1 00:00:01,101 --> 00:00:05,105 ♬~ 2 00:00:05,105 --> 00:00:25,192 ♬~ 3 00:00:25,192 --> 00:00:37,104 ♬~ 4 00:00:37,104 --> 00:00:57,124 ♬~ 5 00:00:57,124 --> 00:01:17,077 ♬~ 6 00:01:17,077 --> 00:01:29,056 ♬~ 7 00:01:43,036 --> 00:01:45,072 (紅娘) 猫猫 紹介するわ。 8 00:01:45,072 --> 00:01:48,041 翡翠宮に来た新しい侍女たちよ。 9 00:01:48,041 --> 00:01:50,043 3姉妹なの。 10 00:01:50,043 --> 00:01:53,046 白羽です。 黒羽です。 11 00:01:53,046 --> 00:01:55,082 赤羽です。 12 00:01:55,082 --> 00:01:57,084 (猫猫)《よく似た姉妹だな》 13 00:01:57,084 --> 00:01:59,119 お元気でしたか。 14 00:01:59,119 --> 00:02:02,055 (愛藍) はい お久しぶりです。 15 00:02:02,055 --> 00:02:04,057 ん? お知り合いですか? 16 00:02:04,057 --> 00:02:07,561 (桜花) ええ みんな同郷で 顔なじみなの。 17 00:02:07,561 --> 00:02:09,529 長女の白羽さんは➡ 18 00:02:09,529 --> 00:02:12,032 玉葉さまと同い年よ。 19 00:02:12,032 --> 00:02:15,535 《同郷の人間だけで固めるのか》 20 00:02:15,535 --> 00:02:18,572 《暗殺されかかったことのある 玉葉さまには➡ 21 00:02:18,572 --> 00:02:21,141 その方が安心だな》 22 00:02:21,141 --> 00:02:22,643 あなたは? 23 00:02:22,643 --> 00:02:25,579 毒見役の猫猫です 黒羽さま。 24 00:02:25,579 --> 00:02:28,048 私は黒羽じゃないわ。 25 00:02:28,048 --> 00:02:31,051 あれっ じゃあ赤羽さま…。 26 00:02:31,051 --> 00:02:33,053 白羽よ。 27 00:02:33,053 --> 00:02:35,022 あぁ…。 28 00:02:37,057 --> 00:02:40,594 (白羽) これからは名前と同じ色の 髪ひもを使うから➡ 29 00:02:40,594 --> 00:02:42,629 それで見分けて。 30 00:02:42,629 --> 00:02:44,665 はい 分かりました。 31 00:02:44,665 --> 00:02:47,567 《全く見分けがつかない…》 32 00:02:47,567 --> 00:02:51,071 《まぁ おいおい覚えればいいか》 33 00:02:51,071 --> 00:02:53,040 《それよりも問題は…》 34 00:02:53,040 --> 00:02:56,543 猫猫! ちゃんと部屋に戻りなさい! 35 00:02:56,543 --> 00:02:59,046 いえ 物置で問題ありません。 36 00:02:59,046 --> 00:03:02,549 紅娘さまにも ここが私の部屋だと 言われましたし➡ 37 00:03:02,549 --> 00:03:05,085 このまま使わせていただきます! 38 00:03:05,085 --> 00:03:07,120 ダメに決まってるでしょ。 39 00:03:07,120 --> 00:03:10,057 また冗談を真に受けて ぐぬぬ…。 40 00:03:10,057 --> 00:03:14,061 いや でも 荷物も全部 部屋から持ってきましたし…。 41 00:03:14,061 --> 00:03:17,064 新しい侍女たちにも 示しがつかないわ! 42 00:03:17,064 --> 00:03:20,567 ふっ… うぅ…。 ぐぬぬ… うぅ…。 43 00:03:20,567 --> 00:03:23,570 (紅娘) 何やってるの あなたたち! 44 00:03:28,141 --> 00:03:31,011 (桜花) うぅ…。 うぅ…。 45 00:03:35,549 --> 00:03:37,050 (玉葉妃) あらあら➡ 46 00:03:37,050 --> 00:03:40,554 物置は すっかり 猫猫の巣になっていたの? 47 00:03:40,554 --> 00:03:43,056 (玉葉妃) 小屋は好きにしていいわよ。 48 00:03:43,056 --> 00:03:47,561 (紅娘) でも 寝る時は 元の部屋を使ってちょうだいね。 49 00:03:47,561 --> 00:03:50,097 分かりました。 