1 00:00:00,000 --> 00:01:25,080 ♬~ 2 00:01:32,560 --> 00:01:35,060 (武官1) 聞いたか? この前のボヤのこと。 3 00:01:35,060 --> 00:01:37,560 (武官2) 李白のヤツ お手柄だったな。 4 00:01:37,560 --> 00:01:40,570 (武官3) あいつが解決するとは 意外だった。 5 00:01:40,570 --> 00:01:43,070 それが どうも噂によると➡ 6 00:01:43,070 --> 00:01:46,070 下女が事件解決に 一役 買ったらしい。 7 00:01:46,070 --> 00:01:47,570 (武官3) 下女? 8 00:01:47,570 --> 00:01:49,610 (武官2) 壬氏さまの 部屋付きの下女だって。 9 00:01:49,610 --> 00:01:52,140 (武官1) へぇ~ 本当か? 10 00:01:52,140 --> 00:01:54,050 壬氏さまといえば この前➡ 11 00:01:54,050 --> 00:01:56,550 緑青館の妓女を 身請けしたんだろ? 12 00:01:56,550 --> 00:02:00,550 何でも知的で冷たい目つきの 美女だとか。 13 00:02:00,550 --> 00:02:03,590 (武官2) 見た連中が騒いでたぞ。 (羅漢) ん~…。 14 00:02:03,590 --> 00:02:06,560 (3人) あ… 羅漢さま。 15 00:02:08,060 --> 00:02:14,070 フフっ その話 詳しく教えてくれないか? 16 00:02:22,110 --> 00:02:25,080 (高順) 小猫 ちょっと いいでしょうか? 17 00:02:25,080 --> 00:02:28,550 (猫猫) 高順さま どうしたのですか? 18 00:02:28,550 --> 00:02:31,550 見てもらいたいものが あるのですが。 19 00:02:32,580 --> 00:02:35,620 古い事件の資料ですね。 20 00:02:35,620 --> 00:02:41,560 10年前の商家で フグの鱠に あたって食中毒が起きたと。 21 00:02:41,560 --> 00:02:43,530 《フグの毒》 22 00:02:43,530 --> 00:02:46,060 《あのピリピリした しびれがいいんだ》 23 00:02:46,060 --> 00:02:48,070 《あ~ 食べたい》 24 00:02:48,070 --> 00:02:52,070 今度 その手の料理屋に 連れていきますから。 25 00:02:52,070 --> 00:02:55,070 はぁ~! はぁ~。 26 00:02:55,070 --> 00:02:57,080 これが どうしたのですか? 27 00:02:57,080 --> 00:03:00,110 昔 私が この事件について➡ 28 00:03:00,110 --> 00:03:03,180 仕事で 関わっていたことがありました。 29 00:03:03,180 --> 00:03:07,550 (高順の声) これと よく似た事件が 最近起こったということで➡ 30 00:03:07,550 --> 00:03:10,560 元同僚に相談を受けたのです。 31 00:03:10,560 --> 00:03:15,060 よく似た事件? 官僚がフグの鱠を食べて➡ 32 00:03:15,060 --> 00:03:17,560 昏睡状態に陥っているのですよ。 33 00:03:17,560 --> 00:03:20,600 昏睡状態。 34 00:03:20,600 --> 00:03:23,140 申し訳ありません 高順さま。 35 00:03:23,140 --> 00:03:26,570 それは私が聞いても よろしい話でしょうか? 36 00:03:26,570 --> 00:03:28,540 問題ありません。 37 00:03:28,540 --> 00:03:32,040 小猫は自分の立場を わきまえていますから。 38 00:03:32,040 --> 00:03:35,050 《つまり 喋るなと》 39 00:03:35,050 --> 00:03:38,550 それに今更 毒の出てくる この話を➡ 40 00:03:38,550 --> 00:03:40,590 途中で切ってもいいのですか? 41 00:03:40,590 --> 00:03:45,060 グッ… どうぞ お話の続きを。 