1 00:00:00,000 --> 00:01:25,050 ♬~ 2 00:01:32,590 --> 00:01:35,060 (壬氏) ちと面倒なことなんだが…。 3 00:01:35,060 --> 00:01:38,060 (猫猫)《ん? いつもなら有無を言わせず➡ 4 00:01:38,060 --> 00:01:40,070 面倒事を持ってくるのに》 5 00:01:40,070 --> 00:01:43,570 《壬氏さまに あるまじきセリフだな》 6 00:01:43,570 --> 00:01:45,570 何でしょうか? 7 00:01:45,570 --> 00:01:48,640 実は 俺の知り合いの➡ 8 00:01:48,640 --> 00:01:51,680 そのまた知り合いの もめ事なんだが…。 9 00:01:51,680 --> 00:01:57,080 宮廷御用達の彫金細工師が 弟子である息子たちに➡ 10 00:01:57,080 --> 00:02:01,550 技術を継承しないまま 死んだらしい。 11 00:02:01,550 --> 00:02:03,560 その中には よそでは一切➡ 12 00:02:03,560 --> 00:02:06,590 伝えられていないものも あるという。 13 00:02:06,590 --> 00:02:12,060 つまり 彫金細工師の秘伝が 分かればいいということですね。 14 00:02:12,060 --> 00:02:15,130 簡単に言ってのけるなぁ。 15 00:02:15,130 --> 00:02:19,070 それに 何だか 妙に乗り気じゃないか? 16 00:02:19,070 --> 00:02:22,570 あ… そうでしょうか? 17 00:02:22,570 --> 00:02:24,580 ハァ…。 18 00:02:24,580 --> 00:02:29,050 彫金師には3人の息子がいて 皆 弟子をしており➡ 19 00:02:29,050 --> 00:02:31,580 父親が死んだ後は そのうちの誰かが➡ 20 00:02:31,580 --> 00:02:34,590 御用達になるといわれている。 21 00:02:34,590 --> 00:02:39,630 父親が残した遺言には 形見分けの品が書かれていた。 22 00:02:39,630 --> 00:02:43,060 長男には 離れの作業小屋。 23 00:02:43,060 --> 00:02:46,060 次男には 細工の施された家具。 24 00:02:46,060 --> 00:02:49,070 三男には 金魚鉢。 25 00:02:49,070 --> 00:02:50,570 そして 一言➡ 26 00:02:50,570 --> 00:02:55,570 「皆 昔のように茶会でも するといい」と言い残した。 27 00:02:55,570 --> 00:03:00,110 茶会? 随分 意味深な遺言ですね。 28 00:03:00,110 --> 00:03:06,050 そのままの意味なのか それとも別の意味があるのか。 29 00:03:06,050 --> 00:03:09,560 遺言を聞いた当人たちも さっぱりらしい。 30 00:03:09,560 --> 00:03:14,560 それに形見分けにも かなり格差があります。 31 00:03:14,560 --> 00:03:18,060 小屋と家具と金魚鉢となると➡ 32 00:03:18,060 --> 00:03:22,070 どう見ても下の子ほど 損をしている気がする。 33 00:03:22,070 --> 00:03:24,600 どういう品なのでしょうか? 34 00:03:24,600 --> 00:03:27,140 そこまで詳しくは聞いていない。 35 00:03:27,140 --> 00:03:28,770 ただ…。 36 00:03:28,770 --> 00:03:33,780 (羅漢) ⦅もし気になるようでしたら こちらが住所です⦆ 37 00:03:34,550 --> 00:03:39,050 「気になるなら行ってみればいい」 ということだ。 38 00:03:41,050 --> 00:03:43,560 《準備がいい》 39 00:03:43,560 --> 00:03:48,060 《最初から こうなることを 読んでいたみたいだ 面白い》 40 00:03:48,060 --> 00:03:52,030 あした お時間を頂けるのであれば。 41 00:03:53,600 --> 00:03:55,170 うむ。 