1 00:00:03,982 --> 00:00:04,916 (信(しん))ウワッ! 2 00:00:06,885 --> 00:00:08,053 (信)あっ お前は… 3 00:00:17,362 --> 00:00:20,032 (貂(てん)) 抜け道を知っている ついてこい 4 00:00:22,067 --> 00:00:23,869 (ナレーター)古代中国 5 00:00:23,969 --> 00:00:28,840 聖者の時代は終わりを告げ 人間の欲望は解放されていた 6 00:00:29,308 --> 00:00:31,843 戦乱の嵐が 500年にわたって吹き荒れ 7 00:00:31,943 --> 00:00:35,047 100を超えた国々は 7つに淘汰(とうた)された 8 00:00:35,347 --> 00:00:38,050 そして今 西の果ての国 秦(しん)から― 9 00:00:38,350 --> 00:00:40,919 大いなる歴史が 生まれようとしている 10 00:00:41,386 --> 00:00:43,522 これは 戦乱の時代を生き抜いた― 11 00:00:43,622 --> 00:00:47,959 名もなき少年と若き王の 激動の物語である 12 00:02:12,043 --> 00:02:17,749 ~♪ 13 00:02:24,723 --> 00:02:25,957 (政(せい))抜け道だと? 14 00:02:28,493 --> 00:02:31,129 軍の包囲を逃(のが)れる抜け道があるのか 15 00:02:31,897 --> 00:02:35,467 当然だ ここは お尋ね者たちの村だぞ 16 00:02:35,567 --> 00:02:38,970 地面の下は 抜け道だらけで迷子になるほどだ 17 00:02:39,504 --> 00:02:41,973 待て! こいつは信用できねえ! 18 00:02:45,844 --> 00:02:49,481 こいつのせいで 俺は村の連中に囲まれた! 19 00:02:49,781 --> 00:02:52,017 まず こいつから片づけてやる! 20 00:02:52,117 --> 00:02:55,754 ハッ… (政)なぜ俺たちを助ける? 21 00:02:57,856 --> 00:03:00,091 (貂) あんたらの話をこっそり聞いてた 22 00:03:00,192 --> 00:03:04,996 王さまなんだろう? あんた …てことは大金持ちだ 23 00:03:05,730 --> 00:03:08,233 金目当てか (貂)悪いか? 24 00:03:08,800 --> 00:03:11,903 悪くない そのほうが信用できる 25 00:03:12,204 --> 00:03:16,174 おいおいおい! こんな名前も分かんねえ― 26 00:03:16,474 --> 00:03:20,078 得体(えたい)の知れねえガキンチョの どこが信用できるんだよ? 27 00:03:22,514 --> 00:03:24,616 俺の名は… (信)えっ… 28 00:03:24,749 --> 00:03:27,519 俺の名は 河了貂(かりょうてん)なり! 29 00:03:35,026 --> 00:03:40,732 (貂)ちゃんと名前も名乗った どうする? もう時間がないぞ 30 00:03:40,866 --> 00:03:44,202 よし! 河了 案内しろ (貂)“貂”でいいよ 31 00:03:44,503 --> 00:03:47,105 お… おい! ホントに大丈夫なのか? 32 00:04:01,987 --> 00:04:03,588 こっち こっち! 33 00:04:03,688 --> 00:04:07,993 真っ暗だけど 壁伝いに歩いて 途中で火をつけるから 34 00:04:09,594 --> 00:04:10,962 (ぶつかる音) (信)いてっ! おい ガキンチョ 35 00:04:11,062 --> 00:04:11,997 火は まだか? 36 00:04:12,097 --> 00:04:14,165 (貂) ガキンチョじゃない “貂”だ 37 00:04:30,615 --> 00:04:32,617 (信)お… おい お前 38 00:04:33,318 --> 00:04:34,886 ケガしてんのか? 39 00:04:34,986 --> 00:04:38,790 俺の血じゃない 上の血だ (信)えっ? 上? 40 00:04:39,858 --> 00:04:40,859 ウワッ! 41 00:04:44,029 --> 00:04:48,333 ひでえ… 軍のヤツら 村中 皆殺しにする気だ 42 00:04:50,268 --> 00:04:53,071 おい 貂! お前 家族とか いいのか? 43 00:04:53,171 --> 00:04:54,873 上で殺されてるぞ 44 00:04:55,140 --> 00:04:57,142 そんなの いねえよ (信)えっ? 45 00:04:57,242 --> 00:04:59,811 ところでさ 信は王さまの一族なのか? 