1 00:00:06,006 --> 00:00:08,809 (リーシェ)あっ…。 (扉の開く音) 2 00:00:11,345 --> 00:00:13,514 (テオドール)やあ 義姉上。 3 00:00:13,514 --> 00:00:16,016 気分はどう? 4 00:00:16,016 --> 00:00:18,352 (テオドール)かわいがっていた侍女に さらわれるなんて➡ 5 00:00:18,352 --> 00:00:20,854 かわいそうに。 6 00:00:20,854 --> 00:00:24,358 (リーシェ)なぜ このような…。 7 00:00:24,358 --> 00:00:27,861 もちろん兄上を怒らせるためだよ。 8 00:00:27,861 --> 00:00:30,030 フッフフ。 今まで➡ 9 00:00:30,030 --> 00:00:32,366 相手にしてくれなかった兄上が➡ 10 00:00:32,366 --> 00:00:34,368 君に接触したときだけは➡ 11 00:00:34,368 --> 00:00:36,370 僕を見てくれた。 12 00:00:36,370 --> 00:00:38,372 兄上が怒っている間は➡ 13 00:00:38,372 --> 00:00:40,874 感情が僕に向いているんだ。 14 00:00:40,874 --> 00:00:45,879 そう思うと心底ホッとする。 ハッ… ハハハハ…。 15 00:00:45,879 --> 00:00:49,383 殿下は兄君と 仲よくしたいのですね。 16 00:00:49,383 --> 00:00:51,885 はぁ? 17 00:00:51,885 --> 00:00:54,888 くだらない。 18 00:00:54,888 --> 00:00:57,891 僕は兄上と遊んでくるから➡ 19 00:00:57,891 --> 00:01:00,193 せいぜい おとなしくしてなよ。 20 00:01:07,167 --> 00:01:09,503 (扉の閉まる音) 21 00:01:09,503 --> 00:01:12,673 ⦅エルゼ:リーシェ様! 大丈夫ですか!? 22 00:01:12,673 --> 00:01:14,675 安心してください。 23 00:01:14,675 --> 00:01:19,513 何があっても 絶対に あなたをお守りします。 絶対に。 24 00:01:19,513 --> 00:01:21,815 (カミル)自分も リーシェ様をお助けします! 25 00:01:23,850 --> 00:01:28,021 2人は テオドール殿下に 何かを 命じられているのでしょう? 26 00:01:28,021 --> 00:01:31,525 (2人)あっ…。 どうして それを…? 27 00:01:31,525 --> 00:01:35,696 (リーシェ)先日の テオドール殿下からのお手紙➡ 28 00:01:35,696 --> 00:01:38,365 あれは エルゼね。 あっ…。 29 00:01:38,365 --> 00:01:42,536 あなたは侍女で ただ一人 貧民街の出身。 30 00:01:42,536 --> 00:01:44,705 カミルさん あなたも。 31 00:01:44,705 --> 00:01:47,708 あっ…。 テオドール殿下は長年➡ 32 00:01:47,708 --> 00:01:51,411 貧民街へ個人的なご支援を なさっていた。 33 00:01:53,714 --> 00:01:57,551 リーシェ様を監禁するよう 命じられております。 34 00:01:57,551 --> 00:02:01,154 ただし 危害を加えてはならないと。 35 00:02:01,154 --> 00:02:04,992 そう。 詳細は あとで聞くわ。 36 00:02:04,992 --> 00:02:08,829 とりあえず行きましょう。 (カミル)行く… とは? 37 00:02:08,829 --> 00:02:14,668 もちろん テオドール殿下の お言いつけどおり 監禁されに。 38 00:02:14,668 --> 00:02:16,670 (2人)えっ?⦆ 39 00:02:21,341 --> 00:02:23,343 はぁ…。 40 00:02:30,183 --> 00:02:33,020 (テオドール)フッフフ うれしいなぁ。 41 00:02:33,020 --> 00:02:35,188 兄上が わざわざ こんなところまで➡ 42 00:02:35,188 --> 00:02:37,190 来てくれるなんて。 43 00:02:37,190 --> 00:02:41,028 兄上と こんなふうに話すのは 何年ぶりだろう? 