42 00:03:55,170 --> 00:03:58,640 《戻ったら 仕事を増やされるんだろうな》 43 00:04:02,540 --> 00:04:04,040 ん? 44 00:04:04,040 --> 00:04:08,550 《おや? あれは… 確か馬閃といったか?》 45 00:04:08,550 --> 00:04:12,550 (馬閃) 前も そうだったが お前は お付きという形だ。 46 00:04:12,550 --> 00:04:14,550 勝手に動くなよ。 47 00:04:14,550 --> 00:04:17,060 分かりました。 48 00:04:17,060 --> 00:04:21,590 《前も そうだったが 必要最低限しか話さない》 49 00:04:21,590 --> 00:04:24,660 《こちらを嫌っているようだ》 50 00:04:24,660 --> 00:04:28,030 《害がないのなら 別にそれでいい》 51 00:04:30,040 --> 00:04:33,540 (扉をたたく音) ⚟はい⚞ 52 00:04:35,070 --> 00:04:37,080 馬閃さまですね。 53 00:04:37,080 --> 00:04:39,040 お話は聞いています。 54 00:04:40,050 --> 00:04:41,510 《ん?》 55 00:04:46,050 --> 00:04:49,120 あぁ それは父のものです。 56 00:04:49,120 --> 00:04:52,560 妙なものを 集める趣味がありまして。 57 00:04:52,560 --> 00:04:54,560 へぇ…。 58 00:04:54,560 --> 00:04:57,530 (馬閃) あれが作業小屋ですか。 59 00:04:57,530 --> 00:05:02,070 はい… と言っても 今は母屋で作業をしていて➡ 60 00:05:02,070 --> 00:05:05,040 職人たちの茶飲み場に なっているんです。 61 00:05:07,040 --> 00:05:08,570 どうぞ。 62 00:05:08,570 --> 00:05:12,110 兄さんたち 連れてきたよ。 63 00:05:12,110 --> 00:05:14,550 おう。 わざわざ どうも。 64 00:05:14,550 --> 00:05:19,550 《「兄さんたち」ということは 案内役が末っ子ということか》 65 00:05:19,550 --> 00:05:21,550 変わった家具の配置だな。 66 00:05:21,550 --> 00:05:23,560 (小声で) お… おい。 67 00:05:23,560 --> 00:05:27,560 《確かに 普通 こんな真ん中に 置いたら邪魔だろう》 68 00:05:27,560 --> 00:05:30,600 《それでも 部屋の見た目が悪くないのは➡ 69 00:05:30,600 --> 00:05:34,130 テーブルの配置の妙な統一感と➡ 70 00:05:34,130 --> 00:05:37,140 タンスの シャレた雰囲気のせいか》 71 00:05:40,040 --> 00:05:43,040 《角には 彫金細工がはめられている》 72 00:05:43,040 --> 00:05:48,050 《一番上の3列と その下の中央の引き出しに鍵穴》 73 00:05:48,050 --> 00:05:52,550 《ここだけアクセントに 違う金属が使われて…》 74 00:05:52,550 --> 00:05:54,050 ん? 75 00:05:54,050 --> 00:05:56,560 《動かないように 固定されてる?》 76 00:05:56,560 --> 00:05:58,590 おい それは俺のもんだ。 77 00:05:58,590 --> 00:06:02,560 見るのはいいが触るんじゃないぞ。 78 00:06:02,560 --> 00:06:06,530 《確か 次男に 形見分けされたものは家具》 79 00:06:06,530 --> 00:06:08,030 フンっ。 80 00:06:08,030 --> 00:06:10,540 《それが このタンスのことを指すなら➡ 81 00:06:10,540 --> 00:06:13,540 この男が次男なのだろう》 82 00:06:13,540 --> 00:06:18,040 《ならば 残る長身の男が 長男ということになる》 83 00:06:21,110 --> 00:06:24,080 《窓の位置も変わってるな》 84 00:06:24,080 --> 00:06:26,550 《西洋風で妙に長い窓》 85 00:06:26,550 --> 00:06:29,050 《せっかく 日がたくさん入る造りなのに➡ 86 00:06:29,050 --> 00:06:33,590 外にある大きな栗の木のせいで 台無しにされている》 87 00:06:33,590 --> 00:06:36,600 《部屋に入る光は木漏れ日》 88 00:06:36,600 --> 00:06:40,600 《まともに光が入るのは この1か所だけか》 89 00:06:40,600 --> 00:06:42,130 ん? 90 00:06:42,130 --> 00:06:46,070 《この跡 長い間 何かが置かれていたのか?》 