46 00:04:59,911 --> 00:05:02,080 はぁ? …んなわけねえだろう 47 00:05:02,180 --> 00:05:05,951 だよな! どっから どう見ても ド平民だもんな 48 00:05:06,051 --> 00:05:10,021 かなり気合いの入った (信)悪かったな! 49 00:05:10,288 --> 00:05:12,891 じゃ なんで 王さま相手にタメグチなんだ? 50 00:05:12,991 --> 00:05:16,761 態度も悪いし 頭悪いの? 51 00:05:17,228 --> 00:05:20,031 お… お前だって そうじゃねえか! 52 00:05:20,899 --> 00:05:25,904 俺? 俺はいいの その人は俺の王さまじゃないから 53 00:05:27,672 --> 00:05:29,841 (貂)俺は秦国の人間じゃない 54 00:05:29,941 --> 00:05:33,645 はるか西の山の民だ (信)ふ~ん… 55 00:05:33,745 --> 00:05:37,015 (貂)なぜだか知らないけど 一族の山から追放されて 56 00:05:37,115 --> 00:05:41,252 黒卑村(こくひむら)に流れ着いたらしい もう みんな死んじゃったけどね 57 00:05:41,886 --> 00:05:46,758 お前 山の民か! 初めて見た だから 変な格好してんだ? 58 00:05:47,625 --> 00:05:51,162 あっ! 今 お前 ちょっと俺を下に見たな? 59 00:05:51,730 --> 00:05:53,665 おお? なんだ? やんのか? 60 00:05:54,199 --> 00:05:59,671 (貂)山の民をナメんなよ! 1発ぐらい 殴らせろ! 61 00:06:02,741 --> 00:06:04,209 遊んでないで 急ぐぞ 62 00:06:09,881 --> 00:06:12,283 くそ… 何やってんだ? 俺は 63 00:06:13,651 --> 00:06:15,053 (信)こいつのせいだぞ 64 00:06:16,254 --> 00:06:17,789 こいつのせいで… 65 00:06:19,424 --> 00:06:21,426 漂(ひょう)は死んだんだ 66 00:06:24,763 --> 00:06:27,298 な… 何でもねえよ 67 00:06:34,406 --> 00:06:38,109 あとだ 上のヤツらをまいて… 68 00:06:39,244 --> 00:06:44,249 ジャマがなくなったあとで こいつとの決着をつけてやる 69 00:06:49,187 --> 00:06:51,689 (兵士A) 村中をくまなく捜索いたしましたが 70 00:06:51,790 --> 00:06:55,794 ご命令の人相に合致する少年は 見つかりませんでした 71 00:06:55,994 --> 00:06:57,228 (副官)どういうことだ? 72 00:06:58,163 --> 00:06:59,931 我らが到着する前に― 73 00:07:00,031 --> 00:07:03,368 裏の山に逃げ込んだか 川沿いに落ち延びたか 74 00:07:03,468 --> 00:07:07,906 あるいは 秘密の抜け穴のような ものがあるのかもしれません 75 00:07:08,006 --> 00:07:11,242 (魏興(ぎこう))ならば 全軍を挙げ 手分けして捜し出せ! 76 00:07:14,012 --> 00:07:15,980 (副官) やっかいなことになりましたなぁ 77 00:07:16,081 --> 00:07:20,452 (魏興)うむ… こうなれば あの男の力も借りねばなるまい 78 00:07:21,386 --> 00:07:23,455 (副官)あの男とは もしや… 79 00:07:24,923 --> 00:07:26,424 ムタを呼べ 80 00:07:27,492 --> 00:07:28,493 あれ? 81 00:07:29,461 --> 00:07:34,332 ところで 王さま なんで こんな所で兵隊に追われてんの? 82 00:07:34,899 --> 00:07:38,937 (信)弟が反乱を起こしたのさ 醜い兄弟だぜ 83 00:07:42,741 --> 00:07:46,311 でも 変じゃねえ? (信)何がだよ? 84 00:07:46,411 --> 00:07:50,815 だってさ 反乱が起こるのを知ってたから― 85 00:07:50,915 --> 00:07:55,186 替え玉を用意して 黒卑村に隠れてたんだろう? 