1 00:00:01,001 --> 00:00:04,130 (欒(らん) 冰月(ひょうげつ)) 動くな 烏妃(うひ)! フフッ 2 00:00:04,714 --> 00:00:05,881 (柳(りゅう) 寿雪(じゅせつ))冰月 3 00:00:06,257 --> 00:00:08,759 ご名答 よく分かったな 4 00:00:09,301 --> 00:00:10,344 下郎め 5 00:00:10,428 --> 00:00:13,013 さっさと九九(じうじう)から離れろ あっ… 6 00:00:13,389 --> 00:00:16,475 要求するのは私のほうだぞ 烏妃 7 00:00:16,559 --> 00:00:18,936 前に申していた 頼みか? 8 00:00:19,311 --> 00:00:20,312 (冰月)そうだ 9 00:00:20,604 --> 00:00:22,940 欒氏の再興でも 画策しておるのか? 10 00:00:23,816 --> 00:00:25,651 そんなことに興味はない 11 00:00:26,193 --> 00:00:29,780 ただ… 救ってほしい者が いるだけだ 12 00:00:30,281 --> 00:00:30,906 烏妃よ 13 00:00:30,990 --> 00:00:32,158 (寿雪)ああっ 14 00:00:33,200 --> 00:00:34,285 (冰月)うっ… 15 00:00:35,453 --> 00:00:36,162 あっ 16 00:00:36,245 --> 00:00:40,124 (寿雪)その娘から 出ていけというのが分からぬか! 17 00:00:41,375 --> 00:00:42,752 私の命(めい)ぞ! 18 00:00:45,838 --> 00:00:47,381 (夏(か) 高峻(こうしゅん))うっ (衛青(えいせい))大家(たーちゃ)! 19 00:00:50,301 --> 00:00:52,344 (冰月)あっ… やめろ! 20 00:01:01,270 --> 00:01:03,606 (冰月)力ずくで引き剥がすとは… 21 00:01:04,023 --> 00:01:07,777 楽土(らくど)に渡れぬのなら 私が送ってやる 22 00:01:20,915 --> 00:01:22,792 (冰月)あっ… やめろ 23 00:01:25,836 --> 00:01:26,921 やめてくれ! 24 00:01:31,425 --> 00:01:32,426 (寿雪)あっ… 25 00:01:32,635 --> 00:01:35,095 (高峻)寿雪 もういい 26 00:01:38,349 --> 00:01:39,350 ふう… 27 00:01:42,144 --> 00:01:43,145 あっ 28 00:01:45,022 --> 00:01:46,023 (冰月)ううっ… 29 00:01:50,069 --> 00:01:57,076 ♪~ 30 00:03:10,941 --> 00:03:17,948 ~♪ 31 00:03:20,951 --> 00:03:22,661 (衛青)気を失っているだけです 32 00:03:23,621 --> 00:03:25,247 あちらに寝かせてやってくれ 33 00:03:28,959 --> 00:03:30,169 (星星(しんしん))クワ~ 34 00:03:30,753 --> 00:03:33,422 (寿雪)救ってほしい者がいると 申しておったな 35 00:03:34,506 --> 00:03:37,051 当ててやろう 明珠公主(めいじゅこうしゅ)か? 36 00:03:37,134 --> 00:03:37,843 あっ… 37 00:03:38,427 --> 00:03:40,054 (寿雪)おぬしにとっては叔母だな 38 00:03:41,180 --> 00:03:45,351 (冰月)父とは母親が違う 年も私より下だった 39 00:03:45,809 --> 00:03:49,188 (寿雪)おぬしは 師であった 封一行(ほういちぎょう)の養子となって 40 00:03:49,271 --> 00:03:51,732 皇族を 離籍する 予定だったそうだな 41 00:03:52,358 --> 00:03:53,943 奇妙なことだ 42 00:03:54,026 --> 00:03:56,403 わざわざ 欒の姓を捨てる 理由はなんだ? 