1 00:02:18,672 --> 00:02:22,009 《猫猫:うわさというのは 尾ひれが付くものである。 2 00:02:22,009 --> 00:02:25,178 広く遠くへ伝わるほど 事実とは異なり➡ 3 00:02:25,178 --> 00:02:28,515 時には うわさが うわさに とどまらなくなる。 4 00:02:28,515 --> 00:02:31,184 伝承や神話の類いも➡ 5 00:02:31,184 --> 00:02:34,187 似たようなものなの かもしれないな》 6 00:02:36,623 --> 00:02:38,625 いってきます。 7 00:02:38,625 --> 00:02:40,794 (紅娘)いってらっしゃい。 8 00:02:40,794 --> 00:02:44,131 後宮の北側にある 荒れた桃園。 9 00:02:44,131 --> 00:02:47,634 近くには 古い廟のような建物。 10 00:02:47,634 --> 00:02:49,970 そして 池。 11 00:02:49,970 --> 00:02:53,640 《昔 この辺りに 他の民族が住んでいたそうで➡ 12 00:02:53,640 --> 00:02:56,977 残された建物や外壁 地下水路は➡ 13 00:02:56,977 --> 00:03:00,814 今も そのまま 利用されているという》 14 00:03:00,814 --> 00:03:03,483 うわっ! だ~れだ? 15 00:03:03,483 --> 00:03:05,485 子翠。 16 00:03:05,485 --> 00:03:08,155 (子翠) 正解! 声で ばれちゃった? 17 00:03:08,155 --> 00:03:12,492 《この人懐っこさ さすが 小蘭の だべり友達》 18 00:03:12,492 --> 00:03:15,328 ハハハッ! 猫猫 何してんの? 19 00:03:15,328 --> 00:03:17,998 子翠こそ なんで こんな所に? 20 00:03:17,998 --> 00:03:21,334 私? 私は ちょっと用があって。 21 00:03:21,334 --> 00:03:23,336 ウフフフー。 22 00:03:23,336 --> 00:03:25,338 つまみ食い? (子翠)違うけど。 23 00:03:25,338 --> 00:03:27,340 これ これ! 24 00:03:27,340 --> 00:03:31,178 うん? 25 00:03:31,178 --> 00:03:33,947 うっ…。 かわいいでしょ! 26 00:03:33,947 --> 00:03:36,450 普通 これ 嫌がらせに取られるから➡ 27 00:03:36,450 --> 00:03:38,452 やらないほうがいいよ。 28 00:03:38,452 --> 00:03:41,955 え~? なんで? こんなに かわいいのに。 29 00:03:41,955 --> 00:03:45,625 ここって 本当に すごいよね。 30 00:03:45,625 --> 00:03:48,462 図鑑でしか見たことない虫が いっぱい! 31 00:03:48,462 --> 00:03:51,131 この虫も ここに来て 初めて見たもん。 32 00:03:51,131 --> 00:03:53,300 へぇ~ そうなんだ。 33 00:03:53,300 --> 00:03:56,136 《古くから 交易をしていた土地だ。 34 00:03:56,136 --> 00:04:00,307 異国からの交易品に交じって うまく繁殖したのだろう》 35 00:04:00,307 --> 00:04:03,643 これ ちょうになるの? ううん。 蛾だよ。 36 00:04:03,643 --> 00:04:07,748 夜行性だから 今は飛んでないけど きれいな蛾なんだ。 37 00:04:09,983 --> 00:04:14,154 《婆が踊ったときにも いたのかな?》 38 00:04:14,154 --> 00:04:16,490 (子翠)猫猫も 夜 見においでよ。 39 00:04:16,490 --> 00:04:18,825 月明かりに ふわふわ輝いて➡ 40 00:04:18,825 --> 00:04:22,162 桃源郷にでも 迷い込んだ気分になるんだから。 41 00:04:22,162 --> 00:04:24,331 そんな 大げさな。 42 00:04:24,331 --> 00:04:28,168 あっ… 月明かりに輝いて? 