1 00:00:02,794 --> 00:00:06,756 ‪(‪莉音(りおん)‪)私は一体‬‬‬ ‪何に巻き込まれたんだろう‬ 2 00:00:07,507 --> 00:00:11,886 ‪私の父は大グループ一家の‬ ‪長男として生まれ育ったが‬ 3 00:00:11,970 --> 00:00:16,015 ‪その地位を捨て独立し‬ ‪和食の料亭をやっている‬ 4 00:00:16,516 --> 00:00:17,809 ‪そんな中…‬ 5 00:00:17,892 --> 00:00:20,562 ‪(亮馬(りょうま))‬ ‪父さんが妙な課題を出してきた‬ 6 00:00:20,645 --> 00:00:23,690 ‪莉音 俺の代わりに‬ ‪お前がやってくれ‬ 7 00:00:24,274 --> 00:00:25,650 ‪父さんは 罪に対して‬ 8 00:00:25,734 --> 00:00:28,028 ‪報いがあると見せたい‬ ‪と言っている‬ 9 00:00:28,111 --> 00:00:30,822 ‪恐らく 母さんの事件について‬ 10 00:00:30,905 --> 00:00:33,491 ‪何か特別なことを‬ ‪知っているんだろう‬ 11 00:00:34,159 --> 00:00:39,205 ‪もし 優先権が得られたら‬ ‪遺産もお前の好きにしていい‬ 12 00:00:41,041 --> 00:00:43,043 ♪~ 13 00:01:43,978 --> 00:01:45,980 ~♪ 14 00:01:46,773 --> 00:01:50,527 ‪(莉音)殺人事件の被害者が‬ ‪身内にいるという実感も‬ 15 00:01:50,610 --> 00:01:51,820 ‪その事件の犯人が‬ 16 00:01:51,903 --> 00:01:54,656 ‪祖父であると説明せよ‬ ‪という課題も‬ 17 00:01:54,739 --> 00:01:57,575 ‪巨額の遺産も‬ ‪何もかもピンとこない‬ 18 00:01:58,076 --> 00:02:01,079 ‪あと すごいふだん着で‬ ‪来ちゃったな…‬ 19 00:02:01,162 --> 00:02:03,915 ‪(琴子(ことこ))‬ ‪え~ 皆さん お疲れさまです‬ 20 00:02:03,998 --> 00:02:05,416 ‪皆さん 私を‬ 21 00:02:05,500 --> 00:02:08,211 ‪“お前は何者だ‬ ‪なぜ ここにいるのか”と‬ 22 00:02:08,294 --> 00:02:10,380 ‪警戒をされている‬ ‪かもしれません‬ 23 00:02:10,463 --> 00:02:12,799 ‪でも 考えてみてください‬ 24 00:02:12,882 --> 00:02:15,009 ‪私が一番 迷惑しているんです‬ 25 00:02:15,093 --> 00:02:17,720 ‪私は完全な部外者ですよ‬ 26 00:02:17,804 --> 00:02:19,639 ‪なのに 妙な役を命じられ‬ 27 00:02:19,722 --> 00:02:22,767 ‪時間を割いて こんな遠くまで‬ ‪やって来たんです‬ 28 00:02:22,851 --> 00:02:26,020 ‪嫌なら断ればと‬ ‪言われるかもしれませんが‬ 29 00:02:26,104 --> 00:02:28,773 ‪あの音無(おとなし)会長の求めを‬ ‪断れますか‬ 30 00:02:28,857 --> 00:02:32,026 ‪それに 皆さんを評価し‬ ‪順位をつけろって‬ 31 00:02:32,110 --> 00:02:34,279 ‪どうしたって‬ ‪評価を低くした相手からは‬ 32 00:02:34,362 --> 00:02:35,405 ‪恨まれますよ‬ 33 00:02:35,488 --> 00:02:39,200 ‪後々(あとあと)‪ どんな意趣返しをされるか‬‬ ‪分かったものじゃあありません‬ 34 00:02:39,284 --> 00:02:42,453 ‪(晋(すすむ))いや さすがに‬ ‪そんな狭量なことはしない‬ 35 00:02:42,537 --> 00:02:44,414 ‪父さんも許さないさ‬ 36 00:02:44,497 --> 00:02:47,917 ‪けれど 会長の亡きあとに‬ ‪手を出されては困ります‬ 37 00:02:48,001 --> 00:02:50,712 ‪かといって‬ ‪会長は今は健在ですから‬ 38 00:02:50,795 --> 00:02:53,464 ‪ちゃんと役目を果たさないと‬ ‪不興を買います‬ 39 00:02:53,548 --> 00:02:57,677 ‪このままだと どう転んでも‬ ‪私には悪い結果になるんです‬ 40 00:02:57,760 --> 00:02:59,179 ‪(莉音)なら 岩永(いわなが)さんは‬ 41 00:02:59,262 --> 00:03:01,764 ‪どうして‬ ‪おじい様に見込まれたんです?‬ 42 00:03:03,433 --> 00:03:06,519 ‪(琴子)お二人は私の‬ ‪身辺調査をされませんでした?‬ 43 00:03:06,603 --> 00:03:08,521 ‪試みはしたよ‬ 44 00:03:08,605 --> 00:03:11,983 ‪だが 信用できる調査会社からは‬ ‪全て断られた‬ 45 00:03:12,066 --> 00:03:15,695 ‪その理由から‬ ‪君が特別なのはよく分かった‬ 46 00:03:15,778 --> 00:03:16,946 ‪(耕也(こうや))私の場合‬ 47 00:03:17,030 --> 00:03:20,325 ‪たまたま 甥(おい)が高校で‬ ‪岩永さんと同じ部にいてね‬ 48 00:03:20,408 --> 00:03:23,369 ‪天地(あまち)‪ 学(まなぶ)というんだが‬‬ ‪覚えているかな?‬ 49 00:03:23,453 --> 00:03:26,122 ‪おや 部長さんのご親戚でしたか‬ 50 00:03:26,205 --> 00:03:29,792 ‪絶対に君を敵に回すなと‬ ‪忠告されたよ‬ 51 00:03:33,087 --> 00:03:33,922 ‪(琴子)ともかく‬ 52 00:03:34,005 --> 00:03:37,342 ‪私のあずかり知らぬところで‬ ‪勝手なウワサが広がり‬ 53 00:03:37,425 --> 00:03:40,053 ‪そこを音無会長は‬ ‪気に入られたようです‬ 54 00:03:40,637 --> 00:03:42,305 ‪さておき 私としては‬ 55 00:03:42,388 --> 00:03:44,891 ‪この役目で‬ ‪誰からも恨まれたくありません‬ 56 00:03:44,974 --> 00:03:48,436 ‪ここにいる九郎(くろう)先輩も‬ ‪私の介添えではなく‬ 57 00:03:48,519 --> 00:03:51,147 ‪高校時代からつきあっている‬ ‪恋人なのです‬ 58 00:03:51,230 --> 00:03:52,440 ‪(耕也)恋人?