1 00:00:01,410 --> 00:00:04,750 (伊織(いおり)) 稲葉(いなば)ん 死んだかと思ったよ 2 00:00:04,880 --> 00:00:07,290 (姫子(ひめこ)) ただの立ちくらみで死ぬかよ 3 00:00:07,420 --> 00:00:09,210 (唯(ゆい))でも びっくりした 4 00:00:09,960 --> 00:00:12,720 (唯)あいつが 何かしたのかと思っちゃった 5 00:00:12,840 --> 00:00:18,060 ふうせんかずらは関係ない ちょっと最近 体調 崩しててな 6 00:00:18,810 --> 00:00:21,890 (姫子)ホントなら 保健室に来るほどでもないんだが 7 00:00:22,020 --> 00:00:25,900 (義文(よしふみ))ダメだって 稲葉っちゃん 自分の体は大事にしなきゃ 8 00:00:26,020 --> 00:00:29,190 お前に私が たしなめられるとはな 9 00:00:29,320 --> 00:00:31,440 (義文)ホントに 大事にしなきゃだって 10 00:00:31,570 --> 00:00:33,650 (姫子)ああ… はいはい 11 00:00:34,070 --> 00:00:40,080 ♪〜 12 00:01:57,150 --> 00:02:03,160 〜♪ 13 00:02:04,910 --> 00:02:09,040 (姫子) 大げさなんだよ お前らは 1人で帰れるってのに 14 00:02:09,170 --> 00:02:11,420 (太一) ここで稲葉を放り出したら— 15 00:02:11,540 --> 00:02:14,420 あした 桐山(きりやま)に蹴りを 食らわせられるからな 16 00:02:14,550 --> 00:02:18,180 (伊織)だよね 唯も青木(あおき)も ついてきたがってたんだから 17 00:02:18,300 --> 00:02:22,850 (姫子)冗談じゃねえ 4人も ぞろぞろ引き連れて歩けるかよ 18 00:02:23,720 --> 00:02:25,350 (姫子)じゃ 太一 (太一たち)うん? 19 00:02:25,470 --> 00:02:28,560 そろそろ 昨日 唯と何があったのか— 20 00:02:28,690 --> 00:02:30,480 はっきりさせてもらおうか 21 00:02:30,600 --> 00:02:34,070 何が“じゃ”だよ 全然 脈略ないぞ 22 00:02:34,190 --> 00:02:36,240 (姫子)脈絡なんて どうでもいい 23 00:02:36,360 --> 00:02:41,660 とにかく教えてくれないと 気になって倒れそうだ 24 00:02:42,070 --> 00:02:44,620 体調をネタにするのは ずるいだろう 25 00:02:44,740 --> 00:02:46,910 (伊織) 私もショックで倒れちゃうかも 26 00:02:47,040 --> 00:02:47,910 えっ? 27 00:02:48,040 --> 00:02:53,250 私たちの信頼関係は そんなものだったのかって 28 00:02:53,380 --> 00:02:55,050 (伊織)ねえ 稲葉ん 29 00:02:55,300 --> 00:02:56,510 そうだな 30 00:02:56,630 --> 00:02:58,760 分かった 分かった 31 00:02:58,880 --> 00:03:02,510 ただ 俺が勝手に しゃべれないこともあるからな 32 00:03:05,640 --> 00:03:07,890 (笑い声) 33 00:03:08,020 --> 00:03:12,150 すごいやり方 思いつくもんだな 自己犠牲野郎 34 00:03:12,270 --> 00:03:14,150 (太一) そんなに笑うことないだろう 35 00:03:14,270 --> 00:03:17,740 それで蹴られたところは まだ痛むのか? 36 00:03:17,860 --> 00:03:21,110 ほっとけ 永瀬(ながせ)も何か言ってやってくれ 37 00:03:21,240 --> 00:03:23,070 (太一)あっ どうした? (姫子)あっ 38 00:03:24,830 --> 00:03:27,200 私 気づかなかった 39 00:03:27,330 --> 00:03:28,580 (太一たち)あっ 40 00:03:29,040 --> 00:03:32,710 唯が男の人を苦手にしてるのは 分かってたけど 41 00:03:33,170 --> 00:03:36,170 そこまでひどい 男性恐怖症だったなんて 42 00:03:38,630 --> 00:03:41,550 あっ… 永瀬 43 00:03:41,680 --> 00:03:45,350 多分 桐山は そんなふうに 誰かが気を使ったり— 44 00:03:45,470 --> 00:03:48,220 ギクシャクしたりするのが イヤなんだと思う 45 00:03:48,350 --> 00:03:52,060 (太一)だから 永瀬も なるべく今までどおり接してやれ 46 00:03:52,190 --> 00:03:56,110 今までどおり… 私は それでいいの? 