1 00:00:02,460 --> 00:00:05,171 ‪(琴子(ことこ))皆さんの罪は‬ ‪ささいなことですよ‬ 2 00:00:05,255 --> 00:00:08,800 ‪さて 音無(おとなし)会長が‬ ‪どうやって澄(すみ)さんを殺したか‬ 3 00:00:09,759 --> 00:00:11,261 ‪答えはあります‬ 4 00:00:12,846 --> 00:00:14,472 ‪よくお考えを‬ 5 00:00:15,015 --> 00:00:17,017 ♪~ 6 00:01:17,952 --> 00:01:19,954 ~♪ 7 00:01:24,417 --> 00:01:26,669 ‪(晋(すすむ))しばらく 外に出てくる‬ 8 00:01:27,253 --> 00:01:31,299 ‪(耕也(こうや))薫子(かおるこ)にこの状況だけでも‬ ‪伝えるべきでしょうね‬ 9 00:01:33,426 --> 00:01:36,513 ‪(莉音(りおん))‬ ‪私も 外の空気を吸ってきます‬ 10 00:01:46,064 --> 00:01:47,357 ‪(ドアが閉まる音)‬ 11 00:02:01,204 --> 00:02:02,872 ‪(九郎(くろう))フウ~‬ 12 00:02:05,917 --> 00:02:07,043 ‪うっ!‬ 13 00:02:07,126 --> 00:02:11,005 ‪気疲れでもしました?‬ ‪私たちも部屋へ戻りますか‬ 14 00:02:11,089 --> 00:02:12,382 ‪いや いい‬ 15 00:02:12,465 --> 00:02:15,343 ‪戻ったら何をされるか‬ ‪分からないし…‬ 16 00:02:15,426 --> 00:02:17,137 ‪どうせ 夜は一緒ですよ‬ 17 00:02:17,887 --> 00:02:20,932 ‪九郎先輩‬ ‪似合っていますね この格好‬ 18 00:02:21,015 --> 00:02:23,351 ‪これをパジャマにするのは‬ ‪どうです?‬ 19 00:02:23,434 --> 00:02:24,936 ‪(九郎)寝苦しいだろ‬ 20 00:02:26,020 --> 00:02:27,814 ‪音無会長は当時‬ 21 00:02:27,897 --> 00:02:30,358 ‪みんながそれぞれ‬ ‪殺人計画を立てていたと‬ 22 00:02:30,441 --> 00:02:31,526 ‪知っているのか?‬ 23 00:02:31,609 --> 00:02:32,735 ‪いいえ‬ 24 00:02:32,819 --> 00:02:35,572 ‪私の独自情報と‬ ‪推測から揺さぶって‬ 25 00:02:35,655 --> 00:02:37,699 ‪うまく口を割らせただけですよ‬ 26 00:02:37,782 --> 00:02:41,327 ‪会長さんには‬ ‪思ってもみない事実ですね‬ 27 00:02:41,411 --> 00:02:44,539 ‪なら あえて表に出す必要は‬ ‪なかったんじゃないか?‬ 28 00:02:44,622 --> 00:02:48,168 ‪音無会長もそれらを知ったら‬ ‪驚かれるだろう‬ 29 00:02:48,251 --> 00:02:51,671 ‪妙な課題を出せば‬ ‪妙なことも起こるものです‬ 30 00:02:52,422 --> 00:02:55,842 ‪まあ そこは私から‬ ‪今日のうちに伝えておきますか‬ 31 00:02:55,925 --> 00:02:58,261 ‪あと さっきも言ったとおり‬ 32 00:02:58,344 --> 00:03:01,472 ‪表に出さないと皆さんも‬ ‪余計な思考に気を取られますし‬ 33 00:03:02,307 --> 00:03:03,391 ‪ああしたほうが‬ 34 00:03:03,474 --> 00:03:07,729 ‪私の用意した 適切な偽の解決へ‬ ‪導きやすくもありますので‬ 35 00:03:07,812 --> 00:03:09,272 ‪あの人たちが‬ 36 00:03:09,355 --> 00:03:12,233 ‪解決を独自に作るのを‬ ‪待たないのか?‬ 37 00:03:12,317 --> 00:03:13,985 ‪そのほうが楽ですから‬ 38 00:03:14,068 --> 00:03:16,696 ‪用意した解決を‬ ‪イメージさせる鍵は‬ 39 00:03:16,779 --> 00:03:18,531 ‪それなりに まいています‬ 40 00:03:18,615 --> 00:03:21,367 ‪被害者の人となりや‬ ‪当時の状況について‬ 41 00:03:21,451 --> 00:03:22,869 ‪もう少し示唆すれば‬ 42 00:03:23,453 --> 00:03:26,122 ‪やらずとも個々で‬ ‪気付いてくれるかもしれません‬ 43 00:03:26,623 --> 00:03:29,500 ‪一番 見込みの高いのが‬ ‪莉音さんですね‬ 44 00:03:29,584 --> 00:03:31,586 ‪彼女なら今夜にも‬ 45 00:03:31,669 --> 00:03:34,756 ‪私の望んだ答えに‬ ‪たどりつくかもしれません‬ 46 00:03:35,590 --> 00:03:39,135 ‪(電話:‪亮馬(りょうま)‪)俺と晋の罪が‬‬‬ ‪明るみに出る覚悟はしていたが‬ 47 00:03:39,218 --> 00:03:41,012 ‪そこで終わらないとはな‬ 48 00:03:41,095 --> 00:03:44,057 ‪薫子や耕也さんもとは‬ ‪驚きだったが‬ 49 00:03:44,140 --> 00:03:47,685 ‪そんな予感があるなら‬ ‪父さんが来ればよかったのに‬ 50 00:03:47,769 --> 00:03:49,687 ‪(亮馬)すまなかったな‬ 51 00:03:49,771 --> 00:03:51,606 ‪俺にも迷いがあった‬ 52 00:03:52,106 --> 00:03:55,068 ‪その過去は 死ぬまで‬ ‪隠すしかないと思っていたが‬ 53 00:03:55,151 --> 00:03:59,239 ‪お前や父さんに知られたほうが‬ ‪楽になれるとも思っていた‬ 54 00:03:59,322 --> 00:04:01,616 ‪だから お前がそれを見つけるか‬ 55 00:04:01,699 --> 00:04:04,327 ‪父さんが告発するなら‬ ‪それでよかった‬ 56 