‬ 59 00:03:52,523 --> 00:03:53,650 ‪(琴子)せっかく恋人と‬ 60 00:03:53,733 --> 00:03:55,985 ‪いいホテルに‬ ‪泊まらせてもらっているんです‬ 61 00:03:56,069 --> 00:03:58,988 ‪ゆっくり楽しませてもらいたい‬ ‪じゃあないですか!‬ 62 00:03:59,072 --> 00:04:02,617 ‪宿泊用に取っていただいた部屋の‬ ‪バスルームも広いですし‬ 63 00:04:02,700 --> 00:04:07,080 ‪一緒に入って壺(つぼ)洗いをはじめ‬ ‪あれこれやろうかと… ぶっ!‬ 64 00:04:09,165 --> 00:04:12,293 ‪失礼 私欲を漏らし過ぎました‬ 65 00:04:12,377 --> 00:04:13,544 ‪しかし 皆さんも‬ 66 00:04:13,628 --> 00:04:16,172 ‪明日まで駆け引きや‬ ‪疑心暗鬼で過ごすのは‬ 67 00:04:16,255 --> 00:04:17,548 ‪望まれないのでは?‬ 68 00:04:17,632 --> 00:04:19,050 ‪そうですね‬ 69 00:04:19,132 --> 00:04:22,136 ‪親戚同士 仲を悪くするのも‬ ‪つまらないです‬ 70 00:04:22,720 --> 00:04:24,722 ‪(琴子)ですから 談合しましょう‬ 71 00:04:24,806 --> 00:04:25,932 ‪(晋・耕也)談合?‬ 72 00:04:26,849 --> 00:04:28,184 ‪(琴子)要求されているのは‬ 73 00:04:28,267 --> 00:04:33,481 ‪23年前 音無 澄(すみ)さんを殺したのは‬ ‪会長だと説明すること‬ 74 00:04:33,564 --> 00:04:35,233 ‪なら みんなで相談して‬ 75 00:04:35,316 --> 00:04:37,777 ‪会長の望む答えを‬ ‪一つ作りましょう‬ 76 00:04:37,860 --> 00:04:39,570 ‪遺産の分配方法も‬ 77 00:04:39,654 --> 00:04:42,115 ‪前もって皆さんで‬ ‪話し合っていただき‬ 78 00:04:42,198 --> 00:04:46,744 ‪おのおのの希望をかなえる形で‬ ‪会長に順位を報告しましょう‬ 79 00:04:46,828 --> 00:04:48,371 ‪それぞれが その答えに‬ 80 00:04:48,454 --> 00:04:51,165 ‪どれだけ寄与したかで‬ ‪順位を決めたことにして‬ 81 00:04:51,833 --> 00:04:52,667 ‪というか‬ 82 00:04:52,750 --> 00:04:56,087 ‪3人別々に‬ ‪解答を聞かされるのは面倒です‬ 83 00:04:56,587 --> 00:04:58,756 ‪1時間ほど席を外します‬ 84 00:04:58,840 --> 00:05:02,844 ‪それまで 私の提案について‬ ‪話し合いのほどを‬ 85 00:05:05,221 --> 00:05:06,431 ‪(ドアが閉まる音)‬ 86 00:05:06,514 --> 00:05:08,016 ‪(晋)ハア~‬ 87 00:05:08,516 --> 00:05:13,354 ‪この提案 父さんの仕込みか‬ ‪それとも岩永嬢の独断か‬ 88 00:05:13,438 --> 00:05:17,025 ‪会長の意向を無視した行動を‬ ‪するわけありませんが‬ 89 00:05:17,108 --> 00:05:20,486 ‪でも あのお嬢様なら‬ ‪平気でしそうですよね‬ 90 00:05:20,570 --> 00:05:23,364 ‪まあ 提案自体は‬ ‪悪いものじゃないだろう‬ 91 00:05:23,448 --> 00:05:25,283 ‪筋も通っている‬ 92 00:05:25,867 --> 00:05:28,036 ‪遺産については‬ ‪どう思われます?‬ 93 00:05:28,119 --> 00:05:31,789 ‪私としては個人的に押さえたい‬ ‪資産や権利はある‬ 94 00:05:32,290 --> 00:05:36,502 ‪それらが保証されるなら‬ ‪この課題の順位は何番でもいい‬ 95 00:05:36,586 --> 00:05:38,296 ‪薫子(かおるこ)‪姉さんはどうです?‬‬ 96 00:05:38,379 --> 00:05:40,465 ‪薫子は 亮馬さんや晋さんが‬ 97 00:05:40,548 --> 00:05:43,718 ‪一方的に得するのは‬ ‪面白くないと言っていました‬ 98 00:05:43,801 --> 00:05:47,597 ‪晋さんはグループに貢献して‬ ‪会長に気に入られてますし‬ 99 00:05:47,680 --> 00:05:49,348 ‪亮馬さんは正反対に‬ 100 00:05:49,432 --> 00:05:52,852 ‪我が道を行くという気概を‬ ‪高く評価されています‬ 101 00:05:52,935 --> 00:05:54,437 ‪その点 薫子は‬ 102 00:05:54,520 --> 00:05:58,149 ‪父親にあまり愛されていない‬ ‪といった感覚があるみたいで‬ 103 00:05:58,232 --> 00:06:01,652 ‪相続でお二人のほうが‬ ‪優遇される形になると‬ 104 00:06:01,736 --> 00:06:03,780 ‪一層 たまらないらしく…‬ 105 00:06:03,863 --> 00:06:08,367 ‪姉さんは 単に私や兄さんに勝つ‬ ‪満足感を得たいだけか‬ 106 00:06:08,451 --> 00:06:10,953 ‪亮馬さんは‬ ‪遺産については どう?‬ 107 00:06:11,037 --> 00:06:13,081 ‪(晋)‬ ‪兄さんは聞くまでもないですよ‬ 108 00:06:13,164 --> 00:06:15,458 ‪多額の遺産なんて‬ ‪トラブルのもと‬ 109 00:06:15,541 --> 00:06:17,210 ‪莉音に欲しいものがあるなら‬ 110 00:06:17,293 --> 00:06:19,587 ‪好きにもらえ‬ ‪といった意見でしょう‬ 111 00:06:19,670 --> 00:06:22,632 ‪叔父様‬ ‪それだけ父さんを分かっていて‬ 112 00:06:22,715 --> 00:06:24,967 ‪どうして‬ ‪いまだに仲が悪いんです?