1 00:02:13,800 --> 00:02:15,802 (まりの跳ねる音) 2 00:02:15,802 --> 00:02:18,805 ((壬氏:ハッハハハ! 3 00:02:18,805 --> 00:02:20,807 あっ…。 4 00:02:27,147 --> 00:02:29,349 ハッ! 母様? 5 00:02:31,985 --> 00:02:33,987 んっ…)) 6 00:02:40,761 --> 00:02:44,598 《どうして母は あんな表情を していたのだろう》 7 00:02:44,598 --> 00:02:47,434 ((あっ… うっ… ハッ…。 8 00:02:47,434 --> 00:02:50,103 さあ 部屋にお戻り。 9 00:02:50,103 --> 00:02:53,907 あっ… あっ… うっ… あっ…)) 10 00:02:56,276 --> 00:02:58,278 《あの老人は…。 11 00:02:58,278 --> 00:03:02,949 あの老婆は 誰だったのだろう?》 12 00:03:02,949 --> 00:03:04,951 ((あっ…)) 13 00:03:06,953 --> 00:03:10,457 《うまく思い出せない》 14 00:03:10,457 --> 00:03:12,459 ハッ! 15 00:03:12,459 --> 00:03:16,129 ハァ…。 ハァー…。 16 00:03:16,129 --> 00:03:19,299 んっ…。 んっ…。 17 00:03:19,299 --> 00:03:21,902 《嫌な夢だ》 18 00:03:27,974 --> 00:03:29,976 ハッ! 19 00:03:29,976 --> 00:03:32,646 《あの老人と老婆が何者なのか…。 20 00:03:32,646 --> 00:03:36,750 あのころは 知るよしもなかったが 後に教えられた。 21 00:03:36,750 --> 00:03:40,420 老人は父で 老婆は祖母だった。 22 00:03:40,420 --> 00:03:44,424 そして ずっと 父だと思っていた男は➡ 23 00:03:44,424 --> 00:03:46,426 兄だということも》 24 00:03:46,426 --> 00:03:49,930 ハァ ハァ…。 (倒れる音) 25 00:03:49,930 --> 00:03:54,935 《妙なところで鈍い あの女官でも そろそろ気付くはずだ。 26 00:03:54,935 --> 00:03:57,938 もしくは すでに…。 27 00:03:57,938 --> 00:04:00,440 だったら 気が楽なんだが…》 28 00:04:00,440 --> 00:04:04,644 いつまでも 黙っておくわけにはいかない。 29 00:04:11,785 --> 00:04:15,789 昔々 この国には 別の民が住んでいた。 30 00:04:15,789 --> 00:04:19,626 その民たちは おさを持たなかったが➡ 31 00:04:19,626 --> 00:04:23,130 遠き地より 貴い血筋の女性が やって来て➡ 32 00:04:23,130 --> 00:04:26,800 その腹に 天の子を宿した。 33 00:04:26,800 --> 00:04:30,470 それが 茘の最初の皇帝となられた。 34 00:04:30,470 --> 00:04:34,074 月のない夜も見通せる 目を持った女性は➡ 35 00:04:34,074 --> 00:04:36,243 やがて 王母と呼ばれ➡ 36 00:04:36,243 --> 00:04:40,247 仙界から降りてきた 女仙ともいわれた。 37 00:04:40,247 --> 00:04:43,750 《猫猫:この国の 建国の昔話か》 38 00:04:43,750 --> 00:04:48,088 どうだ? 薬屋。 壬氏様 顔が見えてしまいます。 39 00:04:48,088 --> 00:04:50,090 おっと…。 《せっかく 勉学に➡ 40 00:04:50,090 --> 00:04:53,093 いそしんでいるのに こんな生き物がのぞいていたら➡ 41 00:04:53,093 --> 00:04:55,095 勉強にならない》 42 00:04:55,095 --> 00:04:57,264 生徒は 20名ほどですか。 43 00:04:57,264 --> 00:05:00,267 もっと集まるかと 思ったんだがな…。 44 00:05:00,267 --> 00:05:03,603 (高順)最初は10名ほどだったので 増えたほうかと。 45 00:05:03,603 --> 00:05:06,106 《まあ こんなもんだろ。 46 00:05:06,106 --> 00:05:10,277 とはいえ 壬氏様のもくろみが成功して➡ 47 00:05:10,277 --> 00:05:12,612 下女の識字率が上がれば➡ 48 00:05:12,612 --> 00:05:15,448 後宮のありようも 変わってくるだろう。 