50 00:03:50,097 --> 00:03:52,065 《いい上司たちだな》 51 00:03:56,136 --> 00:03:58,071 《新しい侍女が来て➡ 52 00:03:58,071 --> 00:04:01,541 1人当たりの仕事の量は ぐんと減った》 53 00:04:01,541 --> 00:04:04,044 《玉葉さまが懐妊して➡ 54 00:04:04,044 --> 00:04:07,547 今以上に人手が必要になる 翡翠宮にとって➡ 55 00:04:07,547 --> 00:04:11,585 人材の補強は ありがたいことだが》 56 00:04:11,585 --> 00:04:16,089 《これは 多数の侍女を連れている 楼蘭妃の柘榴宮と➡ 57 00:04:16,089 --> 00:04:19,092 釣り合いを取るためでも あるのだろう》 58 00:04:20,627 --> 00:04:22,562 お疲れさまでした。 59 00:04:22,562 --> 00:04:25,065 では 私は小屋へ…。 60 00:04:25,065 --> 00:04:27,567 (桜花) あっ 猫猫! 61 00:04:27,567 --> 00:04:30,537 桜花さん 猫猫さんは部屋ではなく➡ 62 00:04:30,537 --> 00:04:32,572 小屋に住んでいるのですか? 63 00:04:32,572 --> 00:04:36,042 本当ですか? 玉葉さまの侍女なのに。 64 00:04:36,042 --> 00:04:40,013 いや… えっと ウフフ…。 65 00:04:48,555 --> 00:04:50,524 ん…。 66 00:04:52,025 --> 00:04:55,028 《桜花さまが小屋に 引きこもるのを止めたのは➡ 67 00:04:55,028 --> 00:04:59,032 お節介だけど 私のことを考えてのことだろう》 68 00:04:59,032 --> 00:05:02,536 《早く新しい侍女たちに なれてほしいという➡ 69 00:05:02,536 --> 00:05:05,105 桜花さまらしい気配りだ》 70 00:05:05,105 --> 00:05:07,073 フゥ…。 71 00:05:10,043 --> 00:05:13,013 すみません 勝手なことばかり。 72 00:05:13,013 --> 00:05:15,048 別にいいけど。 73 00:05:15,048 --> 00:05:17,517 ねぇ 猫猫 少しは反省してる? 74 00:05:17,517 --> 00:05:19,553 え? してますけど。 75 00:05:19,553 --> 00:05:22,055 本当に? 私に悪いと思ってる? 76 00:05:22,055 --> 00:05:24,057 ええ それはもちろん…。 77 00:05:24,057 --> 00:05:26,059 だよねぇ! 78 00:05:26,059 --> 00:05:29,129 じゃあ早速 今夜 付き合ってもらうわよ! 79 00:05:29,129 --> 00:05:31,665 えっ? 今晩 暇なのは➡ 80 00:05:31,665 --> 00:05:33,533 私と猫猫だけなのよ。 81 00:05:33,533 --> 00:05:36,069 ちょうどよかったわ! 82 00:05:36,069 --> 00:05:38,572 ウフっ。 83 00:05:38,572 --> 00:05:40,540 《やられた…》 84 00:05:45,045 --> 00:05:48,582 あの 今夜の外出 紅娘さまは…。 85 00:05:48,582 --> 00:05:52,152 大丈夫よ 許可はもらってるわ。 86 00:05:52,152 --> 00:05:55,555 《後宮の北側…》 87 00:05:55,555 --> 00:05:59,526 《この辺りは 古い建物しかないはずだけど》 88 00:06:01,061 --> 00:06:03,563 あっ 猫猫 これ。 89 00:06:03,563 --> 00:06:05,532 こんな感じでかぶって。 90 00:06:07,033 --> 00:06:09,069 暑くないですか? 91 00:06:09,069 --> 00:06:12,038 いいの 涼しくなるから。 ん? 92 00:06:17,577 --> 00:06:19,579 (桜花) ここよ。 93 00:06:19,579 --> 00:06:21,548 (ノック) 94 00:06:23,049 --> 00:06:26,553 (年嵩の女官) いらっしゃい 参加者は2人ね。 95 00:06:26,553 --> 00:06:30,557 はい よろしくお願いします。 お願いします。 96 00:06:30,557 --> 00:06:34,561 (年嵩の女官) 行灯は消して これを代わりに。 