1
00:00:10,763 --> 00:00:13,575
{\an7}《リーシェ:ローヴァイン閣下に{\an7}正体がバレないよう➡
2
00:00:13,599 --> 00:00:16,578
{\an7}夜会は なんとか乗り切らないと。
3
00:00:16,602 --> 00:00:18,580
{\an7}それに➡
4
00:00:18,604 --> 00:00:22,250
{\an7}どうにかしてカイル王子に{\an7}薬を飲んでいただきたい。
5
00:00:22,274 --> 00:00:24,586
{\an7}治療しなければ近い将来➡
6
00:00:24,610 --> 00:00:28,924
{\an7}病床から立ち上がることすら{\an7}できなくなるんだもの》
7
00:00:28,948 --> 00:00:30,926
{\an7}あっ…。
8
00:00:30,950 --> 00:00:32,950
{\an7}(デニス/カミル)あっ…。
9
00:00:37,456 --> 00:00:40,435
{\an7}驚いたな。{\an7}あっ。
10
00:00:40,459 --> 00:00:43,605
{\an7}こんな薬草畑を{\an7}管理しているのは➡
11
00:00:43,629 --> 00:00:47,829
{\an7}私と似た職業の{\an7}人間だろうと思ったのだけれど。
12
00:00:49,969 --> 00:00:54,569
{\an7}こんばんは。 私の同類らしき人。
13
00:00:57,810 --> 00:01:00,110
{\an7}《ミシェル先生!》
14
00:02:32,438 --> 00:02:48,096
{\an7}♬〜
15
00:02:48,120 --> 00:02:52,600
{\an7}⦅ミシェル:どう? オーロラ。{\an7}研究のヒントになったかい?
16
00:02:52,624 --> 00:02:56,771
{\an7}はい とっても!{\an7}それはよかった。
17
00:02:56,795 --> 00:03:00,875
{\an7}ごめんなさい 先生。{\an7}わざわざ遠出をしていただいて。
18
00:03:00,899 --> 00:03:05,713
{\an7}どうして謝るの?{\an7}君は私の教え子なんだから➡
19
00:03:05,737 --> 00:03:09,717
{\an7}君が見たいものは{\an7}なんでも見せてあげるよ。
20
00:03:09,741 --> 00:03:13,054
{\an7}知らないことがあるならば{\an7}教えてあげる。
21
00:03:13,078 --> 00:03:15,390
{\an7}君が自力で{\an7}たどりつきたいときは➡
22
00:03:15,414 --> 00:03:17,714
{\an7}邪魔しないけれど⦆
23
00:03:21,587 --> 00:03:25,587
{\an7}《3度目の人生で{\an7}私の先生だった人》
24
00:03:27,593 --> 00:03:31,239
{\an7}(カミル)失礼ですが お名前を{\an7}お聞かせ願えますでしょうか?
25
00:03:31,263 --> 00:03:36,244
{\an7}(ミシェル)うん? ああ{\an7}驚かせたのなら すまないね。
26
00:03:36,268 --> 00:03:41,082
{\an7}私は ミシェル・エヴァン。{\an7}コヨルから来た者だよ。
27
00:03:41,106 --> 00:03:45,086
{\an7}迷われたようでしたら お部屋まで{\an7}ご案内いたしましょう。
28
00:03:45,110 --> 00:03:49,090
{\an7}優しいね。 でも私は迷子じゃない。
29
00:03:49,114 --> 00:03:53,261
{\an7}そこの女の子に興味があるんだ。{\an7}この方は我が国の…。
30
00:03:53,285 --> 00:03:55,585
{\an7}かまいませんわ。{\an7}(デニス/カミル)あっ…。
31
00:03:58,290 --> 00:04:01,536
{\an7}リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーと申します。
32
00:04:01,560 --> 00:04:03,872
{\an7}エヴァン様は学者の方でしょうか?
33
00:04:03,896 --> 00:04:08,196
{\an7}学者か。{\an7}その言い方が最もシンプルかな。
34
00:04:10,235 --> 00:04:14,215
{\an7}その爪 ジェルウッドの樹液だよね?
35
00:04:14,239 --> 00:04:16,885
{\an7}染料で着色しているみたいだけど。
36
00:04:16,909 --> 00:04:19,220
{\an7}あっ…。{\an7}硬化には➡
37
00:04:19,244 --> 00:04:23,558
{\an7}どんな方法を使ったの?{\an7}リッシ草にジビーの花蜜➡
38
00:04:23,582 --> 00:04:27,395
{\an7}ラベド草を加え{\an7}膠と一緒に調合しました。
39
00:04:27,419 --> 00:04:31,065
{\an7}キリス草を使わないのは{\an7}気泡を防ぐためかい?
