1 00:00:56,610 --> 00:00:59,113 (昌文君(しょうぶんくん))六将 摎(きょう)は女でした 2 00:00:59,546 --> 00:01:00,814 (昌文君)そして… 3 00:01:05,786 --> 00:01:09,390 王騎(おうき)の 妻になるはずの女だったのです 4 00:01:11,492 --> 00:01:14,895 (ナレーター)時は紀元前 春秋戦国時代 5 00:01:15,562 --> 00:01:20,534 名もなき存在から 百人隊の将にまでなった少年 信(しん)は 6 00:01:20,634 --> 00:01:24,405 今 歴史的な戦いの中心にいた 7 00:01:25,072 --> 00:01:31,712 秦国(しんこく)総大将 王騎と 趙国(ちょうこく)総大将 龐煖(ほうけん)の一騎打ち 8 00:01:32,045 --> 00:01:37,484 因縁深き その戦いに 国家の命運が握られていた 9 00:02:07,133 --> 00:02:12,839 ~♪ 10 00:02:23,717 --> 00:02:27,053 (政(せい)) 摎が王騎の妻になるはずだった女? 11 00:02:27,153 --> 00:02:31,758 (政)いや 六大将軍のひとりが 女だったというのか? 12 00:02:31,892 --> 00:02:35,295 はい 今こそ全てをお話ししましょう 13 00:02:36,029 --> 00:02:40,700 私が摎と出会ったのは 随分と前のことになります 14 00:02:40,800 --> 00:02:44,838 当時も秦国は 趙国と激しく敵対していました 15 00:02:45,906 --> 00:02:49,976 長平(ちょうへい)の戦いこそ 秦国の勝利で終わったものの― 16 00:02:50,076 --> 00:02:54,681 まだ各地に戦いの火種が いくらでも くすぶっていました 17 00:02:54,781 --> 00:02:56,917 そんな時代でした 18 00:02:57,017 --> 00:03:00,587 (兵士A)若殿! 昌文君さま! (昌文君)うん? 19 00:03:00,820 --> 00:03:03,590 (兵士A) 王騎将軍の軍が到着しました! 20 00:03:04,057 --> 00:03:08,862 (兵士B)な… 何ですか? あの異様な風体の軍は… 21 00:03:09,663 --> 00:03:12,699 フン… ただの目立ちたがりのアホどもだ 22 00:03:19,039 --> 00:03:20,206 女? 23 00:03:20,307 --> 00:03:23,777 (昌文君)その娘こそ 女兵士 摎 24 00:03:23,877 --> 00:03:25,912 美しい顔だちに見合わぬ― 25 00:03:26,012 --> 00:03:28,915 男顔負けの 武人という触れ込みでした 26 00:03:29,849 --> 00:03:34,120 聞けば そもそも 王騎の屋敷の召し使いの子であると 27 00:03:34,354 --> 00:03:36,623 (政)召し使いの子? (昌文君)はい 28 00:03:36,723 --> 00:03:42,829 幼少のころより王騎の近くで育ち 自ら武術の腕前を磨いたとか 29 00:03:42,929 --> 00:03:45,932 無論 私も信用しておりませなんだが 30 00:03:47,634 --> 00:03:50,704 何を騒いでおる? (兵士A)あっ… それが… 31 00:03:50,804 --> 00:03:54,107 (昌文君) えっ? 趙雷(ちょうらい)と国要(こくよう)を討っただと? 32 00:03:54,207 --> 00:03:56,843 (兵士B) て… 敵の大将と副将じゃないか! 33 00:04:00,614 --> 00:04:04,818 (昌文君)それから何度となく 戦場を共にするようになりました 34 00:04:04,918 --> 00:04:06,119 そして その度に― 35 00:04:06,219 --> 00:04:10,056 摎という娘の強さを 思い知ることとなったのです 36 00:04:11,224 --> 00:04:14,027 (摎)じい! じいは左をつぶせ! 37 00:04:15,295 --> 00:04:18,198 わ… 若殿… (昌文君)誰が じいか! 38 00:04:18,732 --> 00:04:20,867 いくぞ! 