43 00:03:57,404 --> 00:03:58,989 (冰月)一族不婚の制 44 00:03:59,782 --> 00:04:01,951 昔は母親さえ たがえば 45 00:04:02,034 --> 00:04:05,996 兄に嫁ぐ妹も 叔父に嫁ぐ姪(めい)も数多くいた 46 00:04:06,789 --> 00:04:09,500 だが 欒王朝に入ってから禁じられた 47 00:04:09,875 --> 00:04:15,381 つまり そなたは同族の者と 結婚するために姓を捨てようとした 48 00:04:15,965 --> 00:04:18,092 それが明珠公主であったと 49 00:04:18,968 --> 00:04:21,512 (冰月)もうすぐ 祝言を挙げる予定だった 50 00:04:22,304 --> 00:04:26,809 私が欒家を離籍するならと 帝(みかど)にも許しを得ていた 51 00:04:27,309 --> 00:04:29,228 明珠も喜んでいたのに… 52 00:04:30,270 --> 00:04:31,814 全てが消え去った 53 00:04:32,815 --> 00:04:35,526 私は夏氏の禁軍に捕らえられ 54 00:04:35,901 --> 00:04:39,571 炎帝(えんてい)に首を落とされ 幽鬼(ゆうき)となってさまよい 55 00:04:40,990 --> 00:04:42,866 気づいたら後宮にいた 56 00:04:43,784 --> 00:04:46,912 私は捜した 明珠のなきがらを 57 00:04:47,496 --> 00:04:49,164 自刃したと聞いていたから 58 00:04:49,832 --> 00:04:52,459 だが 見つからなかった 59 00:04:53,460 --> 00:04:54,461 ただ… 60 00:04:55,170 --> 00:04:59,299 柳の下に幽鬼がいた 明珠の幽鬼が 61 00:04:59,717 --> 00:05:03,887 あの柳の下で 最期の姿で たたずんでいた 62 00:05:04,138 --> 00:05:06,140 (冰月)明珠… 明珠! 63 00:05:07,182 --> 00:05:10,144 明珠 守ってやれなくてすまぬ 64 00:05:10,811 --> 00:05:15,399 あっ 明珠… 私だ 聞こえぬのか? 65 00:05:15,607 --> 00:05:16,608 明珠! 66 00:05:17,735 --> 00:05:20,279 (冰月)明珠に 私の声は届かなかった 67 00:05:20,821 --> 00:05:24,116 何か1つのことが 彼女の心を占めていて 68 00:05:24,199 --> 00:05:25,617 聞こえていないのだ 69 00:05:26,410 --> 00:05:30,080 だから 楽土へ 送ってやることもかなわない 70 00:05:31,373 --> 00:05:37,129 封老師(ほうせんせい)は炎帝の追跡を逃れ 身を隠し 行方が追えなかった 71 00:05:37,713 --> 00:05:39,715 何人かの巫術師(ふじゅつし)に取り憑(つ)き 72 00:05:39,798 --> 00:05:43,010 明珠に呼びかけてもみたが 答えない 73 00:05:43,093 --> 00:05:46,930 何もできぬまま 何度も何度も 春が巡った 74 00:05:47,973 --> 00:05:51,852 明珠の幽鬼に会いに 再び後宮に戻った私は 75 00:05:51,935 --> 00:05:53,645 烏妃の代替わりを知った 76 00:05:54,271 --> 00:05:56,690 しかも 欒家の者ではないか 77 00:05:57,274 --> 00:06:00,444 うまくやれば 交渉 できるかもしれぬと思ったのだ 78 00:06:02,654 --> 00:06:04,114 愚かだったな 79 00:06:07,159 --> 00:06:09,495 (寿雪)九九を盾になどしなければ 80 00:06:09,578 --> 00:06:11,997 こちらとて 冷静に話を聞いたものを 81 00:06:13,749 --> 00:06:15,250 もう夜が明けるな 82 00:06:17,377 --> 00:06:18,087 ついてこい 83 00:06:18,170 --> 00:06:19,171 えっ? 84 00:06:21,340 --> 00:06:22,883 (寿雪)冰月 おぬし… 85 00:06:23,550 --> 00:06:27,387 明珠公主が 白い玻璃(はり)の櫛(くし)を 持っていたのは知っておるな 86 00:06:29,556 --> 00:06:33,393 それは 私が贈ったものだ 求婚のしるしに 87 00:06:33,644 --> 00:06:34,645 (寿雪)そうか 88 00:06:34,895 --> 00:06:37,147 それが紛失しているのは 知っておるか? 