43 00:04:28,168 --> 00:04:30,670 この蛾って 羽化したら すぐ交尾する? 44 00:04:30,670 --> 00:04:32,606 するんじゃない? 45 00:04:32,606 --> 00:04:35,108 成虫になったら ごはん 食べられなくて➡ 46 00:04:35,108 --> 00:04:37,110 すぐ死んじゃうらしいから。 47 00:04:37,110 --> 00:04:40,614 ねえ この蛾の 雄雌の区別って できる? 48 00:04:40,614 --> 00:04:42,949 大体なら できると思うけど…。 49 00:04:42,949 --> 00:04:46,286 子翠! えっ? 手伝ってもらいたいことがある。 50 00:04:46,286 --> 00:04:48,622 あっ…。 んっ? 51 00:04:48,622 --> 00:04:51,958 《これは… いけるかもしれない!》 52 00:04:51,958 --> 00:04:54,294 んっ? 悪いこと? 53 00:04:54,294 --> 00:05:14,314 ♬~ 54 00:05:14,314 --> 00:05:27,994 ♬~ 55 00:05:27,994 --> 00:05:32,766 <数日後 特使を招いての うたげが催された。 56 00:05:32,766 --> 00:05:37,270 50年前 月の精が現れたという 北の庭園で。 57 00:05:37,270 --> 00:05:40,941 本来 男子禁制の宮だが➡ 58 00:05:40,941 --> 00:05:44,277 特例で 男性官吏も入園が許可され➡ 59 00:05:44,277 --> 00:05:47,614 上級妃たちも 参加することになった。 60 00:05:47,614 --> 00:05:51,785 出席者は 馬車の中から うたげを楽しむ。 61 00:05:51,785 --> 00:05:56,189 異国の特使を見せ物にしない という配慮でもあるが…> 62 00:05:58,792 --> 00:06:02,462 青い瞳に金の髪 美人だな…。 63 00:06:02,462 --> 00:06:04,798 やはり 下手な役者は当てられない。 64 00:06:04,798 --> 00:06:07,801 《それに みすを上まで上げ➡ 65 00:06:07,801 --> 00:06:12,639 皇帝に顔見せしているのは よほど自信があるのだろう。 66 00:06:12,639 --> 00:06:16,309 何より おとなしそうな 奥の美女は ともかく➡ 67 00:06:16,309 --> 00:06:19,312 手前の美女は 自分が 誰よりも美しいという➡ 68 00:06:19,312 --> 00:06:21,481 自信に あふれている。 69 00:06:21,481 --> 00:06:24,317 異国から来た 2人の美人特使が➡ 70 00:06:24,317 --> 00:06:29,155 上級妃に張り合える美しさなのは 間違いないな》 71 00:06:29,155 --> 00:06:37,764 ♬~ 72 00:06:37,764 --> 00:06:40,767 《いつもより 演奏も演目も派手めだ。 73 00:06:40,767 --> 00:06:43,103 特使に合わせてるんだろう。 74 00:06:43,103 --> 00:06:46,606 でも 本人たちは退屈そうだ。 75 00:06:46,606 --> 00:06:49,109 期待外れとでも言いたいのか》 76 00:06:49,109 --> 00:06:52,112 それにしても よく似ているな。 77 00:06:52,112 --> 00:06:54,614 《同じ祖父を持つ いとこだと聞いたが➡ 78 00:06:54,614 --> 00:06:56,616 双子みたいだ。 79 00:06:56,616 --> 00:07:01,788 あの2人なら 高順様に聞いた 鏡の話も可能だろうな。 80 00:07:01,788 --> 00:07:04,624 んっ?》 81 00:07:04,624 --> 00:07:06,626 んっ! 82 00:07:13,633 --> 00:07:15,635 (姶良)ごきげんよう。 83 00:07:15,635 --> 00:07:19,806 せっかくのうたげですのに こんなに離れてしまうなんて。 84 00:07:19,806 --> 00:07:23,643 もう少し近くで お話をしたいです。 85 00:07:23,643 --> 00:07:27,814 今日 皇弟様は ご欠席とか。 