42 00:03:49,060 --> 00:03:51,060 今回 鱠には➡ 43 00:03:51,060 --> 00:03:55,070 フグの皮と身を湯引きしたものを 使っていたそうです。 44 00:03:55,070 --> 00:03:58,070 それを食べて昏睡状態に陥ったと。 45 00:03:58,070 --> 00:04:03,580 フグの身ですか? 毒が多いのは 肝などの内臓ですが。 46 00:04:03,580 --> 00:04:06,580 ええ 皮と身です。 47 00:04:06,580 --> 00:04:10,180 身は比較的 毒が薄いはずなのに…。 48 00:04:10,180 --> 00:04:13,050 まぁ 種類や環境によっては➡ 49 00:04:13,050 --> 00:04:16,050 身に毒がある場合も あるかもしれない。 50 00:04:16,050 --> 00:04:19,060 別に おかしな点は ないのでは? 51 00:04:19,060 --> 00:04:24,060 それが 今回の事件も前の事件も 料理人は➡ 52 00:04:24,060 --> 00:04:27,570 「フグを調理に使っていない」と 言い張っているのですよ。 53 00:04:27,570 --> 00:04:30,070 面白そうな話ですね。 54 00:04:30,070 --> 00:04:33,110 共通点は それだけではありません。 55 00:04:33,110 --> 00:04:37,540 倒れた2人… 今回の役人と 前回の商人は➡ 56 00:04:37,540 --> 00:04:41,550 共に美食家で 珍味を好んでいました。 57 00:04:41,550 --> 00:04:45,050 普段から魚の生肉なども よく食べていて➡ 58 00:04:45,050 --> 00:04:48,020 フグも好物だったそうです。 59 00:04:48,020 --> 00:04:51,560 事件の後 厨房のゴミから➡ 60 00:04:51,560 --> 00:04:54,590 内臓や皮が 全て発見されたことから➡ 61 00:04:54,590 --> 00:04:58,030 肝は食べていないと 判断されました。 62 00:04:58,030 --> 00:05:01,570 2つの事件の料理人は共に➡ 63 00:05:01,570 --> 00:05:05,040 フグは 前日の料理に使ったもので➡ 64 00:05:05,040 --> 00:05:09,540 鱠には別の魚を使ったと 無罪を主張しました。 65 00:05:09,540 --> 00:05:14,050 しかし 証人となる人間がいなかった。 66 00:05:14,050 --> 00:05:17,080 役人は 料理を全て食べ終えた30分後➡ 67 00:05:17,080 --> 00:05:19,650 中毒症状を起こして倒れ➡ 68 00:05:19,650 --> 00:05:22,520 けいれんしていたところを 発見されました。 69 00:05:22,520 --> 00:05:26,060 《案外しっかり調べてるんだな》 70 00:05:26,060 --> 00:05:29,060 《適当な調査で 犯人をでっち上げる➡ 71 00:05:29,060 --> 00:05:32,030 ろくでもない役人も たくさんいるのに》 72 00:05:32,030 --> 00:05:34,030 どう思われますか? 73 00:05:34,030 --> 00:05:40,110 症状はフグの毒みたいですが 今の話だけでは何とも。 74 00:05:40,110 --> 00:05:45,580 高順さま もう少し情報を 集めてきてもらえますか? 75 00:05:45,580 --> 00:05:48,550 分かりました 調べておきます。 76 00:05:53,550 --> 00:05:55,050 《今の季節なら➡ 77 00:05:55,050 --> 00:05:59,020 生ゴミを数日置いていたとしても おかしくはない》 78 00:05:59,020 --> 00:06:02,090 《別の魚を使ったという話も➡ 79 00:06:02,090 --> 00:06:05,160 残りかすが見つかっていて 矛盾はない》 80 00:06:05,160 --> 00:06:07,070 (壬氏) 何の話をしてたんだ? 81 00:06:07,070 --> 00:06:08,570 イヤァ…! 82 00:06:08,570 --> 00:06:11,040 さすがに その顔は俺も傷つく。 