1 00:02:19,006 --> 00:02:22,509 (壬氏)翡翠宮へ行く。 (高順)はい。 2 00:02:24,511 --> 00:02:26,847 (玉葉)亡くなった? 3 00:02:26,847 --> 00:02:29,850 そう… 静妃が。 4 00:02:29,850 --> 00:02:33,286 (紅娘)食中毒だそうです。 たった今 報告が。 5 00:02:33,286 --> 00:02:38,291 ここ1年 病に伏せっていたとは 聞いたけど…。 6 00:02:38,291 --> 00:02:40,627 んっ? (桜花の足音) 7 00:02:40,627 --> 00:02:43,797 (桜花) 壬氏様が いらっしゃいました。 8 00:02:43,797 --> 00:02:46,133 フッ… 通してちょうだい。 9 00:02:46,133 --> 00:02:48,802 (猫猫)お願いします。 10 00:02:48,802 --> 00:02:50,904 はいよ。 11 00:02:53,974 --> 00:02:56,476 フッ…。 《邪魔しちゃ悪いな》 12 00:02:56,476 --> 00:02:59,312 女官が 行方不明ですか? 13 00:02:59,312 --> 00:03:01,982 (虞淵) そうなんだよ。 涛って子で➡ 14 00:03:01,982 --> 00:03:04,985 仕事熱心な いい子だったんだけどね。 15 00:03:04,985 --> 00:03:09,322 せっかく 年季も明けるし 結婚も間近だったってのに。 16 00:03:09,322 --> 00:03:11,324 結婚ですか。 17 00:03:11,324 --> 00:03:13,994 園遊会で かんざしを贈られたそうだよ。 18 00:03:13,994 --> 00:03:18,498 しかも 結構 出世が期待されている文官から。 19 00:03:18,498 --> 00:03:21,001 宮官長は 引き止めていたらしいけど。 20 00:03:21,001 --> 00:03:23,003 へぇ…。 21 00:03:23,003 --> 00:03:25,005 《それほど 優秀な女官が➡ 22 00:03:25,005 --> 00:03:28,842 結婚間近で 挨拶もなしにいなくなったと》 23 00:03:28,842 --> 00:03:30,844 (毛毛の鳴き声) 24 00:03:30,844 --> 00:03:33,447 何か 心当たりでもあるんですか? 25 00:03:33,447 --> 00:03:35,782 それが ないんだよね。 26 00:03:35,782 --> 00:03:38,952 まあ 全くない話でもないけどさ。 27 00:03:38,952 --> 00:03:43,857 人間関係に思い悩む子も多いし。 そうですね。 28 00:03:45,959 --> 00:03:49,129 《こうしていると たまに忘れそうになるけど➡ 29 00:03:49,129 --> 00:03:51,465 ここは 後宮。 30 00:03:51,465 --> 00:03:55,135 2,000の女たちが うごめく 花園だ》 31 00:03:55,135 --> 00:03:58,138 (玉葉)ウフフ… まあ。 んっ? 32 00:03:58,138 --> 00:04:00,640 《今日は 外で茶会か。 33 00:04:00,640 --> 00:04:03,810 籠もりっきりでは 懐妊を疑われるもんな。 34 00:04:03,810 --> 00:04:06,480 場所や服に 気を使っているが➡ 35 00:04:06,480 --> 00:04:09,483 そろそろ 気付いている者もいるだろう。 36 00:04:09,483 --> 00:04:14,321 問題は その相手が 有害か 無害かだ》 37 00:04:14,321 --> 00:04:17,157 あら 戻ったのね。 38 00:04:17,157 --> 00:04:20,460 んっ? (玉葉)猫猫 こちらへ。 39 00:04:24,664 --> 00:04:27,834 お呼びでしょうか? ええ こちらが。 40 00:04:27,834 --> 00:04:32,172 んっ? では 場所を変えようか。 41 00:04:32,172 --> 00:04:36,610 特に 問題ないですよ。 ここで お話をなさっては? 42 00:04:36,610 --> 00:04:40,947 いえ 寵妃の元に 長居するわけにはいきませんから。 43 00:04:40,947 --> 00:04:42,949 それに ほら。 (鈴麗の泣き声) 44 00:04:42,949 --> 00:04:45,118 (鈴麗の泣き声) 45 00:04:45,118 --> 00:04:48,455 あら。 