1 00:00:01,101 --> 00:00:05,105 ♬~ 2 00:00:05,105 --> 00:00:25,092 ♬~ 3 00:00:25,092 --> 00:00:37,070 ♬~ 4 00:00:37,070 --> 00:00:57,090 ♬~ 5 00:00:57,090 --> 00:01:17,110 ♬~ 6 00:01:17,110 --> 00:01:29,122 ♬~ 7 00:01:41,068 --> 00:01:57,050 ♬~ 8 00:01:57,050 --> 00:01:59,086 (桜花) ほら見て 猫猫。 9 00:01:59,086 --> 00:02:01,121 (猫猫) ほ~ すごいですね。 10 00:02:01,121 --> 00:02:03,190 (桜花) でしょ~。 11 00:02:03,190 --> 00:02:06,059 《なるほど わざわざ呼んだのは これのためか》 12 00:02:06,059 --> 00:02:08,061 (玉葉妃) 立派な姿見でしょう? 13 00:02:08,061 --> 00:02:11,565 何で できているか分かるかしら。 14 00:02:11,565 --> 00:02:15,569 この反射 玻璃製でしょうか。 15 00:02:15,569 --> 00:02:17,070 当たりよ。 16 00:02:17,070 --> 00:02:20,073 ホント玉葉さまが2人いるみたい。 17 00:02:20,073 --> 00:02:22,576 《玻璃製の鏡は作るのが難しく➡ 18 00:02:22,576 --> 00:02:25,112 西方からの渡来品しかない》 19 00:02:25,112 --> 00:02:27,648 《すこぶる高級品だ》 20 00:02:27,648 --> 00:02:31,551 《うっかり割ってしまったら 首が飛んでも文句は言えない》 21 00:02:31,551 --> 00:02:34,054 (貴園) 前にも 玻璃製の手鏡はあったけど➡ 22 00:02:34,054 --> 00:02:36,056 桜花が割っちゃったからね。 23 00:02:36,056 --> 00:02:38,058 もう それは言わないでよ! 24 00:02:38,058 --> 00:02:41,561 《玉葉さまが おおらかな人でよかった…》 25 00:02:41,561 --> 00:02:44,531 は~。 26 00:02:44,531 --> 00:02:46,566 猫猫も興味あるんだ? 27 00:02:46,566 --> 00:02:50,137 はい どういう構造に なっているのでしょうか。 28 00:02:50,137 --> 00:02:54,041 国内で量産できるようになれば 儲けることが…。 29 00:02:54,041 --> 00:02:56,043 うん そだね。 30 00:02:56,043 --> 00:02:58,045 この姿見はね➡ 31 00:02:58,045 --> 00:03:00,547 異国の特使からの献上品なの。 32 00:03:00,547 --> 00:03:02,549 特使さまですか。 33 00:03:02,549 --> 00:03:05,552 《そういえば やぶ医者が言ってたな…》 34 00:03:05,552 --> 00:03:08,055 《大規模なキャラバンが 来たのは➡ 35 00:03:08,055 --> 00:03:11,091 異国の特使を迎えるための 先行隊だとか》 36 00:03:11,091 --> 00:03:14,661 他の上級妃にも 贈っているみたいだけどね。 37 00:03:14,661 --> 00:03:17,531 (紅娘) そういう言い方は やめなさい。 38 00:03:17,531 --> 00:03:20,534 《玉葉妃を含めた上級妃は4人》 39 00:03:20,534 --> 00:03:24,571 《特使としても 誰かだけをひいきにはできない》 40 00:03:24,571 --> 00:03:28,041 《こんな立派な姿見を 4枚も持ってくるなんて➡ 41 00:03:28,041 --> 00:03:31,044 砂漠を越えるにしても 海を越えるにしても➡ 42 00:03:31,044 --> 00:03:33,046 大変だったろう》 43 00:03:33,046 --> 00:03:35,082 《妃たちに ここまで気を使うとは➡ 44 00:03:35,082 --> 00:03:37,150 この国に大きな商談でも➡ 45 00:03:37,150 --> 00:03:40,120 持ちかけているのかも しれないな…》 46 00:03:41,054 --> 00:03:43,557 (高順) 小猫 今よろしいですか? 47 00:03:43,557 --> 00:03:47,060 高順さま どうなさったのですか? 48 00:03:47,060 --> 00:03:50,564 少し 小猫の意見を 聞かせてほしいことがありまして。 49 00:03:50,564 --> 00:03:53,033 紅娘さま 場所をお借りしても? 50 00:03:53,033 --> 00:03:55,068 ええ 構いませんが➡ 51 00:03:55,068 --> 00:03:57,604 込み入ったお話なんですか? 52 00:03:57,604 --> 00:03:59,606 うむ…。 