86 00:07:27,814 --> 00:07:30,817 ぜひ お会いしたかったです。 87 00:07:33,086 --> 00:07:36,589 《うわ~ 怖い。 これは怖いな。 88 00:07:36,589 --> 00:07:40,927 特使の本当の目的は 皇帝と その弟。 89 00:07:40,927 --> 00:07:45,432 2人の寵愛を受け 婚姻関係を結びたいという➡ 90 00:07:45,432 --> 00:07:48,101 政治的思惑があるのだろう》 91 00:07:48,101 --> 00:07:50,103 もし よろしければ…。 92 00:07:50,103 --> 00:07:52,439 (愛凛)姶良。 あっ…。 93 00:07:52,439 --> 00:07:56,109 そろそろ 戻りなさい。 せっかくの舞台よ。 94 00:07:56,109 --> 00:07:58,778 ちゃんと 楽しむべきでしょう。 んっ…。 95 00:07:58,778 --> 00:08:02,482 失礼しました。 96 00:08:06,286 --> 00:08:08,288 フッ…。 97 00:08:08,288 --> 00:08:10,790 んっ…。 (玉葉)紅娘。 98 00:08:10,790 --> 00:08:14,127 《なんとかなったか。 ひやひやした。 99 00:08:14,127 --> 00:08:16,629 そもそも あの2人は➡ 100 00:08:16,629 --> 00:08:19,132 祖父が見たという 絶世の美女になど➡ 101 00:08:19,132 --> 00:08:21,134 興味がないのかもしれない。 102 00:08:21,134 --> 00:08:24,304 この世に 自分たち以上の美人はいない。 103 00:08:24,304 --> 00:08:26,973 そう自負しているのだ。 104 00:08:26,973 --> 00:08:30,477 この分では 4夫人に鏡を贈ったのも➡ 105 00:08:30,477 --> 00:08:33,413 挑発のつもりなのかもな。 106 00:08:33,413 --> 00:08:38,418 まあいい。 私の仕事は 2人に 月の精を見せることだ》 107 00:08:42,756 --> 00:08:44,758 そろそろ うたげが終わりそうですが➡ 108 00:08:44,758 --> 00:08:46,760 どうでしょうか? 109 00:08:46,760 --> 00:08:50,764 (高順)できるだけのことは… やりました…。 110 00:08:50,764 --> 00:08:55,969 《あっ…。 まあ そういう反応になるわな》 111 00:08:58,104 --> 00:09:00,106 では 行きましょうか。 112 00:09:07,113 --> 00:09:11,284 音楽は 私たちに合わせて 派手にしていたようだけど➡ 113 00:09:11,284 --> 00:09:15,622 踊りは 大したことなかったわね 愛凛。 114 00:09:15,622 --> 00:09:18,792 4夫人とやらも みすに隠れたまま。 115 00:09:18,792 --> 00:09:22,462 おじい様が見た月精だって どれほどのものか。 116 00:09:22,462 --> 00:09:26,299 姶良 ここで話すことではないわ。 117 00:09:26,299 --> 00:09:28,501 終わってから 部屋で話しましょう。 118 00:09:30,970 --> 00:09:34,574 すぐに皇帝から 声がかかるかもしれないわよ。 119 00:09:34,574 --> 00:09:36,576 んっ…。 んっ? 120 00:09:48,588 --> 00:09:51,257 (愛凛/姶良)ハッ! 121 00:09:51,257 --> 00:09:53,927 《んっ? この野郎》 おっ…。 122 00:09:53,927 --> 00:10:03,937 ♬~ 123 00:10:03,937 --> 00:10:16,282 ♬~ 124 00:10:16,282 --> 00:10:20,954 《50年前 特使の祖父が見た景色とは➡ 125 00:10:20,954 --> 00:10:22,956 これではなかろうか》 126 00:10:22,956 --> 00:10:35,668 ♬~ 127 00:10:37,804 --> 00:10:39,806 (2人)あっ! 128 00:10:39,806 --> 00:10:43,209 (外国語) 129 00:10:45,812 --> 00:10:47,814 ディアーナ。 