91 00:06:46,070 --> 00:06:50,080 本当に分かるんですかね 親父の残したものについて。 92 00:06:50,080 --> 00:06:52,080 それは…。 93 00:06:55,080 --> 00:06:56,580 んっ…。 94 00:06:58,080 --> 00:07:00,550 話をもっと 詳しく聞かせてもらわないと➡ 95 00:07:00,550 --> 00:07:02,590 何とも言えない。 96 00:07:02,590 --> 00:07:05,660 ハァ… もう聞いての通りですよ。 97 00:07:05,660 --> 00:07:09,060 親父は秘伝の技術を教えずに あの世へ逝っちまった。 98 00:07:09,060 --> 00:07:13,060 んでもって 俺に残したのは この小屋だ。 99 00:07:13,060 --> 00:07:16,030 俺には このタンスだな。 100 00:07:16,030 --> 00:07:19,040 ぼ… 僕には これです。 101 00:07:19,040 --> 00:07:21,070 《高価なガラス製》 102 00:07:21,070 --> 00:07:25,540 《金魚鉢は木製か せいぜい陶器製だと思っていた》 103 00:07:25,540 --> 00:07:28,110 《それだと 3人の形見分けの品は➡ 104 00:07:28,110 --> 00:07:30,650 それぞれに価値があると いえるだろう》 105 00:07:30,650 --> 00:07:32,050 (次男) ハァ…。 106 00:07:32,050 --> 00:07:37,560 親父は何を考えてんだか… せっかく形見としてもらっても➡ 107 00:07:37,560 --> 00:07:41,060 鍵は1つしかないし 鍵穴に入りやしねえ。 108 00:07:41,060 --> 00:07:43,030 (馬閃) 鍵穴に入らない? 109 00:07:43,030 --> 00:07:46,030 多分 これが 中央の引き出しの鍵なんだが➡ 110 00:07:46,030 --> 00:07:48,070 穴に入らねえんだよ。 111 00:07:48,070 --> 00:07:52,640 上の3つの引き出しは 全部 同じ鍵で開くらしいけど➡ 112 00:07:52,640 --> 00:07:55,540 肝心の鍵は どこにもない。 113 00:07:55,540 --> 00:07:58,580 これじゃ 形見をもらった意味がねえよ。 114 00:07:58,580 --> 00:08:00,550 俺だって。 115 00:08:00,550 --> 00:08:03,050 小屋をもらっても タンスを動かせないんじゃ➡ 116 00:08:03,050 --> 00:08:06,050 邪魔で仕方ない 全く いい迷惑だ。 117 00:08:06,050 --> 00:08:08,590 (末っ子) 親父は…。 (長男) ん? 118 00:08:08,590 --> 00:08:11,590 お… 親父は僕たちに…。 119 00:08:11,590 --> 00:08:13,630 お前は いいよな。 120 00:08:13,630 --> 00:08:16,060 さっさと金に換えられるものを もらったんだから。 121 00:08:16,060 --> 00:08:18,030 そうだぜ。 122 00:08:18,030 --> 00:08:22,070 そんなんでも しばらく 食うには困らない金にはなるぞ。 123 00:08:22,070 --> 00:08:24,570 親父も訳が分かんないぜ。 124 00:08:24,570 --> 00:08:28,440 今更 みんなで茶会をして 何になるんだよ。 125 00:08:30,540 --> 00:08:32,580 《はてはて どうしたものか…》 126 00:08:32,580 --> 00:08:38,150 《兄2人と末っ子の関係は 随分 冷めているみたいだ》 127 00:08:38,150 --> 00:08:40,550 3人とも およしなさい! 