00:04:04,410 --> 00:04:07,205 ‪自分で語るのだけは‬ ‪避けたかったんだ‬ 57 00:04:07,288 --> 00:04:10,291 ‪ああ うん… 晋叔父様も‬ 58 00:04:10,375 --> 00:04:14,545 ‪岩永(いわなが)‪琴子に追い込まれるみたいに‬‬ ‪告白したから気持ちは分かる‬ 59 00:04:14,629 --> 00:04:15,797 ‪怒るつもりはない‬ 60 00:04:16,380 --> 00:04:19,007 ‪父親が祖母を‬ ‪殺そうとしていたのに‬ 61 00:04:19,091 --> 00:04:21,636 ‪お前は やけに‬ ‪あっさりしているな‬ 62 00:04:22,804 --> 00:04:26,140 ‪(莉音)やっぱり私‬ ‪おばあ様がどういう人なのか‬ 63 00:04:26,224 --> 00:04:28,101 ‪うまく想像できないのよ‬ 64 00:04:28,184 --> 00:04:30,603 ‪だから リアルに‬ ‪受け止められないっていうか‬ 65 00:04:31,271 --> 00:04:35,108 ‪音無グループを現在の規模にした‬ ‪すごい人というのは聞いている‬ 66 00:04:35,191 --> 00:04:38,903 ‪その反面 家族から殺すのを‬ ‪たくらまれてたくらい‬ 67 00:04:38,987 --> 00:04:40,446 ‪問題のある人だとも‬ 68 00:04:40,947 --> 00:04:42,657 ‪なのに なぜか‬ 69 00:04:42,740 --> 00:04:46,369 ‪父さんや晋叔父様‬ ‪耕也叔父さんにおじい様からも‬ 70 00:04:46,452 --> 00:04:49,747 ‪おばあ様を語るときに‬ ‪憎んでいる雰囲気を感じないの‬ 71 00:04:49,831 --> 00:04:54,002 ‪みんな 殺したかったほどなのに‬ ‪負の感情が薄いっていうか‬ 72 00:04:54,085 --> 00:04:57,297 ‪だから その過去が‬ ‪真に迫ってこないところもある‬ 73 00:04:57,380 --> 00:04:58,673 ‪そうだな‬ 74 00:04:58,756 --> 00:05:01,217 ‪当時は‬ ‪それなりに憎しみもあった‬ 75 00:05:01,843 --> 00:05:04,637 ‪(晋)あの人がいれば‬ ‪全て台なしになる‬ 76 00:05:06,055 --> 00:05:07,640 ‪(亮馬)‬ ‪みんな そう言っていたよ‬ 77 00:05:07,724 --> 00:05:09,642 ‪だが あの人が亡くなり‬ 78 00:05:09,726 --> 00:05:11,894 ‪だいぶたってから‬ ‪分かるようになった‬ 79 00:05:12,395 --> 00:05:15,440 ‪あの人は周囲の意見を聞かない‬ ‪暴君だったわけでも‬ 80 00:05:15,523 --> 00:05:18,526 ‪俺たちの幸せを‬ ‪考えていなかったわけでもない‬ 81 00:05:18,609 --> 00:05:21,154 ‪あの人も犠牲者なんだ‬ 82 00:05:21,237 --> 00:05:23,531 ‪あの人はただ‬ ‪命じられたことを信じ‬ 83 00:05:23,614 --> 00:05:26,451 ‪そのとおりやっていただけに‬ ‪すぎなかったんだよ‬ 84 00:05:26,534 --> 00:05:28,036 ‪命じられたって…‬ 85 00:05:28,119 --> 00:05:29,370 ‪誰に?‬ 86 00:05:29,454 --> 00:05:32,665 ‪あの人の父親 伝次郎(でんじろう)氏だ‬ 87 00:05:34,500 --> 00:05:37,336 ‪音無グループを大きくしたのは‬ ‪母さんだが‬ 88 00:05:37,420 --> 00:05:40,173 ‪そうするように命じたのは‬ ‪伝次郎氏だ‬ 89 00:05:40,757 --> 00:05:45,470 ‪その詳しい計画や方針を‬ ‪生前に立てて娘に託していた‬ 90 00:05:46,054 --> 00:05:47,430 ‪音無 澄という人は‬ 91 00:05:47,513 --> 00:05:50,308 ‪それに従って‬ ‪突き進んでいたにすぎない‬ 92 00:05:50,892 --> 00:05:52,977 ‪お前の祖父の‪剛一(ごういち)‪との結婚も‬‬‬ 93 00:05:53,061 --> 00:05:56,147 ‪伝次郎氏は‬ ‪母さんの意見を聞かずに決めた‬ 94 00:05:56,647 --> 00:05:59,442 ‪グループのためには‬ ‪子供は何人必要で‬ 95 00:05:59,525 --> 00:06:02,111 ‪その子供たちに‬ ‪グループをどう継がせるか‬ 96 00:06:02,195 --> 00:06:04,405 ‪どんな結婚相手を選べばいいかも‬ 97 00:06:04,489 --> 00:06:07,909 ‪伝次郎氏の意に則した決定を‬ ‪母さんはしていた‬ 98 00:06:08,409 --> 00:06:12,121 ‪それくらい伝次郎氏の望む‬ ‪方向性は具体的だった‬ 99 00:06:12,622 --> 00:06:13,247 ‪だから‬ 100 00:06:13,331 --> 00:06:16,417 ‪俺は長男として‬ ‪グループを継ぐよう言われ‬ 101 00:06:16,501 --> 00:06:19,295 ‪晋は俺の補佐に徹するように‬ ‪命じられ‬ 102 00:06:19,379 --> 00:06:23,299 ‪薫子には いい家柄の男と‬ ‪結婚しなければならないと‬ 103 00:06:23,382 --> 00:06:25,510 ‪耕也さんと別れさせようとした‬ 104 00:06:25,593 --> 00:06:29,597 ‪あの人にとっては‬ ‪それが俺たちにとって 一番幸せ…‬ 105 00:06:29,680 --> 00:06:32,141 ‪グループのために‬ ‪なることだったんだ‬ 106 00:06:33,726 --> 00:06:35,144 ‪これの怖いのはな‬ 107 00:06:35,228 --> 00:06:36,896 ‪あの人が生きているとき‬ 108 00:06:36,979 --> 00:06:39,273 ‪それで全て‬ ‪うまくいっていたことなんだ‬ 