47 00:03:56,230 --> 00:03:58,730 ああ 十分だ 48 00:04:01,490 --> 00:04:03,820 やっぱり お前ら お似合いだよ 49 00:04:03,950 --> 00:04:08,370 お互いが お互いを 必要とし合ってる 間違いねえ 50 00:04:08,490 --> 00:04:11,580 稲葉ん 勝手なこと 言わないでくれる? 51 00:04:11,710 --> 00:04:15,790 この間も私と太一が その… 52 00:04:16,090 --> 00:04:18,550 えっさらほーいだとか 言いやがってさ 53 00:04:18,670 --> 00:04:19,670 はぁ? 54 00:04:19,800 --> 00:04:22,550 実際 えっさらほーいなんだから しかたないだろう 55 00:04:22,680 --> 00:04:23,630 ああ… 56 00:04:23,760 --> 00:04:28,180 でも あれだな 唯のヤツも 多分 太一に惚(ほ)れかけてるな 57 00:04:28,310 --> 00:04:29,270 (太一)えええっ? 58 00:04:29,390 --> 00:04:31,020 (伊織)稲葉ん ストレートすぎ 59 00:04:31,140 --> 00:04:36,020 自己犠牲野郎のやっかいなところは 惚れられてしまうという事態が— 60 00:04:36,150 --> 00:04:39,190 しばしば 発生してしまうところなんだよな 61 00:04:39,400 --> 00:04:43,400 優しさが人を傷つけることだって あるのを忘れるなよ 62 00:04:43,530 --> 00:04:46,530 それは了解しました 63 00:04:48,530 --> 00:04:49,990 (姫子)今日は迷惑かけたな 64 00:04:50,120 --> 00:04:52,450 (太一) 気にするな 安静にしとけよ 65 00:04:52,580 --> 00:04:56,000 稲葉んが今 いちばん 気にしないといけないのは— 66 00:04:56,130 --> 00:04:58,920 みんなのことじゃなくて 自分の体だよ 67 00:04:59,040 --> 00:05:01,090 大丈夫だって 68 00:05:02,760 --> 00:05:05,760 (姫子)おーっと そうだ 忘れるところだった 69 00:05:05,880 --> 00:05:09,930 伊織 お前のトラウマも 太一に解決してもらえよ 70 00:05:10,060 --> 00:05:12,560 えっ? あっ 71 00:05:14,140 --> 00:05:18,440 稲葉ん それは誰にも 言わない約束じゃなかったっけ 72 00:05:18,560 --> 00:05:22,690 (姫子)太一 お前ならできるさ やってやれ 73 00:05:23,070 --> 00:05:25,780 (ドアの開閉音) 74 00:05:29,580 --> 00:05:32,750 稲葉んは勝手だ 勝手すぎる 75 00:05:33,500 --> 00:05:36,620 (伊織)私のためを 思ってくれてるのも分かってるけど 76 00:05:38,580 --> 00:05:41,630 太一は知りたい? 私のこと 77 00:05:41,750 --> 00:05:43,340 それは… 78 00:05:43,460 --> 00:05:45,220 (伊織)どんな話を聞いたって— 79 00:05:45,340 --> 00:05:49,260 今までどおりいてくれるって 約束するなら話してもいい 80 00:05:51,180 --> 00:05:53,390 分かった 約束する 81 00:05:54,350 --> 00:05:57,390 やっぱり太一は そう言うんだね 82 00:06:06,280 --> 00:06:09,360 (伊織)じゃ 話しますか (太一)おう 83 00:06:09,490 --> 00:06:13,700 でも その前に ひとネタ 入れておこうと思うんだ 84 00:06:13,830 --> 00:06:14,700 えっ? 85 00:06:14,830 --> 00:06:17,660 いや シリアスな感じに なりそうなときには— 86 00:06:17,790 --> 00:06:21,250 その前に笑えるネタ 入れといたほうがいいかなって 87 00:06:21,380 --> 00:06:24,250 要らねえよ どういう発想なんだよ 88 00:06:24,380 --> 00:06:28,260 でも そんなときにかぎってさ ネタが思いつかないんだよね 89 00:06:28,380 --> 00:06:30,300 だったら なおさらやるなよ 90 00:06:30,430 --> 00:06:31,970 (伊織)なんてね 91 00:06:32,100 --> 00:06:36,140 ネタをやろうと思ったけど ネタがないっていうネタでした 92 00:06:36,270 --> 00:06:38,440 でも 本当に ネタがないんじゃなくて— 93 00:06:38,560 --> 00:06:41,650 あえて このネタがないネタを チョイスしたことは— 94 00:06:41,770 --> 00:06:43,070 分かってもらいたいな 95 00:06:43,190 --> 00:06:45,150 “分かってもらいたいな”じゃ ねえよ 96 00:06:45,280 --> 00:06:47,690 ネタをやろうとしたけど ネタがないっていうネタ以前に 97 00:06:47,820 --> 00:06:49,860 そもそもネタを必要としてねえよ (笑い声) 98 00:06:49,990 --> 00:06:52,990 つうか 太一も意外とノリいいよね 99 00:06:53,120 --> 00:06:54,240 あっ あっ… 100 00:06:55,290 --> 00:06:58,250 お前が相手だと 何か そうなる 101 00:07:01,210 --> 00:07:04,340 私さ 父親が5人いるんだよね 102 00:07:04,460 --> 00:07:06,420 えっ? あっ… 103 00:07:06,550 --> 00:07:10,430 でも正式に籍を入れたのは 3人だったかな 104 00:07:10,840 --> 00:07:15,890 それは 永瀬の母親が離婚して また再婚してってことか 105 00:07:16,010 --> 00:07:17,180 そう! 106 00:07:17,310 --> 00:07:20,980 …で 2人目の父親に ちょっと問題があったんだ 107 00:07:21,480 --> 00:07:25,150 単純にいえば 暴力を振るうタイプの男だったのさ 108 00:07:25,270 --> 00:07:26,150 えっ 109 00:07:26,280 --> 00:07:29,650 (伊織)でも別に そんな深刻な話じゃなくて 110 00:07:29,780 --> 00:07:32,910 …ていうか 私が そうさせなかった 111 00:07:33,280 --> 00:07:37,700 私は私を演じたの その人の好みに合わせてね 112 00:07:37,830 --> 00:07:38,700 どういう… 113 00:07:38,830 --> 00:07:41,420 (伊織)相手の気分を 害さないように振る舞うんだよ 114 00:07:42,880 --> 00:07:47,500 こうすれば こうなれば怒られない 褒められさえする 115 00:07:47,670 --> 00:07:50,510 好き嫌いも全部 相手に合わせた 116 00:07:51,380 --> 00:07:53,890 小学校1年のころだったかな 117 00:07:54,890 --> 00:07:58,970 (伊織)それから ずっと 私は いろんな私を使い分けた 118 00:07:59,480 --> 00:08:02,060 でも 去年の春 5人目の父親が— 119 00:08:02,190 --> 00:08:04,730 病気で死ぬ間際に 言ってくれたんだよ 120 00:08:05,360 --> 00:08:07,860 “もっと自由に生きなさい”って 121 00:08:08,530 --> 00:08:11,360 …で その人が亡くなったあと— 122 00:08:11,490 --> 00:08:13,530 “今まで好き勝手やってごめんね” 123 00:08:13,660 --> 00:08:16,370 “これからは あなたが 望むとおりに生きられるよう—” 124 00:08:16,490 --> 00:08:18,790 “お母さんは頑張るわ” みたいなことを— 125 00:08:18,910 --> 00:08:21,000 泣きながら言われちゃった 126 00:08:21,330 --> 00:08:23,500 …で ハッピーエンド 127 00:08:23,620 --> 00:08:26,170 (太一)お母さんとは うまくやってるんだな 128 00:08:28,130 --> 00:08:32,590 (伊織)でも そこから最悪な アフターエピソードが始まるんだよ 129 00:08:32,720 --> 00:08:34,590 “自由にしていい” 130 00:08:34,720 --> 00:08:37,470 そう言われた私は がく然としたんだ 131 00:08:37,680 --> 00:08:42,560 私の好きなものは何だっけ 私のしたいことって何だっけ 132 00:08:42,680 --> 00:08:46,480 私は ずっと誰かが 望む私として生きてきた 133 00:08:46,610 --> 00:08:50,480 …で 本当の私を どうやら忘れちゃったのさ 134 00:08:51,490 --> 00:08:53,280 (伊織) 自分の好きにしようとしても— 135 00:08:53,400 --> 00:08:55,450 それが何か分からない 136 00:08:55,570 --> 00:08:57,620 だから 私は その場にあったキャラを— 137 00:08:57,740 --> 00:08:59,620 演じることにしたんだよ 138 00:09:00,240 --> 00:09:03,660 皮肉だけど 私が唯一 自信が持てるのは— 139 00:09:03,790 --> 00:09:06,790 他人の望むことを見破ることなんだ 140 00:09:07,330 --> 00:09:10,840 なのに最近 それも見えなくなってきちゃった 141 00:09:10,960 --> 00:09:13,800 唯の男性恐怖症にも 気づかなかったし 