40
00:04:31,089 --> 00:04:33,401
{\an7}すべて お見通しなのですね。
41
00:04:33,425 --> 00:04:37,238
{\an7}理論上の計算にすぎないけどね。
42
00:04:37,262 --> 00:04:40,408
{\an7}エストマの樹液を混ぜたら{\an7}どうなると思う?
43
00:04:40,432 --> 00:04:45,079
{\an7}ああ… もっと強力に固まるかと。
44
00:04:45,103 --> 00:04:47,582
{\an7}ですが あくまで仮説です。
45
00:04:47,606 --> 00:04:50,752
{\an7}結果がどうなるかは{\an7}検証しなくては。
46
00:04:50,776 --> 00:04:52,921
{\an7}君は とってもいい子だね。
47
00:04:52,945 --> 00:04:56,758
{\an7}叶うことならば{\an7}私の教え子にしたいくらいだ。
48
00:04:56,782 --> 00:04:58,760
{\an7}あっ…。
49
00:04:58,784 --> 00:05:01,529
{\an7}よろしければ{\an7}滞在なさっている間だけでも➡
50
00:05:01,553 --> 00:05:04,032
{\an7}いろいろと{\an7}ご教授いただけないでしょうか。
51
00:05:04,056 --> 00:05:06,201
{\an7}ああ かまわないよ。
52
00:05:06,225 --> 00:05:11,372
{\an7}ありがとうございます!{\an7}では エヴァン様は私の先生ですね!
53
00:05:11,396 --> 00:05:15,696
{\an7}先生か。{\an7}フフフ なんだか おもしろいな。
54
00:05:17,736 --> 00:05:22,936
{\an7}《まさか この人のことを また{\an7}先生と呼べる日がくるなんて》
55
00:05:24,910 --> 00:05:26,888
{\an7}(ミシェル)フー。
56
00:05:26,912 --> 00:05:30,058
{\an7}ところで 我が教え子➡
57
00:05:30,082 --> 00:05:34,729
{\an7}この畑の薬草は 私の専門分野とは{\an7}少し外れているようなので➡
58
00:05:34,753 --> 00:05:37,565
{\an7}あくまで推測だけれど➡
59
00:05:37,589 --> 00:05:42,737
{\an7}ひょっとして君は{\an7}カイルに一服盛るつもりかな?
60
00:05:42,761 --> 00:05:44,761
{\an7}(3人)んっ…。
61
00:05:47,933 --> 00:05:50,912
{\an7}(カイル)リーシェ殿{\an7}一日に2度もお目にかかる➡
62
00:05:50,936 --> 00:05:52,914
{\an7}幸運が訪れようとは。
63
00:05:52,938 --> 00:05:56,751
{\an7}どうか お気遣いなく。{\an7}お心のままに。
64
00:05:56,775 --> 00:06:00,688
{\an7}では お言葉に甘えて。
65
00:06:00,712 --> 00:06:04,192
{\an7}ミシェル お前は{\an7}いったい何をしているんだ。
66
00:06:04,216 --> 00:06:08,363
{\an7}すごい子を見つけたんだよ。{\an7}カイルも会いたいかなって。
67
00:06:08,387 --> 00:06:12,033
{\an7}このお方は{\an7}皇太子殿下の婚約者殿だぞ。
68
00:06:12,057 --> 00:06:14,535
{\an7}あれ? そうだったの?
69
00:06:14,559 --> 00:06:17,705
{\an7}でも この子{\an7}私の教え子になったんだよ。
70
00:06:17,729 --> 00:06:19,707
{\an7}えっ?{\an7}アハ…。
71
00:06:19,731 --> 00:06:23,711
{\an7}彼女の調薬したものが{\an7}カイルに効きそうなんだ。
72
00:06:23,735 --> 00:06:27,548
{\an7}調薬?{\an7}私の専門外だったけど➡
73
00:06:27,572 --> 00:06:30,718
{\an7}これはカイルで実験するべきだと{\an7}思ってね。
74
00:06:30,742 --> 00:06:35,056
{\an7}先生 一国の王子殿下をお相手に{\an7}「実験」は だめです!
75
00:06:35,080 --> 00:06:40,561
{\an7}あれ? 失敗したかなぁ。{\an7}常識というのは難しいね。
76
00:06:40,585 --> 00:06:43,064
{\an7}でも 私は心の底から➡
77
00:06:43,088 --> 00:06:46,734
{\an7}カイルに治ってほしいと{\an7}思っているよ。
78
00:06:46,758 --> 00:06:49,737
{\an7}わかった。{\an7}よろしいのですか?
