1 00:00:03,253 --> 00:00:05,171 (徐成(じょせい))ハア… ハア… 2 00:00:05,255 --> 00:00:06,423 うっ! 3 00:00:07,799 --> 00:00:13,221 ハア ハア… お母さん お父さん… 4 00:00:17,183 --> 00:00:19,102 (咆哮(ほうこう)) (徐成)ハッ! 5 00:00:20,395 --> 00:00:22,647 (血が飛び散る音) 6 00:00:24,190 --> 00:00:25,608 (女)血がいる… 7 00:00:26,317 --> 00:00:29,946 もっと もっと 血がいるのです 8 00:00:30,030 --> 00:00:32,032 {\an8}♪~ 9 00:01:56,282 --> 00:01:58,284 {\an8}~♪ 10 00:02:02,205 --> 00:02:07,460 (ナレーション)後宮の奥深く 烏妃(うひ)と呼ばれる妃(きさき)が住んでいる 11 00:02:08,044 --> 00:02:12,882 その妃は 妃でありながら 夜伽(よとぎ)をすることのない⸺ 12 00:02:12,966 --> 00:02:15,218 特別な妃だった 13 00:02:15,927 --> 00:02:17,220 後宮で生きながら 14 00:02:17,804 --> 00:02:22,100 決して帝(みかど)の前で ひざまずくことのない妃 15 00:02:22,809 --> 00:02:24,686 それが烏妃だった 16 00:02:26,271 --> 00:02:26,980 (寿雪(じゅせつ))獣? 17 00:02:27,063 --> 00:02:29,399 (九九(じうじう))ええ 朝から林の方で 18 00:02:29,482 --> 00:02:31,860 鳥たちの鳴き声が 騒がしかったので 19 00:02:31,943 --> 00:02:33,695 様子を見に行ったら 20 00:02:34,195 --> 00:02:37,198 勒房子(ろくぼうし)の宦官(かんがん)たちが 大勢いらして 21 00:02:37,782 --> 00:02:39,534 獣に喉を食いちぎられた⸺ 22 00:02:39,617 --> 00:02:42,370 宮女の遺体が 見つかったんですって 23 00:02:42,453 --> 00:02:44,581 野犬か狼(おおかみ)か… 24 00:02:44,664 --> 00:02:46,457 虎だったらどうしましょう! 25 00:02:46,541 --> 00:02:47,584 (淡海(たんかい))フフッ 26 00:02:47,667 --> 00:02:51,921 (寿雪)山ならいざ知らず こんな所に虎はおらぬだろう 27 00:02:52,422 --> 00:02:55,550 野犬も 後宮内でなど 見たことがないが 28 00:02:55,633 --> 00:02:58,344 時折 入り込んでいることは あるようですよ 29 00:02:58,428 --> 00:03:00,597 前に かまれた宦官がいて 30 00:03:00,680 --> 00:03:03,224 傷が化膿(かのう)して 死んだそうですから 31 00:03:03,308 --> 00:03:06,019 (淡海)ガウガウッ ガウ! (九九)きゃあっ! 娘娘(ニャンニャン)! 32 00:03:07,854 --> 00:03:09,647 (寿雪)淡海だ (淡海)ヒヒッ 33 00:03:09,731 --> 00:03:12,317 え? もう 淡海さん! 34 00:03:12,400 --> 00:03:15,904 (淡海)冗談 冗談 (九九)ひど~い! 35 00:03:19,407 --> 00:03:21,743 獣に殺された宮女が 36 00:03:21,826 --> 00:03:24,120 どの宮の者だったか 分かったか? 37 00:03:24,662 --> 00:03:26,581 (温螢(おんけい))鵲巣宮(じゃくそうきゅう)の者だそうです 38 00:03:26,664 --> 00:03:28,208 鵲巣宮… 39 00:03:28,708 --> 00:03:32,670 その宮女は夜明宮(やめいきゅう)に来ようと しておったのではないか? 40 00:03:32,754 --> 00:03:35,840 まだ不明です なぜ そうお思いに? 41 00:03:35,924 --> 00:03:39,719 以前 訪ねてきた宮女のことを 思い出したのだ 42 00:03:40,762 --> 00:03:44,933 彼女は想夫香(そうふこう)の香りのする 薄絹を忘れていった 43 00:03:45,934 --> 00:03:49,812 死んだ宮女は ふだん 想夫香を使っていなかったか? 