53 00:04:01,041 --> 00:04:05,045 《2人きりは まずいと 紅娘さまも同席してくれたが➡ 54 00:04:05,045 --> 00:04:11,051 高順さまが妻子持ちと知って すっかり興味を失ったらしいな》 55 00:04:11,051 --> 00:04:14,054 それで お役に立てるかは 分かりませんが➡ 56 00:04:14,054 --> 00:04:16,056 話というのは? 57 00:04:16,056 --> 00:04:19,626 実は 知人が大層困っておりまして➡ 58 00:04:19,626 --> 00:04:22,662 大変妙な話なのですが…。 59 00:04:22,662 --> 00:04:26,032 とある良家に2人の娘がいました。 60 00:04:26,032 --> 00:04:31,037 年が近く よく似た姉妹は 両親に愛されて育ちましたが➡ 61 00:04:31,037 --> 00:04:35,041 年頃になると 過保護とも いえるほどになりまして。 62 00:04:35,041 --> 00:04:37,043 1人はもちろんのこと➡ 63 00:04:37,043 --> 00:04:39,546 2人でも 外に出ることは許されず➡ 64 00:04:39,546 --> 00:04:45,118 監視役の侍女を付けられ 姉妹は家に閉じこもる日々でした。 65 00:04:45,118 --> 00:04:47,154 哀れに思った侍女が➡ 66 00:04:47,154 --> 00:04:49,589 時折 連れ出すこともありましたが➡ 67 00:04:49,589 --> 00:04:52,092 それが父親に知られてしまい➡ 68 00:04:52,092 --> 00:04:55,562 部屋の外にも 下男を監視役に置き➡ 69 00:04:55,562 --> 00:05:00,567 夜は鍵をかけて 出られないようにしたそうです。 70 00:05:00,567 --> 00:05:02,569 元々 内向的な姉妹は➡ 71 00:05:02,569 --> 00:05:06,139 1日中 部屋で刺繍をしていましたが➡ 72 00:05:06,139 --> 00:05:07,674 ある時…。 73 00:05:07,674 --> 00:05:10,076 (姉)⦅父さま 妹が…➡ 74 00:05:10,076 --> 00:05:13,079 仙人の子を身ごもりました⦆ 75 00:05:16,082 --> 00:05:19,586 それは…。 妙な話ですねぇ。 76 00:05:19,586 --> 00:05:22,589 また侍女が こっそり外出させたのでは? 77 00:05:22,589 --> 00:05:25,158 いえ 外出させた侍女は➡ 78 00:05:25,158 --> 00:05:28,195 見せしめ的に解雇されました。 79 00:05:28,195 --> 00:05:31,565 新しい侍女は あまり姉妹と 接していなかったそうです。 80 00:05:31,565 --> 00:05:34,568 では… 不埒な話ですが➡ 81 00:05:34,568 --> 00:05:38,071 監視役の下男と… とか? 82 00:05:38,071 --> 00:05:42,075 それも難しいですね 下男は監視のためでも➡ 83 00:05:42,075 --> 00:05:44,578 部屋に近づくことも 許されていませんでした。 84 00:05:44,578 --> 00:05:47,047 確かに困った話ですが➡ 85 00:05:47,047 --> 00:05:50,116 私の領分ではない気がします。 86 00:05:50,116 --> 00:05:53,553 「殿方と通じずに 子を身ごもる例はないか」➡ 87 00:05:53,553 --> 00:05:56,056 …という話なら 分からなくもないですが。 88 00:05:56,056 --> 00:05:58,558 そんなことがあるの? 89 00:05:58,558 --> 00:06:01,061 実際に子が宿るのではなく➡ 90 00:06:01,061 --> 00:06:04,531 妊娠したように 体が錯覚を起こすのです。 91 00:06:04,531 --> 00:06:06,533 妓楼でも若い妓女が➡ 92 00:06:06,533 --> 00:06:11,104 「好きな男の子供を身ごもった」 と言い出したことがありました。 93 00:06:11,104 --> 00:06:14,674 実際に妊娠したわけではなくて? はい。 94 00:06:14,674 --> 00:06:18,545 それでも 月のものが止まったり 胸や腹が張ってきたり➡ 95 00:06:18,545 --> 00:06:23,049 思い込みが体に及ぼす影響は 大きいんです。 96 00:06:23,049 --> 00:06:26,553 その妹が身ごもったことは 確かなんですか? 97 00:06:26,553 --> 00:06:28,555 え ええ… まぁ…。 98 00:06:28,555 --> 00:06:32,058 そういうことに しておいてください。 99 00:06:32,058 --> 00:06:35,095 問題は 監視を逃れて➡ 100 00:06:35,095 --> 00:06:37,631 妹が抜け出すことが できたかどうかです。 101 00:06:37,631 --> 00:06:39,165 では 姉妹が➡ 102 00:06:39,165 --> 00:06:42,068 どのように監視されていたのか 分かりますか? 