1 00:00:02,002 --> 00:00:05,839 (鐘の音) 2 00:00:05,839 --> 00:00:10,177 (リーシェ)こんばんは。 テオドール殿下。 3 00:00:10,177 --> 00:00:13,514 (テオドール)こんばんは。 麗しの義姉上。 4 00:00:13,514 --> 00:00:18,185 すごいね。 その様子だと 僕だってわかってたんだ? 5 00:00:18,185 --> 00:00:21,855 (リーシェ)お話でしたら 手短にお願いします。 6 00:00:21,855 --> 00:00:27,694 今朝の続きさ。 兄上のことは まだ よく知らないでしょ? 7 00:00:27,694 --> 00:00:32,366 フッフフ だから教えてあげる。 8 00:00:32,366 --> 00:00:37,204 兄上はね 人を殺すことなんて なんとも思ってない。 9 00:00:37,204 --> 00:00:39,206 そういう人間なんだよ。 10 00:00:39,206 --> 00:00:44,544 《私は知っている。 アルノルト・ハインが 各国の王族を惨殺し➡ 11 00:00:44,544 --> 00:00:47,547 世界の国々を 侵略していくことを》 12 00:00:47,547 --> 00:00:51,385 当然 僕は戦時下での話を してるんじゃない。 13 00:00:51,385 --> 00:00:55,389 どういうことでしょうか? フッフフフ。 14 00:00:55,389 --> 00:01:00,494 兄上はね… 自分の母親を殺したんだ。 15 00:01:00,494 --> 00:01:03,497 あっ…。 おぞましい話でしょ? 16 00:01:03,497 --> 00:01:07,834 実の母親を手にかけるなんて まともじゃないよね? 17 00:01:07,834 --> 00:01:11,838 君も いずれ殺される。 18 00:01:11,838 --> 00:01:13,840 それが どうかしましたか? 19 00:01:13,840 --> 00:01:16,510 えっ? 私は➡ 20 00:01:16,510 --> 00:01:21,014 すべて承知のうえで アルノルト殿下に嫁ぎます。 21 00:02:53,373 --> 00:02:56,376 (テオドール)僕の話 ちゃんと聞いてた? 22 00:02:56,376 --> 00:03:00,480 《驚きはしないわ。 いずれ お父君も殺し➡ 23 00:03:00,480 --> 00:03:02,816 皇位をさん奪するような方》 24 00:03:02,816 --> 00:03:06,820 君は何もわかってない! 兄上は血も涙もない人間で…。 25 00:03:06,820 --> 00:03:10,524 お話がおありのようでしたら 続きはご兄弟で。 26 00:03:12,826 --> 00:03:15,829 あっ…。 兄上…。 27 00:03:18,832 --> 00:03:20,834 どうして兄上が…!? 28 00:03:20,834 --> 00:03:24,004 誤解だ! さっき言ったことは 本心じゃない! 29 00:03:24,004 --> 00:03:26,506 全部 誤解だよ! 30 00:03:26,506 --> 00:03:29,176 (アルノルト)テオドール。 あっ…。 31 00:03:29,176 --> 00:03:33,013 (アルノルト)リーシェに近づくなと 命じたはずだが? 32 00:03:33,013 --> 00:03:35,015 あっ…。 33 00:03:37,684 --> 00:03:41,188 ごめんなさい 兄上。 行くぞ リーシェ。 34 00:03:41,188 --> 00:03:45,192 あっ…。 お待ちください 殿下。 今少し弟君とお話を。 35 00:03:45,192 --> 00:03:47,194 必要ない。 ですが…。 36 00:03:47,194 --> 00:03:49,196 リーシェ。 37 00:03:49,196 --> 00:03:52,699 あっ…。 はい。 38 00:03:52,699 --> 00:03:57,370 クッ… フフフ…。 うん? 39 00:03:57,370 --> 00:04:03,810 ああ… やっぱり 僕の思ったとおりだね 義姉上。 40 00:04:03,810 --> 00:04:05,812 あっ…。 41 00:04:05,812 --> 00:04:08,648 本当にごめんなさい 兄上。 