44 00:03:49,896 --> 00:03:52,190 さあ どうでしょうか 45 00:03:52,273 --> 00:03:55,318 昨夜は血の臭いが濃すぎて そこまで… ハッ 46 00:03:55,401 --> 00:03:58,029 骸(むくろ)を見つけたのは おぬしだったのか 47 00:03:58,112 --> 00:04:01,699 はい 見回りをしている最中に 48 00:04:02,659 --> 00:04:05,328 私に知らせに来れば よかったであろうに 49 00:04:06,246 --> 00:04:08,873 娘娘のお耳に入れることでは ございません 50 00:04:10,041 --> 00:04:13,253 何分 むごい骸でございましたので 51 00:04:13,836 --> 00:04:16,130 つまらぬ気遣いはいらぬ 52 00:04:16,756 --> 00:04:19,592 喉を食いちぎられていた というのは誠か? 53 00:04:19,676 --> 00:04:23,263 そのようなことを お耳に入れる者がございましたか 54 00:04:23,346 --> 00:04:25,515 九九が聞き込んできたぞ 55 00:04:25,598 --> 00:04:26,516 あっ… 56 00:04:26,599 --> 00:04:30,270 あの娘は少々 物見高いところがございますね 57 00:04:30,770 --> 00:04:33,022 悪い娘ではございませんが 58 00:04:34,315 --> 00:04:36,776 確かに 悪い娘ではない 59 00:04:36,859 --> 00:04:38,569 傷口からしますと 60 00:04:39,070 --> 00:04:42,240 歯で食いちぎられていたのは 間違いないと存じます 61 00:04:42,907 --> 00:04:48,037 ただ… 野犬や狼のような 獣の歯形ではないようでした 62 00:04:48,788 --> 00:04:50,915 牙のない獣だということか? 63 00:04:51,416 --> 00:04:53,793 そのような獣が 人を襲うものか? 64 00:04:53,876 --> 00:04:57,547 猿でも牙はございます あるいは… 65 00:04:58,631 --> 00:05:01,551 {\an8}なるほど… 人か 66 00:05:05,346 --> 00:05:07,307 (魚泳(ぎょえい))むむ… これは 67 00:05:08,850 --> 00:05:12,437 そろそろ 烏妃様が いらっしゃるころですな 68 00:05:12,937 --> 00:05:15,815 (高峻(こうしゅん))そなたに 先代の烏妃の話を聞くのが 69 00:05:15,898 --> 00:05:17,275 楽しいようだ 70 00:05:17,358 --> 00:05:18,818 (魚泳)さようですか 71 00:05:19,444 --> 00:05:23,197 麗娘(れいじょう)が烏妃の後継ぎに 選ばれたのは いつのことだ? 72 00:05:23,698 --> 00:05:26,659 (魚泳) 14におなりのころでございました 73 00:05:27,160 --> 00:05:28,995 存外 遅いのだな 74 00:05:29,495 --> 00:05:32,415 寿雪は6つの年に 選ばれたと聞いたが 75 00:05:32,915 --> 00:05:36,461 烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)のおぼし召しで ございますれば 76 00:05:36,544 --> 00:05:39,422 わたくしなどには 計りかねます 77 00:05:39,922 --> 00:05:43,926 おぼし召し… あるいは 気まぐれか 78 00:05:45,470 --> 00:05:46,387 それから? 79 00:05:46,888 --> 00:05:51,059 先代が亡くなり 烏妃におなりあそばしたのは 80 00:05:51,142 --> 00:05:53,853 22歳のことでございました 81 00:05:53,936 --> 00:05:57,899 寿雪が継いだのは 確か14ではなかったか? 82 00:05:58,733 --> 00:06:00,485 どちらも8年後だな 83 00:06:00,985 --> 00:06:01,861 もしや 84 00:06:02,362 --> 00:06:07,408 次の烏妃が選ばれた8年後に 当代の烏妃は死ぬのか? 