89 00:06:37,523 --> 00:06:38,524 紛失? 90 00:06:39,900 --> 00:06:44,029 私が後宮を訪れるときは いつも ここで会っていた 91 00:06:44,488 --> 00:06:46,949 求婚をしたのも この柳の下だ 92 00:06:47,449 --> 00:06:49,243 (寿雪)そなたとの思い出ゆえに 93 00:06:49,326 --> 00:06:51,495 ここを死に場所に選んだのならば 94 00:06:51,578 --> 00:06:55,082 求婚の品である 大事な玻璃の櫛を持たず— 95 00:06:55,165 --> 00:06:56,959 死のうとしたとは考えにくい 96 00:06:57,543 --> 00:07:01,463 だが 彼女は それを挿さずに死んだのだ 97 00:07:01,547 --> 00:07:03,882 彼女は その最期に 自分のむくろに 98 00:07:03,966 --> 00:07:06,927 あの櫛があってはならないと 思ったのだろう 99 00:07:07,010 --> 00:07:07,803 なぜなら… 100 00:07:08,971 --> 00:07:11,140 夏氏の者たちに略奪されるからだ 101 00:07:11,223 --> 00:07:12,224 あっ… 102 00:07:12,391 --> 00:07:15,686 (寿雪)明珠公主の玉珮(ぎょくはい)も 自刃に使った刀も 103 00:07:15,769 --> 00:07:17,855 凝光殿(ぎょうこうでん)の庫(くら)に納められている 104 00:07:18,230 --> 00:07:22,025 そんなふうに おぬしを殺した 炎帝の手に渡るやもしれぬ 105 00:07:22,568 --> 00:07:26,113 彼女は それだけは どうしても嫌だったのではないか 106 00:07:27,239 --> 00:07:29,324 では 櫛はどこに? 107 00:07:30,742 --> 00:07:32,452 (寿雪)兵が迫る中 108 00:07:32,536 --> 00:07:36,206 どこかに隠す猶予は なかったであろう 恐らく… 109 00:07:37,207 --> 00:07:38,542 埋めたのであろうな 110 00:07:40,002 --> 00:07:41,086 青(せい) 111 00:07:41,170 --> 00:07:42,171 (衛青)あ… 112 00:07:46,091 --> 00:07:47,968 (物に当たる音) (2人)あっ… 113 00:07:48,844 --> 00:07:50,596 (衛青)柳の根ですね 114 00:07:53,348 --> 00:07:54,349 (高峻)これを使え 115 00:07:58,770 --> 00:08:00,522 (寿雪)この櫛が気にかかって 116 00:08:00,606 --> 00:08:03,066 彼女は ここを 離れられなかったのであろう 117 00:08:03,901 --> 00:08:05,986 一心に思い詰めていたために 118 00:08:06,069 --> 00:08:08,030 おぬしの声さえ届かなかった 119 00:08:08,739 --> 00:08:09,948 皮肉なことだ 120 00:08:10,824 --> 00:08:12,701 私のあげた櫛など… 121 00:08:27,174 --> 00:08:28,133 あ あっ… 122 00:08:33,263 --> 00:08:34,348 明珠… 123 00:08:34,431 --> 00:08:35,432 (明珠公主)あっ 124 00:08:37,434 --> 00:08:38,560 (冰月)ああ… 125 00:08:40,145 --> 00:08:40,771 あっ 126 00:08:47,945 --> 00:08:48,779 (明珠)ああ… 127 00:08:49,655 --> 00:08:51,406 やっと会えたな 128 00:08:53,408 --> 00:08:55,035 一緒にいこう 129 00:09:04,836 --> 00:09:08,048 その櫛は 彼らの墓に葬ってやろう 130 00:09:08,507 --> 00:09:09,716 それがよかろう 131 00:09:10,300 --> 00:09:12,469 私は手を触れないほうがいいだろう 132 00:09:12,886 --> 00:09:14,388 そなたが保管しておいてくれ 133 00:09:29,611 --> 00:09:30,862 (足音) 134 00:09:30,946 --> 00:09:31,947 (九九)娘娘(にゃんにゃん) 135 00:09:32,155 --> 00:09:34,741 九九 もう体はよいのか? 