1 00:00:01,918 --> 00:00:04,421 ‪(琴子(ことこ))‬ ‪音無(おとなし)‪ 澄(すみ)さんは自殺ではない‬‬ 2 00:00:06,047 --> 00:00:08,466 ‪では 真犯人を指摘しましょう‬ 3 00:00:09,134 --> 00:00:10,677 ‪(莉音(りおん))真犯人?‬ 4 00:00:14,472 --> 00:00:15,306 ‪フウ…‬ 5 00:00:16,181 --> 00:00:18,393 ‪(琴子)‬ ‪ようやく ここまで来れたか‬ 6 00:00:19,019 --> 00:00:21,021 ♪~ 7 00:01:26,961 --> 00:01:28,963 ~♪ 8 00:01:30,090 --> 00:01:31,674 ‪(琴子)‬ ‪音無会長との取り引きが‬ 9 00:01:31,758 --> 00:01:33,343 ‪事実と確認は取れた‬ 10 00:01:33,426 --> 00:01:35,512 ‪けれど 1点 疑問がある‬ 11 00:01:36,721 --> 00:01:37,639 ‪吹雪(ふぶき)‬ 12 00:01:37,722 --> 00:01:40,308 ‪なぜ お前は‬ ‪音無 澄さんを殺すのに‬ 13 00:01:40,391 --> 00:01:43,228 ‪事故死や病死に見える方法を‬ ‪選ばなかった?‬ 14 00:01:43,311 --> 00:01:47,941 ‪妖力も変化の能力もあるお前なら‬ ‪それくらいできただろう‬ 15 00:01:48,858 --> 00:01:51,611 ‪お前は音無 澄さんを‬ ‪殺していないな‬ 16 00:01:51,694 --> 00:01:55,365 ‪自分で殺したふりをして‬ ‪剛一(ごういち)‪氏に報告し‬‬ 17 00:01:55,448 --> 00:01:57,742 ‪取り引きの代価を‬ ‪せしめたんだろう‬ 18 00:02:00,370 --> 00:02:01,913 ‪(吹雪)ご慧眼(けいがん)です‬ 19 00:02:03,123 --> 00:02:04,582 ‪おひいさま‬ 20 00:02:07,293 --> 00:02:10,255 ‪当方は‬ ‪あの女を殺しておりません‬ 21 00:02:10,755 --> 00:02:13,383 ‪けれど 最初から‬ ‪あの剛一という人間を‬ 22 00:02:13,466 --> 00:02:15,385 ‪だますつもりは なかったのです‬ 23 00:02:15,969 --> 00:02:18,888 ‪当方は あの宵‬ ‪澄という女を殺すべく‬ 24 00:02:18,972 --> 00:02:20,640 ‪野良犬に化けておりました‬ 25 00:02:21,266 --> 00:02:24,144 ‪取り引きの日から ずっと‬ ‪あの女を狙っておりましたが‬ 26 00:02:24,227 --> 00:02:26,896 ‪一人になるのは‬ ‪そのときが初めて‬ 27 00:02:28,523 --> 00:02:30,942 ‪これを逃すと 次はいつになるか‬ 28 00:02:31,025 --> 00:02:32,902 ‪確実にしとめなくては‬ 29 00:02:32,986 --> 00:02:36,656 ‪当方の計画では‬ ‪野良犬に化けてあの女を襲い‬ 30 00:02:37,574 --> 00:02:40,660 ‪周りに目撃者が多数いる所で‬ ‪その喉をかみ切る‬ 31 00:02:40,743 --> 00:02:42,328 ‪もしくは道路に追い立て‬ 32 00:02:42,412 --> 00:02:44,831 ‪車にひかせてやろうと‬ ‪たくらんでおりました‬ 33 00:02:45,623 --> 00:02:47,709 ‪なのに なんということでしょう‬ 34 00:02:47,792 --> 00:02:49,836 ‪あの女は当方の目の前で‬ 35 00:02:49,919 --> 00:02:53,339 ‪待ち伏せしていた人間に‬ ‪刺し殺されたのです‬ 36 00:02:53,965 --> 00:02:58,094 ‪犯人は女の死を確かめると‬ ‪バッグや財布をそばに散らし‬ 37 00:02:58,178 --> 00:03:01,431 ‪金を奪い あっという間に‬ ‪逃げてしまいました‬ 38 00:03:01,931 --> 00:03:04,517 ‪(吹雪)ああ‬ ‪なんてことをしてくれたのか!‬ 39 00:03:04,601 --> 00:03:05,768 ‪このままでは‬ 40 00:03:05,852 --> 00:03:08,646 ‪あの男との取り引きが‬ ‪台なしになる‬ 41 00:03:08,730 --> 00:03:10,440 ‪このままでは…‬ 42 00:03:13,693 --> 00:03:14,861 ‪(澄の声)泥棒!‬ 43 00:03:14,944 --> 00:03:16,529 ‪誰か あの男…‬ 44 00:03:16,613 --> 00:03:19,115 ‪あの黒い上着の男を‬ ‪捕まえなさい!‬ 45 00:03:19,199 --> 00:03:21,409 ‪駅の方! うっ…‬ 46 00:03:25,663 --> 00:03:26,915 ‪(男)人が倒れてるぞ!‬ 47 00:03:26,998 --> 00:03:28,458 ‪(女)誰か 救急車を!‬ 48 00:03:28,541 --> 00:03:32,462 ‪あの叫び声は被害者ではなく‬ ‪お前の仕業だったのか‬ 49 00:03:32,545 --> 00:03:33,630 ‪(吹雪)はい‬ 50 00:03:33,713 --> 00:03:35,590 ‪あの女は‬ ‪胸をひと突きされたときには‬ 51 00:03:35,673 --> 00:03:36,966 ‪もう虫の息で‬ 52 00:03:37,050 --> 00:03:40,637 ‪(琴子)‪妖狐(ようこ)‪が現場で‬‬‬ ‪偽装工作を行っていたとは‬ 53 00:03:40,720 --> 00:03:43,473 ‪後々(あとあと)‪ つじつま合わせで‬‬ ‪力業がいるか‬ 54 00:03:43,556 --> 00:03:47,852 ‪現場に手がかりや証拠もなく‬ ‪犯人も名乗り出はしない‬ 55 00:03:47,936 --> 00:03:51,648 ‪当方が殺しておらずとも‬ ‪狙った相手が死んだのは事実‬ 56 00:03:51,731 --> 00:03:55,526 ‪なら 当方がやったと‬ ‪あの男に告げてもかまうまいと‬ 57 00:03:55,610 --> 00:03:58,529 ‪約束を守るよう‬ ‪求めに参りました‬ 58 00:03:58,613 --> 00:04:00,907 ‪あの男の身内に‬ ‪容疑がかからぬために‬ 59 00:04:00,990 --> 00:04:05,995 ‪精いっぱいの努力はしたわけで‬ ‪不誠実な要求ではありません‬ 60 00:04:06,079 --> 00:04:10,208 ‪つまり お前は犯人の顔を見て‬ ‪それが誰かも分かっていた‬ 61 00:04:10,291 --> 00:04:14,212 ‪だからこそ 犯人をかばうべく‬ ‪被害者のふりをして‬ 62 00:04:14,295 --> 00:04:17,382 ‪あの叫びを周りに‬ ‪聞かせねばならなかったと‬ 63 00:04:18,173 --> 00:04:20,176 ‪(琴子)そうか それならば…‬ 64 00:04:20,259 --> 00:04:21,261 ‪はい‬ 65 00:04:21,344 --> 00:04:24,931 ‪下調べはしましたので‬ ‪犯人が誰か見分けがつきました‬ 66 00:04:25,014 --> 00:04:29,769 ‪故に あの叫びで犯人は男と‬ ‪周りに思わせようとした次第‬ 67 00:04:30,645 --> 00:04:33,606 ‪(琴子)それならば‬ ‪犯人は 一人に絞られる‬ 68 00:04:34,190 --> 00:04:35,692 ‪(琴子)では 犯人は…‬ 69 00:04:36,276 --> 00:04:41,030 ‪(吹雪)あの男の長女‬ ‪薫子(かおるこ)‪という女でございます‬‬ 70 00:04:41,531 --> 00:04:43,950 ‪(琴子)真犯人は薫子さんです‬ 71 00:04:46,411 --> 00:04:49,163 ‪薫子さんに犯行は‬ ‪不可能とされていましたが‬ 72 00:04:49,247 --> 00:04:50,999 ‪昨日 話したとおり‬ 73 00:04:51,082 --> 00:04:54,627 ‪骨折した時間を‬ ‪誤認させる工作で可能になります‬ 74 00:04:54,711 --> 00:04:57,130 ‪あれを本当に行って‬ ‪成功させており‬ 75 00:04:57,213 --> 00:04:59,382 ‪澄さんを殺害したのです‬ 76 00:04:59,966 --> 00:05:02,510 ‪(薫子)‬ ‪耕也(こうや)‪さんとの関係で相談があるの‬‬ 77 00:05:02,593 --> 00:05:05,555 ‪こうでもしないと‬ ‪二人きりで話せないから‬ 78 00:05:06,055 --> 00:05:06,764 ‪(琴子)薫子さんは‬ 79 00:05:06,848 --> 00:05:10,518 ‪澄さんがマッサージ店から‬ ‪駅へ向かう道で待ち伏せし‬ 80 00:05:10,601 --> 00:05:11,936 ‪近づいたのでしょう‬ 81 00:05:12,437 --> 00:05:15,273 ‪澄さんも こういう所で‬ ‪待ち伏せでもしないと‬ 82 00:05:15,356 --> 00:05:20,028 ‪自分と内密な話はできないかと‬ ‪怪しまず接近を許したでしょう‬ 83 00:05:20,528 --> 00:05:21,029 ‪んっ!‬ 84 00:05:21,779 --> 00:05:22,530 ‪(澄)うっ…‬ 85 00:05:28,286 --> 00:05:31,205 ‪(琴子)薫子さんは‬ ‪強盗殺人に見せかけるため‬ 86 00:05:31,289 --> 00:05:35,209 ‪バッグから財布を取り出し‬ ‪紙幣だけを抜いて逃げました‬ 87 00:05:36,044 --> 00:05:39,213 ‪薫子叔母様が おばあ様を…‬ 88 00:05:39,297 --> 00:05:40,339 ‪耕也さん‬ 89 00:05:41,215 --> 00:05:43,843 ‪あなたも薫子さんの犯行を‬ ‪ご存じでしょう?‬ 90 00:05:44,552 --> 00:05:47,346 ‪私に骨折の工作を‬ ‪見抜かれたときも‬ 91 00:05:47,430 --> 00:05:50,850 ‪下手に否定せず‬ ‪それを計画していたと認めつつ‬ 92 00:05:51,434 --> 00:05:54,437 ‪実際には失敗したと‬ ‪言い繕ったのは見事です‬ 93 00:05:55,855 --> 00:05:58,399 ‪耕也さんと‬ ‪薫子さんの立場からすれば‬ 94 00:05:58,483 --> 00:06:02,820 ‪音無会長の今回のたくらみは‬ ‪ずっと恐怖でしかなかったでしょう‬ 95 00:06:03,321 --> 00:06:04,655 ‪会長は自分の罪を‬ 96 00:06:04,739 --> 00:06:07,200 ‪みんなに知ってもらう意図しか‬ ‪ありませんでしたが‬ 97 00:06:07,283 --> 00:06:10,203 ‪お二人は23年もの時を経て‬ 98 00:06:10,286 --> 00:06:13,706 ‪自分たちを私的に裁こうとしている‬ ‪としか感じられません‬ 99 00:06:13,790 --> 00:06:17,585 ‪会長の発言ひとつひとつが‬ ‪それらしく聞こえます‬ 100 00:06:18,169 --> 00:06:20,713 ‪けれど まだ会長は‬ ‪全く別の意図があって‬ 101 00:06:20,797 --> 00:06:22,882 ‪この課題を出した‬ ‪可能性もあります‬ 102 00:06:22,965 --> 00:06:24,258 ‪だから 耕也さんは‬ 103 00:06:24,342 --> 00:06:27,011 ‪ひたすら様子を‬ ‪うかがっていました‬ 104 00:06:27,095 --> 00:06:30,515 ‪すると ‪亮馬(りょうま)‪さんと‪晋(すすむ)‪さんの‬‬‬‬‬ ‪殺人計画が暴露され‬ 105 00:06:31,265 --> 00:06:33,309 ‪風向きが妙になってきました‬ 106 00:06:33,392 --> 00:06:36,813 ‪そこで 私が自分たちにも‬ ‪疑いを向けているのを察すると‬ 107 00:06:37,605 --> 00:06:39,732 ‪わざとそれを認めてみせた‬ 108 00:06:39,816 --> 00:06:43,736 ‪仮に計画を立てていた証拠を‬ ‪会長に握られていても‬ 109 00:06:43,820 --> 00:06:45,780 ‪未遂だったと言い逃れができます‬ 110 00:06:46,280 --> 00:06:50,660 ‪そうすることで 音無会長が‬ ‪どれくらい真実をつかんでいるか‬ 111 00:06:50,743 --> 00:06:52,370 ‪測ろうともしたのでしょう‬ 112 00:06:52,453 --> 00:06:53,704 ‪やがて 莉音さんが‬ 113 00:06:53,788 --> 00:06:56,791 ‪音無会長を犯人とする‬ ‪仮説を提示します‬ 114 00:06:57,625 --> 00:06:58,793 ‪ここで耕也さんは‬ 115 00:06:58,876 --> 00:07:02,088 ‪音無会長が‬ ‪本当にその仮説を実行されており‬ 116 00:07:02,171 --> 00:07:03,631 ‪それが結果を出す前に‬ 117 00:07:03,714 --> 00:07:07,593 ‪自分たちが澄さんを殺したのでは‬ ‪と思われたのでしょう‬ 118 00:07:08,177 --> 00:07:11,180 ‪たまたま三者の計画が‬ ‪同時に進行していたため‬ 119 00:07:11,264 --> 00:07:13,432 ‪こんな奇怪な状況になったと‬ 120 00:07:13,933 --> 00:07:18,688 ‪音無会長は 自身の計画が‬ ‪達成されたと思い込んでいると‬ 121 00:07:19,147 --> 00:07:20,314 ‪よって この課題は‬ 122 00:07:20,398 --> 00:07:25,319 ‪音無会長が 本当に自身の罪を‬ ‪償われようとしているだけと判断し‬ 123 00:07:25,403 --> 00:07:29,115 ‪お二人とも昨晩は‬ ‪いくらか落ち着かれたと思います‬ 124 00:07:29,615 --> 00:07:33,536 ‪そして 今日‬ ‪音無会長は自分の計画を認められ‬ 125 00:07:33,619 --> 00:07:35,413 ‪耕也さんは このまま会長に‬ 126 00:07:35,496 --> 00:07:37,748 ‪罪を背負ってもらおうと‬ ‪されました‬ 127 00:07:37,832 --> 00:07:42,503 ‪もし あなたが会長を遮り‬ ‪薫子さんの罪を認められていれば‬ 128 00:07:43,087 --> 00:07:46,257 ‪私がこうして話す必要も‬ ‪なかったのですが‬ 129 00:07:47,091 --> 00:07:49,010 ‪音無会長は言われました‬ 130 00:07:49,093 --> 00:07:52,847 ‪“ひとたび人を殺さば‬ ‪相応の報いがある”‬ 131 00:07:52,930 --> 00:07:55,558 ‪“人を殺して‬ ‪全てがうまくいったとしても”‬ 132 00:07:55,641 --> 00:07:57,768 ‪“やはり報いがあるのだ”と‬ 133 00:07:57,852 --> 00:08:01,355 ‪それを聞いてなお‬ ‪あなたが黙っておられるとなれば‬ 134 00:08:01,439 --> 00:08:04,108 ‪私が真実を‬ ‪告げなければなりません‬ 135 00:08:04,692 --> 00:08:07,737 ‪何より 音無会長の信念のために‬ 136 00:08:10,573 --> 00:08:13,743 ‪(耕也)岩永(いわなが)さん‬ ‪これはどういう茶番だい?‬ 137 00:08:13,826 --> 00:08:18,539 ‪薫子犯人説は まさに昨日‬ ‪君が否定したじゃないか‬ 138 00:08:18,623 --> 00:08:21,667 ‪澄さんは最期に‬ ‪犯人が男と叫んでいる‬ 139 00:08:21,751 --> 00:08:25,004 ‪それが犯人の偽装工作ではない‬ ‪とも立証した‬ 140 00:08:25,087 --> 00:08:27,757 ‪薫子は最も犯人から遠いだろう‬ 141 00:08:27,840 --> 00:08:29,842 ‪薫子さんも耕也さんも‬ 142 00:08:29,926 --> 00:08:34,054 ‪現場で被害者の叫びが聞かれたと‬ ‪あとで知って驚かれたでしょう‬ 143 00:08:34,138 --> 00:08:36,890 ‪そして それが‬ ‪自分たちに有利なことも‬ 144 00:08:36,974 --> 00:08:39,393 ‪“音無会長が裏で手を回し”‬ 145 00:08:39,477 --> 00:08:42,563 ‪“そういう偽の情報を‬ ‪警察につかませたのでは?”‬ 146 00:08:42,647 --> 00:08:44,899 ‪といった疑いまで‬ ‪持たれたかもしれません‬ 147 00:08:45,483 --> 00:08:47,401 ‪だから 一層 今回の会合で‬ 148 00:08:47,485 --> 00:08:51,822 ‪音無会長が 自分たちが犯人と‬ ‪知っているのではとおびえられた‬ 149 00:08:52,323 --> 00:08:55,993 ‪あれは正真正銘‬ ‪澄さんが叫んだ言葉ですよ‬ 150 00:08:57,078 --> 00:08:59,330 ‪澄さんは娘をかばうため‬ 151 00:08:59,413 --> 00:09:02,542 ‪わざと犯人を男の強盗であると‬ ‪誤認させる叫びを‬ 152 00:09:02,625 --> 00:09:04,418 ‪最期の力で上げたんです‬ 153 00:09:04,502 --> 00:09:06,629 ‪実の娘だからこそ‬ 154 00:09:06,712 --> 00:09:09,298 ‪警察の捜査から‬ ‪守ろうとしたんです‬ 155 00:09:10,258 --> 00:09:12,885 ‪そこも昨日 君は否定したろう!‬ 156 00:09:13,469 --> 00:09:14,512 ‪計画的犯行なら‬ 157 00:09:15,096 --> 00:09:17,431 ‪犯人は被害者が‬ ‪周囲の注意を引かないよう‬ 158 00:09:17,515 --> 00:09:18,849 ‪殺す際は口を塞ぐ‬ 159 00:09:18,933 --> 00:09:21,310 ‪そして 手がかりも残されないよう‬ 160 00:09:21,394 --> 00:09:23,729 ‪死を確認してから‬ ‪そこを離れると‬ 161 00:09:23,813 --> 00:09:24,981 ‪(晋)耕也さん!‬ 162 00:09:25,064 --> 00:09:29,860 ‪面識のある人物の計画的犯行なら‬ ‪被害者に叫ぶ隙はない‬ 163 00:09:30,486 --> 00:09:31,237 ‪だから あれは‬ 164 00:09:31,320 --> 00:09:35,366 ‪被害者と面識のない者の‬ ‪突発的犯行と結論づけた!