85 00:06:07,950 --> 00:06:10,870 8は聖なる数にございます 86 00:06:11,537 --> 00:06:14,457 (高峻)麗娘は 自分の死期を知っていたんだな 87 00:06:15,208 --> 00:06:15,875 だから 88 00:06:15,958 --> 00:06:19,379 寿雪に教えられるだけのことを 教えていったのか 89 00:06:19,962 --> 00:06:22,882 全ては烏妃の定めゆえ 90 00:06:22,965 --> 00:06:24,384 定め… 91 00:06:24,884 --> 00:06:28,679 そのような鎖から 烏妃を自由にしてやる方法は 92 00:06:29,180 --> 00:06:30,640 本当にないのだろうか 93 00:06:33,101 --> 00:06:34,852 (放下郎(ほうかろう))お客様がみえました 94 00:06:35,895 --> 00:06:37,939 (寿雪)なぜ おぬしがいる? 95 00:06:38,022 --> 00:06:39,816 朝議が早く終わってな 96 00:06:40,441 --> 00:06:43,319 わたくしは もう投了いたします 97 00:06:43,820 --> 00:06:46,322 烏妃様 一局いかがですか? 98 00:06:48,324 --> 00:06:50,076 私では相手にならぬ 99 00:06:50,159 --> 00:06:53,287 ほう 碁は苦手でございますか? 100 00:06:53,371 --> 00:06:56,416 麗娘に教わったが 勝てたためしがなかった 101 00:06:56,916 --> 00:06:59,419 麗娘は 手加減という言葉を知らぬ 102 00:06:59,502 --> 00:07:01,963 ホッホ… わたくしも麗娘様と 103 00:07:02,046 --> 00:07:04,382 しょっちゅう 対局しておりましたが 104 00:07:04,465 --> 00:07:06,884 いつも全力でございました 105 00:07:06,968 --> 00:07:08,594 どちらが強かったのだ? 106 00:07:08,678 --> 00:07:09,971 さて… 107 00:07:10,054 --> 00:07:15,852 123勝105敗15分け といったところでしたかな 108 00:07:15,935 --> 00:07:20,565 そなたは隠居したいと言うが 退いたあとは どうするのだ? 109 00:07:21,065 --> 00:07:22,900 (魚泳)わたくしは独り身で 110 00:07:22,984 --> 00:07:25,361 城の外に屋敷もありませんが 111 00:07:25,445 --> 00:07:28,990 弟が城下で商いをしております 112 00:07:29,490 --> 00:07:31,868 そこに厄介(やっかい)になるつもりです 113 00:07:32,618 --> 00:07:35,121 そうか 隠居するのか 114 00:07:36,664 --> 00:07:41,377 その前に 寿雪に麗娘の話を 存分に聞かせてやってくれ 115 00:07:41,961 --> 00:07:44,380 烏妃様がお望みならば 116 00:07:45,506 --> 00:07:48,634 おぬしが話す麗娘の話は面白い 117 00:07:50,803 --> 00:07:54,390 烏妃様 石を置いて 打ってはいかがですかな 118 00:07:54,474 --> 00:07:56,809 そうですな 五子(ごし)ばかり 119 00:07:56,893 --> 00:07:59,645 それなら陛下とも 勝負になるのでは? 120 00:07:59,729 --> 00:08:00,438 嫌だ 121 00:08:00,521 --> 00:08:04,859 ホッホッ 負けず嫌いは 麗娘様譲りですかな 122 00:08:04,942 --> 00:08:07,111 (高峻) 五子でも九子でも置いてよいぞ 123 00:08:07,195 --> 00:08:08,404 手加減はいらぬ 124 00:08:08,488 --> 00:08:11,032 そうか では 置き石なしで 125 00:08:11,115 --> 00:08:12,325 う… 126 00:08:12,408 --> 00:08:15,369 三子だけ… 置くことにする 127 00:08:15,453 --> 00:08:17,872 フッ… 好きにしろ 128 00:08:22,752 --> 00:08:24,504 (寿雪)うう~ 129 00:08:25,213 --> 00:08:27,840 おぬしは手加減という言葉を 知らぬのか! 130 00:08:27,924 --> 00:08:31,594 手加減はいらぬと言ったのは そなたではなかったのか? 131 00:08:31,677 --> 00:08:33,304 おぬしとは二度と打たぬ! 132 00:08:33,387 --> 00:08:34,722 それは寂しいな 133 00:08:35,473 --> 00:08:37,725 これで少しは機嫌を直せ 134 00:08:38,809 --> 00:08:40,728 (寿雪)おぬしは食べぬのか? (高峻)ん? 135 00:08:40,811 --> 00:08:44,106 そうやって 私に与えるばかりだが 136 00:08:44,190 --> 00:08:45,233 菓子は嫌いか? 