142 00:09:13,920 --> 00:09:14,800 それは… 143 00:09:14,930 --> 00:09:18,140 (伊織)そして 人格入れ代わりが 起こってしまった 144 00:09:19,260 --> 00:09:22,430 人格としての私は もうほとんど見失われてるのに— 145 00:09:22,560 --> 00:09:26,060 体が入れ代わって それさえ あいまいになって 146 00:09:26,190 --> 00:09:30,320 そのうち 誰も私を 私と気づいてくれなくなって 147 00:09:30,570 --> 00:09:33,070 私自身にも分からなくなって 148 00:09:33,740 --> 00:09:35,450 そんなふうにして— 149 00:09:35,570 --> 00:09:39,070 私は この世から 消えてしまうんじゃないかな 150 00:09:39,200 --> 00:09:40,780 (太一)あっ… 151 00:09:41,580 --> 00:09:44,330 そんなことには絶対にならない 152 00:09:44,450 --> 00:09:48,630 なぜなら 何があったって どんなふうになったって— 153 00:09:48,750 --> 00:09:52,210 俺が 永瀬が永瀬であると 分かってやれるからだ 154 00:09:52,340 --> 00:09:53,920 そんなのムリだよ 155 00:09:54,050 --> 00:09:55,130 ムリじゃない 156 00:09:55,260 --> 00:09:56,880 (伊織)どうして断言できるの? 157 00:09:57,010 --> 00:10:00,510 それは俺が永瀬のことを… 158 00:10:00,640 --> 00:10:02,260 (姫子)自己犠牲野郎 159 00:10:02,390 --> 00:10:05,930 あっ… とにかく 俺にはできるんだ 160 00:10:06,060 --> 00:10:07,270 信じろ 俺を 161 00:10:07,850 --> 00:10:09,310 そっか 162 00:10:10,020 --> 00:10:14,110 太一が言うんだったら 信じてみようかな 163 00:10:21,740 --> 00:10:25,540 (伊織)おはよう 太一 (太一)あっ おはよう 永瀬 164 00:10:28,710 --> 00:10:31,880 どんな話を聞いたって 今までどおりでいる 165 00:10:32,000 --> 00:10:34,630 そういう男と男の約束を したじゃないか 166 00:10:34,760 --> 00:10:36,210 (太一)何だ? そのキャラ 167 00:10:36,340 --> 00:10:38,970 どんな話を聞いたって 今までどおりでいる 168 00:10:39,090 --> 00:10:41,970 そういう男と男の約束を したじゃないか 169 00:10:42,100 --> 00:10:45,930 なぜ2回 言った? …て お前は男じゃないだろう 170 00:10:46,060 --> 00:10:48,350 “男と男”ってつけると— 171 00:10:48,480 --> 00:10:51,230 すっげえ情熱的っぽくなるのは なんでだろうね 172 00:10:51,360 --> 00:10:54,980 知らねえよ つうか大丈夫か? 173 00:10:55,110 --> 00:10:56,990 おお 大丈夫だ! 174 00:10:57,110 --> 00:11:01,370 でも今 本当に大丈夫かって 言ってあげなきゃいけない人間は… 175 00:11:01,490 --> 00:11:04,240 うん? あっ 176 00:11:11,330 --> 00:11:14,210 (おう吐) 177 00:11:15,000 --> 00:11:17,590 (太一:姫子)私になってるの やっぱり太一か? 178 00:11:17,710 --> 00:11:19,800 (伊織)太一 太一 大丈夫? (姫子:太一)ああ 179 00:11:19,920 --> 00:11:23,090 (太一:姫子)それぐらい 我慢しやがれ 根性ねえな 180 00:11:24,180 --> 00:11:27,850 (姫子:太一) つうか これを根性で耐えろとか? 181 00:11:27,970 --> 00:11:30,520 伊織 お前は教室 戻っとけ 182 00:11:30,640 --> 00:11:31,890 稲葉んたちは? 183 00:11:32,020 --> 00:11:38,320 私は あれを休ませる 心配するな 私の体にムリはさせない 184 00:11:40,610 --> 00:11:41,650 ウッ… 185 00:11:43,200 --> 00:11:45,070 (太一)アッ… 戻ったな 186 00:11:45,200 --> 00:11:48,330 (姫子) だな お前は もう教室 帰れよ 187 00:11:48,450 --> 00:11:51,500 (太一)そんだけ具合悪そうなのに ほっとけるか 188 00:11:51,620 --> 00:11:54,620 (姫子)悪い (太一)いや いいけど 189 00:11:55,170 --> 00:11:57,340 (太一) お前 最近 明らかに変だよな 190 00:11:57,630 --> 00:11:59,500 だから 大丈夫だって 191 00:11:59,630 --> 00:12:04,260 どう見ても大丈夫じゃないだろう 原因があるなら教えてくれ 192 00:12:04,380 --> 00:12:07,260 騒ぐなっての 頭に響く 193 00:12:07,390 --> 00:12:10,260 稲葉 力になりたいんだ 194 00:12:12,100 --> 00:12:14,100 なんで私の力になりたいんだ? 