136 00:09:34,825 --> 00:09:37,786 (九九)ええ このとおり! なんてことありません 137 00:09:37,869 --> 00:09:39,788 (星星の鳴き声) (寿雪)巻き込んで すまなかった 138 00:09:39,871 --> 00:09:42,040 (九九)そんなこと おっしゃらないでください 139 00:09:42,124 --> 00:09:44,334 娘娘のせいじゃありません 140 00:09:44,418 --> 00:09:46,712 助けてくださって ありがとうございます 141 00:09:48,297 --> 00:09:50,340 (寿雪)私は一仕事 残っている 142 00:09:50,424 --> 00:09:51,591 先に休め 143 00:09:51,675 --> 00:09:53,427 (九九)いえ でしたら あたしも… 144 00:09:53,510 --> 00:09:55,095 (寿雪)ゆっくり休め 145 00:09:55,595 --> 00:09:57,806 おぬしが 元気でいてくれないと困る 146 00:09:57,889 --> 00:09:58,890 あ… 147 00:09:59,391 --> 00:10:01,351 では お言葉に甘えて 148 00:10:01,435 --> 00:10:04,855 (星星)クワ… クワッ? 149 00:10:10,068 --> 00:10:11,194 クワ~ッ! 150 00:10:11,278 --> 00:10:14,281 (寿雪)星星 心配せずともよい 151 00:10:14,364 --> 00:10:16,700 すぐ戻ってくる 逃げはせぬ 152 00:10:16,783 --> 00:10:17,868 (鳴き声) 153 00:10:17,951 --> 00:10:20,329 いまいましい烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の見張り役め 154 00:10:20,787 --> 00:10:21,705 (星星)ングッ 155 00:10:22,080 --> 00:10:25,250 告げ口しようものなら 丸焼きにしてやるぞ 156 00:10:26,001 --> 00:10:27,586 (星星)クワア~! 157 00:10:29,921 --> 00:10:35,427 (荒い息) 158 00:10:43,143 --> 00:10:44,144 (寿雪)この においだ 159 00:10:47,356 --> 00:10:48,106 あっ… 160 00:10:48,190 --> 00:10:49,900 そなた なぜ? 161 00:10:50,650 --> 00:10:52,110 待て 何をする? 162 00:10:52,444 --> 00:10:54,529 黙って見ておれ すぐ終わる 163 00:10:54,613 --> 00:10:57,324 よせ あれらは害のないものだ 164 00:10:57,407 --> 00:11:00,369 何に害があって 何に害がないのか 165 00:11:00,452 --> 00:11:01,745 おぬしには分からぬ 166 00:11:02,329 --> 00:11:03,830 これは私の領分ぞ 167 00:11:04,873 --> 00:11:06,166 (息を吹きかける音) 168 00:11:08,460 --> 00:11:09,169 (高峻)あっ… 169 00:11:12,464 --> 00:11:13,173 (寿雪)んっ 170 00:11:14,257 --> 00:11:15,801 (高峻)待て よせ! (寿雪)はっ! 171 00:11:26,311 --> 00:11:32,567 (皇太后の悲鳴) 172 00:11:36,738 --> 00:11:38,198 (寿雪)においは消えたな 173 00:11:38,281 --> 00:11:39,950 (高峻)今のは 一体… 174 00:11:40,283 --> 00:11:41,368 (寿雪)おぬしは 175 00:11:41,451 --> 00:11:45,038 彼らが何故 扉の前で 突っ立ったままだったと思う? 176 00:11:45,414 --> 00:11:46,415 (高峻)それは… 177 00:11:47,374 --> 00:11:49,584 私に 言いたいことが あったからだろう 178 00:11:50,043 --> 00:11:51,294 (寿雪)それもあるが… 179 00:11:52,170 --> 00:11:53,672 彼らは 守っていたのだ 180 00:11:54,172 --> 00:11:56,049 (高峻)守る? 何を? 181 00:11:56,133 --> 00:11:58,927 バカめ おぬしをに決まっておろう 182 00:11:59,010 --> 00:12:00,011 あっ… 183 00:12:00,262 --> 00:12:02,556 おぬしのもとに 彼らが現れたのは 184 00:12:02,639 --> 00:12:04,975 ここ ひとつきほどの ことだと聞いた 185 00:12:05,559 --> 00:12:07,561 およそ ひとつき前には 何があった? 186 00:12:08,395 --> 00:12:09,896 (高峻)皇太后の処刑だ 187 00:12:10,313 --> 00:12:12,983 (寿雪)彼らが現れたのは その後であろう 188 00:12:13,442 --> 00:12:14,985 一体 どういうことだ? 