128 00:08:40,550 --> 00:08:44,060 お客さまの前で みっともないですよ。 129 00:08:44,060 --> 00:08:45,560 ごめんなさいね。 130 00:08:45,560 --> 00:08:48,060 いつから こんなふうに なってしまったのか…。 131 00:08:48,060 --> 00:08:51,560 長男も次男も ひねくれてしまって➡ 132 00:08:51,560 --> 00:08:54,030 末っ子は自分の意見も言えない。 133 00:08:54,030 --> 00:08:56,100 こんな調子だから➡ 134 00:08:56,100 --> 00:09:00,670 主人も最期の最期まで 心配していたんです。 135 00:09:00,670 --> 00:09:02,540 《親というものは➡ 136 00:09:02,540 --> 00:09:06,540 子が幾つになっても 気苦労が絶えないんだな》 137 00:09:08,550 --> 00:09:10,550 お茶をどうぞ。 138 00:09:10,550 --> 00:09:12,020 では…。 139 00:09:13,550 --> 00:09:17,060 (扉の開閉音) 140 00:09:17,060 --> 00:09:20,630 《全員わざわざ 移動して座ったということは➡ 141 00:09:20,630 --> 00:09:23,560 定位置が決まっているんだろう》 142 00:09:23,560 --> 00:09:27,530 《窓の前を避けてるのは ただの習慣か》 143 00:09:27,530 --> 00:09:31,570 《ちょうど この時間は 窓から光が差しているし➡ 144 00:09:31,570 --> 00:09:35,070 もう少し光が伸びたら タンスに当たりそうだが➡ 145 00:09:35,070 --> 00:09:38,540 タンスに日焼けの跡はなかった》 146 00:09:38,540 --> 00:09:40,550 《焼けた跡?》 147 00:09:42,080 --> 00:09:43,580 (小声で) おい。 148 00:09:46,650 --> 00:09:51,160 《日が当たるのは そんなに長い時間じゃ ない》 149 00:10:01,570 --> 00:10:04,570 《ん? 中に何か詰まってる?》 150 00:10:04,570 --> 00:10:07,070 (馬閃) 何か分かったのか? 151 00:10:07,070 --> 00:10:10,580 《ハッ! 誰かに似ていると思ったら➡ 152 00:10:10,580 --> 00:10:14,210 こいつは高順に似ているのだな》 153 00:10:14,210 --> 00:10:16,580 (高順)⦅ハァ…⦆ ⦅ハァ…⦆ 154 00:10:16,580 --> 00:10:18,650 (馬閃) それで? 155 00:10:18,650 --> 00:10:22,050 鍵がある 真ん中の引き出しは 開かないんですよね? 156 00:10:22,050 --> 00:10:24,020 昔は開いたんだが➡ 157 00:10:24,020 --> 00:10:28,560 親父が細工しているうちに 開かなくなっちまったらしい。 158 00:10:28,560 --> 00:10:30,560 鍵は1つ? 159 00:10:30,560 --> 00:10:32,560 これしかねえよ。 160 00:10:32,560 --> 00:10:37,600 親父のヤツ 鍵を壊したら 中のものも壊れるとか言ってよ➡ 161 00:10:37,600 --> 00:10:40,570 強引に開けるわけにも いかないんだ。 162 00:10:42,040 --> 00:10:45,540 《兄弟たちに それぞれ渡された形見の品》 163 00:10:45,540 --> 00:10:49,550 《小屋 タンス 金魚鉢》 164 00:10:49,550 --> 00:10:52,550 《小屋には固定されたタンス》 165 00:10:52,550 --> 00:10:55,050 《タンスには開かない鍵》 166 00:10:55,050 --> 00:10:56,620 《そして…》 167 00:10:56,620 --> 00:11:00,630 ⦅「皆 昔のように 茶会でもするといい」⦆ 168 00:11:03,660 --> 00:11:05,560 もしかして…。 