97 00:06:38,164 --> 00:06:42,569 《キレイだけど ずいぶん年のいった女官だ》 98 00:06:42,569 --> 00:06:44,537 (年嵩の女官) では 行きましょう。 99 00:06:47,040 --> 00:06:49,075 (年嵩の女官) ここは先帝の時代に➡ 100 00:06:49,075 --> 00:06:51,578 使われていた場所なのよ。 101 00:06:51,578 --> 00:06:55,548 昔に比べて 女官がだいぶ減ったけど…。 102 00:06:57,050 --> 00:07:00,053 こういう時には ぴったりよね。 103 00:07:04,157 --> 00:07:07,127 (年嵩の女官) 空いている所に座って。 104 00:07:12,065 --> 00:07:14,534 (年嵩の女官) そろいましたね。 105 00:07:14,534 --> 00:07:16,536 《こんな暑い日に➡ 106 00:07:16,536 --> 00:07:20,040 閉め切った部屋に 12人も集まって…》 107 00:07:20,040 --> 00:07:24,577 (年嵩の女官) 皆さん… お話の準備はできていますか? 108 00:07:24,577 --> 00:07:30,083 今宵は 肝が冷える十三の話を 楽しみましょう。 109 00:07:30,083 --> 00:07:32,118 《十三の話?》 110 00:07:32,118 --> 00:07:34,120 ひぃ…! 111 00:07:35,555 --> 00:07:37,557 (女官) それからというもの➡ 112 00:07:37,557 --> 00:07:40,060 夜な夜な北門の堀では➡ 113 00:07:40,060 --> 00:07:43,563 身投げを繰り返す下女の姿が…。 114 00:07:43,563 --> 00:07:47,534 哀れに思った女官が 堀に花を浮かべると➡ 115 00:07:47,534 --> 00:07:50,570 どこからか声が聞こえてきます。 116 00:07:50,570 --> 00:07:53,606 ハッ!として 堀をのぞき込むと➡ 117 00:07:53,606 --> 00:07:56,142 下女の白い顔が浮かび上がり➡ 118 00:07:56,142 --> 00:07:58,545 女官が慌てて逃げようとすると➡ 119 00:07:58,545 --> 00:08:02,048 突然 足をつかまれて…。 120 00:08:02,048 --> 00:08:06,052 水から はい上がってきた下女は 言いました。 121 00:08:06,052 --> 00:08:11,558 「あの日 私を突き落としたのは…」。 122 00:08:14,060 --> 00:08:16,096 「お前か~~~‼」。 123 00:08:16,096 --> 00:08:18,131 ⚟キャ~!⚞ ⚟ひぃ~!⚞ 124 00:08:18,131 --> 00:08:23,036 うぅ… うぅ…。 《どっかで聞いたような話…》 125 00:08:23,036 --> 00:08:27,040 《怖がりだけど好きなわけね 桜花さま…》 126 00:08:27,040 --> 00:08:28,541 ふっ。 127 00:08:31,077 --> 00:08:35,048 《どうやら これは 座り順に怪談話をして➡ 128 00:08:35,048 --> 00:08:39,085 話し終わったら火を吹き消す という催しらしい》 129 00:08:39,085 --> 00:08:40,620 《しかし まぁ➡ 130 00:08:40,620 --> 00:08:43,189 話は後宮内の噂程度のもので➡ 131 00:08:43,189 --> 00:08:46,159 肝が冷えるほどではない》 132 00:08:49,029 --> 00:08:52,065 《なにせ後宮は娯楽が少ない》 133 00:08:52,065 --> 00:08:55,068 《こういう語らいも 認められているようだ》 134 00:08:55,068 --> 00:08:57,070 (あくび) 135 00:08:57,070 --> 00:09:00,039 (子翠) こんばんは~。 子翠。 136 00:09:00,039 --> 00:09:02,542 食べる? もらう。 137 00:09:07,580 --> 00:09:09,616 (女官) さて…➡ 138 00:09:09,616 --> 00:09:14,521 これは私の故郷の話なんだけど…。 139 00:09:14,521 --> 00:09:16,556 そこには 古くから➡ 140 00:09:16,556 --> 00:09:20,560 「入っては いけない」と いわれている森があった。 141 00:09:20,560 --> 00:09:22,562 もし入れば呪われて➡ 142 00:09:22,562 --> 00:09:25,532 鬼に魂を食われてしまう。 