49 00:05:15,448 --> 00:05:21,454 現に小蘭は 今は 簡単な物語を 読む段階に移っている》 50 00:05:21,454 --> 00:05:23,957 壬氏様 そろそろ お時間が。 51 00:05:23,957 --> 00:05:26,293 ああ。 お前は どうする? 52 00:05:26,293 --> 00:05:29,796 私は もう少し見学していきます。 53 00:05:29,796 --> 00:05:33,133 そうか。 気になったことがあれば 報告してくれ。 54 00:05:33,133 --> 00:05:35,068 わかりました。 55 00:05:35,068 --> 00:05:37,571 小蘭。 56 00:05:37,571 --> 00:05:40,574 (小蘭)あ~! 猫猫 来てたの? 57 00:05:40,574 --> 00:05:43,410 どう? 少しは 字 覚えた? 58 00:05:43,410 --> 00:05:48,248 ヘヘヘッ まだまだだよ~。 また 先生に聞きに行かないと。 59 00:05:48,248 --> 00:05:50,417 猫猫も一緒に行こ! えっ? おお…。 60 00:05:50,417 --> 00:05:54,754 隣の棟に 先生がいてね 時々 聞きに行ってるんだ。 61 00:05:54,754 --> 00:05:56,756 んっ? 62 00:05:56,756 --> 00:05:59,759 《古い廟?》 (小蘭)すみませ~ん。 63 00:05:59,759 --> 00:06:03,263 失礼しま~す。 はいはい。 64 00:06:03,263 --> 00:06:06,566 そちらのお嬢さんは 初顔だね。 65 00:06:14,274 --> 00:06:18,111 《妙に細長く 奥まで伸びているような…。 66 00:06:18,111 --> 00:06:20,447 柱の間隔が狭い。 67 00:06:20,447 --> 00:06:24,451 かなり細かく 部屋が分かれてるんだろう》 68 00:06:24,451 --> 00:06:26,786 あの廟が 気になるのかい? 69 00:06:26,786 --> 00:06:31,124 ええ 少し変わった造りの建物だな と思いまして。 70 00:06:31,124 --> 00:06:35,562 あれは この地に もともと 住んでいた民が造った 廟だよ。 71 00:06:35,562 --> 00:06:40,734 王母様は この地を治める際に 古い信仰を拒まなかったんだね。 72 00:06:40,734 --> 00:06:44,738 (小蘭)王母様って さっき習った 初代皇帝のお母さん? 73 00:06:44,738 --> 00:06:49,743 そう。 王母様は 息子に こう伝えたんだ。 74 00:06:49,743 --> 00:06:54,748 この地を治める者は あの廟を 通り抜けないといけない。 75 00:06:54,748 --> 00:06:59,586 そして 正しい道を選んだ者だけが この地のおさとなる。 76 00:06:59,586 --> 00:07:04,591 息子は 無事 あの廟を通り抜け 皇帝になったというわけだ。 77 00:07:04,591 --> 00:07:08,762 この地に遷都したのも あの廟があったからだね。 78 00:07:08,762 --> 00:07:12,933 (小蘭)へぇ~! しかし もう 何十年も使われていない。 79 00:07:12,933 --> 00:07:16,102 今後も 使われるかどうか ねえ…。 80 00:07:16,102 --> 00:07:18,104 どういうことですか? 81 00:07:18,104 --> 00:07:21,441 先の主上 先帝の兄君たちは➡ 82 00:07:21,441 --> 00:07:24,110 みんな はやり病で倒れただろ? 83 00:07:24,110 --> 00:07:27,280 残ったのは 先帝のみ。 84 00:07:27,280 --> 00:07:31,284 《通過儀礼を行うまでもなく 決まったというわけか》 85 00:07:31,284 --> 00:07:33,887 あれに 興味を持ってくれる子がいて➡ 86 00:07:33,887 --> 00:07:37,390 うれしいよ。 ずいぶんと久しぶりだね。 87 00:07:37,390 --> 00:07:40,393 昔は 興味を持つ方がいたんですか? 88 00:07:40,393 --> 00:07:44,397 ああ。 昔 ここにいた医官が 変わり者でね➡ 89 00:07:44,397 --> 00:07:48,234 暇があったら 後宮内を うろうろしてたよ。 