44 00:02:41,028 --> 00:02:43,030 いや 初めてか! 45 00:02:43,030 --> 00:02:46,633 アハハハハハ… アハハハハ…。 46 00:02:48,702 --> 00:02:52,372 彼女のためなら 僕なんかの 言うことでも聞くんだね。 47 00:02:52,372 --> 00:02:55,709 (アルノルト)さっさと本題に入れ。 48 00:02:55,709 --> 00:03:00,480 僕が望むのは 次期皇帝の座だよ。 49 00:03:00,480 --> 00:03:05,318 義姉上を返してほしかったら 皇位継承権を放棄して。 50 00:03:05,318 --> 00:03:08,989 応じないなら 彼女に何があっても知らないよ? 51 00:03:08,989 --> 00:03:11,792 そんなことになったら 嫌でしょ? 52 00:03:13,827 --> 00:03:17,164 平気な顔してるけど 心配なんだよね? 53 00:03:17,164 --> 00:03:19,332 気が気じゃないんだよね? 54 00:03:19,332 --> 00:03:22,669 それくらい兄上にとって 大切なんだよね? 55 00:03:22,669 --> 00:03:26,506 あの子を大事にして あの子に関心を持って➡ 56 00:03:26,506 --> 00:03:29,009 あの子を そばに置きたいと思ってる! 57 00:03:29,009 --> 00:03:32,012 顔も見たくないような 僕よりずっと! 58 00:03:34,014 --> 00:03:38,018 そのくらいわかるよ。 だって…。 59 00:03:38,018 --> 00:03:41,822 僕は兄上を ずっと見てきたんだから。 60 00:03:43,857 --> 00:03:46,693 ねぇ 言ってよ 兄上。 61 00:03:46,693 --> 00:03:52,032 「お前の勝ちだ」って。 「今回は俺の負けだ」って。 62 00:03:52,032 --> 00:03:54,534 それだけで僕の人生は➡ 63 00:03:54,534 --> 00:03:56,837 満たされる。 64 00:04:00,140 --> 00:04:02,142 テオドール。 あっ…。 65 00:04:02,142 --> 00:04:06,813 あいつを監禁したと言っていたが ろう獄にでも閉じ込めたのか? 66 00:04:06,813 --> 00:04:10,484 はぁ? ろう獄も同然の部屋だよ。 67 00:04:10,484 --> 00:04:14,988 もちろん 鍵付きのね。 鍵か。 それから? 68 00:04:14,988 --> 00:04:18,158 荒っぽい連中が 外で見張ってるよ。 69 00:04:18,158 --> 00:04:21,995 上層階の部屋だから 窓からも逃げられないしね。 70 00:04:21,995 --> 00:04:27,167 ほう。 窓まであるとはな。 何が言いたいのさ? 71 00:04:27,167 --> 00:04:29,503 この条件で 逃げられるわけないだろ! 72 00:04:29,503 --> 00:04:31,505 普通ならな。 73 00:04:31,505 --> 00:04:35,008 言っておくけど 僕が出す指示一つで➡ 74 00:04:35,008 --> 00:04:37,844 義姉上は簡単に傷つくんだよ。 75 00:04:37,844 --> 00:04:40,847 愚弟が。 76 00:04:40,847 --> 00:04:43,850 お前に勝ちの目は 一つもない。 77 00:04:43,850 --> 00:04:47,521 あれを捕らえたと そう思った時点でな。 78 00:04:47,521 --> 00:04:51,191 はぁ? さっきから 兄上らしくもない。 79 00:04:51,191 --> 00:04:53,193 言いたいことがあるなら はっきりと…。 80 00:04:53,193 --> 00:04:56,530 そら 来るぞ。 だから何を…。 81 00:04:56,530 --> 00:04:58,532 あっ…。 (足音) 82 00:05:04,805 --> 00:05:06,807 (テオドール)うそだ…。 83 00:05:08,808 --> 00:05:12,813 決着をつけに参りました。 テオドール殿下。 84 00:05:14,981 --> 00:05:17,317 そんなバカな…。 