189 00:12:15,444 --> 00:12:18,947 おぬしの寝所(しんじょ)の近くで 獣のにおいに気づいたのだ 190 00:12:19,448 --> 00:12:21,450 獣を使った呪詛(じゅそ)のにおいだ 191 00:12:21,533 --> 00:12:23,952 呪詛? まさか… 192 00:12:24,035 --> 00:12:27,497 (寿雪)皇太后は 最期に 呪詛を残していたのだ 193 00:12:28,081 --> 00:12:30,876 自分の死後 おぬしをたたるための 194 00:12:31,543 --> 00:12:34,254 (高峻)では 母上と丁藍(ていらん)は… 195 00:12:34,588 --> 00:12:37,257 おぬしの寝所に 入ってこようとする呪詛を 196 00:12:37,340 --> 00:12:39,009 瀬戸際で止めていたのだ 197 00:12:40,218 --> 00:12:42,053 顔を上げろ 高峻 198 00:12:42,137 --> 00:12:44,014 (高峻)ん… ああっ 199 00:12:49,186 --> 00:12:51,480 母上 丁藍… 200 00:12:52,564 --> 00:12:53,565 あっ… 201 00:13:01,072 --> 00:13:04,201 寿雪 なぜ私を助けてくれた? 202 00:13:06,328 --> 00:13:08,246 私に怒っていたのではないか 203 00:13:08,997 --> 00:13:10,749 憎んでいるのではないか 204 00:13:11,291 --> 00:13:13,293 私が腹を立てているのは 205 00:13:13,376 --> 00:13:17,297 おぬしにではなく かつての 夏の王と冬の王にだ 206 00:13:18,673 --> 00:13:20,675 おぬしを見殺しにしたのでは 207 00:13:20,759 --> 00:13:24,179 死して なお守ろうとした あの2人が浮かばれぬ 208 00:13:26,264 --> 00:13:28,850 (高峻)そうか… ありがとう 209 00:13:28,934 --> 00:13:31,144 (寿雪)あっ… ああ 210 00:13:31,895 --> 00:13:34,689 別に礼など欲しくはない 211 00:13:35,106 --> 00:13:37,692 (高峻)借りができたな どう返せばいい? 212 00:13:38,068 --> 00:13:40,904 いらぬ もう私の宮には来るな 213 00:13:41,321 --> 00:13:42,322 それでよい 214 00:13:46,368 --> 00:13:47,202 なんだ? 215 00:13:47,744 --> 00:13:50,163 私は そなたを 助けられないだろうか 216 00:13:50,247 --> 00:13:51,373 あっ… 217 00:13:52,457 --> 00:13:54,209 助けなど いらぬ! 218 00:13:57,754 --> 00:14:00,215 ハア ハア… 219 00:14:00,799 --> 00:14:01,508 あっ 220 00:14:13,186 --> 00:14:16,439 あの男は やはり… バカなのだな 221 00:14:20,569 --> 00:14:22,737 (高峻)皆に提案したき儀がある 222 00:14:25,991 --> 00:14:28,410 (九九)陛下は お忙しいのでしょうか? 223 00:14:28,743 --> 00:14:31,454 あれから 一度も お越しになりませんね 224 00:14:31,538 --> 00:14:33,707 (寿雪)おかげで ここのところ 過ごしやすい 225 00:14:33,999 --> 00:14:36,042 (九九)また そんなことを おっしゃって 226 00:14:36,960 --> 00:14:40,130 あやつが来てから 私は おかしくなった 227 00:14:40,213 --> 00:14:41,214 えっ? 228 00:14:41,381 --> 00:14:43,967 帝の頼みをいいことに 調子に乗った 229 00:14:44,426 --> 00:14:46,052 烏妃の務めを忘れた 230 00:14:46,845 --> 00:14:50,557 今では おぬしや 紅翹(こうぎょう)や温螢(おんけい)がそばにいる 231 00:14:51,141 --> 00:14:54,060 こうして花娘(かじょう)と 茶まで飲まねばならぬ始末だ 232 00:14:54,561 --> 00:14:56,271 花娘娘(ふぁにゃんにゃん)の誘いを 233 00:14:56,354 --> 00:14:59,316 これ以上 引き延ばすわけには いきませんからね 234 00:15:00,358 --> 00:15:02,652 麗娘(れいじょう)が見ていたら どう思うか… 235 00:15:03,695 --> 00:15:06,281 麗娘は 烏妃の定めを受け入れ 236 00:15:06,364 --> 00:15:09,409 何も望まず 誰とも交わらず 237 00:15:09,492 --> 00:15:12,912 この夜明宮(やめいきゅう)で1人 生涯を終えたというのに… 238 00:15:14,331 --> 00:15:16,541 娘娘は お会いしたくないんですか? 