玉葉様 諦めてください。 46 00:04:48,455 --> 00:04:50,457 むぅ…。 47 00:04:52,459 --> 00:04:54,961 それで どのような ご用でしょうか? 48 00:04:54,961 --> 00:04:58,632 最近 帝が妃たちに 娯楽小説を➡ 49 00:04:58,632 --> 00:05:01,301 配っているのは知っているな? はい。 50 00:05:01,301 --> 00:05:04,805 妃たちが読んだあと 侍女たちが読み➡ 51 00:05:04,805 --> 00:05:07,808 更に 他の女官たちにも 読み聞かせているようです。 52 00:05:07,808 --> 00:05:12,479 写本も出回り 字を覚えようと する者もおります。 53 00:05:12,479 --> 00:05:15,148 そうか。 54 00:05:15,148 --> 00:05:17,317 あくまで 構想段階だが➡ 55 00:05:17,317 --> 00:05:20,487 こういう物を造ってみては と思っている。 56 00:05:20,487 --> 00:05:23,824 庶民の間では 手習い所というのだろうか。 57 00:05:23,824 --> 00:05:26,159 《下女のための学校か。 58 00:05:26,159 --> 00:05:28,829 何か考えているとは 思っていたが➡ 59 00:05:28,829 --> 00:05:30,830 意外と 行動が早い》 60 00:05:30,830 --> 00:05:32,766 フッ…。 いいと思います。 61 00:05:32,766 --> 00:05:34,768 ハッ! えっ!? 62 00:05:34,768 --> 00:05:38,939 いつもの視線は どうした!? 体の具合でも悪いのですか!? 63 00:05:38,939 --> 00:05:41,107 その反応は なんでしょうか? 64 00:05:41,107 --> 00:05:44,277 いや なんか 落ち着かなくて…。 65 00:05:44,277 --> 00:05:46,279 《うわっ…》 66 00:05:46,279 --> 00:05:49,115 アハハハ…。 《マゾめ》 67 00:05:49,115 --> 00:05:51,451 (せきばらい) 68 00:05:51,451 --> 00:05:53,620 それで どう思う? 69 00:05:53,620 --> 00:05:57,457 実際 学びたい者もおりますし よろしいかと。 70 00:05:57,457 --> 00:06:02,295 年季が明けたあとの仕事にも つながりますし。 そうか。 71 00:06:02,295 --> 00:06:05,298 ただ…。 言ってみろ。 72 00:06:05,298 --> 00:06:10,136 南側の広場は 搬入など 利便性がいい一方で➡ 73 00:06:10,136 --> 00:06:14,140 正門が近く 上級妃や中級妃が 集まる 一等地です。 74 00:06:14,140 --> 00:06:16,810 気位の高い方も多いです。 75 00:06:16,810 --> 00:06:21,481 下女たちが教育を受けることを 快く思わない方もいるでしょう。 76 00:06:21,481 --> 00:06:24,985 うっ… 北側にしたほうが よさそうだな。 77 00:06:24,985 --> 00:06:28,321 ええ。 そちらは あまり 手入れが行き届かず➡ 78 00:06:28,321 --> 00:06:31,157 使われていない建物もあると 聞きます。 79 00:06:31,157 --> 00:06:34,261 そこを改修すれば 十分かと。 80 00:06:34,261 --> 00:06:36,263 それと 表向きは➡ 81 00:06:36,263 --> 00:06:38,765 職業訓練としては いかがでしょう? 82 00:06:38,765 --> 00:06:42,269 飯の種になるとわかれば より 人が集まります。 83 00:06:42,269 --> 00:06:44,604 そういうものか? 84 00:06:44,604 --> 00:06:48,275 たまに おやつも与えてみるとか。 たまに? 85 00:06:48,275 --> 00:06:52,112 はい。 毎度 当たる ばくちに のめり込む者はいません。 86 00:06:52,112 --> 00:06:54,447 フゥ… そういうものか。 87 00:06:54,447 --> 00:06:59,953 《発想は悪くないが 育ちがいい分 詰めが甘いんだよな。 88 00:06:59,953 --> 00:07:02,956 自覚があるから 聞いてくるんだろうけど》 89 00:07:02,956 --> 00:07:06,459 あくまで 私の主観です。 