195 00:12:14,230 --> 00:12:16,060 (太一)うっ… それは 196 00:12:16,190 --> 00:12:19,650 そうしたいからとか 仲間だからとか言うのは無しな 197 00:12:19,770 --> 00:12:22,190 だって 稲葉は いつも俺たちのことを— 198 00:12:22,320 --> 00:12:26,200 気遣ってくれてるじゃないか 大事なとこじゃ いつも… 199 00:12:26,320 --> 00:12:29,830 じゃ 私が お前らの力になってなかったら— 200 00:12:29,950 --> 00:12:31,290 助けてくれないのか? 201 00:12:31,410 --> 00:12:35,960 そんなことないけど 何か その言い方 卑怯(ひきょう)じゃね? 202 00:12:36,080 --> 00:12:38,170 (姫子)卑怯じゃない (太一)あっ… 203 00:12:39,840 --> 00:12:43,630 なんで お前ら こうも お人よしなんだろうな 204 00:12:44,340 --> 00:12:47,430 もうちょっと お前らも 黒くいてくれたら… 205 00:12:47,550 --> 00:12:48,890 (太一)黒く? 206 00:12:49,010 --> 00:12:51,510 いや 違うな 207 00:12:51,970 --> 00:12:54,430 変わらなきゃならないのは 私のほうか 208 00:12:54,560 --> 00:12:57,600 なあ 稲葉 本当に大丈夫か? 209 00:12:57,730 --> 00:13:01,070 (姫子)何がだ? 体なら もう少し休めば… 210 00:13:01,190 --> 00:13:02,980 体のことじゃなくてだ 211 00:13:03,110 --> 00:13:04,990 (姫子)大丈夫じゃねえよ! 212 00:13:06,320 --> 00:13:08,990 待て 今のは違う 忘れろ 213 00:13:09,120 --> 00:13:10,450 お前… 214 00:13:10,570 --> 00:13:12,580 大丈夫じゃないってのは その… 215 00:13:12,700 --> 00:13:17,370 (太一)お前 前に言ってたよな この状況は絶望的だって 216 00:13:19,000 --> 00:13:21,460 入れ代わりを いちばん苦しんでるのは— 217 00:13:21,590 --> 00:13:23,840 ひょっとして お前なんじゃないのか? 218 00:13:26,970 --> 00:13:28,340 まずった 219 00:13:28,930 --> 00:13:33,350 今日は調子 悪いわ 敵に自分の弱み さらすなんて 220 00:13:33,470 --> 00:13:38,730 この間も そんなこと言ってたな 稲葉にとって俺は敵なのか? 221 00:13:40,150 --> 00:13:42,900 違う そういう意味じゃない 222 00:13:43,020 --> 00:13:48,740 お前らは私にとって この世で いちばん大切な仲間だ 223 00:13:49,450 --> 00:13:51,160 だから いちばんの敵だ 224 00:13:51,280 --> 00:13:52,240 (太一)それって… 225 00:13:52,370 --> 00:13:56,250 この話は ここで終わりだ もう教室 戻れ 226 00:13:56,370 --> 00:14:00,000 そんなふうに苦しんでるのに 理由も言えないなんて— 227 00:14:00,120 --> 00:14:01,750 仲間とは呼べないだろうが 228 00:14:07,470 --> 00:14:09,590 じゃ はっきり言ってやるよ 229 00:14:10,220 --> 00:14:13,140 私は お前らのことが信用できない 230 00:14:13,260 --> 00:14:14,390 えっ? 231 00:14:14,510 --> 00:14:16,520 (姫子)人と人が入れ代わる 232 00:14:16,640 --> 00:14:22,400 その間 犯罪やろうが何しようが 責任は全部 元の体の持ち主にいく 233 00:14:22,520 --> 00:14:24,860 やりたい放題できるってことだ 234 00:14:24,980 --> 00:14:27,530 俺たちが そんなことするって言うのか 235 00:14:28,150 --> 00:14:30,280 まあ 犯罪は言いすぎかもな 236 00:14:30,400 --> 00:14:33,780 