103 00:06:42,068 --> 00:06:45,038 ええ こちらに見取り図が。 104 00:06:47,073 --> 00:06:50,076 姉妹が住んでいたのは 北側にある離れで➡ 105 00:06:50,076 --> 00:06:54,080 本宅とは 西の渡り廊下でつながっています。 106 00:06:54,080 --> 00:06:57,550 厠はどちらに? 離れの中にあります。 107 00:06:57,550 --> 00:07:00,120 もし妹が抜け出すとしたら…。 108 00:07:00,120 --> 00:07:03,123 出入り口は 西側の廊下にしかありません。 109 00:07:03,123 --> 00:07:06,192 あとは 東側と南側に窓がありますが➡ 110 00:07:06,192 --> 00:07:09,062 下男が監視していました。 111 00:07:09,062 --> 00:07:12,565 下男はどの辺りから 監視していたのでしょう? 112 00:07:12,565 --> 00:07:15,568 南側の窓は本宅の3階から➡ 113 00:07:15,568 --> 00:07:19,572 東側の窓は1階から 監視していたらしいです。 114 00:07:19,572 --> 00:07:23,576 ふむ… 見える範囲はかなり限られますね。 115 00:07:23,576 --> 00:07:27,113 室内はほとんど見えないのでは? ええ。 116 00:07:27,113 --> 00:07:29,115 ただ 姉妹は➡ 117 00:07:29,115 --> 00:07:32,052 窓辺で刺繍をしていることが 多かったそうで…。 118 00:07:32,052 --> 00:07:35,055 変わった趣味ですね 刺繍だなんて。 119 00:07:35,055 --> 00:07:38,058 元は放牧の民だったようで…。 120 00:07:38,058 --> 00:07:39,526 《何だろう➡ 121 00:07:39,526 --> 00:07:44,030 肝心なところは ぼかしているような気がする…》 122 00:07:44,030 --> 00:07:48,101 《東と南 窓があるのは同じ部屋のようだ》 123 00:07:48,101 --> 00:07:52,172 《寝室は 姉妹で別々に用意してある…》 124 00:07:52,172 --> 00:07:56,576 この離れ 元は来賓用ですか? よく気が付きましたね。 125 00:07:56,576 --> 00:08:00,080 監視は何人いたのですか? 2人です。 126 00:08:00,080 --> 00:08:04,084 それぞれ 持ち場はずっと同じでした。 127 00:08:04,084 --> 00:08:06,586 《随分と詳細を知っている》 128 00:08:06,586 --> 00:08:10,557 《そのくせ 全ては語っていない この感じ…》 129 00:08:10,557 --> 00:08:14,160 《これは 本当に「知人」の話なのか…?》 130 00:08:14,160 --> 00:08:18,064 《口にしたいような したくないような…》 131 00:08:18,064 --> 00:08:21,568 う~ん…。 そういえば小猫。 132 00:08:21,568 --> 00:08:23,570 壬氏さまから言伝で➡ 133 00:08:23,570 --> 00:08:27,574 牛黄が遅れそうなので わびの品だそうです。 134 00:08:27,574 --> 00:08:31,077 《牛黄! そういえば まだ もらっていなかった》 135 00:08:31,077 --> 00:08:33,079 《また頭突きをされては たまらない➡ 136 00:08:33,079 --> 00:08:35,615 …と黙っていたが 確かに遅い》 137 00:08:35,615 --> 00:08:39,552 申し訳ありません 急に需要が高まったようで。 138 00:08:39,552 --> 00:08:42,088 どうして いきなり? 139 00:08:42,088 --> 00:08:44,057 ん…。 140 00:08:44,057 --> 00:08:46,092 最近 壬氏さまの元に➡ 141 00:08:46,092 --> 00:08:49,596 貴重な霊薬を贈る者が多いと 聞きましたよ。 142 00:08:49,596 --> 00:08:53,033 やけに熱心に探していると 噂ですから。 143 00:08:53,033 --> 00:08:55,068 ま まぁ そういうことで。 144 00:08:55,068 --> 00:08:57,070 こちらをどうぞ。 145 00:08:58,638 --> 00:09:02,042 (包みを開ける音) 146 00:09:02,042 --> 00:09:04,544 わ~! 147 00:09:04,544 --> 00:09:07,047 アハっ アハっ…。 148 00:09:07,047 --> 00:09:09,048 ハァ~…。 149 00:09:09,048 --> 00:09:11,051 何ですか? これ。 150 00:09:11,051 --> 00:09:12,552 熊胆です。 151 00:09:12,552 --> 00:09:15,054 (早口で) 熊の胆のうを乾かしたもので 苦みがありますが➡ 152 00:09:15,054 --> 00:09:18,091 消化器系の病で重宝される 貴重な生薬です! 