1 00:02:13,533 --> 00:02:30,384 ♬~ 2 00:02:30,384 --> 00:02:32,719 (桜花)ほら 見て 猫猫。 3 00:02:32,719 --> 00:02:36,323 (猫猫)ほう… すごいですね。 でしょ? 4 00:02:36,323 --> 00:02:39,826 《なるほど わざわざ呼んだのは これのためか》 5 00:02:39,826 --> 00:02:41,828 (玉葉)立派な姿見でしょ? 6 00:02:41,828 --> 00:02:45,165 何で出来ているか わかるかしら。 7 00:02:45,165 --> 00:02:48,502 この反射 はり製でしょうか? 8 00:02:48,502 --> 00:02:50,504 当たりよ。 9 00:02:50,504 --> 00:02:53,340 ほんと 玉葉様が2人いるみたい。 10 00:02:53,340 --> 00:02:56,343 《はり製の鏡は 作るのが難しく➡ 11 00:02:56,343 --> 00:02:58,679 西方からの渡来品しかない。 12 00:02:58,679 --> 00:03:00,847 すこぶる高級品だ。 13 00:03:00,847 --> 00:03:05,185 うっかり割ってしまったら 首が飛んでも 文句は言えない》 14 00:03:05,185 --> 00:03:07,354 (貴園)前にも はり製の手鏡はあったけど➡ 15 00:03:07,354 --> 00:03:09,356 桜花が割っちゃったからね。 うっ…。 16 00:03:09,356 --> 00:03:11,858 もう それは言わないでよ! 17 00:03:11,858 --> 00:03:14,861 《玉葉様が おおらかな人でよかった》 18 00:03:14,861 --> 00:03:17,864 はぁ…。 19 00:03:17,864 --> 00:03:20,200 猫猫も 興味あるんだ? 20 00:03:20,200 --> 00:03:23,703 はい。 どういう構造に なっているのでしょうか? 21 00:03:23,703 --> 00:03:27,874 国内で量産できるようになれば もうけることが…。 22 00:03:27,874 --> 00:03:29,876 うん そうだね。 23 00:03:29,876 --> 00:03:34,147 この姿見はね 異国の特使からの献上品なの。 24 00:03:34,147 --> 00:03:36,149 特使様ですか。 25 00:03:36,149 --> 00:03:39,152 《そういえば やぶ医者が言ってたな。 26 00:03:39,152 --> 00:03:41,321 大規模な隊商が来たのは➡ 27 00:03:41,321 --> 00:03:45,158 異国の特使を迎えるための 先行隊だとか》 28 00:03:45,158 --> 00:03:48,328 他の上級妃にも 贈っているみたいだけどね。 29 00:03:48,328 --> 00:03:50,831 (紅娘)そういう言い方は やめなさい。 あっ…。 30 00:03:50,831 --> 00:03:54,501 《玉葉妃を含めた上級妃は4人。 31 00:03:54,501 --> 00:03:58,004 特使としても 誰かだけをひいきにはできない。 32 00:03:58,004 --> 00:04:02,008 こんな立派な姿見を 4枚も持ってくるなんて➡ 33 00:04:02,008 --> 00:04:04,010 砂漠を越えるにしても 海を越えるにしても➡ 34 00:04:04,010 --> 00:04:06,012 大変だったろう。 35 00:04:06,012 --> 00:04:08,849 妃たちに ここまで気を使うとは➡ 36 00:04:08,849 --> 00:04:10,851 この国に大きな商談でも➡ 37 00:04:10,851 --> 00:04:13,520 持ちかけているのかも しれないな》 38 00:04:13,520 --> 00:04:17,524 (高順)小猫 今 よろしいですか? 39 00:04:17,524 --> 00:04:20,026 高順様 どうなさったのですか? 40 00:04:20,026 --> 00:04:24,364 少し 小猫の意見を 聞かせてほしいことがありまして。 41 00:04:24,364 --> 00:04:26,867 紅娘様 場所を お借りしても? 42 00:04:26,867 --> 00:04:31,037 ええ かまいませんが 込み入ったお話なんですか? 43 00:04:31,037 --> 00:04:33,039 うん。 44 00:04:34,975 --> 00:04:38,311 《2人きりは まずいと 紅娘様も同席してくれたが➡ 45 00:04:38,311 --> 00:04:40,647 高順様が 妻子持ちと知って➡ 46 00:04:40,647 --> 00:04:43,316 すっかり 興味を失ったらしいな》 47 00:04:43,316 --> 00:04:48,822 それで お役に立てるかは わかりませんが 話というのは? 48 00:04:48,822 --> 00:04:53,160 実は 知人が 大層 困っておりまして。 