左だ! (兵士A)は… はっ! 39 00:04:28,708 --> 00:04:30,944 (昌文君) 武を取っても策を取っても― 40 00:04:31,044 --> 00:04:34,347 摎は正に戦の天才だったのです 41 00:04:34,914 --> 00:04:35,949 そして… 42 00:04:37,817 --> 00:04:40,954 (王騎)列国に “戦神(いくさがみ)”と恐れられる我が王は― 43 00:04:41,054 --> 00:04:44,758 前線を度々訪れるほどの戦好き 44 00:04:44,858 --> 00:04:48,361 王宮を離れ 遠征に出るのは昔からです 45 00:04:48,662 --> 00:04:51,164 (昌文君)頼もしいことだ (王騎)ええ 46 00:04:52,098 --> 00:04:55,235 しかし 男たちが外で戦っている裏でも― 47 00:04:55,335 --> 00:04:57,070 争いは起こっています 48 00:04:57,370 --> 00:04:59,205 (王騎)場所は後宮 49 00:04:59,939 --> 00:05:01,408 (昌文君)王騎が言うように― 50 00:05:01,708 --> 00:05:04,878 そのころの後宮は 特に荒れておりました 51 00:05:05,245 --> 00:05:07,013 世継ぎの問題を巡り― 52 00:05:07,113 --> 00:05:10,183 血なまぐさい争いが 絶えなかったのです 53 00:05:10,283 --> 00:05:15,288 昭王(しょうおう)が王宮を離れがちなことが それに拍車をかけていました 54 00:05:15,889 --> 00:05:20,760 (昌文君)そんな中で ひときわ 王の寵愛(ちょうあい)を受けていた美しい宮女が 55 00:05:20,860 --> 00:05:22,095 子を宿しました 56 00:05:23,329 --> 00:05:28,101 しかし その女は 下級の武家の出だったのです 57 00:05:29,269 --> 00:05:33,707 (昌文君)後宮において 後ろ盾になってくれる者も見込めず 58 00:05:33,807 --> 00:05:37,210 とても赤子を守ることなど できはしませんでした 59 00:05:38,044 --> 00:05:39,979 そこで 彼女は… 60 00:05:49,856 --> 00:05:52,492 (宮女)ごめん… ごめんね… 61 00:05:53,159 --> 00:05:55,862 こうするしか… ないの… 62 00:05:58,031 --> 00:05:59,032 ごめんね… 63 00:05:59,866 --> 00:06:01,434 どうか健やかに… 64 00:06:03,036 --> 00:06:04,037 摎… 65 00:06:06,272 --> 00:06:11,277 (昌文君)摎の母は信頼できる所へ 我が子を託したのです 66 00:06:11,377 --> 00:06:16,149 王宮から離れた地 なおかつ 事情を理解できる地位の人間 67 00:06:17,217 --> 00:06:19,853 (昌文君)つまり 王騎の屋敷です 68 00:06:19,953 --> 00:06:23,523 摎の母は 王騎の父の戦友の娘でした 69 00:06:23,823 --> 00:06:27,160 …とはいえ 突然 養女にするのは目立つため 70 00:06:27,260 --> 00:06:29,162 召し使いの子として 71 00:06:29,395 --> 00:06:33,533 (政) まさか 六将 摎が昭王の娘とは… 72 00:06:34,334 --> 00:06:37,070 その事実 昭王や摎は? 73 00:06:37,170 --> 00:06:39,172 (昌文君) もちろん知りませんでした 74 00:06:39,772 --> 00:06:41,174 ところが… 75 00:06:41,307 --> 00:06:43,042 (兵士) 大王さまがいらっしゃった! 76 00:06:43,143 --> 00:06:46,980 急げ! 列を整えろ! ボケッとするな! 77 00:06:48,047 --> 00:06:52,352 (昌文君)ある日のこと 戦場に昭王が姿を見せられたのです 78 00:06:52,452 --> 00:06:56,789 南安(なんあん)での戦いを勝利に 導いた王騎軍をねぎらうために 79 00:06:57,290 --> 00:07:00,193 (昭王) さすがは王騎! 我が宝刀よ 80 00:07:00,460 --> 00:07:01,528 (昭王)この南安は― 81 00:07:01,828 --> 00:07:05,298 長年 手に入れることがかなわぬ 不落の地であった 82 00:07:05,431 --> 00:07:07,500 誠に よくやったぞ! 