‬ 113 00:06:25,051 --> 00:06:26,552 ‪分かってるからだよ‬ 114 00:06:26,636 --> 00:06:29,806 ‪兄さんはいつも‬ ‪私の気に入らないことをする‬ 115 00:06:29,889 --> 00:06:32,391 ‪長男に相続を放棄されたり‬ 116 00:06:32,475 --> 00:06:34,227 ‪取り分が不自然に‬ ‪多かったりすれば‬ 117 00:06:34,310 --> 00:06:36,020 ‪周囲に勘ぐられる‬ 118 00:06:36,104 --> 00:06:39,190 ‪私が手を回したと‬ ‪悪く言う者もいるんだ‬ 119 00:06:39,273 --> 00:06:43,486 ‪それに対処したりして‬ ‪どれほど手間をかけさせられるか‬ 120 00:06:43,569 --> 00:06:46,280 ‪兄さんは自分を貫いて‬ ‪満足だろうがね‬ 121 00:06:46,364 --> 00:06:48,157 ‪何か すみません‬ 122 00:06:48,241 --> 00:06:52,120 ‪ああ 莉音のせいじゃない‬ ‪兄さんが悪いだけだ‬ 123 00:06:52,203 --> 00:06:53,579 ‪(莉音)なら 順位は‬ 124 00:06:53,663 --> 00:06:57,792 ‪耕也叔父さんを一番にして‬ ‪薫子叔母様の顔を立て‬ 125 00:06:57,875 --> 00:07:00,962 ‪何を相続するかは‬ ‪晋叔父様と耕也叔父さんが‬ 126 00:07:01,045 --> 00:07:03,631 ‪話し合って調整するのが‬ ‪最善ですか?‬ 127 00:07:03,714 --> 00:07:05,925 ‪私は何番目でもいいので‬ 128 00:07:06,008 --> 00:07:09,095 ‪私としては‬ ‪薫子も満足するでしょうし‬ 129 00:07:09,178 --> 00:07:11,013 ‪かまいませんが 晋さんは?‬ 130 00:07:11,097 --> 00:07:14,225 ‪どちらの解答が優秀か‬ ‪競い合うより‬ 131 00:07:14,308 --> 00:07:16,144 ‪その融通のほうが簡単です‬ 132 00:07:16,644 --> 00:07:19,313 ‪もともと相続争いを‬ ‪したいわけでもない‬ 133 00:07:19,397 --> 00:07:21,440 ‪(耕也)じゃあ そういうことで‬ 134 00:07:21,524 --> 00:07:22,692 ‪(晋)ええ‬ ‪(莉音)はい‬ 135 00:07:22,775 --> 00:07:25,027 ‪変なことになっていますね‬ 136 00:07:25,111 --> 00:07:28,948 ‪巨額の相続なのに‬ ‪いきなり丸く収まってる‬ 137 00:07:29,782 --> 00:07:33,369 ‪そもそも これ‬ ‪答えのある課題なのでしょうか?‬ 138 00:07:33,452 --> 00:07:34,287 ‪(2人)え?‬ 139 00:07:34,370 --> 00:07:35,746 ‪(莉音)おじい様が犯人で‬ 140 00:07:35,830 --> 00:07:39,333 ‪罪を明らかにして‬ ‪何かを償おうというなら‬ 141 00:07:39,417 --> 00:07:42,378 ‪どうやって殺したか‬ ‪自分で語るのが早いでしょう‬ 142 00:07:42,461 --> 00:07:45,381 ‪なのに 私たちに考えさせるって‬ ‪なんです?‬ 143 00:07:45,965 --> 00:07:48,718 ‪この課題には‬ ‪ほかの目的があるんでしょうか?‬ 144 00:07:48,801 --> 00:07:51,679 ‪“おじい様は‬ ‪特別な何かを知っていて”‬ 145 00:07:51,762 --> 00:07:53,681 ‪“今でこそ明らかにできる”‬ 146 00:07:53,764 --> 00:07:56,309 ‪“それに気付かせようと‬ ‪しているのでは?”とも‬ 147 00:07:56,392 --> 00:07:57,935 ‪父は言っていましたが‬ 148 00:07:58,019 --> 00:08:02,815 ‪岩永嬢の提案をのむとしても‬ ‪いくつか ただす必要はあるな‬ 149 00:08:02,899 --> 00:08:05,067 ‪(琴子)いやあ 考え過ぎですよ‬ 150 00:08:05,151 --> 00:08:08,237 ‪音無会長は‬ ‪澄さんの死に関わってます‬ 151 00:08:08,321 --> 00:08:10,865 ‪ただし その殺害方法を‬ ‪自ら説明しても‬ 152 00:08:10,948 --> 00:08:13,117 ‪信じてもらえそうにないので‬ 153 00:08:13,618 --> 00:08:14,494 ‪子供さんたちに‬ 154 00:08:14,577 --> 00:08:17,038 ‪自力で到達してもらおうと‬ ‪されただけです‬ 155 00:08:17,121 --> 00:08:19,290 ‪それ 信じていいんですか?‬ 156 00:08:19,373 --> 00:08:20,791 ‪答えはあります‬ 157 00:08:20,875 --> 00:08:25,004 ‪皆さんが真実を求められれば‬ ‪そこに たどりつきますよ‬ 158 00:08:25,087 --> 00:08:28,049 ‪だが 父さんに‬ ‪疑わしいところはないだろう‬ 159 00:08:28,132 --> 00:08:29,425 ‪(琴子)そうでしょうか‬ 160 00:08:29,509 --> 00:08:31,302 ‪例えば 事件の際‬ 161 00:08:31,385 --> 00:08:34,554 ‪音無会長が‬ ‪犯人と疑われたくない関係者‬ 162 00:08:34,639 --> 00:08:38,558 ‪亮馬さん 薫子さん‬ ‪晋さん 耕也さん全員に‬ 163 00:08:38,643 --> 00:08:41,562 ‪アリバイがあるというのは‬ ‪不審じゃあないですか?‬ 164 00:08:41,645 --> 00:08:44,273 ‪まるで 皆さんを守る配慮を‬ ‪されたようです‬ 165 00:08:44,357 --> 00:08:49,028 ‪そんなことができたのは‬ ‪当時 音無会長くらいのものでは?‬ 166 00:08:50,112 --> 00:08:55,201 ‪事件は23年前の2月18日‬ ‪午後7時ごろに起こった‬ 167 00:08:55,284 --> 00:08:57,036 ‪当時 澄さんは58歳‬ 168 00:08:57,119 --> 00:09:00,539 ‪個人経営のマッサージ店に‬ ‪1人で訪れていた‬ 169 00:09:00,623 --> 00:09:04,543 ‪月に一度だけの息抜きで‬ ‪完全なプライベートとして‬ 170 00:09:05,127 --> 00:09:07,672 ‪送迎などの車も使わず‬ ‪通っていた‬ 171 00:09:08,172 --> 00:09:11,300 ‪そして その帰り‬ ‪何者かに襲われる‬ 172 00:09:11,384 --> 00:09:14,387 ‪(澄)泥棒! 誰か あの男…‬ 173 00:09:14,470 --> 00:09:19,558 ‪あ… あの黒い上着の男を‬ ‪捕まえなさい! 