143 00:09:25,532 --> 00:09:31,538 でも ある時 1人の子供が禁忌を破った。 144 00:09:31,538 --> 00:09:34,107 その年は作物が不作で➡ 145 00:09:34,107 --> 00:09:36,643 あまりにも おなかがすいた子供は➡ 146 00:09:36,643 --> 00:09:42,048 食べ物を求めて森へと入った。 147 00:09:42,048 --> 00:09:45,051 子供は母親に告げた。 148 00:09:45,051 --> 00:09:47,520 「いいこと教えてあげる。 149 00:09:47,520 --> 00:09:51,057 あの森には たくさん食べ物があるよ」。 150 00:09:51,057 --> 00:09:55,061 けれど 森に入ったことが 村人たちに知られて➡ 151 00:09:55,061 --> 00:09:58,031 母子は村八分になった。 152 00:09:58,031 --> 00:10:01,101 孤立した母子は 食べるものもなく➡ 153 00:10:01,101 --> 00:10:03,136 痩せ衰えていったけれど➡ 154 00:10:03,136 --> 00:10:07,540 誰も手を差し伸べようとは しなかった。 155 00:10:07,540 --> 00:10:10,543 ある夜のこと 母子の家に➡ 156 00:10:10,543 --> 00:10:15,548 ゆらゆらと光が入っていくのを 見た者がいた。 157 00:10:15,548 --> 00:10:21,054 翌日 その知らせを聞いた村長が 母子の家を訪ねると➡ 158 00:10:21,054 --> 00:10:26,559 子供は すでに死に 母親も亡くなる寸前だった。 159 00:10:26,559 --> 00:10:29,629 母親は村長にこう言った。 160 00:10:29,629 --> 00:10:33,533 「ねぇ いいこと教えてあげる…」。 161 00:10:33,533 --> 00:10:38,071 そこまで言って 母親は死んだ。 162 00:10:38,071 --> 00:10:43,042 その死に顔は 不気味に笑っていたの。 163 00:10:43,042 --> 00:10:47,046 結局 何を伝えようとしたのか 分からないまま➡ 164 00:10:47,046 --> 00:10:50,550 今も森は 禁忌の地と恐れられ➡ 165 00:10:50,550 --> 00:10:54,087 破った者の家には鬼が現れ➡ 166 00:10:54,087 --> 00:10:58,158 魂を食われるという。 167 00:10:58,158 --> 00:11:00,059 ふっ。 168 00:11:00,059 --> 00:11:03,563 う~ん なるほど。 「なるほど」って何が? 169 00:11:03,563 --> 00:11:07,033 後で教える。 (あくび) 170 00:11:07,033 --> 00:11:09,569 《何か眠い…》 171 00:11:09,569 --> 00:11:14,040 《狭い所に大人数だし 少し人酔いしたかな…》 172 00:11:14,040 --> 00:11:17,110 あなたの番よ。 173 00:11:17,110 --> 00:11:19,078 (子翠) は~い。 174 00:11:21,147 --> 00:11:26,119 これは 遠い遠い東の国のお話…。 175 00:11:27,554 --> 00:11:29,556 (子翠の声) とある国の僧侶が➡ 176 00:11:29,556 --> 00:11:33,059 遠方での葬儀を終えて 帰る途中➡ 177 00:11:33,059 --> 00:11:36,563 いつの間にか日が暮れてしまった。 178 00:11:36,563 --> 00:11:39,532 辺りはススキだらけの平原で➡ 179 00:11:39,532 --> 00:11:43,069 どうやら野犬の群れもいる様子。 180 00:11:43,069 --> 00:11:46,072 焦る僧侶の前に現れたのは➡ 181 00:11:46,072 --> 00:11:49,642 1軒の古びた民家だった。 182 00:11:49,642 --> 00:11:51,544 (ノック) 183 00:11:51,544 --> 00:11:55,548 (僧侶) 夜分に失礼 ごめんください。 184 00:11:55,548 --> 00:11:58,051 (妻) どうされました? お坊さま。 185 00:11:58,051 --> 00:12:01,054 (僧侶) 山を越える前に 日が暮れてしまって…。 186 00:12:01,054 --> 00:12:03,556 納屋の隅で構いませんので➡ 187 00:12:03,556 --> 00:12:06,059 一晩 泊めていただけませんか。 188 00:12:06,059 --> 00:12:10,029 まぁ それは… お疲れでございましょう。 