83 00:07:07,800 --> 00:07:11,337 身に余るお言葉 ありがたくいただきます 84 00:07:11,437 --> 00:07:13,940 うん? どうした? 摎 85 00:07:14,340 --> 00:07:17,143 う… うん 何でもない 86 00:07:17,477 --> 00:07:21,247 (昭王) ところで王騎 あの者は どこじゃ? 87 00:07:21,347 --> 00:07:23,516 今回も活躍したそうではないか 88 00:07:23,850 --> 00:07:27,020 お前の側近の女兵士 摎 89 00:07:27,120 --> 00:07:30,056 最近 よくその名を耳にするぞ 90 00:07:30,156 --> 00:07:31,958 どこにおるのじゃ? 91 00:07:32,559 --> 00:07:34,027 摎 前へ 92 00:07:34,961 --> 00:07:36,462 は… はい! 93 00:07:58,918 --> 00:08:00,486 (兵士たちの ざわめき) 94 00:08:03,923 --> 00:08:06,459 (昭王)摎… 年はいくつだ? 95 00:08:07,627 --> 00:08:09,462 じゅ… 16です 96 00:08:11,464 --> 00:08:13,099 そうか… 97 00:08:14,234 --> 00:08:15,268 そうか 98 00:08:16,202 --> 00:08:18,137 よく頑張ったな 99 00:08:19,339 --> 00:08:22,475 摎 王騎同様― 100 00:08:23,109 --> 00:08:25,545 お前も私の宝だ 101 00:08:28,581 --> 00:08:31,284 もちろん うぬら全員もだ! 102 00:08:31,384 --> 00:08:35,922 帰ったら 必ず褒美を取らせるぞ (兵士たちの歓声) 103 00:08:36,022 --> 00:08:37,290 (昭王)王騎 (王騎)はい 104 00:08:37,557 --> 00:08:40,627 (昭王)あとで話がある (王騎)はっ! 105 00:08:48,034 --> 00:08:49,402 (昌文君)そして それから― 106 00:08:49,502 --> 00:08:52,972 摎は戦場で 仮面を着けるようになりました 107 00:08:53,273 --> 00:08:54,941 表向きの理由は― 108 00:08:55,041 --> 00:08:59,112 列国に名の通る前に 女であることを隠すためでしたが 109 00:08:59,445 --> 00:09:03,516 摎について その素性を語ることも 禁じられたのです 110 00:09:04,217 --> 00:09:05,652 (昌文君) そして それからまもなく― 111 00:09:05,952 --> 00:09:09,022 摎は正式に将に列せられました 112 00:09:09,122 --> 00:09:12,225 (昌文君)摎 少しいいか? (摎)じいか? どうぞ 113 00:09:13,226 --> 00:09:15,028 誰が じいか 114 00:09:19,499 --> 00:09:21,067 平気なのか? 115 00:09:26,406 --> 00:09:29,943 (摎)やっとね 気持ちの整理がついてきた 116 00:09:30,510 --> 00:09:32,445 怒りも悲しみもないよ 117 00:09:32,545 --> 00:09:36,149 だって 本当は すぐに殺されてた命だもんね 118 00:09:36,482 --> 00:09:39,118 こうして生きてるだけで感謝だよ 119 00:09:43,990 --> 00:09:48,061 うん ウソ 本当は すごく悲しい… 120 00:09:49,395 --> 00:09:53,333 じいは王騎さまから話を? (昌文君)ああ… 121 00:09:54,600 --> 00:09:56,235 (摎)そっか 122 00:09:57,403 --> 00:10:01,641 貧乏クジだね どうりで出世できないわけだ 123 00:10:01,741 --> 00:10:03,676 (昌文君)やかましい (摎)フフッ… 124 00:10:06,045 --> 00:10:07,413 お前は女だ 125 00:10:07,513 --> 00:10:10,216 軍としては大損失だが― 126 00:10:10,316 --> 00:10:13,152 ここで剣を置くのも ひとつの道だろう 127 00:10:13,453 --> 00:10:18,291 それは本末転倒だよ 私が剣を置いて何が残るの? 