169 00:11:05,560 --> 00:11:07,030 ハッ! 170 00:11:12,570 --> 00:11:15,570 すみません 金魚鉢は元々➡ 171 00:11:15,570 --> 00:11:18,040 あそこの棚に 飾っていたのではないですか? 172 00:11:18,040 --> 00:11:21,050 えっ… ええ そうですけど。 173 00:11:21,050 --> 00:11:25,050 昔は金魚を入れて ここに置いていたんです。 174 00:11:25,050 --> 00:11:27,620 寒くなると死んでしまうので➡ 175 00:11:27,620 --> 00:11:31,160 冬場は 茶会をする暖かい昼間だけ。 176 00:11:31,160 --> 00:11:33,560 ちょうど今みたいな時間です。 177 00:11:33,560 --> 00:11:39,060 ここ数年は 金魚を飼うこともなく ただの置物になってますけど。 178 00:11:39,060 --> 00:11:40,530 《ふ~ん》 179 00:11:42,030 --> 00:11:43,570 おい お前! 180 00:11:43,570 --> 00:11:45,570 ちょっと 水をもらいに行ってきます。 181 00:11:45,570 --> 00:11:49,070 (扉を開ける音) また勝手に動きやがって。 182 00:11:54,580 --> 00:11:57,550 昔は こうやって 水を入れていたと? 183 00:11:57,550 --> 00:11:59,050 ええ そうです。 184 00:11:59,050 --> 00:12:02,550 ちょうど この絵柄が こちらに向くように。 185 00:12:05,060 --> 00:12:06,560 やっぱり。 186 00:12:06,560 --> 00:12:10,630 (末っ子) あっ…。 (次男) おい 何だこりゃ! 187 00:12:10,630 --> 00:12:12,160 ん? 188 00:12:12,160 --> 00:12:13,570 触るな! ヒッ! 189 00:12:13,570 --> 00:12:17,600 すみません 目に入ると失明してしまいます。 190 00:12:17,600 --> 00:12:22,070 あと 邪魔なので離れてください 鍵が開きませんよ。 191 00:12:30,080 --> 00:12:32,580 (何かが焼ける音) 192 00:12:35,120 --> 00:12:38,120 栗の木の陰に入ったようですね。 193 00:12:40,530 --> 00:12:43,030 熱い それに妙なにおいがする。 194 00:12:43,030 --> 00:12:45,530 (次男) おい 何の意味があるんだ? 195 00:12:45,530 --> 00:12:49,530 では先ほどの鍵で この引き出しを開けてください。 196 00:12:49,530 --> 00:12:52,540 だから 入らないって言ってるだろうが。 197 00:12:52,540 --> 00:12:54,040 どうぞ。 198 00:12:54,040 --> 00:12:55,510 フンっ。 199 00:12:57,580 --> 00:12:59,610 (鍵が開く音) えっ? 200 00:12:59,610 --> 00:13:02,050 ど… どういうことだ? 201 00:13:02,050 --> 00:13:04,050 もしかして お父上は➡ 202 00:13:04,050 --> 00:13:08,050 貧血や腹痛などを 繰り返していませんでしたか? 203 00:13:08,050 --> 00:13:10,020 (末っ子) はい そうですが。 204 00:13:10,020 --> 00:13:12,520 他に吐き気や気鬱なども。 205 00:13:12,520 --> 00:13:14,530 ありました。 206 00:13:14,530 --> 00:13:18,560 私は彫金細工について よく知りませんが➡ 207 00:13:18,560 --> 00:13:21,630 ここではハンダも 使っているのでしょうか? 208 00:13:21,630 --> 00:13:23,540 (末っ子) ええ 使ってます。 209 00:13:23,540 --> 00:13:25,040 どういうことだ? 