79
00:06:49,761 --> 00:06:53,908
{\an7}我が国随一の学者が{\an7}試したいと言っている薬。
80
00:06:53,932 --> 00:07:00,682
{\an7}もとより 病を克服するためなら{\an7}あらゆる手段を尽くす覚悟です。
81
00:07:00,706 --> 00:07:05,406
{\an7}あぁ…。{\an7}では 早速 準備いたします。
82
00:07:11,049 --> 00:07:13,861
{\an7}こちらです。
83
00:07:13,885 --> 00:07:17,699
{\an7}実は この薬には{\an7}一つだけ問題がありまして…。
84
00:07:17,723 --> 00:07:20,223
{\an7}うん?{\an7}お聞かせください。
85
00:07:22,227 --> 00:07:25,540
{\an7}この薬は…。
86
00:07:25,564 --> 00:07:28,042
{\an7}お味が とてもまずいのです。
87
00:07:28,066 --> 00:07:31,379
{\an7}お味が とてもまずい?
88
00:07:31,403 --> 00:07:35,717
{\an7}なんだ そんなことか。{\an7}カイルなら大丈夫だよ。
89
00:07:35,741 --> 00:07:41,055
{\an7}何しろ とても強い子だし{\an7}真面目で努力家だし。 ねっ?
90
00:07:41,079 --> 00:07:46,561
{\an7}リーシェ殿 これが僕に与えられた{\an7}試練だというのであれば➡
91
00:07:46,585 --> 00:07:51,065
{\an7}全身全霊をもって挑むだけです。{\an7}ううん…。
92
00:07:51,089 --> 00:07:53,568
{\an7}そうだ 私が飲ませてあげよう。
93
00:07:53,592 --> 00:07:55,570
{\an7}あっ 先生 だめです!
94
00:07:55,594 --> 00:07:57,572
{\an7}せめてお水を用意してから…。{\an7}はい あ〜ん。{\an7}待て うっ…。
95
00:07:57,596 --> 00:08:01,008
{\an7}あっ!{\an7}うっ… うっ… うっ…。
96
00:08:01,032 --> 00:08:03,010
{\an7}うっ。
97
00:08:03,034 --> 00:08:05,513
{\an7}大丈夫… ですか?
98
00:08:05,537 --> 00:08:10,017
{\an7}だ… 大丈夫です。
99
00:08:10,041 --> 00:08:14,021
{\an7}ねぇねぇ カイル どんな味?{\an7}どんな味がする?
100
00:08:14,045 --> 00:08:17,692
{\an7}に… 苦みと酸味の{\an7}入り交じった中に➡
101
00:08:17,716 --> 00:08:21,529
{\an7}まるで馬小屋のような{\an7}独特の臭いが襲いくる。
102
00:08:21,553 --> 00:08:25,366
{\an7}さ… 更に飲み干したあとの{\an7}妙な甘みが➡
103
00:08:25,390 --> 00:08:27,535
{\an7}舌に絡みついてヌルヌルと…。
104
00:08:27,559 --> 00:08:29,537
{\an7}うっ…。{\an7}実況は大丈夫ですから!{\an7}すみません!
105
00:08:29,561 --> 00:08:31,539
{\an7}お水を。{\an7}は… はい!{\an7}もうちょっと味わってみようか。
106
00:08:31,563 --> 00:08:33,541
{\an7}(リーシェ)あっ!{\an7}ほら もう一口。
107
00:08:33,565 --> 00:08:35,565
{\an7}先生!{\an7}うっ… あぁ…。
108
00:08:41,907 --> 00:08:43,885
{\an7}ところで 我が教え子➡
109
00:08:43,909 --> 00:08:48,009
{\an7}お迎えが来るまでの間{\an7}これでも見るかい?{\an7}うん?
110
00:08:53,752 --> 00:08:56,063
{\an7}あっ 先生 これは…。
111
00:08:56,087 --> 00:08:58,733
{\an7}私の研究記録だよ。
112
00:08:58,757 --> 00:09:02,170
{\an7}カイルには 難しすぎて{\an7}誰にも理解できないって➡
113
00:09:02,194 --> 00:09:06,507
{\an7}言われてしまったけど。{\an7}わあ〜!