137 00:08:45,316 --> 00:08:47,026 別に嫌いではない 138 00:08:47,109 --> 00:08:49,362 (寿雪)なら たまにはつきあえ 139 00:08:52,532 --> 00:08:54,492 (寿雪)フッ… (高峻)何がおかしい? 140 00:08:55,368 --> 00:08:58,412 そうしていると とても帝には見えぬ 141 00:08:58,496 --> 00:09:01,499 そなたも 町の小娘のようだ 142 00:09:01,999 --> 00:09:05,920 こういう菓子を 小さいころよく 母と食べた 143 00:09:06,420 --> 00:09:07,255 私もだ 144 00:09:09,549 --> 00:09:11,717 こんな時間は久しぶりだな 145 00:09:13,928 --> 00:09:14,512 そうだな 146 00:09:15,972 --> 00:09:16,889 (高峻)付いてるぞ 147 00:09:19,475 --> 00:09:20,560 世話が焼ける 148 00:09:23,771 --> 00:09:26,691 そう おぬしに 聞こうと思っていたのだ 149 00:09:26,774 --> 00:09:30,444 夜明宮のそばで 宮女が死んだ話を知っているか? 150 00:09:30,528 --> 00:09:33,072 (高峻) 鵲巣宮の宮女だったそうだな 151 00:09:33,155 --> 00:09:35,074 (寿雪)知っている者か? (高峻)いや 152 00:09:35,157 --> 00:09:38,327 名が分かれば教えてくれ 絲羽(しう)を焚(た)こう 153 00:09:38,411 --> 00:09:41,414 さすれば 迷わず海を渡れよう 154 00:09:44,125 --> 00:09:45,835 (衛青(えいせい))名は徐成と申しました 155 00:09:46,419 --> 00:09:50,339 徐成… 徐成は 想夫香を使っていなかったか? 156 00:09:50,423 --> 00:09:52,133 さあ 分かりません 157 00:09:52,216 --> 00:09:56,304 想夫香… 思い人のために 焚くという香か 158 00:09:56,804 --> 00:09:58,097 百合(ゆり)のような香りの 159 00:09:58,180 --> 00:10:00,725 そのようなこと よく知っておるな 160 00:10:00,808 --> 00:10:03,227 (高峻) 鵲妃(じゃくひ)が衣に焚き染めていた 161 00:10:03,728 --> 00:10:04,353 鵲妃が? 162 00:10:06,314 --> 00:10:09,358 鵲妃は具合が悪いと聞いたが 今もか? 163 00:10:09,984 --> 00:10:12,361 おぬしは以前 見舞いに行ったのであろう 164 00:10:12,862 --> 00:10:14,363 よくはなっていない 165 00:10:14,447 --> 00:10:16,365 兄が落馬して亡くなって以来 166 00:10:16,449 --> 00:10:18,868 気がふさいで 伏せっているのだ 167 00:10:19,577 --> 00:10:23,247 親のもとに帰してやったほうが よいのかもしれぬが… 168 00:10:29,587 --> 00:10:31,714 そなたは あれをさげないのだな 169 00:10:31,797 --> 00:10:33,841 “あれ”? あ… 170 00:10:36,260 --> 00:10:37,595 気に入らなかったか? 171 00:10:37,678 --> 00:10:39,847 そういうわけではない 172 00:10:44,060 --> 00:10:45,603 なくしたら困る 173 00:10:49,190 --> 00:10:52,360 (魚泳)情けは愛とは違います 174 00:10:52,443 --> 00:10:55,363 陛下とは これ以上 親しくなさいますな 175 00:10:56,781 --> 00:10:59,408 望みは苦しみを生みます 176 00:10:59,492 --> 00:11:03,079 それに飲み込まれたとき そのときこそ 177 00:11:03,162 --> 00:11:06,749 あなた様の中から 化け物が生まれるでしょう 178 00:11:10,169 --> 00:11:13,547 {\an8}道に迷いそうに なったときには 179 00:11:13,631 --> 00:11:15,383 {\an8}どうか わたくしの言葉を 180 00:11:15,466 --> 00:11:17,968 {\an8}思い出して くださいますよう 181 00:11:19,512 --> 00:11:20,513 大丈夫ですか? 