210 00:13:25,040 --> 00:13:27,040 私は ただ➡ 211 00:13:27,040 --> 00:13:32,040 「皆で昔と同じように茶会をしろ」 という遺言に従っただけです。 212 00:13:34,550 --> 00:13:36,510 鍵の鋳型ですね。 213 00:13:36,510 --> 00:13:38,550 型から抜いても よろしいでしょうか? 214 00:13:38,550 --> 00:13:40,590 あ… ああ。 215 00:13:40,590 --> 00:13:44,560 《まだ少し温かい それに柔らかい》 216 00:13:44,560 --> 00:13:48,030 《鍵穴に詰まっていた金属が 熱で溶けて➡ 217 00:13:48,030 --> 00:13:51,530 その下の型に流れて 固まったのだろう》 218 00:13:54,030 --> 00:13:55,530 (鍵が開く音) 219 00:13:59,540 --> 00:14:03,580 あ… 開いたぞ! 中身は? 220 00:14:03,580 --> 00:14:05,610 (次男) ん? 何だこりゃ? 221 00:14:05,610 --> 00:14:08,050 《この青みがかった結晶は➡ 222 00:14:08,050 --> 00:14:12,050 玄関先に飾られていたものと 同じみたいだ》 223 00:14:12,050 --> 00:14:16,020 チックショウ… 何が みんな仲良くだよ! 224 00:14:16,020 --> 00:14:19,520 結局 親父の最後のイタズラに 振り回されて終わりかよ! 225 00:14:19,520 --> 00:14:21,530 やってらんねえ。 226 00:14:21,530 --> 00:14:24,600 鉛と錫? 227 00:14:24,600 --> 00:14:27,130 《技は見て盗めとか➡ 228 00:14:27,130 --> 00:14:30,540 職人気質の客人が昔 言ってたな》 229 00:14:30,540 --> 00:14:34,040 《それを真に受けて おやじが採ってきた薬草を➡ 230 00:14:34,040 --> 00:14:37,610 見よう見まねで煎じて 中毒を起こして…》 231 00:14:37,610 --> 00:14:40,040 (羅門)⦅まずは聞きなさい⦆ 232 00:14:40,040 --> 00:14:42,550 《…と諭されたこともある》 233 00:14:42,550 --> 00:14:46,050 《恐らく 死んだ父親の意図を 理解できたのは➡ 234 00:14:46,050 --> 00:14:48,090 末っ子だけだろう》 235 00:14:48,090 --> 00:14:52,020 《ハンダは数種類の金属を 混ぜ合わせることで➡ 236 00:14:52,020 --> 00:14:56,530 本来 個々で溶ける温度より 低い温度で溶けるという》 237 00:14:56,530 --> 00:15:00,030 《3つの塊のうち 2つは鉛と錫》 238 00:15:00,030 --> 00:15:03,030 《そして もう一つの塊を 合わせることで➡ 239 00:15:03,030 --> 00:15:06,540 新しい金属が出来るとすれば どうだろう?》 240 00:15:06,540 --> 00:15:10,610 《しかも 金魚鉢で集約した 光の熱とはいえ➡ 241 00:15:10,610 --> 00:15:14,050 さして当たった時間は 長くなかった》 242 00:15:14,050 --> 00:15:17,050 《それだけ溶ける温度が 低いということだ》 243 00:15:17,050 --> 00:15:19,050 《大きさが違う引き出しは➡ 244 00:15:19,050 --> 00:15:23,050 配合の比率に 関係しているのかもしれないが➡ 245 00:15:23,050 --> 00:15:26,060 これ以上 口を出す必要はない》 246 00:15:26,060 --> 00:15:29,590 何が遺言だ 行くぞ! 247 00:15:29,590 --> 00:15:32,130 親父に期待して損したぜ。 248 00:15:32,130 --> 00:15:35,070 あっ 待ってよ 兄さん! あ? 249 00:15:35,070 --> 00:15:37,100 (末っ子) イタズラなんかじゃ ない。 250 00:15:37,100 --> 00:15:40,070 だったら 何だってんだよ? 