‬ 165 00:09:35,449 --> 00:09:37,243 ‪初めての殺人です‬ 166 00:09:37,326 --> 00:09:40,705 ‪薫子さんは澄さんの死を‬ ‪きちんと確認できなかった‬ 167 00:09:40,788 --> 00:09:44,166 ‪倒れて動かないから‬ ‪大丈夫だと判断しました‬ 168 00:09:44,250 --> 00:09:46,419 ‪けれど まだ‬ ‪かろうじて息があり‬ 169 00:09:46,502 --> 00:09:47,920 ‪死力を絞れた‬ 170 00:09:48,004 --> 00:09:50,881 ‪娘を思う母の力は偉大なのです‬ 171 00:09:50,965 --> 00:09:53,009 ‪いいかげんな推測を言うな!‬ 172 00:09:58,472 --> 00:10:01,392 ‪薫子さんは‬ ‪被害者の脈を取りましたか?‬ 173 00:10:02,393 --> 00:10:04,520 ‪呼吸を確認しましたか?‬ 174 00:10:04,604 --> 00:10:08,316 ‪ナイフに指紋を付けないよう‬ ‪手袋をはめていましたよね?‬ 175 00:10:08,399 --> 00:10:11,652 ‪そんな手でそれらを‬ ‪ちゃんと確かめられましたか?‬ 176 00:10:11,736 --> 00:10:14,071 ‪(莉音)‬ ‪彼女は最初から狙っていた‬ 177 00:10:14,572 --> 00:10:19,619 ‪私を偽の解決に導いたのも‬ ‪耕也叔父さんを追い詰めるため‬ 178 00:10:19,702 --> 00:10:20,536 ‪どうですか?‬ 179 00:10:21,120 --> 00:10:24,749 ‪薫子は息が止まっているのを‬ ‪ちゃんと確認したと言った!‬ 180 00:10:26,584 --> 00:10:29,211 ‪周辺の住民が駆けつけたとき‬ 181 00:10:29,295 --> 00:10:31,964 ‪まだ 死体は温かかったとの‬ ‪証言もあります‬ 182 00:10:32,048 --> 00:10:34,342 ‪死後数分ならまだ熱もある‬ 183 00:10:34,425 --> 00:10:36,927 ‪人は死んでも‬ ‪そうすぐは冷たくならない!‬ 184 00:10:37,011 --> 00:10:40,431 ‪(琴子)しかし 多くの人が‬ ‪被害者の叫びを聞いています‬ 185 00:10:40,514 --> 00:10:43,059 ‪澄さんは まだ生きていました‬ 186 00:10:43,142 --> 00:10:44,352 ‪(剛一)ああ…‬ 187 00:10:44,435 --> 00:10:47,563 ‪まあ この叫びが親心から出たのか‬ 188 00:10:47,647 --> 00:10:50,358 ‪グループの企業イメージを‬ ‪守るために叫びを上げ‬ 189 00:10:50,941 --> 00:10:54,779 ‪実の娘の犯行であることを‬ ‪隠蔽したのかは分かりません‬ 190 00:10:55,404 --> 00:11:00,284 ‪さて さすがの耕也さんも‬ ‪昨日から私のほのめかしや指摘‬ 191 00:11:00,368 --> 00:11:03,871 ‪予想外の連続に‬ ‪神経が参っておられたのでしょう‬ 192 00:11:03,954 --> 00:11:05,706 ‪しくじりも出ます‬ 193 00:11:06,207 --> 00:11:10,378 ‪23年も前の事件です‬ ‪証拠は何ひとつありません‬ 194 00:11:10,961 --> 00:11:12,588 ‪犯人しか知らないことでも‬ 195 00:11:12,672 --> 00:11:15,466 ‪口にしてもらわねば‬ ‪どこまでも水掛け論です‬ 196 00:11:15,549 --> 00:11:17,927 ‪耕也さんは‬ ‪先ほどおっしゃいました‬ 197 00:11:18,010 --> 00:11:22,264 ‪“薫子は息が止まっているのを‬ ‪ちゃんと確認した”と‬ 198 00:11:22,348 --> 00:11:24,016 ‪(剛一)あ…‬ 199 00:11:27,978 --> 00:11:28,938 ‪(琴子)音無会長‬ 200 00:11:29,021 --> 00:11:33,067 ‪かように犯人は薫子さんで‬ ‪耕也さんが共犯です‬ 201 00:11:33,692 --> 00:11:38,197 ‪ただし 計画段階からの共犯なら‬ ‪耕也さんの性格からして‬ 202 00:11:38,280 --> 00:11:41,951 ‪女性である薫子さんに‬ ‪実行犯は任せはしないでしょう‬ 203 00:11:42,535 --> 00:11:43,786 ‪だから 当時‬ 204 00:11:43,869 --> 00:11:47,164 ‪薫子さんが‬ ‪単独で殺害を計画して実行し‬ 205 00:11:47,248 --> 00:11:50,584 ‪耕也さんはそのあとに‬ ‪事実を知ったと思います‬ 206 00:11:50,668 --> 00:11:54,130 ‪薫子さんは‬ ‪今回の音無会長の課題におびえ‬ 207 00:11:54,213 --> 00:11:56,382 ‪23年目にして初めて‬ 208 00:11:56,465 --> 00:11:58,759 ‪耕也さんに‬ ‪告白されたのかもしれません‬ 209 00:11:58,843 --> 00:12:02,388 ‪だからこそ 必死に‬ ‪かばわれようとしたのでしょう‬ 210 00:12:02,471 --> 00:12:04,765 ‪事件は既に時効ですし‬ 211 00:12:04,849 --> 00:12:08,060 ‪残るは家族と‬ ‪音無会長の信念の問題です‬ 212 00:12:08,561 --> 00:12:09,812 ‪ご自由にしてください‬ 213 00:12:10,396 --> 00:12:12,356 ‪最初に申し上げましたとおり‬ 214 00:12:12,440 --> 00:12:16,527 ‪私はホテルを出ましたら‬ ‪ここでのことは全て忘れます‬ 215 00:12:17,027 --> 00:12:19,280 ‪私は ただ 音無会長が‬ 216 00:12:19,363 --> 00:12:23,200 ‪頼るべきでない力に頼られたと‬ ‪示したかっただけですので‬ 217 00:12:24,243 --> 00:12:26,787 ‪会長は‬ ‪秩序に反することをされました‬ 218 00:12:26,871 --> 00:12:30,791 ‪それゆえ この真実と向かい合う‬ ‪因果が生まれたのです‬ 219 00:12:31,292 --> 00:12:34,044 ‪ご自身の手で‬ ‪奥様を殺そうとされていれば‬ 220 00:12:34,128 --> 00:12:37,089 ‪あるいは理外の誘惑を‬ ‪振り払っていれば‬ 221 00:12:37,590 --> 00:12:39,049 ‪たとえ ご長女が犯人でも‬ 222 00:12:39,675 --> 00:12:44,180 ‪奥様は強盗殺人に遭ったと信じて‬ ‪天寿を全うされたでしょう‬ 223 00:12:46,015 --> 00:12:47,433 ‪九郎(くろう)‪先輩‬‬ 224 00:12:47,516 --> 00:12:49,435 ‪部外者は‬ ‪これにて失礼しましょう‬ 225 00:12:58,486 --> 00:12:59,445 ‪(耕也)待て‬ 226 00:13:01,280 --> 00:13:04,700 ‪そんな勝手に‬ ‪出ていけると思うのか?