109 00:06:40,191 --> 00:06:43,277 ‪グループは 伝次郎氏が‬ ‪亡くなる前に描いた図面どおり‬ 110 00:06:43,361 --> 00:06:45,947 ‪拡大路線で順調に発展していた‬ 111 00:06:46,030 --> 00:06:48,533 ‪伝次郎氏の選んだ夫は優秀で‬ 112 00:06:48,616 --> 00:06:51,327 ‪あの人の補佐として‬ ‪完璧な仕事をこなした‬ 113 00:06:51,411 --> 00:06:53,287 ‪俺も晋も薫子も‬ 114 00:06:53,371 --> 00:06:56,249 ‪あの人が満足する子供として‬ ‪育っていった‬ 115 00:06:56,332 --> 00:06:59,377 ‪伝次郎氏に従い‬ ‪逆らう者を排除し‬ 116 00:06:59,460 --> 00:07:02,004 ‪半世紀以上も成功を続けてきた‬ 117 00:07:02,088 --> 00:07:05,758 ‪そんな人が その命令から‬ ‪いきなり外れられるか?‬ 118 00:07:06,342 --> 00:07:09,679 ‪自分の意志で間違いと判断し‬ ‪背いたりできるか?‬ 119 00:07:10,179 --> 00:07:15,101 ‪まだ 明らかな失敗や間違いが‬ ‪出ていないにもかかわらずだ‬ 120 00:07:17,687 --> 00:07:20,731 ‪(莉音)それは‬ ‪とんでもない勇気がいるだろうね‬ 121 00:07:20,815 --> 00:07:24,193 ‪自分のこれまでの価値観‬ ‪全部を否定しかねないもの‬ 122 00:07:24,277 --> 00:07:24,861 ‪ああ‬ 123 00:07:24,944 --> 00:07:28,239 ‪あの人は伝次郎氏の‬ ‪操り人形だった‬ 124 00:07:28,322 --> 00:07:31,617 ‪本当は グループの危機にも‬ ‪気付いてたろうし‬ 125 00:07:31,701 --> 00:07:35,246 ‪子供たちの幸せの形も‬ ‪それぞれだって分かってたろう‬ 126 00:07:35,329 --> 00:07:38,624 ‪でも それを認め‬ ‪方針を変えるのは‬ 127 00:07:38,708 --> 00:07:40,376 ‪伝次郎氏に逆らうこと‬ 128 00:07:40,459 --> 00:07:43,045 ‪それまでの成功法則を‬ ‪捨てることだった‬ 129 00:07:43,546 --> 00:07:46,841 ‪でも 成功し続けていたから‬ ‪捨てられなかった‬ 130 00:07:46,924 --> 00:07:48,759 ‪(亮馬)‬ ‪ああ だから あの人は…‬ 131 00:07:49,343 --> 00:07:52,013 ‪母さんは‬ ‪いいときに亡くなったんだ‬ 132 00:07:52,597 --> 00:07:56,434 ‪あの時点で亡くなったから‬ ‪自分の責任でグループが崩壊し‬ 133 00:07:56,517 --> 00:07:59,145 ‪子供たちが不幸になるのを‬ ‪見ずに済んだ‬ 134 00:07:59,228 --> 00:08:01,105 ‪自分が信じてきたものに‬ 135 00:08:01,189 --> 00:08:05,151 ‪完膚なきまでに裏切られるのに‬ ‪直面するのだけは避けられた‬ 136 00:08:05,234 --> 00:08:07,820 ‪それは 幸いというべきだろう‬ 137 00:08:08,738 --> 00:08:11,616 ‪だからといって 俺が‬ ‪あの人を殺そうとしたのを‬ 138 00:08:11,699 --> 00:08:13,409 ‪正当化するつもりはない‬ 139 00:08:13,492 --> 00:08:16,662 ‪計画は‬ ‪ただ俺の将来のためだった‬ 140 00:08:16,746 --> 00:08:19,999 ‪でも 1人では‬ ‪計画を実行できなかったんだね‬ 141 00:08:20,500 --> 00:08:23,169 ‪晋叔父様に協力を求めたなんて‬ 142 00:08:23,252 --> 00:08:24,170 ‪(亮馬)俺は‬ 143 00:08:24,253 --> 00:08:27,173 ‪ひとつのことに入り込むと‬ ‪周りが見えなくなる‬ 144 00:08:27,757 --> 00:08:30,635 ‪晋のほうが常に冷静で‬ ‪大局を見られる‬ 145 00:08:30,718 --> 00:08:33,136 ‪あいつの目が‬ ‪一番 信用できたんだ‬ 146 00:08:33,221 --> 00:08:35,556 ‪俺にグループの経営は向いてない‬ 147 00:08:36,057 --> 00:08:38,183 ‪もし俺が‬ ‪グループを継いでいたら‬ 148 00:08:38,267 --> 00:08:40,311 ‪ひどいものになってたろうな‬ 149 00:08:40,811 --> 00:08:43,648 ‪(莉音)それ 晋叔父様に‬ ‪直接 言ってあげなよ‬ 150 00:08:43,731 --> 00:08:46,943 ‪何度も言った‬ ‪なのに全く信用しない‬ 151 00:08:47,443 --> 00:08:48,486 ‪(莉音)もしかすると‬ 152 00:08:48,569 --> 00:08:50,988 ‪父さんたちが‬ ‪支配に逆らえたのって‬ 153 00:08:51,072 --> 00:08:53,074 ‪それだったからかもしれないね‬ 154 00:08:53,157 --> 00:08:54,867 ‪おばあ様が決めた場所では‬ 155 00:08:54,951 --> 00:08:57,495 ‪自分が満足している気が‬ ‪しないから‬ 156 00:08:57,578 --> 00:09:00,706 ‪自分なりの道を行こう‬ ‪って意志が勝ったのかも‬ 157 00:09:00,790 --> 00:09:01,916 ‪(亮馬)そうだな‬ 158 00:09:01,999 --> 00:09:05,711 ‪あの人の命令に従って‬ ‪成功を実感していれば‬ 159 00:09:05,795 --> 00:09:06,837 ‪俺たちも伝次郎氏の‬ 160 00:09:06,921 --> 00:09:10,007 ‪操り人形になっていた‬ ‪かもしれない‬ 161 00:09:10,716 --> 00:09:14,929 ‪成功体験は時に人を害し‬ ‪自滅もさせます‬ 162 00:09:15,429 --> 00:09:16,806 ‪(莉音)彼女はずっと‬ 163 00:09:16,889 --> 00:09:19,016 ‪ヒントを出していたのでは‬ ‪ないだろうか‬ 164 00:09:19,684 --> 00:09:22,520 ‪全員にアリバイと‬ ‪計画殺人があった‬ 165 00:09:22,603 --> 00:09:25,648 ‪計画殺人なら‬ ‪被害者に叫び声を上げさせない‬ 166 00:09:25,731 --> 00:09:27,817 ‪それぞれが矛盾をはらみ‬ 167 00:09:27,900 --> 00:09:31,153 ‪それぞれを殺人容疑から‬ ‪除外する要素だった‬ 168 00:09:32,196 --> 00:09:33,906 ‪でも この仮説なら…‬ 169 00:09:34,573 --> 00:09:36,659 ‪(莉音)‬ ‪父さん さっき言ったよね‬ 170 00:09:36,742 --> 00:09:39,370 ‪おばあ様は‬ ‪いいときに亡くなったって‬ 171 00:09:39,453 --> 00:09:41,497 ‪確かに言ったが どうした?‬ 172 00:09:41,581 --> 00:09:45,501 ‪(莉音)私 事件の真相が‬ ‪分かったかもしれない‬ 173 00:09:57,388 --> 00:10:02,393 ‪23年前の殺人事件‬ ‪真相が分かったと思います‬ 174 00:10:02,935 --> 00:10:05,730 ‪(莉音)たどりついた答えに‬ ‪高揚感はなかった‬ 175 00:10:06,731 --> 00:10:11,569 ‪これは最初から‬ ‪岩永琴子に導かれていただけだ‬ 176 00:10:22,538 --> 00:10:24,665 ‪おばあ様は自殺したんです‬ 177 00:10:24,749 --> 00:10:27,960 ‪だから おじい様を含め‬ ‪みんなにアリバイがあったんです‬ 178 00:10:30,755 --> 00:10:31,464 ‪(晋)莉音!‬ 179 00:10:31,547 --> 00:10:35,259 ‪母さんは自殺とは‬ ‪程遠いところにいた人だ‬ 180 00:10:35,343 --> 00:10:38,012 ‪思うままに‬ ‪周りを支配していた人だぞ‬ 181 00:10:38,095 --> 00:10:40,264 ‪自殺する動機はない‬ 182 00:10:40,348 --> 00:10:43,267 ‪けれど グループの崩壊は‬ ‪予期されていたんでしょう?‬ 183 00:10:43,351 --> 00:10:47,521 ‪だから みんな おばあ様の殺害を‬ ‪計画していたのでは?‬ 184 00:10:47,605 --> 00:10:50,816 ‪それに‬ ‪晋叔父様も耕也叔父さんも‬ 185 00:10:50,900 --> 00:10:53,152 ‪おばあ様が‬ ‪それまでの成功に追い詰められ‬ 186 00:10:53,736 --> 00:10:57,073 ‪今更 止まれなくなっていたのを‬ ‪気付いておられたのでしょう?‬ 187 00:10:57,156 --> 00:10:59,325 ‪こちらも年を取ったし‬ 188 00:10:59,408 --> 00:11:01,911 ‪当時の状況にも‬ ‪違う見方ができる‬ 189 00:11:01,994 --> 00:11:03,746 ‪だから 今では恨みもない‬ 190 00:11:03,829 --> 00:11:06,165 ‪母さんも犠牲者と分かっている‬ 191 00:11:06,666 --> 00:11:09,668 ‪おばあ様に自殺する動機は‬ ‪十分にありました‬ 192 00:11:09,752 --> 00:11:12,421 ‪おばあ様は優れた経営者であり‬ 193 00:11:12,505 --> 00:11:14,924 ‪そのまま伝次郎氏の命令に‬ ‪従っていれば‬ 194 00:11:15,508 --> 00:11:18,260 ‪グループは崩壊すると‬ ‪分かってたでしょう‬ 195 00:11:18,803 --> 00:11:22,431 ‪グループの崩壊は‬ ‪伝次郎氏の命令を裏切るもので‬ 196 00:11:22,515 --> 00:11:24,558 ‪なんとしても‬ ‪避けねばなりません‬ 197 00:11:24,642 --> 00:11:29,021 ‪でも 命令に従わないのもまた‬ ‪伝次郎氏への裏切りです‬ 198 00:11:29,647 --> 00:11:33,484 ‪おばあ様にとって‬ ‪とてつもなく恐ろしいことでした‬ 199 00:11:34,068 --> 00:11:37,196 ‪これまで命令に従って‬ ‪成功し続けていただけに‬ 200 00:11:37,279 --> 00:11:38,948 ‪心理的に不可能でした‬ 201 00:11:39,448 --> 00:11:43,744 ‪その二律背反を解決する方法が‬ ‪自殺だったんです‬ 202 00:11:44,328 --> 00:11:45,913 ‪音無グループを守り‬ 203 00:11:45,996 --> 00:11:50,000 ‪おばあ様も恐怖を感じずに済む‬ ‪唯一の手段でした‬ 204 00:11:52,002 --> 00:11:55,673 ‪いや しかし…‬ ‪あの母さんが自殺とは‬ 205 00:11:56,173 --> 00:11:58,551 ‪確かにあのとき‬ ‪母さんがいなくなれば‬ 206 00:11:58,634 --> 00:12:01,470 ‪問題は全て解決すると思った‬ 207 00:12:01,554 --> 00:12:03,431 ‪実際 全てうまくいった‬ 208 00:12:03,514 --> 00:12:06,392 ‪母さん当人も‬ ‪そう自覚していれば‬ 209 00:12:06,475 --> 00:12:08,352 ‪自殺はあるかもしれない‬ 210 00:12:08,436 --> 00:12:09,812 ‪だが 死ぬくらいなら‬ 211 00:12:09,895 --> 00:12:14,108 ‪伝次郎氏の命令に反するほうが‬ ‪簡単とは考えられないか?