1 00:00:02,002 --> 00:00:05,339 (アルノルト)貴殿への突然の無礼を わびよう。 2 00:00:05,339 --> 00:00:08,842 (アルノルト)そして願わくは どうか…。 3 00:00:10,844 --> 00:00:13,547 どうか 俺の妻になってほしい。 4 00:00:15,515 --> 00:00:18,185 (リーシェ)はっ? 妻? ああ。 5 00:00:18,185 --> 00:00:21,355 私が あなたの? そうだ。 6 00:00:21,355 --> 00:00:23,357 (ざわめき) 7 00:00:27,694 --> 00:00:30,531 お断りします。 8 00:00:30,531 --> 00:00:32,866 クッ… ハハッ。 んっ…。 9 00:00:32,866 --> 00:00:35,535 《どうして➡ 10 00:00:35,535 --> 00:00:39,139 どうして そんな楽しそうに笑うのよ!》 11 00:02:11,365 --> 00:02:16,870 (ディートリヒ)ガ… ガルクハインの皇太子が リーシェに求婚だと!? 12 00:02:16,870 --> 00:02:21,041 《私を殺した男が求婚!? 13 00:02:21,041 --> 00:02:23,310 意味も目的もわからない…》 14 00:02:30,384 --> 00:02:32,386 (みんな)あっ。 国王だ! 15 00:02:32,386 --> 00:02:34,388 なぜ国王が!? 国王陛下! 16 00:02:34,388 --> 00:02:37,391 父上! なぜ このようなところに わざわざ…。 17 00:02:37,391 --> 00:02:40,060 うわっ! イッダ~! へ… 陛下!? 18 00:02:40,060 --> 00:02:43,397 (国王)アルノルト殿下 バカ息子が とんだご無礼を! 19 00:02:43,397 --> 00:02:47,234 (国王)リーシェ嬢 婚約破棄の件は 本当にすまなかった。 20 00:02:47,234 --> 00:02:49,236 心からわびる。 21 00:02:49,236 --> 00:02:52,072 アルノルト殿下のご意向は 聞き及んでいると思うが➡ 22 00:02:52,072 --> 00:02:54,574 私からもお願いだ! 23 00:02:54,574 --> 00:02:57,044 あっ…。 あっ。 24 00:02:59,079 --> 00:03:02,683 これしきのことで 両国の友好に あつれきが生じることは➡ 25 00:03:02,683 --> 00:03:04,685 ありません。 あっ…。 26 00:03:04,685 --> 00:03:06,853 ただ叶うのであれば➡ 27 00:03:06,853 --> 00:03:09,189 彼女と話す時間を とりなしていただきたい。 28 00:03:09,189 --> 00:03:13,527 あっ…。 た… 頼む リーシェ嬢。 イッダ~。 29 00:03:13,527 --> 00:03:17,531 断るなら また次の手を使うまでだ。 30 00:03:17,531 --> 00:03:19,866 んっ…。 31 00:03:19,866 --> 00:03:23,703 (リーシェ)いったい 何を たくらんでいらっしゃるのです? 32 00:03:23,703 --> 00:03:27,207 何も。 ただ お前に ほれ込んだだけだ。 33 00:03:27,207 --> 00:03:29,209 ほれ…。 34 00:03:29,209 --> 00:03:33,213 婚約破棄され なんの後ろ盾もないのだろう? 35 00:03:33,213 --> 00:03:38,885 《確かに 1度目の人生の私なら 飛びついたでしょうね。 36 00:03:38,885 --> 00:03:40,887 けれど今の私は➡ 37 00:03:40,887 --> 00:03:45,225 人生には無限の選択肢が あることを もう知っている。 38 00:03:45,225 --> 00:03:50,731 でも 悪逆非道の皇帝 侵略者。 39 00:03:50,731 --> 00:03:53,733 私が今まで生きてきた すべての人生で➡ 40 00:03:53,733 --> 00:03:55,736 彼は戦争を起こした。 41 00:03:55,736 --> 00:03:58,572 どうして そんなことを…。 42 00:03:58,572 --> 00:04:01,975 そばにいれば その理由が?》 