49 00:04:53,160 --> 00:04:55,328 大変 妙な話なのですが…。 50 00:04:55,328 --> 00:04:59,666 とある良家に 2人の娘がいました。 51 00:04:59,666 --> 00:05:04,504 年が近く よく似た姉妹は 両親に愛されて育ちましたが➡ 52 00:05:04,504 --> 00:05:08,175 年頃になると 過保護とも 言えるほどになりまして。 53 00:05:08,175 --> 00:05:13,346 1人は もちろんのこと 2人でも 外に出ることは許されず➡ 54 00:05:13,346 --> 00:05:15,348 監視役の侍女を付けられ➡ 55 00:05:15,348 --> 00:05:18,185 姉妹は 家に閉じこもる日々でした。 56 00:05:18,185 --> 00:05:22,689 哀れに思った侍女が 時折 連れ出すこともありましたが➡ 57 00:05:22,689 --> 00:05:25,192 それが 父親に知られてしまい➡ 58 00:05:25,192 --> 00:05:28,195 部屋の外にも 下男を監視役に置き➡ 59 00:05:28,195 --> 00:05:33,800 夜は 鍵をかけて 出られないようにしたそうです。 60 00:05:33,800 --> 00:05:36,136 もともと 内向的な姉妹は➡ 61 00:05:36,136 --> 00:05:39,139 1日中 部屋で 刺しゅうをしていましたが➡ 62 00:05:39,139 --> 00:05:41,141 あるとき…。 63 00:05:41,141 --> 00:05:43,143 ((父様 妹が➡ 64 00:05:43,143 --> 00:05:45,745 仙人の子を みごもりました)) 65 00:05:49,816 --> 00:05:53,153 それは…。 妙な話ですね。 66 00:05:53,153 --> 00:05:56,323 また 侍女が こっそり 外出させたのでは? 67 00:05:56,323 --> 00:06:01,661 いえ。 外出させた侍女は 見せしめ的に解雇されました。 68 00:06:01,661 --> 00:06:05,165 新しい侍女は あまり 姉妹と 接していなかったそうです。 69 00:06:05,165 --> 00:06:08,335 では ふらちな話ですが➡ 70 00:06:08,335 --> 00:06:11,671 監視役の下男と… とか? 71 00:06:11,671 --> 00:06:15,342 それも 難しいですね。 下男は 監視のためでも➡ 72 00:06:15,342 --> 00:06:18,178 部屋に近づくことも 許されていませんでした。 73 00:06:18,178 --> 00:06:23,350 確かに 困った話ですが 私の領分ではない気がします。 74 00:06:23,350 --> 00:06:25,352 殿方と通じずに➡ 75 00:06:25,352 --> 00:06:28,188 子を みごもる例はないか という話なら➡ 76 00:06:28,188 --> 00:06:32,359 わからなくもないですが。 そんなことがあるの? 77 00:06:32,359 --> 00:06:34,461 実際に 子が宿るのではなく➡ 78 00:06:34,461 --> 00:06:37,631 妊娠したように 体が錯覚を起こすのです。 79 00:06:37,631 --> 00:06:39,966 妓楼でも 若い妓女が➡ 80 00:06:39,966 --> 00:06:42,469 好きな男の 子どもを みごもったと➡ 81 00:06:42,469 --> 00:06:44,638 言いだしたことがありました。 82 00:06:44,638 --> 00:06:48,141 実際に妊娠したわけではなくて? はい。 83 00:06:48,141 --> 00:06:52,312 それでも 月のものが止まったり 胸や腹が張ってきたり➡ 84 00:06:52,312 --> 00:06:55,649 思い込みが 体に及ぼす影響は大きいんです。 85 00:06:55,649 --> 00:06:59,819 その妹が みごもったことは 確かなんですか? 86 00:06:59,819 --> 00:07:02,322 えっ… ええ…。 まあ…。 87 00:07:02,322 --> 00:07:05,825 そういうことに しておいてください。 うん? 88 00:07:05,825 --> 00:07:08,161 問題は 監視を逃れて➡ 89 00:07:08,161 --> 00:07:11,164 妹が抜け出すことが できたかどうかです。 90 00:07:11,164 --> 00:07:14,167 では 姉妹が どのように監視されていたのか➡ 91 00:07:14,167 --> 00:07:16,169 わかりますか? ええ。 92 00:07:16,169 --> 00:07:18,505 こちらに 見取り図が。 93 00:07:18,505 --> 00:07:20,507 (2人)うん…。 94 00:07:20,507 --> 00:07:23,510 (高順)姉妹が住んでいたのは 北側にある離れで➡ 95 00:07:23,510 --> 00:07:27,514 本宅とは 西の渡り廊下で つながっています。 