86 00:07:58,523 --> 00:08:03,394 知ってたんなら 反乱が起こる前に たたきつぶしゃいいじゃん 87 00:08:05,497 --> 00:08:06,765 なんで そんなに― 88 00:08:06,865 --> 00:08:10,301 逃げ腰満点なのさ? 王さまのくせに 89 00:08:11,369 --> 00:08:12,370 確かに 90 00:08:14,839 --> 00:08:16,374 貂! (貂)ハッ… 91 00:08:18,276 --> 00:08:19,511 何スか? 92 00:08:19,811 --> 00:08:23,782 (政) 反乱を未然に防げなかったのは 俺に力がなかった 93 00:08:25,116 --> 00:08:26,551 それだけのことだ 94 00:08:29,420 --> 00:08:33,992 俺の祖父 孝文王(こうぶんおう)は 在位 僅か3日で世を去った 95 00:08:35,860 --> 00:08:39,998 次に王となった父 荘襄王(そうじょうおう)も 3年で死んだ 96 00:08:42,167 --> 00:08:47,172 (政)おかげで 去年 俺は 僅か13歳で王位に就いた 97 00:08:57,816 --> 00:09:01,986 当然 子供に 王の務めなど果たせるはずもなく 98 00:09:02,086 --> 00:09:05,023 俺は ただ玉座にある飾りとなった 99 00:09:06,591 --> 00:09:08,026 王宮は もはや― 100 00:09:08,126 --> 00:09:11,462 私利私欲に燃える大臣たちの 争いの場でしかない 101 00:09:13,198 --> 00:09:17,468 中でも 大きな権力を握ったのは 右丞相(うじょうしょう)の呂氏(りょし) 102 00:09:19,437 --> 00:09:23,541 呂氏は 俺の後ろ盾となり 更に その勢いを強めた 103 00:09:25,310 --> 00:09:28,213 2番手は 左丞相(さじょうしょう)の竭氏(けつし) 104 00:09:29,347 --> 00:09:33,151 この両者を軸に 王宮内は真っ二つに割れ 105 00:09:33,251 --> 00:09:35,520 血で血を洗う争いが続いた 106 00:09:35,987 --> 00:09:39,224 フン… 大臣ってのはバカばっかだな 107 00:09:40,024 --> 00:09:45,196 うん? ちょっと待てよ 大臣同士の争いに… なんでだ? 108 00:09:45,296 --> 00:09:48,099 どうして 王のお前が巻き込まれたんだ? 109 00:09:49,434 --> 00:09:52,871 ひそかに 玉座を狙っていた弟の成蟜(せいきょう)が― 110 00:09:55,340 --> 00:09:58,610 2番手勢力の竭氏と 手を結んだからだ 111 00:10:01,613 --> 00:10:03,615 そして 成蟜と竭氏は― 112 00:10:04,983 --> 00:10:08,887 俺の後ろ盾である呂氏が 配下の者を率いて― 113 00:10:08,987 --> 00:10:12,190 隣の魏国(ぎこく)への 遠征に趣いた留守を狙って… 114 00:10:16,628 --> 00:10:18,563 今回の反乱を起こした 115 00:10:22,000 --> 00:10:26,104 (貂)でもさ 成蟜や竭氏の 味方ばっかりになった王宮から― 116 00:10:26,204 --> 00:10:30,441 王さまだけ よく逃げられたね (政)俺だけではない 117 00:10:31,910 --> 00:10:37,348 敵だらけの王宮にあって ただ1人 俺に忠義を厚くする男がいる 118 00:10:38,950 --> 00:10:42,553 今は文官として 俺の教育官を務めているが 119 00:10:43,221 --> 00:10:46,925 若いころは 戦陣で矛を振るった英傑 120 00:10:48,593 --> 00:10:50,561 その名を昌文君(しょうぶんくん)という 121 00:10:51,529 --> 00:10:52,563 昌文君? 122 00:10:53,564 --> 00:10:55,934 (信)漂を連れてったおっさんか! 