42 00:04:08,648 --> 00:04:12,052 大切な奥さんに もう意地悪は言わないから。 43 00:04:14,488 --> 00:04:16,490 (テオドール)おやすみなさい。 44 00:04:16,490 --> 00:04:19,993 久しぶりに近くでお顔を見られて うれしかったよ。 45 00:04:27,167 --> 00:04:29,336 (アルノルト)お前にも言ったはずだ。 46 00:04:29,336 --> 00:04:32,172 アルノルト殿下のお名前で 呼び出された以上➡ 47 00:04:32,172 --> 00:04:34,341 無視するわけにはまいりません。 48 00:04:34,341 --> 00:04:39,179 殿下が来てくださるかは 賭けでしたが。 はぁ…。 49 00:04:39,179 --> 00:04:42,516 (アルノルト)出した覚えのない 手紙の返事を受け取って➡ 50 00:04:42,516 --> 00:04:45,185 のうのうとしていられるほうが どうかしている。 51 00:04:45,185 --> 00:04:48,188 (リーシェ)来てくださって ありがとうございます。 52 00:04:48,188 --> 00:04:51,024 んっ…。 53 00:04:51,024 --> 00:04:53,026 どうした? 54 00:04:53,026 --> 00:04:57,864 あなたは なぜ 「残酷な人」と 言われているのですか? 55 00:04:57,864 --> 00:05:01,134 それが事実だからだろう。 56 00:05:01,134 --> 00:05:05,305 殿下は先の戦争で 多くの命を奪ったそうですが➡ 57 00:05:05,305 --> 00:05:07,641 私が この国で見たあなたは➡ 58 00:05:07,641 --> 00:05:11,978 私を思いやってくださる 優しいお方でした。 59 00:05:11,978 --> 00:05:15,982 どうやら お前に構いすぎたらしいな。 60 00:05:15,982 --> 00:05:18,485 あっ…。 61 00:05:18,485 --> 00:05:20,820 この城で生き延びたければ➡ 62 00:05:20,820 --> 00:05:24,991 その めでたい考えは 今すぐに捨てろ。 63 00:05:24,991 --> 00:05:28,161 私は 私の見てきたものを信じます。 64 00:05:28,161 --> 00:05:31,832 戦場での俺を見てもいないのに 何を言っている? 65 00:05:31,832 --> 00:05:34,334 私に配慮してくださった あなたも➡ 66 00:05:34,334 --> 00:05:36,503 紛れもなく あなたご自身でしょ? 67 00:05:36,503 --> 00:05:38,505 バカバカしい。 68 00:05:38,505 --> 00:05:41,174 俺はお前を利用するために 連れてきたんだぞ。 69 00:05:41,174 --> 00:05:47,013 それでも 私はあなたのことを 残酷なお方だとは思えません。 70 00:05:47,013 --> 00:05:49,015 旦那様…。 71 00:05:51,017 --> 00:05:53,019 んっ…。 72 00:05:57,357 --> 00:06:01,294 お前の中にあるその覚悟は いったい なんなんだ? 73 00:06:01,294 --> 00:06:05,966 覚悟… ですか? お前は時折 そんな目をする。 74 00:06:05,966 --> 00:06:08,802 まるで戦場に立つ者の目だ。 75 00:06:08,802 --> 00:06:13,306 「この信念を貫き通せるなら ここで死んでもかまわない」。 76 00:06:13,306 --> 00:06:16,476 そんな覚悟を決めた者の目を している。 77 00:06:16,476 --> 00:06:19,646 それでいて生を諦めておらず➡ 78 00:06:19,646 --> 00:06:22,315 最期の瞬間まであらがおうとする。 79 00:06:22,315 --> 00:06:26,987 俺は そういう者を 殺さなければならない瞬間が➡ 80 00:06:26,987 --> 00:06:29,656 戦場で最も恐ろしい。 