駅の方…‬ 174 00:09:19,642 --> 00:09:22,562 ‪(琴子)叫び声を聞いた‬ ‪住人たちが駆けつけたとき‬ 175 00:09:22,645 --> 00:09:24,814 ‪既に澄さんは亡くなっていた‬ 176 00:09:25,314 --> 00:09:28,484 ‪体はまだ温かく‬ ‪犯行直後だと分かった‬ 177 00:09:28,567 --> 00:09:31,654 ‪死因は 心臓付近に‬ ‪ナイフを2度 刺されての‬ 178 00:09:31,737 --> 00:09:33,447 ‪出血性のショック死‬ 179 00:09:33,948 --> 00:09:37,618 ‪ナイフの出どころは分からず‬ ‪指紋は検出されていない‬ 180 00:09:38,119 --> 00:09:41,038 ‪澄さんは まとまった現金を‬ ‪持ち歩く習慣があり‬ 181 00:09:41,122 --> 00:09:44,166 ‪いつも100万円以上が‬ ‪財布に入っていたが‬ 182 00:09:44,250 --> 00:09:47,169 ‪その財布から紙幣は‬ ‪全て抜き取られていた‬ 183 00:09:47,253 --> 00:09:51,299 ‪強盗殺人‬ ‪一見すると単純な事件ですね‬ 184 00:09:51,382 --> 00:09:54,051 ‪現金を奪おうとした犯人が‬ ‪抵抗を受け‬ 185 00:09:54,135 --> 00:09:58,180 ‪勢いで刺し殺してしまった‬ ‪という状況でした‬ 186 00:09:58,264 --> 00:10:00,891 ‪しかし それ以上の‬ ‪手がかりなどは何もなく‬ 187 00:10:00,975 --> 00:10:02,935 ‪捜査は早々に行き詰まります‬ 188 00:10:03,019 --> 00:10:06,439 ‪警察は強盗殺人の線を‬ ‪有力視しつつ‬ 189 00:10:06,522 --> 00:10:09,525 ‪そう偽装して‬ ‪計画的に澄さんを狙った⸺‬ 190 00:10:09,609 --> 00:10:12,236 ‪殺人の可能性も探っていました‬ 191 00:10:12,320 --> 00:10:16,157 ‪澄さんは仕事のうえでも‬ ‪多くの恨みを買っていましたから‬ 192 00:10:16,240 --> 00:10:19,660 ‪また ご家族や耕也さんにも‬ ‪動機はありました‬ 193 00:10:19,744 --> 00:10:23,039 ‪澄さんが月に一度‬ ‪マッサージ店に行かれるのを‬ 194 00:10:23,122 --> 00:10:25,041 ‪皆さんは‬ ‪知っておられましたから‬ 195 00:10:25,124 --> 00:10:28,544 ‪その帰りに待ち伏せて‬ ‪襲う計画を立てられます‬ 196 00:10:29,128 --> 00:10:32,173 ‪薫子さんは‬ ‪耕也さんとの結婚を反対され‬ 197 00:10:32,256 --> 00:10:34,967 ‪亮馬さんと晋さんは将来の進路‬ 198 00:10:35,051 --> 00:10:39,347 ‪音無会長は 子供たちの苦境と‬ ‪グループの危機を感じておられた‬ 199 00:10:39,430 --> 00:10:42,600 ‪それぞれ澄さんを‬ ‪邪魔に思う理由になります‬ 200 00:10:42,683 --> 00:10:44,852 ‪当時は兄さんも私も‬ 201 00:10:44,935 --> 00:10:47,605 ‪母さんがいなければと‬ ‪何度も思っていたよ‬ 202 00:10:47,688 --> 00:10:51,108 ‪私はあの人の眼鏡に‬ ‪全くかなわなかった‬ 203 00:10:51,192 --> 00:10:53,069 ‪薫子と別れなければ‬ 204 00:10:53,152 --> 00:10:57,073 ‪私が始めていた事業を潰してやる‬ ‪とまで言われましたからね‬ 205 00:10:57,156 --> 00:10:59,658 ‪殺意も湧こうというものです‬ 206 00:10:59,742 --> 00:11:02,161 ‪しかし 皆さんには‬ ‪アリバイがあったため‬ 207 00:11:02,244 --> 00:11:04,163 ‪早々に容疑を外されました‬ 208 00:11:04,246 --> 00:11:06,540 ‪音無会長は他県におられ‬ 209 00:11:06,624 --> 00:11:10,252 ‪午後7時ごろは10人以上の方と‬ ‪会議をされていた‬ 210 00:11:10,336 --> 00:11:11,879 ‪亮馬さんと晋さんは‬ 211 00:11:11,962 --> 00:11:15,758 ‪事件現場まで車で1時間かかる‬ ‪グループ本社におられ‬ 212 00:11:15,841 --> 00:11:16,967 ‪犯行時間には‬ 213 00:11:17,051 --> 00:11:20,304 ‪社内でケンカをしていたのを‬ ‪目撃されていますね?‬ 214 00:11:20,388 --> 00:11:22,390 ‪(晋)当時はお互い若かった‬ 215 00:11:22,473 --> 00:11:25,726 ‪私は20代で‬ ‪兄さんもまだ30過ぎだ‬ 216 00:11:25,810 --> 00:11:30,398 ‪兄さんは母さんをごまかして‬ ‪名店で料理の修行をしていたが‬ 217 00:11:30,481 --> 00:11:33,442 ‪それも通用しなくなって‬ ‪本社に勤務させられ‬ 218 00:11:33,526 --> 00:11:35,277 ‪ストレスがたまっていた‬ 219 00:11:35,778 --> 00:11:38,531 ‪私は兄さんの補佐みたいな‬ ‪仕事しか任されず‬ 220 00:11:38,614 --> 00:11:39,824 ‪いらだっていた‬ 221 00:11:39,907 --> 00:11:45,371 ‪嫌々 仕事をしている兄さんと‬ ‪その仕事こそ任されたい私だ‬ 222 00:11:45,454 --> 00:11:47,540 ‪ちょっとした成り行きで‬ ‪ケンカにもなる‬ 223 00:11:47,623 --> 00:11:50,251 ‪(琴子)‬ ‪ええ お二人は仲が悪いと‬ 224 00:11:50,334 --> 00:11:52,420 ‪周囲の多くが‬ ‪知っていたそうですが‬ 225 00:11:52,503 --> 00:11:55,965 ‪社内では あからさまなケンカは‬ ‪かつてなかったとか‬ 226 00:11:56,048 --> 00:11:58,426 ‪だから 一層‬ ‪アリバイがはっきりしました‬ 227 00:11:58,509 --> 00:12:01,178 ‪偶然とはいえ うまいものです‬ 228 00:12:14,525 --> 00:12:18,195 ‪(琴子)耕也さんも‬ ‪事件の時間帯は取引先を回られ‬ 229 00:12:18,279 --> 00:12:22,199 ‪交渉でかなり粘られ‬ ‪抜け出す隙もなかったそうですね‬ 230 00:12:22,283 --> 00:12:24,535 ‪(耕也)私は当時 33歳だ‬ 231 00:12:24,618 --> 00:12:27,288 ‪コネもなく門前払いも当たり前‬ 232 