114
00:09:06,531 --> 00:09:11,031
{\an7}フフッ やっぱり{\an7}とても興味深い子だなぁ。
115
00:09:17,876 --> 00:09:21,689
{\an7}⦅ミシェル:リーシェは本当に{\an7}この薬品が嫌いだねぇ⦆
116
00:09:21,713 --> 00:09:23,713
{\an7}あっ。
117
00:09:26,051 --> 00:09:28,362
{\an7}⦅ミシェル:お前は賢い子だ。
118
00:09:28,386 --> 00:09:32,700
{\an7}欠点を挙げるとすれば{\an7}その知識や技術を➡
119
00:09:32,724 --> 00:09:37,538
{\an7}人を幸せにすることにしか{\an7}使いたがらないという点かもね。
120
00:09:37,562 --> 00:09:40,708
{\an7}私は 他人の幸せを{\an7}お前が決めるのは➡
121
00:09:40,732 --> 00:09:43,044
{\an7}間違っていると思うよ。
122
00:09:43,068 --> 00:09:46,881
{\an7}毒薬として生まれたものの{\an7}存在意義は➡
123
00:09:46,905 --> 00:09:50,885
{\an7}役目どおりに 人を{\an7}不幸にすることじゃないかな?
124
00:09:50,909 --> 00:09:55,723
{\an7}毒薬には 本当に{\an7}誰かを幸せにすることは➡
125
00:09:55,747 --> 00:09:58,226
{\an7}できないのですか?{\an7}うん?
126
00:09:58,250 --> 00:10:01,395
{\an7}誰かを不幸にするために{\an7}生まれたなんて➡
127
00:10:01,419 --> 00:10:04,565
{\an7}その決めつけこそが{\an7}先生らしくありません。
128
00:10:04,589 --> 00:10:09,403
{\an7}心配しなくても{\an7}この薬品は まだ完成しないよ。
129
00:10:09,427 --> 00:10:12,073
{\an7}うん?{\an7}出来上がってはいるけど➡
130
00:10:12,097 --> 00:10:14,909
{\an7}実証に必要な人材が手に入らない。
131
00:10:14,933 --> 00:10:18,746
{\an7}この薬品を私が望んだとおりに{\an7}使ってくれる➡
132
00:10:18,770 --> 00:10:21,070
{\an7}そんな人間がいないんだ⦆
133
00:10:23,608 --> 00:10:25,753
{\an7}《私と先生は➡
134
00:10:25,777 --> 00:10:30,925
{\an7}あの薬品のことで{\an7}どうしても分かり合えなかった。
135
00:10:30,949 --> 00:10:35,263
{\an7}先生は 探していたような人に{\an7}出会えたのかしら…》
136
00:10:35,287 --> 00:10:37,265
{\an7}(ノック)
137
00:10:37,289 --> 00:10:39,767
{\an7}(デニス)し… 失礼いたします。
138
00:10:39,791 --> 00:10:42,103
{\an7}リーシェ様 お迎えが…。{\an7}(カミル)あっ。
139
00:10:42,127 --> 00:10:44,105
{\an7}えっ!?
140
00:10:44,129 --> 00:10:47,775
{\an7}(アルノルト)リーシェ 帰るぞ。{\an7}(リーシェ)アルノルト殿下!
141
00:10:47,799 --> 00:10:49,999
{\an7}なぜ殿下が こちらに?
142
00:10:53,638 --> 00:10:55,616
{\an7}フフッ。
143
00:10:55,640 --> 00:10:58,953
{\an7}あっ…。{\an7}こちらは ミシェル・エヴァン先生です。
144
00:10:58,977 --> 00:11:01,889
{\an7}とても博識なお方で 滞在中に➡
145
00:11:01,913 --> 00:11:04,725
{\an7}いろいろと教えていただける{\an7}ことになりました。
146
00:11:04,749 --> 00:11:08,396
{\an7}フフッ ご紹介にあずかり光栄だなぁ。
147
00:11:08,420 --> 00:11:12,020
{\an7}私も ここはひとつ{\an7}よそ行きの顔をしておこうか。
148
00:11:14,092 --> 00:11:18,573
{\an7}こんばんは。 あなたが{\an7}この国の皇太子様かな?
149
00:11:18,597 --> 00:11:21,075
{\an7}私たちが{\an7}国立図書館に立ち入るのを➡
150
00:11:21,099 --> 00:11:24,579
{\an7}許してくれたそうで{\an7}どうもありがとう。
151
00:11:24,603 --> 00:11:28,749
{\an7}貴殿が知識を妻と共有するうえで{\an7}必要なものがあれば➡
152
00:11:28,773 --> 00:11:32,587
{\an7}こちらから提供する。{\an7}なんなりと言うがいい。
153
00:11:32,611 --> 00:11:37,511
{\an7}アハッ では遠慮せずに{\an7}いろいろお願いさせてもらおう。
154
00:11:39,951 --> 00:11:43,598
{\an7}どうして急にお迎えに?{\an7}帰るついでだ。
155
00:11:43,622 --> 00:11:46,767
{\an7}いつも こんな時間まで{\an7}動き回っているのか?
