1 00:00:02,043 --> 00:00:05,046 (九九(じうじう)・冰月(ひょうげつ)) 動くな 烏妃(うひ)! フフフッ 2 00:00:05,714 --> 00:00:06,798 (寿雪(じゅせつ))冰月! 3 00:00:06,881 --> 00:00:09,801 ご名答 よく分かったな 4 00:00:09,884 --> 00:00:13,304 下郎(げろう)め さっさと九九から離れろ 5 00:00:13,388 --> 00:00:13,930 あっ 6 00:00:14,014 --> 00:00:17,434 要求するのは私のほうだぞ 烏妃 7 00:00:18,018 --> 00:00:20,186 前に申していた 頼みか? 8 00:00:20,270 --> 00:00:21,479 (九九・冰月)そうだ 9 00:00:21,563 --> 00:00:24,024 欒(らん)氏の再興でも 画策しておるのか? 10 00:00:24,524 --> 00:00:26,693 そんなことに興味はない 11 00:00:27,193 --> 00:00:30,697 ただ 救ってほしい者が いるだけだ 12 00:00:31,281 --> 00:00:31,865 烏妃よ 13 00:00:34,159 --> 00:00:35,201 うっ! 14 00:00:37,245 --> 00:00:41,207 (寿雪)その娘から 出ていけというのが分からぬか! 15 00:00:42,375 --> 00:00:44,044 私の命(めい)ぞ! 16 00:00:46,796 --> 00:00:48,548 (高峻(こうしゅん))うっ… (衛青(えいせい))大家(ターチャ)! 17 00:00:51,342 --> 00:00:53,261 (九九・冰月)あっ… やめろ! 18 00:01:02,353 --> 00:01:04,522 (冰月)力づくで引き剥がすとは… 19 00:01:05,106 --> 00:01:09,027 楽土に渡れぬのなら 私が送ってやる 20 00:01:21,873 --> 00:01:23,708 あっ… やめろ… 21 00:01:26,795 --> 00:01:27,837 やめてくれ! 22 00:01:32,425 --> 00:01:33,510 あ… 23 00:01:33,593 --> 00:01:36,012 (高峻)寿雪 もういい 24 00:01:39,349 --> 00:01:40,183 フウ… 25 00:01:46,106 --> 00:01:47,273 う… 26 00:01:51,027 --> 00:01:53,029 {\an8}♪~ 27 00:03:17,238 --> 00:03:19,240 {\an8}~♪ 28 00:03:21,951 --> 00:03:24,120 (衛青)気を失っているだけです 29 00:03:24,204 --> 00:03:26,581 あちらに寝かせてやってくれ 30 00:03:29,959 --> 00:03:31,628 (星星(しんしん))クワア… 31 00:03:31,711 --> 00:03:34,714 (寿雪)救ってほしい者がいると 申しておったな 32 00:03:35,465 --> 00:03:38,051 当ててやろう 明珠公主(めいじゅこうしゅ)か? 33 00:03:38,134 --> 00:03:38,760 あ… 34 00:03:39,427 --> 00:03:41,346 おぬしにとっては叔母だな 35 00:03:42,138 --> 00:03:46,309 父とは母親が違う 年も私より下だった 36 00:03:46,809 --> 00:03:50,188 おぬしは 師であった 封一行(ほういちぎょう)の養子となって 37 00:03:50,271 --> 00:03:52,649 皇族を離籍する予定 だったそうだな 38 00:03:53,316 --> 00:03:54,484 奇妙なことだ 39 00:03:54,984 --> 00:03:57,737 わざわざ 欒の姓を捨てる 理由はなんだ? 