81 00:06:29,656 --> 00:06:33,860 《この人にも 怖いと感じるものが…》 82 00:06:36,329 --> 00:06:41,001 私は 自分が殺されてしまう夢を 見ることがあります。 83 00:06:41,001 --> 00:06:44,838 今は夢から覚め ちゃんと ここで生きている。 84 00:06:44,838 --> 00:06:49,676 でも 時々 とても怖くなるのです。 怖い? 85 00:06:49,676 --> 00:06:52,679 本当は 自分は もう死んでしまっていて➡ 86 00:06:52,679 --> 00:06:55,015 今 生きている世界こそが➡ 87 00:06:55,015 --> 00:06:59,352 死後に見ている 長い夢なのではないかと。 88 00:06:59,352 --> 00:07:03,456 《私の中に こんな感情があったなんて…。 89 00:07:03,456 --> 00:07:06,059 だめ。 怖いからなんだというの?》 90 00:07:08,128 --> 00:07:10,630 それでも 私は決めています。 91 00:07:10,630 --> 00:07:13,800 たとえ この人生が どんな結末になろうとも➡ 92 00:07:13,800 --> 00:07:15,802 逃げたくない。 93 00:07:15,802 --> 00:07:19,806 今の私の中にあるのは あなたの妻として生きる➡ 94 00:07:19,806 --> 00:07:21,808 その覚悟だけ。 95 00:07:23,810 --> 00:07:25,812 フンッ。 96 00:07:25,812 --> 00:07:28,014 あっ…。 97 00:07:30,483 --> 00:07:32,485 あっ…。 98 00:07:32,485 --> 00:07:48,668 ♬~ 99 00:07:48,668 --> 00:07:51,671 バカだな。 100 00:07:51,671 --> 00:07:55,875 俺の妻になる覚悟など しなくていい。 101 00:08:05,785 --> 00:08:08,988 (さえずり) 102 00:08:26,639 --> 00:08:30,143 あっ。 《なんだったの? 昨日のあれは》 103 00:08:30,143 --> 00:08:32,145 はぁ…。 104 00:08:32,145 --> 00:08:34,814 《それに…》 105 00:08:34,814 --> 00:08:39,486 ⦅俺の妻になる覚悟など しなくていい⦆ 106 00:08:39,486 --> 00:08:42,288 《あの言葉 どういう…》 107 00:08:44,657 --> 00:08:48,495 (エルゼ)リーシェ様 昨夜もお休みに ならなかったのですか? 108 00:08:48,495 --> 00:08:51,998 エルゼ。 ここ数日 無理しすぎです。 109 00:08:51,998 --> 00:08:54,501 大丈夫 心配ないわ。 110 00:08:54,501 --> 00:08:58,671 《とはいったものの さすがに限界ね》 111 00:08:58,671 --> 00:09:01,574 あっ…。 うん? 112 00:09:04,611 --> 00:09:08,114 キラキラ ツヤツヤ…。 113 00:09:08,114 --> 00:09:11,618 フフッ。 タリー会長に提案する商品よ。 114 00:09:11,618 --> 00:09:16,456 ちょうどよかったわ。 そこに座ってくれる? 115 00:09:16,456 --> 00:09:21,127 東方には 花の染料で 爪に色を塗る文化があってね➡ 116 00:09:21,127 --> 00:09:25,632 それをヒントにして 爪の補強薬に色をつけてみたの。 117 00:09:25,632 --> 00:09:29,969 これなら 水仕事をしながらでも おしゃれを楽しめると思って。 118 00:09:29,969 --> 00:09:35,308 爪が強くなるのですか? 私は すぐに割れてしまうのです。 119 00:09:35,308 --> 00:09:37,811 これで割れにくくなるはずよ。 120 00:09:37,811 --> 00:09:41,648 でも いちばんは お肉やお魚を食べることね。 121 00:09:41,648 --> 00:09:43,983 肉 魚…。 122 00:09:43,983 --> 00:09:48,655 覚えました。 これからは お給料で食べられます。 