182 00:11:21,013 --> 00:11:22,390 頼みたいことがある 183 00:11:22,890 --> 00:11:25,351 鵲巣宮の中を探ってきてほしい 184 00:11:25,976 --> 00:11:27,895 特に鵲妃の様子を 185 00:11:31,857 --> 00:11:36,529 鵲妃を親元に帰すこと 本当に考えておいでなのですか? 186 00:11:36,612 --> 00:11:40,491 そうすべきでないことは そなたも分かっているであろう 187 00:11:41,450 --> 00:11:45,454 (衛青)雲永徳(うんえいとく)様 花娘(かじょう)様の 雲家が力を持ち過ぎれば 188 00:11:45,538 --> 00:11:49,083 いずれ 陛下にとって 脅威となるかもしれません 189 00:11:49,583 --> 00:11:54,088 雲家と関わりのないお家の 鵲妃様が後宮におられることは 190 00:11:54,171 --> 00:11:55,589 その牽制(けんせい)となります 191 00:11:56,090 --> 00:11:58,551 妃一人 里に帰してやれずに 192 00:11:59,051 --> 00:12:03,806 烏妃を自由にしてやれぬものか などと よく言えたものだな 193 00:12:07,184 --> 00:12:09,103 (星星(しんしん))ワワワワ… ワワッ 194 00:12:09,186 --> 00:12:11,313 (衣斯哈(いしは)) あっ 娘娘 おかえりなさい 195 00:12:11,397 --> 00:12:14,108 あ… あの 決して怠けていたわけでは… 196 00:12:14,191 --> 00:12:15,025 よい 197 00:12:15,109 --> 00:12:17,361 淡海 おぬし 碁が打てるのか? 198 00:12:17,445 --> 00:12:22,116 ここを使うのは得意でして 娘娘にもお教えしましょうか? 199 00:12:22,742 --> 00:12:24,326 あとで手合わせ願おう 200 00:12:24,827 --> 00:12:27,621 どうしても 倒したい相手がいるのでな 201 00:12:27,705 --> 00:12:28,873 (2人)ん? 202 00:12:28,956 --> 00:12:31,375 (九九) 娘娘 野犬は大丈夫でした? 203 00:12:32,877 --> 00:12:35,463 九九 墨を用意してくれ 204 00:12:39,842 --> 00:12:41,010 娘娘 それは? 205 00:12:41,093 --> 00:12:44,764 (寿雪)絲羽 昔から弔いに使われるものだ 206 00:12:45,848 --> 00:12:47,016 (九九)“徐成” 207 00:12:47,683 --> 00:12:49,518 (寿雪) 亡くなった宮女の名前だ 208 00:13:06,035 --> 00:13:06,869 あっ! 209 00:13:09,371 --> 00:13:10,873 (星星)ウ~ッ ワア! 210 00:13:10,956 --> 00:13:12,124 グワワワッ… 211 00:13:12,208 --> 00:13:14,126 星星 ダメだよ! 212 00:13:17,463 --> 00:13:18,798 行っちゃった… 213 00:13:18,881 --> 00:13:22,051 死んだ宮女が 幽鬼(ゆうき)などになっていなければ 214 00:13:22,551 --> 00:13:25,387 魂を海の向こうへと 導いてくれるだろう 215 00:13:26,472 --> 00:13:27,431 九九 216 00:13:27,515 --> 00:13:30,851 前に宮女が落として忘れていった 薄絹があったろう 217 00:13:31,352 --> 00:13:32,394 あれを出してくれ 218 00:13:32,478 --> 00:13:33,229 え? 219 00:13:33,312 --> 00:13:36,941 あっ まさか亡くなった宮女って あのときの? 220 00:13:37,024 --> 00:13:39,860 いや 恐らくそうではない 221 00:13:42,238 --> 00:13:43,405 (嗅ぐ音) 222 00:13:43,489 --> 00:13:46,033 まだ 想夫香の匂いが 残っているな 223 00:13:46,617 --> 00:13:48,285 九九 どう思う? 224 00:13:48,369 --> 00:13:50,037 (九九)え? う~ん 225 00:13:50,120 --> 00:13:53,040 宮女が着るにしては 高級なお召し物ですね 226 00:13:56,210 --> 00:13:58,546 (女)ある人を 生き返らせてほしいのです 227 00:13:59,129 --> 00:14:02,758 (寿雪)私は 死んだ者を 生き返らせることはできぬ 228 00:14:02,842 --> 00:14:07,763 (女)そんな… じゃあ 誰に頼めばいいというの? 