85 00:05:17,317 --> 00:05:20,820 ろう獄も同然の場所に 監禁されたそうだが➡ 86 00:05:20,820 --> 00:05:25,492 窓から出たのか? それとも壁に穴でも開けたか? 87 00:05:25,492 --> 00:05:28,829 なっ…。 普通に扉から出ましたよ! 88 00:05:28,829 --> 00:05:33,333 ハッ… 見張りもいる鍵付きの扉から 普通にか? 89 00:05:33,333 --> 00:05:36,503 いったい どうやって…。 誰かが裏切ったのか!? 90 00:05:36,503 --> 00:05:38,505 テオドール殿下。 んっ…。 91 00:05:38,505 --> 00:05:41,341 恐れながら進言いたします。 92 00:05:41,341 --> 00:05:43,343 進言? 93 00:05:43,343 --> 00:05:46,179 まず1つ目に➡ 94 00:05:46,179 --> 00:05:48,849 捕らえた捕虜からは➡ 95 00:05:48,849 --> 00:05:52,352 くれぐれも 目を離してはなりません。 96 00:05:52,352 --> 00:05:55,522 たとえ鍵付きの部屋に 閉じ込めようとも➡ 97 00:05:55,522 --> 00:05:58,191 一人きりにするなど論外です。 98 00:05:58,191 --> 00:06:00,126 必ず同室内に➡ 99 00:06:00,126 --> 00:06:04,297 2名以上の見張りを 置きましょう。 100 00:06:04,297 --> 00:06:06,299 んっ…。 101 00:06:06,299 --> 00:06:08,301 続いて2つ目。 102 00:06:08,301 --> 00:06:12,806 身体検査は 必ず複数人で行うこと。 103 00:06:12,806 --> 00:06:17,644 服など着せたままにせず 全裸にでもなさるのが最適です。 104 00:06:17,644 --> 00:06:21,047 武器や脱走用の道具を 隠せなくなりますから。 105 00:06:23,650 --> 00:06:25,819 そして3つ目。 106 00:06:25,819 --> 00:06:28,655 後ろ手にして 手かせをはめたあと➡ 107 00:06:28,655 --> 00:06:31,992 柱や寝具などに 縛りつけるのが いちばん。 108 00:06:31,992 --> 00:06:34,661 ですが まだ なまぬるい。 109 00:06:34,661 --> 00:06:38,865 いちばん やるべきことが なんなのか おわかりですか? 110 00:06:40,834 --> 00:06:44,004 (リーシェ)両手両足の骨を折るのです。 111 00:06:44,004 --> 00:06:47,340 あっ…。 折った手足を拘束し➡ 112 00:06:47,340 --> 00:06:51,011 持ち物を奪って集団で見張る。 113 00:06:51,011 --> 00:06:56,182 敵を捕らえるというのは そういうことです。 114 00:06:56,182 --> 00:06:58,685 うっ…。 ハッ…。 115 00:06:58,685 --> 00:07:01,955 あっ。 (アルノルト)自分を捕らえた人間に➡ 116 00:07:01,955 --> 00:07:06,126 指南してどうする? 殿下!? 私は大丈夫ですから。 117 00:07:06,126 --> 00:07:09,963 いい。 お前が着ていろ。 ですが お首の…。 118 00:07:09,963 --> 00:07:14,134 あっ…。 《なんだ? あの傷。 119 00:07:14,134 --> 00:07:16,336 僕の知らない…》 120 00:07:18,972 --> 00:07:21,775 《やっぱり 僕じゃだめなんだ…》 121 00:07:23,810 --> 00:07:25,812 テオドール殿下。 あっ…。 122 00:07:25,812 --> 00:07:29,015 答えてください。 あなたの目的は なんですか? 123 00:07:30,984 --> 00:07:33,320 次期皇帝の座だよ。 124 00:07:33,320 --> 00:07:37,657 継承権を持つ者が争う理由なんて 他にないでしょ? 125 00:07:37,657 --> 00:07:41,995 私には そうは思えません。 むしろ その逆。 126 00:07:41,995 --> 00:07:43,997 んっ…。 