123 00:09:48,655 --> 00:09:53,493 エルゼのおうちは たしか…。 はい。 うちは貧しくて➡ 124 00:09:53,493 --> 00:09:57,330 弟と妹に食べさせるだけで 精いっぱいで。 125 00:09:57,330 --> 00:10:02,168 《この国にも 根深い貧困問題がある。 126 00:10:02,168 --> 00:10:05,872 エルゼのような家庭も存在している》 127 00:10:13,012 --> 00:10:15,682 とても きれいです。 128 00:10:15,682 --> 00:10:19,352 こんなキラキラしたの 見たことがありません。 129 00:10:19,352 --> 00:10:23,356 エルゼの好きな色はある? プレゼントしたいの。 130 00:10:23,356 --> 00:10:25,525 だ… だめです。 131 00:10:25,525 --> 00:10:28,528 こんなにすてきなものを もらってしまうなんて…。 132 00:10:28,528 --> 00:10:31,865 我慢しなくてはいけないと… 思います。 133 00:10:31,865 --> 00:10:36,169 いいえ。 エルゼに使ってもらえるなら 私も うれしいわ。 134 00:10:38,204 --> 00:10:40,206 何色がいい? 135 00:10:40,206 --> 00:10:44,544 エルゼなら どんな色でも よく似合うわ。 ねっ? 136 00:10:44,544 --> 00:10:46,546 ハッ…。 137 00:10:50,216 --> 00:10:53,052 エルゼ? 138 00:10:53,052 --> 00:10:56,656 えっ? ど… どうしたの? どこか痛かった!? 139 00:10:58,725 --> 00:11:01,661 うれしい… です。 あっ…。 140 00:11:01,661 --> 00:11:04,497 どんなふうに お礼を言ったらいいか➡ 141 00:11:04,497 --> 00:11:06,833 わからないくらいに➡ 142 00:11:06,833 --> 00:11:11,838 とても… うれしい…。 143 00:11:11,838 --> 00:11:14,007 エルゼ…。 144 00:11:14,007 --> 00:11:16,342 (泣き声) 145 00:11:16,342 --> 00:11:20,179 (エルゼ)うちは貧しくて 服もボロボロで➡ 146 00:11:20,179 --> 00:11:23,183 オシャレなんてできませんでした。 147 00:11:23,183 --> 00:11:27,353 それなのに リーシェ様の侍女に なれただけじゃなくて➡ 148 00:11:27,353 --> 00:11:30,690 こんなきれいなものを 頂けるなんて➡ 149 00:11:30,690 --> 00:11:34,193 とても うれしくて…。 150 00:11:34,193 --> 00:11:36,529 ふぅ…。 (侍女たちのはしゃぐ声) 151 00:11:36,529 --> 00:11:38,531 うん? (侍女たちのはしゃぐ声) 152 00:11:38,531 --> 00:11:42,368 (侍女たちのはしゃぐ声) 153 00:11:42,368 --> 00:11:46,539 《エルゼが そうだったように この国にも 家族のために➡ 154 00:11:46,539 --> 00:11:49,542 憧れや夢を 押し込めている子たちがいる》 155 00:11:49,542 --> 00:11:51,544 あっ。 156 00:11:51,544 --> 00:11:56,716 《そう… 今の私は商人じゃない。 157 00:11:56,716 --> 00:11:59,218 今の私は》 158 00:12:06,659 --> 00:12:11,164 (リーシェ)都に出入りするほとんどは 働き盛りの男性。 159 00:12:11,164 --> 00:12:13,833 ですから お土産として最適かと。 160 00:12:13,833 --> 00:12:16,135 この小瓶も かさばりません。 161 00:12:20,673 --> 00:12:22,675 (タリー)フフッ。 162 00:12:22,675 --> 00:12:24,677 すばらしい! 163 00:12:24,677 --> 00:12:28,014 いったい どんな天才が ひらめいた品なのか。 