153 00:09:18,091 --> 00:09:20,627 喜んでいただけて何よりです。 154 00:09:20,627 --> 00:09:24,564 本当は 壬氏さまが 直接渡したかったようですが…。 155 00:09:24,564 --> 00:09:26,533 フっ。 156 00:09:26,533 --> 00:09:30,570 それで 何か気付いたことは ありませんか? 157 00:09:30,570 --> 00:09:35,041 分かりました 少しお待ちいただけますか? 158 00:09:41,581 --> 00:09:44,651 この木の実が姉妹だとして➡ 159 00:09:44,651 --> 00:09:48,087 いつも座っているのは この辺りで合っていますか? 160 00:09:48,087 --> 00:09:49,589 そうですね。 161 00:09:49,589 --> 00:09:54,060 監視は2人 それぞれがいつも 同じ場所で見張っていた。 162 00:09:54,060 --> 00:09:58,565 そこで こんなふうに 鏡を置いてみたらどうでしょう? 163 00:09:58,565 --> 00:10:00,066 あっ。 あっ。 164 00:10:00,066 --> 00:10:02,569 もう一つ 木の実があるように見えます。 165 00:10:02,569 --> 00:10:05,638 同じように この東の窓の近くに➡ 166 00:10:05,638 --> 00:10:08,675 大きな鏡があったら どうでしょう? 167 00:10:08,675 --> 00:10:10,577 監視の位置からだと 遠目になるので➡ 168 00:10:10,577 --> 00:10:13,580 多少 不自然でも 分からないでしょう。 169 00:10:13,580 --> 00:10:16,115 つまり 部屋にいたのは1人だけで➡ 170 00:10:16,115 --> 00:10:20,086 もう1人は鏡に映った姿 というわけですか? 171 00:10:20,086 --> 00:10:22,555 うん よく似た姉妹なら➡ 172 00:10:22,555 --> 00:10:26,092 監視役が見分けるのは 難しいかもしれません。 173 00:10:26,092 --> 00:10:29,129 でも猫猫 刺繍はどうなの? 174 00:10:29,129 --> 00:10:32,565 2人は それぞれ違うものを 刺繍していたのでしょう? 175 00:10:32,565 --> 00:10:35,068 ええ 動物だと聞いています。 176 00:10:35,068 --> 00:10:37,570 確か 鳥とウサギとか。 177 00:10:37,570 --> 00:10:39,572 例えば➡ 178 00:10:39,572 --> 00:10:42,075 こんな絵だとすれば どうでしょう? 179 00:10:44,077 --> 00:10:46,079 この絵を逆さまにすると➡ 180 00:10:46,079 --> 00:10:49,115 笑った顔が 怒った顔のように見えませんか? 181 00:10:49,115 --> 00:10:50,650 (高順:紅娘) あっ。 182 00:10:50,650 --> 00:10:54,053 じゃあ その刺繍も だまし絵だったってこと? 183 00:10:54,053 --> 00:10:57,056 鏡に映って左右が逆になったら➡ 184 00:10:57,056 --> 00:11:01,561 別のものに見えるような柄を 刺繍していたのかもしれません。 185 00:11:01,561 --> 00:11:05,064 1人が 南側の窓辺で刺繍している間➡ 186 00:11:05,064 --> 00:11:08,067 もう1人が 西側の出入り口から 抜け出すのは➡ 187 00:11:08,067 --> 00:11:10,069 可能だと思います。 188 00:11:10,069 --> 00:11:13,139 なるほど。 確かにその方法なら➡ 189 00:11:13,139 --> 00:11:16,042 抜け出して あいびきも できますねぇ。 190 00:11:16,042 --> 00:11:18,545 《異国の特使が持ってきた姿見➡ 191 00:11:18,545 --> 00:11:21,047 あんなに美しく映るのだから➡ 192 00:11:21,047 --> 00:11:25,051 遠目に見れば 十分 間違えてしまうだろう…》 193 00:11:25,051 --> 00:11:28,054 《昔 おやじが留学していた 西方の国では➡ 194 00:11:28,054 --> 00:11:33,092 刺繍は 上流階級の子女の たしなみだったそうだ》 195 00:11:33,092 --> 00:11:37,163 《高順さまは 良家の子女が 家を抜け出し 子をはらんだ➡ 196 00:11:37,163 --> 00:11:42,068 …と言ったが どこまで本当なのか疑わしい》 197 00:11:42,068 --> 00:11:44,070 《実際に はらんだのは➡ 198 00:11:44,070 --> 00:11:47,040 もっと違う 秘密なのかもしれない》 199 00:11:47,040 --> 00:11:49,042 《密偵の疑いがある者を➡ 200 00:11:49,042 --> 00:11:52,045 客人として 扱うこともあるだろう》 201 00:11:52,045 --> 00:11:56,049 《されど それを追求するような 深入りはしない…》 202 00:11:56,049 --> 00:11:59,118 《それよりも… ウフ~》 203 00:11:59,118 --> 00:12:00,620 ハァ~! 