1 00:01:41,468 --> 00:01:44,471 (アレン)さて 質問です。 どうして人は➨ 2 00:01:44,471 --> 00:01:46,473 魔法を使えるのでしょうか? 3 00:01:46,473 --> 00:01:49,176 (エリー)えっと…。 (ティナ)はい! 4 00:01:49,176 --> 00:01:51,178 (ティナ)人が魔力を持っていて➨ 5 00:01:51,178 --> 00:01:54,848 使いこなすために 研究や努力を重ねてきたからです。 6 00:01:54,848 --> 00:01:57,184 確かに 研究は進み➨ 7 00:01:57,184 --> 00:01:59,519 魔法を使えるものは 増えましたが➨ 8 00:01:59,519 --> 00:02:03,423 一方で 上級魔法の使い手は 年々減ってきています。 9 00:02:03,423 --> 00:02:06,760 各公爵家を象徴する極致魔法➨ 10 00:02:06,760 --> 00:02:10,430 火焔鳥 氷雪狼 暴風竜➨ 11 00:02:10,430 --> 00:02:13,100 雷王虎の使い手は もう僅か。 12 00:02:13,100 --> 00:02:15,769 その威力も弱体化しているのです。 13 00:02:15,769 --> 00:02:19,773 では 先生は 二百年前の 「魔王戦争」以降➨ 14 00:02:19,773 --> 00:02:22,776 各国が行ってきた 魔法の研究や改良は➨ 15 00:02:22,776 --> 00:02:26,780 無駄だと仰るのですか? 無駄だとは言いません。 16 00:02:26,780 --> 00:02:30,617 けれど 結果として 質の低下を招いてしまっています。 17 00:02:30,617 --> 00:02:35,455 僕は 人が魔法を使えるのは 目に見えない精霊が➨ 18 00:02:35,455 --> 00:02:38,458 力を貸してくれているからだと 考えています。 19 00:02:38,458 --> 00:02:41,461 (エリー)せ 精霊が? でも その説は➨ 20 00:02:41,461 --> 00:02:43,463 実験で否定されたはずです。 21 00:02:43,463 --> 00:02:49,803 精霊の力が強いはずの火山でも 炎属性魔法の威力は変わらず➨ 22 00:02:49,803 --> 00:02:55,142 逆に水属性魔法の威力が 強まった例もあったとか。 23 00:02:55,142 --> 00:02:57,144 よく勉強なさってますね。 24 00:02:57,144 --> 00:03:00,447 ですが 精霊の力を証明できないのに➨ 25 00:03:00,447 --> 00:03:03,116 実験が正しいと どうやって証明を? 26 00:03:03,116 --> 00:03:05,452 (ティナ)そ その質問は反則です。 27 00:03:05,452 --> 00:03:09,790 ふふ すみません ティナが優秀なので つい…。 28 00:03:09,790 --> 00:03:12,793 やっぱり 先生は ちょっぴり意地悪です。 29 00:03:12,793 --> 00:03:15,462 さて 僕は こう考えました。 30 00:03:15,462 --> 00:03:17,464 精霊が存在するなら➨ 31 00:03:17,464 --> 00:03:21,802 彼らにとって属性は あまり意味を 持っていないんじゃないかと。 32 00:03:21,802 --> 00:03:25,138 ですが 今 使われてる魔法式のほとんどが➨ 33 00:03:25,138 --> 00:03:28,475 一つの属性を発動するように 作られています。 34 00:03:28,475 --> 00:03:30,811 彼らの立場で考えると➨ 35 00:03:30,811 --> 00:03:33,480 毎回 一つのことしか注文してこず➨ 36 00:03:33,480 --> 00:03:38,485 魔法を強制しようとする人間に 快く力を貸すでしょうか? 37 00:03:38,485 --> 00:03:41,822 貸さないと思います。 わ 私もそう思います。 38 00:03:41,822 --> 00:03:44,491 だから僕は 魔法式を改良して➨ 39 00:03:44,491 --> 00:03:47,160 白紙の部分を 増やすようにしています。 40 00:03:47,160 --> 00:03:50,831 お二人にも 新しい魔法式を 試して欲しいんです。 41 00:03:50,831 --> 00:03:52,833 (2人)あっ…。 42 00:03:52,833 --> 00:03:55,502 (アレン)エリーは 炎と風の魔法を使えますので➨ 43 00:03:55,502 --> 00:03:57,838 それ以外の魔法を 使ってみてください。 