40 00:03:58,404 --> 00:03:59,906 (冰月)一族不婚の制 41 00:04:00,782 --> 00:04:02,951 昔は 母親さえたがえば 42 00:04:03,034 --> 00:04:07,205 兄に嫁ぐ妹も 叔父に嫁ぐ姪(めい)も数多くいた 43 00:04:07,705 --> 00:04:10,416 だが 欒王朝に入ってから 禁じられた 44 00:04:10,500 --> 00:04:16,422 つまり そなたは同族の者と 結婚するために姓を捨てようとした 45 00:04:16,923 --> 00:04:19,217 それが明珠公主であったと 46 00:04:19,926 --> 00:04:22,428 (冰月)もうすぐ 祝言を挙げる予定だった 47 00:04:23,304 --> 00:04:25,723 私が欒家を離籍するならと 48 00:04:25,807 --> 00:04:27,767 帝(みかど)にも許しを得ていた 49 00:04:28,268 --> 00:04:30,436 明珠も喜んでいたのに… 50 00:04:31,271 --> 00:04:33,064 全てが消え去った 51 00:04:33,982 --> 00:04:36,442 私は夏(か)氏の禁軍に捕らえられ 52 00:04:36,526 --> 00:04:40,822 炎帝(えんてい)に首を落とされ 幽鬼(ゆうき)となってさまよい 53 00:04:41,781 --> 00:04:44,117 気付いたら後宮にいた 54 00:04:44,742 --> 00:04:47,996 私は捜した 明珠の亡骸(なきがら)を 55 00:04:48,496 --> 00:04:50,290 自刃したと聞いていたから 56 00:04:50,790 --> 00:04:53,668 だが 見つからなかった 57 00:04:54,460 --> 00:04:55,253 ただ… 58 00:04:55,795 --> 00:05:00,216 柳の下に幽鬼がいた 明珠の幽鬼が 59 00:05:00,300 --> 00:05:05,013 あの柳の下で 最期の姿で たたずんでいた 60 00:05:05,096 --> 00:05:07,307 (冰月)明珠… 明珠! 61 00:05:08,141 --> 00:05:11,477 明珠 守ってやれなくてすまぬ 62 00:05:12,562 --> 00:05:16,482 明珠 私だ 聞こえぬのか? 63 00:05:16,566 --> 00:05:17,900 明珠! 64 00:05:18,693 --> 00:05:21,237 (冰月) 明珠に私の声は届かなかった 65 00:05:21,821 --> 00:05:24,699 何か 一つのことが 彼女の心を占めていて 66 00:05:25,199 --> 00:05:26,576 聞こえていないのだ 67 00:05:27,076 --> 00:05:28,536 {\an8}だから 68 00:05:28,619 --> 00:05:30,997 {\an8}楽土へ送ってやることも かなわない 69 00:05:32,332 --> 00:05:38,171 封老師(ほうせんせい)は炎帝の追跡を逃れ 身を隠し 行方が追えなかった 70 00:05:38,671 --> 00:05:43,509 何人かの巫術師(ふじゅつし)に取り憑(つ)き 明珠に呼びかけてもみたが答えない 71 00:05:44,010 --> 00:05:48,264 何もできぬまま 何度も何度も春が巡った 72 00:05:48,890 --> 00:05:52,810 明珠の幽鬼に会いに 再び後宮に戻った私は 73 00:05:52,894 --> 00:05:54,729 烏妃の代替わりを知った 74 00:05:55,229 --> 00:05:57,732 しかも 欒家の者ではないか 75 00:05:58,232 --> 00:06:01,611 うまくやれば 交渉できるかもしれぬと思ったのだ 76 00:06:03,654 --> 00:06:05,031 愚かだったな 77 00:06:08,117 --> 00:06:10,453 (寿雪)九九を盾になどしなければ 78 00:06:10,536 --> 00:06:13,331 こちらとて 冷静に話を聞いたものを 79 00:06:14,749 --> 00:06:16,167 もう 夜が明けるな 80 00:06:18,336 --> 00:06:19,045 ついてこい 81 00:06:19,128 --> 00:06:20,129 え? 82 00:06:22,340 --> 00:06:23,800 (寿雪)冰月 おぬし… 83 00:06:24,509 --> 00:06:28,304 明珠公主が白い玻璃(はり)の櫛(くし)を 持っていたのは知っておるな 84 00:06:30,515 --> 00:06:34,519 それは私が贈ったものだ 求婚のしるしに 85 00:06:34,602 --> 00:06:35,770 (寿雪)そうか 86 00:06:35,853 --> 00:06:38,439 それが紛失しているのは 知っておるか? 