127 00:07:43,997 --> 00:07:45,999 あなたの目的は➡ 128 00:07:45,999 --> 00:07:50,170 皇位継承権を捨てること ではないですか? 129 00:07:50,170 --> 00:07:52,505 な… 何を言って…。 130 00:07:52,505 --> 00:07:56,343 あなたが なぜ私を狙ったのか わかりませんでした。 131 00:07:56,343 --> 00:07:59,846 言っただろ! 兄上を苦しめるためだって! 132 00:07:59,846 --> 00:08:03,783 婚約者一人守れなかったと あっては 面目は丸潰れさ! 133 00:08:03,783 --> 00:08:07,120 私ごときを盾に 皇位を奪えるなんて➡ 134 00:08:07,120 --> 00:08:10,790 本気で思ったわけでは ありませんよね? 135 00:08:10,790 --> 00:08:13,293 この誘拐劇を演じたのも➡ 136 00:08:13,293 --> 00:08:17,630 騒ぎを起こすことで 大罪人の 汚名をかぶろうとされたのでは? 137 00:08:17,630 --> 00:08:19,966 違う…。 138 00:08:19,966 --> 00:08:22,302 あなたは ある時期を境に➡ 139 00:08:22,302 --> 00:08:26,806 貧民街への公的な活動を おやめになってますね? 140 00:08:26,806 --> 00:08:29,309 くだらない奉仕活動に 飽きたんだよ。 141 00:08:29,309 --> 00:08:31,311 それは うそです。 142 00:08:31,311 --> 00:08:35,982 (リーシェ)ごく最近も 貧民街に 支援をなさっていますよね? 143 00:08:35,982 --> 00:08:41,654 公費が動いた形跡はなかったので 私財を投じられたのでしょう。 144 00:08:41,654 --> 00:08:47,327 あなたは貧民街の人々のために 誰よりも心を砕き➡ 145 00:08:47,327 --> 00:08:50,163 親身に 寄り添っていらっしゃいますね。 146 00:08:50,163 --> 00:08:54,167 でも あえて ご公務を放棄なさっている。 147 00:08:54,167 --> 00:08:57,837 僕は ただ 兄上に勝ちたいんだ。 148 00:08:57,837 --> 00:09:01,775 だとすれば アルノルト殿下を 直接狙ったはずです。 149 00:09:01,775 --> 00:09:05,278 違う! でも それはできなかった。 150 00:09:05,278 --> 00:09:08,281 なぜなら あなたの行動は すべて兄君のために…。 151 00:09:08,281 --> 00:09:11,618 違う! 違う 違う 違う 違う! 152 00:09:11,618 --> 00:09:14,788 ああ もう! 何を言っているんだよ 君は! 153 00:09:14,788 --> 00:09:19,626 僕は兄上に 疎まれて 嫌われて 排除されたい! 154 00:09:19,626 --> 00:09:24,297 受け入れられないくらいなら いっそ殺されたほうがマシだ! 155 00:09:24,297 --> 00:09:26,299 もういい。 そこまでだ。 156 00:09:26,299 --> 00:09:28,301 アルノルト殿下。 157 00:09:28,301 --> 00:09:31,805 言っただろう リーシェ。 そいつに関わるなと。 158 00:09:31,805 --> 00:09:34,808 お待ちください。 弟君の本当のお気持ちを…。 159 00:09:34,808 --> 00:09:37,977 そんなものは どうでもいい。 あっ…。 160 00:09:37,977 --> 00:09:40,647 こいつの望みが なんであろうとも➡ 161 00:09:40,647 --> 00:09:42,649 俺には関係ないことだ。 162 00:09:44,651 --> 00:09:48,354 わかりきってたじゃないか そんなこと…。 163 00:09:50,323 --> 00:09:52,492 あっ。 テオドール殿下! 164 00:09:52,492 --> 00:09:54,994 放っておけ。 あっ…。 165 00:09:54,994 --> 00:10:00,166 なぜ? ことさらに弟君を 遠ざけようとなさるのですか? 166 00:10:00,166 --> 00:10:03,169 言っただろう? どうでもいいと。 