96 00:07:27,514 --> 00:07:31,017 かわやは どちらに? 離れの中にあります。 97 00:07:31,017 --> 00:07:33,954 もし 妹が抜け出すとしたら…。 98 00:07:33,954 --> 00:07:36,790 出入り口は 西側の廊下にしかありません。 99 00:07:36,790 --> 00:07:39,959 あとは 東側と南側に 窓がありますが➡ 100 00:07:39,959 --> 00:07:42,128 下男が監視していました。 101 00:07:42,128 --> 00:07:45,799 下男は どの辺りから 監視していたのでしょう。 102 00:07:45,799 --> 00:07:49,135 (高順) 南側の窓は 本宅の3階から➡ 103 00:07:49,135 --> 00:07:53,139 東側の窓は 1階から 監視していたらしいです。 104 00:07:53,139 --> 00:07:57,143 ふむ…。 見える範囲は かなり限られますね。 105 00:07:57,143 --> 00:07:59,979 室内は ほとんど見えないのでは? ええ。 106 00:07:59,979 --> 00:08:02,649 ただ 姉妹は 窓辺で➡ 107 00:08:02,649 --> 00:08:05,485 刺しゅうをしていることが 多かったそうで…。 108 00:08:05,485 --> 00:08:08,488 変わった趣味ですね。 刺しゅうだなんて。 109 00:08:08,488 --> 00:08:11,324 元は 放牧の民だったようで。 110 00:08:11,324 --> 00:08:17,330 《なんだろう? 肝心なところは ぼかしているような気がする。 111 00:08:17,330 --> 00:08:21,835 東と南 窓があるのは 同じ部屋のようだ。 112 00:08:21,835 --> 00:08:25,338 寝室は 姉妹で別々に用意してある》 113 00:08:25,338 --> 00:08:30,343 この離れ 元は 来賓用ですか? よく気が付きましたね。 114 00:08:30,343 --> 00:08:33,446 監視は 何人いたのですか? 2人です。 115 00:08:33,446 --> 00:08:37,117 それぞれ 持ち場は ずっと同じでした。 うん…。 116 00:08:37,117 --> 00:08:39,953 《ずいぶんと 詳細を知っている。 117 00:08:39,953 --> 00:08:43,456 そのくせ すべては語っていない。 この感じ…。 118 00:08:43,456 --> 00:08:47,460 これは 本当に 知人の話なのか?》 119 00:08:47,460 --> 00:08:49,462 う~ん…。 《口にしたいような➡ 120 00:08:49,462 --> 00:08:52,132 したくないような…》 う~ん…。 121 00:08:52,132 --> 00:08:54,968 そういえば 小猫。 122 00:08:54,968 --> 00:08:56,970 壬氏様から 言づてで➡ 123 00:08:56,970 --> 00:08:58,972 牛黄が遅れそうなので➡ 124 00:08:58,972 --> 00:09:01,141 わびの品だそうです。 んっ? 125 00:09:01,141 --> 00:09:04,477 《牛黄! そういえば まだ もらっていなかった。 126 00:09:04,477 --> 00:09:06,479 また頭突きをされては たまらないと➡ 127 00:09:06,479 --> 00:09:08,982 黙っていたが 確かに遅い!》 128 00:09:08,982 --> 00:09:13,486 申し訳ありません。 急に 需要が高まったようで。 129 00:09:13,486 --> 00:09:16,990 どうして いきなり? んっ…。 130 00:09:16,990 --> 00:09:19,659 最近 壬氏様の元に➡ 131 00:09:19,659 --> 00:09:23,163 貴重な霊薬を贈る者が多いと 聞きましたよ。 132 00:09:23,163 --> 00:09:26,499 やけに熱心に探していると うわさですから。 133 00:09:26,499 --> 00:09:28,835 まっ… まあ そういうことで。 134 00:09:28,835 --> 00:09:32,005 こちらを どうぞ。 135 00:09:32,005 --> 00:09:35,442 あっ…。 136 00:09:35,442 --> 00:09:40,447 うわ~! ハハハハ…。 137 00:09:40,447 --> 00:09:42,449 はい~…。 138 00:09:42,449 --> 00:09:44,617 なんですか? これ。 139 00:09:44,617 --> 00:09:47,787 熊胆です。 熊の胆のうを乾かした物で➡ 140 00:09:47,787 --> 00:09:50,123 苦みがありますが 消化器系の病で重宝される➡ 141 00:09:50,123 --> 00:09:54,294 貴重な生薬です! フフン! 