251 00:15:40,070 --> 00:15:44,040 やっぱり 親父は僕たち兄弟に 仲良くしてほしくて➡ 252 00:15:44,040 --> 00:15:47,580 遺言を残したんだ。 (2人) あ? 253 00:15:47,580 --> 00:15:50,080 (末っ子) だから 僕は…➡ 254 00:15:50,080 --> 00:15:54,550 これからも兄さんたちと 一緒にやっていきたい! 255 00:15:58,060 --> 00:16:02,560 フッ… 一緒に? 俺たちと? 256 00:16:02,560 --> 00:16:07,070 笑わせんな お前は俺たちとは違う。 257 00:16:07,070 --> 00:16:09,070 才能のあるお前は➡ 258 00:16:09,070 --> 00:16:13,570 親父に特別に かわいがられてたからな。 259 00:16:13,570 --> 00:16:15,610 そんなことない! 260 00:16:15,610 --> 00:16:19,640 親父は兄さんたちのことを 信頼していた。 261 00:16:19,640 --> 00:16:22,050 いつも僕に言ってたんだ。 262 00:16:22,050 --> 00:16:27,550 (末っ子の声) チャン兄さんは いつも冷静で 細かな作業も正確にこなす。 263 00:16:27,550 --> 00:16:30,560 ミスがないから 何だって任せられるって。 264 00:16:30,560 --> 00:16:34,560 ツー兄さんは 人の心をつかむのがうまい。 265 00:16:34,560 --> 00:16:41,170 誰とでも打ち解けられるのは 兄さんの誇れる才能だって。 266 00:16:41,170 --> 00:16:44,570 (末っ子の声) 親父は僕たち兄弟のことを➡ 267 00:16:44,570 --> 00:16:47,070 同じように見ていた。 268 00:16:53,580 --> 00:16:56,950 少なくとも僕はそう思う。 269 00:17:00,080 --> 00:17:03,620 失礼。 あっ… すみません。 270 00:17:03,620 --> 00:17:06,060 《父親》 271 00:17:06,060 --> 00:17:09,030 《まぁ 私には関係ないことだ》 272 00:17:09,030 --> 00:17:12,060 ありがとうございました。 273 00:17:12,060 --> 00:17:15,030 《だけど これだけは伝えておこう》 274 00:17:15,030 --> 00:17:17,040 おい。 275 00:17:18,570 --> 00:17:23,610 花街の緑青館という店に 羅門という薬師がいます。 276 00:17:23,610 --> 00:17:25,680 医術の腕も確かなので➡ 277 00:17:25,680 --> 00:17:29,050 何か体調が悪いようであれば 訪ねてみてください。 278 00:17:29,050 --> 00:17:31,050 あっ… はい。 279 00:17:45,060 --> 00:17:47,600 (羅漢) 先日は どうも。 280 00:17:47,600 --> 00:17:51,670 いやはや なかなか 面白いことになったよ。 281 00:17:51,670 --> 00:17:53,540 やはり あの3兄弟➡ 282 00:17:53,540 --> 00:17:58,040 一番できるのは 末の息子だったようですね。 283 00:17:58,040 --> 00:18:01,050 《軍師殿には 分かっていたのだろう》 284 00:18:01,050 --> 00:18:06,050 あの後 末っ子がめきめきと 力を見せ出しましてね。 285 00:18:06,050 --> 00:18:12,120 後継者になって 宮廷に出す細工を 扱うといわれています。 286 00:18:12,120 --> 00:18:14,160 長男と次男は今回の件で➡ 287 00:18:14,160 --> 00:18:17,530 職人から 足を洗うことにしたそうです。 288 00:18:17,530 --> 00:18:19,560 ん? それは…。 289 00:18:19,560 --> 00:18:23,070 なぁに 悪いことではないでしょう。 290 00:18:23,070 --> 00:18:28,070 死んだ父親の思いを くみ取ったとでも言いますか。 291 00:18:28,070 --> 00:18:31,080 長男は 売り上げの管理。 