44 00:03:57,838 --> 00:04:01,408 わ わかりました。 い いきます。 45 00:04:06,079 --> 00:04:08,415 うぅ… ご ごめんなさい。 46 00:04:08,415 --> 00:04:11,084 わ 私がダメダメなせいで! 47 00:04:11,084 --> 00:04:13,420 そんなことありませんよ。 48 00:04:13,420 --> 00:04:16,089 もう一度 落ち着いてやってみてください。 49 00:04:16,089 --> 00:04:18,091 は はい! 50 00:04:24,764 --> 00:04:29,102 で できました ほ ほんのちょっとだけですけど。 51 00:04:29,102 --> 00:04:31,104 お見事です。 52 00:04:31,104 --> 00:04:33,807 次は ティナ。 はい。 53 00:04:38,445 --> 00:04:41,114 あっ…。 54 00:04:41,114 --> 00:04:45,452 大丈夫ですよ。 もう一度 挑戦してみましょう。 55 00:04:45,452 --> 00:04:47,454 はい…。 56 00:04:53,126 --> 00:04:55,128 (ドアの閉まる音) 57 00:04:59,766 --> 00:05:04,037 すごい! 文化財級の古書が こんなに…。 58 00:05:06,106 --> 00:05:08,775 《アレン:ティナに魔力があるのは 間違いない。 59 00:05:08,775 --> 00:05:12,779 でも 「何か」が 魔法の発動を邪魔している。 60 00:05:12,779 --> 00:05:17,751 う~ん 何か参考になる文献が あると良いのだけど…》 61 00:05:19,786 --> 00:05:21,755 うん? 62 00:05:23,790 --> 00:05:27,127 (シェリー)もう遅いですから 長居はできませんよ。 63 00:05:27,127 --> 00:05:29,796 わかったわ。 64 00:05:32,465 --> 00:05:37,470 えっと 『魔法学大全』は…。 65 00:05:37,470 --> 00:05:40,140 あった! 66 00:05:40,140 --> 00:05:44,477 お嬢様は 本当に 奥様そっくりでございますね。 67 00:05:44,477 --> 00:05:47,147 本がお好きで 勉強家でいらして。 68 00:05:47,147 --> 00:05:51,484 お母様と違って 私は魔法を使えないけどね。 69 00:05:51,484 --> 00:05:56,156 今回の家庭教師の先生は どのようなお方ですか? 70 00:05:56,156 --> 00:05:58,491 先生は とっても意地悪よ。 71 00:05:58,491 --> 00:06:00,760 だけど…。 72 00:06:00,760 --> 00:06:03,763 《その服では寒いでしょう これを》 73 00:06:03,763 --> 00:06:07,334 とてもとても優しい方よ。 74 00:06:09,402 --> 00:06:12,405 (シェリー)さぁ お嬢様 先にお戻りください。 75 00:06:12,405 --> 00:06:16,076 私は 戸締りをしてから戻ります。 (ティナ)えぇ。 76 00:06:16,076 --> 00:06:19,079 (ドアの閉まる音) 77 00:06:19,079 --> 00:06:21,414 いらっしゃるのでしょう? 78 00:06:21,414 --> 00:06:23,416 バレてましたか。 79 00:06:23,416 --> 00:06:29,456 私 当家メイド長を務めております シェリー・ウォーカーと申します。 80 00:06:29,456 --> 00:06:31,458 不躾ではございますが➨ 81 00:06:31,458 --> 00:06:34,794 どうしても お願いしたいことがございまして。 82 00:06:34,794 --> 00:06:37,797 アレンです お願いというのは? 83 00:06:37,797 --> 00:06:41,801 ティナお嬢様のことでございます。 あっ…。 84 00:06:41,801 --> 00:06:46,439 お嬢様は とても聡明で 努力家でいらっしゃいます。 85 00:06:46,439 --> 00:06:51,111 しかし これまでの先生方は 魔法が使えないというだけで➨ 86 00:06:51,111 --> 00:06:54,447 全てを否定して 去っていかれました。 87 00:06:54,447 --> 00:06:57,450 その度に お嬢様は傷つき➨ 88 00:06:57,450 --> 00:07:00,053 こっそりと 泣いていらっしゃいましたが➨ 89 00:07:00,053 --> 00:07:04,724 王立学校への進学を 諦めることはありませんでした。 