喜んでいただけて 何よりです。 142 00:09:54,294 --> 00:09:57,630 本当は 壬氏様が 直接 渡したかったようですが。 143 00:09:57,630 --> 00:10:00,133 フッ…。 フッフフン! 144 00:10:00,133 --> 00:10:03,970 (高順)それで 何か気付いたことは ありませんか? 145 00:10:03,970 --> 00:10:07,774 わかりました。 少し お待ちいただけますか? 146 00:10:15,148 --> 00:10:17,817 この木の実が姉妹だとして➡ 147 00:10:17,817 --> 00:10:20,820 いつも座っているのは この辺りで合っていますか? 148 00:10:20,820 --> 00:10:22,822 (高順)そうですね。 149 00:10:22,822 --> 00:10:24,991 監視は 2人。 それぞれが➡ 150 00:10:24,991 --> 00:10:28,828 いつも 同じ場所で見張っていた。 そこで…。 151 00:10:28,828 --> 00:10:32,332 こんなふうに 鏡を置いてみたら どうでしょう。 152 00:10:32,332 --> 00:10:36,336 (高順/紅娘)あっ! もう1つ 木の実があるように見えます。 153 00:10:36,336 --> 00:10:39,339 同じように この 東の窓の近くに➡ 154 00:10:39,339 --> 00:10:41,341 大きな鏡があったら どうでしょう? 155 00:10:41,341 --> 00:10:44,511 監視の位置からだと 遠目になるので➡ 156 00:10:44,511 --> 00:10:47,180 多少 不自然でも わからないでしょう。 157 00:10:47,180 --> 00:10:50,016 つまり 部屋にいたのは 1人だけで➡ 158 00:10:50,016 --> 00:10:53,353 もう1人は 鏡に映った姿というわけですか? 159 00:10:53,353 --> 00:10:56,523 うん。 よく似た姉妹なら➡ 160 00:10:56,523 --> 00:10:59,692 監視役が見分けるのは 難しいかもしれません。 161 00:10:59,692 --> 00:11:02,695 でも猫猫 刺しゅうは どうなの? 162 00:11:02,695 --> 00:11:06,032 2人は それぞれ違う物を 刺しゅうしていたのでしょう? 163 00:11:06,032 --> 00:11:08,535 ええ。 動物だと聞いています。 164 00:11:08,535 --> 00:11:10,703 たしか 鳥と うさぎとか。 165 00:11:10,703 --> 00:11:12,705 例えば➡ 166 00:11:12,705 --> 00:11:15,308 こんな絵だとすれば どうでしょう。 167 00:11:17,877 --> 00:11:19,879 この絵を逆さまにすると➡ 168 00:11:19,879 --> 00:11:22,882 笑った顔が 怒った顔のように見えませんか? 169 00:11:22,882 --> 00:11:25,385 (高順/紅娘)あっ…。 じゃあ その刺しゅうも➡ 170 00:11:25,385 --> 00:11:27,387 だまし絵だったってこと? 171 00:11:27,387 --> 00:11:30,723 鏡に映って 左右が逆になったら➡ 172 00:11:30,723 --> 00:11:32,725 別の物に見えるような柄を➡ 173 00:11:32,725 --> 00:11:35,161 刺しゅうしていたのかも しれません。 174 00:11:35,161 --> 00:11:38,498 1人が 南側の窓辺で 刺しゅうしている間➡ 175 00:11:38,498 --> 00:11:43,169 もう1人が 西側の出入り口から 抜け出すのは可能だと思います。 176 00:11:43,169 --> 00:11:46,506 なるほど。 確かに その方法なら➡ 177 00:11:46,506 --> 00:11:49,842 抜け出して あいびきもできますね。 178 00:11:49,842 --> 00:11:52,512 《異国の特使が持ってきた姿見➡ 179 00:11:52,512 --> 00:11:54,847 あんなに美しく映るのだから➡ 180 00:11:54,847 --> 00:11:58,685 遠目に見れば 十分 間違えてしまうだろう。 181 00:11:58,685 --> 00:12:02,021 昔 おやじが留学していた 西方の国では➡ 182 00:12:02,021 --> 00:12:06,693 刺しゅうは 上流階級の子女の たしなみだったそうだ。 183 00:12:06,693 --> 00:12:09,696 高順様は 良家の子女が家を抜け出し➡ 184 00:12:09,696 --> 00:12:11,864 子を はらんだと言ったが➡ 185 00:12:11,864 --> 00:12:15,201 どこまで本当なのか 疑わしい。 