90 00:07:48,234 --> 00:07:50,904 今のお前さんみたいに あの廟のことも…。 91 00:07:50,904 --> 00:07:54,240 それって 羅門…。 知ってるのかい? 92 00:07:54,240 --> 00:07:56,910 《しまった。 つい…》 93 00:07:56,910 --> 00:08:02,082 養父です。 後宮を出たあとは 花街で 薬屋を営んでおりまして。 94 00:08:02,082 --> 00:08:04,751 そうか 羅門の…。 95 00:08:04,751 --> 00:08:09,089 《この人は おやじと 仲がよかったんだろうか…》 96 00:08:09,089 --> 00:08:12,092 猫猫! 見て! 書けた! 97 00:08:12,092 --> 00:08:14,094 お~! 98 00:08:16,096 --> 00:08:19,265 毒は ございません。 99 00:08:19,265 --> 00:08:22,769 失礼いたします。 待て 薬師。 100 00:08:22,769 --> 00:08:25,772 このあと 行く所へ ついてきてほしいのだ。 101 00:08:25,772 --> 00:08:27,774 どちらへ? 102 00:08:27,774 --> 00:08:29,776 選択の廟へ。 103 00:08:31,778 --> 00:08:34,381 突然 どうされたのですか? 104 00:08:34,381 --> 00:08:37,217 《一体 何をなさるのやら。 あっ…。 105 00:08:37,217 --> 00:08:39,886 昼間 見た 古い廟。 106 00:08:39,886 --> 00:08:43,723 それに 手習い所の先生?》 107 00:08:43,723 --> 00:08:45,892 お待ちしておりました。 108 00:08:45,892 --> 00:08:49,062 もう一度 朕が通ってもいいのかな? 109 00:08:49,062 --> 00:08:51,564 何度 来られても 同じかもしれませぬが➡ 110 00:08:51,564 --> 00:08:53,733 それでも よろしければ。 111 00:08:53,733 --> 00:08:57,070 《帝に対して ひやひやする言葉遣いだ》 112 00:08:57,070 --> 00:08:59,906 お付きは どなたが? ふむ…。 113 00:08:59,906 --> 00:09:02,575 では この2人で。 えっ? 114 00:09:02,575 --> 00:09:05,578 あの ここは 女人禁制では…。 (扉の開く音) 115 00:09:05,578 --> 00:09:09,249 あっ…。 王母も女帝も 女性ですよ。 116 00:09:09,249 --> 00:09:12,752 あっ…。 どうぞ。 では 参ろうか。 117 00:09:18,758 --> 00:09:20,760 3つの扉? 118 00:09:20,760 --> 00:09:24,097 《「赤き扉 通るべからず」? 119 00:09:24,097 --> 00:09:27,934 扉の色は 青 赤 緑。 120 00:09:27,934 --> 00:09:30,603 青か緑を選べってことか?》 121 00:09:30,603 --> 00:09:33,206 どの扉を選びますか? 122 00:09:33,206 --> 00:09:36,709 青にしよう。 前は 緑を選んだからな。 123 00:09:36,709 --> 00:09:40,213 さようでしたね。 では こちらへ。 124 00:09:44,217 --> 00:09:47,387 管理する我々の身にも なってください。 125 00:09:47,387 --> 00:09:49,389 使われなくなったと思ったら➡ 126 00:09:49,389 --> 00:09:52,725 突然 やって来るお方が いるのですから。 127 00:09:52,725 --> 00:09:54,894 ハハッ 苦労をかける。 128 00:09:54,894 --> 00:09:58,731 《あっ… また 3つの扉。 129 00:09:58,731 --> 00:10:01,067 緑 茶 水色。 130 00:10:01,067 --> 00:10:04,571 次は 「茶の扉を通るべからず」》 131 00:10:04,571 --> 00:10:07,574 緑にしよう。 《まさか…。 132 00:10:07,574 --> 00:10:12,579 これを ずっと繰り返すのか?》 133 00:10:18,084 --> 00:10:21,421 《上がったり 下がったり 戻ったり 曲がったり➡ 134 00:10:21,421 --> 00:10:23,756 もう 方向がわからない。 135 00:10:23,756 --> 00:10:27,427 同じ所を ぐるぐる 回っているような気もする。 