‬ 212 00:12:14,191 --> 00:12:16,318 ‪(琴子)追い詰められて‬ ‪手近な逃避に走るのは‬ 213 00:12:16,402 --> 00:12:17,653 ‪よくあることです‬ 214 00:12:17,736 --> 00:12:22,366 ‪そうした例では 周囲はあとで‬ ‪“仕事を辞めればよかったのに”‬ 215 00:12:22,450 --> 00:12:25,661 ‪“人間関係を切ればよかったのに”‬ ‪と簡単に言いますが‬ 216 00:12:26,245 --> 00:12:27,580 ‪当人からすると‬ 217 00:12:27,663 --> 00:12:31,125 ‪責任感や そうしたあとの状況が‬ ‪怖くてできない‬ 218 00:12:31,208 --> 00:12:32,543 ‪だから 責任を逃れ‬ 219 00:12:32,626 --> 00:12:36,630 ‪あとのことも知らないで済む‬ ‪自殺が魅力的に映るんです‬ 220 00:12:37,882 --> 00:12:39,759 ‪責任を分かち合い‬ 221 00:12:39,842 --> 00:12:42,678 ‪あとのことも相談できる人が‬ ‪いれば違ってきますが‬ 222 00:12:43,262 --> 00:12:46,140 ‪澄さんにはそういう人も‬ ‪いなかったのでは?‬ 223 00:12:46,891 --> 00:12:48,559 ‪あの時点での死は‬ 224 00:12:48,642 --> 00:12:51,312 ‪おばあ様にとっても‬ ‪好都合だったんです‬ 225 00:12:51,395 --> 00:12:52,688 ‪父も言ってました‬ 226 00:12:52,772 --> 00:12:55,232 ‪“あの人は‬ ‪いいときに亡くなった”‬ 227 00:12:55,316 --> 00:12:57,276 ‪“幸いというべきものだ”と‬ 228 00:12:57,777 --> 00:13:01,155 ‪なら 自分で死を選ぶのが‬ ‪魅力的だったといえます‬ 229 00:13:01,238 --> 00:13:04,200 ‪だけど おばあ様に‬ ‪単純な自殺はできません‬ 230 00:13:04,700 --> 00:13:07,161 ‪大グループの社長が‬ ‪自殺したとなれば‬ 231 00:13:07,244 --> 00:13:10,664 ‪グループの醜聞です‬ ‪イメージも悪くなるでしょう‬ 232 00:13:11,248 --> 00:13:12,792 ‪グループを守りたい おばあ様が‬ 233 00:13:12,875 --> 00:13:15,294 ‪それを容認できるわけが‬ ‪ありません‬ 234 00:13:15,794 --> 00:13:17,671 ‪なので 周りには‬ ‪自殺と分からないよう‬ 235 00:13:17,755 --> 00:13:19,381 ‪死ぬ必要がありました‬ 236 00:13:19,882 --> 00:13:23,302 ‪だから 他殺に見せかけて‬ ‪自殺したというのか?‬ 237 00:13:23,385 --> 00:13:25,554 ‪強盗殺人を偽装して‬ 238 00:13:26,180 --> 00:13:27,681 ‪(莉音)‬ ‪マッサージ店からの帰りは‬ 239 00:13:27,765 --> 00:13:29,099 ‪1人であり‬ 240 00:13:29,183 --> 00:13:32,770 ‪住宅地の路上では‬ ‪周囲に人の目もありません‬ 241 00:13:33,270 --> 00:13:36,690 ‪そこで おばあ様は‬ ‪計画を実行しました‬ 242 00:13:38,567 --> 00:13:40,152 ‪強盗がバッグを奪って‬ 243 00:13:40,236 --> 00:13:43,739 ‪財布から紙幣だけを抜き取って‬ ‪逃げ出したと思わせるため‬ 244 00:13:43,822 --> 00:13:48,410 ‪あらかじめ紙幣を残さず抜いて‬ ‪処分しておいた財布とバッグを捨て‬ 245 00:13:48,494 --> 00:13:50,746 ‪隠し持っていたナイフを握ります‬ 246 00:13:51,247 --> 00:13:54,542 ‪ナイフの柄には‬ ‪指紋は付いていなかったのでは?‬ 247 00:13:54,625 --> 00:13:58,420 ‪(莉音)身につけている上着の‬ ‪裾を持ち上げナイフの柄を覆い‬ 248 00:13:59,004 --> 00:14:01,423 ‪その上から握れば‬ ‪指紋は付きません‬ 249 00:14:01,507 --> 00:14:04,927 ‪更に おばあ様は‬ ‪他殺であると印象づけるため‬ 250 00:14:05,511 --> 00:14:07,179 ‪最後に叫んでみせました‬ 251 00:14:10,558 --> 00:14:12,434 ‪(澄)くっ… 泥棒!‬ 252 00:14:12,518 --> 00:14:15,980 ‪誰か あの黒い上着の男を‬ ‪捕まえなさい‬ 253 00:14:16,063 --> 00:14:17,731 ‪駅の方…‬ 254 00:14:17,815 --> 00:14:21,193 ‪(莉音)これで 一層‬ ‪自殺と疑う者はいなくなります‬ 255 00:14:21,694 --> 00:14:24,864 ‪それでおばあ様の目的は‬ ‪ほぼ達せられましたが‬ 256 00:14:24,947 --> 00:14:28,576 ‪他殺に見せかければ‬ ‪どうしても警察が捜査をします‬ 257 00:14:31,996 --> 00:14:35,207 ‪そこでグループの関係者に‬ ‪濃い容疑がかかっては‬ 258 00:14:35,291 --> 00:14:38,127 ‪やはり企業のイメージを‬ ‪落とすでしょう‬ 259 00:14:38,210 --> 00:14:41,755 ‪そのため おばあ様は‬ ‪関係者に容疑がかからない‬ 260 00:14:42,256 --> 00:14:44,008 ‪みんなに‬ ‪アリバイがあるだろう時間に‬ 261 00:14:44,091 --> 00:14:45,342 ‪自殺しました‬ 262 00:14:46,051 --> 00:14:48,637 ‪確かに それだとつじつまが合う‬ 263 00:14:48,721 --> 00:14:50,472 ‪だが 母さんが自殺したなら‬ 264 00:14:50,556 --> 00:14:53,851 ‪父さんは なぜ自分が犯人である‬ ‪なんて言うんだ?