229 00:14:08,472 --> 00:14:11,934 彼女は入ってきたときから 出てゆくときまで 230 00:14:12,017 --> 00:14:15,271 ただの一度も 私に礼をとらなかった 231 00:14:15,354 --> 00:14:17,857 取り乱していたからでしょうか? 232 00:14:17,940 --> 00:14:19,525 宮女が妃相手に 233 00:14:19,608 --> 00:14:22,403 わらにもすがるような 頼み事をしに来て 234 00:14:22,486 --> 00:14:25,614 揖礼(ゆうれい)ひとつしないということが できようか? 235 00:14:26,198 --> 00:14:27,283 それって… 236 00:14:28,200 --> 00:14:30,244 (寿雪)あの者は 恐らく… 237 00:14:32,037 --> 00:14:35,666 (侍女)鵲妃様 少しでも お召し上がりになりませんと… 238 00:14:40,504 --> 00:14:43,382 あの方が鵲妃様だったなんて… 239 00:14:43,883 --> 00:14:45,050 (温螢)娘娘 240 00:14:45,134 --> 00:14:47,469 鵲妃の周辺を 調べてまいりました 241 00:14:47,553 --> 00:14:48,053 ああ 242 00:14:48,137 --> 00:14:51,348 ここ数か月 鵲妃は寝ついており 243 00:14:51,432 --> 00:14:53,767 侍女が数人 お世話しているだけで 244 00:14:53,851 --> 00:14:56,562 宮女も宦官も 近づけないのだそうです 245 00:14:57,146 --> 00:14:57,730 ただ… 246 00:14:58,230 --> 00:14:58,939 なんだ? 247 00:14:59,023 --> 00:15:01,442 一人の宦官がお気に召して 248 00:15:01,525 --> 00:15:04,111 その者だけは そばに置いているそうです 249 00:15:04,612 --> 00:15:08,198 特徴を述べて彼女に似顔絵を 描いてもらいました 250 00:15:09,033 --> 00:15:10,200 あっ! 251 00:15:13,829 --> 00:15:16,123 (温螢) 名は封宵月(ほうしょうげつ)というそうです 252 00:15:16,624 --> 00:15:18,626 知っておられる顔で ございますか? 253 00:15:18,709 --> 00:15:21,211 いや その名は知らぬ 254 00:15:21,295 --> 00:15:23,297 この者が来てから 255 00:15:23,380 --> 00:15:26,759 鵲妃は ますます周りの者を 遠ざけるようになったそうです 256 00:15:27,259 --> 00:15:31,889 それに 時折 部屋の中から 妙な音がするようになったと 257 00:15:31,972 --> 00:15:32,973 (寿雪)妙な音? 258 00:15:33,057 --> 00:15:36,727 何か すするような… そして うめき声も 259 00:15:38,437 --> 00:15:39,229 娘娘? 260 00:15:42,274 --> 00:15:43,734 もうよい 下がれ 261 00:15:44,318 --> 00:15:47,279 (温螢)宵月と鵲妃には 何かありそうです 262 00:15:47,947 --> 00:15:49,740 いま少し調べてみます 263 00:15:50,407 --> 00:15:51,283 待て! 264 00:15:51,867 --> 00:15:53,410 いや なんでもない 265 00:15:53,911 --> 00:15:58,165 ただ 深追いはしなくてよい 日暮れ前には戻ってくれ 266 00:15:58,666 --> 00:15:59,917 (温螢)承知しました 267 00:16:05,631 --> 00:16:08,008 娘娘 お茶を淹(い)れましょうか? 268 00:16:08,092 --> 00:16:10,344 少し 一人にしてくれ 269 00:16:10,928 --> 00:16:12,012 あ… 270 00:16:15,933 --> 00:16:19,979 麗娘 あの者は… 梟(ふくろう)は… 271 00:16:23,399 --> 00:16:26,527 私を 殺しに来たのだな? 