43 00:04:01,975 --> 00:04:05,312 私に ほれていると 言ってくださいましたね。 44 00:04:05,312 --> 00:04:07,647 だから結婚を申し込んだ。 45 00:04:07,647 --> 00:04:10,984 では いくつか わがままを 聞いてくださいますか? 46 00:04:10,984 --> 00:04:15,489 俺が叶えてやれるかぎり あらゆるすべてを叶えると誓おう。 47 00:04:15,489 --> 00:04:18,325 まず 婚姻の儀に必要なものは➡ 48 00:04:18,325 --> 00:04:21,661 私の指定する商会から 仕入れていただくこと。 49 00:04:21,661 --> 00:04:24,164 自由にするといい。 婚姻後➡ 50 00:04:24,164 --> 00:04:27,334 各国の賓客と交流する場を 設けてください。 51 00:04:27,334 --> 00:04:30,337 むしろ皇太子妃として 求められる仕事だろう。 52 00:04:30,337 --> 00:04:33,173 私 皇帝陛下とは別居がいいです。 53 00:04:33,173 --> 00:04:35,842 お前のためなら なんだってしてやる。 54 00:04:35,842 --> 00:04:39,146 最後に大事なことを もう一つだけ。 55 00:04:41,181 --> 00:04:44,851 私 絶対にお城では ゴロゴロしますから! 56 00:04:44,851 --> 00:04:47,554 ぐうたらして 怠けて 働きません。 57 00:04:50,023 --> 00:04:53,026 フッ…。 あっ。 ついでに私には➡ 58 00:04:53,026 --> 00:04:55,629 指一本 触れない方向で お願いします。 59 00:04:57,697 --> 00:05:34,201 ♬~ 60 00:05:34,201 --> 00:05:36,870 あっ。 61 00:05:36,870 --> 00:05:39,539 なんですか? その手は。 62 00:05:39,539 --> 00:05:44,211 約束したはずです。 指一本 触れないでくださいねと。 63 00:05:44,211 --> 00:05:46,880 そう軽蔑するな。 64 00:05:46,880 --> 00:05:50,050 ただ お前に取られたものを 取り戻そうとしただけだ。 65 00:05:50,050 --> 00:05:52,018 あっ…。 66 00:05:54,221 --> 00:05:58,558 (リーシェ)ぎゃ~っ! た… たいへん 失礼いたしました! 67 00:05:58,558 --> 00:06:01,628 (アルノルト)フッ。 剣を支えに丸まるだけで➡ 68 00:06:01,628 --> 00:06:03,964 よく そんなに眠れるものだな。 69 00:06:03,964 --> 00:06:09,469 《自分の心臓を刺した剣を 枕代わりにするなんて…》 70 00:06:09,469 --> 00:06:12,639 まさか触れもしないのに 感づかれるとは。 71 00:06:12,639 --> 00:06:17,310 それほどの域に達するには よほど訓練を重ねたのだろう。 72 00:06:17,310 --> 00:06:19,312 そ… そうですね。 73 00:06:24,150 --> 00:06:28,822 お前の指定した商会に 商談をしに来るよう伝えておいた。 74 00:06:28,822 --> 00:06:32,826 ありがとうございます。 アリア商会。 75 00:06:32,826 --> 00:06:36,329 このごろ評判を聞くようになった 商会だな。 76 00:06:36,329 --> 00:06:38,331 もともと ひいきにしていたのか? 77 00:06:38,331 --> 00:06:43,503 いいえ。 ただ とてもよい品を 仕入れてくださると聞いたので。 78 00:06:43,503 --> 00:06:49,175 《この人生でも彼らとの接点は 早めに作っておきたいのよね。 79 00:06:49,175 --> 00:06:54,014 うっ! とんでもない美形の破壊力》 80 00:06:54,014 --> 00:06:56,182 どうした? 81 00:06:56,182 --> 00:06:58,184 いえ なんでもありま…。 (いななき) 82 00:06:58,184 --> 00:07:00,186 (騎士)馬を止めろ~! 