164 00:12:28,014 --> 00:12:31,017 多くの女性が欲しがるのは 間違いない。 165 00:12:31,017 --> 00:12:34,020 ぜひとも 我が商会に お任せいただきたく。 166 00:12:34,020 --> 00:12:36,689 (チェスター)よし! 早速 取引先に売り込もうぜ! 167 00:12:36,689 --> 00:12:38,691 まあ 待て。 (2人)えっ? 168 00:12:38,691 --> 00:12:41,861 このまま我々に 預けていただけるのであれば➡ 169 00:12:41,861 --> 00:12:45,865 貴族向けの高額商品として 売り出しますが➡ 170 00:12:45,865 --> 00:12:51,371 どうやらリーシェ様には 別のお考えがあるようだ。 171 00:12:51,371 --> 00:12:55,208 はい。 ここからは 事業についてのお話です。 172 00:12:55,208 --> 00:12:57,210 フンッ。 173 00:12:57,210 --> 00:13:00,480 3年前 この国には アルノルト殿下によって➡ 174 00:13:00,480 --> 00:13:02,815 最低賃金が制定されました。 175 00:13:02,815 --> 00:13:06,986 なるほど。 皇太子殿下の政策でしたか。 176 00:13:06,986 --> 00:13:10,323 ただし その恩恵にあずかれるのは➡ 177 00:13:10,323 --> 00:13:13,993 働き口を得られた者に限る… と。 178 00:13:13,993 --> 00:13:16,663 はい。 そして この商品➡ 179 00:13:16,663 --> 00:13:20,333 原価は安く 工程も難しくはありませんが➡ 180 00:13:20,333 --> 00:13:23,336 大量生産には人手が必要です。 181 00:13:23,336 --> 00:13:27,674 そこで ご提案が。 お聞かせ願いましょう。 182 00:13:27,674 --> 00:13:31,344 貧民街の方々の大量雇用。 183 00:13:31,344 --> 00:13:33,346 あっ…。 (カミル)あっ…。 184 00:13:33,346 --> 00:13:36,683 これを お約束いただける場合にのみ➡ 185 00:13:36,683 --> 00:13:42,088 この商品の技術を提供します。 たいへんすばらしいお考えです。 186 00:13:44,023 --> 00:13:48,027 しかし…。 んっ…。 187 00:13:48,027 --> 00:13:51,197 はぁ…。 188 00:13:51,197 --> 00:13:54,534 あんたにはガッカリだよ リーシェ嬢。 189 00:13:54,534 --> 00:13:57,370 ケイン・タリー! なんという無礼か! 190 00:13:57,370 --> 00:13:59,372 かまいません。 あっ…。 191 00:13:59,372 --> 00:14:01,307 施しをしたいなら➡ 192 00:14:01,307 --> 00:14:04,811 俺が聖職者に転職するまで どうぞお待ちを。 193 00:14:04,811 --> 00:14:09,649 会長 これは商いのお話です。 うん? 194 00:14:09,649 --> 00:14:11,818 ガルクハイン国は戦後➡ 195 00:14:11,818 --> 00:14:14,987 国民のために いくつもの政策を 立ち上げました。 196 00:14:14,987 --> 00:14:17,990 (タリー)おかげで 多くの人々の所得が上がり➡ 197 00:14:17,990 --> 00:14:20,159 生活が豊かになったとか。 198 00:14:20,159 --> 00:14:24,831 はい。 ですが 恩恵にあずかれない 人々もいます。 199 00:14:24,831 --> 00:14:29,335 その方々にも手だてを 講じなければ経済は停滞し➡ 200 00:14:29,335 --> 00:14:32,839 ゆくゆくは 税収の低下に つながるでしょう。 201 00:14:32,839 --> 00:14:37,844 つまり 私たちは 経済という循環の輪の中にいる➡ 202 00:14:37,844 --> 00:14:40,513 運命共同体なのです。 フンッ。 