‬ 227 00:13:17,505 --> 00:13:18,422 ‪ハッ!‬ 228 00:13:20,508 --> 00:13:22,843 ‪耕也さん 軽はずみはよせ!‬ 229 00:13:22,927 --> 00:13:25,221 ‪警察に知られても‬ ‪大した影響はない!‬ 230 00:13:25,304 --> 00:13:28,849 ‪私たちも責められないし‬ ‪外に漏らそうとも思わない!‬ 231 00:13:28,933 --> 00:13:29,683 ‪ええ‬ 232 00:13:29,767 --> 00:13:33,103 ‪晋さんや会長‬ ‪莉音さんは信用しますよ‬ 233 00:13:33,187 --> 00:13:35,022 ‪音無家の人ですから‬ 234 00:13:35,648 --> 00:13:37,691 ‪でも この2人は違うでしょう‬ 235 00:13:37,775 --> 00:13:39,276 ‪第一 2人は‬ 236 00:13:39,360 --> 00:13:41,987 ‪真実を明らかにする‬ ‪必要もなかった‬ 237 00:13:42,071 --> 00:13:46,200 ‪それをわざわざやったのだから‬ ‪何か狙いがあるのでしょう‬ 238 00:13:46,700 --> 00:13:49,370 ‪いや 最初から‬ ‪この2人はおかしい!‬ 239 00:13:50,162 --> 00:13:51,997 ‪たとえ時効であっても‬ 240 00:13:52,081 --> 00:13:54,792 ‪周りに知られれば‬ ‪社会的影響は免れません‬ 241 00:13:54,875 --> 00:13:58,837 ‪この2人は… あの岩永琴子は‬ ‪何をやるか信用できない!‬ 242 00:13:58,921 --> 00:14:01,674 ‪ここから出すわけには‬ ‪いかないでしょう‬ 243 00:14:01,757 --> 00:14:03,509 ‪私は何もしませんよ‬ 244 00:14:03,592 --> 00:14:07,596 ‪耕也さんが薫子さんを‬ ‪それほど愛し 大事にされている‬ 245 00:14:08,097 --> 00:14:09,098 ‪薫子さんも‬ 246 00:14:09,181 --> 00:14:12,017 ‪あなたとの将来のために‬ ‪殺人を犯された‬ 247 00:14:12,101 --> 00:14:14,895 ‪そんなすてきなお二人を‬ ‪邪魔するなんて‬ 248 00:14:14,979 --> 00:14:16,063 ‪恋愛の神様から‬ 249 00:14:16,146 --> 00:14:18,190 ‪天罰を下されそうじゃあ‬ ‪ないですか‬ 250 00:14:18,274 --> 00:14:21,944 ‪そのせいで九郎先輩との仲を‬ ‪変にされても困ります‬ 251 00:14:22,027 --> 00:14:23,946 ‪ですので 私はこれ以上‬ 252 00:14:24,029 --> 00:14:26,407 ‪この件に関わるつもりは‬ ‪ありません‬ 253 00:14:26,490 --> 00:14:26,991 ‪ぶっ‬ 254 00:14:27,074 --> 00:14:30,995 ‪(九郎)バカなことを言って‬ ‪あの人の神経を逆なでするな‬ 255 00:14:31,078 --> 00:14:32,496 ‪バカなって‬ 256 00:14:32,580 --> 00:14:35,499 ‪個人的な理由で関わりたくないと‬ ‪言っただけでしょう‬ 257 00:14:36,208 --> 00:14:39,086 ‪(九郎)‬ ‪あの 岩永はこんな感じですが‬ 258 00:14:39,169 --> 00:14:41,463 ‪本当に何もする気はありませんよ‬ 259 00:14:41,547 --> 00:14:43,757 ‪(耕也)‬ ‪動くな これは脅しじゃない‬ 260 00:14:43,841 --> 00:14:45,843 ‪君の度胸は認めるが‬ 261 00:14:45,926 --> 00:14:48,762 ‪その令嬢に‬ ‪命を賭ける価値があるのか?‬ 262 00:14:48,846 --> 00:14:53,267 ‪あいにく 賭けが成立する命は‬ ‪持っていなくて…‬ 263 00:14:54,101 --> 00:14:55,144 ‪(銃声)‬ 264 00:15:11,827 --> 00:15:14,663 ‪(耕也)‬ ‪これで私は後戻りできない‬ 265 00:15:14,747 --> 00:15:16,498 ‪君も彼も間違った‬ 266 00:15:16,582 --> 00:15:18,584 ‪私は正しいですよ‬ 267 00:15:19,084 --> 00:15:21,378 ‪あなたは まだまだ戻れますし‬ 268 00:15:21,462 --> 00:15:22,671 ‪(足音)‬ 269 00:15:22,755 --> 00:15:23,339 ‪あっ‬ 270 00:15:31,972 --> 00:15:34,767 ‪賭けが成り立つ命はないと‬ ‪言いましたよ‬ 271 00:15:35,267 --> 00:15:36,101 ‪(耕也)なぜ…‬ 272 00:15:36,727 --> 00:15:38,312 ‪なぜ 君は生きている?‬ 273 00:15:38,395 --> 00:15:40,272 ‪ちゃんと頭を撃った!‬ 274 00:15:40,356 --> 00:15:42,942 ‪貫通した弾も‬ ‪あそこにめり込んでいる!‬ 275 00:15:43,025 --> 00:15:45,861 ‪ええっと… ほら そうです‬ 276 00:15:45,945 --> 00:15:49,406 ‪時代劇でよくあるでしょう‬ ‪峰打ちというやつです‬ 277 00:15:49,490 --> 00:15:51,784 ‪銃弾の峰ってどこだ!