83 00:07:02,155 --> 00:07:06,493 (剣げき音) 84 00:07:06,493 --> 00:07:08,495 あっ…。 あっ。 85 00:07:08,495 --> 00:07:10,664 あ… あの ちょっ…。 86 00:07:10,664 --> 00:07:13,500 お前は ここで おとなしくしていろ。 87 00:07:13,500 --> 00:07:15,502 (鍵をかける音) 88 00:07:15,502 --> 00:07:18,571 騎士がいるのに なぜ自ら戦いに行くの? 89 00:07:21,675 --> 00:07:24,644 「おとなしく」なんて言われたけど。 90 00:07:31,184 --> 00:07:33,186 ぐわっ! あっ。 91 00:07:33,186 --> 00:07:35,355 ううっ…。 92 00:07:41,528 --> 00:07:44,197 フンッ もう終わりか。 93 00:07:44,197 --> 00:07:46,199 ううっ…。 94 00:07:46,199 --> 00:07:50,370 せっかく俺一人で 相手をしてやったというのに➡ 95 00:07:50,370 --> 00:07:53,707 退屈しのぎにもならないな。 96 00:07:53,707 --> 00:07:55,709 あっ…。 97 00:07:55,709 --> 00:07:57,711 (アルノルト)賊どもを捕縛しろ。 98 00:07:57,711 --> 00:07:59,713 手が空いてる者は けが人の手当てを。 99 00:07:59,713 --> 00:08:02,649 (騎士たち)ハッ! あっ…。 100 00:08:02,649 --> 00:08:07,821 《殺してない… 一人も》 101 00:08:07,821 --> 00:08:10,323 (カミル)うっ…。 (デニス)おい どうした カミル。 102 00:08:10,323 --> 00:08:13,493 (オリヴァー)急げ! 103 00:08:13,493 --> 00:08:16,496 大丈夫か? おい! どうしました? 104 00:08:16,496 --> 00:08:19,766 (2人)あっ…。 (カミル)体が しびれて…。 105 00:08:26,339 --> 00:08:30,510 毒か。 至急 傷口の心臓に近い箇所を縛り➡ 106 00:08:30,510 --> 00:08:32,679 毒を吸い出せ。 (騎士)ハッ! 107 00:08:32,679 --> 00:08:35,515 《熟れすぎたリンゴみたいな 甘い香り。 108 00:08:35,515 --> 00:08:38,852 シアー草と青石茸を混ぜた しびれ薬ね》 109 00:08:38,852 --> 00:08:41,521 この辺りの狩人が使うものだろう。 110 00:08:41,521 --> 00:08:45,525 死に至ることはないにせよ 症状は数日続くはずだ。 111 00:08:45,525 --> 00:08:51,030 ガルクハインまでは あと2日。 介抱しながらとなると…。 112 00:08:51,030 --> 00:08:53,867 (アルノルト)道中 狩人の集落があった。 113 00:08:53,867 --> 00:08:57,203 そこへ戻り 解毒剤を…。 あの。 (2人)うん? 114 00:08:57,203 --> 00:08:59,939 私 作れます 解毒剤。 115 00:08:59,939 --> 00:09:01,941 はあ? 116 00:09:01,941 --> 00:09:05,779 手持ちの薬草で作れたので 助かりました。 117 00:09:05,779 --> 00:09:09,115 本当は煮詰めたほうが 効果は高いのですが➡ 118 00:09:09,115 --> 00:09:11,618 取り急ぎ こちらを使いましょう。 119 00:09:13,787 --> 00:09:15,789 うん? 120 00:09:19,292 --> 00:09:22,996 あっ…。 《ひょっとして疑われてる?》 121 00:09:24,964 --> 00:09:28,635 あっ。 122 00:09:28,635 --> 00:09:30,637 あっ… おい! 123 00:09:30,637 --> 00:09:32,639 (みんな)あっ…。 何をしている! 124 00:09:32,639 --> 00:09:35,141 大丈夫です。 ご安心ください。 