239 00:15:16,625 --> 00:15:17,626 陛下に 240 00:15:17,709 --> 00:15:19,085 会いたくはない 241 00:15:19,169 --> 00:15:20,712 あの男に名を呼ばれると 242 00:15:21,129 --> 00:15:24,132 妙に胸がざわついて 落ち着かなくなる 243 00:15:25,592 --> 00:15:26,593 (九九)フッ… 244 00:15:28,094 --> 00:15:30,013 かんざしは どれになさいます? 245 00:15:30,388 --> 00:15:31,348 (寿雪)ああ… 246 00:15:32,932 --> 00:15:35,435 花娘から贈られた衣に似合うだろう 247 00:15:39,522 --> 00:15:40,148 (九九)あら 248 00:15:40,231 --> 00:15:43,360 こ… この衣に合わせて 作られたものだからだ 249 00:15:43,735 --> 00:15:46,112 何も申し上げておりませんのに 250 00:15:46,696 --> 00:15:47,697 (寿雪)んん… 251 00:15:51,409 --> 00:15:52,869 (雲(うん) 花娘)フフッ 252 00:15:53,286 --> 00:15:55,121 よくお似合いですよ 253 00:15:55,205 --> 00:15:56,206 (寿雪)ん… 254 00:15:56,915 --> 00:15:58,124 ああっ… 255 00:16:00,418 --> 00:16:01,920 ご存じですか? 256 00:16:02,337 --> 00:16:05,715 陛下は 律令(りつりょう)の見直しを 進めているそうですよ 257 00:16:05,799 --> 00:16:07,634 それで お忙しいご様子 258 00:16:08,051 --> 00:16:10,011 知らぬ 興味がない 259 00:16:10,095 --> 00:16:13,932 (花娘)烏妃様のもとに行けるのは もう少し先になりそうだと 260 00:16:14,015 --> 00:16:16,601 わたくしへの文(ふみ)で おっしゃっておいででした 261 00:16:16,685 --> 00:16:18,603 そう伝えてくれと 262 00:16:18,687 --> 00:16:20,563 (寿雪)何故 おぬし宛の文に 263 00:16:21,314 --> 00:16:23,650 私への言づてが書かれておるのだ? 264 00:16:23,733 --> 00:16:25,402 (花娘)烏妃様は 陛下からの文を 265 00:16:25,485 --> 00:16:28,071 読まずに 燃やして おしまいになるからと 266 00:16:28,154 --> 00:16:29,155 (寿雪)うっ… 267 00:16:30,240 --> 00:16:34,119 こちらも 召し上がってはいかが? たくさんありますからね 268 00:16:34,202 --> 00:16:35,203 (寿雪)ん… 269 00:16:36,705 --> 00:16:40,834 わたくしの末の妹は 烏妃様と同じ年頃です 270 00:16:41,209 --> 00:16:43,086 失礼かもしれませんが 271 00:16:43,169 --> 00:16:46,881 こうしていると妹を見ているようで うれしく思います 272 00:16:46,965 --> 00:16:49,217 別に失礼とは思わぬ 273 00:16:49,300 --> 00:16:50,635 (花娘)それでしたら 274 00:16:50,719 --> 00:16:52,887 阿妹(あーめい)と お呼びして よろしゅうございます? 