‬ 278 00:15:51,867 --> 00:15:55,204 ‪ここで起こったことは‬ ‪白日の夢のようなもの‬ 279 00:15:55,788 --> 00:15:58,582 ‪私たちはその夢の住人とでも‬ ‪思ってください‬ 280 00:15:59,083 --> 00:16:03,045 ‪故に現世の法や決まりに囚(とら)われず‬ ‪興味もありません‬ 281 00:16:03,545 --> 00:16:06,465 ‪では皆様 今度こそ失礼します‬ 282 00:16:07,049 --> 00:16:10,177 ‪私は音無グループと‬ ‪敵対する気はありません‬ 283 00:16:10,260 --> 00:16:14,556 ‪音無会長も‬ ‪そこは よしなにお願いします‬ 284 00:16:27,528 --> 00:16:29,446 ‪(莉音)あれから2週間が過ぎた‬ 285 00:16:29,530 --> 00:16:33,283 ‪23年前の真実が‬ ‪明らかになった翌日‬ 286 00:16:33,367 --> 00:16:36,286 ‪薫子叔母様は自殺未遂をした‬ 287 00:16:36,870 --> 00:16:39,081 ‪早期に気付いた‬ ‪耕也叔父さんの対処で‬ 288 00:16:39,164 --> 00:16:43,419 ‪一命は取り留めたものの‬ ‪そのまま入院生活になっている‬ 289 00:16:43,502 --> 00:16:46,130 ‪叔母様は‬ ‪おじい様の課題によって‬ 290 00:16:46,213 --> 00:16:49,425 ‪自身の殺人が暴かれるのでは‬ ‪という予感におびえ‬ 291 00:16:49,508 --> 00:16:53,429 ‪この1か月ほど‬ ‪かなり不安定になっていたらしい‬ 292 00:16:53,929 --> 00:16:56,515 ‪そこで親族に‬ ‪罪が知られたという真実を‬ 293 00:16:56,598 --> 00:16:58,434 ‪受け止めきれなかったようだ‬ 294 00:16:58,517 --> 00:17:02,438 ‪母を殺した罪悪感を‬ ‪ずっと抱えてもいたのだろう‬ 295 00:17:02,521 --> 00:17:04,397 ‪ずっと影はあった‬ 296 00:17:04,897 --> 00:17:09,278 ‪23年前に起きた事件は‬ ‪殺人も犯人も存在していた‬ 297 00:17:09,778 --> 00:17:11,280 ‪ただ 眠っていただけ…‬ 298 00:17:12,281 --> 00:17:14,616 ‪彼女が真実を伏せていてくれれば‬ 299 00:17:14,700 --> 00:17:16,452 ‪あんな結末は避けられた‬ 300 00:17:17,036 --> 00:17:19,788 ‪それでも彼女は‬ ‪真実を目覚めさせた‬ 301 00:17:19,872 --> 00:17:21,957 ‪そこには‬ ‪えたいの知れない何かが‬ 302 00:17:22,540 --> 00:17:26,086 ‪岩永琴子にとっての‬ ‪信念とルールがあったように思う‬ 303 00:17:26,587 --> 00:17:28,964 ‪それを妨げるものは容赦しない‬ 304 00:17:30,340 --> 00:17:31,592 ‪冷酷な…‬ 305 00:17:36,555 --> 00:17:37,681 ‪(莉音)叔父様‬ 306 00:17:37,765 --> 00:17:39,725 ‪やあ お邪魔してるよ‬ 307 00:17:39,808 --> 00:17:42,102 ‪(亮馬)見舞いの帰りに‬ ‪寄ってくれたそうだ‬ 308 00:17:42,186 --> 00:17:43,729 ‪いらっしゃいませ‬ 309 00:17:44,354 --> 00:17:47,983 ‪(莉音)この2人の疎遠さが‬ ‪消えたのだけは救いかもしれない‬ 310 00:17:48,650 --> 00:17:52,488 ‪(晋)薫子姉さんには 耕也さんが‬ ‪献身的に付き添ってくれている‬ 311 00:17:53,071 --> 00:17:54,907 ‪父さんは かなり悪化している‬ 312 00:17:54,990 --> 00:17:58,577 ‪もともとの腫瘍に加え‬ ‪精神的な心労のせいだろう‬ 313 00:17:58,660 --> 00:18:00,120 ‪(亮馬)そうか…‬ 314 00:18:00,204 --> 00:18:03,207 ‪(莉音)おじい様も‬ ‪あのあと倒れ入院となった‬ 315 00:18:03,707 --> 00:18:08,629 ‪自分の罪を裁かせるはずが‬ ‪薫子叔母様の罪を暴いてしまった‬ 316 00:18:09,213 --> 00:18:11,340 ‪当初 語っていた信念に沿って‬ 317 00:18:11,423 --> 00:18:15,135 ‪それに裁きを下すかどうか‬ ‪という問題も突きつけられた‬ 318 00:18:15,219 --> 00:18:20,098 ‪その原因は あの令嬢を呼んだ‬ ‪おじい様当人にあるといえる‬ 319 00:18:20,599 --> 00:18:23,393 ‪自責の念が‬ ‪余命を縮めているのだろう‬ 320 00:18:23,477 --> 00:18:27,064 ‪岩永琴子の説明に‬ ‪間違いはなかったんですか?‬ 321 00:18:27,147 --> 00:18:30,943 ‪(晋)ああ 当時‬ ‪薫子姉さんは耕也さんと結ばれ‬ 322 00:18:31,026 --> 00:18:33,445 ‪彼の事業も‬ ‪潰されないようにするため‬ 323 00:18:33,529 --> 00:18:36,365 ‪母さんの殺害を‬ ‪一人でひそかに決断し‬ 324 00:18:36,448 --> 00:18:39,993 ‪骨折の時間を誤認させる工作を‬ ‪単独で実行し‬ 325 00:18:40,077 --> 00:18:43,080 ‪最近まで 耕也さんにも‬ ‪それを隠していた‬ 326 00:18:43,163 --> 00:18:45,874 ‪父さんが出した課題に‬ ‪その過去がよみがえり‬ 327 00:18:45,958 --> 00:18:50,254 ‪耕也さんに助けを求め‬ ‪耕也さんもそれに応えたと‬ 328 00:18:51,255 --> 00:18:54,091 ‪あの令嬢に関わるべきでは‬ ‪なかったんだ‬ 329 00:18:54,174 --> 00:18:56,051 ‪えたいが知れなさすぎる‬ 330 00:18:56,134 --> 00:18:59,054 ‪ええ 二度と関わりたくありません‬ 331 00:19:00,305 --> 00:19:03,809 ‪あの ‪桜川(さくらがわ)‪九郎という人も…‬‬‬ 332 00:19:05,144 --> 00:19:08,814 ‪あの2人‬ ‪人間だったんだろうか?