130 00:10:47,814 --> 00:10:50,650 あっ…。 131 00:10:50,650 --> 00:10:54,454 《発音には自信がなかったけど 通じたみたいだ》 132 00:10:57,824 --> 00:11:02,996 《西方に伝わる 月の女神の名が》 133 00:11:02,996 --> 00:11:05,331 うまくいったようで。 (扉の開く音) 134 00:11:05,331 --> 00:11:09,002 ええ。 思ったとおりの演出に なったと思います。 135 00:11:09,002 --> 00:11:11,671 暗闇の中で 黒い布を剥げば➡ 136 00:11:11,671 --> 00:11:14,340 突如 現れたように 見えるでしょう。 137 00:11:14,340 --> 00:11:17,844 何より その蛾が決め手です。 138 00:11:17,844 --> 00:11:21,347 《やり手婆の絵に描かれた 淡い光の正体は➡ 139 00:11:21,347 --> 00:11:23,349 蛾の成虫だった。 140 00:11:23,349 --> 00:11:25,518 婆は嫌がらせだと言っていた》 141 00:11:25,518 --> 00:11:27,520 ((やり手婆:当日 私の衣装に➡ 142 00:11:27,520 --> 00:11:29,856 いたずらするやつらがいたのさ。 143 00:11:29,856 --> 00:11:32,959 虫の死骸を こすりつけられてね)) 144 00:11:32,959 --> 00:11:37,630 《虫の中には 異性を呼ぶために においを発するものがいる。 145 00:11:37,630 --> 00:11:42,468 においに釣られてきた雄が 婆の周りに集まって➡ 146 00:11:42,468 --> 00:11:46,306 光をまとって舞う 月の精に見えたわけだ。 147 00:11:46,306 --> 00:11:48,308 なんという偶然。 148 00:11:48,308 --> 00:11:52,212 手伝ってくれた子翠と小蘭には お礼をしなくちゃな》 149 00:11:54,147 --> 00:11:58,484 《しかし 特使だけに あの光景を 見せるのは 苦労した。 150 00:11:58,484 --> 00:12:01,988 御者には あらかじめ こちらを見ないよう言い含め➡ 151 00:12:01,988 --> 00:12:05,158 何かあっても すぐ飛び出せるよう➡ 152 00:12:05,158 --> 00:12:07,827 高順様たちが そばで待機していた。 153 00:12:07,827 --> 00:12:11,664 あれは 皆に見せる代物ではない。 154 00:12:11,664 --> 00:12:17,837 傾国…。 まさに 国を傾ける破壊力がある》 155 00:12:17,837 --> 00:12:21,841 (壬氏)おい。 言うとおりにしたあとは放置か。 156 00:12:21,841 --> 00:12:25,678 あっ… ありがとうございます 壬氏様。 157 00:12:25,678 --> 00:12:29,182 重い衣装のまま 対岸まで泳いでいただいて。 158 00:12:29,182 --> 00:12:31,684 ハァ… うまくいったのか? 159 00:12:31,684 --> 00:12:34,621 ええ。 特使たっての ご要望に➡ 160 00:12:34,621 --> 00:12:37,290 これ以上なく 応えられたと思います。 161 00:12:37,290 --> 00:12:42,295 そうか。 あとは知らんからな。 髪が まだ ぬれているぞ! 162 00:12:42,295 --> 00:12:44,631 んっ…。 うっ…。 163 00:12:44,631 --> 00:12:47,300 ハァ…。 164 00:12:47,300 --> 00:12:49,469 フン! 165 00:12:49,469 --> 00:12:52,772 《自分でやればいいのに》 166 00:12:58,978 --> 00:13:00,980 フッ…。 167 00:13:00,980 --> 00:13:04,484 なら いいわ。 168 00:13:14,160 --> 00:13:18,164 (小蘭)あっ 猫猫! これから手習い所なんだ! 