00:12:27,371 --> 00:12:30,291 ‪強引に粘るのは‬ ‪日常茶飯事だったよ‬ 233 00:12:30,374 --> 00:12:34,503 ‪はい そのおかげでアリバイが‬ ‪強固なものになっていますしね‬ 234 00:12:34,587 --> 00:12:36,589 ‪交渉で‬ ‪あっさり引き下がっていると‬ 235 00:12:36,672 --> 00:12:40,259 ‪事件現場に行ける時間が‬ ‪生じないとも限りませんし‬ 236 00:12:40,342 --> 00:12:42,720 ‪日頃から‬ ‪仕事は懸命にするものです‬ 237 00:12:42,803 --> 00:12:47,516 ‪薫子さんは左足を痛められ‬ ‪その日の予定はキャンセルして‬ 238 00:12:47,600 --> 00:12:50,269 ‪耕也さんのマンションに‬ ‪1人でおられたとか‬ 239 00:12:50,352 --> 00:12:51,604 ‪(耕也)薫子は昼間‬ 240 00:12:51,687 --> 00:12:54,482 ‪マンションのエントランスで‬ ‪派手に転んだそうでね‬ 241 00:12:54,565 --> 00:12:58,277 ‪部屋で休んでいたんだが‬ ‪夕方になって腫れがひどくなり‬ 242 00:12:58,360 --> 00:13:01,030 ‪私が夜中 病院に連れていき‬ 243 00:13:01,113 --> 00:13:03,741 ‪左足の‪脛骨(けいこつ)‪が‬‬‬ ‪折れているのが分かって‬ 244 00:13:03,824 --> 00:13:05,493 ‪そのまま入院したよ‬ 245 00:13:05,576 --> 00:13:07,703 ‪そのアクシデントがあったため‬ 246 00:13:07,787 --> 00:13:10,414 ‪薫子さんは‬ ‪容疑から外されました‬ 247 00:13:10,498 --> 00:13:13,042 ‪その足ではとても‬ ‪澄さんを襲って殺せず‬ 248 00:13:13,125 --> 00:13:15,503 ‪容疑の圏外になったんです‬ 249 00:13:15,586 --> 00:13:17,046 ‪これは幸運でしたね‬ 250 00:13:17,922 --> 00:13:20,549 ‪(莉音)岩永さん‬ ‪何が言いたいのでしょう?‬ 251 00:13:21,675 --> 00:13:24,220 ‪おじい様がみんなに‬ ‪アリバイがあるときを狙って‬ 252 00:13:24,303 --> 00:13:27,807 ‪おばあ様を殺した‬ ‪という根拠を示されるには‬ 253 00:13:27,890 --> 00:13:29,683 ‪言葉に悪意がありませんか?‬ 254 00:13:29,767 --> 00:13:33,687 ‪薫子叔母様以外は‬ ‪おじい様の犯行計画を知っており‬ 255 00:13:33,771 --> 00:13:34,980 ‪その時間帯‬ 256 00:13:35,064 --> 00:13:38,317 ‪意図的にアリバイを作っていたと‬ ‪示唆したとも聞こえます‬ 257 00:13:38,400 --> 00:13:41,570 ‪まさか そんな品のないマネは‬ ‪しませんよ‬ 258 00:13:41,654 --> 00:13:44,573 ‪確かに私は‬ ‪談合を提案しましたが‬ 259 00:13:44,657 --> 00:13:47,201 ‪いくら皆さんに‬ ‪欲がないといっても‬ 260 00:13:47,284 --> 00:13:50,204 ‪そんなすぐにまとまるとは‬ ‪考えていませんでした‬ 261 00:13:50,287 --> 00:13:54,041 ‪巨額の遺産ですし‬ ‪グループ経営にも関わります‬ 262 00:13:54,124 --> 00:13:55,501 ‪相続の当事者である⸺‬ 263 00:13:55,584 --> 00:13:57,753 ‪薫子さんも亮馬さんも‬ ‪いませんから‬ 264 00:13:57,836 --> 00:13:59,505 ‪まだ様子を見るだろうと‬ 265 00:13:59,588 --> 00:14:02,841 ‪さながら自分たちの不都合が‬ ‪掘り出される前に‬ 266 00:14:02,925 --> 00:14:05,386 ‪事を穏便に済ませたい‬ ‪といったようです‬ 267 00:14:05,970 --> 00:14:08,889 ‪談合は‬ ‪音無会長の希望にも反しますし‬ 268 00:14:08,973 --> 00:14:10,432 ‪懸念がなければ‬ 269 00:14:10,516 --> 00:14:13,811 ‪課題にもっと真摯(しんし)に‬ ‪向き合われるのではないかと‬ 270 00:14:13,894 --> 00:14:16,981 ‪皆にアリバイがあるのは‬ ‪偶然かもしれません‬ 271 00:14:17,064 --> 00:14:18,315 ‪けれど 事件当時‬ 272 00:14:18,399 --> 00:14:23,612 ‪亮馬さん 晋さん 耕也さん‬ ‪音無会長は共犯関係にあり‬ 273 00:14:23,696 --> 00:14:26,073 ‪あらかじめ‬ ‪アリバイが立つようにしていた‬ 274 00:14:26,156 --> 00:14:29,034 ‪薫子さんは‬ ‪それを知らされていなかったため‬ 275 00:14:29,118 --> 00:14:30,828 ‪アリバイが‬ ‪なくなるところだった‬ 276 00:14:30,911 --> 00:14:33,914 ‪そう解釈したほうが‬ ‪面白くありませんか?‬ 277 00:14:34,748 --> 00:14:37,251 ‪(莉音)‬ ‪私は遺産に興味はありません‬ 278 00:14:37,334 --> 00:14:39,044 ‪叔父様たちも おじい様なら‬ 279 00:14:39,128 --> 00:14:42,047 ‪相続で不条理なことは‬ ‪行わないと判断し‬ 280 00:14:42,131 --> 00:14:44,425 ‪親族同士で争うよりはと‬ 281 00:14:44,508 --> 00:14:47,011 ‪あなたの提案に乗るのを‬ ‪是としたんです‬ 282 00:14:47,094 --> 00:14:49,889 ‪それをあなたは面白いと‬ ‪愚弄しますか‬ 283 00:14:49,972 --> 00:14:51,890 ‪まさに品がありません!‬ 284 00:14:55,436 --> 00:14:58,814 ‪おじい様も含め 4人が共犯なら‬ 285 00:14:58,898 --> 00:15:01,275 ‪この会合や‬ ‪課題自体が無意味です‬ 286 00:15:01,358 --> 00:15:05,070 ‪叔父様たちは おじい様が‬ ‪共犯と知っているわけですから‬ 287 00:15:05,154 --> 00:15:08,741 ‪はい 私は皆さんが共犯とは‬ ‪信じていませんよ‬ 288 00:15:08,824 --> 00:15:11,744 ‪音無会長も‬ ‪それは否定されています‬ 289 00:15:11,827 --> 00:15:13,454 ‪ただ 会長は言われました‬ 290 00:15:13,537 --> 00:15:16,165 ‪罪の報いは‬ ‪きちんと受けるものだと‬ 291 00:15:18,208 --> 00:15:21,253 ‪(晋)‬ ‪父さんは私に告白させたいのか‬ 292 00:15:21,921 --> 00:15:24,048 ‪それが この課題の目的か?