128 00:10:18,524 --> 00:10:22,495 公女になれるわけでもない ただの召し使いの娘 129 00:10:23,396 --> 00:10:24,731 剣は置かない 130 00:10:25,531 --> 00:10:29,302 だが 戦い続けて どうするのだ? 131 00:10:29,635 --> 00:10:31,504 天下の大将軍になる! 132 00:10:31,637 --> 00:10:33,506 な… なんだと? 133 00:10:37,143 --> 00:10:39,345 私の戦う理由はね 134 00:10:39,445 --> 00:10:43,349 本当に たわいもない 子供のころの約束なんだ 135 00:10:44,684 --> 00:10:46,419 (摎)王騎さま! 136 00:10:47,053 --> 00:10:51,724 王騎さまは天下の大将軍になって お城をたくさん取るんですか? 137 00:10:52,025 --> 00:10:54,327 (王騎)ンフフフッ… そうですよ 138 00:10:55,028 --> 00:10:57,730 (摎) それでは 摎も大将軍になります! 139 00:10:58,731 --> 00:11:05,138 そして お城を100コ取ったら 摎を王騎さまの妻にしてください! 140 00:11:06,606 --> 00:11:10,143 (王騎)ンフフフッ… いいですよ (摎)わあ! 141 00:11:11,711 --> 00:11:12,678 エヘッ… 142 00:11:14,380 --> 00:11:16,649 (摎) “ああ くだらん”とか言わないの 143 00:11:17,283 --> 00:11:20,386 子供のころの私は 大真面目だったんだから 144 00:11:20,820 --> 00:11:22,822 そして 今も大真面目 145 00:11:24,157 --> 00:11:26,759 私の居場所は ここだよ じい 146 00:11:27,059 --> 00:11:28,728 仲間もいっぱいいる 147 00:11:28,828 --> 00:11:33,399 それに これからは父も見ていてくれる 148 00:11:34,834 --> 00:11:36,269 私は やるぞ 149 00:11:44,710 --> 00:11:46,512 (昌文君)ひと度 火蓋を切ると 150 00:11:51,738 --> 00:11:55,676 敵を滅するまで攻撃をやめない 苛烈な戦いぶりで― 151 00:11:55,776 --> 00:11:57,311 摎は勝ち続けました 152 00:12:05,852 --> 00:12:07,588 (昌文君)将軍となって すぐ― 153 00:12:07,688 --> 00:12:13,360 その力は秦の五大将軍に匹敵すると 言われるまでになっておりました 154 00:12:23,270 --> 00:12:28,275 (昌文君)そして 摎は ついに 6人目の大将軍となったのです 155 00:12:28,842 --> 00:12:32,446 摎が大将軍となって しばらくしたころ… 156 00:12:32,779 --> 00:12:35,782 (兵士C)お… 王騎さまだ! (兵士D)王騎将軍! 157 00:12:35,882 --> 00:12:38,318 (兵士E) 昌文君どのもいらっしゃるぞ! 158 00:12:47,928 --> 00:12:49,463 (王騎)入りますよ 159 00:12:49,997 --> 00:12:52,633 久しぶりだな 摎… 160 00:12:55,836 --> 00:12:56,870 (王騎)ンフッ… 161 00:12:57,304 --> 00:12:58,872 お… 王騎さま! 162 00:12:59,706 --> 00:13:00,874 あ… あの… 163 00:13:03,276 --> 00:13:06,279 (摎) そんなことは自分でやりますから… 164 00:13:08,348 --> 00:13:12,452 昔はよく こうして手当てしてあげたものです 165 00:13:12,552 --> 00:13:13,887 (摎)いつの話ですか 166 00:13:14,421 --> 00:13:16,690 摎は もう子供じゃありませんよ 167 00:13:17,691 --> 00:13:20,560 本当に久しぶりですね 摎 168 00:13:20,794 --> 00:13:26,500 誰かと違って 大きく出世すると なかなか自由がありませんからね 169 00:13:27,034 --> 00:13:27,901 はい… 170 00:13:29,569 --> 00:13:30,570 (王騎)はい 171 00:13:31,004 --> 00:13:33,807 あ… あの… 王騎さま 172 00:13:36,076 --> 00:13:39,680 あっ いえ… 何でも… 173 00:13:39,780 --> 00:13:42,315 ところで 何用で ここに? 174 00:13:42,549 --> 00:13:46,353 (王騎)久々に あなたに 会いたくなって 遠路はるばる… 175 00:13:46,453 --> 00:13:50,323 …というのは冗談で 次の戦のためです 176 00:13:50,424 --> 00:13:54,528 次の戦? (王騎)次の戦 馬陽(ばよう)攻略戦は― 177 00:13:55,362 --> 00:13:58,999 あなたと私の連合軍で 戦うことになりました 178 00:13:59,800 --> 00:14:01,535 王騎さまと私で? 179 00:14:01,668 --> 00:14:04,104 (昌文君) 一応 わしの軍も参加するがな 180 00:14:04,404 --> 00:14:07,541 (王騎) 私は副将 大将はあなたです 181 00:14:08,608 --> 00:14:09,543 摎… 182 00:14:12,779 --> 00:14:15,549 いよいよ最後の1つですね 183 00:14:19,786 --> 00:14:24,057 “最後の1つ”? うん? 何だ? 184 00:14:24,358 --> 00:14:25,792 どうした? 摎 185 00:14:27,661 --> 00:14:31,365 覚えていてくださったんだ… しかも 数まで… 186 00:14:31,498 --> 00:14:33,433 えっ? まさか… 187 00:14:33,533 --> 00:14:38,772 (摎)そして お城を100コ取ったら 摎を王騎さまの妻にしてください! 188 00:14:39,840 --> 00:14:42,909 (王騎)ンフフフッ… いいですよ 189 00:14:43,777 --> 00:14:47,381 うん そうなの… 次の馬陽の城で… 190 00:14:48,081 --> 00:14:49,850 100コ目なんだ 191 00:14:50,684 --> 00:14:56,590 (昌文君)しかし 馬陽攻略の前夜 あの男が現れたのです 192 00:14:56,690 --> 00:15:01,728 まるで人の形をした災厄のような あの男が… 193 00:15:20,947 --> 00:15:24,818 (信)どうしたんだ? 王騎将軍が動かねえ 194 00:15:41,902 --> 00:15:43,737 (信)ウワッ! (渕(えん))こ… これは! 195 00:15:44,638 --> 00:15:45,739 (龐煖)これだ 196 00:15:46,106 --> 00:15:49,142 これと戦うために俺は来た! 197 00:15:49,709 --> 00:15:53,180 9年前に敗れた これと… 198 00:15:53,480 --> 00:15:56,716 (昌文君)龐煖… あの男が何をしたかったのか― 199 00:15:56,817 --> 00:15:58,552 私には分かりません 200 00:15:58,652 --> 00:16:02,889 野営地の兵士たちを斬り倒し 摎に襲いかかった 201 00:16:03,924 --> 00:16:06,159 ただ強きを求めるように… 202 00:16:13,700 --> 00:16:17,070 (摎軍兵たち)摎さま! 摎将軍! 203 00:16:18,905 --> 00:16:19,873 (摎)ハアッ! 204 00:16:38,492 --> 00:16:41,695 (摎軍兵たち)摎さま! 摎さま! 205 00:16:42,529 --> 00:16:47,267 (龐煖)天の恐るる者は 地上に ただひとり 我だけだ 206 00:16:48,935 --> 00:16:50,003 (兵士)王騎将軍! 207 00:16:55,041 --> 00:16:57,677 (龐煖)もう1人おったか! 