136 00:10:27,427 --> 00:10:30,597 帝は どうして 私を連れてきたんだろう? 137 00:10:30,597 --> 00:10:33,600 早く終わらないもんか…。 138 00:10:33,600 --> 00:10:37,437 んっ? あっ…》 139 00:10:37,437 --> 00:10:40,940 これが 最後の扉だな。 140 00:10:40,940 --> 00:10:46,446 《次の扉は 青 紫 黄で➡ 141 00:10:46,446 --> 00:10:48,948 「青き扉を通るべからず」。 142 00:10:48,948 --> 00:10:53,286 それと 他にも ここに通じる扉が…。 143 00:10:53,286 --> 00:10:55,955 別の道から ここに合流するのか》 144 00:10:55,955 --> 00:10:59,459 ふむ 決めた。 黄を選ぶ。 145 00:11:01,794 --> 00:11:04,397 よろしいですね? 頼む。 146 00:11:06,466 --> 00:11:09,469 《あっ 行き止まり。 147 00:11:09,469 --> 00:11:13,473 「王の子よ だが 王母の子ではない」? 148 00:11:13,473 --> 00:11:16,976 意味は わからないが 明らかに拒絶だろう》 149 00:11:16,976 --> 00:11:19,812 前に来たときと同じ結果か。 150 00:11:19,812 --> 00:11:21,814 《うん?》 151 00:11:24,317 --> 00:11:27,153 《妙に真剣な顔をしている》 152 00:11:27,153 --> 00:11:30,323 朕に 天意を知ることはできないか。 153 00:11:30,323 --> 00:11:32,492 何を おっしゃいますやら。 154 00:11:32,492 --> 00:11:35,929 この廟を 後宮の中に閉じ込めた時点で➡ 155 00:11:35,929 --> 00:11:39,766 ここを管理する者は 私1人になりました。 156 00:11:39,766 --> 00:11:42,602 天意に なんの意味がございましょう。 157 00:11:42,602 --> 00:11:44,604 《恐らく この老宦官は➡ 158 00:11:44,604 --> 00:11:46,773 後宮が出来る前から ずっと➡ 159 00:11:46,773 --> 00:11:49,609 この廟を管理してきたのだろう。 160 00:11:49,609 --> 00:11:55,281 管理を続けるため 去勢して 宦官になってまで ここに…》 161 00:11:55,281 --> 00:11:57,884 お帰りは あちらです。 162 00:12:03,122 --> 00:12:06,292 《帝は 看板の指示に従って進んだ。 163 00:12:06,292 --> 00:12:08,461 間違いはしなかったはずだ。 164 00:12:08,461 --> 00:12:11,297 なのに 正解には たどりつけなかった。 165 00:12:11,297 --> 00:12:14,801 何か 別の意図があったのか? 166 00:12:14,801 --> 00:12:18,137 部屋の数 選んだ扉の色か?》 167 00:12:18,137 --> 00:12:21,808 きっと 羅門なら わかるだろうね。 168 00:12:21,808 --> 00:12:23,810 《おやじなら わかる?》 169 00:12:23,810 --> 00:12:26,145 養父なら わかるというのですか? 170 00:12:26,145 --> 00:12:28,815 さてね どうだろうね。 171 00:12:28,815 --> 00:12:31,985 《確かに おやじの知識は すごい。 172 00:12:31,985 --> 00:12:36,089 でも お前には無理だと 言われるのは 腹が立つ。 173 00:12:36,089 --> 00:12:40,760 おやじは 特に 医術に関しての 知識が 群を抜いている。 174 00:12:40,760 --> 00:12:42,929 それに関係するということか?》 175 00:12:42,929 --> 00:12:44,931 んっ…。 176 00:12:49,769 --> 00:12:51,771 フゥ…。 177 00:12:51,771 --> 00:12:55,274 《3つの扉。 3つの色。 178 00:12:55,274 --> 00:12:58,778 「王の子よ だが 王母の子ではない」。 179 00:12:58,778 --> 00:13:01,881 この言葉の真意は なんだ?》 180 00:13:06,619 --> 00:13:10,790 朕が 王母の子ではないという 言葉の意味がわかるか? 