167 00:10:03,169 --> 00:10:05,672 本当にそうお思いなら➡ 168 00:10:05,672 --> 00:10:09,008 私に関わるなとお命じに なることもないでしょう。 169 00:10:09,008 --> 00:10:12,512 あなたは先日おっしゃいましたね。 170 00:10:12,512 --> 00:10:16,516 「俺の妻になる覚悟など しなくていい」と。 171 00:10:16,516 --> 00:10:20,687 その言葉の意味を 私は ずっと考えていました。 172 00:10:20,687 --> 00:10:26,860 あなたは この先に存在するはずの 自分自身の未来を➡ 173 00:10:26,860 --> 00:10:29,562 切り捨ててしまうつもりでは ありませんか? 174 00:10:31,531 --> 00:10:35,702 弟君は そのことを恐れているのでは? 175 00:10:35,702 --> 00:10:39,873 だからこそ 皇位を継ぐ気のない 第二皇子として振る舞い➡ 176 00:10:39,873 --> 00:10:43,376 この国の未来から消えるべく 動いていらっしゃる。 177 00:10:43,376 --> 00:10:48,381 ですが ご兄弟の未来に 別の選択肢はないのでしょうか? 178 00:10:50,383 --> 00:10:52,886 あなたのお考えを お聞かせください。 179 00:11:02,996 --> 00:11:07,167 はぁ…。 ああ そうか。 180 00:11:07,167 --> 00:11:09,168 アハッ。 181 00:11:09,168 --> 00:11:11,170 あっ。 182 00:11:11,170 --> 00:11:15,675 これで ようやく確信した。 183 00:11:18,845 --> 00:11:20,847 んっ…。 184 00:11:20,847 --> 00:11:23,850 お前は ずいぶんとかわいいな。 185 00:11:23,850 --> 00:11:27,687 何を…。 俺の思惑が理解できず➡ 186 00:11:27,687 --> 00:11:33,359 混乱しているのだろう。 だが 知らないままでいい。 187 00:11:33,359 --> 00:11:38,197 重ねて言っておく。 テオドールのことは放っておけ。 188 00:11:38,197 --> 00:11:40,199 あっ…。 189 00:11:43,369 --> 00:11:47,540 俺のような人間に 関わらせるべきではなかった。 190 00:11:47,540 --> 00:11:49,542 あっ。 191 00:11:49,542 --> 00:11:54,547 弟君が かわいいのですね。 何? 192 00:11:54,547 --> 00:11:59,218 大事に思っていなければ そんな言葉は出てきません。 193 00:11:59,218 --> 00:12:02,822 殿下は ご自身がいなくなるのとは 逆の未来を➡ 194 00:12:02,822 --> 00:12:04,824 考えたことがおありですか? 195 00:12:04,824 --> 00:12:07,327 逆だと? 196 00:12:07,327 --> 00:12:12,332 弟君がいなくなる そんな未来も あるかもしれません。 197 00:12:12,332 --> 00:12:16,502 そのときに どうか後悔のない生き方を。 198 00:12:16,502 --> 00:12:20,840 《願わくは 私もそうでありたい。 199 00:12:20,840 --> 00:12:24,544 たとえ これが 最後の人生になったとしても》 200 00:12:27,013 --> 00:12:31,017 私も あなたの妻という人生を➡ 201 00:12:31,017 --> 00:12:33,620 悔いなく送っていきたいと 思います。 202 00:12:41,527 --> 00:12:43,529 (アルノルト)クソッ。 203 00:12:45,865 --> 00:12:49,202 ハァ ハァ…。 204 00:12:49,202 --> 00:12:53,406 さすがに限界ね。 でも…。 205 00:13:00,813 --> 00:13:04,817 《テオドール:戦場での出来事は 今でも思い出せる》 206 00:13:04,817 --> 00:13:08,321 ⦅テオドール:頑張って。 もうすぐ薬が届くから。 207 00:13:08,321 --> 00:13:11,324 ありがとう… ございます。 