208 00:17:00,714 --> 00:17:02,582 (兵士たち)ウワッ! 209 00:17:07,053 --> 00:17:10,056 (龐煖)なんだ この男の力は… 210 00:17:10,156 --> 00:17:11,224 ハアーッ! 211 00:17:15,996 --> 00:17:17,731 (王騎軍兵)射(う)て! (刺さる音) 212 00:17:27,807 --> 00:17:30,143 (龐煖)グワッ! 213 00:17:36,950 --> 00:17:40,587 なぜだ… なぜ敗れた? 214 00:17:41,054 --> 00:17:43,657 あの女に受けた傷のせいか? 215 00:17:45,559 --> 00:17:48,595 違う… 傷など関係ない 216 00:17:48,695 --> 00:17:51,131 あの男のほうが上だったのだ 217 00:17:51,798 --> 00:17:55,936 我が武が及ばなかったのだ 我が武が! 218 00:17:59,205 --> 00:18:04,344 来い 王騎! 今の貴様を砕くために我は来た! 219 00:18:07,681 --> 00:18:08,848 龐煖も! 220 00:18:09,783 --> 00:18:12,786 あっ… 王騎将軍も出た! 221 00:18:13,320 --> 00:18:14,988 (趙兵たち)龐煖さま! 222 00:18:15,121 --> 00:18:16,790 (王騎軍兵たち)王騎将軍! 223 00:18:21,995 --> 00:18:23,163 ウリャーッ! 224 00:18:25,031 --> 00:18:27,968 (龐煖)元の体に戻るのに3年 225 00:18:28,268 --> 00:18:32,105 山中で修練を6年積んだ 226 00:18:32,205 --> 00:18:35,976 そして 李牧(りぼく)という男が現れた 227 00:18:39,746 --> 00:18:41,348 話に乗ったのは― 228 00:18:41,648 --> 00:18:46,686 この男など足元にも及ばぬ極みに 達した自負があったからだ 229 00:18:46,920 --> 00:18:49,956 およそ人の到達できぬ武の極みに 230 00:18:50,056 --> 00:18:51,791 だが なぜ… 231 00:18:57,030 --> 00:19:01,301 (龐煖)この男の刃(やいば)は はじき返すことがかなわぬほどに… 232 00:19:02,068 --> 00:19:03,903 こうも重い? 233 00:19:04,204 --> 00:19:07,974 この男のどこに こんな力が… 234 00:19:09,909 --> 00:19:12,779 腑(ふ)に落ちないようですね 龐煖 235 00:19:12,879 --> 00:19:15,915 武将とは やっかいなものですよ 236 00:19:17,183 --> 00:19:21,988 13のころより 数えきれぬほどの戦場を駆け回り 237 00:19:22,088 --> 00:19:27,127 数万の友を失い 数十万の敵を葬ってきました 238 00:19:27,360 --> 00:19:30,397 命の火と共に消えた彼らの思いが 239 00:19:30,697 --> 00:19:34,734 全て この双肩に重く宿っているのですよ 240 00:19:34,934 --> 00:19:37,737 もちろん摎の思いもです! 241 00:19:38,405 --> 00:19:43,143 山でひとり籠もっているあなたには 理解できないことでしょうね 242 00:19:43,743 --> 00:19:47,013 (尾平(びへい)) 死んだヤツらの思いが双肩に… 243 00:19:47,113 --> 00:19:50,016 (信)そのとおりだ だから 俺らは強くなるし― 244 00:19:50,116 --> 00:19:53,753 そこを通ってきた将軍ってのは 強(つえ)えんだ! 245 00:19:56,356 --> 00:19:58,058 (龐煖)語るに足らぬ 246 00:19:58,158 --> 00:20:01,895 いつの時代も お前たちは思い違いをしている 247 00:20:02,462 --> 00:20:07,200 死者の思いを継ぐなど 残された者の勝手な夢想 248 00:20:07,300 --> 00:20:09,469 人は死ねば土くれと化す 249 00:20:09,969 --> 00:20:13,073 敗者は地に落ち 勝者は天に近づく 250 00:20:13,907 --> 00:20:16,376 あることわりは それだけだ! 