272 00:16:29,154 --> 00:16:31,991 もう 娘娘ったら どうして ああなのかしら 273 00:16:32,074 --> 00:16:33,575 何かあったんですか? 274 00:16:33,659 --> 00:16:36,412 好きにお世話させて くださるときもあれば 275 00:16:36,495 --> 00:16:38,580 急に 一人になりたがったり 276 00:16:38,664 --> 00:16:41,083 まるで 昔 家(うち)で飼ってた猫みたい 277 00:16:41,166 --> 00:16:44,336 (衣斯哈)僕は好きですよ 猫 (九九)あたしだって好きよ 278 00:16:44,420 --> 00:16:47,589 じゃあ なんで 九九さんは 怒ってるんですか? 279 00:16:47,673 --> 00:16:50,259 だって さみしいじゃない 280 00:16:50,342 --> 00:16:51,343 (花娘)ごきげんよう 281 00:16:52,219 --> 00:16:53,345 (九九)まあ! 282 00:16:57,433 --> 00:17:01,186 (花娘)阿妹(アーメイ) ちっとも いらしてくださらないんですもの 283 00:17:01,270 --> 00:17:03,355 こちらから伺ってしまいました 284 00:17:04,314 --> 00:17:06,108 忙しくしておったのだ 285 00:17:06,191 --> 00:17:10,237 わたくしのことを阿姐(アージェ)と 呼んでくださらないのですね 286 00:17:11,405 --> 00:17:15,743 私は そなたの妹ではないし そなたは姉ではないゆえ… 287 00:17:16,785 --> 00:17:19,830 いつか そう呼んでいただける 日が来るまで 288 00:17:19,913 --> 00:17:22,291 気長に待つことにいたしますわ 289 00:17:23,250 --> 00:17:26,128 今日は ちっとも お召し上がりにならないのね 290 00:17:26,628 --> 00:17:30,049 顔色が すぐれないようだわ お加減が悪いの? 291 00:17:30,549 --> 00:17:32,301 お薬を持ってこさせましょうか 292 00:17:32,384 --> 00:17:33,719 心配は無用だ 293 00:17:35,971 --> 00:17:39,516 わたくしには 甘えてくださっていいのですよ 294 00:17:42,519 --> 00:17:45,397 先代の烏妃の言葉を 思い出していた 295 00:17:46,190 --> 00:17:48,901 “生きてゆかねばならぬのは おぬしだ” 296 00:17:49,485 --> 00:17:52,529 “知識をつけよ 知恵を使え” 297 00:17:52,613 --> 00:17:55,783 “おぬし以外に おぬしの道は歩めぬ” 298 00:17:57,826 --> 00:18:01,163 {\an8}その道に寄り添う者は 一人もいませんの? 299 00:18:02,748 --> 00:18:06,752 {\an8}この宮にいる者や 私や陛下も 300 00:18:07,252 --> 00:18:10,172 {\an8}烏妃様と共に歩むことは できませんの? 301 00:18:20,432 --> 00:18:23,477 私は そなたのよき友になりたい 302 00:18:23,560 --> 00:18:24,686 友? 303 00:18:24,770 --> 00:18:28,315 (高峻)友だ そなたの苦しみに寄り添いたい 304 00:18:29,942 --> 00:18:31,235 (九九)ちょっと淡海さん! 305 00:18:31,318 --> 00:18:35,239 衣斯哈に教えてるでしょ どうりで勝てないと思った! 306 00:18:35,322 --> 00:18:37,241 俺は指をさしただけ 307 00:18:37,324 --> 00:18:39,034 それがズルだって言ってるの! 308 00:18:39,118 --> 00:18:40,661 (衣斯哈)九九さん 待って ごめんなさい! 309 00:18:40,744 --> 00:18:42,746 (九九)衣斯哈も衣斯哈よ! 310 00:18:54,007 --> 00:18:54,508 ハッ! 311 00:18:56,301 --> 00:18:58,011 (宵月)ここで何をしている? 312 00:18:58,095 --> 00:18:59,429 (打撃音) (温螢)ぐあっ… 313 00:19:03,183 --> 00:19:05,060 (寿雪) 温螢は まだ戻らぬのか? 