‬ 333 00:19:09,606 --> 00:19:13,318 ‪(剛一)恨み言を述べるために‬ ‪来てもらったわけではないよ‬ 334 00:19:13,402 --> 00:19:16,196 ‪あの結果は‬ ‪私が招いたものであり‬ 335 00:19:16,280 --> 00:19:19,700 ‪私の信念から‬ ‪外れるものでもなかった‬ 336 00:19:19,783 --> 00:19:20,909 ‪君が情を持って‬ 337 00:19:20,993 --> 00:19:24,079 ‪真実を胸にしまって‬ ‪くれなかったからといって‬ 338 00:19:24,163 --> 00:19:27,040 ‪恨むのはお門違いだろう‬ 339 00:19:27,124 --> 00:19:29,042 ‪恨み言くらい聞きますよ‬ 340 00:19:29,126 --> 00:19:31,170 ‪そこまで無情ではありません‬ 341 00:19:31,253 --> 00:19:35,465 ‪(剛一)あのあとどうなったか‬ ‪君は興味もないだろうね‬ 342 00:19:35,549 --> 00:19:38,427 ‪こうして呼び出すのも‬ ‪約束違反だろう‬ 343 00:19:38,510 --> 00:19:42,723 ‪ただ 一つ‬ ‪確かめておきたいことがあってね‬ 344 00:19:43,223 --> 00:19:45,684 ‪桜川九郎君といったね‬ 345 00:19:45,767 --> 00:19:50,022 ‪君は桜川六花(りっか)さんの従弟(いとこ)と‬ ‪聞いているが‬ 346 00:19:51,773 --> 00:19:53,942 ‪(九郎)‬ ‪六花さんをご存じなのですか?‬ 347 00:19:54,443 --> 00:19:58,113 ‪最初 私の罪を‬ ‪どう償えるか相談したのは‬ 348 00:19:58,196 --> 00:20:00,532 ‪桜川六花さんなんだよ‬ 349 00:20:01,033 --> 00:20:02,242 ‪ある病院に‬ 350 00:20:02,326 --> 00:20:06,079 ‪不死にして未来の出来事を‬ ‪決められる力を持った女性が‬ 351 00:20:06,163 --> 00:20:08,957 ‪長期入院している話を聞いた‬ 352 00:20:09,041 --> 00:20:10,751 ‪彼女と話をすると‬ 353 00:20:10,834 --> 00:20:13,712 ‪大抵のことが‬ ‪うまくいくといわれていた‬ 354 00:20:13,795 --> 00:20:16,632 ‪彼女が病院に‬ ‪長期入院していた理由を‬ 355 00:20:16,715 --> 00:20:18,258 ‪私は知らない‬ 356 00:20:18,342 --> 00:20:20,969 ‪かつて 妖狐と取り引きした私だ‬ 357 00:20:21,053 --> 00:20:22,095 ‪常にない者が‬ 358 00:20:22,179 --> 00:20:24,473 ‪そういうふうにいるのか‬ ‪と興味を持ち‬ 359 00:20:24,556 --> 00:20:27,893 ‪彼女に一度‬ ‪会わせてもらったことがある‬ 360 00:20:27,976 --> 00:20:29,228 ‪そして…‬ 361 00:20:29,311 --> 00:20:31,730 ‪彼女は本物だった‬ 362 00:20:32,314 --> 00:20:36,985 ‪美しくも 私には明らかに‬ ‪人とは違うものに見えたよ‬ 363 00:20:37,069 --> 00:20:41,240 ‪2か月ばかり前‬ ‪偶然 町なかで彼女を見かけた‬ 364 00:20:41,323 --> 00:20:44,034 ‪過去の罪の処置に悩んでいた私は‬ 365 00:20:44,117 --> 00:20:47,996 ‪これも天の配剤かと‬ ‪彼女に声をかけたんだ‬ 366 00:20:48,080 --> 00:20:50,749 ‪怪異と関わって生じた悩みなら‬ 367 00:20:50,832 --> 00:20:54,628 ‪怪異な者に相談するのが‬ ‪適切ではないかと‬ 368 00:20:54,711 --> 00:20:58,715 ‪彼女は戸惑いはしたが‬ ‪私の話を聞いてくれたよ‬ 369 00:20:58,799 --> 00:21:02,010 ‪ただ 彼女には‬ ‪殺人の話まではしていない‬ 370 00:21:02,511 --> 00:21:04,221 ‪かつて 化け物と取り引きし‬ 371 00:21:04,805 --> 00:21:07,849 ‪それで犯した罪を償う方法を‬ ‪知らないか‬ 372 00:21:07,933 --> 00:21:12,229 ‪もしくは彼女の力で‬ ‪しかるべき未来を得られないか‬ 373 00:21:12,312 --> 00:21:14,982 ‪そう持ちかけてみたんだ‬ 374 00:21:15,065 --> 00:21:17,067 ‪すると 彼女は…‬ 375 00:21:17,818 --> 00:21:21,738 ‪(六花)‬ ‪私と 同じ力を持つ従弟(いとこ)と…‬ 376 00:21:22,698 --> 00:21:27,619 ‪(剛一)君たちなら私の望みを‬ ‪かなえられるだろうと教えてくれた‬ 377 00:21:28,453 --> 00:21:32,457 ‪半信半疑ではあったが‬ ‪琴子さんのことを調べると‬ 378 00:21:32,541 --> 00:21:35,252 ‪ただならない情報が‬ ‪いくつも出てくる‬ 379 00:21:35,335 --> 00:21:39,464 ‪そして実際 会ってみても‬ ‪ただならない力を感じた‬ 380 00:21:39,965 --> 00:21:42,884 ‪こう言うと‬ ‪気を悪くするかもしれないが‬ 381 00:21:42,968 --> 00:21:44,636 ‪琴子さんも九郎君も‬ 382 00:21:44,720 --> 00:21:47,681 ‪私には‬ ‪それほど人間とは見えないよ‬ 383 00:21:47,764 --> 00:21:50,434 ‪だから信用し 事を託した‬ 384 00:21:50,517 --> 00:21:52,436 ‪だが こうしていると‬ 385 00:21:52,519 --> 00:21:55,731 ‪なぜ 私は‬ ‪六花という女性の言うとおりにし‬ 