181 00:13:10,790 --> 00:13:15,461 《んっ? そういえば 建国の物語に登場するのは➡ 182 00:13:15,461 --> 00:13:20,299 初代皇帝の母 王母だ。 父親は出てこない。 183 00:13:20,299 --> 00:13:23,970 ならば 母方の血を 重んじそうなものだが➡ 184 00:13:23,970 --> 00:13:27,640 実際には 男子による世襲制を取っている。 185 00:13:27,640 --> 00:13:31,477 その中で 王母の血筋を 残そうとするなら…》 186 00:13:31,477 --> 00:13:33,413 ((先帝の兄君たちは➡ 187 00:13:33,413 --> 00:13:35,915 みんな はやり病で倒れただろ?)) 188 00:13:35,915 --> 00:13:40,086 壬氏様。 何か 気付いたことが? 189 00:13:40,086 --> 00:13:44,090 先帝のご兄弟は 同腹だったのでしょうか? 190 00:13:44,090 --> 00:13:46,092 全員が同腹ではないが➡ 191 00:13:46,092 --> 00:13:49,595 皇子を産んだ母君たちは 姉妹だと聞いた。 192 00:13:49,595 --> 00:13:53,099 つまり 血が近かったということですね。 193 00:13:53,099 --> 00:13:56,436 無礼にも 聞こえるかもしれませんが➡ 194 00:13:56,436 --> 00:13:58,438 1つ よろしいでしょうか? 195 00:13:58,438 --> 00:14:00,440 許す。 言ってみよ。 196 00:14:00,440 --> 00:14:03,943 代々 帝位を継いだのは➡ 197 00:14:03,943 --> 00:14:07,113 目の悪い方が 多かったのではありませんか? 198 00:14:07,113 --> 00:14:09,115 ハッ…。 199 00:14:09,115 --> 00:14:12,618 確かに あまりよくなかったと 聞いたことがある。 200 00:14:12,618 --> 00:14:14,787 だが 先帝の目は よかったぞ。 201 00:14:14,787 --> 00:14:17,290 《やっぱり…》 202 00:14:17,290 --> 00:14:20,626 あの廟の中 もう一度 通ることは できませんか? 203 00:14:20,626 --> 00:14:24,297 娘さんは その資格があるというのかい? 204 00:14:24,297 --> 00:14:26,966 《うっ…》 さっきは連れていったけど➡ 205 00:14:26,966 --> 00:14:29,469 そう何度も入れるのはね…。 206 00:14:29,469 --> 00:14:33,906 扉の選択に口を挟むとなれば なおさら。 207 00:14:33,906 --> 00:14:37,577 まして 妃でも公主でもないだろう? 208 00:14:37,577 --> 00:14:39,579 《ただの下女だもんな》 209 00:14:39,579 --> 00:14:43,249 う~ん… ならば 妃に召し上げようか。 210 00:14:43,249 --> 00:14:46,419 羅漢の説得には 骨が折れそうだが。 211 00:14:46,419 --> 00:14:49,255 《うっ… ご冗談を!》 ご冗談を! 212 00:14:49,255 --> 00:14:51,424 他の妃たちが どう思うことか。 213 00:14:51,424 --> 00:14:54,594 ハッハハハ! それも そうだ。 214 00:14:54,594 --> 00:14:58,598 ならば お前が連れていくか。 あっ…。 215 00:14:58,598 --> 00:15:00,767 それなら かまわぬか? 216 00:15:00,767 --> 00:15:03,770 主上が そうおっしゃるのであれば。 217 00:15:03,770 --> 00:15:06,105 では 参ろうか。 218 00:15:06,105 --> 00:15:10,443 あっ…。 《いつもより ちゃめっ気がある。 219 00:15:10,443 --> 00:15:14,781 まずは 青 赤 緑の扉。 220 00:15:14,781 --> 00:15:17,617 「赤き扉を通るべからず」》 221 00:15:17,617 --> 00:15:20,119 どれを選ぶ? 青を。 222 00:15:20,119 --> 00:15:23,456 《ここは 帝が選ばれたものと同じ》 223 00:15:23,456 --> 00:15:28,628 次は 緑 茶 水色の中から➡ 224 00:15:28,628 --> 00:15:31,130 「茶を通るべからず」。 