でも 小銭をくすねたり できなくはないだろう 237 00:14:34,370 --> 00:14:36,540 確かに そうかもしれないけど 238 00:14:36,660 --> 00:14:39,080 私は そんなことを— 239 00:14:39,210 --> 00:14:42,080 お前らがするんじゃないかって 想像してしまう 240 00:14:42,580 --> 00:14:45,540 そう思うと 怖くて夜も眠れない 241 00:14:45,670 --> 00:14:46,670 あっ 242 00:14:46,800 --> 00:14:47,800 (姫子)そして 何より— 243 00:14:48,510 --> 00:14:52,930 そんなことを想像してしまう 自分が心の底から嫌いだ 244 00:14:53,680 --> 00:14:56,890 お前も伊織も 唯も青木も— 245 00:14:57,010 --> 00:14:59,730 お互いのこと ホントに信用してるよな 246 00:15:00,350 --> 00:15:02,690 こんなこと心配してるの 私だけだ 247 00:15:02,810 --> 00:15:07,360 稲葉 だからといって 俺たちが お前を嫌ったりは… 248 00:15:07,480 --> 00:15:08,980 (姫子) でも こんなこと聞いたら— 249 00:15:09,110 --> 00:15:11,400 今までと同じようには いられないだろう 250 00:15:16,660 --> 00:15:20,450 太一… 私は この世の誰も 信用していない 251 00:15:20,580 --> 00:15:22,460 だから 全員 敵だ 252 00:15:22,580 --> 00:15:26,420 その中でも 多分 太一が いちばんの敵なんだ 253 00:15:27,290 --> 00:15:29,340 私の思い上がりでなければ— 254 00:15:29,460 --> 00:15:33,470 この世の誰より 私のことを信頼してくれてるから 255 00:15:34,220 --> 00:15:37,300 でも 私は人間不信であっても— 256 00:15:37,430 --> 00:15:41,020 人並みには みんなと 楽しくやれたらとか思ってて 257 00:15:41,640 --> 00:15:44,100 そんな中途半端な 性格だから 258 00:15:44,190 --> 00:15:46,230 今は毎日が苦痛なんだ 259 00:15:47,520 --> 00:15:50,610 (姫子)私には 唯とか 伊織みたいなトラウマなんかない 260 00:15:51,070 --> 00:15:52,950 壮絶な人生を送ったせいで— 261 00:15:53,070 --> 00:15:56,120 望まれない性格に なってしまったとか よくあるよな 262 00:15:56,870 --> 00:16:00,160 私に言わせれば それは まだ幸せだ 263 00:16:00,450 --> 00:16:02,660 トラウマを どうにかすればいいんだから 264 00:16:03,120 --> 00:16:04,580 でもな… 265 00:16:04,710 --> 00:16:07,960 そんなトラウマがない人間は どうしたらいいんだ 266 00:16:08,090 --> 00:16:12,130 私が他人を信用できないのは 生まれもってのものなんだ 267 00:16:13,170 --> 00:16:15,300 (姫子) だから それを直そうと思ったら— 268 00:16:15,430 --> 00:16:17,800 自分が自分でなくなるしかない 269 00:16:17,930 --> 00:16:20,010 自分が自分でなくなる? 270 00:16:20,560 --> 00:16:22,060 そういう意味じゃ— 271 00:16:22,180 --> 00:16:25,350 お前の自己犠牲だって 救いはないのかもしれないぞ 272 00:16:25,900 --> 00:16:28,650 お前も元から そうなんじゃないのか? 273 00:16:29,230 --> 00:16:30,520 そうだな 274 00:16:30,650 --> 00:16:34,650 トラウマもない人間には 救いなんてないのかもしれないな 275 00:16:36,410 --> 00:16:40,030 (太一)でも それは 救われる必要がないからじゃないか 276 00:16:40,160 --> 00:16:41,410 はぁ? 277 00:16:41,540 --> 00:16:44,210 人が始めから 持っている性質なんて— 278 00:16:44,330 --> 00:16:46,670 全然 大したこと ないものなんじゃないか 279 00:16:47,580 --> 00:16:50,420 つまり そんなことで 悩んでるヤツは— 280 00:16:50,540 --> 00:16:52,000 ただのバカってことか? 