125 00:09:35,141 --> 00:09:37,811 これは リコリー草とルクアの花。 126 00:09:37,811 --> 00:09:40,647 それに カリーリエの実で作った 解毒剤です。 127 00:09:40,647 --> 00:09:44,818 どうか選んでください。 今 この薬をお使いになるか➡ 128 00:09:44,818 --> 00:09:49,622 数日 そのしびれを我慢なさるか。 ねっ 殿下。 129 00:09:51,658 --> 00:09:54,160 (オリヴァー)大事なくてよかったです。 130 00:09:54,160 --> 00:09:58,665 それはそうと なんのために 護衛がいるとお思いですか? 131 00:09:58,665 --> 00:10:02,669 戦場でもない場所で 騎士を 戦わせて損害を出すよりも➡ 132 00:10:02,669 --> 00:10:05,505 俺一人 戦ったほうが 国益を守れる。 133 00:10:05,505 --> 00:10:09,509 事実 負傷者も出ている。 それは結果論ですよ。 134 00:10:09,509 --> 00:10:12,178 しかも リーシェ様まで連れ出すなど…。 135 00:10:12,178 --> 00:10:14,180 (アルノルト)それは俺ではない。 136 00:10:19,686 --> 00:10:24,023 花は観賞用ではなく実用だったか。 137 00:10:24,023 --> 00:10:28,128 お前 どうやって馬車を出た? 秘密です。 138 00:10:31,030 --> 00:10:33,032 《侍女だった人生で➡ 139 00:10:33,032 --> 00:10:35,869 お嬢様が よくお部屋に 閉じこもってしまうから➡ 140 00:10:35,869 --> 00:10:38,571 そのたびに開けていたのよね》 141 00:10:41,875 --> 00:10:43,877 うん? 142 00:10:47,380 --> 00:10:50,884 《アリの行列を見ている子ども?》 143 00:10:50,884 --> 00:10:54,387 何か気になることでも? 他意はない。 144 00:10:54,387 --> 00:10:58,892 ただ お前の底が知れないと 思っているだけだ。 うん? 145 00:10:58,892 --> 00:11:02,529 次に どんな手段で 俺を楽しませてくれるのか➡ 146 00:11:02,529 --> 00:11:04,531 楽しみでしかたがない。 147 00:11:04,531 --> 00:11:08,034 《人を珍獣か何かのように…》 148 00:11:08,034 --> 00:11:11,204 殿下の娯楽のために やったことではありません。 149 00:11:11,204 --> 00:11:15,542 わかっている。 あっ…。 150 00:11:15,542 --> 00:11:19,712 お前が脅迫まがいの選択を 突きつけた騎士の一人は➡ 151 00:11:19,712 --> 00:11:22,715 元は貧民街の出の者だ。 152 00:11:22,715 --> 00:11:25,718 ガルクハイン国は 実力主義をうたっているが➡ 153 00:11:25,718 --> 00:11:29,055 出自によって 正当に評価されないことが多い。 154 00:11:29,055 --> 00:11:33,893 それでも あいつは外圧に屈さず 努力して騎士になった。 155 00:11:33,893 --> 00:11:38,565 最も しびれが重度だった騎士は 配属されてから日が浅く➡ 156 00:11:38,565 --> 00:11:42,902 今回の任務のために 昼夜 訓練に励んでいた。 157 00:11:42,902 --> 00:11:47,907 年かさの騎士は その新入りを かばおうとして一緒に負傷した➡ 158 00:11:47,907 --> 00:11:49,909 面倒見のいい男だ。 159 00:11:49,909 --> 00:11:53,246 騎士たちのこと よくご存じなのですね。 160 00:11:53,246 --> 00:11:56,583 俺が選んだ臣下だからな。 161 00:11:56,583 --> 00:11:59,552 ああ…。 あっ。 162 00:12:04,657 --> 00:12:08,995 救ってくれたこと 礼を言う。 163 00:12:08,995 --> 00:12:11,331 あっ…。 