90 00:07:04,724 --> 00:07:08,728 そして 貴方様が やって来られることになった。 91 00:07:08,728 --> 00:07:12,732 あの時のお嬢様の お喜びようといったら…。 92 00:07:12,732 --> 00:07:15,068 《聞いて シェリー! 93 00:07:15,068 --> 00:07:19,372 あの 「剣姫の頭脳」と呼ばれる アレン様が来て下さるの!》 94 00:07:22,075 --> 00:07:25,745 アレン様 貴方様とリディヤ様は➨ 95 00:07:25,745 --> 00:07:28,748 お嬢様にとって憧れだったのです。 96 00:07:28,748 --> 00:07:32,085 どうか お嬢様をお救いください。 97 00:07:32,085 --> 00:07:34,754 ご安心ください シェリーさん。 98 00:07:34,754 --> 00:07:38,091 僕は そのために ここにいるのですから。 99 00:07:38,091 --> 00:07:40,427 ありがとうございます。 100 00:07:40,427 --> 00:07:42,429 それと…。 うん? 101 00:07:42,429 --> 00:07:45,832 僕からも 一つ お願いが…。 102 00:07:47,767 --> 00:07:50,103 (ティナ)納得がいきません! 103 00:07:50,103 --> 00:07:52,439 ご説明をお願いします! 104 00:07:52,439 --> 00:07:55,775 えっと 説明って 何について…。 105 00:07:55,775 --> 00:08:00,380 今朝 二人でお散歩なさっていた ことについてです! 106 00:08:00,380 --> 00:08:03,383 いや あれは…。 107 00:08:03,383 --> 00:08:05,719 《ふふふ》 108 00:08:05,719 --> 00:08:09,055 野菜の収穫を 手伝っていただけです。 109 00:08:09,055 --> 00:08:12,058 ティナお嬢様 お顔が怖いです。 110 00:08:12,058 --> 00:08:16,730 エリー あなた先生のことを どう思ってるのですか? 111 00:08:16,730 --> 00:08:19,099 へっ? す 好きでもないのに➨ 112 00:08:19,099 --> 00:08:22,769 早朝から二人きりになるだなんて そんなの…。 113 00:08:22,769 --> 00:08:26,439 アレン先生のことは好きですよ? 114 00:08:26,439 --> 00:08:29,109 へっ? 115 00:08:29,109 --> 00:08:31,745 そそ そそ そうなの!? はい。 116 00:08:31,745 --> 00:08:36,416 おじいちゃんと おばあちゃんと ティナお嬢様の次に好きです! 117 00:08:36,416 --> 00:08:39,419 そ そう って…。 ふふふ。 118 00:08:39,419 --> 00:08:41,421 な 何ですか? 119 00:08:41,421 --> 00:08:44,090 仲が良くて姉妹のようですね。 120 00:08:44,090 --> 00:08:46,459 (エリー)ど どっちが 姉に見えますか? 121 00:08:46,459 --> 00:08:49,462 それは… ティナでしょうか。 122 00:08:49,462 --> 00:08:52,465 ふふん。 ち 違いますよ! 123 00:08:52,465 --> 00:08:55,135 私の方が一つ年上なんですから。 124 00:08:55,135 --> 00:08:57,470 エリーがお姉ちゃんらしかった ことなんて➨ 125 00:08:57,470 --> 00:09:00,707 記憶にないですけどね。 ティナお嬢様! 126 00:09:00,707 --> 00:09:03,043 ふ ふんだ! 127 00:09:03,043 --> 00:09:05,378 そういう風に 言われるんでしたら➨ 128 00:09:05,378 --> 00:09:08,715 今度 雷が鳴っても 一緒に寝てあげません。 129 00:09:08,715 --> 00:09:12,385 (ティナ)なっ… 卑怯よ エリー 自分だって怖いくせに! 130 00:09:12,385 --> 00:09:14,387 む~。 ふふふ。 131 00:09:14,387 --> 00:09:17,057 (2人)笑い事じゃありません! 132 00:09:17,057 --> 00:09:21,761 (アレン)すみません 続きは授業の後にしましょう。 