‬ 293 00:15:24,548 --> 00:15:25,549 ‪叔父様?‬ 294 00:15:27,384 --> 00:15:28,344 ‪え?‬ 295 00:15:28,427 --> 00:15:29,303 ‪(琴子)どうでしょう‬ 296 00:15:29,386 --> 00:15:32,306 ‪殺人は準備だけでも‬ ‪罪になりますが‬ 297 00:15:32,389 --> 00:15:34,558 ‪いいだろう 認めよう‬ 298 00:15:34,642 --> 00:15:37,102 ‪23年前 私と兄さんは‬ 299 00:15:37,186 --> 00:15:39,563 ‪一緒に母さんを殺す‬ ‪計画を立てていた‬ 300 00:15:40,689 --> 00:15:43,901 ‪準備段階で母さんが‬ ‪何者かに殺され‬ 301 00:15:44,401 --> 00:15:46,070 ‪実行にまでは至らなかったがな‬ 302 00:15:46,153 --> 00:15:47,696 ‪父さんと一緒って…‬ 303 00:15:47,780 --> 00:15:50,824 ‪2人はもう 30年以上‬ ‪仲が悪いのでしょう?‬ 304 00:15:50,908 --> 00:15:52,576 ‪事件の日もケンカを!‬ 305 00:15:52,660 --> 00:15:57,164 ‪仲が悪いからこそ‬ ‪共犯関係を疑われにくいのです‬ 306 00:15:57,247 --> 00:16:00,459 ‪けれど 2人の利害は‬ ‪根本では一致しています‬ 307 00:16:00,960 --> 00:16:03,587 ‪やはり 何もかも‬ ‪見抜いているんだな‬ 308 00:16:03,671 --> 00:16:06,882 ‪(琴子)事件の日‬ ‪お二人は周囲に気付かれるほど‬ 309 00:16:06,966 --> 00:16:08,425 ‪激しくケンカをしていた‬ 310 00:16:08,926 --> 00:16:10,970 ‪だから‬ ‪確かなアリバイになりました‬ 311 00:16:11,053 --> 00:16:14,848 ‪けれど 2人が共犯で‬ ‪ケンカのふりをしていたなら?‬ 312 00:16:14,932 --> 00:16:18,936 ‪例えば 会議室の中に‬ ‪2人だけ入ってケンカしており‬ 313 00:16:19,019 --> 00:16:21,855 ‪周りは外から声や物音だけ‬ ‪聞いていれば?‬ 314 00:16:22,439 --> 00:16:25,109 ‪一方の声はあらかじめ‬ ‪録音したものを流し‬ 315 00:16:25,192 --> 00:16:28,862 ‪部屋に1人しかいないのに‬ ‪激しく争っているふりをすれば‬ 316 00:16:29,488 --> 00:16:31,615 ‪2人がそこにいると‬ ‪誤認させられます‬ 317 00:16:32,199 --> 00:16:34,994 ‪その間に 一方は殺人を実行する‬ 318 00:16:35,577 --> 00:16:37,871 ‪ああ‬ ‪そういうアリバイ工作だった‬ 319 00:16:39,248 --> 00:16:39,999 ‪(晋)兄さん‬ 320 00:16:40,582 --> 00:16:43,377 ‪わざわざ呼び出して‬ ‪なんの用件だ?‬ 321 00:16:43,919 --> 00:16:46,004 ‪(亮馬)‬ ‪お前にしか頼めないと思ってな‬ 322 00:16:46,588 --> 00:16:51,343 ‪このままじゃ 俺たちの将来も‬ ‪グループの将来も台なしになる‬ 323 00:16:51,844 --> 00:16:54,263 ‪だから 母さんを殺す‬ 324 00:16:54,763 --> 00:16:57,683 ‪お前はアリバイ工作に‬ ‪協力してくれればいい‬ 325 00:16:57,766 --> 00:17:00,019 ‪手を汚すのは俺だ‬ 326 00:17:00,769 --> 00:17:02,312 ‪計画があるんだな‬ 327 00:17:02,396 --> 00:17:05,190 ‪(晋)おおまかには‬ ‪君が言ったとおりの計画だが‬ 328 00:17:05,691 --> 00:17:08,736 ‪ほかにも容疑をそらすため‬ ‪細工が必要だった‬ 329 00:17:10,194 --> 00:17:11,739 ‪(社員)なんだ?‬ ‪(社員)ケンカ?‬ 330 00:17:11,821 --> 00:17:15,367 ‪(社員)あの2人 最近‬ ‪険悪さが増したと思ってたけど‬ 331 00:17:15,451 --> 00:17:17,703 ‪(社員)誰か止めに‬ ‪入ったほうがいいだろう‬ 332 00:17:17,786 --> 00:17:22,082 ‪(晋)社内で私と兄さんが‬ ‪ケンカをしていても不自然ではなく‬ 333 00:17:22,665 --> 00:17:25,794 ‪空き部屋で二人きりで‬ ‪争っているのに周りが気付いても‬ 334 00:17:25,877 --> 00:17:27,463 ‪放っておいたほうが無難‬ 335 00:17:28,088 --> 00:17:30,716 ‪そんな環境を作るための‬ ‪前振りだった‬ 336 00:17:31,508 --> 00:17:33,469 ‪(社員)音無室長 大変です!‬ 337 00:17:33,552 --> 00:17:34,720 ‪社長が…‬ 338 00:17:35,220 --> 00:17:37,973 ‪(晋)それが‬ ‪母さんの殺された事件当日‬ 339 00:17:38,057 --> 00:17:43,479 ‪23年前の2月18日に 私たちの‬ ‪アリバイとなったケンカだ‬ 340 00:17:44,438 --> 00:17:48,192 ‪音無会長がやったのではと‬ ‪疑われたことはありますか?