156
00:11:46,791 --> 00:11:51,772
{\an7}作業に夢中になってしまうと{\an7}つい時間を忘れてしまって…。
157
00:11:51,796 --> 00:11:55,276
{\an7}あっ ですが昼まで寝ているので{\an7}ご心配なく。
158
00:11:55,300 --> 00:11:57,278
{\an7}うん?
159
00:11:57,302 --> 00:11:59,302
{\an7}ほら。
160
00:12:02,073 --> 00:12:04,552
{\an7}えっ? ああっ!
161
00:12:04,576 --> 00:12:07,888
{\an7}それでも使え。{\an7}えっ!? 懐中時計なんて➡
162
00:12:07,912 --> 00:12:10,558
{\an7}貴重なものを…。{\an7}かまわない。
163
00:12:10,582 --> 00:12:12,560
{\an7}持ち運びも容易なおかげで➡
164
00:12:12,584 --> 00:12:15,062
{\an7}戦場では重宝した。
165
00:12:15,086 --> 00:12:19,066
{\an7}「戦場で」とは{\an7}作戦上のお話でしょうか?
166
00:12:19,090 --> 00:12:23,404
{\an7}ああ。 歴史が浅いというだけで{\an7}疑う者も多いが➡
167
00:12:23,428 --> 00:12:26,073
{\an7}正確に時を刻む道具だ。
168
00:12:26,097 --> 00:12:30,097
{\an7}《殿下は新しい技術を{\an7}柔軟に取り入れている》
169
00:12:32,103 --> 00:12:35,750
{\an7}⦅この薬品を私が望んだとおりに{\an7}使ってくれる➡
170
00:12:35,774 --> 00:12:38,586
{\an7}そんな人間がいないんだ⦆
171
00:12:38,610 --> 00:12:40,588
{\an7}あっ…。
172
00:12:40,612 --> 00:12:44,091
{\an7}なんだ?
173
00:12:44,115 --> 00:12:46,093
{\an7}ああ… いえ。
174
00:12:46,117 --> 00:12:49,096
{\an7}それでは お言葉に甘えて{\an7}お借りします。
175
00:12:49,120 --> 00:12:52,600
{\an7}そういえば{\an7}私の薬学の師だった方も➡
176
00:12:52,624 --> 00:12:55,936
{\an7}重宝なさってました。{\an7}お前の師?
177
00:12:55,960 --> 00:13:00,541
{\an7}はい。 レンファ出身の{\an7}本当にすごい薬師でした。
178
00:13:00,565 --> 00:13:03,544
{\an7}あの男は お前の師と比べて{\an7}どうなんだ?
179
00:13:03,568 --> 00:13:07,048
{\an7}ミシェル先生は薬師ではないのですよ。
180
00:13:07,072 --> 00:13:10,718
{\an7}研究に薬品を使うので{\an7}知識もお持ちですけど。
181
00:13:10,742 --> 00:13:13,054
{\an7}では いったい何者なんだ?
182
00:13:13,078 --> 00:13:16,390
{\an7}この世界の{\an7}さまざまな物質を研究して➡
183
00:13:16,414 --> 00:13:20,728
{\an7}新しい物質を生み出す{\an7}そんな学者の方です。
184
00:13:20,752 --> 00:13:23,397
{\an7}新しい物質を生み出すだと?