83 00:06:14,540 --> 00:06:18,040 高順の話を やけに熱心に 聞いていたようだが? 84 00:06:18,040 --> 00:06:22,080 面白い話なら 人は耳を傾けるものですから。 85 00:06:22,080 --> 00:06:25,620 おい ちょっと待て お前 俺の話は よく途中で…。 86 00:06:25,620 --> 00:06:29,550 それでは遅くなりましたので 帰らせていただきます。 87 00:06:29,550 --> 00:06:32,020 おい まだ話は終わってない…。 88 00:06:32,020 --> 00:06:34,530 (水蓮) あらあら 動かないで。 89 00:06:34,530 --> 00:06:38,060 ほら じっとして。 90 00:06:38,060 --> 00:06:39,530 ん…。 91 00:06:43,540 --> 00:06:46,540 小猫 昨日の話ですが…。 92 00:06:48,570 --> 00:06:50,610 これは調理書です。 93 00:06:50,610 --> 00:06:52,640 使用人の証言だと➡ 94 00:06:52,640 --> 00:06:56,050 主人に出す料理は ほとんど ここに書かれていると。 95 00:06:56,050 --> 00:06:58,020 ありがとうございます。 96 00:07:01,050 --> 00:07:05,560 「湯引きした魚に 細切りの野菜を 加えて酢であえる」。 97 00:07:05,560 --> 00:07:09,560 鱠の作り方に 特におかしなところはないですね。 98 00:07:09,560 --> 00:07:13,060 酢の配合は 何種類か書かれていますが➡ 99 00:07:13,060 --> 00:07:15,630 材料は詳しく書かれていません。 100 00:07:15,630 --> 00:07:21,040 恐らく季節によって 手に入る 魚や野菜が変わるからでしょう。 101 00:07:21,040 --> 00:07:26,550 これでは肝心の 何を使って 作ったかが分かりませんね。 102 00:07:26,550 --> 00:07:29,550 分からないのか? 103 00:07:29,550 --> 00:07:31,550 《話に加わりたいらしい》 104 00:07:31,550 --> 00:07:33,050 フゥ…。 105 00:07:33,050 --> 00:07:36,050 で 何が分からないって? 106 00:07:36,050 --> 00:07:38,120 あ~… ん? 107 00:07:38,120 --> 00:07:41,030 お食事前ですから。 108 00:07:41,030 --> 00:07:42,560 分かっている。 109 00:07:42,560 --> 00:07:45,560 《随分 子供っぽいことを》 110 00:07:45,560 --> 00:07:47,530 事件が起きたのは? 111 00:07:47,530 --> 00:07:50,040 1週間ほど前です。 112 00:07:50,040 --> 00:07:52,570 冬場の野菜となると➡ 113 00:07:52,570 --> 00:07:56,540 鱠の材料は大根かニンジン といったところですか? 114 00:07:56,540 --> 00:08:00,610 それが 海藻を使ったと言っていまして。 115 00:08:00,610 --> 00:08:04,050 海藻ですか? 海藻です。 116 00:08:04,050 --> 00:08:06,550 《珍味を好むということは➡ 117 00:08:06,550 --> 00:08:09,050 変わった海藻を 入れることもあるだろう》 118 00:08:09,050 --> 00:08:10,560 フッ。 119 00:08:10,560 --> 00:08:13,590 もし よろしければ その家の厨房を➡ 120 00:08:13,590 --> 00:08:16,560 見せてもらうことは できませんか? 121 00:08:23,640 --> 00:08:25,140 ん? 122 00:08:30,080 --> 00:08:34,050 高順さまから ここに来るようにと 言われたのですが。 123 00:08:34,050 --> 00:08:38,550 馬閃だ 話は聞いている。 猫猫です。 124 00:08:38,550 --> 00:08:43,050 これから屋敷に向かうが お前は あくまでも私のお付きだ。 