87 00:06:38,523 --> 00:06:39,440 紛失? 88 00:06:40,900 --> 00:06:44,946 私が後宮を訪れるときは いつも ここで会っていた 89 00:06:45,530 --> 00:06:47,949 求婚をしたのも この柳の下だ 90 00:06:48,449 --> 00:06:50,201 (寿雪)そなたとの思い出ゆえに 91 00:06:50,284 --> 00:06:52,453 ここを死に場所に 選んだのならば 92 00:06:52,537 --> 00:06:56,082 求婚の品である 大事な玻璃の櫛を持たず 93 00:06:56,165 --> 00:06:58,042 死のうとしたとは考えにくい 94 00:06:58,543 --> 00:07:02,046 だが 彼女はそれを 挿さずに死んだのだ 95 00:07:02,547 --> 00:07:04,048 彼女は その最期に 96 00:07:04,132 --> 00:07:07,510 自分の骸(むくろ)に あの櫛があっては ならないと思ったのだろう 97 00:07:08,010 --> 00:07:08,719 なぜなら… 98 00:07:09,971 --> 00:07:12,098 夏氏の者たちに略奪されるからだ 99 00:07:12,181 --> 00:07:13,266 あっ… 100 00:07:13,349 --> 00:07:16,644 (寿雪)明珠公主の玉珮(ぎょくはい)も 自刃に使った刀も 101 00:07:16,727 --> 00:07:19,105 凝光殿(ぎょうこうでん)の庫(くら)に納められている 102 00:07:19,188 --> 00:07:23,067 そんなふうに おぬしを殺した 炎帝の手に渡るやもしれぬ 103 00:07:23,568 --> 00:07:27,321 彼女は それだけは どうしても嫌だったのではないか 104 00:07:28,197 --> 00:07:30,658 では 櫛はどこに? 105 00:07:31,701 --> 00:07:33,453 (寿雪)兵が迫る中 106 00:07:33,536 --> 00:07:35,621 どこかに隠す猶予は なかったであろう 107 00:07:36,456 --> 00:07:37,123 恐らく… 108 00:07:38,207 --> 00:07:39,709 埋めたのであろうな 109 00:07:40,960 --> 00:07:42,086 青(せい) 110 00:07:46,966 --> 00:07:48,885 (何かに当たる音) (2人)あっ 111 00:07:49,844 --> 00:07:51,512 (衛青)柳の根ですね 112 00:07:54,348 --> 00:07:55,558 (高峻)これを使え 113 00:07:59,353 --> 00:08:01,522 (寿雪)この櫛が気にかかって 114 00:08:01,606 --> 00:08:04,275 彼女は ここを 離れられなかったのであろう 115 00:08:04,901 --> 00:08:09,238 一心に思い詰めていたために おぬしの声さえ届かなかった 116 00:08:09,739 --> 00:08:11,073 皮肉なことだ 117 00:08:11,782 --> 00:08:13,910 私のあげた櫛など… 118 00:08:28,132 --> 00:08:29,050 あっ 119 00:08:34,222 --> 00:08:35,306 明珠 120 00:08:50,613 --> 00:08:52,323 やっと会えたな 121 00:08:54,367 --> 00:08:56,244 一緒にゆこう 122 00:09:05,836 --> 00:09:08,965 その櫛は 彼らの墓に 葬ってやろう 123 00:09:09,549 --> 00:09:10,800 それがよかろう 124 00:09:11,300 --> 00:09:13,761 私は手を触れないほうが いいだろう 125 00:09:13,844 --> 00:09:15,763 そなたが保管しておいてくれ 126 00:09:31,946 --> 00:09:33,114 (九九)娘娘(ニャンニャン) 127 00:09:33,197 --> 00:09:35,741 九九 もう体はよいのか? 