169 00:13:18,164 --> 00:13:22,502 ああ… あれ 無事に開設されたんだ。 170 00:13:22,502 --> 00:13:24,837 記念すべき1期生になったんだ! 171 00:13:24,837 --> 00:13:27,173 じゃあ 行ってくるね~。 172 00:13:27,173 --> 00:13:29,175 頑張ってね。 173 00:13:32,011 --> 00:13:34,013 フゥ…。 174 00:13:37,283 --> 00:13:41,287 フゥ… 暇だな。 175 00:13:41,287 --> 00:13:45,458 《翡翠宮に戻っても 大した仕事はないしな。 176 00:13:45,458 --> 00:13:51,631 やぶ医者の所は 香油の件に 巻き込まれて 忙しそうだし…。 177 00:13:51,631 --> 00:13:55,968 あの香油の事件 完全に片がついたわけじゃない。 178 00:13:55,968 --> 00:13:58,471 1つ1つは微量でも➡ 179 00:13:58,471 --> 00:14:00,973 組み合わせしだいで 毒になりうる。 180 00:14:00,973 --> 00:14:05,478 そんな物を 一体 誰が 持ち込むようにしむけたのか?》 181 00:14:05,478 --> 00:14:10,983 ((調べているが どの宮の者も 大量に香油を購入していた。 182 00:14:10,983 --> 00:14:13,653 翡翠宮の侍女たちもだ。 183 00:14:13,653 --> 00:14:16,489 毒になる物は処分させたが➡ 184 00:14:16,489 --> 00:14:20,827 例えば あの特使たちの手配 ということは 考えられないか? 185 00:14:20,827 --> 00:14:23,663 どうでしょう? 彼女たちの狙いに➡ 186 00:14:23,663 --> 00:14:27,333 妃の座に潜り込むということも あったと思いますが➡ 187 00:14:27,333 --> 00:14:30,503 矜持は ズタボロで それどころじゃないでしょうね。 188 00:14:30,503 --> 00:14:33,005 んっ…。 んっ?)) 189 00:14:38,611 --> 00:14:41,280 《後宮には 4人の上級妃がいる。 190 00:14:41,280 --> 00:14:43,783 親の権力を考えると➡ 191 00:14:43,783 --> 00:14:47,787 最も重要視されるべきは 楼蘭妃だろう。 192 00:14:47,787 --> 00:14:53,292 父親の子昌は 先の皇帝の代から 重用されていた 寵臣だ。 193 00:14:53,292 --> 00:14:56,295 主上は 定期的に通っているようだが➡ 194 00:14:56,295 --> 00:14:59,298 あまり熱量は高くなさそうだ。 195 00:14:59,298 --> 00:15:03,302 次に親の位が高いのは 梨花妃だが➡ 196 00:15:03,302 --> 00:15:05,972 皇帝の外戚であることに 起因していて➡ 197 00:15:05,972 --> 00:15:08,808 出世に がっつく性格ではない。 198 00:15:08,808 --> 00:15:11,811 東宮を亡くして 病にかかっていたが➡ 199 00:15:11,811 --> 00:15:15,815 今は 再び 主上の寵愛を受けている。 200 00:15:15,815 --> 00:15:18,484 逆に ここ数代で のし上がってきた➡ 201 00:15:18,484 --> 00:15:20,486 里樹妃の実家は➡ 202 00:15:20,486 --> 00:15:24,824 先代皇帝に 幼い娘を 差し出すほどの野心家だ。 203 00:15:24,824 --> 00:15:28,995 しかし 主上は あいにく 豊満な女性が好みなので➡ 204 00:15:28,995 --> 00:15:33,433 阿多妃が去ったあとも お手つきになっていないという。 205 00:15:33,433 --> 00:15:38,271 一方で 帝の寵愛が 最も大きいのは 玉葉妃だ。 206 00:15:38,271 --> 00:15:43,442 娘の鈴麗公主に加え 再び 主上の子をみごもっている。 