‬ 265 00:14:54,351 --> 00:14:57,187 ‪(莉音)おじい様は‬ ‪おばあ様が自殺するよう‬ 266 00:14:57,271 --> 00:14:59,857 ‪計画的に誘導したのでは‬ ‪ないでしょうか‬ 267 00:15:00,441 --> 00:15:04,236 ‪自殺が最善と思わせる材料を‬ ‪わざと示していくことで‬ 268 00:15:04,320 --> 00:15:05,863 ‪そして おじい様は‬ 269 00:15:05,946 --> 00:15:08,616 ‪おばあ様が‬ ‪自殺を決断するのに値する⸺‬ 270 00:15:08,699 --> 00:15:10,868 ‪最後のひと押しとなる情報を‬ 271 00:15:10,951 --> 00:15:13,829 ‪教えた確信が‬ ‪あるのではないでしょうか‬ 272 00:15:17,082 --> 00:15:19,668 ‪(耕也)そうか 子供たち全員が‬ 273 00:15:19,752 --> 00:15:22,880 ‪自分の殺害計画を立てている‬ ‪という事実が‬ 274 00:15:22,963 --> 00:15:25,883 ‪自殺を決意する決定打になるか‬ 275 00:15:25,966 --> 00:15:28,177 ‪(莉音)‬ ‪自分がグループを崩壊させる⸺‬ 276 00:15:28,260 --> 00:15:30,304 ‪原因になる予感のうえに‬ 277 00:15:30,387 --> 00:15:33,015 ‪子供たちの幸せを信じて‬ ‪やっていたことが‬ 278 00:15:33,098 --> 00:15:36,143 ‪完全に裏目に出ているのにまで‬ ‪気付けば‬ 279 00:15:36,226 --> 00:15:38,687 ‪自殺の決意は‬ ‪すぐかもしれません‬ 280 00:15:39,271 --> 00:15:43,609 ‪何しろ 子供たち全員に‬ ‪殺意を抱かれているんです‬ 281 00:15:43,692 --> 00:15:46,528 ‪これをおじい様が‬ ‪わざと気付かせたなら…‬ 282 00:15:46,612 --> 00:15:50,532 ‪おばあ様を殺した犯人は‬ ‪おじい様といえるでしょう‬ 283 00:15:51,241 --> 00:15:54,870 ‪(晋)言いかえれば 私や兄さん‬ ‪薫子姉さんに耕也さんも‬ 284 00:15:54,953 --> 00:15:58,540 ‪母さんを殺すのに‬ ‪手を貸したというわけか‬ 285 00:16:00,542 --> 00:16:01,460 ‪(琴子)どうでしょう‬ 286 00:16:01,543 --> 00:16:04,797 ‪いくら会長でも‬ ‪それに気付けたかどうか‬ 287 00:16:04,880 --> 00:16:10,344 ‪皆さん 当時 殺害計画は慎重に‬ ‪秘密裏に進めておられたはずです‬ 288 00:16:10,427 --> 00:16:13,097 ‪単に澄さんを‬ ‪自殺に追い込むため‬ 289 00:16:13,180 --> 00:16:16,517 ‪あたかも子供たちが‬ ‪殺害を計画していると思わせる⸺‬ 290 00:16:16,600 --> 00:16:19,228 ‪偽の証拠を作って‬ ‪示したかもしれません‬ 291 00:16:19,311 --> 00:16:20,604 ‪そのウソが‬ 292 00:16:20,688 --> 00:16:24,358 ‪偶然 真実と合致していただけと‬ ‪するほうが自然でしょう‬ 293 00:16:24,441 --> 00:16:26,110 ‪随分と優しいな‬ 294 00:16:26,610 --> 00:16:28,570 ‪だが 私たちにも責任がある‬ 295 00:16:28,654 --> 00:16:31,448 ‪父さんにだけ‬ ‪背負わせるべきでもない‬ 296 00:16:31,532 --> 00:16:33,909 ‪岩永さんの言ってたとおり‬ 297 00:16:33,993 --> 00:16:36,537 ‪この真相は‬ ‪おじい様から直接 話されても‬ 298 00:16:36,620 --> 00:16:38,163 ‪納得できなかったでしょう‬ 299 00:16:38,747 --> 00:16:40,708 ‪おじい様を犯人と考え‬ 300 00:16:40,791 --> 00:16:44,253 ‪みんながおばあ様の殺害を‬ ‪計画していた状況を知り‬ 301 00:16:44,336 --> 00:16:48,257 ‪当時 おばあ様が置かれていた‬ ‪立場まで客観視できなければ‬ 302 00:16:48,340 --> 00:16:50,759 ‪とても信じられない内容です‬ 303 00:16:51,343 --> 00:16:53,303 ‪あなたは おじい様に頼まれて‬ 304 00:16:53,387 --> 00:16:56,640 ‪私たちをこの真相へ‬ ‪誘導していたのではないですか?‬ 305 00:16:56,724 --> 00:17:00,561 ‪音無会長はそんな必要‬ ‪感じておられませんでしたよ‬ 306 00:17:01,145 --> 00:17:04,732 ‪さて お二人は莉音さんの解答に‬ ‪賛成されますか?‬ 307 00:17:05,232 --> 00:17:07,192 ‪なら これを最終解答とし‬ 308 00:17:07,276 --> 00:17:11,446 ‪明日 正午‬ ‪音無会長に伝えるとしますが‬ 309 00:17:12,030 --> 00:17:14,031 ‪これ以上の答えはないだろう‬ 310 00:17:14,532 --> 00:17:15,701 ‪(耕也)私も同じく‬ 311 00:17:15,784 --> 00:17:19,204 ‪では 遺産相続の優先権は‬ ‪どうします?‬ 312 00:17:19,788 --> 00:17:22,458 ‪この解答を作成したのは‬ ‪莉音さんですが‬ 313 00:17:22,540 --> 00:17:25,252 ‪最初の取り決めどおりの順で‬ ‪かまいませんか?‬ 314 00:17:25,335 --> 00:17:28,005 ‪母親を殺そうとしていた身で‬ 315 00:17:28,088 --> 00:17:31,592 ‪今更どんな顔で‬ ‪遺産を優先的に欲しいと言える?