128 00:09:35,825 --> 00:09:38,744 (九九)ええ このとおり! なんてことありません 129 00:09:38,828 --> 00:09:40,746 (寿雪)巻き込んで すまなかった 130 00:09:40,830 --> 00:09:42,999 (九九)そんなこと おっしゃらないでください 131 00:09:43,583 --> 00:09:45,334 娘娘のせいじゃありません 132 00:09:45,418 --> 00:09:48,045 助けてくださって ありがとうございます 133 00:09:49,255 --> 00:09:51,299 私は ひと仕事 残っている 134 00:09:51,382 --> 00:09:52,550 先に休め 135 00:09:52,633 --> 00:09:54,427 いえ でしたら あたしも… 136 00:09:54,510 --> 00:09:55,886 ゆっくり休め 137 00:09:56,596 --> 00:09:58,764 おぬしが 元気でいてくれないと困る 138 00:10:00,349 --> 00:10:02,935 では お言葉に甘えて 139 00:10:05,146 --> 00:10:05,771 (星星)クワ? 140 00:10:11,068 --> 00:10:12,153 クワア~ッ! 141 00:10:12,236 --> 00:10:15,281 (寿雪)星星 心配せずともよい 142 00:10:15,364 --> 00:10:17,658 すぐ戻ってくる 逃げはせぬ 143 00:10:18,909 --> 00:10:21,245 いまいましい 烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の見張り役め 144 00:10:21,746 --> 00:10:22,622 (星星)アグッ… 145 00:10:22,705 --> 00:10:26,167 告げ口しようものなら 丸焼きにしてやるぞ 146 00:10:26,959 --> 00:10:28,586 クワアア! 147 00:10:30,880 --> 00:10:34,717 (寿雪の荒い息) 148 00:10:44,143 --> 00:10:45,061 (寿雪)この臭いだ 149 00:10:49,148 --> 00:10:51,108 そなた なぜ? 150 00:10:51,651 --> 00:10:53,319 待て 何をする? 151 00:10:53,402 --> 00:10:55,446 黙って見ておれ すぐ終わる 152 00:10:55,529 --> 00:10:58,324 よせ あれらは害のないものだ 153 00:10:58,407 --> 00:11:01,369 何に害があって 何に害がないのか 154 00:11:01,452 --> 00:11:02,828 おぬしには分からぬ 155 00:11:03,329 --> 00:11:05,081 これは私の領分ぞ 156 00:11:09,460 --> 00:11:10,086 あっ 157 00:11:15,174 --> 00:11:16,717 (高峻)待て よせ! (寿雪)はっ! 158 00:11:27,353 --> 00:11:33,484 (皇太后)うおおおおおおおお! 159 00:11:37,738 --> 00:11:39,198 (寿雪)臭いは消えたな 160 00:11:39,281 --> 00:11:40,825 (高峻)今のは 一体… 161 00:11:41,325 --> 00:11:43,661 (寿雪)おぬしは 彼らが何故 162 00:11:43,744 --> 00:11:46,288 扉の前で 突っ立ったままだったと思う? 163 00:11:46,372 --> 00:11:47,540 (高峻)それは… 164 00:11:48,374 --> 00:11:50,543 私に言いたいことが あったからだろう 165 00:11:51,043 --> 00:11:55,047 (寿雪)それもあるが 彼らは守っていたのだ 166 00:11:55,131 --> 00:11:57,007 (高峻)守る? 何を? 167 00:11:57,091 --> 00:11:59,885 バカめ おぬしをに決まっておろう 168 00:12:01,262 --> 00:12:03,556 おぬしのもとに 彼らが現れたのは 169 00:12:03,639 --> 00:12:05,891 ここ ひと月ほどのことだと聞いた 170 00:12:06,517 --> 00:12:08,853 およそ ひと月前には 何があった? 171 00:12:09,395 --> 00:12:11,230 (高峻)皇太后の処刑だ 172 00:12:11,313 --> 00:12:13,899 (寿雪) 彼らが現れたのは その後であろう 173 00:12:14,483 --> 00:12:16,360 一体 どういうことだ? 