292 00:18:31,080 --> 00:18:33,580 次男は 販路の開拓。 293 00:18:33,580 --> 00:18:39,150 それぞれ別の方面から 家業を支えることにしたそうです。 294 00:18:39,150 --> 00:18:44,020 まぁ 要するに適材適所に 落ち着いたということですな。 295 00:18:44,020 --> 00:18:46,020 フッ…。 296 00:18:46,020 --> 00:18:49,530 《屋敷で 何があったかは分からない》 297 00:18:49,530 --> 00:18:54,030 《きっと あの薬師の娘は 知ってて黙っているだろう》 298 00:18:54,030 --> 00:18:58,540 最後に先代が作った細工は 素晴らしかった。 299 00:18:58,540 --> 00:19:03,640 あれは単なる金具でしたが 祭具に あの細工を使うと➡ 300 00:19:03,640 --> 00:19:07,550 映えるでしょうなぁ。 301 00:19:07,550 --> 00:19:09,550 そうですね。 302 00:19:09,550 --> 00:19:11,520 《いやらしい男だ》 303 00:19:11,520 --> 00:19:13,550 《本来 私の立場に➡ 304 00:19:13,550 --> 00:19:16,550 祭具など関係ないと 分かっているだろうに》 305 00:19:16,550 --> 00:19:18,520 なぜ軍師殿が そんな職人…。 306 00:19:18,520 --> 00:19:22,090 いや何 埋もれた才能を そのままにしておくのは➡ 307 00:19:22,090 --> 00:19:25,130 もったいないと思いまして。 308 00:19:25,130 --> 00:19:27,060 兄 弟など関係ない。 309 00:19:27,060 --> 00:19:33,070 才能があるなら 目をかけてやるべきだろうとね。 310 00:19:33,070 --> 00:19:35,040 《一理ある》 311 00:19:35,040 --> 00:19:39,580 《羅漢は うさんくさい男だが 人の才能を見抜く目は確かだ》 312 00:19:39,580 --> 00:19:45,120 《その采配によって 現在の地位に 上り詰めたと言ってもいい》 313 00:19:45,120 --> 00:19:50,560 ところで 前の話の続きを 聞きたいのですが。 314 00:19:50,560 --> 00:19:53,560 前の話といいますと? 315 00:19:53,560 --> 00:19:57,560 以前 聞いた妓女の話ですよ。 316 00:19:57,560 --> 00:20:02,530 あぁ 妓女の希少価値を 下げる方法ですか。 317 00:20:04,070 --> 00:20:06,100 そういうことは➡ 318 00:20:06,100 --> 00:20:09,570 その世界を知る者に 聞いた方が早い。 319 00:20:11,580 --> 00:20:14,080 いやはや もう時間ですね。 320 00:20:14,080 --> 00:20:19,550 長居をすると部下に怒られる あっ あぁ~。 321 00:20:22,050 --> 00:20:26,060 これは部屋付きの女官たちにでも あげてくだされ。 322 00:20:26,060 --> 00:20:30,130 甘過ぎない 飲みやすい口ですから。 323 00:20:30,130 --> 00:20:32,530 では またあした。 324 00:20:32,530 --> 00:20:35,530 (扉の開閉音) 325 00:20:35,530 --> 00:20:39,040 ハァ~。 ハァ…。 326 00:20:39,040 --> 00:20:42,540 壬氏さま。 ん? 327 00:20:42,540 --> 00:20:45,040 お疲れのところ恐縮ですが…。 328 00:20:49,580 --> 00:20:51,580 お呼びでしょうか? 329 00:20:51,580 --> 00:20:54,120 お前は化粧に詳しいか? 330 00:20:54,120 --> 00:20:58,020 はぁ… まぁ 一通りは。 331 00:20:58,020 --> 00:21:02,030 ならば 俺に化粧をしてくれないか? 332 00:21:04,530 --> 00:21:06,530 はい? 333 00:21:06,530 --> 00:22:35,520 ♬~