 00:34:39,711 --> 00:34:45,016 それはもう この五百年の争乱の世以上の汚濁ーー➡ 539 00:34:45,016 --> 00:34:48,019 汚濁の極みよ。 540 00:34:48,019 --> 00:34:53,625 お前たちは六か国征服の後 亡国の民を どう救済するつもりだ。 541 00:34:55,393 --> 00:34:59,798 お前の理想が 空論ではないと言い切ったな。 542 00:34:59,798 --> 00:35:04,569 ならば お前たちから見て 滅ぼされる側に立つ この斉王が➡ 543 00:35:04,569 --> 00:35:09,040 しっかり 納得できる答えがあるのであろうな➡ 544 00:35:09,040 --> 00:35:10,976 秦王よ! 545 00:35:10,976 --> 00:35:13,712 <ちょ… ちょっと待て…➡ 546 00:35:13,712 --> 00:35:17,582 今の段階で そんな大問題の回答など➡ 547 00:35:17,582 --> 00:35:20,418 まだ我々には…> 548 00:35:20,418 --> 00:35:25,056 それを聞くために はるばる 咸陽まで足を運んだ。 549 00:35:25,056 --> 00:35:26,992 っ! 550 00:35:26,992 --> 00:35:33,865 (王建)もし答えが用意されていないままの 六か国征服だと言うのなら…➡ 551 00:35:33,865 --> 00:35:38,503 その前に第二の合従軍で 秦を滅ぼさねばならぬぞ。 552 00:35:38,503 --> 00:35:40,805 っ…! 553 00:35:40,805 --> 00:35:42,974 せっ 斉王それはっ…! 554 00:35:42,974 --> 00:35:45,010 秦王。 555 00:35:45,010 --> 00:35:48,813 そう焦るな 斉王よ。 556 00:35:48,813 --> 00:35:51,416 答えは ある! 557 00:35:59,324 --> 00:36:01,626 ふォう。 558 00:36:01,626 --> 00:36:06,164 亡国の民の苦しみを救う “答え”が“ある”とな。 559 00:36:06,164 --> 00:36:08,400 ぉ…。(王建)面白い。➡ 560 00:36:08,400 --> 00:36:14,806 ならば今ここで教えてもらおうではないか 秦王 羸政! 561 00:36:19,144 --> 00:36:21,746 どうした 秦王。 562 00:36:24,616 --> 00:36:28,253 斉王の言うとおりーー➡ 563 00:36:28,253 --> 00:36:31,623 国とは 人の根づく大地だ。 564 00:36:31,623 --> 00:36:36,061 それを奪われた時 そこにあった人間たちに残るのは➡ 565 00:36:36,061 --> 00:36:41,433 耐え難い“屈辱感”“喪失感” そして“恐怖心”だ。 566 00:36:41,433 --> 00:36:45,370 中華統一の時 滅ぼす側の王として➡ 567 00:36:45,370 --> 00:36:49,274 旧六か国の民から それらを取り除く責任があることは➡ 568 00:36:49,274 --> 00:36:52,944  重々承知している。 569 00:36:52,944 --> 00:36:54,879 そのためには…➡ 570 00:36:54,879 --> 00:37:00,018 これが征服戦争ではなかったことを説いて 理解してもらう必要がある。 571 00:37:00,018 --> 00:37:01,986 (王建)ん⁉ 572 00:37:01,986 --> 00:37:05,790 ほう… これは異なことを。 573 00:37:05,790 --> 00:37:10,095 六か国制覇は 征服戦争そのものではないか。 574 00:37:10,095 --> 00:37:13,965 違う。 中華統一は➡ 575 00:37:13,965 --> 00:37:17,235 新たな国を建国するための戦争だ。 576 00:37:17,235 --> 00:37:19,604 っ⁉ 577 00:37:19,604 --> 00:37:22,307 “征服”とは“支配”だ。 578 00:37:22,307 --> 00:37:29,881 だが 六か国を滅ぼし その全てを 西端の秦が一手に支配できると思えるか。 579 00:37:29,881 --> 00:37:32,784 それを試みれば 年をまたがずして➡ 580 00:37:32,784 --> 00:37:36,387 中華は再び混沌の世となるであろう。 581 00:37:36,387 --> 00:37:40,258 六か国制覇した秦が征服者の体を取れば➡ 582 00:37:40,258 --> 00:37:44,028 中華統一は確実に失敗する。 