189 00:12:11,631 --> 00:12:14,067 (子翠の声) 妻は僧をもてなし➡ 190 00:12:14,067 --> 00:12:17,036 寝床まで用意してくれた。 191 00:12:17,036 --> 00:12:20,039 心を尽くしたもてなしに➡ 192 00:12:20,039 --> 00:12:22,542 何も持ち合わせておらぬ僧は➡ 193 00:12:22,542 --> 00:12:26,546 せめてものお礼にと 経を上げることにした。 194 00:12:26,546 --> 00:12:28,047 (僧侶:読経) 195 00:12:28,047 --> 00:12:32,619 (鈴の音) (僧侶:読経) 196 00:12:32,619 --> 00:12:35,154 《鈴の音か?》 197 00:12:35,154 --> 00:12:39,559 《いや 鈴の音に聞こえるが これは…➡ 198 00:12:39,559 --> 00:12:41,561 人の声か?》 199 00:12:41,561 --> 00:12:43,563 (妻) ⚟それで あんたどうするの?⚞ 200 00:12:43,563 --> 00:12:46,032 (夫) ⚟どうもしない それでよかろう⚞ 201 00:12:46,032 --> 00:12:48,534 (妻) ⚟そんなんじゃダメだよ あんた⚞ 202 00:12:48,534 --> 00:12:51,037 ⚟あたしは 1人になりたくないんだ⚞ 203 00:12:51,037 --> 00:12:53,039 (夫) ⚟じゃあ どうするつもりだ⚞ 204 00:12:53,039 --> 00:12:56,075 (妻) ⚟もう耐えられない…⚞ 205 00:12:56,075 --> 00:12:58,611 (僧侶)《言い争っているのか?》 206 00:12:58,611 --> 00:13:00,546 《止めに入った方がいいか?》 207 00:13:00,546 --> 00:13:05,051 《いや 経は やめてはいかん そんな気がする》 208 00:13:05,051 --> 00:13:07,053 (夫) ⚟あの僧を代わりにするんだ⚞ 209 00:13:07,053 --> 00:13:10,056 (妻) ⚟それしかない…⚞ 210 00:13:10,056 --> 00:13:13,059 さぁ… やるよ! 211 00:13:13,059 --> 00:13:15,061 (読経) 212 00:13:15,061 --> 00:13:18,097 (妻) どこだ? あの僧は…。 (読経) 213 00:13:18,097 --> 00:13:29,542 ハァ… ハァ…。 (読経) 214 00:13:29,542 --> 00:13:32,045 逃げたのか? (読経) 215 00:13:32,045 --> 00:13:33,546 (読経) 216 00:13:33,546 --> 00:13:36,049 (妻) いない いないよ! (読経) 217 00:13:36,049 --> 00:13:40,053 見つけないと でないと あたし…。 (読経) 218 00:13:40,053 --> 00:13:43,556 あたし! あんたを! (読経) 219 00:13:43,556 --> 00:13:48,127 (咀嚼音) (読経) 220 00:13:48,127 --> 00:13:51,564 (子翠の声) 僧侶は 咀嚼音が聞こえなくなるまで➡ 221 00:13:51,564 --> 00:13:54,567 経を唱え続けた。 222 00:13:54,567 --> 00:13:59,072 音がやみ 僧侶は外へ出た。 223 00:13:59,072 --> 00:14:02,041 若い夫婦の姿はなく➡ 224 00:14:02,041 --> 00:14:07,046 そこには 虫の羽が落ちていた。 225 00:14:07,046 --> 00:14:09,582 僧侶は そっと手を合わせ➡ 226 00:14:09,582 --> 00:14:12,151 経を唱えたまま➡ 227 00:14:12,151 --> 00:14:15,054 夜明けまで歩き続けましたとさ。 228 00:14:15,054 --> 00:14:17,523 《話し方がうまいなぁ》 229 00:14:17,523 --> 00:14:21,027 ふっ。 《まるで別人みたいだ》 230 00:14:21,027 --> 00:14:24,030 《ん? この横顔…➡ 231 00:14:24,030 --> 00:14:27,500 何か見覚えがあるような…》 232 00:14:30,036 --> 00:14:33,539 (子翠) 猫猫 次だよ。 え? あぁ そっか。 233 00:14:33,539 --> 00:14:35,508 《何を話そうか…》 234 00:14:37,043 --> 00:14:39,545 養父から聞いたのですが➡ 235 00:14:39,545 --> 00:14:44,584 墓地に人魂が出る という噂が立ちました。 