185
00:13:23,421 --> 00:13:25,399
{\an7}ミシェル先生の場合➡
186
00:13:25,423 --> 00:13:28,736
{\an7}黄金を生み出すことが{\an7}目的ではないそうですが➡
187
00:13:28,760 --> 00:13:32,960
{\an7}最も近い名称で言うと{\an7}こんな呼び方になります。
188
00:13:34,933 --> 00:13:37,433
{\an7}「錬金術師」と。
189
00:13:46,111 --> 00:13:51,092
{\an7}《今夜の夜会 ローヴァイン閣下に{\an7}私がルーシャスだとバレないよう➡
190
00:13:51,116 --> 00:13:54,762
{\an7}うまく立ち回らないと…》
191
00:13:54,786 --> 00:13:59,286
{\an7}(エルゼ)リーシェ様 お手紙が届きました。{\an7}ありがとう。
192
00:14:02,227 --> 00:14:04,427
{\an7}《ミヒャエラ様》
193
00:14:07,565 --> 00:14:10,878
{\an7}《ミヒャエラ:「完成は1か月後と{\an7}お伝えいたしましたが➡
194
00:14:10,902 --> 00:14:14,882
{\an7}ガルクハインに来ているコヨルの職人に{\an7}依頼できましたので➡
195
00:14:14,906 --> 00:14:18,219
{\an7}大幅に納期を{\an7}短縮できるでしょう」》
196
00:14:18,243 --> 00:14:21,743
{\an7}《職人が代わるだけで{\an7}そんなに差が出るなんて》
197
00:14:23,748 --> 00:14:25,748
{\an7}わあ…。
198
00:14:27,752 --> 00:14:29,752
{\an7}きれ〜い。
199
00:14:31,756 --> 00:14:50,417
{\an7}♬〜
200
00:14:50,441 --> 00:14:53,420
{\an7}殿下{\an7}うんざりしていらっしゃるのが➡
201
00:14:53,444 --> 00:14:56,423
{\an7}お顔に出てますよ。{\an7}出しているんだ。
202
00:14:56,447 --> 00:14:58,425
{\an7}問題ない。
203
00:14:58,449 --> 00:15:00,449
{\an7}アルノルト殿下。
204
00:15:02,387 --> 00:15:05,366
{\an7}私のために{\an7}このような場を設けていただき➡
205
00:15:05,390 --> 00:15:07,368
{\an7}もったいないかぎりです。
206
00:15:07,392 --> 00:15:11,539
{\an7}リーシェ殿 今宵のあなたも{\an7}なんとお美しいことか。
207
00:15:11,563 --> 00:15:16,210
{\an7}ありがとうございます。{\an7}その後 体調はいかがですか?
208
00:15:16,234 --> 00:15:19,213
{\an7}おかげさまで{\an7}だいぶ楽になりました。
209
00:15:19,237 --> 00:15:21,215
{\an7}それは何よりです。
210
00:15:21,239 --> 00:15:26,220
{\an7}アルノルト殿下 私はご婦人方と{\an7}お話をしてまいります。
211
00:15:26,244 --> 00:15:29,544
{\an7}では カイル殿下{\an7}楽しんでくださいね。
212
00:15:35,420 --> 00:15:40,401
{\an7}《ご挨拶は終わったし{\an7}最低限の責務は果たしたわね。
213
00:15:40,425 --> 00:15:42,425
{\an7}あとは…》
214
00:15:46,264 --> 00:15:48,742
{\an7}《さて 集中しましょう》
215
00:15:48,766 --> 00:15:51,745
{\an7}フゥ…。
216
00:15:51,769 --> 00:15:53,747
{\an7}ハァ…。
217
00:15:53,771 --> 00:16:16,704
{\an7}♬〜
218
00:16:16,728 --> 00:16:19,039
{\an7}《見つけた。
219
00:16:19,063 --> 00:16:22,042
{\an7}久しぶりだけど うまくできたわ。
220
00:16:22,066 --> 00:16:26,766
{\an7}5度目の人生での経験が{\an7}こんなところで役に立つなんて》
221
00:16:33,912 --> 00:16:37,558
{\an7}《このまま集中を切らさずに➡
222
00:16:37,582 --> 00:16:42,563
{\an7}ローヴァイン閣下から逃げてることを{\an7}誰にも悟られないように》
223
00:16:42,587 --> 00:16:44,565
{\an7}ごきげんよう。
224
00:16:44,589 --> 00:16:47,735
{\an7}(ヴェールマン)お目にかかれて光栄です{\an7}リーシェ様。
225
00:16:47,759 --> 00:16:53,240
{\an7}こちらこそ ご挨拶できましたこと{\an7}うれしく思います ヴェールマン様。
226
00:16:53,264 --> 00:16:55,242
{\an7}(ヴェールマン)母から話を聞き➡
227
00:16:55,266 --> 00:16:57,912
{\an7}お会いできるのを{\an7}楽しみにしておりました。
228
00:16:57,936 --> 00:17:00,347
{\an7}お母様… といいますと?
229
00:17:00,371 --> 00:17:04,852
{\an7}先日 母の店のお客様に{\an7}なってくださったそうで。
230
00:17:04,876 --> 00:17:07,187
{\an7}まさか あの気難しい店主から?