133 00:09:24,063 --> 00:09:27,734 (エリー)ひ ひゃぅ…。 (アレン)どうですか 感じますか? 134 00:09:27,734 --> 00:09:30,737 思っていたより 温かいです。 135 00:09:30,737 --> 00:09:34,073 魔力の流れも はっきりと感じます。 136 00:09:34,073 --> 00:09:36,076 (アレン)よくできました。 137 00:09:36,076 --> 00:09:38,745 さぁ 今のでアンコさんが持っている➨ 138 00:09:38,745 --> 00:09:41,414 「闇」の魔力を 体感できたと思います。 139 00:09:41,414 --> 00:09:44,117 まずは エリー。 は はい。 140 00:09:51,758 --> 00:09:55,428 うぅ…。 大丈夫ですよ。 141 00:09:55,428 --> 00:09:58,431 すぐにできたら 僕がいる意味がありません。 142 00:09:58,431 --> 00:10:01,434 次はティナ やってみましょう。 143 00:10:01,434 --> 00:10:04,104 は はい。 144 00:10:04,104 --> 00:10:06,773 スー ハー。 145 00:10:06,773 --> 00:10:08,775 いきます。 146 00:10:15,448 --> 00:10:17,784 あっ…。 147 00:10:17,784 --> 00:10:19,786 気を落とさないでください。 148 00:10:19,786 --> 00:10:24,124 色々と試していきましょう。 はい…。 149 00:10:24,124 --> 00:10:27,126 では 僕がお手本を…。 150 00:10:29,129 --> 00:10:31,798 ミャア。 (2人)わぁ! 151 00:10:31,798 --> 00:10:34,801 アレン先生 私にも抱かせてください。 152 00:10:34,801 --> 00:10:37,136 ずるい エリー! 私も! 153 00:10:37,136 --> 00:10:40,473 喧嘩しないでください ほら こちらにも はい。 154 00:10:40,473 --> 00:10:42,475 ミャア。 わぁ…。 155 00:10:42,475 --> 00:10:44,477 一匹ずつ どうぞ。 ミャア。 156 00:10:44,477 --> 00:10:47,480 わぁ! すごい 本物みたい。 157 00:10:47,480 --> 00:10:49,482 (アレン)完成度が高いのは➨ 158 00:10:49,482 --> 00:10:52,152 アンコさんが お手本になってくれたからです。 159 00:10:52,152 --> 00:10:54,821 ミャア…。 (エリー)モフモフです。 160 00:10:54,821 --> 00:10:58,491 (アンコさん)ミャア。 (ティナ/エリー)かわいい! 161 00:10:58,491 --> 00:11:02,896 (グラハム)アレン様 こちらが届いておりました。 162 00:11:05,465 --> 00:11:08,468 リディヤか 早かったな。 163 00:11:08,468 --> 00:11:11,471 (リディヤ)「逃亡中の誰かさんへ。 164 00:11:11,471 --> 00:11:14,807 報告の手紙 確かに受け取ったわ。 165 00:11:14,807 --> 00:11:18,811 ど・う・し・て ハワード家なのよ! 166 00:11:18,811 --> 00:11:23,149 働くなら うちに来ればよかったでしょう!? 167 00:11:23,149 --> 00:11:25,818 ティナとは 何回か会ったことがあるし➨ 168 00:11:25,818 --> 00:11:27,820 事情も知ってる。 169 00:11:27,820 --> 00:11:31,157 いくら あなたでも 難しいんじゃないかしら? 170 00:11:31,157 --> 00:11:36,829 もちろん あの手を使えば うまくいくかもしれないけど…。 171 00:11:36,829 --> 00:11:38,831 あれは 禁じ手。 172 00:11:38,831 --> 00:11:41,501 私以外に使うのは やめておきなさい。 173 00:11:41,501 --> 00:11:45,138 それと 王宮魔法士の試験のことで➨ 174 00:11:45,138 --> 00:11:47,807 報告してないことが あるでしょう? 175 00:11:47,807 --> 00:11:50,476 ご主人様に隠し事をするなんて➨ 176 00:11:50,476 --> 00:11:53,846 大層なご身分になったわねぇ。 