164 00:12:11,331 --> 00:12:15,501 《何がなんだか わからなくなってきたわ。 165 00:12:15,501 --> 00:12:19,105 これは偽りの顔? それとも…》 166 00:12:21,341 --> 00:12:24,844 たまたま自分が持っている知識を 使っただけです。 167 00:12:24,844 --> 00:12:28,514 ハッ。 たまたま薬学の知識のある 令嬢というのも➡ 168 00:12:28,514 --> 00:12:31,517 そうはいないだろうがな。 そういえば➡ 169 00:12:31,517 --> 00:12:35,021 騎士の皆さんが私を 警戒なさっていたのは なぜです? 170 00:12:35,021 --> 00:12:38,191 お前が 婚約破棄された令嬢と聞いて➡ 171 00:12:38,191 --> 00:12:42,528 どんな悪女が嫁いでくるのかと いらぬ想像をかきたてたんだろう。 172 00:12:42,528 --> 00:12:47,200 なるほど。 では 皇帝陛下には私のことを➡ 173 00:12:47,200 --> 00:12:49,369 どのように お伝えになったのですか? 174 00:12:49,369 --> 00:12:54,040 「王族に連なる公爵家の人間で 王太子の婚約者。 175 00:12:54,040 --> 00:12:57,710 俺が気に入って略奪した」と。 略奪…。 176 00:12:57,710 --> 00:13:01,848 妃は他国の王族であることが 決定事項だからな。 177 00:13:01,848 --> 00:13:05,518 あっ…。 つまり人質…。 178 00:13:05,518 --> 00:13:11,024 ガルクハインでは お前に対して 無礼を働く者が出るかもしれない。 179 00:13:11,024 --> 00:13:13,192 万が一のことがあったときは 俺が…。 180 00:13:13,192 --> 00:13:15,695 それは とてもすばらしいことです! 181 00:13:15,695 --> 00:13:18,698 何? 人質という扱いであれば➡ 182 00:13:18,698 --> 00:13:21,367 公務に駆り出されることも ありませんよね! 183 00:13:21,367 --> 00:13:23,369 まあ そうなるか…。 184 00:13:23,369 --> 00:13:26,372 やった! これで ちゃんとゴロゴロできそう! 185 00:13:26,372 --> 00:13:29,375 ありがとうございます 殿下! いや…。 186 00:13:29,375 --> 00:13:34,380 あっ そういえば 先ほど私の手を つかもうとなさいましたよね? 187 00:13:34,380 --> 00:13:38,051 あれは不可抗力だろう。 約束は約束です! 188 00:13:45,058 --> 00:13:48,227 《肥沃な大地と 潤沢な資源を持ち➡ 189 00:13:48,227 --> 00:13:52,231 世界各国に影響を与えるガルクハイン国。 190 00:13:52,231 --> 00:13:56,736 過去の どの人生でも唯一 訪れたことのない国》 191 00:13:56,736 --> 00:13:58,738 わあ~。 192 00:13:58,738 --> 00:14:00,973 《ここが皇都!》 193 00:14:00,973 --> 00:14:37,677 ♬~ 194 00:14:37,677 --> 00:14:41,681 はぁ…。 あの どうかなさいました? 195 00:14:41,681 --> 00:14:44,350 離宮の準備が遅れているらしい。 196 00:14:44,350 --> 00:14:47,353 悪いが今日は 貴賓室で過ごしてもらう。 197 00:14:47,353 --> 00:14:50,690 お気遣いいただかなくても 離宮で結構です。 198 00:14:50,690 --> 00:14:53,693 長らく使っておらず ひどいありさまだぞ。 199 00:14:53,693 --> 00:14:58,698 かまいません。 それに私 人質ですから! 200 00:14:58,698 --> 00:15:01,400 なぜ誇らしそうなんだ? 201 00:15:03,669 --> 00:15:07,673 《確かに 長年使用されて いなかっただけあって➡ 202 00:15:07,673 --> 00:15:09,642 すごいほこり…》 203 00:15:12,845 --> 00:15:16,516 さて 始めましょうか! 