90 00:07:06,459 --> 00:07:08,461 お話は 以上でしょうか? 91 00:07:08,461 --> 00:07:10,630 ああ それと もう1つ。 92 00:07:10,630 --> 00:07:13,300 お前 きのこには詳しいか? 93 00:07:13,300 --> 00:07:16,970 んっ? まあ 食用にも調薬にも使いますので➡ 94 00:07:16,970 --> 00:07:18,972 それなりには。 95 00:07:18,972 --> 00:07:21,975 この時期になると 勝手に きのこを採って➡ 96 00:07:21,975 --> 00:07:24,978 食中毒になる女官が現れてな。 97 00:07:24,978 --> 00:07:28,315 食い意地が張った者は どこにでもいますね。 98 00:07:28,315 --> 00:07:30,984 全くだ。 医局で 医官と➡ 99 00:07:30,984 --> 00:07:33,586 まつたけを食べていたやつもいた。 ぐっ! 100 00:07:33,586 --> 00:07:36,256 果樹園の果実も よく なくなるそうだ。 うっ…。 101 00:07:36,256 --> 00:07:39,259 《あれは 毒きのこじゃない。 102 00:07:39,259 --> 00:07:42,095 それに 果樹園のは ちと 間引きしただけだ》 103 00:07:42,095 --> 00:07:46,766 なので 間違えて食べそうな物を あらかじめ 処分してほしい。 104 00:07:46,766 --> 00:07:50,770 その際 どんな毒きのこが あるかも 教えてくれ。 105 00:07:50,770 --> 00:07:53,273 翡翠宮での仕事は 毒味を除いて➡ 106 00:07:53,273 --> 00:07:56,443 休んでもらうことになる。 はぁ…。 107 00:07:56,443 --> 00:07:59,279 《そういう話なら 玉葉様の前で➡ 108 00:07:59,279 --> 00:08:01,581 説明したほうが よさそうだけど》 109 00:08:03,616 --> 00:08:06,286 《先ほどといい なんなんだ?》 110 00:08:06,286 --> 00:08:08,455 頼んだぞ。 111 00:08:08,455 --> 00:08:11,124 んっ…。 わかりました。 112 00:08:11,124 --> 00:08:15,328 《何かあるかもしれないが おもしろそうだ》 113 00:08:17,297 --> 00:08:19,966 《さて どこから行こうかな。 114 00:08:19,966 --> 00:08:23,136 花園に 果樹園に 松林…。 115 00:08:23,136 --> 00:08:26,139 きのこの生えそうな場所は たくさんある。 116 00:08:26,139 --> 00:08:28,808 今は どんどん生えてくる季節だし。 117 00:08:28,808 --> 00:08:31,311 女官が こっそり採るなら➡ 118 00:08:31,311 --> 00:08:37,584 人の手が頻繁に入る場所や南側は 省いてもよさそうだ。 119 00:08:37,584 --> 00:08:40,887 となると やはり 北のほうか》 120 00:08:42,922 --> 00:08:45,592 お~! 121 00:08:45,592 --> 00:08:48,762 はぁ~! 122 00:08:48,762 --> 00:08:52,432 ふお~! んっ? 123 00:08:52,432 --> 00:08:54,768 《んっ? なんだ? このにおい。 124 00:08:54,768 --> 00:08:58,104 妙に ツンとするような…。 125 00:08:58,104 --> 00:09:02,942 あっ 前に 子翠が言ってた 変なにおいって…。 126 00:09:02,942 --> 00:09:07,447 漏れた汚水が栄養になって きのこが よく育ってるのかな》 127 00:09:09,449 --> 00:09:11,451 ただいま戻りました。 128 00:09:11,451 --> 00:09:14,154 おかえり~! って あ~! 129 00:09:16,122 --> 00:09:19,292 ばっちいまま 入らないで! 《ばっちい…》 130 00:09:19,292 --> 00:09:22,962 猫猫 なんだか 臭くない? 一体 何してたの? 131 00:09:22,962 --> 00:09:26,966 大変 充実した1日でした。 132 00:09:26,966 --> 00:09:30,470 《薬として使える きのこも 収穫できた。 