314 00:19:05,144 --> 00:19:06,728 何かあったのかしら 315 00:19:06,812 --> 00:19:09,064 もう一度 外を見てきましょうか 316 00:19:09,148 --> 00:19:13,068 そんな大げさな 子供のお使いじゃないんだから 317 00:19:13,652 --> 00:19:15,863 日暮れまでには 戻ってこいと言ったのだ 318 00:19:15,946 --> 00:19:18,031 そのうち帰ってくるでしょうよ 319 00:19:18,115 --> 00:19:20,284 手ぶらじゃ かっこ悪いとかなんとか… 320 00:19:20,367 --> 00:19:21,702 あっ 娘娘 どこへ… 321 00:19:22,286 --> 00:19:23,996 温螢を迎えに行く 322 00:19:25,038 --> 00:19:26,707 娘娘! 323 00:19:26,790 --> 00:19:29,209 (寿雪)ハア ハア… あっ 324 00:19:30,586 --> 00:19:31,587 (九九)娘娘! 325 00:19:33,088 --> 00:19:34,089 大丈夫ですか? 326 00:19:36,258 --> 00:19:36,842 寿雪? 327 00:19:37,759 --> 00:19:38,969 どうかしたのか? 328 00:19:39,052 --> 00:19:42,055 温螢が鵲巣宮から戻ってこない 329 00:19:42,139 --> 00:19:44,433 鵲巣宮? なぜ そんな所に 330 00:19:44,516 --> 00:19:48,729 私が頼んだのだ 鵲妃について調べてほしいと 331 00:19:48,812 --> 00:19:50,230 鵲妃を? 332 00:19:50,314 --> 00:19:53,817 以前 宮女の格好で私を訪ねてきた 333 00:19:54,318 --> 00:19:57,070 死んだ者を生き返らせてほしいと 334 00:19:58,697 --> 00:20:00,908 鵲妃に近づいた宦官がいる 335 00:20:01,408 --> 00:20:03,160 その男は恐らく… 336 00:20:03,660 --> 00:20:06,747 私を殺すために 後宮に忍び込んだ 337 00:20:11,752 --> 00:20:13,003 止めればよかった 338 00:20:13,503 --> 00:20:14,004 いや… 339 00:20:14,504 --> 00:20:16,840 私が自分で行けばよかったのだ 340 00:20:17,758 --> 00:20:18,800 私は… 341 00:20:20,010 --> 00:20:21,136 怖かったのだ 342 00:20:21,637 --> 00:20:24,306 だから 温螢に押しつけた 343 00:20:27,059 --> 00:20:29,228 人をそばに置くようになって 344 00:20:30,103 --> 00:20:32,314 死ぬのが怖くなった 345 00:20:35,234 --> 00:20:36,443 私は… 346 00:20:42,282 --> 00:20:43,325 弱くなった 347 00:20:44,368 --> 00:20:49,831 こんなはずでは… 人を頼り 甘え 巻き込むなど… 348 00:20:53,001 --> 00:20:53,961 寿雪 349 00:20:54,670 --> 00:20:56,630 弱くともよい 350 00:20:58,590 --> 00:21:02,886 たまには 自分が 16の娘であることを思い出せ 351 00:21:03,428 --> 00:21:07,349 そなたに頼られ 甘えられるのは そう悪くない 352 00:21:10,227 --> 00:21:11,103 そうであろう? 353 00:21:11,186 --> 00:21:13,188 ええ もちろんです! 354 00:21:13,689 --> 00:21:15,607 (高峻)恐らく温螢も 355 00:21:19,111 --> 00:21:20,988 鵲巣宮に行くんだな? 356 00:21:22,447 --> 00:21:23,657 私も行こう 357 00:21:28,912 --> 00:21:31,373 ここをお開けください 鵲妃様! 358 00:21:41,216 --> 00:21:43,385 (侍女)鵲妃様 陛下がお越しになりました 359 00:21:45,304 --> 00:21:47,472 (恵瑤(けいよう))陛下? (高峻)そのままでよい 360 00:21:50,559 --> 00:21:52,227 (衛青)この臭いは… 361 00:21:52,311 --> 00:21:54,479 (寿雪)想夫香… いや 362 00:21:55,063 --> 00:21:56,481 別の臭いも… 363 00:21:58,567 --> 00:21:59,484 ハッ! 364 00:22:06,074 --> 00:22:08,076 {\an8}♪~ 365 00:23:33,995 --> 00:23:35,997 {\an8}~♪