204 00:15:16,516 --> 00:15:19,018 《侍女時代の血が騒ぐわね》 205 00:15:19,018 --> 00:15:21,020 (カミル)あの リーシェ様。 うん? 206 00:15:21,020 --> 00:15:23,856 我々に 何かお手伝いできることは? 207 00:15:23,856 --> 00:15:27,693 護衛の皆さんに掃除をお願いする わけには いきませんから。 208 00:15:27,693 --> 00:15:30,363 では せめて 家具は運ばせてください。 209 00:15:30,363 --> 00:15:32,365 ぜひ お願いします。 210 00:15:32,365 --> 00:15:42,708 ♬~ 211 00:15:42,708 --> 00:15:47,547 《数年後 アルノルト・ハインは 父である現皇帝を殺し➡ 212 00:15:47,547 --> 00:15:50,216 そして 戦争を始める。 213 00:15:50,216 --> 00:15:52,718 あまり意味は ないかもしれないけど➡ 214 00:15:52,718 --> 00:15:56,222 彼を父親から離しておきたい。 215 00:15:56,222 --> 00:16:00,126 なぜ彼が 世界に戦争を仕掛けたのか。 216 00:16:00,126 --> 00:16:03,629 どの人生でも 私が命を落とした原因は➡ 217 00:16:03,629 --> 00:16:07,834 すべてアルノルト・ハインが起こした 戦争が関係しているわ》 218 00:16:10,136 --> 00:16:13,806 断固 戦争反対! 戦争さえなければ! 219 00:16:13,806 --> 00:16:17,643 ゴロゴロして悠々自適な長生き人生を 送るためにも! 220 00:16:17,643 --> 00:16:20,813 (ラウラ)ねぇ 見て。 素人が頑張っちゃって! 221 00:16:20,813 --> 00:16:22,982 (ディアナ)一生懸命やったって 無駄よ! 222 00:16:22,982 --> 00:16:24,984 (エルゼ)あっ…。 うっ。 223 00:16:24,984 --> 00:16:29,322 (ディアナ)皇太子妃殿下の侍女に 選ばれるのは 私たちだから。 224 00:16:29,322 --> 00:16:31,657 大丈夫ですか? はい…。 225 00:16:31,657 --> 00:16:33,659 (ラウラ)見ない顔ね。 (マーヤ)新入りでしょ。 226 00:16:33,659 --> 00:16:35,661 きれいな手をしているもの。 227 00:16:35,661 --> 00:16:38,998 残念だけど 皇太子妃様にお仕えできるのは➡ 228 00:16:38,998 --> 00:16:42,168 このお城で3年も働いてきた 私たちなんだから。 229 00:16:42,168 --> 00:16:44,170 立てますか? (ディアナ)ちょっと! 230 00:16:44,170 --> 00:16:46,672 話 聞きなさいよ! 侍女になるつもりなら➡ 231 00:16:46,672 --> 00:16:49,509 先輩を立てることを 覚えたほうがいいわ。 232 00:16:49,509 --> 00:16:53,012 そのカーテン 今から 洗濯しないほうがいいですよ。 233 00:16:53,012 --> 00:16:56,849 (3人)はあ? 春は日が長いし 十分乾くわよ。 234 00:16:56,849 --> 00:16:59,352 このあと 少しだけ雨が降ります。 235 00:16:59,352 --> 00:17:03,155 なんで そう言い切れるの? そういう雲ですし➡ 236 00:17:03,155 --> 00:17:05,324 鳥も低いところを飛んでいます。 237 00:17:05,324 --> 00:17:08,828 大物を洗ってしまうと かえって手間がかかるかと。 238 00:17:08,828 --> 00:17:11,497 フンッ! あんたみたいな 新入りの言うことが➡ 239 00:17:11,497 --> 00:17:15,001 当たるわけないじゃない! もういい。 行きましょ。 240 00:17:15,001 --> 00:17:18,004 (ラウラ)今日は ずっといいお天気に 決まってるわ。 