251 00:20:21,915 --> 00:20:23,083 (王騎)龐煖 252 00:20:24,150 --> 00:20:28,388 やはり あなたとは 最後まで相いれないようですね 253 00:20:29,055 --> 00:20:31,091 当然だ! 254 00:20:35,161 --> 00:20:37,864 王騎が愛した女 摎 255 00:20:38,131 --> 00:20:39,999 それを殺した龐煖 256 00:20:40,233 --> 00:20:45,505 そこまでの因縁があったからこそ 趙軍は龐煖を総大将に据えた… 257 00:20:45,839 --> 00:20:48,408 王騎を戦場に引きずり出すために… 258 00:20:49,209 --> 00:20:52,412 大王? (政)いや まさか… 259 00:20:55,315 --> 00:20:57,517 この5日間に及ぶ戦い 260 00:20:58,151 --> 00:21:00,920 全ては王騎将軍の命がねらい… 261 00:21:01,020 --> 00:21:05,191 (昌文君)勝利のために 大将を討つは そもそも戦の道理 262 00:21:05,291 --> 00:21:07,093 (政)いや そうではない 263 00:21:07,427 --> 00:21:10,830 この戦 もっと異様な形をしているのだ 264 00:21:11,197 --> 00:21:14,200 勝利のために 王騎を討とうというのではない 265 00:21:14,300 --> 00:21:17,036 そもそも王騎の首こそが ねらい 266 00:21:17,237 --> 00:21:20,373 そのための戦いなのだ (昌文君)まさか… 267 00:21:20,840 --> 00:21:22,375 (政)にわかには信じられぬ 268 00:21:22,475 --> 00:21:27,247 だが ここまでの策を巡らせたのが 李牧という男なら… 269 00:21:35,522 --> 00:21:37,056 (側近A)突破されました! 270 00:21:37,190 --> 00:21:40,460 (副官)第3陣 崩壊です! (側近C)何なのだ? あの男は 271 00:21:40,927 --> 00:21:43,062 (趙荘(ちょうそう))な… なんということだ… 272 00:21:43,363 --> 00:21:45,465 これほどのバケモノだったとは… 273 00:21:46,399 --> 00:21:47,567 (趙兵たち)ウワーッ! 274 00:21:48,034 --> 00:21:51,171 (趙荘) 王騎め あえて隠しておったな! 275 00:21:53,973 --> 00:21:58,111 (龐煖) 我のほうが速く 力も我のほうが上 276 00:21:59,045 --> 00:22:01,815 技においては比べるまでもない (斬る音) 277 00:22:02,115 --> 00:22:03,817 (渕)ああ 王騎将軍! 278 00:22:09,055 --> 00:22:12,125 なのに なぜ斬り伏せられぬ? 279 00:22:12,258 --> 00:22:14,127 敗れた理由は― 280 00:22:14,260 --> 00:22:17,130 あの世で摎に教えてもらいなさい! 281 00:22:19,532 --> 00:22:21,334 いけー! 282 00:22:25,238 --> 00:22:28,141 (信)ど… どうしたんだ 王騎将軍 なんで? 283 00:22:31,477 --> 00:22:35,615 待て さっきから何だ? この地鳴りは 284 00:22:37,550 --> 00:22:38,585 (政)王騎よ 285 00:22:38,885 --> 00:22:42,355 今 お前は どれほどのワナに からめ捕られているのか 286 00:22:42,922 --> 00:22:45,959 だが 死ぬな 王騎よ! 287 00:23:00,506 --> 00:23:03,943 早かったですね 随分 288 00:23:04,444 --> 00:23:08,381 信 王騎の運命(さだめ)を変えてくれ! 289 00:24:37,203 --> 00:24:43,376 ~♪ 290 00:24:46,279 --> 00:24:50,450 (王騎) 久しぶりに血が沸き立ちます! 291 00:24:50,583 --> 00:24:55,054 (ナレーター)活路なし! 天下を震わせた怪鳥が地に落ちる! 292 00:24:55,355 --> 00:24:58,291 次回 “我 死線にあり”