583 00:37:44,028 --> 00:37:48,333 秦の民は 決して支配者となってはならない! 584 00:37:48,333 --> 00:37:51,136 我らが支配者にさえならなければ➡ 585 00:37:51,136 --> 00:37:55,140 亡国の民の“恐怖心”は まずは拭えよう。 586 00:37:55,140 --> 00:37:58,877 そして 新しい国の形を伝えれば…➡ 587 00:37:58,877 --> 00:38:01,846 国境なく 争乱は消え➡ 588 00:38:01,846 --> 00:38:05,350 人と物が自由に動き 交ざり合う世界を…。 589 00:38:05,350 --> 00:38:08,686 空論だと言っている! っ! 590 00:38:08,686 --> 00:38:14,893 支配なくして この中華七国を 一国になどできるわけがない。 591 00:38:14,893 --> 00:38:16,828 ぁ…。 592 00:38:16,828 --> 00:38:21,666 多種多様な文化 風習 信仰。 593 00:38:21,666 --> 00:38:28,039 これほど複雑に分かれる中華の全人民を 同じ方向に向かせるなど➡ 594 00:38:28,039 --> 00:38:31,943 逆にこれまでにない 強烈な支配力を持つ者たちが➡ 595 00:38:31,943 --> 00:38:35,780 上に立たねば 実現不可能だ。 596 00:38:35,780 --> 00:38:39,384 そのとおりだ 斉王。 っ!っ⁉ 597 00:38:39,384 --> 00:38:46,991 この中華統一の成功は 全中華の民を 一手に実効支配するものにかかっている。 598 00:38:46,991 --> 00:38:50,695 だがそれは絶対に “人”であってはならない! 599 00:38:50,695 --> 00:38:53,264 っ⁉ (蔡沢)っ! 600 00:38:53,264 --> 00:38:57,068 人でないなら 何だ⁉ 601 00:38:58,836 --> 00:39:00,772 “法”だ。 602 00:39:00,772 --> 00:39:03,274 っ!! 603 00:39:03,274 --> 00:39:06,544 “法”に最大限の力を持たせ➡ 604 00:39:06,544 --> 00:39:09,447 “法”に民を治めさせる! 605 00:39:09,447 --> 00:39:14,686 “法”の下には 元斉の民も 秦の民も関係ない! 606 00:39:14,686 --> 00:39:17,589 王侯貴族も農民も関係なく➡ 607 00:39:17,589 --> 00:39:20,558 皆等しく平等とする! 608 00:39:20,558 --> 00:39:26,965 斉王よ! 中華統一の後に出現する超大国は➡ 609 00:39:26,965 --> 00:39:32,837 五百年の争乱の末に “平和”と“平等”を手にする“法治国家”だ! 610 00:39:35,807 --> 00:39:39,244 っ! <な なぜ涙が…⁉> 611 00:39:39,244 --> 00:39:41,546 ぅっ…! 612 00:39:41,546 --> 00:39:43,715 <よくぞ そこまで…> 613 00:39:43,715 --> 00:39:50,788 秦も斉も… 現七国の民は 統一後は上下なく並びとなりて➡ 614 00:39:50,788 --> 00:39:55,793 共に一丸となって 自分たちの新しい国の 形成へと向かうのだ。 615 00:39:58,096 --> 00:40:03,101 それが現六か国の民に対して 俺が用意している答えだ。 616 00:40:05,336 --> 00:40:07,338 っ…! 617 00:40:09,507 --> 00:40:11,142 フ…。 618 00:40:11,142 --> 00:40:15,079 王族すら“法”の下と言ったか…。 そうだ。 619 00:40:15,079 --> 00:40:18,449 それでは もはや“王国”とも言えぬぞ。 620 00:40:18,449 --> 00:40:22,153 小事だ。 だ 大王様…。 621 00:40:22,153 --> 00:40:24,155 …フッ。➡ 622 00:40:24,155 --> 00:40:28,293 つくづく常識を覆しよる。 623 00:40:28,293 --> 00:40:31,195 しかし そうか…。 624 00:40:31,195 --> 00:40:35,133 東西南北“平等”の法治国家ーー。 625 00:40:35,133 --> 00:40:39,704 大雑把だが 回答としては悪くない。 