177 00:11:53,846 --> 00:11:55,848 まぁ いいわ。 178 00:11:55,848 --> 00:11:58,851 王立学校の 入学試験の時に会いましょう。 179 00:11:58,851 --> 00:12:05,091 逃げたら 地の果てまで追いかけて 斬って燃やすから そのつもりで。 180 00:12:05,091 --> 00:12:10,129 追跡者兼 ご主人様のリディヤより。 追伸。 181 00:12:10,129 --> 00:12:15,468 手紙は 毎日とは言わないけど 毎週は書くこと いいわね!?」。 182 00:12:15,468 --> 00:12:19,772 フウ…。 先生 リディヤ様は何て? 183 00:12:19,772 --> 00:12:23,443 いえ マメに手紙を書けと 怒られただけです。 184 00:12:23,443 --> 00:12:26,112 そんなにアレン先生を想われて…。 185 00:12:26,112 --> 00:12:30,149 離れ離れなのが寂しくて 仕方ないんですね。 186 00:12:30,149 --> 00:12:34,821 いや そんな可愛い理由じゃないと 思いますけどね…。 187 00:12:39,492 --> 00:12:41,494 わぁ。 188 00:12:41,494 --> 00:12:44,163 《新しい魔法式の成果は 出ている。 189 00:12:44,163 --> 00:12:47,133 主にエリーさんにだけど…》 190 00:12:50,837 --> 00:12:53,106 あっ! あぁ…。 191 00:12:56,142 --> 00:12:58,177 うん? 192 00:12:58,177 --> 00:13:00,747 《これは…》 193 00:13:00,747 --> 00:13:02,749 氷のかけら? 194 00:13:05,785 --> 00:13:07,787 《間違いない。 195 00:13:07,787 --> 00:13:11,124 魔法発動の一歩手前までは 来ているんだ。 196 00:13:11,124 --> 00:13:14,761 現代の魔法学で 原因がわからないなら➨ 197 00:13:14,761 --> 00:13:17,430 もっと古い情報を調べてみるか》 198 00:13:17,430 --> 00:13:19,465 うん? 199 00:13:19,465 --> 00:13:22,468 これは…。 200 00:13:22,468 --> 00:13:26,806 アレン先生。 こんばんは。 201 00:13:26,806 --> 00:13:29,075 あ あの…。 うん? 202 00:13:31,144 --> 00:13:33,112 (エリー)お待たせしました。 203 00:13:33,112 --> 00:13:36,783 ありがとう エリーさん。 ですが…。 204 00:13:36,783 --> 00:13:38,785 待ってください! うん? 205 00:13:38,785 --> 00:13:42,455 どうして 「エリーさん」なんですか? えっ? 206 00:13:42,455 --> 00:13:44,457 いつもは 呼び捨てなのに…。 207 00:13:44,457 --> 00:13:47,460 もしかして あの場だけだったんですか? 208 00:13:47,460 --> 00:13:51,130 いや そんなことは…。 209 00:13:51,130 --> 00:13:53,499 嘘 嘘です。 ひどいです。 210 00:13:53,499 --> 00:13:57,503 アレン先生にとって 私は その程度だったんですね! 211 00:13:57,503 --> 00:14:00,740 わかりました エリー。 212 00:14:00,740 --> 00:14:05,745 はい 常にそれでお願いします。 213 00:14:05,745 --> 00:14:08,414 (アレン)それより こんな夜更けに➨ 214 00:14:08,414 --> 00:14:11,417 部屋に男の人を入れては いけませんよ。 215 00:14:11,417 --> 00:14:15,088 こういうことは 心に決めた人だけにしてください。 216 00:14:15,088 --> 00:14:18,758 なら 問題は…。 何か言いましたか? 217 00:14:18,758 --> 00:14:21,094 い いいえ わかりました。 218 00:14:21,094 --> 00:14:23,096 では 用件を聞きましょうか。 219 00:14:23,096 --> 00:14:25,098 あっ は はい! 220 00:14:25,098 --> 00:14:29,435 アレン先生 あの… ありがとうございました。 221 00:14:29,435 --> 00:14:32,438 えっ? この前のことです。 