133 00:09:30,470 --> 00:09:32,739 毒きのこだと言って 置いてきたから➡ 134 00:09:32,739 --> 00:09:36,743 いくら やぶでも 食べないだろう》 (毛毛)ニャー…。 135 00:09:36,743 --> 00:09:40,080 すぐに 玉葉様の夕げだから 早く着替えてね。 136 00:09:40,080 --> 00:09:42,082 はい。 137 00:09:44,584 --> 00:09:47,287 失礼します。 遅くなりました。 138 00:09:49,756 --> 00:09:53,593 急がせて ごめんなさいね。 いえ。 139 00:09:53,593 --> 00:09:56,930 《お2人の手首に 黒いひも…》 140 00:09:56,930 --> 00:09:59,766 夕げのあとに出かけるわ。 141 00:09:59,766 --> 00:10:03,436 あなたも 一緒に来てちょうだい。 わかりました。 142 00:10:03,436 --> 00:10:09,142 《つまり 後宮で 誰か 高貴な方が亡くなられたと》 143 00:10:12,445 --> 00:10:14,781 静妃という妃でね。 144 00:10:14,781 --> 00:10:19,619 中級妃でも上位の方よ。 高官の娘だったの。 145 00:10:19,619 --> 00:10:21,955 ここ1年 体調を崩して➡ 146 00:10:21,955 --> 00:10:24,290 部屋に 籠もりきりだったのだけど➡ 147 00:10:24,290 --> 00:10:28,128 食中毒を起こしたらしくて そのまま。 148 00:10:28,128 --> 00:10:31,464 帝が通われることも なかったのだから➡ 149 00:10:31,464 --> 00:10:34,801 実家に帰ればよかったのに。 150 00:10:34,801 --> 00:10:39,305 珍しいですね。 紅娘様が そこまで言うなんて。 151 00:10:42,976 --> 00:10:47,814 静妃は ちょっと 性格に難がある方だったの。 152 00:10:47,814 --> 00:10:50,984 他の妃や女官への嫉妬が激しくて。 153 00:10:50,984 --> 00:10:55,488 中傷したり 立場の低い者には 暴力まで。 154 00:10:55,488 --> 00:10:59,492 そんな折よ。 公主をみごもった玉葉様が➡ 155 00:10:59,492 --> 00:11:01,494 毒を盛られたのは。 156 00:11:03,663 --> 00:11:09,002 さすがに 上級妃に対して 直接 嫌がらせはなかったわよ。 157 00:11:09,002 --> 00:11:12,172 けれど そんな性格だもの。 158 00:11:12,172 --> 00:11:16,976 壬氏様が 事情を お聴きに なったらしいの。 だけど…。 159 00:11:19,012 --> 00:11:22,015 ((静:何か 証拠でもございまして?)) 160 00:11:22,015 --> 00:11:26,853 ハァ… 結局 疑惑止まりだったわ。 161 00:11:26,853 --> 00:11:30,356 内部は 相当 荒れて お付きの侍女たちまで➡ 162 00:11:30,356 --> 00:11:33,459 肩身の狭い思いをしたと 聞いたけど。 163 00:11:33,459 --> 00:11:37,297 正直 こうなって ほっとしてしまったの。 164 00:11:37,297 --> 00:11:39,799 また 玉葉様に何かあったら…。 165 00:11:42,802 --> 00:11:47,307 《紅娘様からすれば それが本音だよな。 んっ?》 166 00:11:47,307 --> 00:11:50,476 ((食中毒を起こしたらしくて そのまま)) 167 00:11:50,476 --> 00:11:53,980 ((その際 どんな毒きのこが あるかも 教えてくれ)) 168 00:11:53,980 --> 00:11:58,985 《なぜ 壬氏様は きのこを調べろと言ったのか。 169 00:11:58,985 --> 00:12:04,324 なぜ 玉葉様のいる翡翠宮で その話をしなかったのか。 170 00:12:04,324 --> 00:12:09,495 それは 翡翠宮の人間を 疑っているからだ。 171 00:12:09,495 --> 00:12:12,665 静妃を 毒きのこで殺した犯人だと。 172 00:12:12,665 --> 00:12:16,669 玉葉様に肩入れが過ぎるように 見えていたが➡ 173 00:12:16,669 --> 00:12:19,505 ちゃんと 平等に対応しているじゃないか。 