186 00:12:15,201 --> 00:12:17,203 実際に はらんだのは➡ 187 00:12:17,203 --> 00:12:19,872 もっと違う秘密なのかもしれない。 188 00:12:19,872 --> 00:12:22,375 密偵の疑いがある者を➡ 189 00:12:22,375 --> 00:12:25,378 客人として扱うこともあるだろう。 190 00:12:25,378 --> 00:12:29,716 されど それを追求するような 深入りはしない。 191 00:12:29,716 --> 00:12:31,884 それよりも…。 フフーン!》 192 00:12:31,884 --> 00:12:33,820 はぁ…。 193 00:12:33,820 --> 00:12:36,823 この熊胆で 何を作ろうかな? 194 00:12:36,823 --> 00:12:38,825 ハァ…。 アハッ! アハハ…。 195 00:12:41,995 --> 00:12:45,999 (高順)真珠の涙を流す 絶世の美女ですか…。 196 00:12:45,999 --> 00:12:50,169 (壬氏)ああ。 接待対応の高官に 泣きつかれてな。 197 00:12:50,169 --> 00:12:53,840 壬氏様 わざわざ お仕事を増やさなくても…。 198 00:12:53,840 --> 00:12:55,842 わかっている。 199 00:12:58,011 --> 00:13:04,183 姿見といい 特使たちは 一体 何を考えているんだ。 200 00:13:04,183 --> 00:13:08,354 薬屋。 真珠の涙を流す 絶世の美女の話を➡ 201 00:13:08,354 --> 00:13:10,356 聞いたことはないか? 202 00:13:10,356 --> 00:13:12,358 んっ…。 203 00:13:12,358 --> 00:13:15,528 んっ? なんだ? 《絶世の美人なら➡ 204 00:13:15,528 --> 00:13:18,698 目の前にいますよと 言いたいが…》 205 00:13:18,698 --> 00:13:22,702 ウフフフ。 真珠の涙とは どういうことでしょう? 206 00:13:22,702 --> 00:13:25,371 詳しいことは知らないが➡ 207 00:13:25,371 --> 00:13:29,042 月の精のような美女で➡ 208 00:13:29,042 --> 00:13:33,046 彼女が踊れば 祝福するように 光が舞い➡ 209 00:13:33,046 --> 00:13:37,150 その涙は 真珠となり こぼれ落ちたとか。 210 00:13:37,150 --> 00:13:40,653 どうやら 花街の妓女だったらしいのだが。 211 00:13:40,653 --> 00:13:43,990 月の精ですか。 なんで また 急に? 212 00:13:43,990 --> 00:13:46,993 今 来ている特使の たっての願いでな。 213 00:13:46,993 --> 00:13:49,829 特使というと 西方の? 214 00:13:49,829 --> 00:13:53,666 ああ。 幼いころ 特使は 祖父から➡ 215 00:13:53,666 --> 00:13:57,837 月の精の話を 何度も聞かされていたらしい。 216 00:13:57,837 --> 00:14:01,841 それで 会ってみたいので 捜してほしいと言われたのだ。 217 00:14:01,841 --> 00:14:05,678 祖父ということは かなり昔のことですね。 218 00:14:05,678 --> 00:14:10,183 ああ。 無理難題だが 大事な外交の相手だ。 219 00:14:10,183 --> 00:14:12,685 できるかぎり 応えたい。 220 00:14:12,685 --> 00:14:15,355 何か うわさだけでも 聞いたことはないか? 221 00:14:15,355 --> 00:14:18,191 《う~ん… 50年前。 222 00:14:18,191 --> 00:14:22,028 花街の踊り子 月の精…》 223 00:14:22,028 --> 00:14:25,531 あっ! もちろん 何十年前の話だから➡ 224 00:14:25,531 --> 00:14:27,867 今 生きているかどうか わからないが。 225 00:14:27,867 --> 00:14:31,204 生きてますよ。 えっ? んっ? 本当か? 226 00:14:31,204 --> 00:14:33,306 本当も何も 壬氏様は➡ 227 00:14:33,306 --> 00:14:36,309 会ったこともあるじゃないですか 花街で。 228 00:14:36,309 --> 00:14:38,478 私が? ええ。 229 00:14:38,478 --> 00:14:41,814 それらしい人物に 会った記憶はないが…。 230 00:14:41,814 --> 00:14:45,318 すぐに思い当たらなくても 無理ないと思います。 231 00:14:45,318 --> 00:14:48,654 まさか…。 その まさかです。 232 00:14:48,654 --> 00:14:52,492 やり手婆ですよ。 緑青館の。 233 00:14:52,492 --> 00:14:54,660 (2人)あっ…。 