123 00:10:57,302 --> 00:11:00,438 (政)自分の配下の兵士だけでは 竭氏を鎮められないと― 124 00:11:00,538 --> 00:11:05,276 判断した昌文君は 王宮からの脱出計画を練った 125 00:11:08,446 --> 00:11:09,647 脱出の際― 126 00:11:09,948 --> 00:11:14,218 俺たちが離れ離れになった場合の 合流地をいくつか作った 127 00:11:16,020 --> 00:11:18,690 黒卑村は そのひとつだった 128 00:11:20,725 --> 00:11:21,592 しかし― 129 00:11:22,527 --> 00:11:25,596 その卑黒村からの帰り道で 昌文君は― 130 00:11:26,431 --> 00:11:30,501 俺と瓜二(うりふた)つの少年 漂と 出会ってしまった 131 00:11:36,074 --> 00:11:42,246 漂の出現で 黒卑村は 脱出時の緊急合流地ではなく― 132 00:11:42,347 --> 00:11:45,416 漂と入れ替わった俺の 隠れ家(が)となった 133 00:11:47,618 --> 00:11:49,721 そうか! “あの小屋には―” 134 00:11:50,021 --> 00:11:53,691 “恐ろしい伝染病にかかった人間が いる”っていうウワサが流れて 135 00:11:53,991 --> 00:11:56,728 俺たち 誰も近づかないようにしてたけど 136 00:11:57,028 --> 00:11:59,197 あのウワサは 王さまを隠すために 137 00:11:59,297 --> 00:12:02,600 昌文君ってヤツが 流したウソだったのか 138 00:12:03,468 --> 00:12:07,772 (政) 脱出計画に自信があった昌文君に してみれば 黒卑村も― 139 00:12:08,539 --> 00:12:12,543 漂という影も 全てが 万が一のためだった 140 00:12:13,711 --> 00:12:19,384 しかし その“万が一”のおかげで 俺は まだ生きている 141 00:12:20,385 --> 00:12:23,287 まあ あんたは選べないからな 142 00:12:24,122 --> 00:12:26,290 (信)ちょ… ちょっと待てよ 143 00:12:27,492 --> 00:12:30,294 “万が一のため”だと? 144 00:12:31,429 --> 00:12:33,131 (信)“万が一の”… 145 00:12:33,698 --> 00:12:35,700 “おかげ”だと? 146 00:12:44,075 --> 00:12:46,110 ふざけんじゃねえ! 147 00:12:52,692 --> 00:12:56,429 お前ら 漂の命を何だと思ってやがる! 148 00:12:56,696 --> 00:12:57,797 やめろよ 信! 149 00:12:57,897 --> 00:13:00,500 (ぶつかる音) ウワッ! ウッ… 150 00:13:03,503 --> 00:13:06,305 よくも… よくも漂を! (殴る音) 151 00:13:07,173 --> 00:13:08,908 やめろ 信! 152 00:13:09,509 --> 00:13:13,613 それ以上やったら 王さま 死んじゃうよ! 153 00:13:13,813 --> 00:13:16,315 漂の敵(かたき)だ! 154 00:13:25,291 --> 00:13:28,427 (政)お前 いいかげんにしろ 155 00:13:29,295 --> 00:13:34,534 俺は戦をしてるんだ それも かなり分の悪い戦をな 156 00:13:34,901 --> 00:13:35,935 戦? 157 00:13:36,669 --> 00:13:40,573 (政)利用できるならば ダマそうが 何をしようが― 158 00:13:40,673 --> 00:13:43,943 あらゆる手段を利用し尽くす (信)な… なんだと? 159 00:13:44,477 --> 00:13:47,547 だが あいつは それを分かっていた 160 00:13:48,614 --> 00:13:51,284 分かっていて あえて… 161 00:13:54,220 --> 00:13:57,557 (漂)身代わりに? (昌文君)心配することはない 162 00:13:57,924 --> 00:14:03,396 竭氏たちには気づかれぬように 脱出の手だては万全を期す 163 00:14:03,829 --> 00:14:07,466 反乱の刃(やいば)が王の身に届くことは 絶対にない 164 00:14:07,767 --> 00:14:12,271 (昌文君)ただ 念には念を 入れておきたいというわけだ 165 00:14:12,371 --> 00:14:14,874 (政)ごまかすな 昌文君 (漂)ハッ… 166 00:14:16,542 --> 00:14:17,743 (昌文君)大王… 167 00:14:18,678 --> 00:14:21,247 (政)“自信はあっても 絶対の確信はないから―” 168 00:14:21,347 --> 00:14:25,918 “影を必要としている” はっきり そう言え 169 00:14:28,487 --> 00:14:30,890 (政)漂とか言ったな よく聞け 170 00:14:31,891 --> 00:14:34,894 この計画に 安全の保証というものはない 171 00:14:35,561 --> 00:14:39,398 もしかしたら 敵の刃は お前に届くやもしれぬ 172 00:14:40,399 --> 00:14:45,004 そのとき お前は 俺と間違われて 殺される 173 00:14:49,775 --> 00:14:51,310 声も出ぬか 174 00:14:51,911 --> 00:14:52,979 漂… 175 00:14:53,646 --> 00:14:59,418 (漂)あ… あの… 昌文君さま (昌文君)うん? な… 何じゃ? 176 00:15:00,353 --> 00:15:03,422 大王さまに 申し上げてもよろしいでしょうか? 177 00:15:03,990 --> 00:15:05,691 (昌文君)何を言っておるか 178 00:15:05,791 --> 00:15:08,327 身の程をわきまえよ 漂! (政)許す 179 00:15:09,695 --> 00:15:13,633 (政)面(おもて)を上げて 遠慮なく申せ (昌文君)だ… 大王… 180 00:15:14,767 --> 00:15:17,536 (漂)田舎の村の下僕が 王宮に仕えるなど― 181 00:15:17,870 --> 00:15:21,340 よほど大変なことが待っていると 覚悟して まいりましたが 182 00:15:22,441 --> 00:15:25,978 まさか これほど 大切な任務をお受けできるとは… 183 00:15:28,547 --> 00:15:30,349 夢にも思いませんでした 184 00:15:30,583 --> 00:15:32,752 漂! では そなた… 185 00:15:33,853 --> 00:15:35,855 死ぬかもしれないのだぞ? 186 00:15:36,422 --> 00:15:38,591 (漂)“歴史に名を残す大将軍” 187 00:15:39,492 --> 00:15:43,429 (漂)友と2人 身の程を わきまえぬ大きな望みがあります 188 00:15:43,896 --> 00:15:46,766 もとより 全てを懸ける覚悟です 189 00:15:48,334 --> 00:15:51,404 (政) 漂は 危険を承知で引き受けた 190 00:15:52,071 --> 00:15:54,874 (政)死をも いとわぬ覚悟で 引き受けたんだ! 191 00:15:55,641 --> 00:15:58,878 普通に生活していては 絶対に手に入らない― 192 00:15:59,745 --> 00:16:02,548 大きなものを手に入れるためにな! 193 00:16:05,985 --> 00:16:08,521 だけど あいつは… 194 00:16:09,455 --> 00:16:10,890 失敗した 195 00:16:12,325 --> 00:16:13,759 (政)それだけだ 196 00:16:31,410 --> 00:16:32,478 (政)風? 197 00:16:32,845 --> 00:16:37,016 出口が近いのか? (貂)えっ? うん すぐそこ 198 00:16:38,951 --> 00:16:42,822 ああっ! ちょ… ちょっと待ちなよ まだ信が… 199 00:16:42,922 --> 00:16:47,593 信 漂の弔いは その涙で最後にしておけ 200 00:16:48,461 --> 00:16:50,463 これから先は お前の道だ 201 00:16:52,465 --> 00:16:57,103 お前は今 2つの岐路にある 村に帰って 下僕を続けるか 202 00:16:57,803 --> 00:17:02,041 力なき王を助け 共に過酷な戦の荒野を歩むか 203 00:17:02,875 --> 00:17:07,046 どちらが お前らのバカげた夢に 近いかは 言うに及ばんな 204 00:17:24,830 --> 00:17:26,065 夜が明ける 205 00:17:27,600 --> 00:17:30,936 (竭氏) 大王の姿が見当たらないとは どういうことだ? 