626 00:40:39,704 --> 00:40:43,675 無論 決して言うほど易いことではないが…➡ 627 00:40:43,675 --> 00:40:49,280 目指す場所は 我々の民が 惑い苦しむ所ではなさそうだ。 628 00:40:51,082 --> 00:40:54,719 そうか… そんな道があったか…。 629 00:40:54,719 --> 00:40:57,388 …! ん…! 630 00:40:57,388 --> 00:41:00,391 どうやら 蔡沢の口車に乗って➡ 631 00:41:00,391 --> 00:41:04,829 はるばる西の端まで足を運んだ甲斐は あったようだな。 632 00:41:04,829 --> 00:41:07,432 っ! 633 00:41:07,432 --> 00:41:10,435 で では 合従軍などとは…。 634 00:41:12,136 --> 00:41:15,907 次はそちらが 答える番だ 斉王。 635 00:41:15,907 --> 00:41:18,810 一体何のために ここまで来られたのだ。 636 00:41:18,810 --> 00:41:22,714 はじめは斉秦同盟かと思ったが。 (昌文君)っ! 637 00:41:22,714 --> 00:41:26,250 どう考えても それではつじつまが合わぬ。 638 00:41:26,250 --> 00:41:28,886 いや ほぼ正解だ。 639 00:41:28,886 --> 00:41:34,492 正式な証人がいない故 秦王と儂との口約束でしかないが➡ 640 00:41:34,492 --> 00:41:37,261 斉秦同盟のようなものだ。 641 00:41:37,261 --> 00:41:39,897 <斉秦同盟!> 642 00:41:39,897 --> 00:41:42,800 それのどこに斉の“利”がある。 643 00:41:42,800 --> 00:41:46,671 こちらにとっては 魏・趙・韓と戦う時➡ 644 00:41:46,671 --> 00:41:50,875 その背後にある斉が 三国に味方せぬというだけで➡ 645 00:41:50,875 --> 00:41:53,611 これ以上ない同盟の“利”を得る。 646 00:41:53,611 --> 00:41:55,546 だが➡ 647 00:41:55,546 --> 00:42:01,986 秦の刃が三国を貫いた時 次は必ず斉国に突き刺さるぞ。 648 00:42:01,986 --> 00:42:04,889 同盟の効力ではそれを止められぬことは➡ 649 00:42:04,889 --> 00:42:07,825 斉王とて分かっているはずだ。 650 00:42:07,825 --> 00:42:14,699 その時 秦王の目の色が今と変わって 汚く濁っていたならばーー➡ 651 00:42:14,699 --> 00:42:19,370 斉も死力を尽くして 国を守るとするかのォ。 652 00:42:19,370 --> 00:42:22,573 ん⁉ <な ならば➡ 653 00:42:22,573 --> 00:42:26,577 大王様が変わっていないとしたら 斉国は…> 654 00:42:28,212 --> 00:42:30,148 斉王…。 655 00:42:30,148 --> 00:42:33,584 およそ五十年ほど前➡ 656 00:42:33,584 --> 00:42:37,388 あの楽毅の合従軍を受けて➡ 657 00:42:37,388 --> 00:42:42,760 斉国は“莒”と“即墨”の二城のみとなった。 658 00:42:42,760 --> 00:42:46,864 儂は ちょうどその時 籠城中の“莒”で生まれ➡ 659 00:42:46,864 --> 00:42:50,601 そこから多くを見ながら ここに至る。 660 00:42:50,601 --> 00:42:55,306 そしてこれは ずっと昔から思ってきたことだ。 661 00:42:55,306 --> 00:43:00,745 この中華は もう うんざりするほど 血を流してきたが➡ 662 00:43:00,745 --> 00:43:03,648 泥沼からの出口が見つからぬまま➡ 663 00:43:03,648 --> 00:43:08,086 これからもずっと 血を流すのだろうとーー。 664 00:43:08,086 --> 00:43:12,523 儂はもはや 出口はないものと思っていた…。 665 00:43:12,523 --> 00:43:19,130 ーーが ひょっとしたら出口の光を 今見つけたのやもしれぬ。 666 00:43:19,130 --> 00:43:22,066 秦王よ。 667 00:43:22,066 --> 00:43:27,839 そなたになら この全中華の舵取りを任せてもよいぞ。 668 00:43:27,839 --> 00:43:29,774 っ…! 669 00:43:29,774 --> 00:43:32,043 っ…! 