234 00:14:54,660 --> 00:14:56,662 まあ どんな方なの? 235 00:14:56,662 --> 00:14:58,664 (壬氏/高順)んっ…。 236 00:14:58,664 --> 00:15:02,168 金子さえ積めば すぐ参じると思いますけど➡ 237 00:15:02,168 --> 00:15:05,505 どうしますか? うっ あっ いや それは…。 238 00:15:05,505 --> 00:15:11,010 でも 先方も 50年前の人物だと わかってるのでしょう? 239 00:15:11,010 --> 00:15:13,346 代わりの美女では だめなのですか? 240 00:15:13,346 --> 00:15:18,184 それが… もう 美女を集めての 宴席は設けたんだ。 241 00:15:18,184 --> 00:15:20,686 月の精ほどではなくても➡ 242 00:15:20,686 --> 00:15:23,189 粒ぞろいを 集めたつもりだったが…。 243 00:15:27,860 --> 00:15:32,865 相手は 満足した様子はなく むしろ 鼻で笑うようだったと。 244 00:15:32,865 --> 00:15:34,967 《どんなやつだよ?》 245 00:15:34,967 --> 00:15:38,304 失礼ですが その美女たちに 夜のお相手のほうは…。 246 00:15:38,304 --> 00:15:40,473 あっ 猫猫! 247 00:15:40,473 --> 00:15:42,975 いや その手は 無理だった。 248 00:15:42,975 --> 00:15:45,478 特使は 女性だからな。 249 00:15:45,478 --> 00:15:49,982 《ああ それで 壬氏様に話が回ってきたのか。 250 00:15:49,982 --> 00:15:54,487 誰もが見とれる容姿を持ち 性別は 一応 男。 251 00:15:54,487 --> 00:15:59,158 女性を夢中にさせるのに 十分な逸材である。 252 00:15:59,158 --> 00:16:01,661 しかし 面倒も起こりうる。 253 00:16:01,661 --> 00:16:05,164 色仕掛けを本気にされ 夜とぎを求められても➡ 254 00:16:05,164 --> 00:16:07,166 使えるものがない。 255 00:16:07,166 --> 00:16:11,504 もちろん 女の身でありながら 特使という立場にあれば➡ 256 00:16:11,504 --> 00:16:14,173 そういう 浅はかなまねは しないだろうが➡ 257 00:16:14,173 --> 00:16:16,676 避けておくに越したことはない》 258 00:16:16,676 --> 00:16:19,011 その特使というのは➡ 259 00:16:19,011 --> 00:16:21,514 どれほど重要な 相手なのでしょうか。 260 00:16:21,514 --> 00:16:25,852 西と北の交易拠点を押さえている と言えば わかるか。 261 00:16:25,852 --> 00:16:28,688 今回 隊商の規模が大きかったのも➡ 262 00:16:28,688 --> 00:16:32,191 お互いに 新たな交易の話を 進めたいからだ。 263 00:16:32,191 --> 00:16:36,963 なるほど。 遠方の国では 他国との婚姻が進み➡ 264 00:16:36,963 --> 00:16:40,466 そこらじゅうに 美男美女がいると 聞いたことがあります。 265 00:16:40,466 --> 00:16:44,971 《そんな国の人間に 月の精とまで言わせたとは…》 266 00:16:44,971 --> 00:16:48,474 香に 幻覚剤でも混ぜたのでしょうか? 267 00:16:48,474 --> 00:16:50,476 そんなことをするのか? 268 00:16:50,476 --> 00:16:53,145 しませんけど いちばん手っとり早いかと。 269 00:16:53,145 --> 00:16:56,148 そんなことをすれば 外交問題になる。 270 00:16:56,148 --> 00:16:58,818 ん~… この際 なんでもいい。 271 00:16:58,818 --> 00:17:01,153 何か 当時の情報はないのか? 272 00:17:01,153 --> 00:17:03,823 《よほど困っているな…。 273 00:17:03,823 --> 00:17:06,325 では わらにもすがるつもりで》 274 00:17:08,494 --> 00:17:10,696 わざわざ 来てもらって悪いね。 275 00:17:13,332 --> 00:17:16,168 (やり手婆)なんだか 妙な話を持ってきたね。 276 00:17:16,168 --> 00:17:21,340 フン…。 ずいぶん しけたとこだね。 茶の1杯も出ないのかい? 277 00:17:21,340 --> 00:17:24,176 ここ 面会室みたいなもんだから。 278 00:17:24,176 --> 00:17:29,181 婆さん 昔 異国の特使の 接待をしたんだって? 