236 00:14:44,584 --> 00:14:46,586 いかにも怪しいと➡ 237 00:14:46,586 --> 00:14:51,023 勇敢な若者たちが 正体を探りに行きました。 238 00:14:51,023 --> 00:14:53,059 すると…。 239 00:14:53,059 --> 00:14:55,027 ハッ…。 240 00:14:58,030 --> 00:15:00,032 同じ町に住む男が➡ 241 00:15:00,032 --> 00:15:03,503 たいまつを片手に 歩いていただけでした。 242 00:15:03,503 --> 00:15:05,037 あ…。 243 00:15:05,037 --> 00:15:07,573 それだけ? はい。 244 00:15:07,573 --> 00:15:09,609 男の正体は墓荒らしで➡ 245 00:15:09,609 --> 00:15:12,044 怪しげな呪いに はまっていて➡ 246 00:15:12,044 --> 00:15:15,515 墓地を掘り起こして 死体の腹を割いては➡ 247 00:15:15,515 --> 00:15:18,017 万病に効くという人の肝を…。 248 00:15:18,017 --> 00:15:20,553 もういい! うわ! 249 00:15:20,553 --> 00:15:23,022 う… 以上です…。 250 00:15:23,022 --> 00:15:25,024 ふっ。 251 00:15:25,024 --> 00:15:28,594 次 桜花さまですよ。 ん? 252 00:15:28,594 --> 00:15:32,031 あぁ… え~っと…。 253 00:15:32,031 --> 00:15:35,034 ある所に男が…。 254 00:15:35,034 --> 00:15:38,504 いや 老婆だったかなぁ…? 255 00:15:38,504 --> 00:15:42,508 えっと… あ~ えっと その…。 256 00:15:46,546 --> 00:15:50,082 (年嵩の女官) では 次は私が。 257 00:15:50,082 --> 00:15:52,518 《そういえば この女官は➡ 258 00:15:52,518 --> 00:15:55,521 最初に「十三の話」と言っていた》 259 00:15:55,521 --> 00:15:59,525 《ここに集まったのは12人なのに どういうことだろう》 260 00:15:59,525 --> 00:16:01,994 (年嵩の女官) 先帝時代の話です。 261 00:16:01,994 --> 00:16:05,498 その頃 後宮は次々と人が増え➡ 262 00:16:05,498 --> 00:16:08,534 区画を広げておりました。 263 00:16:08,534 --> 00:16:11,070 何のために? 264 00:16:11,070 --> 00:16:17,009 その頃 強大な権力を振るっていた 女帝である太皇太后が➡ 265 00:16:17,009 --> 00:16:21,514 先帝の嗜好に合う娘を そろえるためでした。 266 00:16:21,514 --> 00:16:25,518 《ん… 何だ…?》 267 00:16:25,518 --> 00:16:29,021 (年嵩の女官) 先帝は 年端もいかぬ少女を選んでは➡ 268 00:16:29,021 --> 00:16:31,524 その花を散らし➡ 269 00:16:31,524 --> 00:16:33,526 手折られた少女たちは➡ 270 00:16:33,526 --> 00:16:39,098 外に出ることを許されぬまま 時を過ごしました。 271 00:16:39,098 --> 00:16:43,503 その中に 1人 身ごもった少女がおり➡ 272 00:16:43,503 --> 00:16:47,006 先帝に訴えましたが…。 273 00:16:47,006 --> 00:16:51,010 少女は 後宮を出ることも許されず➡ 274 00:16:51,010 --> 00:16:54,013 死ぬ間際に一言…。 275 00:16:55,514 --> 00:16:58,017 (年嵩の女官) 次はお前たちの番だ! 276 00:16:58,017 --> 00:17:00,052 ハッ。 277 00:17:00,052 --> 00:17:02,088 猫猫⁉ 278 00:17:02,088 --> 00:17:04,023 (息を吸う音) ハァ…! 279 00:17:04,023 --> 00:17:06,492 《頭がボ~っとするわけだ!》 280 00:17:06,492 --> 00:17:08,494 桜花さま 子翠! 281 00:17:08,494 --> 00:17:11,531 ぐったりしている女官を 窓や扉の近くへ! 