174 00:12:19,505 --> 00:12:22,342 なんて 腹の内が ばれたら➡ 175 00:12:22,342 --> 00:12:25,511 今後の信頼関係に 影響するだろうが。 176 00:12:25,511 --> 00:12:29,682 しかし 玉葉様は犯人ではないだろう。 177 00:12:29,682 --> 00:12:31,851 毒殺なんて 手間がかかるし➡ 178 00:12:31,851 --> 00:12:35,288 中級妃を失脚させる方法は いくらでもある。 179 00:12:35,288 --> 00:12:39,292 他の侍女たちは その手の暗躍には向かない。 180 00:12:39,292 --> 00:12:43,963 となると 疑われているの…》 私か。 181 00:12:43,963 --> 00:12:46,633 《毒きのこ探しを頼む体で➡ 182 00:12:46,633 --> 00:12:49,469 こちらの反応を 見ていたのだとしたら➡ 183 00:12:49,469 --> 00:12:52,305 失望どころか 感心さえしてしまう》 184 00:12:52,305 --> 00:12:55,808 どうぞ。 185 00:12:55,808 --> 00:12:59,145 《おや? 静妃の侍女だよな? 186 00:12:59,145 --> 00:13:01,147 何かに かぶれたのか?》 187 00:13:01,147 --> 00:13:03,983 どうぞ。 《でも 今の傷は…》 188 00:13:03,983 --> 00:13:06,386 んっ…。 189 00:13:09,322 --> 00:13:13,626 《せめて どんな症状があったのか 生前に聞けていればな…》 190 00:13:21,334 --> 00:13:23,336 (宗)くっ! (物音) 191 00:13:23,336 --> 00:13:26,172 (紅娘/猫猫)あっ…。 (どよめき) 192 00:13:26,172 --> 00:13:28,508 宗妃! おやめください! 193 00:13:28,508 --> 00:13:30,510 フッ! 194 00:13:30,510 --> 00:13:32,945 ハッ…。 (悲鳴) 195 00:13:32,945 --> 00:13:39,619 (悲鳴) 196 00:13:39,619 --> 00:13:44,290 ハハハ…。 アハハハハハハハハ! 197 00:13:44,290 --> 00:13:48,294 自業自得だな。 アハハハハハハ…。 198 00:13:48,294 --> 00:13:50,296 《あの 顔のただれ…》 199 00:13:50,296 --> 00:13:52,632 ((お前 きのこには詳しいか?)) 200 00:13:52,632 --> 00:13:56,469 ((お付きの侍女たちまで 肩身の狭い思いを…)) 201 00:13:56,469 --> 00:13:59,972 《なるほど 見えてきた。 202 00:13:59,972 --> 00:14:03,976 壬氏様の探したかったものが》 203 00:14:08,481 --> 00:14:10,817 《昨日 騒ぎを起こした女は➡ 204 00:14:10,817 --> 00:14:13,486 宗妃という下級妃だと聞いた。 205 00:14:13,486 --> 00:14:15,988 裕福な商家の娘で 気立てがよく➡ 206 00:14:15,988 --> 00:14:19,659 帝が閨を訪れることも あったそうだ。 207 00:14:19,659 --> 00:14:23,162 しかし おととしの ちょうど 今頃…》 208 00:14:23,162 --> 00:14:28,501 ((キャー! なんで… どうして こんな!)) 209 00:14:28,501 --> 00:14:32,939 《謎の病にかかり 妃から 降ろされるという話が出た。 210 00:14:32,939 --> 00:14:37,443 だが 実家に戻ったところで 嫁に行くこともできない。 211 00:14:37,443 --> 00:14:41,447 後宮に置き続けたのは 帝なりの気遣いだろう》 212 00:14:43,449 --> 00:14:45,785 《では なぜ その下級妃が➡ 213 00:14:45,785 --> 00:14:48,287 静妃の葬儀で あんなことをしたのか。 214 00:14:48,287 --> 00:14:50,289 答えは 簡単。 215 00:14:50,289 --> 00:14:54,293 病の原因が 静妃にあると考えていたからだ》 216 00:14:54,293 --> 00:14:56,963 んっ…。 217 00:14:56,963 --> 00:14:59,165 見つけた。 