125 00:08:43,050 --> 00:08:45,590 いいな? 勝手なことはするなよ。 126 00:08:45,590 --> 00:08:47,590 分かりました。 127 00:08:51,660 --> 00:08:55,570 向こうに行けば 屋敷の下男が 厨房を案内してくれる。 128 00:08:55,570 --> 00:08:57,070 はい。 129 00:08:57,070 --> 00:09:00,570 《さすが高順さま 仕事が早い》 130 00:09:00,570 --> 00:09:04,080 《それにしても… 見たことない武官だな》 131 00:09:04,080 --> 00:09:08,080 《誰かに似ている気がするが》 132 00:09:08,080 --> 00:09:12,580 《よくは思われてなさそうだが まぁ いいか》 133 00:09:18,190 --> 00:09:20,160 (下男) こちらが厨房です。 134 00:09:23,060 --> 00:09:26,970 (下男) 毒の一件以来 使われておりません。 135 00:09:31,070 --> 00:09:32,570 ん? おい。 136 00:09:32,570 --> 00:09:34,070 (走る足音) (男) ハァ ハァ…。 137 00:09:34,070 --> 00:09:35,570 (下男) あっ…。 138 00:09:35,570 --> 00:09:37,580 (男) 勝手に入るな! 出ていけ! 139 00:09:37,580 --> 00:09:41,650 何をしている⁉ こんなヤツらを 連れてきたのは お前か? 140 00:09:41,650 --> 00:09:43,580 ちゃんと奥方に 確認は取っています。 141 00:09:43,580 --> 00:09:46,050 それに これは仕事ですので。 142 00:09:46,050 --> 00:09:48,550 それは本当か? 143 00:09:48,550 --> 00:09:52,560 入っても よろしいか? それとも何か不都合でも? 144 00:09:52,560 --> 00:09:55,060 チッ 勝手にしろ。 145 00:09:57,060 --> 00:10:01,600 (小声で) 誰ですか? (下男) 旦那さまの弟君です。 146 00:10:01,600 --> 00:10:04,140 旦那さまが昏睡状態になって➡ 147 00:10:04,140 --> 00:10:06,570 奥方さまも 疲労で寝込んでしまい➡ 148 00:10:06,570 --> 00:10:10,080 弟君が 屋敷を取り仕切っていまして。 149 00:10:10,080 --> 00:10:13,080 そういうことですか。 150 00:10:13,080 --> 00:10:15,550 馬閃さま。 ああ。 151 00:10:17,580 --> 00:10:22,550 《調理器具は 料理人が洗ってしまったらしい》 152 00:10:22,550 --> 00:10:24,620 《他には…》 153 00:10:24,620 --> 00:10:26,160 ん? 154 00:10:26,160 --> 00:10:29,060 (足音) 155 00:10:30,530 --> 00:10:33,530 (ふたを開ける音) フッ。 156 00:10:35,030 --> 00:10:39,040 これは? あぁ 旦那さまが好きなやつだ。 157 00:10:39,040 --> 00:10:42,040 お気に入りで よく食べておられましたので➡ 158 00:10:42,040 --> 00:10:45,040 毒はないと思いますが。 159 00:10:45,040 --> 00:10:47,580 《ウソは ついてなさそうだな》 160 00:10:47,580 --> 00:10:50,120 …だそうだ。 161 00:10:50,120 --> 00:10:52,650 終わったなら早く帰ってくれ。 162 00:10:52,650 --> 00:10:54,620 そうですね。 163 00:10:58,060 --> 00:11:00,530 ご迷惑をおかけしました。 164 00:11:03,530 --> 00:11:06,060 何で 簡単に引き下がった? 165 00:11:06,060 --> 00:11:09,070 引き下がったとは思っていません。 166 00:11:09,070 --> 00:11:11,570 ん? 167 00:11:11,570 --> 00:11:13,570 持ってきたのか? 