174 00:12:16,444 --> 00:12:20,322 おぬしの寝所の近くで 獣の臭いに気付いたのだ 175 00:12:20,406 --> 00:12:22,408 獣を使った呪咀(じゅそ)の臭いだ 176 00:12:22,491 --> 00:12:24,910 呪咀? まさか… 177 00:12:24,994 --> 00:12:28,414 (寿雪)皇太后は 最期に呪咀を残していたのだ 178 00:12:29,039 --> 00:12:32,001 自分の死後 おぬしをたたるための 179 00:12:32,501 --> 00:12:35,504 (高峻)では 母上と丁藍(ていらん)は… 180 00:12:35,588 --> 00:12:38,257 おぬしの寝所に 入ってこようとする呪咀を 181 00:12:38,340 --> 00:12:39,925 瀬戸際で止めていたのだ 182 00:12:41,218 --> 00:12:43,179 顔を上げろ 高峻 183 00:12:49,769 --> 00:12:52,605 (高峻)母上… 丁藍… 184 00:12:53,522 --> 00:12:54,482 あっ 185 00:13:02,072 --> 00:13:05,409 寿雪 なぜ私を助けてくれた? 186 00:13:07,286 --> 00:13:09,455 私に怒っていたのではないか 187 00:13:09,955 --> 00:13:11,707 憎んでいるのではないか 188 00:13:12,291 --> 00:13:15,503 私が腹を立てているのは おぬしにではなく 189 00:13:16,003 --> 00:13:18,214 かつての夏の王と冬の王にだ 190 00:13:19,673 --> 00:13:21,634 おぬしを見殺しにしたのでは 191 00:13:21,717 --> 00:13:25,513 死してなお 守ろうとした あの二人が浮かばれぬ 192 00:13:27,264 --> 00:13:30,059 (高峻)そうか… ありがとう 193 00:13:32,895 --> 00:13:35,606 別に 礼など欲しくはない 194 00:13:36,190 --> 00:13:38,984 (高峻)借りが出来たな どう返せばいい? 195 00:13:39,068 --> 00:13:40,069 いらぬ 196 00:13:40,152 --> 00:13:43,405 もう 私の宮には来るな それでよい 197 00:13:47,368 --> 00:13:48,118 なんだ? 198 00:13:48,702 --> 00:13:51,121 私は そなたを 助けられないだろうか 199 00:13:51,205 --> 00:13:52,581 あっ… 200 00:13:53,415 --> 00:13:55,125 助けなどいらぬ! 201 00:13:58,712 --> 00:14:01,131 ハア ハア ハア… 202 00:14:14,144 --> 00:14:17,731 あの男はやはり バカなのだな 203 00:14:21,527 --> 00:14:23,988 (高峻)皆に提案したき儀がある 204 00:14:26,907 --> 00:14:29,618 (九九) 陛下は お忙しいのでしょうか? 205 00:14:29,702 --> 00:14:32,413 あれから一度も お越しになりませんね 206 00:14:32,496 --> 00:14:34,874 (寿雪)おかげで ここのところ過ごしやすい 207 00:14:34,957 --> 00:14:36,959 (九九) また そんなことをおっしゃって 208 00:14:37,918 --> 00:14:41,088 あやつが来てから 私は おかしくなった 209 00:14:41,171 --> 00:14:41,839 え? 210 00:14:42,339 --> 00:14:44,925 帝の頼みをいいことに 調子に乗った 211 00:14:45,426 --> 00:14:47,052 烏妃の務めを忘れた 212 00:14:47,553 --> 00:14:51,473 今では おぬしや 紅翹(こうぎょう)や温螢(おんけい)がそばにいる 213 00:14:52,099 --> 00:14:55,060 こうして花娘(かじょう)と 茶まで飲まねばならぬ始末だ 214 00:14:55,561 --> 00:14:57,271 花娘娘(ファニャンニャン)の誘いを 215 00:14:57,354 --> 00:15:00,232 これ以上 引き延ばすわけには いきませんからね 216 00:15:01,275 --> 00:15:03,819 麗娘(れいじょう)が見ていたら どう思うか 217 00:15:04,612 --> 00:15:07,239 麗娘は烏妃の定めを受け入れ 218 00:15:07,323 --> 00:15:10,367 何も望まず 誰とも交わらず 219 00:15:10,451 --> 00:15:14,246 この夜明宮(やめいきゅう)で一人 生涯を終えたというのに 220 00:15:15,289 --> 00:15:17,541 娘娘は お会いしたくないんですか? 