206 00:17:31,437 --> 00:17:35,841 (廷臣A)そ… それが 村の地下に 抜け道があったとのことで… 207 00:17:35,941 --> 00:17:38,043 現在 全力で捜索を 208 00:17:38,177 --> 00:17:41,080 (竭氏)おのれ 昌文君め! 209 00:17:41,180 --> 00:17:45,651 何か動いておるとは知っていたが ここまで準備していたとは 210 00:17:46,452 --> 00:17:50,656 問題は昌文君だ ヤツは侮れん 211 00:17:50,756 --> 00:17:53,659 王に加えて 昌文君の行方も捜せ! 212 00:17:53,759 --> 00:17:57,062 (王騎(おうき))その必要はありませんよ (竭氏)うん? 213 00:18:08,707 --> 00:18:10,676 (王騎)ンフッ… 214 00:18:11,110 --> 00:18:16,682 この大事なときに どこで 何をしていたのだ? 王騎将軍 215 00:18:16,949 --> 00:18:18,884 “何を”って… 216 00:18:18,984 --> 00:18:23,722 ちょ~っと外で遊んでたんですよ (竭氏)フン… 217 00:18:24,223 --> 00:18:28,694 して 昌文君を捜す必要がないとは どういう意味かな? 218 00:18:28,861 --> 00:18:30,729 ンフッ… 219 00:18:36,969 --> 00:18:39,572 (貂) 金がないって どういうことだよ? 220 00:18:39,672 --> 00:18:41,907 (政)小屋に置いてきた (貂)俺 最初に― 221 00:18:42,007 --> 00:18:44,543 “金目当てだ”って言ったよな? (政)ああ 222 00:18:44,643 --> 00:18:47,513 (貂)じゃ “金持ってねえ”って なんで言わなかったんだよ? 223 00:18:47,613 --> 00:18:51,617 (政)心配するな 王宮に 帰ったら 大金を用意しておく 224 00:18:51,817 --> 00:18:53,686 折を見て 取りに来るといい 225 00:18:53,786 --> 00:18:58,724 (貂)“王宮に帰ったら”って 一体 いつ帰れるんだよ? 226 00:18:59,492 --> 00:19:01,093 分かるわけがない 227 00:19:01,760 --> 00:19:05,231 なんとか食いつなげ お前ならできる… 多分 228 00:19:06,999 --> 00:19:10,135 ひでえ ひでえ! それでも人間かよ! 229 00:19:11,604 --> 00:19:13,739 (信)おい 政! (政)政? 230 00:19:14,607 --> 00:19:17,743 王宮に帰るっつっても どうやって帰るんだよ? 231 00:19:17,843 --> 00:19:19,245 向こうは軍隊持ってて 232 00:19:21,547 --> 00:19:25,050 こっちは お前と俺の2人だけだ (貂)えっ? 233 00:19:25,951 --> 00:19:28,954 お… おい 信 お前 まさか この王さまに… 234 00:19:29,054 --> 00:19:30,789 ああ ついていく 235 00:19:30,890 --> 00:19:34,660 だが 勘違いするなよ 漂のことを忘れたわけじゃねえ 236 00:19:34,793 --> 00:19:37,663 (信)王であるお前に ひざまずくわけでもねえ 237 00:19:38,631 --> 00:19:43,569 俺と漂の道のために お前を利用するだけだ 238 00:19:43,802 --> 00:19:46,839 フン… 今更 へりくだられても 気持ちが悪い 239 00:19:48,841 --> 00:19:52,278 それに 俺も お前を家来だなんて思いはしない 240 00:19:52,845 --> 00:19:56,882 危険を避けるための ただの剣だ 折れたら捨てていくぞ 241 00:19:57,883 --> 00:20:01,554 上等だ この野郎! (貂)ケケケのケ~! 242 00:20:02,021 --> 00:20:04,690 …で どうやって王宮に帰んのさ? 243 00:20:05,958 --> 00:20:08,694 この森の先に 最後の合流地がある 244 00:20:09,628 --> 00:20:13,098 そこで合流するしかない 昌文君と 245 00:20:15,568 --> 00:20:19,939 (肆氏(しし)) 黒卑村より 報告が入りました “やはり王は生きており―” 246 00:20:20,039 --> 00:20:25,110 “軍の包囲を脱出して 姿をくらましました”とのこと 247 00:20:25,678 --> 00:20:27,112 しぶとい王め! 