168 00:11:13,570 --> 00:11:16,110 これ 不思議なんです。 169 00:11:16,110 --> 00:11:19,540 この海藻が採れる時季には まだ少し早い。 170 00:11:19,540 --> 00:11:22,550 だからといって 塩漬けにしたところで➡ 171 00:11:22,550 --> 00:11:25,550 今の時期まで 持つものでもありません。 172 00:11:25,550 --> 00:11:27,020 なるほど。 173 00:11:27,020 --> 00:11:31,060 恐らく この近辺で 採れたものではないと思います。 174 00:11:31,060 --> 00:11:36,130 例えば交易で 南から仕入れたものだとか…。 175 00:11:36,130 --> 00:11:40,570 どこから仕入れたのか 分かるとよいのですが。 176 00:11:40,570 --> 00:11:42,070 あっ…。 177 00:11:43,570 --> 00:11:46,100 《分かってくれたらしい》 178 00:11:46,100 --> 00:11:50,080 《なら 私も 私のやるべきことをやろう》 179 00:11:57,550 --> 00:11:59,550 何だ? これは。 180 00:11:59,550 --> 00:12:02,050 屋敷から持ってきた海藻です。 181 00:12:02,050 --> 00:12:06,020 事前に2つに分けて 水に さらしておきました。 182 00:12:06,020 --> 00:12:09,590 ん? 《なぜ壬氏さまもいるのだろう》 183 00:12:09,590 --> 00:12:14,570 調べたところ やはり海藻は 南方から持ち込まれたものでした。 184 00:12:14,570 --> 00:12:18,040 下男の証言では 主人が冬場に➡ 185 00:12:18,040 --> 00:12:21,540 その海藻を食べることは なかったとのことでした。 186 00:12:21,540 --> 00:12:26,040 料理人からも 普段使っている 海藻と同じ種類で➡ 187 00:12:26,040 --> 00:12:28,050 毒のはずがないと。 188 00:12:28,050 --> 00:12:32,620 同じ海藻なら毒がない というわけじゃないんです。 189 00:12:32,620 --> 00:12:35,050 もしかしたら 南では あまり➡ 190 00:12:35,050 --> 00:12:39,060 この海藻は食べる習慣が ないのかもしれません。 191 00:12:39,060 --> 00:12:44,530 美食家の役人の好物だと知った 交易商が 金になると思って➡ 192 00:12:44,530 --> 00:12:50,030 わざわざ地元民に海藻の塩漬けを 作らせたとしたら? 193 00:12:50,030 --> 00:12:52,600 それの どこが問題になるのだ? 194 00:12:52,600 --> 00:12:57,540 世の中には 毒が無毒になることがあるんです。 195 00:12:57,540 --> 00:13:01,550 例えばウナギには 本来 毒がありますが➡ 196 00:13:01,550 --> 00:13:05,550 血を抜いたり加熱することで 食べられるようになります。 197 00:13:05,550 --> 00:13:07,550 この海藻の場合は➡ 198 00:13:07,550 --> 00:13:11,060 石灰水に漬けることが 必要だったはずです。 199 00:13:11,060 --> 00:13:13,060 ここに用意したものは➡ 200 00:13:13,060 --> 00:13:17,560 石灰水に漬けたものと そうでないものです。 201 00:13:18,660 --> 00:13:20,530 (3人) ギョっ! 何してる⁉ 202 00:13:20,530 --> 00:13:23,070 大丈夫です… 多分。 203 00:13:23,070 --> 00:13:26,070 多分って何だ⁉ ご安心を。 204 00:13:26,070 --> 00:13:28,540 ちゃんと嘔吐剤は ここに…。 205 00:13:28,540 --> 00:13:30,540 あっ。 自信満々に言うな! 206 00:13:30,540 --> 00:13:32,540 高順! はい。 207 00:13:32,540 --> 00:13:35,580 ちょ… あっ。 