670 00:43:32,043 --> 00:43:36,047 <ふ… 降る話だ…! ま 間違いなく➡ 671 00:43:36,047 --> 00:43:40,885 今 中華七雄の一国が降伏の話をっ…!> 672 00:43:40,885 --> 00:43:48,359 ♬~ 673 00:43:48,359 --> 00:43:50,361 …っ! 674 00:43:53,664 --> 00:43:55,666 ぅうっ…! 675 00:43:55,666 --> 00:44:01,372 <た 戦わずして… 六か国制覇のうちの一国が成ったーー!!> 676 00:44:04,642 --> 00:44:06,577 ヒョッ。 677 00:44:06,577 --> 00:44:09,347 蔡沢が これほど強引に動いて➡ 678 00:44:09,347 --> 00:44:13,117 斉王をお連れした理由が ようやく分かった。 679 00:44:13,117 --> 00:44:15,820 斉王は勿論のこと➡ 680 00:44:15,820 --> 00:44:19,157 蔡沢にも礼を言いたい。 681 00:44:19,157 --> 00:44:22,059 単身で よくぞここまで動いてくれた。 682 00:44:22,059 --> 00:44:23,995 …ヒョッ。 683 00:44:23,995 --> 00:44:29,333 フッ… あまりぬか喜びするなよ 秦王。 684 00:44:29,333 --> 00:44:34,171 真にただの口約束の上に 秦王の“姿勢”が変われば➡ 685 00:44:34,171 --> 00:44:37,108 斉とて大いに牙をむく。 686 00:44:37,108 --> 00:44:41,679 ただ そこが判明するその時まで➡ 687 00:44:41,679 --> 00:44:46,450 斉は 秦の戦い一切を“静観する”ものとする。 688 00:44:46,450 --> 00:44:49,954 斉が三国の後押しをせぬというだけで➡ 689 00:44:49,954 --> 00:44:53,858 こちらは 十万単位の兵の命が救われたことになる。 690 00:44:53,858 --> 00:44:56,260 フッ そうかもな。 691 00:44:56,260 --> 00:44:59,797 ならばやはり蔡沢に深く感謝するがよい。 692 00:44:59,797 --> 00:45:04,635 ヒョッヒョッ 感謝するのは この老人の方です。 693 00:45:04,635 --> 00:45:08,573 ん…? かつて この愚者も恥ずかしながら➡ 694 00:45:08,573 --> 00:45:12,009 斉王とはまた違う視点から➡ 695 00:45:12,009 --> 00:45:16,847 世を導く道を探す時代がありました。 696 00:45:16,847 --> 00:45:20,284 ありましたが 私も勝手に➡ 697 00:45:20,284 --> 00:45:25,056 もはや その道はないものとばっかり…。➡ 698 00:45:25,056 --> 00:45:28,626 しかし大王 あなた様は➡ 699 00:45:28,626 --> 00:45:32,830 雍にて呂不韋との舌戦の中で その道を…➡ 700 00:45:32,830 --> 00:45:36,601 “光”を教えて下さった。➡ 701 00:45:36,601 --> 00:45:40,838 あの言葉には芯からしびれました。➡ 702 00:45:40,838 --> 00:45:46,444 ヒョッヒョ… あの時 私は心の底から…➡ 703 00:45:46,444 --> 00:45:49,647 長生きをしてよかったと。 704 00:45:49,647 --> 00:45:51,749 蔡沢…。 705 00:45:53,851 --> 00:45:56,754 蔡沢様…。 706 00:45:56,754 --> 00:46:02,560 だが “道”も“光”も“戦のない世界”も➡ 707 00:46:02,560 --> 00:46:06,797 実現できねば ただの戯言と同じです! 708 00:46:06,797 --> 00:46:09,567 っ! 709 00:46:09,567 --> 00:46:12,403 そのとおりだ。 710 00:46:12,403 --> 00:46:15,139 中華統一。 711 00:46:15,139 --> 00:46:19,777 その実現の “最大の障壁”となるものが何か➡ 712 00:46:19,777 --> 00:46:22,747 お分かりですかな? 大王。 713 00:46:22,747 --> 00:46:25,383 ああ。 714 00:46:25,383 --> 00:46:27,785 李牧だ。 715 00:46:27,785 --> 00:46:31,122 ふ… いかにも! 716 00:46:31,122 --> 00:46:33,057 李牧はっ…。 