‬ 316 00:17:31,675 --> 00:17:33,635 ‪薫子も同じだろう‬ 317 00:17:33,719 --> 00:17:37,097 ‪これで優先権をよこせと‬ ‪言えるほど面の顔が厚ければ‬ 318 00:17:37,181 --> 00:17:39,933 ‪この課題におびえもしなかった‬ 319 00:17:40,434 --> 00:17:42,936 ‪優先権とか今更いりますか?‬ 320 00:17:43,437 --> 00:17:46,356 ‪おじい様が適切に‬ ‪分けられればいいんですよ‬ 321 00:17:46,857 --> 00:17:49,276 ‪(琴子)‬ ‪では そう会長に求めましょう‬ 322 00:17:50,235 --> 00:17:51,069 ‪莉音さん‬ 323 00:17:51,570 --> 00:17:55,365 ‪明日 この解答を‬ ‪直接 会長に伝えられますか?‬ 324 00:17:55,449 --> 00:17:58,285 ‪私が代わりに伝えても‬ ‪かまいませんが‬ 325 00:17:58,368 --> 00:18:00,829 ‪私が直接 話します‬ 326 00:18:00,913 --> 00:18:04,291 ‪あなたに任せると‬ ‪悪意を増して語られそうなので‬ 327 00:18:05,042 --> 00:18:07,252 ‪“リオン”とは‬ ‪いい響きの名ですね‬ 328 00:18:07,336 --> 00:18:09,922 ‪リスとライオンを合わせたようで‬ 329 00:18:10,005 --> 00:18:13,217 ‪あなたらしい かわいらしさと‬ ‪勇ましさを感じます‬ 330 00:18:14,468 --> 00:18:17,054 ‪(莉音)‬ ‪なぜ そんな変な解釈するかな‬ 331 00:18:17,554 --> 00:18:21,099 ‪英語のライオンのスペルを‬ ‪ローマ字読みしているだけだから‬ 332 00:18:21,600 --> 00:18:24,436 ‪(晋)兄さんは昔から‬ ‪ライオンが好きだからな‬ 333 00:18:24,937 --> 00:18:27,940 ‪男の子だったら‬ ‪“レオ”と名付けていたよ‬ 334 00:18:28,023 --> 00:18:31,401 ‪亮馬さんを‬ ‪それだけ理解されてるんです‬ 335 00:18:31,485 --> 00:18:34,530 ‪この機会に‬ ‪和解されたらどうです?‬ 336 00:18:36,031 --> 00:18:37,658 ‪(晋)考えておきましょう‬ 337 00:18:38,492 --> 00:18:41,328 ‪その前に 母さんの墓参りです‬ 338 00:18:41,411 --> 00:18:44,957 ‪母は母なりに 守るべきものを‬ ‪守ろうとしていたんだ‬ 339 00:18:45,040 --> 00:18:48,085 ‪それを踏まえて‬ ‪改めて弔わないと‬ 340 00:18:48,168 --> 00:18:51,922 ‪これは薫子にも‬ ‪すぐ伝えないといけないか‬ 341 00:18:52,840 --> 00:18:57,261 ‪でも 明日 会長から‬ ‪確証を得てからのほうがいいか?‬ 342 00:19:02,933 --> 00:19:04,852 ‪(莉音)‬ ‪これが私たちの解答です‬ 343 00:19:05,435 --> 00:19:07,354 ‪おじい様 いかがですか?‬ 344 00:19:13,360 --> 00:19:16,738 ‪(剛一)もっと早く‬ ‪この機会を設けるべきだったよ‬ 345 00:19:16,822 --> 00:19:20,033 ‪亮馬に晋 薫子に耕也君‬ 346 00:19:20,117 --> 00:19:22,327 ‪みんなにはこれまで‬ ‪過分な罪悪感を‬ 347 00:19:22,411 --> 00:19:24,371 ‪抱かせてしまっていたようだ‬ 348 00:19:25,330 --> 00:19:26,373 ‪ハア…‬ 349 00:19:28,542 --> 00:19:30,460 ‪この解答は是である‬ 350 00:19:30,961 --> 00:19:32,754 ‪ただ 私はお前たちが‬ 351 00:19:32,838 --> 00:19:36,758 ‪母親を殺害する計画を‬ ‪立てていたのは知らなかった‬ 352 00:19:36,842 --> 00:19:38,510 ‪そこは偶然だ‬ 353 00:19:42,097 --> 00:19:43,390 ‪しかし お前たちに先んじて‬ 354 00:19:43,473 --> 00:19:48,145 ‪澄さんを亡き者とする計画を‬ ‪実行しておいてよかった‬ 355 00:19:48,228 --> 00:19:51,398 ‪お前たちにその手で‬ ‪母親を殺させるのだけは‬ 356 00:19:51,481 --> 00:19:53,275 ‪避けられたのだから‬ 357 00:19:53,358 --> 00:19:55,903 ‪いや それでも私や兄さん‬ 358 00:19:55,986 --> 00:19:59,615 ‪薫子姉さんや耕也さんに‬ ‪罪があるのは確かです‬ 359 00:19:59,698 --> 00:20:02,492 ‪もはや法で裁けるものでは‬ ‪ありません‬ 360 00:20:02,576 --> 00:20:03,744 ‪証拠もありませんが‬ 361 00:20:03,827 --> 00:20:07,289 ‪そして 母さんも‬ ‪父さんを恨んではいないでしょう‬ 362 00:20:07,372 --> 00:20:10,667 ‪あのときは みんな‬ ‪そうするしかなかったんです‬ 363 00:20:11,168 --> 00:20:14,171 ‪誰もが誰かを‬ ‪殺したくなることはある‬ 364 00:20:14,254 --> 00:20:16,924 ‪凶器を手に迫ることもあるだろう‬ 365 00:20:17,007 --> 00:20:19,968 ‪だが 最後の一線を‬ ‪越えると越えないとでは‬ 366 00:20:20,052 --> 00:20:21,511 ‪大きな差がある‬ 367 00:20:21,595 --> 00:20:24,598 ‪澄さんへの罪は私が背負う‬ 368 00:20:24,681 --> 00:20:28,268 ‪お前たちは私の死にざまを‬ ‪見届けてくれればいい‬ 369 00:20:30,103 --> 00:20:31,939 ‪みんなには伏せていたが‬ 370 00:20:32,022 --> 00:20:35,275 ‪私はとうに‬ ‪悪性の腫瘍にやられていてな‬ 