‬ 341 00:17:48,275 --> 00:17:49,443 ‪(晋)ああ‬ 342 00:17:49,526 --> 00:17:51,612 ‪だが 父さんには‬ ‪アリバイがあるし‬ 343 00:17:51,695 --> 00:17:54,281 ‪人を雇って殺させた形跡もない‬ 344 00:17:54,364 --> 00:17:57,701 ‪だから 母さんの死は‬ ‪強盗殺人と片づけていた‬ 345 00:17:57,785 --> 00:18:00,078 ‪なのに 今回の課題だ‬ 346 00:18:00,162 --> 00:18:01,747 ‪父さんが犯人じゃないなら‬ 347 00:18:01,830 --> 00:18:05,334 ‪私と兄さんが殺人を計画していた‬ ‪過去を告白させ‬ 348 00:18:05,417 --> 00:18:08,837 ‪罪を償わせようと‬ ‪しているものとの思いもする‬ 349 00:18:09,463 --> 00:18:11,465 ‪兄さんも‬ ‪感づいていたんじゃないか‬ 350 00:18:11,548 --> 00:18:16,095 ‪莉音をここに来させたのも‬ ‪ちゃんと娘に自分の罪を教え‬ 351 00:18:16,178 --> 00:18:18,972 ‪なんらかの償いに‬ ‪したかったんじゃないか‬ 352 00:18:19,848 --> 00:18:21,058 ‪まさか 叔父様‬ 353 00:18:21,141 --> 00:18:24,603 ‪計画の共犯関係を‬ ‪万一にも疑われないため‬ 354 00:18:24,686 --> 00:18:27,689 ‪ずっと父さんと仲が悪いふりを‬ ‪してきたんですか?‬ 355 00:18:27,773 --> 00:18:29,233 ‪(晋)勘違いするな‬ 356 00:18:29,316 --> 00:18:30,901 ‪私は兄さんが嫌いだ‬ 357 00:18:31,401 --> 00:18:33,695 ‪兄さんは‬ ‪私がしたかった仕事を捨て‬ 358 00:18:33,779 --> 00:18:35,531 ‪勝手なことをしている‬ 359 00:18:35,614 --> 00:18:38,784 ‪私よりも‬ ‪優秀な仕事をしていたのに…‬ 360 00:18:38,867 --> 00:18:42,204 ‪そんな兄さんに‬ ‪ずっと劣等感を持っていた‬ 361 00:18:43,205 --> 00:18:44,998 ‪だが 少し楽になったよ‬ 362 00:18:45,082 --> 00:18:49,586 ‪こうして告白する機会を‬ ‪用意してくれたのには感謝しよう‬ 363 00:18:50,337 --> 00:18:52,965 ‪では 耕也さんと薫子さんは‬ ‪どうでしょう?‬ 364 00:18:53,048 --> 00:18:56,927 ‪音無 澄さんの殺害を‬ ‪計画していませんでしたか?‬ 365 00:18:57,010 --> 00:19:00,097 ‪薫子さんのケガというのも‬ ‪タイミングがよすぎます‬ 366 00:19:00,681 --> 00:19:03,600 ‪そこで こういうアリバイ工作を‬ ‪疑ってみました‬ 367 00:19:03,684 --> 00:19:07,729 ‪薫子さんは事件の日の昼‬ ‪わざと人のいる所で転び‬ 368 00:19:08,313 --> 00:19:10,107 ‪足を痛めたふりをする‬ 369 00:19:10,190 --> 00:19:12,609 ‪その時点では‬ ‪骨折も何もしていません‬ 370 00:19:12,693 --> 00:19:14,987 ‪そして 夕方‬ ‪マンションを抜け出し‬ 371 00:19:15,070 --> 00:19:18,448 ‪澄さんを強盗の仕業に見せかけて‬ ‪殺害します‬ 372 00:19:18,532 --> 00:19:22,703 ‪その後 マンションに戻り‬ ‪そこで初めて足を自分で折ります‬ 373 00:19:22,786 --> 00:19:23,704 ‪(骨が折れる音)‬ 374 00:19:23,787 --> 00:19:27,457 ‪こうして 実は昼から‬ ‪足が折れていたと見せかけ‬ 375 00:19:27,541 --> 00:19:29,459 ‪犯行が不可能だったと思わせる‬ 376 00:19:29,543 --> 00:19:31,837 ‪よく そんな…‬ ‪聞いているだけで‬ 377 00:19:31,920 --> 00:19:34,339 ‪足が痛くなるような‬ ‪方法を考えるね‬ 378 00:19:34,840 --> 00:19:36,842 ‪でも たとえ 顔を隠していても‬ 379 00:19:36,925 --> 00:19:39,720 ‪実の娘を男と見間違えないよ‬ 380 00:19:40,220 --> 00:19:44,099 ‪犯人は澄さんの最期の叫びから‬ ‪男だと分かっている‬ 381 00:19:44,182 --> 00:19:48,103 ‪“あの黒い…‬ ‪上着の男を捕まえなさい”と‬ 382 00:19:48,186 --> 00:19:50,063 ‪(琴子)その最期の叫びは‬ 383 00:19:50,147 --> 00:19:52,107 ‪果たして‬ ‪澄さんのものでしょうか?‬ 384 00:19:52,191 --> 00:19:55,903 ‪聞いた住人は澄さんの肉声を‬ ‪知らなかったでしょう‬ 385 00:19:55,986 --> 00:19:58,113 ‪犯人を男と誤認させるために‬ 386 00:19:58,196 --> 00:20:00,449 ‪薫子さんが澄さんのふりをし‬ 387 00:20:00,532 --> 00:20:03,994 ‪死体のそばで叫びを上げ‬ ‪周りに聞かせていたなら?‬ 388 00:20:04,077 --> 00:20:06,872 ‪リスクが大きすぎる‬ ‪偽装工作だよ‬ 389 00:20:06,955 --> 00:20:09,583 ‪声を聞いた住人が‬ ‪すぐ表に出てくれば‬ 390 00:20:10,083 --> 00:20:11,627 ‪薫子は見つかってしまう‬ 391 00:20:11,710 --> 00:20:12,669 ‪そうですね‬ 392 00:20:12,753 --> 00:20:16,173 ‪そもそも 住宅地での殺人を‬ ‪計画したなら‬ 393 00:20:16,256 --> 00:20:19,343 ‪殺害時に被害者が‬ ‪声を出せない状態にして‬ 394 00:20:19,426 --> 00:20:22,221 ‪更に犯人の手がかりを‬ ‪残されぬよう‬ 395 00:20:22,304 --> 00:20:24,973 ‪死を確認してから‬ ‪現場を離れるでしょう‬ 396 00:20:26,099 --> 00:20:28,518 ‪けれど せっかくの機会です‬ 397 00:20:28,602 --> 00:20:32,356 ‪晋さんいわく‬ ‪少し楽になれるそうですよ‬ 398 00:20:33,231 --> 00:20:35,192 ‪分かった 白状しよう‬ 399 00:20:35,692 --> 00:20:36,360 ‪逆だ‬ 400 00:20:36,443 --> 00:20:40,239 ‪薫子が骨折したから‬ ‪殺人を実行したんじゃない‬ 401 00:20:40,322 --> 00:20:43,742 ‪骨折したから‬ ‪殺人の計画が頓挫したんだ‬ 402 00:20:45,243 --> 00:20:48,830 ‪私と薫子も‬ ‪あの人の殺害を計画していた‬ 403 00:20:49,623 --> 00:20:53,210 ‪マッサージ店の帰りを狙う‬ ‪というのも晋さんたちと同じだ‬ 404 00:20:53,293 --> 00:20:57,130 ‪あの人が一人きりになるのは‬ ‪やはり そのときしかなかった‬ 405 00:20:57,214 --> 00:20:59,967 ‪そして あの日‬ ‪実行する予定だった‬ 406 00:21:00,550 --> 00:21:04,054 ‪骨折した時間を誤認させる工作は‬ ‪君の言ったとおりだ‬ 407 00:21:04,137 --> 00:21:08,100 ‪事件当日 計画どおり‬ ‪私はアリバイ工作のため‬ 408 00:21:08,183 --> 00:21:12,270 ‪日中 営業に走り回り‬ ‪夜になってマンションに帰った‬ 409 00:21:12,354 --> 00:21:15,649 ‪薫子は既に‬ ‪犯行を終えているはずだった‬ 410 00:21:18,902 --> 00:21:19,987 ‪(耕也)薫子?