222 00:14:32,438 --> 00:14:35,475 おじいちゃんと おばあちゃんに 呼び出されて…。 223 00:14:35,475 --> 00:14:39,445 《エリー あなたを誰よりも愛してるわ。 224 00:14:39,445 --> 00:14:43,449 娘夫婦の忘れ形見で あることだけが理由じゃない。 225 00:14:43,449 --> 00:14:45,785 家族として愛している》 226 00:14:45,785 --> 00:14:49,789 そう言って 私のことを抱きしめてくれました。 227 00:14:49,789 --> 00:14:52,458 急に どうしたのかと思って 聞いたら➨ 228 00:14:52,458 --> 00:14:56,129 私のことで アレン先生と話をしたって…。 229 00:14:56,129 --> 00:15:00,767 よかったですね 僕は 少し助言をしただけです。 230 00:15:00,767 --> 00:15:03,770 《それと 僕からも 一つ お願いが…。 231 00:15:03,770 --> 00:15:05,772 (シェリー)なんでございましょう? 232 00:15:05,772 --> 00:15:07,774 エリーさんのことです。 233 00:15:07,774 --> 00:15:10,443 もしや 何かご無礼を!? 234 00:15:10,443 --> 00:15:12,445 いえ そうではなくて➨ 235 00:15:12,445 --> 00:15:16,783 彼女は 十分に才能があるのに 力を発揮しきれていません。 236 00:15:16,783 --> 00:15:18,785 自信を持って前に進むためにも➨ 237 00:15:18,785 --> 00:15:22,789 どれだけ大切に思ってるか 伝えてあげて欲しいんです。 238 00:15:22,789 --> 00:15:26,125 ご家族の愛情は 心の支えになりますから。 239 00:15:26,125 --> 00:15:28,127 あっ…》 240 00:15:28,127 --> 00:15:31,464 僕も家族に支えられてきたので。 241 00:15:31,464 --> 00:15:35,802 私は小さい時に 両親を亡くしました。 242 00:15:35,802 --> 00:15:37,804 残された私は➨ 243 00:15:37,804 --> 00:15:41,140 ハワード家に引き取られて ここに来ました。 244 00:15:41,140 --> 00:15:43,142 そうでしたか…。 245 00:15:43,142 --> 00:15:45,478 初めて お屋敷にやって来た日のことを➨ 246 00:15:45,478 --> 00:15:47,480 今でも覚えています。 247 00:15:47,480 --> 00:15:51,484 雪の白さと寒さ それと➨ 248 00:15:51,484 --> 00:15:55,822 私の後を一生懸命くっついてくる 小さな女の子。 249 00:15:55,822 --> 00:15:59,158 ティナお嬢様も お母様を亡くされたばかりで➨ 250 00:15:59,158 --> 00:16:01,427 不安だったんでしょうね。 251 00:16:01,427 --> 00:16:04,430 似ているんです 私たち。 252 00:16:04,430 --> 00:16:07,099 私 怖かったんです。 253 00:16:07,099 --> 00:16:11,103 ウォーカー家の跡継ぎなのに 何をやっても全然だめで…。 254 00:16:11,103 --> 00:16:15,107 ティナお嬢様には 学問で あっという間に追い抜かれて…。 255 00:16:15,107 --> 00:16:19,779 私の居場所なんて もう どこにもないんじゃないかって。 256 00:16:19,779 --> 00:16:24,450 だから今回 勇気を振り絞って 旦那様にお願いしたんです…。 257 00:16:24,450 --> 00:16:28,120 私も王立学校に進学したいって。 258 00:16:28,120 --> 00:16:30,122 すごいですね。 259 00:16:30,122 --> 00:16:33,793 あなたは 自分の意思で 自分の路を切り開いた。 260 00:16:33,793 --> 00:16:37,463 とても勇気がある女の子です。 そ そんな…。 261 00:16:37,463 --> 00:16:40,466 エリーには 十分な才能がありますし➨ 262 00:16:40,466 --> 00:16:44,804 あなたは一人じゃありません 自信を持ってください。 263 00:16:44,804 --> 00:16:46,772 はい! 264 00:16:46,772 --> 00:16:49,075 (エリー)いきます! 265 00:16:53,145 --> 00:16:56,482 素晴らしい。 