225 00:15:31,130 --> 00:15:34,066 水色の扉を。 226 00:15:34,066 --> 00:15:38,571 ふむ…。 朕の選んだ扉と違うな。 227 00:15:38,571 --> 00:15:41,574 《さっき通ったときは わからなかった。 228 00:15:41,574 --> 00:15:45,244 王母の子にしか選べない扉が あるとしたら…。 229 00:15:45,244 --> 00:15:49,849 扉の色に鍵があるはずだ》 230 00:15:52,919 --> 00:15:54,921 《これで 10個目。 231 00:15:54,921 --> 00:15:57,757 白 紫 緑の扉。 232 00:15:57,757 --> 00:16:01,093 「汝 赤い扉を選べ」》 233 00:16:01,093 --> 00:16:05,598 ふむ…。 赤い扉など ないぞ。 どういうことだ? 234 00:16:05,598 --> 00:16:07,600 緑の扉を。 235 00:16:07,600 --> 00:16:10,102 緑? 236 00:16:10,102 --> 00:16:12,104 くぐれば わかります。 237 00:16:14,607 --> 00:16:17,310 あっ ここは…。 あっ…。 238 00:16:22,448 --> 00:16:24,617 おめでとうございます。 239 00:16:24,617 --> 00:16:27,119 正しき道を選ばれたようで。 240 00:16:27,119 --> 00:16:32,792 その昔 王母に選ばれた者は 次の王になりました。 241 00:16:32,792 --> 00:16:34,727 その者は ここに立ち➡ 242 00:16:34,727 --> 00:16:37,730 民に宣誓することが決まりでした。 243 00:16:37,730 --> 00:16:41,400 誰も この道を 選ぶことができなかったときは➡ 244 00:16:41,400 --> 00:16:44,570 正しき道を選ぶ妃を連れて➡ 245 00:16:44,570 --> 00:16:48,074 再度 この廟へ やって来たと。 246 00:16:48,074 --> 00:16:52,912 本来 正しき血を受け継ぐ者が それを なすわけですが➡ 247 00:16:52,912 --> 00:16:57,583 この度は どうも 違う者が 当ててしまったようで…。 248 00:16:57,583 --> 00:17:01,754 《挑発してきたのは そっちなのに なんだ? このじじい》 249 00:17:01,754 --> 00:17:04,090 それより どういうことか➡ 250 00:17:04,090 --> 00:17:07,093 朕に わかるように 説明してくれぬか? 251 00:17:07,093 --> 00:17:11,264 それは そちらの娘に聞いては いかがかと。 252 00:17:11,264 --> 00:17:13,599 《あっ! このじじい 言いにくいことを➡ 253 00:17:13,599 --> 00:17:15,601 私に言わせる気か!》 254 00:17:15,601 --> 00:17:18,604 だそうだ。 《くっ…》 255 00:17:20,606 --> 00:17:23,109 建国の物語では 王母は➡ 256 00:17:23,109 --> 00:17:27,446 暗闇も見通せる目を持っている ということでした。 257 00:17:27,446 --> 00:17:31,951 この廟に選ばれし者 つまり 王母の血を引く者は➡ 258 00:17:31,951 --> 00:17:35,554 色の識別ができない目を持つ ということです。 259 00:17:35,554 --> 00:17:39,392 色の識別が…。 どういうことだ? 260 00:17:39,392 --> 00:17:44,397 では 先ほど私が選んだ扉の 基準について ご説明を。 261 00:17:44,397 --> 00:17:48,067 最初は 青 赤 緑の扉があり➡ 262 00:17:48,067 --> 00:17:50,903 「赤い扉を通るな」とありました。 263 00:17:50,903 --> 00:17:54,407 なら 青でも緑でも正解なはずですが➡ 264 00:17:54,407 --> 00:17:57,743 王母の子は 青を選ぶはずです。 265 00:17:57,743 --> 00:18:01,247 なぜなら 赤と緑の区別がつかないから➡ 266 00:18:01,247 --> 00:18:04,250 確実に赤ではない扉を選ぶ。 267 00:18:04,250 --> 00:18:07,586 赤と緑が区別できない…。 