248 00:20:27,813 --> 00:20:31,283 (竭氏)まあよい いちばんの問題であった昌文君は 249 00:20:31,584 --> 00:20:33,018 もうおらぬ (肆氏)うむ? 250 00:20:33,619 --> 00:20:35,287 危ない男であった 251 00:20:35,588 --> 00:20:39,592 あやつのせいで 今度の反乱は 失敗に終わるところであった 252 00:20:39,692 --> 00:20:42,328 (肆氏) もともと戦場で名を馳(は)せた武人 253 00:20:42,628 --> 00:20:45,864 厳重に警戒しておくべきでした (竭氏)フン… 254 00:20:45,965 --> 00:20:49,969 して その昌文君を誰が討ち取ったと… 255 00:20:50,235 --> 00:20:51,737 あの男よ 256 00:20:57,876 --> 00:20:59,244 王騎将軍! 257 00:21:00,145 --> 00:21:03,248 (肆氏) 伝説の大将軍が 我らに加勢を? 258 00:21:03,749 --> 00:21:09,254 ヤツは 昌文君の領地を得(う)ることを 条件に参戦してきおった 259 00:21:10,189 --> 00:21:15,861 (竭氏) それだけの領土で あの男を 味方にできるなら安いものだ 260 00:21:16,061 --> 00:21:18,797 王騎将軍は得体の知れぬお方です 261 00:21:18,897 --> 00:21:22,768 信用しすぎると 大ケガをいたしますぞ 262 00:21:23,369 --> 00:21:24,770 大ケガ? 263 00:21:25,804 --> 00:21:30,776 他人のことより 自分の首を 心配したほうがよいのではないか? 264 00:21:33,646 --> 00:21:35,347 王のことは お任せを 265 00:21:35,648 --> 00:21:38,217 うってつけの刺客が 追跡に向かっております 266 00:21:38,317 --> 00:21:43,022 朱凶(しゅきょう)が返り討ちに遭ったと聞いたぞ 大丈夫なのであろうな? 267 00:21:43,222 --> 00:21:48,193 ご安心を 王を追跡する刺客は ムタです 268 00:21:53,899 --> 00:21:56,902 (魏興) お前の出番が来たようだ ムタ 269 00:21:57,336 --> 00:22:01,240 (ムタ)追跡だべな ご主人さま (魏興)うむ… 270 00:22:01,774 --> 00:22:03,976 (ムタ)ムタの鼻は脅威だべ 271 00:22:04,076 --> 00:22:08,113 逃げてるのは小僧っ子3人だべ (魏興)3人? 272 00:22:08,347 --> 00:22:12,818 (ムタ)ムタの足は脅威だべ きっと すぐに追いつくべ 273 00:22:13,185 --> 00:22:16,021 (兵士B)フッ… ホントに こいつが刺客かよ? 274 00:22:22,795 --> 00:22:24,229 いきなり外してるし 275 00:22:25,164 --> 00:22:27,866 外してねえべ (兵士B)えっ? 276 00:22:33,272 --> 00:22:36,075 (兵士たち)ウワッ… (ざわめき) 277 00:22:36,175 --> 00:22:39,945 (ムタ)わざと ほっぺたを かするように狙ったんだべ 278 00:22:40,045 --> 00:22:41,747 それで十分だべ 279 00:22:42,748 --> 00:22:45,751 ムタの毒矢は脅威だべ 280 00:22:45,884 --> 00:22:50,122 それくらいにしておけ ムタ (ムタ)んだな 281 00:22:50,222 --> 00:22:53,792 (魏興) お前の力は 俺が よく知ってる 282 00:22:53,892 --> 00:22:56,061 早く行け! (ムタ)んだ! 283 00:22:56,161 --> 00:22:59,364 小僧っ子 見つけて 毒矢で殺して 284 00:22:59,498 --> 00:23:01,500 この まさかりで… 285 00:23:03,001 --> 00:23:05,370 小首を3つ取ってくるだ 286 00:24:37,029 --> 00:24:43,268 ~♪ 287 00:24:45,504 --> 00:24:49,841 (政) 言ったはずだ “ただの剣だ”と “折れたら捨てていく”と 288 00:24:49,942 --> 00:24:55,347 (ナレーター) 反発する魂が共鳴を起こした そして 運命の歯車が回り始める 289 00:24:55,981 --> 00:24:58,050 次回 “王と剣”