203 00:14:40,513 --> 00:14:43,015 要は こう言いたいってことだろ? 204 00:14:43,015 --> 00:14:47,019 「財を 一つ所にとどめていても 豊かにはなれません。 205 00:14:47,019 --> 00:14:51,023 なれば 貧しい人にも 分け与えましょう」ってな。 206 00:14:51,023 --> 00:14:56,195 昔 ある人が言っていました。 207 00:14:56,195 --> 00:15:00,967 「一流の商人は客を選べる」と。 208 00:15:00,967 --> 00:15:03,970 あっ…。 ですが 会長…。 209 00:15:05,972 --> 00:15:11,477 お客様を選ぶのではなく 我々の手で作り出しませんか? 210 00:15:11,477 --> 00:15:13,479 んっ…。 211 00:15:16,983 --> 00:15:20,319 フッフフフ… ハハハハハハ! 212 00:15:20,319 --> 00:15:22,655 なるほど! 気に入った! 213 00:15:22,655 --> 00:15:27,827 つまり 「客を選ぶな 客へと育てろ」ってことか。 214 00:15:27,827 --> 00:15:30,329 どういうこった? 215 00:15:30,329 --> 00:15:33,499 (タリー)貧民街のヤツらが 収入を得られれば➡ 216 00:15:33,499 --> 00:15:35,501 そいつらが顧客になる。 217 00:15:35,501 --> 00:15:39,672 その数が増えれば 結果 商人の売り上げも上がる。 218 00:15:39,672 --> 00:15:41,674 そういう魂胆だな? 219 00:15:41,674 --> 00:15:44,844 商会の品は どれも すばらしいものです。 220 00:15:44,844 --> 00:15:48,347 お客様が育った市場で いちばんのもうけを出すのは➡ 221 00:15:48,347 --> 00:15:50,850 アリア商会になりますよ。 222 00:15:50,850 --> 00:15:56,022 《食べていけるだけではなく 夢を捨てずに生きられる。 223 00:15:56,022 --> 00:16:01,127 貧困からくる絶望も 希望に変えられる国に。 224 00:16:01,127 --> 00:16:03,462 今の私が行うべきは➡ 225 00:16:03,462 --> 00:16:09,135 皇太子妃として 国民の豊かさにつながる商い》 226 00:16:09,135 --> 00:16:13,639 これが 今の私にできる 数少ない提案です。 227 00:16:13,639 --> 00:16:17,643 悪くないぜ? 俺の信念が 見透かされたみたいで➡ 228 00:16:17,643 --> 00:16:20,480 なかなかに楽しかった。 229 00:16:20,480 --> 00:16:24,150 だが リーシェ嬢 あんたは未熟だな。 230 00:16:24,150 --> 00:16:27,653 んっ…。 その振る舞いは切実すぎる。 231 00:16:27,653 --> 00:16:30,490 よっぽど うちの商会が 欲しいらしい。 232 00:16:30,490 --> 00:16:32,992 俺は そのご執心を利用して➡ 233 00:16:32,992 --> 00:16:37,330 ギリギリまで搾り取ろうと たくらみ始めたところだ。 234 00:16:37,330 --> 00:16:39,332 会長 これ以上は…。 235 00:16:39,332 --> 00:16:44,003 さて あんたの提案に どこから難癖つけてやろうか。 236 00:16:44,003 --> 00:16:46,005 私ごときの提案を➡ 237 00:16:46,005 --> 00:16:49,008 手放しで認めてくださるとは 思っていません。 238 00:16:49,008 --> 00:16:52,178 ほう~。 数回しか 会ったことがねえのに➡ 239 00:16:52,178 --> 00:16:55,348 俺のことをよくわかってくれて うれしいねぇ。 240 00:16:55,348 --> 00:17:00,653 《できることなら この手は 使いたくなかったけれど…》 241 00:17:03,122 --> 00:17:07,126 おっと! 次は何が飛び出してくるのか…。 