231
00:17:07,211 --> 00:17:10,357
{\an7}皇后陛下ですら{\an7}客にはなりえなかったのに。
232
00:17:10,381 --> 00:17:12,860
{\an7}あっ… もしかして…。
233
00:17:12,884 --> 00:17:18,198
{\an7}⦅わたくしは この店の店主{\an7}ミヒャエラ・ローレ・ヴェールマンと申します⦆
234
00:17:18,222 --> 00:17:21,035
{\an7}私は石を選んだだけで➡
235
00:17:21,059 --> 00:17:24,204
{\an7}お買い求めになったのは{\an7}アルノルト殿下ですよ。
236
00:17:24,228 --> 00:17:28,042
{\an7}まあ!{\an7}アルノルト殿下が女性に宝石を!?
237
00:17:28,066 --> 00:17:31,045
{\an7}《私もビックリしたわ》
238
00:17:31,069 --> 00:17:36,050
{\an7}そういえば 指輪の納期が{\an7}大幅に短縮されると伺いました。
239
00:17:36,074 --> 00:17:38,218
{\an7}なんでも コヨルの職人に➡
240
00:17:38,242 --> 00:17:40,554
{\an7}お願いできたから{\an7}とのことでしたが➡
241
00:17:40,578 --> 00:17:42,890
{\an7}そこまで変わるものなのですか?
242
00:17:42,914 --> 00:17:47,561
{\an7}コヨルの宝飾職人は 卓越した技術を{\an7}持っていますからね。
243
00:17:47,585 --> 00:17:50,731
{\an7}繊細な細工を施す速度が{\an7}違うのです。
244
00:17:50,755 --> 00:17:55,255
{\an7}まあ さすがは{\an7}宝石や金銀の産出国ですね。
245
00:17:58,096 --> 00:18:01,675
{\an7}《ローヴァイン閣下は{\an7}立ち止まってるわね》
246
00:18:01,699 --> 00:18:03,699
{\an7}うん?
247
00:18:08,539 --> 00:18:10,517
{\an7}(カイル)アルノルト殿下。
248
00:18:10,541 --> 00:18:14,855
{\an7}どうか 我がコヨルに{\an7}力を貸していただけませんか?
249
00:18:14,879 --> 00:18:18,025
{\an7}金銭や医療等の支援ではなく➡
250
00:18:18,049 --> 00:18:22,363
{\an7}軍事のうえで{\an7}ガルクハインにご支援いただきたい。
251
00:18:22,387 --> 00:18:27,534
{\an7}ご存じのとおり コヨルに{\an7}軍事力は ほとんどありません。
252
00:18:27,558 --> 00:18:31,038
{\an7}我が国は{\an7}宝石や金銀を提供することで➡
253
00:18:31,062 --> 00:18:34,541
{\an7}存在することを許されています。
254
00:18:34,565 --> 00:18:37,378
{\an7}周辺国からは その気になれば➡
255
00:18:37,402 --> 00:18:40,381
{\an7}いつでも滅ぼせると脅されながら。
256
00:18:40,405 --> 00:18:43,050
{\an7}私は その境遇から抜け出し➡
257
00:18:43,074 --> 00:18:47,221
{\an7}民を守る手段を{\an7}手に入れたいのです。
258
00:18:47,245 --> 00:18:51,725
{\an7}つまり コヨルはガルクハインと{\an7}盟約を結びたいと?
259
00:18:51,749 --> 00:18:53,749
{\an7}おっしゃるとおりです。
260
00:18:56,587 --> 00:19:01,502
{\an7}何を言いだすのかと思えば…。{\an7}病弱な体をおして➡
261
00:19:01,526 --> 00:19:04,726
{\an7}遠路はるばる訪ねてきた目的が{\an7}それか…。
262
00:19:06,697 --> 00:19:11,345
{\an7}平和ボケした王族に{\an7}存在価値があるのかは疑問だな。
263
00:19:11,369 --> 00:19:13,347
{\an7}んっ…。
264
00:19:13,371 --> 00:19:15,682
{\an7}仮に話を進めるとして➡
265
00:19:15,706 --> 00:19:19,186
{\an7}コヨルは我が国に{\an7}何をもたらすつもりだ?