241 00:17:18,004 --> 00:17:24,176 どこか痛むところは? いえ。 ありがとう… ございます。 242 00:17:24,176 --> 00:17:27,647 エルゼといいます。 助けていただいて…。 243 00:17:30,016 --> 00:17:34,186 あっ 汚れてしまいましたね。 244 00:17:34,186 --> 00:17:37,857 せっかく支給していただいたのに。 245 00:17:37,857 --> 00:17:41,027 すぐに洗えば大丈夫ですよ。 えっ? 246 00:17:41,027 --> 00:17:44,697 雨が降るとはいえ その布は乾きやすいですし➡ 247 00:17:44,697 --> 00:17:47,700 泥汚れは糸の奥に入るので➡ 248 00:17:47,700 --> 00:17:50,870 ブラシでたたくように 洗ってみてください。 249 00:17:50,870 --> 00:17:52,838 あなたは…。 250 00:17:55,041 --> 00:17:58,711 さあ 雨が降らないうちに 急がないと! 251 00:17:58,711 --> 00:18:03,082 (雨音) 252 00:18:05,151 --> 00:18:10,656 (鐘の音) 253 00:18:10,656 --> 00:18:14,327 《この世界の すべての国に行ってみること。 254 00:18:14,327 --> 00:18:17,830 それは商人だった頃に抱いた夢。 255 00:18:17,830 --> 00:18:21,834 人生を重ね その夢を果たそうとしたけれど➡ 256 00:18:21,834 --> 00:18:24,003 叶わなかった。 257 00:18:24,003 --> 00:18:28,007 けれど 唯一訪れることが できなかった国に➡ 258 00:18:28,007 --> 00:18:30,476 やっと来ることができたわ!》 259 00:18:38,017 --> 00:18:39,986 あっ。 260 00:18:43,189 --> 00:18:45,191 よろしいのですか? 261 00:18:45,191 --> 00:18:47,693 公務の途中で抜け出して。 262 00:18:47,693 --> 00:18:50,863 まったく お前には 毎度驚かされる。 263 00:18:50,863 --> 00:18:53,032 気配を消していたつもりだが➡ 264 00:18:53,032 --> 00:18:55,868 これだけ距離があっても 気取られるとは。 265 00:18:55,868 --> 00:18:59,372 人が悪いですね。 気配の濃さを調整して➡ 266 00:18:59,372 --> 00:19:03,776 いつ私が感づくかを 測っていらしたくせに。 フンッ。 267 00:19:03,776 --> 00:19:08,280 何を見ていた? 街を。 268 00:19:08,280 --> 00:19:11,283 あそこにある大きな建物は なんでしょう? 269 00:19:11,283 --> 00:19:15,454 図書館だ。 各国から集めた書物が 保管されている。 270 00:19:15,454 --> 00:19:19,792 まあ 各国から? あちらの美しい小塔は? 271 00:19:19,792 --> 00:19:23,295 教会だ。 時計塔の役割も兼ねていて➡ 272 00:19:23,295 --> 00:19:25,297 定刻を告げる鐘を鳴らす。 273 00:19:25,297 --> 00:19:29,802 わあ すてき! あの辺りには 大きな市場があるようですね。 274 00:19:29,802 --> 00:19:32,805 皇都で最も大きな商店通りだ。 275 00:19:32,805 --> 00:19:35,975 屋台も その日 仕入れたばかりの ものを扱っている。 276 00:19:35,975 --> 00:19:40,980 すばらしいです! では殿下 あちらのきれいな… あっ。 277 00:19:40,980 --> 00:19:43,315 な… 何か? 278 00:19:43,315 --> 00:19:46,485 何が それほど 楽しいのかと思ってな。 279 00:19:46,485 --> 00:19:51,157 不本意に嫁がされてきた国に それほど興味が湧くものなのか? 280 00:19:51,157 --> 00:19:55,327 憧れ… だったのです。 