あ ありがとうございます。 266 00:16:56,482 --> 00:16:59,719 (アレン)他の魔法は どうですか? 267 00:16:59,719 --> 00:17:04,390 えっと… 雷と光は ちょっとだけ怖くて➨ 268 00:17:04,390 --> 00:17:07,894 闇属性は アンコさんに 手伝ってもらっているので➨ 269 00:17:07,894 --> 00:17:12,732 もう少しだと思います。 ニャア。 270 00:17:12,732 --> 00:17:14,734 《アレン:エリーは順調だ。 271 00:17:14,734 --> 00:17:18,738 そろそろ 実践形式の訓練にしても いいかもしれない。 272 00:17:18,738 --> 00:17:20,740 その前に…》 273 00:17:20,740 --> 00:17:23,743 さぁ ティナ あなたの番ですよ。 274 00:17:23,743 --> 00:17:25,745 はい。 275 00:17:31,751 --> 00:17:33,753 あっ…。 276 00:17:33,753 --> 00:17:37,757 どうして… どうしてダメなんですか。 277 00:17:37,757 --> 00:17:39,759 お嬢様…。 278 00:17:39,759 --> 00:17:41,761 まだ時間はあります。 279 00:17:41,761 --> 00:17:45,765 違う魔法式で試してみましょう。 はい…。 280 00:17:45,765 --> 00:17:49,101 《アレン:推測と実践を 繰り返すしかない。 281 00:17:49,101 --> 00:17:54,106 だけど 悩んでいるこの子を見ると 考えが揺らぐ…。 282 00:17:54,106 --> 00:17:57,109 いざとなったら…》 283 00:17:57,109 --> 00:17:59,445 (ワルター)それで どう思う? 284 00:17:59,445 --> 00:18:01,714 (アレン)殿下の魔力は膨大です。 285 00:18:01,714 --> 00:18:05,718 ですが 入学試験までに 間に合うかどうかは…。 286 00:18:05,718 --> 00:18:09,388 (ワルター)では 諦めさせる方向に進むのかね? 287 00:18:09,388 --> 00:18:12,725 いいえ ご本人が望まれるのであれば➨ 288 00:18:12,725 --> 00:18:15,061 進学させるべきだと思います。 289 00:18:15,061 --> 00:18:18,397 ふむ…。 魔法を使えなくても➨ 290 00:18:18,397 --> 00:18:21,400 学問などの秀でた才能が ある場合➨ 291 00:18:21,400 --> 00:18:24,403 特例として 入学を許可してもらえます。 292 00:18:24,403 --> 00:18:26,739 それは 知っている。 293 00:18:26,739 --> 00:18:29,742 しかし 君とて経験していよう? 294 00:18:29,742 --> 00:18:33,412 貴族社会とは面倒なものなのだ。 295 00:18:33,412 --> 00:18:37,750 ハワード家の娘が 魔法を使えないのに入学すれば➨ 296 00:18:37,750 --> 00:18:40,753 バカな連中に目をつけられる。 297 00:18:40,753 --> 00:18:44,423 これ以上 ティナに 傷ついてほしくないのだよ。 298 00:18:44,423 --> 00:18:48,761 状況が変わらないなら 要望通りにしてくれ。 299 00:18:48,761 --> 00:18:50,796 ですが…。 300 00:18:50,796 --> 00:18:54,066 この通りだ 頼む。 301 00:18:57,436 --> 00:18:59,438 (アレン)はい…。 302 00:19:01,374 --> 00:19:04,377 くっ… あっ。 303 00:19:07,046 --> 00:19:09,382 もう一度…。 304 00:19:09,382 --> 00:19:12,051 あっ…。 (ドアの開く音) 305 00:19:12,051 --> 00:19:14,720 (アレン)練習なら 付き合いますよ。 306 00:19:14,720 --> 00:19:17,723 先生 いいんですか? 307 00:19:17,723 --> 00:19:20,726 もちろんです 続けてください。 308 00:19:23,062 --> 00:19:25,398 《アレン:いくらなんでも おかしい。 309 00:19:25,398 --> 00:19:29,235 最近は 魔法式すら 確認する間もなく消えてしまう。 