282 00:17:11,531 --> 00:17:14,534 (桜花) えっ 一体どうしたの? 早く! 283 00:17:14,534 --> 00:17:16,502 消えずに残った火のせいで➡ 284 00:17:16,502 --> 00:17:19,539 体に害をなす空気が 部屋に充満しているんです! 285 00:17:19,539 --> 00:17:22,041 (桜花) わ… 分かった! 286 00:17:26,512 --> 00:17:28,981 《気付くのが遅過ぎたな》 287 00:17:31,017 --> 00:17:34,020 (年嵩の女官) あぁ もう少しだったのに。 288 00:17:34,020 --> 00:17:35,521 ハッ! 289 00:17:37,523 --> 00:17:39,492 《あの女官は…》 290 00:17:43,529 --> 00:17:47,099 ハァ… 何かバタバタだったわね。 291 00:17:47,099 --> 00:17:50,002 主催者の女官もいなくなって。 292 00:17:50,002 --> 00:17:52,004 (子翠) 猫猫~! 293 00:17:52,004 --> 00:17:55,508 さっきの? 知り合いの女官です。 294 00:17:55,508 --> 00:17:59,512 ねぇ 猫猫 さっきの話は何だったの? 295 00:17:59,512 --> 00:18:04,016 さっきの? ほら 禁忌の森の話だよ。 296 00:18:04,016 --> 00:18:08,588 ああ… 「禁忌の森」なんていうのは 迷信でしょうが➡ 297 00:18:08,588 --> 00:18:13,025 禁忌になったいわれが全くない とは言い切れないって思って。 298 00:18:13,025 --> 00:18:15,027 (子翠) へぇ…。 299 00:18:15,027 --> 00:18:17,029 森は食べ物が豊かですが➡ 300 00:18:17,029 --> 00:18:20,032 食べられないものも 豊富にあります。 301 00:18:20,032 --> 00:18:22,535 他の土地から来た人間が➡ 302 00:18:22,535 --> 00:18:26,539 森にあるものを食べて 体を壊してしまう。 303 00:18:26,539 --> 00:18:30,076 すると 「森のものを むやみに食べてはいけない」➡ 304 00:18:30,076 --> 00:18:32,645 …と言われるように なるでしょう。 305 00:18:32,645 --> 00:18:36,515 そして それは年月を経て 禁忌になります。 306 00:18:36,515 --> 00:18:39,018 その後も 飢餓が起こった時には➡ 307 00:18:39,018 --> 00:18:44,023 誰も 食べていいものと悪いものの 区別がつかなくなっていた。 308 00:18:44,023 --> 00:18:48,527 あの話の母子は 不作の年で飢えていました。 309 00:18:48,527 --> 00:18:53,032 掟を破るのだから 暗くなり始めに森に入り➡ 310 00:18:53,032 --> 00:18:57,603 食べ物を採って 日が落ちると 家に帰ったのでしょう。 311 00:18:57,603 --> 00:19:02,008 ツキヨダケという ヒラタケに似たキノコがあります。 312 00:19:02,008 --> 00:19:04,010 とてもおいしそうですが➡ 313 00:19:04,010 --> 00:19:08,014 毒があって 暗くなると光る特徴が あるんです。 314 00:19:08,014 --> 00:19:11,984 夜道を歩くところを 村人が遠目に見たら➡ 315 00:19:11,984 --> 00:19:14,987 人魂に見えたかもしれません。 316 00:19:14,987 --> 00:19:17,523 毒性は強くありませんが➡ 317 00:19:17,523 --> 00:19:21,994 飢えて体力が落ちた母子が 食べたら どうなるか…。 318 00:19:24,997 --> 00:19:26,999 母親は死に際に➡ 319 00:19:26,999 --> 00:19:30,536 こう 言いたかったのかもしれません。 320 00:19:30,536 --> 00:19:36,042 おいしいキノコが 森の中にあるよ…。 321 00:19:36,042 --> 00:19:41,047 自分たち母子を見捨てた 村人への復讐として。 322 00:19:41,047 --> 00:19:43,115 そういうことだったんだ! 323 00:19:43,115 --> 00:19:45,117 うん スッキリした! 324 00:19:45,117 --> 00:19:47,620 じゃあ 私こっちだから~! 325 00:19:49,055 --> 00:19:53,559 (桜花) ふん! タネが分かれば 大したことないじゃない。 