218 00:15:03,469 --> 00:15:05,471 壬氏様 こちらを。 219 00:15:05,471 --> 00:15:07,473 ものものしいな。 220 00:15:07,473 --> 00:15:09,675 はい。 猛毒ですから。 221 00:15:19,986 --> 00:15:21,988 (高順/壬氏)んっ…。 222 00:15:21,988 --> 00:15:24,657 これは…。 どこで見つけた? 223 00:15:24,657 --> 00:15:26,659 北の雑木林です。 224 00:15:26,659 --> 00:15:29,328 長年 放置されて 荒れた林が➡ 225 00:15:29,328 --> 00:15:32,498 このきのこには よい環境だったのでしょう。 226 00:15:32,498 --> 00:15:37,437 発生自体 珍しいのですが 大変危険な代物です。 227 00:15:37,437 --> 00:15:40,606 ほんの一かけら 口にしただけで 致死量に達し➡ 228 00:15:40,606 --> 00:15:45,111 触れるだけでも 毒性を発揮…。 それ以上 近づかないでください。 229 00:15:45,111 --> 00:15:47,914 静妃や宗妃のように こうなりますよ。 230 00:15:50,116 --> 00:15:52,452 (高順/壬氏)あっ! 昔 おやじと➡ 231 00:15:52,452 --> 00:15:56,289 薬草を採取していたときに 同じきのこを見つけまして。 232 00:15:56,289 --> 00:15:58,291 触ったのか? はい。 233 00:15:58,291 --> 00:16:01,294 すぐに洗い流しましたが このとおりです。 234 00:16:01,294 --> 00:16:05,465 その包帯の下にも まだ 痕が? 235 00:16:05,465 --> 00:16:08,634 いえ。 他は 私がやった実験の痕です。 236 00:16:08,634 --> 00:16:10,636 えっ? 実験って なんだ? 237 00:16:10,636 --> 00:16:13,306 趣味です。 なんだ? 趣味とは! 238 00:16:13,306 --> 00:16:16,142 《そういや 初めて見せたっけ》 239 00:16:16,142 --> 00:16:18,144 まあ そんなことは どうでもよく。 240 00:16:18,144 --> 00:16:20,146 そんなこと? フゥ…。 241 00:16:20,146 --> 00:16:22,982 葬儀で見た 静妃の遺体は➡ 242 00:16:22,982 --> 00:16:25,985 肌がただれ 髪が抜けていました。 243 00:16:25,985 --> 00:16:30,156 壬氏様は この毒の出どころを 探しておられたのでは? 244 00:16:30,156 --> 00:16:33,092 んっ…。 《相変わらず 察しがいい》 245 00:16:33,092 --> 00:16:39,265 ハァ…。 2年前 宗妃が 突然 謎の病にかかり➡ 246 00:16:39,265 --> 00:16:41,934 毒物が原因だと疑われた。 247 00:16:41,934 --> 00:16:44,437 その犯人と うわさされていたのが…。 248 00:16:44,437 --> 00:16:47,940 静妃。 そうだ。 249 00:16:47,940 --> 00:16:52,278 だが 実際に毒を盛った確証までは 得られなかった。 250 00:16:52,278 --> 00:16:58,117 そして 1年前 静妃にも 宗妃と同じ症状が現れた。 251 00:16:58,117 --> 00:17:02,121 同じ毒を 誰かに盛ろうとして 誤って触れてしまったんだろう。 252 00:17:02,121 --> 00:17:06,626 それからの静妃は 人が変わったように気落ちしてな。 253 00:17:06,626 --> 00:17:09,629 月に1度は 様子を見に行っていたが➡ 254 00:17:09,629 --> 00:17:12,965 ろくに 話もできない状況だった。 255 00:17:12,965 --> 00:17:16,302 もともと 気位の高い妃だ。 256 00:17:16,302 --> 00:17:20,306 耐えきれず 毒を含んで自殺したというのが➡ 257 00:17:20,306 --> 00:17:23,476 仕えていた侍女たちの証言だ。 258 00:17:23,476 --> 00:17:27,647 《一見 つじつまは合う。 だが…》 259 00:17:27,647 --> 00:17:30,983 静妃は 毒きのこを 口にして 死んだのですよね? 