204 00:12:00,620 --> 00:12:03,056 この熊胆で何を作ろうかなぁ。 205 00:12:03,056 --> 00:12:05,558 ハァ…。 アハっ アハハ! 206 00:12:08,061 --> 00:12:12,565 真珠の涙を流す絶世の美女… ですか。 207 00:12:12,565 --> 00:12:16,569 (壬氏) ああ 接待対応の高官に 泣き付かれてな。 208 00:12:16,569 --> 00:12:20,106 壬氏さま わざわざ お仕事を増やさなくても…。 209 00:12:20,106 --> 00:12:22,575 分かっている。 210 00:12:24,544 --> 00:12:26,546 姿見といい➡ 211 00:12:26,546 --> 00:12:30,049 特使たちは 一体 何を考えているんだ。 212 00:12:32,018 --> 00:12:37,023 薬屋 真珠の涙を流す絶世の美女の 話を聞いたことはないか? 213 00:12:37,023 --> 00:12:38,524 ん…。 214 00:12:38,524 --> 00:12:40,526 ん? 何だ? 215 00:12:40,526 --> 00:12:43,529 《「絶世の美人なら 目の前にいますよ」➡ 216 00:12:43,529 --> 00:12:45,531 …と言いたいが》 217 00:12:45,531 --> 00:12:47,033 ウフフ…。 218 00:12:47,033 --> 00:12:49,569 真珠の涙とは どういうことでしょう。 219 00:12:49,569 --> 00:12:52,505 詳しいことは知らないが…。 220 00:12:52,505 --> 00:12:55,508 月の精のような美女で➡ 221 00:12:55,508 --> 00:12:59,012 彼女が踊れば 祝福するように光が舞い➡ 222 00:12:59,012 --> 00:13:03,516 その涙は真珠となり こぼれ落ちたとか…。 223 00:13:03,516 --> 00:13:07,020 どうやら 花街の妓女だったらしいのだが…。 224 00:13:07,020 --> 00:13:10,556 月の精ですか 何でまた急に? 225 00:13:10,556 --> 00:13:14,127 今 来ている特使の たっての願いでな。 226 00:13:14,127 --> 00:13:16,529 特使というと 西方の? 227 00:13:16,529 --> 00:13:19,032 ああ 幼い頃➡ 228 00:13:19,032 --> 00:13:24,003 特使は 祖父から月の精の話を 何度も聞かされていたらしい。 229 00:13:24,003 --> 00:13:28,508 それで「会ってみたいので 捜してほしい」と言われたのだ。 230 00:13:28,508 --> 00:13:32,545 祖父… ということは かなり昔のことですね。 231 00:13:32,545 --> 00:13:36,582 ああ 無理難題だが 大事な外交の相手だ。 232 00:13:36,582 --> 00:13:39,018 できる限り応えたい。 233 00:13:39,018 --> 00:13:43,022 何か 噂だけでも 聞いたことはないか? 234 00:13:43,022 --> 00:13:48,528 《50年前 花街の踊り子 月の精…》 235 00:13:48,528 --> 00:13:50,029 あっ。 236 00:13:50,029 --> 00:13:52,031 もちろん 何十年前の話だから➡ 237 00:13:52,031 --> 00:13:54,033 今 生きているかどうか 分からないが…。 238 00:13:54,033 --> 00:13:56,069 生きてますよ。 えっ。 239 00:13:56,069 --> 00:13:57,570 本当か⁉ 240 00:13:57,570 --> 00:14:01,541 本当も何も 壬氏さまは 会ったこともあるじゃないですか。 241 00:14:01,541 --> 00:14:03,042 花街で。 242 00:14:03,042 --> 00:14:05,011 私が? ええ。 243 00:14:05,011 --> 00:14:08,514 それらしい人物に 会った記憶はないが…。 244 00:14:08,514 --> 00:14:12,018 すぐに思い当たらなくても 無理ないと思います。 245 00:14:12,018 --> 00:14:15,521 まさか…。 そのまさかです。 246 00:14:15,521 --> 00:14:19,092 やり手婆ですよ 緑青館の。 247 00:14:19,092 --> 00:14:21,127 あぁ…。 おぉ…。 248 00:14:21,127 --> 00:14:23,563 まぁ どんな方なの? 249 00:14:23,563 --> 00:14:25,031 ん…。 んん…。 250 00:14:25,031 --> 00:14:28,534 金子さえ積めば すぐ参じると思いますけど➡ 251 00:14:28,534 --> 00:14:30,002 どうしますか? 