221 00:15:17,625 --> 00:15:18,626 陛下に 222 00:15:18,709 --> 00:15:20,085 会いたくはない 223 00:15:20,169 --> 00:15:21,629 あの男に名を呼ばれると 224 00:15:21,712 --> 00:15:25,341 妙に胸がざわついて 落ち着かなくなる 225 00:15:26,550 --> 00:15:27,468 フッ… 226 00:15:28,719 --> 00:15:30,846 かんざしは どれになさいます? 227 00:15:31,347 --> 00:15:32,264 (寿雪)ああ… 228 00:15:33,891 --> 00:15:36,226 花娘から贈られた衣に 似合うだろう 229 00:15:40,606 --> 00:15:41,148 (九九)あら 230 00:15:41,231 --> 00:15:44,276 こ… この衣に合わせて 作られたものだからだ 231 00:15:44,360 --> 00:15:47,029 何も申し上げておりませんのに 232 00:15:47,696 --> 00:15:48,739 む… 233 00:15:52,368 --> 00:15:53,786 (花娘)フフッ 234 00:15:54,370 --> 00:15:56,288 よくお似合いですよ 235 00:16:01,377 --> 00:16:03,212 ご存じですか? 236 00:16:03,295 --> 00:16:06,757 陛下は律令(りつりょう)の見直しを 進めているそうですよ 237 00:16:06,840 --> 00:16:08,550 それで お忙しいご様子 238 00:16:08,634 --> 00:16:11,011 知らぬ 興味がない 239 00:16:11,095 --> 00:16:14,932 (花娘)烏妃様のもとに行けるのは もう少し先になりそうだと 240 00:16:15,015 --> 00:16:17,559 わたくしへの文で おっしゃっておいででした 241 00:16:17,643 --> 00:16:19,603 そう伝えてくれと 242 00:16:19,687 --> 00:16:21,814 (寿雪)何故 おぬし宛ての文に 243 00:16:22,314 --> 00:16:24,608 私への言づてが 書かれておるのだ? 244 00:16:24,692 --> 00:16:26,443 (花娘)烏妃様は陛下からの文を 245 00:16:26,527 --> 00:16:29,154 読まずに 燃やしておしまいになるからと 246 00:16:31,240 --> 00:16:33,283 こちらも 召し上がってはいかが? 247 00:16:33,367 --> 00:16:35,202 たくさんありますからね 248 00:16:37,663 --> 00:16:42,084 わたくしの末の妹は 烏妃様と同じ年頃です 249 00:16:42,167 --> 00:16:44,086 失礼かもしれませんが 250 00:16:44,169 --> 00:16:46,547 こうしていると 妹を見ているようで 251 00:16:46,630 --> 00:16:47,840 うれしく思います 252 00:16:47,923 --> 00:16:50,217 別に失礼とは思わぬ 253 00:16:50,300 --> 00:16:51,635 (花娘)それでしたら 254 00:16:51,719 --> 00:16:53,887 阿妹(アーメイ)とお呼びして よろしゅうございます? 