386 00:21:55,814 --> 00:21:59,901 ‪君を信用したのか‬ ‪急にいぶかしくなってきた‬ 387 00:22:00,402 --> 00:22:05,949 ‪もしや 私は 彼女によって‬ ‪そうする未来に導かれたのか…‬ 388 00:22:07,784 --> 00:22:09,953 ‪(琴子)あの人も九郎先輩も‬ 389 00:22:10,037 --> 00:22:12,581 ‪どんな未来も引き寄せられる‬ ‪わけではありません‬ 390 00:22:13,165 --> 00:22:16,460 ‪あくまで起こる可能性の‬ ‪高い未来しか決定できません‬ 391 00:22:17,044 --> 00:22:22,090 ‪音無会長は過去の経験から‬ ‪怪異を信用されやすい心理にあり‬ 392 00:22:22,174 --> 00:22:23,258 ‪今回のことも‬ 393 00:22:23,342 --> 00:22:26,219 ‪それで解決してもらいたいと‬ ‪強く望んでいました‬ 394 00:22:26,887 --> 00:22:28,388 ‪六花さんはせいぜい‬ 395 00:22:28,472 --> 00:22:31,475 ‪それに対する迷いを消すのに‬ ‪干渉したくらいでしょう‬ 396 00:22:32,059 --> 00:22:35,228 ‪音無会長がいいように‬ ‪操られたわけではありません‬ 397 00:22:35,729 --> 00:22:38,482 ‪そうか… うん そうだろうな‬ 398 00:22:39,149 --> 00:22:42,152 ‪(琴子)六花さんが‬ ‪今 どこにいるか 心当たりは?‬ 399 00:22:42,235 --> 00:22:46,114 ‪(剛一)そこで別れたきりだ‬ ‪連絡先も交換していない‬ 400 00:22:46,198 --> 00:22:50,118 ‪彼女は結果がどうなろうと‬ ‪かまわなかったのだろうね‬ 401 00:22:50,202 --> 00:22:54,664 ‪だが こうなるのを見越して‬ ‪君たちを薦めたのだろうか?‬ 402 00:22:54,748 --> 00:22:55,749 ‪分かりません‬ 403 00:22:55,832 --> 00:22:58,627 ‪私にも あの人は厄介(やっかい)ですから‬ 404 00:22:59,127 --> 00:23:02,839 ‪(琴子)裏で六花さんが‬ ‪糸を引いていたとは なんとも‬ 405 00:23:03,340 --> 00:23:05,217 会長さんが 私に頼んでくるまでの 406 00:23:05,300 --> 00:23:07,719 流れがよすぎるとは 感じていましたが 407 00:23:07,803 --> 00:23:09,554 そこまでは 読めませんでした 408 00:23:10,138 --> 00:23:12,849 ‪どうして私に‬ ‪この件を押しつけたのか‬ 409 00:23:12,933 --> 00:23:14,267 ‪いくら六花さんでも‬ 410 00:23:14,351 --> 00:23:17,437 ‪僅かな情報から‬ ‪事件の真相やてんまつまで‬ 411 00:23:17,521 --> 00:23:19,439 ‪見抜けたわけでは‬ ‪ありませんし‬ 412 00:23:19,940 --> 00:23:22,192 ‪単に私への‬ ‪嫌がらせでしょうか‬ 413 00:23:22,692 --> 00:23:25,237 ‪(九郎)‬ ‪理由は2つばかり考えられるな‬ 414 00:23:25,737 --> 00:23:28,532 ‪一つは 今回の件に‬ ‪お前を集中させ‬ 415 00:23:28,615 --> 00:23:30,242 ‪六花さんが‬ ‪何か次のたくらみを‬ 416 00:23:30,325 --> 00:23:32,786 ‪仕掛けているのに‬ ‪気付かせないため‬ 417 00:23:33,286 --> 00:23:35,705 ‪単なる嫌がらせよりは‬ ‪ありそうですね‬ 418 00:23:35,789 --> 00:23:37,040 ‪もう一つは‬ 419 00:23:37,124 --> 00:23:41,920 ‪お前が怪異にまつわる相談を‬ ‪どう決着させるか僕に見せるため‬ 420 00:23:42,671 --> 00:23:44,131 ‪今更ですか?‬ 421 00:23:44,214 --> 00:23:46,925 ‪九郎先輩はそんなの‬ ‪いくらでも見てきたでしょう‬ 422 00:23:47,008 --> 00:23:48,885 ‪それはそうだが‬ 423 00:23:48,969 --> 00:23:51,847 ‪人間が密接に絡みそうな‬ ‪今回の事案に‬ 424 00:23:51,930 --> 00:23:55,016 ‪お前の特徴がより濃く出ると‬ ‪考えたのかもしれない‬ 425 00:23:55,600 --> 00:23:59,146 ‪お前は今回 秩序のためには‬ ‪一切の情を挟まず‬ 426 00:23:59,646 --> 00:24:03,525 ‪悲劇的な結末が予想されるのに‬ ‪真実を明らかにした‬ 427 00:24:03,608 --> 00:24:07,195 ‪守るべき秩序のためには‬ ‪お前は容赦しない‬ 428 00:24:07,279 --> 00:24:10,115 ‪そうはっきり見せられると‬ ‪感じたのかも‬ 429 00:24:10,198 --> 00:24:10,907 ‪(琴子)いやいや‬ 430 00:24:10,991 --> 00:24:14,161 ‪そんな私を‬ ‪冷酷非道の機械みたいに‬ 431 00:24:14,244 --> 00:24:16,538 ‪非道を行ったのは会長さんで‬ 432 00:24:16,621 --> 00:24:19,332 ‪それを正すのに‬ ‪情も何もないでしょう‬ 433 00:24:19,416 --> 00:24:23,378 ‪ああ お前はそれでいい‬ ‪悩む必要はない‬ 434 00:24:23,461 --> 00:24:25,338 ‪悩む回路もないだろうが‬ 435 00:24:25,422 --> 00:24:27,924 ‪(琴子)‬ ‪その九郎先輩の物言いこそ‬ 436 00:24:28,008 --> 00:24:29,843 ‪情が欠けているでしょうが!‬ 437 00:24:37,893 --> 00:24:38,977 ‪(六花)ねえ 九郎‬ 438 00:24:39,561 --> 00:24:43,815 ‪あなたは琴子さんの恐ろしさに‬ ‪まだ 気付かないの?‬ 439 00:24:44,316 --> 00:24:48,487 ‪(琴子の寝息)‬