242 00:17:07,126 --> 00:17:09,128 なっ…。 243 00:17:11,797 --> 00:17:13,799 (メルヴィン)会長? 244 00:17:13,799 --> 00:17:15,801 あっ…。 245 00:17:15,801 --> 00:17:21,140 なんで… なんで あんたが このことを? 246 00:17:21,140 --> 00:17:25,478 申し訳ありません。 少々 特殊な手段を使い➡ 247 00:17:25,478 --> 00:17:27,813 調べさせていただきました。 248 00:17:27,813 --> 00:17:33,019 (リーシェ)妹君… アリア・タリー様の ご病気のことも。 249 00:17:34,987 --> 00:17:39,492 アリアのことは 情報が漏れていても おかしくない。 250 00:17:39,492 --> 00:17:43,663 あちこちの医者に 話を聞いて回っているからな。 251 00:17:43,663 --> 00:17:48,501 (リーシェ)私は現在 複数の薬草を栽培しています。 252 00:17:48,501 --> 00:17:52,171 その薬草を そこに書いた方法で 調合することで➡ 253 00:17:52,171 --> 00:17:57,176 東の大国 レンファに伝わる薬が 完成します。 254 00:17:57,176 --> 00:18:00,780 アリア様の病に効能がある薬が。 255 00:18:00,780 --> 00:18:02,782 あっ…。 256 00:18:02,782 --> 00:18:05,785 この薬を 1年ほど服用いただければ➡ 257 00:18:05,785 --> 00:18:08,788 劇的に回復なさるはずです。 258 00:18:08,788 --> 00:18:10,957 信じられるとでも? 259 00:18:10,957 --> 00:18:13,125 医者でもない人間に そんなことを言われ…。 260 00:18:13,125 --> 00:18:15,962 先日 お渡しした薬は 皆様のお役に➡ 261 00:18:15,962 --> 00:18:18,130 立ちませんでしたか? あっ…。 262 00:18:18,130 --> 00:18:20,132 ⦅皆さんが起きたら➡ 263 00:18:20,132 --> 00:18:22,635 この薬を 飲ませてあげてください⦆ 264 00:18:22,635 --> 00:18:25,805 確かに ひどい二日酔いだったのに➡ 265 00:18:25,805 --> 00:18:28,307 あれを飲んだら すぐ楽になって…。 266 00:18:28,307 --> 00:18:31,611 あれは私が調合したものです。 (チェスター/メルヴィン)なっ…。 267 00:18:33,813 --> 00:18:36,315 はぁ…。 268 00:18:36,315 --> 00:18:39,318 「客に選ばれる商人になれ」。 269 00:18:39,318 --> 00:18:43,990 これは 俺が自分の部下に 言い聞かせている言葉だ。 270 00:18:43,990 --> 00:18:48,160 形勢逆転だよ リーシェ嬢。 271 00:18:48,160 --> 00:18:52,665 これまでは 俺が あんたを 選ぶかどうかの駆け引きだった。 272 00:18:52,665 --> 00:18:58,070 だが今は あんたが俺を選ぶ側だ。 会長…。 273 00:18:59,939 --> 00:19:04,276 頼む。 俺の全財産を あんたにささげてもいい。 274 00:19:04,276 --> 00:19:06,445 だから俺に この薬を…。 275 00:19:06,445 --> 00:19:09,448 どうか 誤解をなさらないでください。 276 00:19:09,448 --> 00:19:13,953 調合法も薬草も 無条件でお渡しします。 あっ…。 277 00:19:13,953 --> 00:19:16,956 妹君を盾に取るつもりは ありません。 278 00:19:16,956 --> 00:19:20,626 ですが わかっていただきたいのです。 279 00:19:20,626 --> 00:19:26,132 貧民街の方々も 家族のことを 思い合っているということを。 280 00:19:26,132 --> 00:19:30,636 幼い弟妹が病にかからないよう 食べさせられるよう➡ 281 00:19:30,636 --> 00:19:36,142 自分の夢を犠牲にしている 兄や姉が大勢いるということを。 