255 00:16:53,971 --> 00:16:54,680 うっ… 256 00:16:54,763 --> 00:16:56,181 わたくしのことは 257 00:16:56,265 --> 00:16:58,684 阿姐(アージェ)と呼んでくださって 結構ですよ 258 00:17:04,064 --> 00:17:05,566 (九九)すてきですね 259 00:17:05,649 --> 00:17:08,944 花娘娘と“お姉様” “妹”って呼び合えるなんて 260 00:17:09,028 --> 00:17:10,988 (寿雪)呼ぶとは言っておらぬ 261 00:17:11,071 --> 00:17:13,449 花娘は若干 強引なところがある 262 00:17:13,532 --> 00:17:16,785 まるで 本当の姉妹のように 見えましたよ 263 00:17:16,869 --> 00:17:18,662 そんなことは… あっ 264 00:17:18,746 --> 00:17:19,455 ん? 265 00:17:19,538 --> 00:17:23,208 (高峻)扉が開かないと思ったら 出かけていたのか 266 00:17:24,043 --> 00:17:26,211 しばらく来られぬのでは なかったのか? 267 00:17:26,295 --> 00:17:27,838 花娘に聞いたか 268 00:17:28,338 --> 00:17:30,507 思ったより早く始末がついてな 269 00:17:31,008 --> 00:17:31,717 ん? 270 00:17:31,800 --> 00:17:34,219 あっ これは… 271 00:17:37,431 --> 00:17:39,975 (扉が開く音) 272 00:17:41,852 --> 00:17:43,228 (寿雪)話はなんだ? 273 00:17:43,896 --> 00:17:45,481 (高峻)律令を整理していた 274 00:17:45,981 --> 00:17:48,275 (寿雪) それが私に なんの関係がある? 275 00:17:48,776 --> 00:17:50,736 必要のないものは廃止した 276 00:17:51,779 --> 00:17:54,156 欒一族の捕殺令もだ 277 00:17:54,239 --> 00:17:54,948 あっ… 278 00:17:55,032 --> 00:17:58,285 (高峻) 名簿上 欒一族は全て死んでいる 279 00:17:58,827 --> 00:18:01,246 だから あの法も 必要のないものだ 280 00:18:01,330 --> 00:18:04,416 烏妃が王を 王たらしめるのであれば 281 00:18:04,500 --> 00:18:06,752 そなたを失うわけにはいかない 282 00:18:06,835 --> 00:18:10,756 そなたを捕らえる法も 殺す法も もうない 283 00:18:10,839 --> 00:18:13,842 そなたは もう怯(おび)えずともいい 284 00:18:16,220 --> 00:18:17,262 気に障ったか? 285 00:18:21,058 --> 00:18:21,892 これを 286 00:18:23,018 --> 00:18:26,271 こちらは そなたに もう一つは私が 287 00:18:26,855 --> 00:18:28,315 誓約を交わそう 288 00:18:28,398 --> 00:18:29,483 誓約? 289 00:18:29,983 --> 00:18:31,527 私とそなたの約束だ 290 00:18:32,236 --> 00:18:34,988 夏の王と冬の王の 291 00:18:35,864 --> 00:18:37,449 (寿雪)約束とは? 292 00:18:37,533 --> 00:18:40,410 (高峻)一つは 以前 そなたにした約束だ 293 00:18:40,911 --> 00:18:43,789 私は そなたを殺さない 何があっても 294 00:18:44,373 --> 00:18:45,999 ほかにもあるのか? 295 00:18:46,083 --> 00:18:47,835 (高峻)私とそなたは争わない 296 00:18:48,335 --> 00:18:50,546 もとより争うつもりなどない 297 00:18:50,629 --> 00:18:53,340 それは そなたを冬の王ではなく 298 00:18:53,423 --> 00:18:57,052 烏妃として 生涯ここで 飼い殺しにするということだ 299 00:18:57,136 --> 00:19:00,264 私に ほかの道は用意されておらぬ 300 00:19:00,764 --> 00:19:02,558 救いも求めておらぬ 301 00:19:03,892 --> 00:19:06,395 (高峻) 私は そなたと2人のときには 302 00:19:06,895 --> 00:19:10,649 そなたを烏妃ではなく 冬の王として遇する 303 00:19:11,608 --> 00:19:13,277 そなただけではない 304 00:19:13,360 --> 00:19:16,780 これまでの全ての烏妃に 敬意を表する 305 00:19:16,864 --> 00:19:18,282 あ… 306 00:19:44,183 --> 00:19:46,560 (寿雪)この魚形は おぬしが作ったのか? 