207 00:15:43,442 --> 00:15:45,611 故郷である 西方の国は➡ 208 00:15:45,611 --> 00:15:48,281 交易で 潤っているように見えるが➡ 209 00:15:48,281 --> 00:15:52,285 土地は痩せていて 決して豊かとは言えないという。 210 00:15:52,285 --> 00:15:57,290 玉葉妃は 過去に二度 毒による暗殺未遂に遭っている。 211 00:15:57,290 --> 00:16:00,960 昨年 起きた 園遊会での事件は➡ 212 00:16:00,960 --> 00:16:06,632 阿多妃の侍女頭が 里樹妃を狙って 独断でやったものである。 213 00:16:06,632 --> 00:16:09,969 その理由は 権力のためではなく➡ 214 00:16:09,969 --> 00:16:13,139 いかにも 人間らしい動機であった。 215 00:16:13,139 --> 00:16:17,310 しかし その前 鈴麗公主を妊娠中の玉葉妃に➡ 216 00:16:17,310 --> 00:16:19,979 毒を盛った犯人は 誰だったのか。 217 00:16:19,979 --> 00:16:23,649 紅娘様の にらみどおりであれば➡ 218 00:16:23,649 --> 00:16:28,321 犯人は 先日の きのこ事件で 亡くなった 中級妃だ。 219 00:16:28,321 --> 00:16:31,157 しかし 中級妃は どこで毒の知識を➡ 220 00:16:31,157 --> 00:16:34,093 手に入れたのだろうか。 221 00:16:34,093 --> 00:16:36,262 翠苓…。 222 00:16:36,262 --> 00:16:38,764 いまだ 彼女の行方は わかっていない。 223 00:16:38,764 --> 00:16:46,772 なぜ なんのために 何が目的で 壬氏様を狙ったのか》 224 00:16:46,772 --> 00:16:51,277 ただの毒味役が こんなこと考えて なんになる。 225 00:16:51,277 --> 00:16:53,279 気分転換でもするか。 226 00:16:57,783 --> 00:17:00,620 《さくらんぼは そろそろ終わるな。 227 00:17:00,620 --> 00:17:05,124 んっ? あれは 水晶宮の 侍女たち》 (侍女たち)うっ…。 228 00:17:05,124 --> 00:17:09,295 ひっ…。 んっ…。 229 00:17:09,295 --> 00:17:12,465 《ちょっと ひんむいたくらいで 大げさな》 230 00:17:12,465 --> 00:17:14,800 んっ? 231 00:17:14,800 --> 00:17:16,802 《水晶宮の中で 1人だけ➡ 232 00:17:16,802 --> 00:17:19,205 香油を付けていなかった侍女だ》 233 00:17:23,643 --> 00:17:27,980 《はやりに敏感な水晶宮で 珍しいと思ったけど…。 234 00:17:27,980 --> 00:17:29,982 1人ぐらいは いるか》 235 00:17:34,420 --> 00:17:36,422 (愛藍)うぅ…。 236 00:17:36,422 --> 00:17:38,925 ちょっと だるいかもしれない。 237 00:17:38,925 --> 00:17:40,927 (桜花)風邪とか やめてよ。 238 00:17:40,927 --> 00:17:44,096 玉葉様たちに うつったら どうする気よ。 239 00:17:44,096 --> 00:17:46,198 気を付けてたんだけどね。 240 00:17:48,267 --> 00:17:50,436 微熱がありますね。 241 00:17:50,436 --> 00:17:52,772 風邪薬を煎じましょうか。 242 00:17:52,772 --> 00:17:55,274 それなら 薬を作ったあとに➡ 243 00:17:55,274 --> 00:17:57,777 一応 診療所に連れていってくれない? 244 00:17:57,777 --> 00:18:00,446 診療所ですか? 245 00:18:00,446 --> 00:18:02,782 医局とは違うわよ。 246 00:18:02,782 --> 00:18:06,285 とにかく 愛藍が知っているから 連れていってあげて。 247 00:18:06,285 --> 00:18:08,287 わかりました。 248 00:18:12,625 --> 00:18:16,128 《後宮の北側に こんな所があったとは…。 