281 00:16:52,130 --> 00:16:56,050 (太一)そこまでは言ってない けど結局は そうかもしれない 282 00:16:56,180 --> 00:16:57,180 チッ… 283 00:16:58,510 --> 00:17:00,140 (姫子)太一 (太一)…というか 284 00:17:00,260 --> 00:17:02,220 そんな稲葉も ありなんじゃないか 285 00:17:02,350 --> 00:17:03,470 はぁ? 286 00:17:03,600 --> 00:17:05,850 確かに 稲葉が 信用してくれないことは— 287 00:17:05,980 --> 00:17:07,520 悲しいんだけど 288 00:17:07,650 --> 00:17:10,770 でもムリに 変わる必要もないと思うし 289 00:17:11,360 --> 00:17:14,030 そんな稲葉も 受け入れてくれるんじゃないか 290 00:17:14,150 --> 00:17:18,610 永瀬も桐山も青木も もちろん 俺も 291 00:17:19,740 --> 00:17:24,040 バカか お前は! そんな簡単にいくわけないだろう 292 00:17:24,160 --> 00:17:27,250 簡単にいかないと 決まったわけでもない 293 00:17:27,370 --> 00:17:31,840 だから みんなにも言ってみろよ 今 俺に話したのと同じこと 294 00:17:31,960 --> 00:17:34,840 そんなリスクの高いマネできるかよ 295 00:17:34,960 --> 00:17:37,260 もし受け入れてもらえなかったら… 296 00:17:37,380 --> 00:17:39,800 それでも まだ俺がいるだろう 297 00:17:41,550 --> 00:17:43,140 (太一)とにかく稲葉は— 298 00:17:43,260 --> 00:17:47,560 まず自分で自分を 受け入れてやることだと俺は思う 299 00:17:49,980 --> 00:17:51,480 でも やっぱりムリだ 300 00:17:51,730 --> 00:17:54,570 どう考えたって ネガティブな結果しか想像できない 301 00:17:55,650 --> 00:17:57,440 なあ 稲葉 302 00:17:57,570 --> 00:18:01,160 人間 これを知られたら ヤバイと考えてると— 303 00:18:01,280 --> 00:18:04,450 必要以上に それを重く 感じてしまうと思うんだ 304 00:18:04,580 --> 00:18:06,120 (太一)だから 俺も— 305 00:18:06,250 --> 00:18:08,660 絶対 墓場まで 持っていくつもりだった秘密を— 306 00:18:08,790 --> 00:18:10,460 言ってみようと思う 307 00:18:10,580 --> 00:18:14,880 どういうことだ? 自分が言うから私にも言えってか 308 00:18:15,000 --> 00:18:18,170 そうだ これを 知られてしまうと— 309 00:18:18,300 --> 00:18:21,180 俺の高校生活が 終わってしまうというか 310 00:18:21,300 --> 00:18:25,970 社会的に死ぬというか それほどの超危険物なんだ 311 00:18:26,100 --> 00:18:29,310 一体 どういう 頭の構造してるんだ? お前は 312 00:18:29,440 --> 00:18:31,350 (太一)稲葉 声… 声が大きい 313 00:18:32,020 --> 00:18:35,230 とりあえず その秘密とやらを 教えてもらおうか 314 00:18:35,610 --> 00:18:37,650 そのあと どうするかは 聞いてからだ 315 00:18:37,780 --> 00:18:40,400 あっ… じゃ 言うぞ 316 00:18:41,570 --> 00:18:43,320 (太一)俺は… 317 00:18:46,660 --> 00:18:50,370 俺は稲葉を おかずにしたことがある 318 00:19:00,550 --> 00:19:03,550 おかずっていうのは あれか いわゆる あの… 319 00:19:03,680 --> 00:19:04,930 うん 320 00:19:05,050 --> 00:19:09,140 …ということは 多分 伊織も唯もだよな 321 00:19:09,270 --> 00:19:10,140 うん 322 00:19:10,270 --> 00:19:11,770 (姫子)そうか (太一)ああ 323 00:19:14,770 --> 00:19:17,440 (太一)ああ 言っとくけど しょっちゅうじゃないぞ 324 00:19:17,570 --> 00:19:19,440 ほとんど やったことないし (笑い声) 325 00:19:19,570 --> 00:19:20,900 …て 聞いてんのか? 