275 00:16:52,971 --> 00:16:53,722 (寿雪)うっ… 276 00:16:53,805 --> 00:16:57,767 わたくしのことは 阿姐(あーじぇ)と 呼んでくださって結構ですよ 277 00:17:03,106 --> 00:17:04,566 (九九)すてきですね 278 00:17:04,649 --> 00:17:07,986 花娘娘と お姉様 妹って 呼び合えるなんて 279 00:17:08,069 --> 00:17:09,863 (寿雪)呼ぶとは言っておらぬ 280 00:17:10,113 --> 00:17:12,490 花娘は若干 強引なところがある 281 00:17:12,574 --> 00:17:15,785 まるで 本当の姉妹のように 見えましたよ 282 00:17:15,869 --> 00:17:17,662 そんなことは… あっ 283 00:17:17,746 --> 00:17:18,538 (九九)あっ 284 00:17:18,955 --> 00:17:22,083 (高峻)扉が開かないと思ったら 出かけていたのか 285 00:17:23,084 --> 00:17:25,295 しばらく 来られぬのでは なかったのか? 286 00:17:25,670 --> 00:17:26,880 花娘に聞いたか 287 00:17:27,338 --> 00:17:29,632 思ったより早く始末がついてな 288 00:17:30,008 --> 00:17:30,759 ん? 289 00:17:30,842 --> 00:17:32,886 あっ これは… 290 00:17:36,473 --> 00:17:38,558 (扉が開く音) 291 00:17:40,935 --> 00:17:42,312 (寿雪)話は なんだ? 292 00:17:42,937 --> 00:17:44,689 (高峻)律令を整理していた 293 00:17:45,023 --> 00:17:47,275 (寿雪)それが私に なんの関係がある? 294 00:17:47,817 --> 00:17:49,819 (高峻)必要のないものは廃止した 295 00:17:50,779 --> 00:17:53,198 欒一族の捕殺令もだ 296 00:17:53,281 --> 00:17:53,990 (寿雪)あっ… 297 00:17:54,073 --> 00:17:57,035 (高峻)名簿上 欒一族は 全て死んでいる 298 00:17:57,869 --> 00:18:00,330 だから あの法も必要のないものだ 299 00:18:00,705 --> 00:18:03,416 烏妃が王を 王たらしめるのであれば 300 00:18:03,500 --> 00:18:05,502 そなたを失うわけにはいかない 301 00:18:05,877 --> 00:18:09,798 そなたを捕らえる法も 殺す法も もうない 302 00:18:09,881 --> 00:18:12,717 そなたは もう おびえずともいい 303 00:18:15,220 --> 00:18:16,346 気に障ったか? 304 00:18:17,889 --> 00:18:19,349 ううん… 305 00:18:20,058 --> 00:18:21,059 (高峻)これを 306 00:18:22,018 --> 00:18:24,938 こちらは そなたに もう一つは私が 307 00:18:25,814 --> 00:18:27,106 誓約を交わそう 308 00:18:27,398 --> 00:18:28,399 (寿雪)誓約? 309 00:18:28,983 --> 00:18:30,610 (高峻)私と そなたの約束だ 310 00:18:31,236 --> 00:18:33,780 夏の王と冬の王の 311 00:18:35,156 --> 00:18:36,157 (寿雪)約束とは? 312 00:18:36,533 --> 00:18:39,327 (高峻)1つは 以前 そなたにした約束だ 313 00:18:39,911 --> 00:18:42,872 私は そなたを殺さない 何があっても 314 00:18:43,414 --> 00:18:44,707 ほかにもあるのか? 315 00:18:45,083 --> 00:18:46,793 (高峻)私と そなたは争わない 316 00:18:47,335 --> 00:18:49,587 もとより争うつもりなどない 317 00:18:49,671 --> 00:18:52,340 それは そなたを冬の王ではなく 318 00:18:52,423 --> 00:18:56,094 烏妃として 生涯ここで 飼い殺しにするということだ 319 00:18:56,177 --> 00:18:59,389 私に ほかの道は用意されておらぬ 320 00:18:59,806 --> 00:19:01,307 救いも求めておらぬ 321 00:19:03,309 --> 00:19:05,478 (高峻)私は そなたと 2人のときには 322 00:19:05,895 --> 00:19:09,399 そなたを 烏妃ではなく 冬の王として遇する 323 00:19:10,066 --> 00:19:10,733 (寿雪)あっ… 324 00:19:10,817 --> 00:19:12,318 そなただけではない 325 00:19:12,402 --> 00:19:15,822 これまでの すべての烏妃に 敬意を表する 326 00:19:15,905 --> 00:19:17,365 ああっ… 327 00:19:25,915 --> 00:19:27,375 ああ… 328 00:19:43,224 --> 00:19:45,602 (寿雪)この魚型は おぬしが作ったのか? 