249 00:18:16,128 --> 00:18:18,631 近くに洗濯場があるのは➡ 250 00:18:18,631 --> 00:18:22,134 服や敷物を頻繁に洗えて 合理的だな》 251 00:18:22,134 --> 00:18:25,137 すみません。 風邪を ひいたみたいです。 (深緑)んっ? 252 00:18:25,137 --> 00:18:29,976 《中年の女官なんて 珍しいな》 253 00:18:29,976 --> 00:18:32,912 微熱だね。 舌 出してみ。 254 00:18:32,912 --> 00:18:34,914 う~ん…。 255 00:18:34,914 --> 00:18:37,750 そこまで ひどくはないようだけど。 256 00:18:37,750 --> 00:18:42,254 2~3日 無理をしなければ 問題ない程度だよ。 どうする? 257 00:18:42,254 --> 00:18:45,257 妃に うつすわけにはいかないので➡ 258 00:18:45,257 --> 00:18:48,427 念のため 泊めていただけますか? 259 00:18:48,427 --> 00:18:50,429 ついておいで。 260 00:18:50,429 --> 00:18:52,765 《やぶ医者より よっぽど手慣れていて➡ 261 00:18:52,765 --> 00:18:54,767 見立ても しっかりしている》 262 00:18:58,270 --> 00:19:00,940 このにおい 苦手なのよね。 263 00:19:00,940 --> 00:19:05,277 アルコールのにおいですね。 清潔にしている証拠ですよ。 264 00:19:05,277 --> 00:19:08,781 窓が多くて 風通しもいいですし➡ 265 00:19:08,781 --> 00:19:11,784 質素な分 掃除も行き届いてます。 266 00:19:11,784 --> 00:19:13,986 療養には 最適な場所かと。 267 00:19:15,955 --> 00:19:19,625 ここの部屋を使いな。 ありがとうございます。 268 00:19:19,625 --> 00:19:24,130 猫猫 あしたには戻るって伝えて。 わかりました。 269 00:19:28,968 --> 00:19:32,738 《具合の悪い侍女は こうやって隔離しておくのか》 270 00:19:32,738 --> 00:19:36,242 うおっ! あんたは 仕事に戻んな。 271 00:19:36,242 --> 00:19:38,911 付き添いだからって サボれると思うんじゃないよ。 272 00:19:38,911 --> 00:19:42,248 えっ? なんだい? それとも ここの洗濯物➡ 273 00:19:42,248 --> 00:19:44,750 全部 畳んでくれるかい? んっ…。 274 00:19:44,750 --> 00:19:47,753 ああ…。 失礼しました! 275 00:19:47,753 --> 00:19:52,258 《やっぱり おばちゃんには勝てないな。 276 00:19:52,258 --> 00:19:54,260 それにしても…。 277 00:19:54,260 --> 00:19:56,929 年かさの女官ばかりな…》 278 00:19:56,929 --> 00:20:01,600 後宮では 年を取ったら 半強制的に入れ替えられるけど➡ 279 00:20:01,600 --> 00:20:04,603 診療所では 経験や知識が必要だから➡ 280 00:20:04,603 --> 00:20:06,939 長く残されているのかな。 281 00:20:06,939 --> 00:20:08,941 うおっ! あっ? 282 00:20:08,941 --> 00:20:12,778 独り言を ブツブツ言いながら歩くな。 こけるぞ。 283 00:20:12,778 --> 00:20:16,115 何か言ってました? ハァ…。 284 00:20:16,115 --> 00:20:19,618 何か ご用でしょうか? あっ…。 285 00:20:19,618 --> 00:20:22,288 いや 用があるわけじゃないが➡ 286 00:20:22,288 --> 00:20:24,290 偶然 会って 話しかけたら 悪いのか? 287 00:20:24,290 --> 00:20:26,292 んっ! んっ! 288 00:20:26,292 --> 00:20:28,294 んっ…。 289 00:20:28,294 --> 00:20:31,464 どこへ行っていた? 