吐け~! 208 00:13:35,580 --> 00:13:37,620 オロロロロ…! 209 00:13:37,620 --> 00:13:39,650 ハァ ハァ…。 210 00:13:39,650 --> 00:13:42,050 《一夜漬けで 無毒化できるかどうか➡ 211 00:13:42,050 --> 00:13:45,060 食べて 検証するつもりだったのに》 212 00:13:45,060 --> 00:13:47,530 え~ 気を取り直して。 213 00:13:47,530 --> 00:13:49,530 ここで問題なのですが➡ 214 00:13:49,530 --> 00:13:54,030 交易商人に海藻の塩漬けを 持ってくるよう提案したのは➡ 215 00:13:54,030 --> 00:13:56,030 誰でしょうか? 216 00:13:56,030 --> 00:13:58,570 取り寄せたのが 食べた当人であれば➡ 217 00:13:58,570 --> 00:14:01,110 ある意味 自業自得ですが➡ 218 00:14:01,110 --> 00:14:05,040 でも もし そうでないなら…。 219 00:14:05,040 --> 00:14:08,510 食べる習慣のない地方から 取り寄せれば➡ 220 00:14:08,510 --> 00:14:11,020 危険性が高いのは当たり前です。 221 00:14:11,020 --> 00:14:14,520 (壬氏:馬閃) あっ…。 分かりました。 222 00:14:14,520 --> 00:14:19,520 《ここにいる者たちは賢い これ以上言う必要はないだろう》 223 00:14:19,520 --> 00:14:23,530 フゥ…。 《取りあえずは一件落着かな》 224 00:14:24,630 --> 00:14:26,060 ん? 225 00:14:26,060 --> 00:14:28,030 ンフフフ…。 226 00:14:28,030 --> 00:14:30,030 こら! うぅ~…。 227 00:14:30,030 --> 00:14:35,570 結局 犯人は 倒れた役人の弟でした。 228 00:14:35,570 --> 00:14:40,550 買い付け先を見つけたところで 自分が買ったと白状したそうです。 229 00:14:42,610 --> 00:14:46,550 動機は 次男の自分が ないがしろにされて➡ 230 00:14:46,550 --> 00:14:49,550 長男を 邪魔に思ったからだそうです。 231 00:14:49,550 --> 00:14:51,560 よくある話です。 232 00:14:51,560 --> 00:14:56,530 でも そんな浅はかな理由で 殺人を犯そうとした男が➡ 233 00:14:56,530 --> 00:15:00,060 どうやって 海藻の毒を知ったんでしょう。 234 00:15:00,060 --> 00:15:05,140 酒場で横に座った客から 偶然 教わったそうです。 235 00:15:05,140 --> 00:15:08,640 偶然ねぇ…。 236 00:15:12,540 --> 00:15:17,550 結局 毒の残っている海藻は 食べられなかったなぁ。 237 00:15:17,550 --> 00:15:20,550 《それにしても何に使おう》 238 00:15:20,550 --> 00:15:25,060 《あの干からびた虫から伸びた 枯れ葉色のキノコ》 239 00:15:25,060 --> 00:15:29,090 《薬酒にしようか 丸薬にしようか》 240 00:15:29,090 --> 00:15:31,630 ウッフフ…。 241 00:15:31,630 --> 00:15:32,660 フッ…。 242 00:15:32,660 --> 00:15:35,130 おかえりなさいませ。 243 00:15:35,130 --> 00:15:37,140 ⦅おかえりなさい… ませ⦆ 244 00:15:37,140 --> 00:15:39,640 ⦅ませ ませ ませ…⦆ 245 00:15:43,040 --> 00:15:46,080 (頭を打ち付ける音) えっ⁉ 246 00:15:46,080 --> 00:15:48,650 (頭を打ち付ける音) 何事ですか⁉ 247 00:15:48,650 --> 00:15:51,120 (頭を打ち付ける音) 《私のせいじゃ ない》 248 00:15:53,050 --> 00:15:56,550 ハァ…。 お疲れのようですね。 