260 00:17:30,983 --> 00:17:34,587 そうだ。 だとすると おかしいです。 261 00:17:34,587 --> 00:17:36,756 どういうことだ? 262 00:17:36,756 --> 00:17:38,758 このきのこは 食べることで➡ 263 00:17:38,758 --> 00:17:42,094 腹痛や嘔吐 しびれを引き起こします。 264 00:17:42,094 --> 00:17:44,764 口の中には 炎症も起こりますが➡ 265 00:17:44,764 --> 00:17:47,767 顔にまで広がるとは 聞いたことがありません。 266 00:17:47,767 --> 00:17:50,269 本当か? はい。 267 00:17:50,269 --> 00:17:54,273 遺体の顔の腫れは まだ 新しいものに見えました。 268 00:17:54,273 --> 00:17:57,777 直接 毒きのこを こすりつけたような。 269 00:17:57,777 --> 00:18:00,780 《引き換え 手は きれいなままだった。 270 00:18:00,780 --> 00:18:02,782 ただれていたのは…》 271 00:18:06,118 --> 00:18:10,957 うおっ! 言いたいことが あるなら 言ってみろ。 272 00:18:10,957 --> 00:18:13,793 うえっ…。 スン スンスンスン…。 273 00:18:13,793 --> 00:18:16,629 数日 頂けませんか? 274 00:18:16,629 --> 00:18:19,799 できれば 力があって 口の堅い宦官を➡ 275 00:18:19,799 --> 00:18:23,302 数名 貸してください。 うん。 276 00:18:23,302 --> 00:18:26,973 確信はありませんよ。 それでも やれ。 277 00:18:26,973 --> 00:18:31,978 《まあ 命令されるほうが 気楽でいいか》 278 00:18:31,978 --> 00:18:34,180 わかりました。 279 00:18:37,083 --> 00:18:40,252 しかし 何を調べるつもりなのでしょう? 280 00:18:40,252 --> 00:18:42,588 小猫は。 わからん。 281 00:18:42,588 --> 00:18:48,928 だが ああいうときの薬屋は あとは 証拠を探すだけだ。 282 00:18:48,928 --> 00:19:02,441 ♬~ 283 00:19:02,441 --> 00:19:05,111 (においを嗅ぐ音) 284 00:19:05,111 --> 00:19:08,447 んっ…。 (においを嗅ぐ音) 285 00:19:08,447 --> 00:19:10,950 着きました。 286 00:19:10,950 --> 00:19:13,619 (高順たち)んっ…。 (高順)きのこ…。 287 00:19:13,619 --> 00:19:17,456 ここを掘っていただけますか? わかりました。 288 00:19:17,456 --> 00:19:27,633 ♬~ 289 00:19:27,633 --> 00:19:30,836 うっ…。 うっ… このにおいは…。 290 00:19:32,905 --> 00:19:34,907 んっ…。 291 00:19:43,082 --> 00:19:46,085 これが 証拠というわけですか。 292 00:19:46,085 --> 00:19:49,588 一発で当たるとは 思いませんでしたけどね。 293 00:19:51,590 --> 00:19:55,094 あの遺体 静妃で間違いなさそうだ。 294 00:19:55,094 --> 00:19:57,596 装飾品に 静妃の紋が入っていた。 295 00:19:57,596 --> 00:20:03,269 殺害か事故かは わかりませんが 1年前に死んでいたのでしょう。 296 00:20:03,269 --> 00:20:05,438 病に伏せったあたりか? 297 00:20:05,438 --> 00:20:08,441 はい。 本物は 林に埋められ➡ 298 00:20:08,441 --> 00:20:11,444 別人が成り済ましていたのだと 思います。 299 00:20:11,444 --> 00:20:15,114 では 葬儀の遺体は? 300 00:20:15,114 --> 00:20:17,616 行方不明の女官を ご存じですか? 301 00:20:17,616 --> 00:20:22,121 結婚を前に姿を消した 涛さんという方です。 302 00:20:22,121 --> 00:20:25,624 (高順/壬氏)んっ! 静妃と よく似ているのでは? 