326 00:19:21,030 --> 00:19:23,530 変態! ド変態! 327 00:19:23,660 --> 00:19:26,990 エロ 犬 鬼畜 変質者 人でなし 発情期 328 00:19:27,120 --> 00:19:28,870 えっ あっ あっ… 329 00:19:29,660 --> 00:19:33,080 でも まあ そんな太一も ありなんじゃないか 330 00:19:33,210 --> 00:19:34,210 はあ? 331 00:19:35,670 --> 00:19:38,340 (姫子) とりあえず いろいろアホだな 332 00:19:38,460 --> 00:19:41,260 こんなネタを告白するのもアホだし 333 00:19:41,380 --> 00:19:43,800 これで説得できると 思ってるのも— 334 00:19:43,930 --> 00:19:47,140 こんなこと聞いても大丈夫だと 思われてるのもアホだし 335 00:19:47,720 --> 00:19:52,730 何より こんなことで 心が動かされてるのがアホだ 336 00:19:52,850 --> 00:19:55,730 あっ ハンカチ 要るか 337 00:19:55,850 --> 00:19:58,900 くそ! 何なんだよ お前は 338 00:20:00,570 --> 00:20:02,700 私まで惚れさせる気かよ 339 00:20:07,990 --> 00:20:10,620 以上 そういう話だ 340 00:20:14,540 --> 00:20:17,330 稲葉ん つまり それは… 341 00:20:18,420 --> 00:20:20,250 心配症ってことだね 342 00:20:20,380 --> 00:20:21,460 (姫子たち)えっ 343 00:20:22,050 --> 00:20:25,220 心配症って それだけで済むことじゃ… 344 00:20:25,340 --> 00:20:26,680 分かるわ 345 00:20:27,340 --> 00:20:31,430 私も青木と入れ代わったあとは まず体のチェックするもの 346 00:20:31,560 --> 00:20:32,430 えっ? 347 00:20:32,560 --> 00:20:35,060 あと私物が なくなってないかどうかも 348 00:20:35,190 --> 00:20:38,690 傷ついた 今のはホントに傷ついた 349 00:20:38,810 --> 00:20:41,440 (義文)…てか 俺 限定なのかよ 太一は? 350 00:20:41,570 --> 00:20:45,150 いや あの… もっとほかの感想はないのか? 351 00:20:45,280 --> 00:20:49,240 確かに 稲葉は 発想が ちょっと飛びすぎよね 352 00:20:49,370 --> 00:20:52,660 犯罪とか何とか… でも安心して 353 00:20:52,790 --> 00:20:56,170 私は稲葉の体で 悪いことなんかしないから 354 00:20:56,290 --> 00:20:58,750 (義文)つうか 稲葉っちゃんが 信用できないのは— 355 00:20:58,880 --> 00:21:01,550 みんななんだよね 俺だけじゃないんだよね 356 00:21:01,670 --> 00:21:03,670 気にするところ そこなのか? 357 00:21:03,800 --> 00:21:06,220 とりあえず お弁当食べようよ 358 00:21:06,630 --> 00:21:08,680 急がないと 昼休み 終わっちゃうし 359 00:21:08,800 --> 00:21:11,930 そうね 話の続きは食べながら 360 00:21:12,060 --> 00:21:13,850 つっと… 361 00:21:16,390 --> 00:21:19,270 (姫子)今まで悩んできたことは 何だったんだ 362 00:21:19,400 --> 00:21:21,730 ブザマな姿をさらしてまで 363 00:21:22,820 --> 00:21:26,490 (姫子)まあ いいか 太一の秘密も握れたことだし 364 00:21:26,610 --> 00:21:29,660 (太一)稲葉 できれば それは記憶から抹消… 365 00:21:29,780 --> 00:21:30,700 (姫子)イヤだ 366 00:21:31,490 --> 00:21:34,660 (姫子) 代わりに私の秘密も教えてやるよ 367 00:21:35,080 --> 00:21:37,960 これで私と太一は運命共同体だ 368 00:21:38,080 --> 00:21:38,960 あっ 369 00:21:39,500 --> 00:21:42,840 私も お前を おかずにしたことがある 370 00:21:42,960 --> 00:21:45,710 えっ? あっ! 371 00:21:48,220 --> 00:21:49,380 ハハッ… 372 00:21:53,600 --> 00:21:54,770 (姫子)優しい狂い方だな 373 00:21:54,890 --> 00:21:56,890 (義文)事実 好きになって ずっと好きなままだ 374 00:21:57,020 --> 00:22:00,270 (姫子)太一は 結局 伊織のことを どう思ってるんだ? 375 00:22:00,400 --> 00:22:02,400 (姫子)正真正銘の自己中野郎だ 376 00:22:02,520 --> 00:22:03,520 (太一)悪いかよ 377 00:22:03,860 --> 00:22:04,780 永瀬! 378 00:22:04,900 --> 00:22:10,910 ♪〜 379 00:23:27,730 --> 00:23:33,740 〜♪