252 00:14:30,002 --> 00:14:32,538 え… あ いや それは…。 253 00:14:32,538 --> 00:14:37,543 でも 先方も50年前の人物だと 分かってるのでしょう? 254 00:14:37,543 --> 00:14:40,113 代わりの美女では ダメなのですか? 255 00:14:40,113 --> 00:14:45,051 それが… もう美女を集めての 宴席は設けたんだ。 256 00:14:45,051 --> 00:14:50,022 月の精ほどではなくても 粒ぞろいを集めたつもりだったが。 257 00:14:54,026 --> 00:14:56,529 相手は満足した様子はなく➡ 258 00:14:56,529 --> 00:14:59,532 むしろ 鼻で笑うようだったと…。 259 00:14:59,532 --> 00:15:01,567 《どんなヤツだよ》 260 00:15:01,567 --> 00:15:05,138 失礼ですが その美女たちに 夜のお相手の方は…。 261 00:15:05,138 --> 00:15:07,039 (紅娘) 猫猫! 262 00:15:07,039 --> 00:15:09,542 いや その手は無理だった。 263 00:15:09,542 --> 00:15:12,044 特使は女性だからな。 264 00:15:12,044 --> 00:15:16,549 《ああ それで 壬氏さまに話が回ってきたのか》 265 00:15:16,549 --> 00:15:21,020 《誰もが見とれる容姿を持ち 性別は一応 男》 266 00:15:21,020 --> 00:15:25,591 《女性を夢中にさせるのに 十分な逸材である》 267 00:15:25,591 --> 00:15:28,528 《しかし 面倒も起こり得る》 268 00:15:28,528 --> 00:15:32,031 《色仕掛けを本気にされ 夜伽を求められても➡ 269 00:15:32,031 --> 00:15:34,033 使えるものがない》 270 00:15:34,033 --> 00:15:37,537 《もちろん 女の身でありながら 特使という立場にあれば➡ 271 00:15:37,537 --> 00:15:40,506 そういう 浅はかなマネはしないだろうが➡ 272 00:15:40,506 --> 00:15:43,543 避けておくに 越したことはない…》 273 00:15:43,543 --> 00:15:48,114 その特使というのは どれほど 重要な相手なのでしょうか。 274 00:15:48,114 --> 00:15:52,518 西と北の交易拠点を押さえている と言えば分かるか? 275 00:15:52,518 --> 00:15:54,987 今回 キャラバンの規模が 大きかったのも➡ 276 00:15:54,987 --> 00:15:58,524 お互いに 新たな交易の話を 進めたいからだ。 277 00:15:58,524 --> 00:16:00,526 なるほど…。 278 00:16:00,526 --> 00:16:03,529 遠方の国では 他国との婚姻が進み➡ 279 00:16:03,529 --> 00:16:07,533 そこら中に美男美女がいると 聞いたことがあります。 280 00:16:07,533 --> 00:16:12,104 《そんな国の人間に 月の精とまで言わせたとは…》 281 00:16:12,104 --> 00:16:15,041 香に幻覚剤でも 混ぜたのでしょうか。 282 00:16:15,041 --> 00:16:17,043 そんなことをするのか? 283 00:16:17,043 --> 00:16:19,545 しませんけど 一番 手っ取り早いかと。 284 00:16:19,545 --> 00:16:23,015 そんなことをすれば 外交問題になる。 285 00:16:23,015 --> 00:16:25,518 うぅ この際 何でもいい。 286 00:16:25,518 --> 00:16:28,054 何か 当時の情報はないのか? 287 00:16:28,054 --> 00:16:30,122 《よほど 困っているな…》 288 00:16:30,122 --> 00:16:33,593 《では わらにもすがるつもりで》 289 00:16:35,127 --> 00:16:37,630 わざわざ来てもらって悪いね。 290 00:16:39,532 --> 00:16:43,035 (やり手婆) 何だか妙な話を持ってきたね。 291 00:16:43,035 --> 00:16:47,540 フン 随分 シケたとこだねぇ 茶の一杯も出ないのかい? 292 00:16:47,540 --> 00:16:51,043 ここ 面会室みたいなもんだから。 293 00:16:51,043 --> 00:16:55,581 婆さん 昔 異国の特使の 接待をしたんだって? 294 00:16:55,581 --> 00:16:57,617 ああ そうだよ。 295 00:16:57,617 --> 00:17:00,052 50年以上前だったかね➡ 296 00:17:00,052 --> 00:17:03,055 前の前の主上さまの時代さ。 297 00:17:03,055 --> 00:17:06,525 元は遺跡を利用して 造られた街があって➡ 298 00:17:06,525 --> 00:17:09,562 物見遊山の人が たくさん来てたんだ。 