268 00:18:07,586 --> 00:18:09,755 この国では珍しいのですが➡ 269 00:18:09,755 --> 00:18:13,426 西方には 赤と緑の判別ができない男性が➡ 270 00:18:13,426 --> 00:18:16,262 10人に1人の割合で いたそうです。 271 00:18:16,262 --> 00:18:18,598 ((羅門なら わかるだろうね)) 272 00:18:18,598 --> 00:18:21,434 《西方に留学していた おやじなら➡ 273 00:18:21,434 --> 00:18:23,436 この特性を知っていただろう。 274 00:18:23,436 --> 00:18:26,272 あれは そういう意味だったか》 275 00:18:26,272 --> 00:18:28,274 次の扉も同じです。 276 00:18:28,274 --> 00:18:33,379 「茶を通るな」の指示で 茶と緑の区別がつかない場合➡ 277 00:18:33,379 --> 00:18:36,048 消去法で 水色を選ぶでしょう。 278 00:18:36,048 --> 00:18:39,552 最後の扉も 「赤を通れ」とありながら➡ 279 00:18:39,552 --> 00:18:42,388 赤い扉がありませんでした。 280 00:18:42,388 --> 00:18:47,727 ですが 白と紫の扉が 確実に見分けられるなら➡ 281 00:18:47,727 --> 00:18:50,563 残る扉が赤だと判断します。 282 00:18:50,563 --> 00:18:54,400 つまり 正解は2つあるように 見えながら➡ 283 00:18:54,400 --> 00:18:58,571 本当の正解は 1つしかなかったのです。 284 00:18:58,571 --> 00:19:02,575 しかし 代々の皇帝に そんな特徴があれば➡ 285 00:19:02,575 --> 00:19:04,577 気付きそうなものだが…。 286 00:19:04,577 --> 00:19:06,912 養父から 聞いたことがあるのですが➡ 287 00:19:06,912 --> 00:19:08,914 色が判断できなくても➡ 288 00:19:08,914 --> 00:19:11,584 慣れてしまえば どうにか対処できるので➡ 289 00:19:11,584 --> 00:19:14,587 案外 周りにいても 気付かないのだとか。 290 00:19:14,587 --> 00:19:19,925 そして 色の識別が困難な分 夜目が利くとも聞きます。 291 00:19:19,925 --> 00:19:24,096 それが 王母の目の言い伝えの 元ではないでしょうか。 292 00:19:24,096 --> 00:19:26,932 王母から引き継いだ 特性を持つ者しか➡ 293 00:19:26,932 --> 00:19:29,602 ここを通過できないということか。 294 00:19:29,602 --> 00:19:33,706 時には 偶然 通過した者も いるかもしれませんが…。 295 00:19:33,706 --> 00:19:35,875 最後の部屋まで たどりつける確率は➡ 296 00:19:35,875 --> 00:19:37,877 相当 低いでしょう。 297 00:19:37,877 --> 00:19:44,550 《昔話には 王母は 遠き地より やって来た者とある。 298 00:19:44,550 --> 00:19:48,721 彼女は 色彩の判別が困難な 特性を持ちながら➡ 299 00:19:48,721 --> 00:19:53,059 西方の地より 従者と共に この地へと やって来た》 300 00:19:53,059 --> 00:19:57,229 新たな地に定住するのは 容易なことではありません。 301 00:19:57,229 --> 00:20:01,400 そこで 彼女は この地のおさと 婚姻を結んだのです。 302 00:20:01,400 --> 00:20:06,072 待て 薬屋。 伝承では 王母は 夫を持たなかったと聞くぞ。 303 00:20:06,072 --> 00:20:09,075 そこが 王母たちの したたかなところです。 304 00:20:09,075 --> 00:20:11,577 血が濃くなり過ぎないよう➡ 305 00:20:11,577 --> 00:20:15,247 よそから来た者をめとるのは 珍しいことではない。 306 00:20:15,247 --> 00:20:17,249 王母を祖としながら➡ 307 00:20:17,249 --> 00:20:20,086 代々 男子が 皇位継承しているのは➡ 308 00:20:20,086 --> 00:20:24,256 この地のおさを立てたやり方に 従ったからだと思います。 