303 00:20:25,624 --> 00:20:30,129 聞き込みをしたところ 背格好も よく似ているとか。 304 00:20:30,129 --> 00:20:33,466 顔を隠せば それが 誰か判別できるのは➡ 305 00:20:33,466 --> 00:20:35,634 お付きの侍女くらいでしょう。 306 00:20:35,634 --> 00:20:39,972 月に1度の訪問者を ごまかすことも可能かと。 307 00:20:39,972 --> 00:20:45,478 つまり その涛という女官は 静妃の侍女と共謀していたと? 308 00:20:45,478 --> 00:20:49,148 恐らく。 詳しい事情は わかりませんが。 309 00:20:49,148 --> 00:20:51,484 ハァ…。 310 00:20:51,484 --> 00:20:54,487 《勝手な臆測なら ある。 311 00:20:54,487 --> 00:20:56,822 きっかけは嫉妬だろう。 312 00:20:56,822 --> 00:20:59,992 静妃は 自分に似た女官が 求愛されたことが➡ 313 00:20:59,992 --> 00:21:02,828 気に食わなかったのだ。 314 00:21:02,828 --> 00:21:06,832 自分は 帝が来てくださることも ないのにと。 315 00:21:06,832 --> 00:21:10,503 実際 涛は ひどく当たられていたらしい。 316 00:21:10,503 --> 00:21:15,841 それで いさかいとなったのか 事件か事故か 静妃は死んだ。 317 00:21:15,841 --> 00:21:19,345 侍女たちは 保身と 涛への同情からか➡ 318 00:21:19,345 --> 00:21:22,515 静妃の死を ごまかそうと提案した。 319 00:21:22,515 --> 00:21:24,850 涛に 断れるはずもない。 320 00:21:24,850 --> 00:21:28,687 だが 結婚話が進むにつれて➡ 321 00:21:28,687 --> 00:21:31,891 身代わりを続けることは 不可能になっていく》 322 00:21:34,627 --> 00:21:36,629 《うん やめよう。 323 00:21:36,629 --> 00:21:40,132 動機なんて お偉いさんが 勝手に付ければいい》 324 00:21:40,132 --> 00:21:42,968 しかし なぜ 遺体の埋まっている場所が➡ 325 00:21:42,968 --> 00:21:46,138 わかったんだ? 証拠が残っていましたので。 326 00:21:46,138 --> 00:21:48,140 証拠? 327 00:21:48,140 --> 00:21:51,143 きのこです! 328 00:21:51,143 --> 00:21:53,813 あの辺りに生えていたきのこは 動物の死体や➡ 329 00:21:53,813 --> 00:21:56,148 ふん尿の近くを好んで 生えるんです。 330 00:21:56,148 --> 00:21:58,984 どうりで 独特な腐臭がしていたはずです。 331 00:21:58,984 --> 00:22:03,322 まさか 死体の上で きのこ観察を 楽しんでいたとは…。 332 00:22:03,322 --> 00:22:05,324 ハッ! 333 00:22:05,324 --> 00:22:08,127 そのきのこ どうする気だ? 334 00:22:10,830 --> 00:22:13,499 大変 おもしろいきのこが たくさんあるんです。 335 00:22:13,499 --> 00:22:15,501 死体に生える きのこがか? 336 00:22:15,501 --> 00:22:20,339 そんな 冬虫夏草のような きのこは 見つかっていません。 337 00:22:20,339 --> 00:22:23,175 そっ… それに 人に生えるなら 冬人夏草かと。 338 00:22:23,175 --> 00:22:25,344 没収だ! うわっ! 339 00:22:25,344 --> 00:22:27,346 えっ! 340 00:22:27,346 --> 00:22:29,348 あ~! 341 00:22:29,348 --> 00:22:31,350 あ~…。 342 00:22:31,350 --> 00:22:34,286 《純粋な好奇心なのに…》 343 00:22:34,286 --> 00:22:36,288 んっ? 344 00:22:42,127 --> 00:22:44,930 《死体から生える きのこか…》 345 00:22:47,800 --> 00:22:50,302 《あるとすれば➡ 346 00:22:50,302 --> 00:22:55,107 どんな姿で どんな効用があるのだろう?》