281 00:19:55,327 --> 00:19:57,329 憧れ? 282 00:19:57,329 --> 00:20:00,100 ずっと昔から この国に来てみたかった。 283 00:20:00,100 --> 00:20:04,003 結婚を決意した最後の一押しは➡ 284 00:20:04,003 --> 00:20:06,839 この国への憧れが あったからかもしれません。 285 00:20:06,839 --> 00:20:11,010 この国に お前が 憧れるようなものなど何もない。 286 00:20:11,010 --> 00:20:13,012 そんなことはありません。 287 00:20:13,012 --> 00:20:15,014 先ほど 教えていただいただけでも➡ 288 00:20:15,014 --> 00:20:17,016 魅力的な場所が たくさんありました。 289 00:20:17,016 --> 00:20:20,352 街の人たちの顔は キラキラ輝いていましたし➡ 290 00:20:20,352 --> 00:20:22,354 それに… あっ。 291 00:20:22,354 --> 00:20:25,858 私 何か変なこと言ってますか? 292 00:20:25,858 --> 00:20:28,694 お前のような人間は 見たことがない。 293 00:20:28,694 --> 00:20:32,698 発言の内容も 知識も身体能力も➡ 294 00:20:32,698 --> 00:20:35,401 単なる令嬢には 必要ないものだろう。 295 00:20:37,369 --> 00:20:39,371 ⦅リーシェの母:公爵家に 生まれた以上➡ 296 00:20:39,371 --> 00:20:42,374 あなた自身の思いなど 必要ないのです。 297 00:20:42,374 --> 00:20:44,877 でも お母様…。 あなたの幸せとは➡ 298 00:20:44,877 --> 00:20:47,213 王家に嫁いでお世継ぎを産むこと。 299 00:20:47,213 --> 00:20:49,215 私には学びたいことが…。 300 00:20:49,215 --> 00:20:53,219 社交の場を取り繕える知識が あれば それで十分です。 301 00:20:53,219 --> 00:20:57,556 勉学などより花嫁修業を⦆ 302 00:20:57,556 --> 00:21:04,029 他人から見て必要がなかろうと すべてが私の宝物。 303 00:21:04,029 --> 00:21:07,867 絶対になくすことのない 財産であり➡ 304 00:21:07,867 --> 00:21:10,836 大切な人生の一部なのです。 305 00:21:13,706 --> 00:21:17,710 私の人生にとって 価値あるものが何かは➡ 306 00:21:17,710 --> 00:21:19,879 私自身が決めること。 307 00:21:22,381 --> 00:21:24,383 わかっている。 308 00:21:24,383 --> 00:21:26,352 あっ…。 309 00:21:32,558 --> 00:21:36,729 お前は 望むことを自由にやればいい。 310 00:21:36,729 --> 00:21:42,067 俺は その望みを支え 力になり続けると誓おう。 311 00:21:42,067 --> 00:21:44,069 どうして…。 312 00:21:44,069 --> 00:21:47,573 言っただろう。 俺は お前にほれ込んだと。 313 00:21:47,573 --> 00:21:49,909 《相変わらずのうそ…》 314 00:21:49,909 --> 00:21:53,913 それに 俺は お前の底知れない能力を➡ 315 00:21:53,913 --> 00:21:57,249 無意味どころか 心から好ましく感じている。 316 00:21:57,249 --> 00:21:59,251 あっ…。 317 00:21:59,251 --> 00:22:03,622 それくらいは 伝わっていると思ったが。 318 00:22:08,661 --> 00:22:11,997 欲しいものでも考えておけ。 あっ…。 319 00:22:11,997 --> 00:22:17,002 「指一本触れない」という契約を 今度こそ破ってしまったからな。 320 00:22:26,345 --> 00:22:30,349 《ぜんっぜん読めないわ! アルノルト・ハイン。 321 00:22:30,349 --> 00:22:33,052 いったい 何を たくらんでいるの?》