329 00:19:45,685 --> 00:19:49,480 いや さすがに これほどのものは作れない 330 00:19:49,731 --> 00:19:50,940 工房に作らせた 331 00:19:52,525 --> 00:19:56,070 木彫りなら そう日にちを かけずとも作ってやれるが 332 00:19:56,154 --> 00:19:57,947 誰も欲しいとは言っておらぬ 333 00:19:58,448 --> 00:20:00,450 (高峻)鳥でも花でも作れるぞ 334 00:20:02,035 --> 00:20:03,077 薔薇(ばら)でも? 335 00:20:03,161 --> 00:20:06,080 (高峻)薔薇でも 木蓮(もくれん)でも 芙蓉(ふよう)でも 336 00:20:07,457 --> 00:20:08,750 (寿雪)薔薇がよい 337 00:20:10,126 --> 00:20:10,877 分かった 338 00:20:10,960 --> 00:20:12,879 木の薔薇なら枯れまい 339 00:20:14,339 --> 00:20:16,299 あっ… んん 340 00:20:22,055 --> 00:20:23,473 まだ帰らぬのか? 341 00:20:23,765 --> 00:20:25,141 用は済んだであろう 342 00:20:25,433 --> 00:20:28,144 言い忘れていた 誓約の残りだ 343 00:20:28,478 --> 00:20:29,604 まだあるのか? 344 00:20:30,104 --> 00:20:31,314 あと1つ 345 00:20:31,731 --> 00:20:34,692 私は そなたのよき友になりたい 346 00:20:34,776 --> 00:20:35,902 友? 347 00:20:35,985 --> 00:20:36,986 (高峻)友だ 348 00:20:37,070 --> 00:20:39,447 そなたの苦しみに寄り添いたい 349 00:20:41,783 --> 00:20:44,410 (寿雪)おぬしはバカだな 350 00:20:44,786 --> 00:20:45,745 そうか? 351 00:20:45,828 --> 00:20:47,705 (寿雪)それは誓約ではなかろう 352 00:20:48,289 --> 00:20:50,249 私が自分に課す誓約だ 353 00:20:51,334 --> 00:20:53,586 友とは 何をするものだ? 354 00:20:53,962 --> 00:20:56,255 (高峻)私も 詳しいわけではないが… 355 00:20:57,215 --> 00:21:00,218 たぶん 一緒に 茶を飲んだりするのだろう 356 00:21:00,301 --> 00:21:01,511 ああ… 357 00:21:02,220 --> 00:21:03,763 (高峻)青 (衛青)はっ 358 00:21:04,180 --> 00:21:07,266 青は茶を いれるのがうまい 飲んでみるか? 359 00:21:07,684 --> 00:21:10,979 あっ… 飲んでやってもよい 360 00:21:11,062 --> 00:21:12,063 フッ 361 00:21:15,733 --> 00:21:22,407 (ナレーター)後宮の奥深く 烏妃と呼ばれる妃(きさき)が住んでいる 362 00:21:23,700 --> 00:21:28,121 その妃は 妃でありながら 夜伽(よとぎ)をすることにない— 363 00:21:28,204 --> 00:21:30,415 特別な妃だった 364 00:21:30,957 --> 00:21:35,920 後宮で生きながら 決して帝の お渡りのない妃 365 00:21:40,758 --> 00:21:43,511 彼女は1人の友を得た 366 00:21:45,346 --> 00:21:52,353 ♪~ 367 00:23:08,012 --> 00:23:15,019 ~♪ 368 00:23:18,523 --> 00:23:21,025 (封 一行)お前の名前を考えたぞ 369 00:23:21,400 --> 00:23:23,986 昔 養子に迎えるはずだった— 370 00:23:24,070 --> 00:23:26,781 弟子の名から 一字 取った 371 00:23:27,406 --> 00:23:30,326 (青年)“宵月(しょうげつ)”よい名だ 372 00:23:30,409 --> 00:23:32,829 ありがとう 封老師