249 00:15:56,550 --> 00:15:59,020 仕事がたまってるんだが➡ 250 00:15:59,020 --> 00:16:01,030 どうにも ウマが合わない相手がいて➡ 251 00:16:01,030 --> 00:16:03,530 意見が違ってしまうのだ。 252 00:16:03,530 --> 00:16:08,070 壬氏さまにも 苦手な方がいるのですね。 253 00:16:08,070 --> 00:16:12,140 相手は頭の切れる軍部の高官だ。 254 00:16:12,140 --> 00:16:16,540 家柄は良いのに 四十を過ぎて妻帯もせず➡ 255 00:16:16,540 --> 00:16:22,550 甥御を養子に取って 家の管理を 任せている有名な変人だ。 256 00:16:22,550 --> 00:16:27,550 《四十を過ぎた 軍部の高官で… 変人?》 257 00:16:27,550 --> 00:16:33,620 興味のあるものといえば 専ら 碁と将棋と噂話。 258 00:16:33,620 --> 00:16:36,630 難癖をつけては突撃してきて➡ 259 00:16:36,630 --> 00:16:40,060 案件の判を押すのを 先延ばしにしてくる。 260 00:16:40,060 --> 00:16:43,570 どうも標的にされたらしい。 261 00:16:43,570 --> 00:16:47,540 このところ 毎日 執務室に居座られて…。 262 00:16:49,040 --> 00:16:51,040 《よし 忘れよう》 263 00:16:51,040 --> 00:16:53,540 《思い出しても ろくなことにならない》 264 00:16:53,540 --> 00:16:56,110 (遠雷) 265 00:16:56,110 --> 00:16:59,650 《しかし まぁ 忘れたところで➡ 266 00:16:59,650 --> 00:17:02,550 いつもの嫌な予感は 当たるのだが》 267 00:17:02,550 --> 00:17:05,560 案件は もう通ったはずですが…。 268 00:17:05,560 --> 00:17:11,030 冬に花見は難しい ならば こちらでと思いましてな。 269 00:17:11,030 --> 00:17:15,530 《この男の名は羅漢 軍師をやっている》 270 00:17:15,530 --> 00:17:18,570 《どうやら 突っかかってくる理由は➡ 271 00:17:18,570 --> 00:17:23,540 緑青館に縁のある猫猫を 下女にしたことにあるらしい》 272 00:17:23,540 --> 00:17:28,550 そういえば 緑青館に 昔 なじみがいましてね。 273 00:17:28,550 --> 00:17:30,550 《意外な話だ》 274 00:17:30,550 --> 00:17:34,050 《色事など 全く 興味ないのかと思っていたが》 275 00:17:34,050 --> 00:17:36,550 どんな妓女ですか? 276 00:17:36,550 --> 00:17:38,060 フッ。 277 00:17:38,060 --> 00:17:40,630 《あっ… つい聞いてしまった》 278 00:17:40,630 --> 00:17:44,560 いい妓女でしたよ 碁と将棋が得意で➡ 279 00:17:44,560 --> 00:17:49,070 将棋では勝てるが 碁では負けてばかりだった。 280 00:17:49,070 --> 00:17:53,540 軍師殿を負かすとは それは強かったのでしょう。 281 00:17:53,540 --> 00:17:58,540 あれほど面白い女には もう会えないだろうと➡ 282 00:17:58,540 --> 00:18:04,650 身請けも考えましたが 世の中 うまくいかないものでね。 283 00:18:04,650 --> 00:18:08,050 物好きの金持ちが2人➡ 284 00:18:08,050 --> 00:18:11,060 競い合うように 値をつり上げていった。 285 00:18:11,060 --> 00:18:13,060 それは それは。 286 00:18:13,060 --> 00:18:15,560 《時に妓女の身請け金は➡ 287 00:18:15,560 --> 00:18:18,530 離宮が1つ建つほどの額に なるという》 288 00:18:18,530 --> 00:18:21,570 変わり者の妓女でしてね。 