309 00:20:24,256 --> 00:20:26,926 しかし 王母の血族は➡ 310 00:20:26,926 --> 00:20:31,931 そのまま 自分たちの血が薄れ 途絶えるのを よしとしなかった。 311 00:20:31,931 --> 00:20:35,267 王母の血を 確実に後世に残す方法…。 312 00:20:35,267 --> 00:20:38,437 それが この選択の廟なのです。 313 00:20:38,437 --> 00:20:42,108 《もし 特性を持つ者がいなければ➡ 314 00:20:42,108 --> 00:20:46,946 王母に近しい血筋の者を 妃として迎え 共に廟に入る。 315 00:20:46,946 --> 00:20:51,450 妃も廟に立ち入ることが できるのは そのためだ。 316 00:20:51,450 --> 00:20:56,122 そうやって 少しずつ 国の中心に入り込んでいく。 317 00:20:56,122 --> 00:20:59,458 元いた おさの存在を 物語から追い出し➡ 318 00:20:59,458 --> 00:21:01,961 王母を祖にするほどに。 319 00:21:01,961 --> 00:21:04,463 やがて 当時を知る者がいなくなれば➡ 320 00:21:04,463 --> 00:21:07,299 残った物語が真実となる。 321 00:21:07,299 --> 00:21:11,971 それは とても平和で 気の長い 乗っ取りだったわけだ。 322 00:21:11,971 --> 00:21:14,807 まあ さすがに それは言えないけどね》 323 00:21:14,807 --> 00:21:19,145 つまり朕には 王母の血は 流れておらぬということか? 324 00:21:19,145 --> 00:21:23,816 確実な判別法として この廟の存在があるだけです。 325 00:21:23,816 --> 00:21:28,154 親に その傾向があっても 子に伝わらないこともあります。 326 00:21:28,154 --> 00:21:32,158 それに 血は濃くなり過ぎても 弊害が起こります。 327 00:21:32,158 --> 00:21:35,094 先帝のご兄弟が 病で倒れられたのも➡ 328 00:21:35,094 --> 00:21:37,763 そのせいかもしれません。 (拍手) 329 00:21:37,763 --> 00:21:40,266 よもや こんな小娘が➡ 330 00:21:40,266 --> 00:21:43,102 本当に謎解きするとは 思いませんでした。 331 00:21:43,102 --> 00:21:45,104 《小娘…》 332 00:21:45,104 --> 00:21:47,606 王母が この地を治められたのは➡ 333 00:21:47,606 --> 00:21:50,442 類いまれな聡明さが あったからこそと➡ 334 00:21:50,442 --> 00:21:54,446 いわれております。 この際 血を薄めるのであれば➡ 335 00:21:54,446 --> 00:21:57,783 いっそ このような者を 取り込んでみては…。 336 00:21:57,783 --> 00:21:59,785 《はっ?》 アハハハハハ! 337 00:21:59,785 --> 00:22:02,121 《何を言っているのだ? あの くそじじい》 338 00:22:02,121 --> 00:22:06,292 それも おもしろいかもしれぬが 羅漢を敵に回したくはないし➡ 339 00:22:06,292 --> 00:22:11,964 何より 胸回りが 15cmほど足らぬ。 《余計な お世話だ》 340 00:22:11,964 --> 00:22:14,133 しかし お気を付けください。 341 00:22:14,133 --> 00:22:17,803 よその血が入ることを 快く思わない連中も➡ 342 00:22:17,803 --> 00:22:20,472 多いでしょう。 わかっておるよ。 343 00:22:20,472 --> 00:22:23,976 ええ 主上は わかっておられますでしょう。 344 00:22:23,976 --> 00:22:26,979 お気を付けください。 345 00:22:29,148 --> 00:22:31,150 わかっている。 346 00:22:40,926 --> 00:22:43,262 《一体 何者なんだろう? 347 00:22:43,262 --> 00:22:46,432 帝のお気に入りの宦官。 348 00:22:46,432 --> 00:22:49,134 それだけで済ませるには 何か…》 349 00:22:51,604 --> 00:22:53,606 《誰だっていいか。 350 00:22:53,606 --> 00:22:55,608 知らぬが仏。 351 00:22:55,608 --> 00:22:57,610 そういうものだ》