診療所です。 290 00:20:31,464 --> 00:20:33,799 あんな場所があったんですね。 291 00:20:33,799 --> 00:20:37,470 後宮に入ったとき 一応 すべて案内されるはずだが➡ 292 00:20:37,470 --> 00:20:39,472 漏れていたのか? 293 00:20:39,472 --> 00:20:42,808 売られてきたばかりで ふてくされていたので➡ 294 00:20:42,808 --> 00:20:46,312 聞いてなかったのかもしれません。 んっ…。 295 00:20:46,312 --> 00:20:48,314 《前も そうだったが➡ 296 00:20:48,314 --> 00:20:52,485 この話をすると 妙に落ち込む》 297 00:20:52,485 --> 00:20:54,653 思った以上に よく出来た場所だったので➡ 298 00:20:54,653 --> 00:20:59,325 驚きました。 むしろ あそこを 医局にしたほうがよいのでは? 299 00:20:59,325 --> 00:21:04,163 それができれば 苦労しない。 どういうことでしょうか? 300 00:21:04,163 --> 00:21:07,166 医官には 男しかなれないからですよ。 301 00:21:07,166 --> 00:21:09,502 すり傷くらいならともかく➡ 302 00:21:09,502 --> 00:21:12,671 大けがの処置は 医官しかできません。 303 00:21:12,671 --> 00:21:16,509 もちろん 薬を煎じていいのも 医官だけです。 304 00:21:16,509 --> 00:21:19,512 《診療所で 薬のにおいがしなかったのは➡ 305 00:21:19,512 --> 00:21:21,514 そういうことか》 306 00:21:21,514 --> 00:21:24,183 おっ? 私は どうなるのですか? 307 00:21:24,183 --> 00:21:27,686 目をつぶっているということだ。 308 00:21:27,686 --> 00:21:32,024 《何やら 複雑な事情が 絡んでいるのだな》 309 00:21:32,024 --> 00:21:34,793 これからのためにも もっと 違う形で➡ 310 00:21:34,793 --> 00:21:37,630 医官を調達できればいいのだが。 311 00:21:37,630 --> 00:21:40,800 宦官でなくてもできるように…。 312 00:21:40,800 --> 00:21:43,803 《宦官ね…。 313 00:21:43,803 --> 00:21:46,805 今の皇帝に代替わりしたあと➡ 314 00:21:46,805 --> 00:21:49,642 宦官となる手術は禁じられた。 315 00:21:49,642 --> 00:21:53,979 つまり今後 人材が枯渇するのは 目に見えている。 316 00:21:53,979 --> 00:21:56,649 壬氏様の年齢を考えると➡ 317 00:21:56,649 --> 00:22:00,486 ちょうど禁止される前くらいに 手術をしたのだろう》 318 00:22:00,486 --> 00:22:04,823 かわいそうに。 あと数年 待っていれば…。 319 00:22:04,823 --> 00:22:06,825 んっ…。 なんだ? 320 00:22:06,825 --> 00:22:09,161 《しまった。 口に出てたか?》 321 00:22:09,161 --> 00:22:13,332 んっ… 壬氏様 仕事が つかえますゆえ。 322 00:22:13,332 --> 00:22:15,334 わかった。 323 00:22:17,336 --> 00:22:19,338 それと 薬屋。 324 00:22:19,338 --> 00:22:23,509 くれぐれも 薬を煎じていることを 他者に知られないように。 325 00:22:23,509 --> 00:22:25,511 承知しました。 326 00:22:29,849 --> 00:22:33,052 《生える薬 作ったら もうかるかな?》 327 00:22:37,790 --> 00:22:39,959 (深緑)それは 薬だね。 あっ…。 328 00:22:39,959 --> 00:22:43,629 さっきの下女から 薬のにおいがした。 329 00:22:43,629 --> 00:22:49,435 あの下女 隠れて薬を作ってるね?