282 00:19:36,142 --> 00:19:38,144 あなたへの提案も➡ 283 00:19:38,144 --> 00:19:41,981 このような拙い方法しか 持ち合わせていません。 284 00:19:41,981 --> 00:19:46,652 形勢が逆転したなどとも 思っておりません。 285 00:19:46,652 --> 00:19:52,324 どうかお願いです タリー会長。 あっ…。 286 00:19:52,324 --> 00:19:57,029 私と 取り引きを交わしては いただけないでしょうか。 287 00:20:13,012 --> 00:20:15,848 お顔をお上げください リーシェ様。 (ざわめき) 288 00:20:15,848 --> 00:20:18,517 タリー会長! おやめください! 289 00:20:18,517 --> 00:20:23,689 商いとは 関わった人すべてを 豊かにする仕事です。 290 00:20:23,689 --> 00:20:26,525 なのに客を選ぶなどと…。 291 00:20:26,525 --> 00:20:28,694 俺のほうこそ未熟でした。 292 00:20:28,694 --> 00:20:31,363 これまで貧民街の人間なんて➡ 293 00:20:31,363 --> 00:20:35,201 俺にとっては どうでもよかった ってのが本音だ。 294 00:20:35,201 --> 00:20:40,372 しかし そこには俺の妹のような 子どもたちも大勢いる。 295 00:20:40,372 --> 00:20:45,044 あなたの商いは 俺みたいな人間が 考える商売よりも➡ 296 00:20:45,044 --> 00:20:49,215 はるかに尊ばれるべきものです。 297 00:20:49,215 --> 00:20:54,720 妹の件とは無関係に 俺は 俺の傲慢さを恥じましょう。 298 00:20:54,720 --> 00:20:57,123 あっ…。 では 会長…。 299 00:21:01,327 --> 00:21:05,831 アリア商会は今後 ケイン・タリーの名のもとに➡ 300 00:21:05,831 --> 00:21:09,034 あなたの望むものを ご用意いたします。 301 00:21:11,003 --> 00:21:13,506 ありがとう… ございます。 302 00:21:18,177 --> 00:21:21,180 はぁ…。 303 00:21:21,180 --> 00:21:25,851 《綱渡りだったけど 本当によかった。 304 00:21:25,851 --> 00:21:30,856 でも 喜んでばかりも いられないわ。 次の準備を…》 305 00:21:30,856 --> 00:21:33,692 (2人)あっ。 (倒れる音) 306 00:21:33,692 --> 00:21:35,694 リーシェ様! 大丈夫ですか!? 307 00:21:35,694 --> 00:21:39,198 もしや お体の具合が…。 ごめんなさい。 308 00:21:42,201 --> 00:21:45,538 エルゼを呼び戻していただけますか? 309 00:21:45,538 --> 00:21:47,873 (2人)は… はい! 310 00:21:47,873 --> 00:21:52,711 (オリヴァー)リーシェ様のご様子は? (デニス)かなり体調が悪そうです。 311 00:21:52,711 --> 00:21:55,714 現在は カミルと侍女のエルゼが介抱を。 312 00:21:55,714 --> 00:21:58,717 (オリヴァー)リーシェ様! 313 00:21:58,717 --> 00:22:00,719 あっ…。 314 00:22:08,828 --> 00:22:12,498 (鼻歌) 315 00:22:12,498 --> 00:22:14,500 お待ちしておりました。 316 00:22:14,500 --> 00:22:19,505 フッフフ 体調を崩して倒れるなんて 好都合だ。 317 00:22:19,505 --> 00:22:21,507 ありがとうね。 318 00:22:21,507 --> 00:22:25,678 エルゼ カミル。 319 00:22:25,678 --> 00:22:27,680 フッフフ。 320 00:22:27,680 --> 00:22:31,684 (テオドール)未来の皇太子妃様を さらってくれて。