326 00:19:53,559 --> 00:19:58,030 きっと他の話も そういう裏があるんだわ。 327 00:19:58,030 --> 00:20:01,033 さぁ… どうでしょう? 328 00:20:01,033 --> 00:20:03,536 (桜花) そこはうなずいてよ! 329 00:20:05,604 --> 00:20:07,540 (桜花) 戻りました。 330 00:20:07,540 --> 00:20:10,009 あら 思ったより早かったのね。 331 00:20:10,009 --> 00:20:12,044 ちょっとした騒ぎがありまして。 332 00:20:12,044 --> 00:20:14,013 まぁ やっぱり…。 333 00:20:14,013 --> 00:20:18,017 不慣れな人が仕切ると いろいろあるわよね。 334 00:20:18,017 --> 00:20:20,019 不慣れな人? 335 00:20:20,019 --> 00:20:22,555 去年までやっていた女官が 亡くなったから➡ 336 00:20:22,555 --> 00:20:26,092 今年は誰が引き継いだのか 心配だったのよ。 337 00:20:26,092 --> 00:20:28,527 え? (紅娘) 気の利くいい人で➡ 338 00:20:28,527 --> 00:20:30,529 私もお世話になったのよ。 339 00:20:30,529 --> 00:20:33,999 結局 後宮から出られなかったのよね。 340 00:20:33,999 --> 00:20:37,503 実は 先帝のお手つきになった方で➡ 341 00:20:37,503 --> 00:20:42,007 あの集まりが 唯一の楽しみだったそうなのよ。 342 00:20:42,007 --> 00:20:45,077 亡くなった翌年から 集まりがなくなるのも➡ 343 00:20:45,077 --> 00:20:47,613 いかがなものかと思っていたから。 344 00:20:47,613 --> 00:20:51,016 続けてくれる人がいてよかったわ。 うわ~~~! い~~~! 345 00:20:51,016 --> 00:20:55,521 あぁ… あっ… あの話…。 346 00:20:55,521 --> 00:20:57,022 ハッ。 347 00:20:57,022 --> 00:21:00,526 (年嵩の女官)((先帝は 年端もいかぬ少女を選んでは➡ 348 00:21:00,526 --> 00:21:02,528 その花を散らし➡ 349 00:21:02,528 --> 00:21:08,567 手折られた少女たちは 外に出ることを許されぬまま…)) 350 00:21:08,567 --> 00:21:13,005 《あの女官の話は 己の身の上だったのか》 351 00:21:13,005 --> 00:21:17,476 《それとも 事情を知る誰かのいたずらか…》 352 00:21:20,012 --> 00:21:25,117 《世の中 よく分からないことは たくさんあるものだ》 353 00:21:25,117 --> 00:21:31,056 ((今宵は 肝が冷える十三の話を 楽しみましょう)) 354 00:21:31,056 --> 00:21:33,092 《あの時 あの場には➡ 355 00:21:33,092 --> 00:21:37,029 年嵩の女官を含めて 12人しかいなかった》 356 00:21:37,029 --> 00:21:42,535 《取りあえず 13番目の怪談に ならずに済んでよかった》 357 00:21:42,535 --> 00:21:46,038 ま… 猫猫…。 はい…。 358 00:21:46,038 --> 00:21:49,542 (桜花) 今晩 一緒に寝て~! 359 00:21:51,510 --> 00:21:55,080 (桜花) うっ… うぅ… うぅ…。 360 00:21:55,080 --> 00:21:57,116 《背筋が凍るどころか➡ 361 00:21:57,116 --> 00:22:00,052 寝苦しい夜になったのだった》 362 00:22:00,052 --> 00:22:02,955 うぅ… うぅ…。 暑苦しい…。 363 00:22:06,525 --> 00:22:24,009 ♬~ 364 00:22:25,544 --> 00:22:45,598 ♬~ 365 00:22:45,598 --> 00:22:57,009 ♬~ 366 00:22:57,009 --> 00:23:17,062 ♬~ 367 00:23:17,062 --> 00:23:19,598 ♬~ 368 00:23:19,598 --> 00:23:39,485 ♬~ 369 00:23:39,485 --> 00:23:41,020 ♬~ 370 00:23:41,020 --> 00:23:46,492 ♬~ 371 00:23:46,492 --> 00:23:51,463 ♬~