307 00:19:46,643 --> 00:19:50,230 いや さすがに これほどのものは作れない 308 00:19:50,731 --> 00:19:52,274 工房に作らせた 309 00:19:53,525 --> 00:19:54,151 木彫りなら 310 00:19:54,234 --> 00:19:56,945 そう日にちをかけずとも 作ってやれるが 311 00:19:57,029 --> 00:19:58,906 誰も欲しいとは言っておらぬ 312 00:19:59,406 --> 00:20:01,700 (高峻)鳥でも花でも作れるぞ 313 00:20:02,993 --> 00:20:03,994 薔薇(ばら)でも? 314 00:20:04,077 --> 00:20:07,289 (高峻) 薔薇でも 木蓮(もくれん)でも 芙蓉(ふよう)でも 315 00:20:08,415 --> 00:20:09,958 (寿雪)薔薇がよい 316 00:20:11,084 --> 00:20:11,835 分かった 317 00:20:11,919 --> 00:20:14,087 木の薔薇なら枯れまい 318 00:20:15,339 --> 00:20:16,048 あ… 319 00:20:23,013 --> 00:20:26,350 まだ帰らぬのか? 用は済んだであろう 320 00:20:26,433 --> 00:20:29,353 言い忘れていた 誓約の残りだ 321 00:20:29,436 --> 00:20:30,604 まだあるのか? 322 00:20:31,104 --> 00:20:32,231 あと一つ 323 00:20:32,814 --> 00:20:35,651 私は そなたのよき友になりたい 324 00:20:35,734 --> 00:20:36,902 友? 325 00:20:36,985 --> 00:20:40,697 (高峻)友だ そなたの苦しみに寄り添いたい 326 00:20:42,741 --> 00:20:45,244 (寿雪)おぬしは… バカだな 327 00:20:45,744 --> 00:20:46,745 そうか 328 00:20:46,828 --> 00:20:48,789 (寿雪)それは誓約ではなかろう 329 00:20:49,289 --> 00:20:51,166 私が自分に課す誓約だ 330 00:20:52,292 --> 00:20:54,836 友とは 何をするものだ? 331 00:20:54,920 --> 00:20:57,172 (高峻) 私も詳しいわけではないが… 332 00:20:58,215 --> 00:21:01,176 多分 一緒に茶を飲んだり するのだろう 333 00:21:03,220 --> 00:21:04,680 (高峻)青 (衛青)はっ 334 00:21:04,763 --> 00:21:08,183 青は茶を淹(い)れるのがうまい 飲んでみるか? 335 00:21:10,477 --> 00:21:11,937 飲んでやってもよい 336 00:21:12,020 --> 00:21:12,980 フッ 337 00:21:16,733 --> 00:21:23,407 (ナレーション)後宮の奥深く 烏妃と呼ばれる妃(きさき)が住んでいる 338 00:21:24,658 --> 00:21:29,204 その妃は 妃でありながら 夜伽(よとぎ)をすることのない⸺ 339 00:21:29,288 --> 00:21:30,956 特別な妃だった 340 00:21:31,957 --> 00:21:37,087 後宮で生きながら 決して帝のお渡りのない妃 341 00:21:41,758 --> 00:21:44,636 彼女は 一人の友を得た 342 00:21:46,054 --> 00:21:48,056 {\an8}♪~ 343 00:23:13,934 --> 00:23:15,936 {\an8}~♪ 344 00:23:19,523 --> 00:23:22,317 (封)お前の名前を考えたぞ 345 00:23:22,401 --> 00:23:27,697 昔 養子に迎えるはずだった 弟子の名から 一字 取った 346 00:23:28,407 --> 00:23:29,950 (青年)“宵月(しょうげつ)” 347 00:23:30,033 --> 00:23:31,326 よい名だ 348 00:23:31,410 --> 00:23:34,121 ありがとう 封老師