208 00:13:11,324 --> 00:13:13,326 敵襲! (2人)あっ。 209 00:13:13,326 --> 00:13:15,328 あっ。 あっ。 210 00:13:15,328 --> 00:13:17,997 あっ。 ああっ…。 (剣を抜く音) 211 00:13:17,997 --> 00:13:21,501 うん? (足音) 212 00:13:21,501 --> 00:13:24,504 《役立たずの僕に できることなんてない。 213 00:13:24,504 --> 00:13:26,839 そんなこと わかっていたのに…》 214 00:13:26,839 --> 00:13:29,008 (剣で斬る音) 215 00:13:29,008 --> 00:13:32,812 うっ… あっ…。 216 00:13:37,016 --> 00:13:39,018 兄上…? 217 00:13:42,021 --> 00:13:46,025 皇族として褒められた行為では ないな。 あっ…。 218 00:13:46,025 --> 00:13:50,029 次からは 命を張るようなまねは やめろ。 219 00:13:50,029 --> 00:13:57,370 だが 臣下を守るため動けたことは お前の誇りにするといい。 220 00:13:57,370 --> 00:13:59,372 よくやった。 221 00:13:59,372 --> 00:14:01,374 あぁ…⦆ 222 00:14:04,310 --> 00:14:06,479 (扉の開く音) 223 00:14:06,479 --> 00:14:08,481 テオドール殿下。 224 00:14:10,817 --> 00:14:14,987 縛り方の次は 逃げ方の指南でもするつもり? 225 00:14:14,987 --> 00:14:17,824 お逃げになるつもりなど なかったでしょう。 226 00:14:17,824 --> 00:14:19,826 フッ。 227 00:14:19,826 --> 00:14:24,831 兄上はね 自分の功績を 表に出さないんだよ。 228 00:14:24,831 --> 00:14:29,168 反対に悪評は 不自然なほど 他国に広まっている。 229 00:14:29,168 --> 00:14:31,170 なんでだと思う? 230 00:14:31,170 --> 00:14:35,842 アルノルト殿下が 意図して 流してらっしゃるのですね? 231 00:14:35,842 --> 00:14:38,678 ずっと見ていたからわかるんだ。 232 00:14:38,678 --> 00:14:41,514 「この人は いつでも消えられるように➡ 233 00:14:41,514 --> 00:14:44,183 動いているな」って。 234 00:14:44,183 --> 00:14:48,688 だけど あんなすばらしい人が 消えるだなんて➡ 235 00:14:48,688 --> 00:14:50,890 そんなのは だめだ。 236 00:14:53,025 --> 00:14:56,195 僕に この国を託して 消えるつもりなら➡ 237 00:14:56,195 --> 00:14:58,865 僕が先に消えればいい。 238 00:14:58,865 --> 00:15:02,969 そうすれば兄上も バカなことはできなくなる。 239 00:15:02,969 --> 00:15:08,474 それが 僕が兄上の役に立つ 唯一の方法なんだよ。 240 00:15:10,810 --> 00:15:13,646 きっと この先 あなたの兄君は➡ 241 00:15:13,646 --> 00:15:16,816 とてつもないことを なさるおつもりでしょう。 242 00:15:16,816 --> 00:15:20,153 だから私は 全力でそれを止めます。 243 00:15:20,153 --> 00:15:22,989 借りられる力は すべて借ります。 244 00:15:22,989 --> 00:15:27,827 そして テオドール殿下 あなたのお力も必要なのです。 245 00:15:27,827 --> 00:15:29,829 えっ…。 246 00:15:29,829 --> 00:15:34,167 ハッ… 僕なんかが 力になれることなんて…。 247 00:15:34,167 --> 00:15:38,671 いいえ。 そんなことはありません。 だって➡ 248 00:15:38,671 --> 00:15:42,675 あなたは彼の 世界に一人きりの弟でしょ! 249 00:15:42,675 --> 00:15:44,677 んっ…。 