299 00:17:09,562 --> 00:17:14,066 人の往来の多い所だったから 急に都になると決まって➡ 300 00:17:14,066 --> 00:17:17,103 一悶着あったらしいけどね。 301 00:17:17,103 --> 00:17:20,039 まだ 遷都したてで 立派な城もなくて➡ 302 00:17:20,039 --> 00:17:22,542 接待する場所がなかったんだよ。 303 00:17:22,542 --> 00:17:24,543 お上も随分 悩んで➡ 304 00:17:24,543 --> 00:17:28,047 結局 残っていた遺跡を 使うことになった。 305 00:17:28,047 --> 00:17:30,016 元は何かの祭儀場で➡ 306 00:17:30,016 --> 00:17:34,553 果樹園の近くに キレイな池と建物があってね。 307 00:17:34,553 --> 00:17:36,589 《それって…》 308 00:17:36,589 --> 00:17:41,027 《先日 訪れた後宮北側には 荒れた果樹園があった》 309 00:17:41,027 --> 00:17:43,029 《当時の宴の会場が➡ 310 00:17:43,029 --> 00:17:46,032 今の後宮の中にあっても おかしくはない…》 311 00:17:46,032 --> 00:17:49,035 そこを舞台にした 踊り手の主役として➡ 312 00:17:49,035 --> 00:17:52,538 花街から選ばれたのが 私だったのさ。 313 00:17:52,538 --> 00:17:54,540 選ばれた理由は? 314 00:17:54,540 --> 00:17:58,611 そりゃ 当時の花街で 最上級の妓女だったからだよ。 315 00:17:58,611 --> 00:18:01,547 私を主役に10数人が踊ったよ。 316 00:18:01,547 --> 00:18:05,518 《今の姿は花というより 枯れ枝だけど…》 317 00:18:05,518 --> 00:18:09,555 しかし まぁ 一番の理由は体格だろうね。 318 00:18:09,555 --> 00:18:11,057 え? 319 00:18:11,057 --> 00:18:15,027 私は 背も高くて 体にメリハリもあったから。 320 00:18:15,027 --> 00:18:18,097 《確かに 主役として舞台に立ったら➡ 321 00:18:18,097 --> 00:18:20,132 体は大きい方がいいだろう》 322 00:18:20,132 --> 00:18:21,534 ただねぇ➡ 323 00:18:21,534 --> 00:18:26,038 即興の場だったから 準備には かなり手間取ったんだよ。 324 00:18:26,038 --> 00:18:28,541 月の満ち欠けまで計算して➡ 325 00:18:28,541 --> 00:18:31,010 宴席から見える景色を 良くするのに➡ 326 00:18:31,010 --> 00:18:33,546 障害物をどけてさ➡ 327 00:18:33,546 --> 00:18:36,015 果樹園が近いから虫も多くて➡ 328 00:18:36,015 --> 00:18:41,120 事前に 葉に付いた幼虫を 1匹残らず駆除して。 329 00:18:41,120 --> 00:18:46,058 まぁ 結局 かがり火の明かりで 虫は寄ってきたんだけどね。 330 00:18:46,058 --> 00:18:48,027 そこまで用意したのに➡ 331 00:18:48,027 --> 00:18:52,531 当日 私の衣装に イタズラするヤツらがいたのさ。 332 00:18:52,531 --> 00:18:56,035 虫の死骸をこすり付けられてね。 333 00:18:56,035 --> 00:18:58,537 でも 私はそんなヤワじゃ ない。 334 00:18:58,537 --> 00:19:01,574 布帛で隠してうまくやり遂げたさ。 335 00:19:01,574 --> 00:19:03,576 結果は大絶賛。 336 00:19:03,576 --> 00:19:06,646 イタズラしたヤツは 悔しがってたよ。 337 00:19:06,646 --> 00:19:10,549 その話 何度も聞いた もっと違うことない? 338 00:19:10,549 --> 00:19:12,518 痛っ! かわいくない子だね。 339 00:19:12,518 --> 00:19:14,020 んん… 痛っ…。 340 00:19:14,020 --> 00:19:16,022 ふん! ん? 341 00:19:19,525 --> 00:19:23,029 《キレイな絵だ… 初めて見た》 342 00:19:23,029 --> 00:19:26,565 《やり手婆も 大切にしていたのだろう…》 343 00:19:26,565 --> 00:19:29,635 《この幻想的な美女が➡ 344 00:19:29,635 --> 00:19:32,605 金の亡者になるなんて…》 345 00:19:34,006 --> 00:19:36,542 これは その特使というのが➡ 346 00:19:36,542 --> 00:19:40,046 わざわざ国に帰って 絵描きに描かせたそうだよ。 347 00:19:40,046 --> 00:19:42,548 「月女神」だなんていってね。 