289 00:18:21,570 --> 00:18:25,640 《しかし そんな話をして 何が言いたいのか》 290 00:18:25,640 --> 00:18:28,540 芸は売れど 身は売らず。 291 00:18:28,540 --> 00:18:32,540 それどころか客を客とも思わない。 292 00:18:32,540 --> 00:18:34,550 客に 茶をつぐ時も➡ 293 00:18:34,550 --> 00:18:40,020 下賤の民に施しを与えるような 尊大な目で見ておりました。 294 00:18:40,020 --> 00:18:45,590 しかし それに うつつを抜かす 物好きもいるもので。 295 00:18:45,590 --> 00:18:48,630 かく言う私も その1人なのですが➡ 296 00:18:48,630 --> 00:18:53,600 背筋にゾクゾクっとくる感覚が たまらないものでして。 297 00:18:55,570 --> 00:19:01,540 フッ いつか押し倒してみたいと 思っていたものですよ。 298 00:19:01,540 --> 00:19:04,540 クックックックッ…。 299 00:19:04,540 --> 00:19:07,550 結局 その妓女を諦め切れず➡ 300 00:19:07,550 --> 00:19:11,080 仕方なく 少々汚い手を使いました。 301 00:19:11,080 --> 00:19:12,620 …というと? 302 00:19:12,620 --> 00:19:17,560 高くて手が出せないなら 安くなれば問題ないわけでして➡ 303 00:19:17,560 --> 00:19:22,060 希少価値を下げたんですよ。 304 00:19:22,060 --> 00:19:26,060 どんな方法か知りたいですか? 305 00:19:26,060 --> 00:19:29,030 ここまできて もったいぶるのですか? 306 00:19:29,030 --> 00:19:30,540 フッ。 307 00:19:34,110 --> 00:19:39,080 フン… まぁ その前に ちょっと 頼みたいことがあるんですが。 308 00:19:39,080 --> 00:19:42,050 何ですか? 一体。 309 00:19:42,050 --> 00:19:45,050 そちらに 最近入った下女というのが➡ 310 00:19:45,050 --> 00:19:47,550 なかなか面白いようで。 311 00:19:47,550 --> 00:19:50,560 妙に謎解きが得意なようですな。 312 00:19:50,560 --> 00:19:52,560 あぁ んっ ん~。 313 00:19:52,560 --> 00:19:59,030 あ~ 私の知人に宮廷御用達の 彫金細工師がいたんですよ。 314 00:19:59,030 --> 00:20:02,030 そいつが先日 ぽっくり逝ってしまった。 315 00:20:02,030 --> 00:20:06,070 ちゃんと 後継者を指名しないままにね。 316 00:20:06,070 --> 00:20:09,540 ヤツには3人の子供がいて 弟子にしていたんですが➡ 317 00:20:09,540 --> 00:20:15,080 秘伝と言える技術を伝えぬまま 逝ってしまったのが不憫でねぇ。 318 00:20:15,080 --> 00:20:21,050 きっと彼の思わせぶりな遺言が 何かの手掛かりだと思うんです。 319 00:20:21,050 --> 00:20:24,560 それが引っかかっていてねぇ。 320 00:20:24,560 --> 00:20:27,060 何が言いたいのでしょうか。 321 00:20:27,060 --> 00:20:30,530 いや 何 大したことではない。 322 00:20:30,530 --> 00:20:35,570 その秘伝の技術を知るすべが ないかと思ったまでです。 323 00:20:35,570 --> 00:20:38,600 あ~ 例えば…➡ 324 00:20:38,600 --> 00:20:44,610 頭の回る そちらの下女が 調べてくれやしないものかと。 325 00:20:47,040 --> 00:20:50,580 フゥ… 取りあえず➡ 326 00:20:50,580 --> 00:20:53,550 話だけでも 聞かせてもらえないでしょうか。 327 00:21:00,560 --> 00:21:03,030 よく降るなぁ。 328 00:21:06,630 --> 00:22:35,590 ♬~