250 00:15:53,352 --> 00:15:56,689 ハッ… フッ。 251 00:15:56,689 --> 00:16:02,795 いつか 兄上をお助けしたかったな…。 252 00:16:02,795 --> 00:16:05,465 ありがとう 義姉上。 253 00:16:05,465 --> 00:16:10,970 僕を必要だと言ってくれたことは 不覚にもうれしかったよ。 254 00:16:10,970 --> 00:16:15,641 でも 僕の使いどころは 僕自身が決める。 255 00:16:15,641 --> 00:16:17,643 あっ…。 256 00:16:17,643 --> 00:16:21,814 本当は もっと早く こうするべきだったんだ。 257 00:16:21,814 --> 00:16:23,816 《まさか》 258 00:16:23,816 --> 00:16:26,819 まったく 大失敗だな。 259 00:16:26,819 --> 00:16:28,821 殿下! 260 00:16:28,821 --> 00:16:30,823 うっ。 261 00:16:51,677 --> 00:16:53,880 あっ。 あっ。 262 00:16:56,682 --> 00:16:59,886 あ… 兄上…。 263 00:17:08,461 --> 00:17:10,463 あっ。 264 00:17:10,463 --> 00:17:12,465 (頬を打つ音) 265 00:17:19,305 --> 00:17:22,475 何を考えているんだ お前は! 266 00:17:22,475 --> 00:17:28,481 だって… だって 僕は こうすることでしか➡ 267 00:17:28,481 --> 00:17:31,484 兄上のお役に立つことが…。 268 00:17:31,484 --> 00:17:35,988 兄らしいことを たったの一つも したことのない人間のために➡ 269 00:17:35,988 --> 00:17:38,824 命を懸けるバカが どこにいる! 270 00:17:38,824 --> 00:17:40,826 んっ…。 271 00:17:43,496 --> 00:17:48,501 弟君の選択は 正しくなかったかもしれません。 272 00:17:48,501 --> 00:17:53,005 ですが あなたの力になりたいと 願うことそのものは➡ 273 00:17:53,005 --> 00:17:56,342 間違いではないでしょう? 274 00:17:56,342 --> 00:17:59,345 義姉上の言うとおりだ。 275 00:17:59,345 --> 00:18:02,615 僕は何度だって こう願うよ。 276 00:18:02,615 --> 00:18:06,452 兄上の力になりたいし 役に立ちたい! 277 00:18:06,452 --> 00:18:09,121 お助けできるなら なんでもする! 278 00:18:09,121 --> 00:18:14,126 だって あなたは 世界で たった一人の兄であり➡ 279 00:18:14,126 --> 00:18:16,329 僕の憧れだから。 280 00:18:21,467 --> 00:18:25,471 金輪際 愚かなことをするのは やめろ。 281 00:18:25,471 --> 00:18:27,807 あっ…。 282 00:18:27,807 --> 00:18:30,977 言ったはずだ。 えっ? 283 00:18:30,977 --> 00:18:34,780 二度と自分の命を張るような まねは するな。 284 00:18:38,818 --> 00:18:40,820 覚えて…。 285 00:18:40,820 --> 00:18:42,822 当たり前だ。 286 00:18:42,822 --> 00:18:47,660 (泣き声) 287 00:18:47,660 --> 00:18:49,662 ごめんなさい! 288 00:18:49,662 --> 00:18:54,834 ごめんなさい 兄上! ごめんなさい 義姉上! 289 00:18:54,834 --> 00:18:58,838 ごめん…。 わかったから泣くな。 290 00:18:58,838 --> 00:19:00,773 だって…。 291 00:19:00,773 --> 00:19:07,113 (泣き声) 292 00:19:07,113 --> 00:19:11,450 (アルノルト)リーシェ。 来てくださったのですね。 293 00:19:11,450 --> 00:19:14,954 気になることを言うからだ。 294 00:19:14,954 --> 00:19:18,624 よかったです 仲直りができて。 