‬ 411 00:21:21,989 --> 00:21:24,491 ‪(薫子)耕也さん ごめんなさい‬ 412 00:21:25,242 --> 00:21:26,868 ‪私 失敗した‬ 413 00:21:26,952 --> 00:21:27,953 ‪薫子…‬ 414 00:21:28,453 --> 00:21:33,125 ‪昼間に転んでみせたとき‬ ‪本当に骨折してしまったみたい‬ 415 00:21:33,667 --> 00:21:35,127 ‪なんてまぬけなの!‬ 416 00:21:35,210 --> 00:21:38,505 ‪あの人を待ち伏せできても‬ ‪これじゃ走れない‬ 417 00:21:39,006 --> 00:21:41,550 ‪とても殺して‬ ‪逃げられそうもなかった‬ 418 00:21:42,467 --> 00:21:44,052 ‪(耕也)‬ ‪薫子を連れていった病院で‬ 419 00:21:44,136 --> 00:21:46,305 ‪あの人の死を知らされたんだ‬ 420 00:21:46,388 --> 00:21:49,182 ‪どこかの誰かが あの人を殺した‬ 421 00:21:49,266 --> 00:21:53,186 ‪天の配剤にしては‬ ‪いささか気味が悪かったがね‬ 422 00:21:53,270 --> 00:21:56,565 ‪音無会長が‬ ‪私たちの計画を察知して‬ 423 00:21:56,648 --> 00:21:59,526 ‪その前にと動いたのではと‬ ‪疑いもしたが‬ 424 00:21:59,609 --> 00:22:02,696 ‪ともかく助かったと‬ ‪疑念を封じて暮らしてきた‬ 425 00:22:02,779 --> 00:22:05,073 ‪そこに今回の課題だ‬ 426 00:22:05,157 --> 00:22:06,491 ‪私たちの過去の罪も‬ 427 00:22:06,575 --> 00:22:09,327 ‪告白させようと‬ ‪しているのではと感じた‬ 428 00:22:09,411 --> 00:22:13,582 ‪薫子もずっとおびえていて‬ ‪私がここに来るしかなかった‬ 429 00:22:14,166 --> 00:22:16,043 ‪しかし 亮馬さんや晋さんまで‬ 430 00:22:16,126 --> 00:22:18,420 ‪あの人の殺害を‬ ‪計画されていたとは‬ 431 00:22:18,503 --> 00:22:20,088 ‪思ってもいませんでした‬ 432 00:22:20,172 --> 00:22:22,924 ‪会長もご自分の先が長くないと‬ 433 00:22:23,008 --> 00:22:25,719 ‪過去の清算に‬ ‪乗り出されたのかもしれない‬ 434 00:22:25,802 --> 00:22:30,223 ‪我々の罪を明らかにし‬ ‪その重荷から解放しようと‬ 435 00:22:32,142 --> 00:22:33,477 ‪どうなんだ 岩永嬢‬ 436 00:22:33,560 --> 00:22:36,396 ‪相続人の罪は明らかになった‬ 437 00:22:36,480 --> 00:22:38,565 ‪これで茶番劇は終わりだろう?‬ 438 00:22:39,066 --> 00:22:40,650 ‪終わりではありません‬ 439 00:22:41,860 --> 00:22:44,237 ‪当時 皆さんが‬ ‪何をされていようと‬ 440 00:22:44,321 --> 00:22:47,532 ‪私は罪に問う気も‬ ‪ざんげを聞く気もありません‬ 441 00:22:47,616 --> 00:22:51,536 ‪とうに時効ですし‬ ‪本質的な問題ではありません‬ 442 00:22:51,620 --> 00:22:55,165 ‪音無会長は音無 澄さんを‬ ‪どうやって殺したか‬ 443 00:22:55,248 --> 00:22:57,959 ‪あくまで それが‬ ‪求められている答えです‬ 444 00:22:58,043 --> 00:23:00,712 ‪皆さんの罪は‬ ‪ささいなことですよ‬ 445 00:23:01,296 --> 00:23:02,255 ‪なら 君は‬ 446 00:23:02,339 --> 00:23:05,509 ‪なんのために我々に‬ ‪殺人計画を認めさせたんだ?‬ 447 00:23:05,592 --> 00:23:09,554 ‪あなた方はご自身の罪を‬ ‪どう隠すかに腐心されるばかりで‬ 448 00:23:09,638 --> 00:23:12,307 ‪解答の準備を‬ ‪ろくにされていないでしょう‬ 449 00:23:12,391 --> 00:23:15,394 ‪莉音さんは この場の‬ ‪何か隠し事がある雰囲気に‬ 450 00:23:15,477 --> 00:23:17,270 ‪集中できなかったことでしょう‬ 451 00:23:17,354 --> 00:23:21,066 ‪だから そこを片づけないと‬ ‪始まらないと思いまして‬ 452 00:23:21,149 --> 00:23:23,110 ‪判定役を任された身として‬ 453 00:23:23,193 --> 00:23:25,612 ‪仕事をきちんと‬ ‪しないといけません‬ 454 00:23:25,695 --> 00:23:29,032 ‪音無会長は 人の死によって‬ ‪うまくいったという⸺‬ 455 00:23:29,116 --> 00:23:31,576 ‪過去の成功体験を‬ ‪正されたいのです‬ 456 00:23:31,660 --> 00:23:35,497 ‪成功体験は時に人を害し‬ ‪自滅もさせます‬ 457 00:23:35,997 --> 00:23:38,875 ‪だから 過去を正すことは‬ ‪必要なのです‬ 458 00:23:39,376 --> 00:23:43,547 ‪さて 音無会長が‬ ‪どうやって澄さんを殺したか‬ 459 00:23:44,131 --> 00:23:45,298 ‪答えはあります‬ 460 00:23:45,799 --> 00:23:47,342 ‪よくお考えを‬ 461 00:23:51,054 --> 00:23:53,056 ‪♪~‬ 462 00:24:59,039 --> 00:25:01,041 ‪~♪‬