310 00:19:29,235 --> 00:19:34,740 まるで 「何か」が 拒絶するかのように…。 311 00:19:34,740 --> 00:19:38,744 見た限り 魔法式は問題ないはずだ。 312 00:19:38,744 --> 00:19:42,081 なのに なぜ うまく発動しないのか…。 313 00:19:42,081 --> 00:19:46,085 何か 緩和できる方法は…》 314 00:19:52,091 --> 00:19:54,427 あっ…。 315 00:19:54,427 --> 00:19:57,430 あっ。 316 00:19:57,430 --> 00:19:59,432 もう朝!? 317 00:19:59,432 --> 00:20:02,435 さすがに 疲労が溜まってきてるな…。 318 00:20:02,435 --> 00:20:07,440 いけない こんなことじゃ 二人に迷惑をかけてしまう…。 319 00:20:07,440 --> 00:20:11,110 (足音) 320 00:20:11,110 --> 00:20:13,446 (ドアの開く音) 321 00:20:13,446 --> 00:20:16,849 (アレン)おはようございます。 (ドアの閉まる音) 322 00:20:19,118 --> 00:20:22,121 《アレン:遅くまで 練習していたのか…》 323 00:20:26,459 --> 00:20:29,462 うん… 先生? 324 00:20:29,462 --> 00:20:32,798 起こしてしまいましたか 申し訳ない。 325 00:20:32,798 --> 00:20:35,468 いえ… あっ。 326 00:20:35,468 --> 00:20:39,138 その本 私のためですか? 327 00:20:39,138 --> 00:20:41,474 違いますよ これは僕の趣味で…。 328 00:20:41,474 --> 00:20:43,809 嘘です。 えっ…。 329 00:20:43,809 --> 00:20:47,480 (ティナ)先生が 夜遅くまで 本を読まれてるのを知ってます。 330 00:20:47,480 --> 00:20:50,816 今朝だって 食堂に お姿がありませんでしたし…。 331 00:20:50,816 --> 00:20:53,486 それは…。 このひと月で➨ 332 00:20:53,486 --> 00:20:56,155 何百冊と本を読まれて…。 333 00:20:56,155 --> 00:21:01,794 私のために 毎日毎日 新しい魔法式も考えてくださって。 334 00:21:01,794 --> 00:21:04,130 夜の練習にも付き合わされて…。 335 00:21:04,130 --> 00:21:06,132 気にしないでください。 336 00:21:06,132 --> 00:21:10,469 本を読むのは好きですし 魔法式を改良するのも そうです。 337 00:21:10,469 --> 00:21:13,472 今朝は 珍しく 寝坊してしまいました。 338 00:21:13,472 --> 00:21:15,474 お恥ずかしい。 339 00:21:15,474 --> 00:21:19,812 もっと怒ってください もっと責めてください! 340 00:21:19,812 --> 00:21:22,148 魔法が使えないのは…。 341 00:21:22,148 --> 00:21:27,486 私に… 私に才能がないからなんです! 342 00:21:27,486 --> 00:21:30,823 ごめんなさい 君に そんなことを言わせるなんて➨ 343 00:21:30,823 --> 00:21:33,492 教師失格ですね。 ですが…。 344 00:21:33,492 --> 00:21:35,461 あっ…。 345 00:21:38,831 --> 00:21:42,168 (ティナ)もう… もう 嫌なんです。 346 00:21:42,168 --> 00:21:46,172 先生のことを尊敬していて 大好きなのに…。 347 00:21:46,172 --> 00:21:49,508 エリーのことも大好きなのに…。 あっ… これは! 348 00:21:49,508 --> 00:21:52,511 先生が エリーを褒める度に…。 349 00:21:52,511 --> 00:21:56,148 日に日に成長していくあの子を 見る度に…。 350 00:21:56,148 --> 00:22:01,153 汚い感情が浮かんでくるんです だから! 351 00:22:04,456 --> 00:22:06,825 ティナ! うっ…。 352 00:22:08,794 --> 00:22:11,130 (エリー)アレン先生!? 353 00:22:11,130 --> 00:22:13,465 来るな エリー! 354 00:22:13,465 --> 00:22:15,434 ティナ!