295 00:19:18,624 --> 00:19:21,127 本当に… よかっ…。 296 00:19:21,127 --> 00:19:23,796 リーシェ? 297 00:19:23,796 --> 00:19:27,299 義姉上! どうしよう 僕のせいで…。 298 00:19:27,299 --> 00:19:29,301 違う。 えっ? 299 00:19:29,301 --> 00:19:32,805 眠っているだけだ。 300 00:19:32,805 --> 00:19:37,109 うそだろ? この状況で…。 あっ。 301 00:19:43,315 --> 00:19:46,986 テオドール 馬車は用意しているな? 302 00:19:46,986 --> 00:19:50,322 と… 当然だろ。 すぐに呼ぶよ。 303 00:19:50,322 --> 00:19:52,324 頼んだ。 304 00:20:00,332 --> 00:20:02,835 「頼んだ」だって。 305 00:20:02,835 --> 00:20:06,138 兄上が… 僕に。 306 00:20:22,354 --> 00:20:24,356 えっ? 307 00:20:26,358 --> 00:20:29,528 あっ。 もう起きたのか。 308 00:20:29,528 --> 00:20:32,031 ずっと ついていて くださったのですか? 309 00:20:32,031 --> 00:20:34,033 申し訳ありません! 310 00:20:34,033 --> 00:20:37,036 体調は? もう大丈夫です。 311 00:20:37,036 --> 00:20:39,205 なら いい。 312 00:20:39,205 --> 00:20:41,207 うん? 313 00:20:43,209 --> 00:20:45,211 《テオドール:「義姉上へ。 314 00:20:45,211 --> 00:20:48,380 いろいろと ひどいことをしてごめんなさい。 315 00:20:48,380 --> 00:20:54,386 言いたいことは たくさんあるけど まず 君への借りは必ず返す。 316 00:20:54,386 --> 00:20:59,225 あと 兄上が起こそうとする何かを 止めるって言ってたよね。 317 00:20:59,225 --> 00:21:03,662 今なら僕も 君に手を貸したいって 思えるんだ。 318 00:21:03,662 --> 00:21:07,333 そのためなら貧民街の連中も 貸してあげる。 319 00:21:07,333 --> 00:21:09,668 共同戦線ってやつだね。 320 00:21:09,668 --> 00:21:14,006 いつでも頼ってきなよ。 せいぜい感謝してね。 321 00:21:14,006 --> 00:21:17,009 最後に➡ 322 00:21:17,009 --> 00:21:20,179 ありがとう 義姉上」》 323 00:21:20,179 --> 00:21:24,016 テオドール殿下と お話をされたのですね。 324 00:21:24,016 --> 00:21:26,685 なぜ お前が そんなふうに笑うんだ? 325 00:21:26,685 --> 00:21:29,188 もちろん うれしいからですよ。 326 00:21:32,858 --> 00:21:37,196 また 欲しいものを考えておけ。 うん? 327 00:21:37,196 --> 00:21:42,401 お前に触れないという誓いを 再び破ってしまったからな。 328 00:21:44,537 --> 00:21:46,539 あっ…。 329 00:21:50,042 --> 00:21:52,545 い… いりません 何も! 330 00:21:52,545 --> 00:21:55,381 そんなことより 殿下が あんなことをした理由を…。 331 00:21:55,381 --> 00:21:58,050 聞きたいか? 聞きたくないです! 332 00:21:58,050 --> 00:21:59,985 フッ。 333 00:21:59,985 --> 00:22:03,656 リーシェ。 今度は なんですか!? 334 00:22:03,656 --> 00:22:06,659 弟が 世話をかけた。 335 00:22:06,659 --> 00:22:10,162 あっ…。 いいえ。 336 00:22:10,162 --> 00:22:14,366 私にとっても 義弟となるお方ですから。 337 00:22:17,503 --> 00:22:19,505 (アルノルト)そうか。