717 00:46:33,057 --> 00:46:35,426 …? 718 00:46:35,426 --> 00:46:38,496 奴に関しては儂が言ってやろう。 719 00:46:38,496 --> 00:46:41,098 (羸政 昌文君)っ! 長年 李牧の背を➡ 720 00:46:41,098 --> 00:46:44,735 東から見続けた感じで言えば…➡ 721 00:46:44,735 --> 00:46:51,108 李牧には まだまだ余裕があり またそれを感じ取られぬようにしている。 722 00:46:51,108 --> 00:46:53,811 っ! ぉ…! 723 00:46:53,811 --> 00:46:58,716 趙三大天 李牧は 秦国が想定しているよりも➡ 724 00:46:58,716 --> 00:47:01,619 はるかに強いぞ 秦王よ。 725 00:47:03,821 --> 00:47:07,358 王騎 麃公を討たれた。 726 00:47:07,358 --> 00:47:11,228 李牧が化物であることは承知している…。 727 00:47:11,228 --> 00:47:16,801 そして奴を倒さねば 六か国制覇がかなわぬことも重々承知だ。 728 00:47:16,801 --> 00:47:19,136 っ! 729 00:47:19,136 --> 00:47:24,041 これより出ずる秦の大将軍たちが 必ず李牧の首を取る! 730 00:47:27,878 --> 00:47:32,683 フッ… ならばもういい。 行け秦王。 731 00:47:32,683 --> 00:47:37,321 本殿にて正に その李牧が待っているぞ。 っ! 732 00:47:37,321 --> 00:47:41,192 あまり待たせると 会談の中身の重さを➡ 733 00:47:41,192 --> 00:47:44,795 李牧に勘づかれまする。 っ! 734 00:47:44,795 --> 00:47:47,698 それは決して得策ではない。 735 00:47:47,698 --> 00:47:49,700 大王様。 736 00:47:52,970 --> 00:47:55,439 言葉に甘えるぞ 斉王。 737 00:47:55,439 --> 00:47:57,374 夜の酒宴にて ゆっくりと。 738 00:47:57,374 --> 00:48:00,778 ああ。 こちらです 大王様! 739 00:48:03,748 --> 00:48:05,750 大王様。 740 00:48:08,252 --> 00:48:11,155 ご武運を。 741 00:48:11,155 --> 00:48:14,258 ああ。 行ってくるぞ 蔡沢。 742 00:48:17,695 --> 00:48:21,132 何とかもったな… 蔡沢。 743 00:48:21,132 --> 00:48:23,167 そなたの言うとおり…➡ 744 00:48:23,167 --> 00:48:27,037 あれは千年に一人の王だ。 745 00:48:27,037 --> 00:48:30,674 そなたのわがままに つきあった形でもあったが➡ 746 00:48:30,674 --> 00:48:34,311 よくぞ秦王と俺を引き合わせた。 747 00:48:34,311 --> 00:48:38,949 あの王になら 本当に実現できるやもしれぬ。 748 00:48:38,949 --> 00:48:43,254 それぞれが かつて探し求めていた 世界を…。 749 00:48:45,623 --> 00:48:47,625 …っ。 750 00:48:53,097 --> 00:48:55,199 蔡沢。 751 00:48:59,637 --> 00:49:02,239 …最後に。 752 00:49:04,508 --> 00:49:09,814 為していった仕事は 真に大きかったぞ 蔡沢。 753 00:49:11,782 --> 00:49:14,151 <この冷たさ…➡ 754 00:49:14,151 --> 00:49:17,955 一体いつから こと切れていた 蔡沢…> 755 00:49:19,857 --> 00:49:22,693 安らかに眠るがいい。 756 00:49:22,693 --> 00:49:28,499 若く苦しき時 幾度か そなたには助けられた…。 757 00:49:28,499 --> 00:49:33,504 結末は 儂が責任をもって見届けてやる。 758 00:49:36,273 --> 00:49:39,810 っ⁉ どうなされました 大王様。 759 00:49:39,810 --> 00:49:42,046 …いや。 760 00:49:42,046 --> 00:49:46,684 (昌文君)急ぎましょう 大王様。 李牧が待っています。 761 00:49:46,684 --> 00:49:48,886 ああ!