279 00:17:29,181 --> 00:17:31,183 ああ そうだよ。 280 00:17:31,183 --> 00:17:36,289 50年以上前だったかね 前の前の主上様の時代さ。 281 00:17:36,289 --> 00:17:39,959 元は 遺跡を利用して 作られた街があって➡ 282 00:17:39,959 --> 00:17:43,296 物見遊山の人が たくさん来てたんだ。 283 00:17:43,296 --> 00:17:45,464 人の往来の多い所だったから➡ 284 00:17:45,464 --> 00:17:47,466 急に 都になると決まって➡ 285 00:17:47,466 --> 00:17:50,636 ひともんちゃく あったらしいけどね。 286 00:17:50,636 --> 00:17:53,306 まだ遷都したてで 立派な城もなくて➡ 287 00:17:53,306 --> 00:17:56,309 接待する場所がなかったんだよ。 288 00:17:56,309 --> 00:17:58,311 お上も ずいぶん悩んで➡ 289 00:17:58,311 --> 00:18:01,647 結局 残っていた 遺跡を使うことになった。 290 00:18:01,647 --> 00:18:03,649 元は 何かの祭儀場で➡ 291 00:18:03,649 --> 00:18:07,820 果樹園の近くに きれいな池と建物があってね。 292 00:18:07,820 --> 00:18:09,822 《あっ それって…。 293 00:18:09,822 --> 00:18:14,493 先日 訪れた後宮北側には 荒れた果樹園があった。 294 00:18:14,493 --> 00:18:16,495 当時の うたげの会場が➡ 295 00:18:16,495 --> 00:18:19,665 今の後宮の中にあっても おかしくはない》 296 00:18:19,665 --> 00:18:22,668 そこを舞台にした 踊り手の主役として➡ 297 00:18:22,668 --> 00:18:25,671 花街から選ばれたのが 私だったのさ。 298 00:18:25,671 --> 00:18:27,673 選ばれた理由は? 299 00:18:27,673 --> 00:18:31,844 そりゃ 当時の花街で 最上級の妓女だったからだよ。 300 00:18:31,844 --> 00:18:34,947 私を主役に 十数人が踊ったよ。 301 00:18:34,947 --> 00:18:39,118 《今の姿は 花というより 枯れ枝だけど》 302 00:18:39,118 --> 00:18:42,955 しかし まあ いちばんの理由は 体格だろうね。 303 00:18:42,955 --> 00:18:45,958 えっ? (やり手婆)私は 背も高くて➡ 304 00:18:45,958 --> 00:18:48,461 体に メリハリもあったから。 305 00:18:48,461 --> 00:18:51,464 《確かに 主役として 舞台に立ったら➡ 306 00:18:51,464 --> 00:18:54,633 体は大きいほうがいいだろう》 (やり手婆)ただね…。 307 00:18:54,633 --> 00:18:56,802 んっ? 即興の場だったから➡ 308 00:18:56,802 --> 00:18:59,305 準備には かなり手間取ったんだよ。 309 00:18:59,305 --> 00:19:02,141 月の満ち欠けまで計算して➡ 310 00:19:02,141 --> 00:19:04,477 宴席から見える景色を よくするのに➡ 311 00:19:04,477 --> 00:19:06,812 障害物を どけてさ。 312 00:19:06,812 --> 00:19:09,649 果樹園が近いから 虫も多くて➡ 313 00:19:09,649 --> 00:19:14,320 事前に葉に付いた幼虫を 1匹残らず駆除して。 314 00:19:14,320 --> 00:19:19,659 まあ 結局 かがり火の明かりで 虫は寄ってきたんだけどね。 315 00:19:19,659 --> 00:19:21,660 そこまで用意したのに➡ 316 00:19:21,660 --> 00:19:25,498 当日 私の衣装に いたずらするやつらがいたのさ。 317 00:19:25,498 --> 00:19:29,001 虫の死骸を こすりつけられてね。 318 00:19:29,001 --> 00:19:32,505 でも 私は そんな やわじゃない。 319 00:19:32,505 --> 00:19:35,107 ひれで隠して うまく やり遂げたさ。 320 00:19:35,107 --> 00:19:37,109 結果は 大絶賛。 321 00:19:37,109 --> 00:19:39,945 いたずらしたやつは 悔しがってたよ。 322 00:19:39,945 --> 00:19:43,783 その話 何度も聞いた。 もっと 違うことない? 323 00:19:43,783 --> 00:19:47,453 かわいくない子だね! ん~… 痛っ…。 324 00:19:47,453 --> 00:19:49,455 フン! んっ? 325 00:19:51,624 --> 00:19:56,629 ああ…。 