348 00:19:42,548 --> 00:19:46,052 あぁ なるほど この絵も美化されているわけか。 349 00:19:46,052 --> 00:19:48,554 何か言ったかい? 何でもないよ。 350 00:19:48,554 --> 00:19:50,056 フンっ。 351 00:19:50,056 --> 00:19:53,626 当人は 二度とこの地を 踏むことはなかったけど➡ 352 00:19:53,626 --> 00:19:56,529 キャラバンに預けて 届けてくれたのさ。 353 00:19:56,529 --> 00:19:58,030 フ~。 354 00:19:58,030 --> 00:20:02,068 でも 婆さんは普通に いつも通り仕事しただけだろ? 355 00:20:02,068 --> 00:20:04,036 何で そんなに気に入られてたの? 356 00:20:04,036 --> 00:20:08,541 そんなの私も知らないよ! フ~。 357 00:20:09,508 --> 00:20:13,579 《やり手婆は 物事を客観視できる人間だ》 358 00:20:13,579 --> 00:20:15,648 《誇張はないだろう》 359 00:20:15,648 --> 00:20:21,053 《しかし いくら当時の婆さんが 美人だったとしても➡ 360 00:20:21,053 --> 00:20:25,057 「女神」とまで言わしめたのは 何だったのか…》 361 00:20:27,026 --> 00:20:29,528 う~む 分からんな。 362 00:20:29,528 --> 00:20:33,532 取りあえず この絵に よく似た人物を捜しますか? 363 00:20:33,532 --> 00:20:36,068 そのくらいしか思い付かんな…。 364 00:20:36,068 --> 00:20:41,540 《正直 この絵に似た大柄な美女を 見つけるのは 難しいだろう》 365 00:20:41,540 --> 00:20:43,542 いっそ 顔は似てなくても➡ 366 00:20:43,542 --> 00:20:46,512 大柄な女を見つけてみては どうでしょう。 367 00:20:46,512 --> 00:20:49,014 今では 随分 縮んでしまいましたが➡ 368 00:20:49,014 --> 00:20:52,518 当時は 身長が 175cmあったそうです。 369 00:20:52,518 --> 00:20:54,520 随分と大柄だな。 370 00:20:54,520 --> 00:20:58,591 ええ 舞を得意としていたので 手足の長い方がよく映えた➡ 371 00:20:58,591 --> 00:21:00,626 …とのことです。 372 00:21:00,626 --> 00:21:05,531 しかし 彼女たちに匹敵する美女で 大柄となると 難度が高いぞ。 373 00:21:05,531 --> 00:21:08,501 特使さまたちも それくらいの背丈ですし➡ 374 00:21:08,501 --> 00:21:12,004 あまり小さいと 童のように見えるのでは。 375 00:21:12,004 --> 00:21:13,506 ん…。 376 00:21:13,506 --> 00:21:17,510 「特使さまたち」? 1人ではないのですか? 377 00:21:17,510 --> 00:21:21,547 ええ 同じ祖父を持つ いとこだそうで。 378 00:21:21,547 --> 00:21:23,582 《さっきの物言いだと➡ 379 00:21:23,582 --> 00:21:26,519 特使たちも かなりの美人なのだろう》 380 00:21:26,519 --> 00:21:30,523 《となれば やはり 背丈が175cmを超える➡ 381 00:21:30,523 --> 00:21:35,995 美女を黙らせるほどの 美貌の持ち主を…》 382 00:21:35,995 --> 00:21:38,030 あっ。 (壬氏:高順) ん? 383 00:21:38,030 --> 00:21:41,033 見つけました 大変適役な人物。 384 00:21:41,033 --> 00:21:45,070 背丈が175cmを超える美人 でしょう? 385 00:21:45,070 --> 00:21:46,572 あっ。 386 00:21:49,508 --> 00:21:51,510 ん? 387 00:21:51,510 --> 00:21:53,512 何が言いたい…。 388 00:21:55,514 --> 00:22:13,499 ♬~ 389 00:22:13,499 --> 00:22:15,534 (子翠) ん? 390 00:22:15,534 --> 00:22:17,036 わぁ…! 391 00:22:17,036 --> 00:22:24,009 ♬~ 392 00:22:25,511 --> 00:22:45,531 ♬~ 393 00:22:45,531 --> 00:22:57,042 ♬~ 394 00:22:57,042 --> 00:23:17,029 ♬~ 395 00:23:17,029 --> 00:23:19,531 ♬~ 396 00:23:19,531 --> 00:23:39,618 ♬~ 397 00:23:39,618 --> 00:23:41,053 ♬~ 398 00:23:41,053 --> 00:23:46,492 ♬~ 399 00:23:46,492 --> 00:23:51,497 ♬~