371 00:20:36,526 --> 00:20:38,862 ‪半年もすれば‬ ‪立つこともままならず‬ 372 00:20:38,946 --> 00:20:42,199 ‪激痛に襲われて‬ ‪やがて ひどいありさまで死ぬと‬ 373 00:20:42,282 --> 00:20:43,825 ‪診断されている‬ 374 00:20:44,326 --> 00:20:48,747 ‪この病と痛みこそ‬ ‪私が澄さんを殺した代償だ‬ 375 00:20:51,333 --> 00:20:54,711 ‪痛みを和らげる治療も‬ ‪尊厳死も選ばない‬ 376 00:20:54,795 --> 00:20:57,214 ‪最期までそれらを身に受けよう‬ 377 00:20:57,714 --> 00:21:00,801 ‪ひとたび人を殺さば‬ ‪相応の報いがある‬ 378 00:21:01,301 --> 00:21:03,679 ‪人を殺して‬ ‪全てがうまくいったとしても‬ 379 00:21:03,762 --> 00:21:05,764 ‪やはり報いはあるのだ‬ 380 00:21:05,847 --> 00:21:10,185 ‪その罪の上の成功を‬ ‪ゆめゆめ当然としてはならない‬ 381 00:21:10,686 --> 00:21:14,398 ‪遺産相続の優先権は‬ ‪皆さん放棄されるそうです‬ 382 00:21:14,481 --> 00:21:17,567 ‪解答の一番の功労者は‬ ‪莉音さんですが‬ 383 00:21:17,651 --> 00:21:21,571 ‪遺産は音無会長が‬ ‪いいように配分されればと‬ 384 00:21:23,699 --> 00:21:25,701 ‪欲がないことだな‬ 385 00:21:25,784 --> 00:21:28,537 ‪(琴子)いえ 正常な判断かと‬ 386 00:21:29,037 --> 00:21:34,710 ‪一番の功労者は君だろう‬ ‪琴子さん 君に頼んでよかった‬ 387 00:21:34,793 --> 00:21:36,670 ‪礼を言うよ‬ 388 00:21:41,508 --> 00:21:44,303 ‪礼を言われるのは まだ尚早かと‬ 389 00:21:46,054 --> 00:21:47,180 ‪え?‬ 390 00:21:47,264 --> 00:21:49,975 ‪(琴子)会長がその手で‬ ‪奥様を殺されていたら‬ 391 00:21:50,058 --> 00:21:53,770 ‪私が余計な口出しをする‬ ‪必要もありませんでした‬ 392 00:21:54,479 --> 00:21:57,691 ‪けれど 会長は‬ ‪特異な方法を取られました‬ 393 00:21:58,317 --> 00:22:01,945 ‪それが是ではなかったと‬ ‪いま少し認識されるべきです‬ 394 00:22:02,529 --> 00:22:06,616 ‪会長は今 その方法を取られて‬ ‪よかったと思われています‬ 395 00:22:06,700 --> 00:22:08,368 ‪先ほど おっしゃったとおり‬ 396 00:22:08,452 --> 00:22:11,705 ‪子供たちに その手で母を‬ ‪殺させずに済んだのだから‬ 397 00:22:12,289 --> 00:22:15,584 ‪それでは‬ ‪かつての成功を その選択を‬ 398 00:22:15,667 --> 00:22:17,586 ‪悔いたことにはならないでしょう‬ 399 00:22:18,837 --> 00:22:19,796 ‪莉音さん‬ 400 00:22:20,297 --> 00:22:23,467 ‪あなたは音無 澄さんは‬ ‪自殺されたとしました‬ 401 00:22:23,550 --> 00:22:25,218 ‪では なぜ そのとき‬ 402 00:22:25,302 --> 00:22:28,096 ‪事故死に見せかける方法は‬ ‪選ばなかったのでしょう‬ 403 00:22:28,180 --> 00:22:29,639 ‪それは…‬ 404 00:22:29,723 --> 00:22:32,934 ‪(琴子)物を拾おうとして‬ ‪うっかり車道に飛び出してしまった‬ 405 00:22:33,018 --> 00:22:37,147 ‪足を滑らせて駅のホームから‬ ‪線路に転落してしまった‬ 406 00:22:37,647 --> 00:22:40,859 ‪当人がその気なら‬ ‪そう見せかけるのは簡単です‬ 407 00:22:41,359 --> 00:22:44,112 ‪表面上は‬ ‪自殺とは疑われない人物が‬ 408 00:22:44,196 --> 00:22:46,114 ‪多少 不自然な格好でも‬ 409 00:22:46,198 --> 00:22:49,409 ‪そうして亡くなれば‬ ‪事故として処理されるでしょう‬ 410 00:22:49,493 --> 00:22:50,994 ‪(剛一)こ… 琴子さん‬ 411 00:22:51,078 --> 00:22:54,373 ‪(琴子)そうすれば‬ ‪警察の捜査もろくに行われず‬ 412 00:22:54,456 --> 00:22:57,250 ‪関係者のアリバイも‬ ‪気にしなくていい‬ 413 00:22:57,334 --> 00:23:01,254 ‪実際 危うく薫子さんの‬ ‪アリバイはなくなりかけ‬ 414 00:23:01,338 --> 00:23:04,591 ‪骨折がなければ‬ ‪容疑が残っていたところでした‬ 415 00:23:04,674 --> 00:23:07,636 ‪また 警察の捜査が‬ ‪本格的なものになれば‬ 416 00:23:07,719 --> 00:23:10,222 ‪偽装工作まで発覚しかねません‬ 417 00:23:10,972 --> 00:23:13,141 ‪他殺の偽装は‬ ‪リスクが高いでしょう‬ 418 00:23:13,225 --> 00:23:17,062 ‪つまり‬ ‪他殺の偽装は行われなかった‬ 419 00:23:17,729 --> 00:23:19,856 ‪音無 澄さんは自殺ではない‬ 420 00:23:19,940 --> 00:23:22,442 ‪あれは やはり殺人だったのです‬ 421 00:23:22,526 --> 00:23:25,987 ‪では‬ ‪真犯人を指摘するとしましょう‬ 422 00:23:31,034 --> 00:23:33,036 ‪♪~‬ 423 00:24:58,580 --> 00:25:00,582 ‪~♪‬