《きれいな絵だ。 初めて見た。 326 00:19:56,629 --> 00:19:59,298 やり手婆も 大切にしていたのだろう。 327 00:19:59,298 --> 00:20:02,802 この幻想的な美女が➡ 328 00:20:02,802 --> 00:20:05,638 金の亡者になるなんて…》 329 00:20:05,638 --> 00:20:07,640 んっ…。 330 00:20:07,640 --> 00:20:09,809 これは その特使というのが➡ 331 00:20:09,809 --> 00:20:13,312 わざわざ 国に帰って 絵描きに描かせたそうだよ。 332 00:20:13,312 --> 00:20:15,815 月女神だなんて言ってね。 333 00:20:15,815 --> 00:20:19,652 ああ なるほど。 この絵も美化されているわけか。 334 00:20:19,652 --> 00:20:22,154 何か言ったかい? なんでもないよ。 335 00:20:22,154 --> 00:20:27,493 フッ フンッ! 当人は二度と この地を 踏むことはなかったけど➡ 336 00:20:27,493 --> 00:20:31,330 隊商に預けて 届けてくれたのさ。 337 00:20:31,330 --> 00:20:35,501 でも 婆さんは 普通に いつもどおり仕事しただけだろ? 338 00:20:35,501 --> 00:20:37,503 なんで そんなに気に入られてたの? 339 00:20:37,503 --> 00:20:40,005 そんなの 私も知らないよ! 340 00:20:43,175 --> 00:20:46,345 《やり手婆は 物事を客観視できる人間だ。 341 00:20:46,345 --> 00:20:48,848 誇張はないだろう。 342 00:20:48,848 --> 00:20:53,686 しかし いくら当時の婆さんが 美人だったとしても➡ 343 00:20:53,686 --> 00:20:57,990 女神とまで言わしめたのは なんだったのか》 344 00:21:00,526 --> 00:21:02,862 う~ん… わからんな。 345 00:21:02,862 --> 00:21:06,866 とりあえず この絵に よく似た人物を 探しますか? 346 00:21:06,866 --> 00:21:09,368 そのくらいしか思いつかんな。 347 00:21:09,368 --> 00:21:11,537 《正直 この絵に似た➡ 348 00:21:11,537 --> 00:21:14,874 大柄な美女を見つけるのは 難しいだろう》 349 00:21:14,874 --> 00:21:16,876 いっそ 顔は似てなくても➡ 350 00:21:16,876 --> 00:21:19,879 大柄な女を見つけてみては どうでしょう。 351 00:21:19,879 --> 00:21:22,548 今では ずいぶん縮んでしまいましたが➡ 352 00:21:22,548 --> 00:21:25,718 当時は 身長が 175センチあったそうです。 353 00:21:25,718 --> 00:21:30,389 ずいぶんと大柄だな。 ええ。 舞を得意としていたので➡ 354 00:21:30,389 --> 00:21:33,659 手足の長いほうが よく映えたとのことです。 355 00:21:33,659 --> 00:21:39,165 しかし 彼女たちに匹敵する美女で 大柄となると 難度が高いぞ。 356 00:21:39,165 --> 00:21:42,168 特使様たちも それくらいの背丈ですし➡ 357 00:21:42,168 --> 00:21:46,839 あまり小さいと 童のように 見えるのでは? うん…。 358 00:21:46,839 --> 00:21:50,843 特使様たち? 1人ではないのですか? 359 00:21:50,843 --> 00:21:54,680 ええ。 同じ祖父を持つ いとこだそうで。 360 00:21:54,680 --> 00:22:00,186 《さっきの物言いだと 特使たちも かなりの美人なのだろう。 361 00:22:00,186 --> 00:22:04,356 となれば やはり 背丈が 175センチを超える➡ 362 00:22:04,356 --> 00:22:09,028 美女を黙らせるほどの 美貌の持ち主を…》 363 00:22:09,028 --> 00:22:11,197 あっ! (壬氏/高順)んっ? 364 00:22:11,197 --> 00:22:14,700 見つけました。 大変 適役な人物。 365 00:22:14,700 --> 00:22:18,704 背丈が 175センチを超える美人… でしょ? 366 00:22:18,704 --> 00:22:20,706 あっ…。 367 00:22:23,375 --> 00:22:26,779 んっ? んっ… 何が言いたい? 368 00:22:32,051 --> 00:22:33,986 (楼蘭)フフフッ…。 369 00:22:33,986 --> 00:22:47,333 ♬~ 370 00:22:47,333 --> 00:22:50,236 (子翠)んっ? うわ~!