266
00:19:19,210 --> 00:19:24,024
{\an7}宝石と金銀を最優先で輸出すると{\an7}お約束しましょう。
267
00:19:24,048 --> 00:19:27,194
{\an7}我が国の採算を度外視してでも。
268
00:19:27,218 --> 00:19:30,364
{\an7}んっ…。{\an7}《だめです カイル王子。
269
00:19:30,388 --> 00:19:33,700
{\an7}あなたは ウソをつくのには{\an7}向いていない》
270
00:19:33,724 --> 00:19:37,538
{\an7}笑わせるな。{\an7}俺が貴様の立場なら➡
271
00:19:37,562 --> 00:19:41,041
{\an7}その条件には{\an7}必ず適用期間を設ける。
272
00:19:41,065 --> 00:19:43,710
{\an7}最大の財源である宝石を➡
273
00:19:43,734 --> 00:19:47,381
{\an7}利益を無視して提供し続けるなど{\an7}不可能だからな。
274
00:19:47,405 --> 00:19:49,383
{\an7}それは…。
275
00:19:49,407 --> 00:19:54,221
{\an7}貴様が そんな提案をしてきた{\an7}理由は明白だ。
276
00:19:54,245 --> 00:19:59,560
{\an7}コヨルの鉱物資源は もはや{\an7}枯れようとしているのだろう?
277
00:19:59,584 --> 00:20:01,562
{\an7}あっ…。
278
00:20:01,586 --> 00:20:03,986
{\an7}《そう… だったのね》
279
00:20:06,757 --> 00:20:09,069
{\an7}しかし げせないな。
280
00:20:09,093 --> 00:20:12,493
{\an7}お前の行動は{\an7}愚行という他にない。
281
00:20:15,933 --> 00:20:22,249
{\an7}私の命は きっと{\an7}それほど長くないでしょう。
282
00:20:22,273 --> 00:20:27,087
{\an7}我が王家には{\an7}新しい命が生まれてくる。
283
00:20:27,111 --> 00:20:31,592
{\an7}その子の未来のためにも{\an7}そして 自国民のためにも➡
284
00:20:31,616 --> 00:20:35,762
{\an7}今 私にできることを{\an7}しなくてはならない。
285
00:20:35,786 --> 00:20:40,267
{\an7}私が調べたところ{\an7}アルノルト殿下は民に配慮し➡
286
00:20:40,291 --> 00:20:43,770
{\an7}手を差し伸べる政治を{\an7}行っておられます。
287
00:20:43,794 --> 00:20:45,939
{\an7}貴殿であれば…。{\an7}フン。
288
00:20:45,963 --> 00:20:49,776
{\an7}話にならないな。{\an7}あっ…。 お待ちください!
289
00:20:49,800 --> 00:20:53,500
{\an7}お願いします!{\an7}アルノルト殿下 どうか コヨルを!
290
00:20:55,473 --> 00:20:58,619
{\an7}何か{\an7}思い違いをしているようだが…。
291
00:20:58,643 --> 00:21:00,554
{\an7}あっ…。
292
00:21:00,578 --> 00:21:06,059
{\an7}他国と手を結ぶよりも{\an7}侵略して支配下に置くほうが➡
293
00:21:06,083 --> 00:21:08,583
{\an7}俺の性には合っている。
294
00:21:16,427 --> 00:21:18,572
{\an7}《今から5年後➡
295
00:21:18,596 --> 00:21:22,743
{\an7}皇帝となったアルノルト殿下が{\an7}世界に戦争を仕掛け➡
296
00:21:22,767 --> 00:21:25,967
{\an7}コヨルはガルクハインと戦うことになる》
297
00:21:29,941 --> 00:21:33,041
{\an7}《そして 多くの命が…》
298
00:21:36,113 --> 00:21:41,929
{\an7}《でも カイル王子がアルノルト殿下に対し{\an7}同盟を提案した。
299
00:21:41,953 --> 00:21:45,953
{\an7}これは 未来を変える{\an7}歴史の分岐点になるわ》
300
00:21:47,959 --> 00:21:51,939
{\an7}⦅カイル:ヴェルツナー{\an7}僕は この国を守りたい。
301
00:21:51,963 --> 00:21:56,109
{\an7}そのためならば{\an7}手段は選ばないつもりだ。
302
00:21:56,133 --> 00:22:01,882
{\an7}それが 死に損なって生まれてきた{\an7}僕に課せられた➡
303
00:22:01,906 --> 00:22:04,406
{\an7}最大の責務だろう⦆
304
00:22:08,079 --> 00:22:11,391
{\an7}《カイル王子は{\an7}同盟を結ぶためなら➡
305
00:22:11,415 --> 00:22:15,062
{\an7}ガルクハインの属国になる{\an7}覚悟なのかもしれない。
306
00:22:15,086 --> 00:22:17,064
{\an7}だけど…。
307
00:22:17,088 --> 00:22:20,234
{\an7}それでは 支配者が代わるだけ。
308
00:22:20,258 --> 00:22:23,558
{\an7}対等な関係を築けなければ…》
309
00:22:25,930 --> 00:22:29,230
{\an7}《でも そんな方法…》