1 00:01:36,530 --> 00:01:38,532 (教官)遅れているぞ ルーシャス! 2 00:01:38,532 --> 00:01:41,368 (ルーシャス)はい! ハァ ハァ…。 3 00:01:41,368 --> 00:01:44,371 ⦅リーシェ:お願いします。 テオドール殿下。 4 00:01:44,371 --> 00:01:48,375 (テオドール)君さぁ 僕の使い方を間違ってない? 5 00:01:48,375 --> 00:01:52,713 騎士候補生の訓練に 男として交ざりたいだって? 6 00:01:52,713 --> 00:01:55,048 その発想もどうかと思うけど➡ 7 00:01:55,048 --> 00:01:57,718 なんで僕が 手を貸さなきゃならないの? 8 00:01:57,718 --> 00:02:00,821 先日 お手紙を くださったではないですか。 9 00:02:00,821 --> 00:02:02,823 お力を貸していただけると。 10 00:02:02,823 --> 00:02:05,826 書いたよ! 書いたけど…。 11 00:02:05,826 --> 00:02:09,329 そもそも 潜り込む必要あるの? 12 00:02:09,329 --> 00:02:11,832 指導役の騎士を つけてもらえばいいじゃない。 13 00:02:11,832 --> 00:02:14,334 (リーシェ)それだと 気を使われるでしょうし➡ 14 00:02:14,334 --> 00:02:16,837 容赦なく鍛えていただきたいので。 15 00:02:16,837 --> 00:02:20,674 信じられない。 すき好んで 自分をいじめようだなんて➡ 16 00:02:20,674 --> 00:02:22,676 僕には無理。 17 00:02:22,676 --> 00:02:25,512 うん? 待てよ…。 18 00:02:25,512 --> 00:02:27,514 フンッ。 19 00:02:27,514 --> 00:02:29,516 あっ… 殿下? 20 00:02:29,516 --> 00:02:33,186 いいよ。 麗しの義姉上に協力しよう。 21 00:02:33,186 --> 00:02:36,857 君の願いを叶えるべく 精いっぱい尽力する。 22 00:02:36,857 --> 00:02:40,027 えっと… どうしてまた急に? 23 00:02:40,027 --> 00:02:42,863 だって おもしろそうじゃないか。 24 00:02:42,863 --> 00:02:46,199 さすがの兄上も 予想できないと思うんだよね。 25 00:02:46,199 --> 00:02:49,703 自分の奥さんが男装して 騎士団に潜り込むなんて。 26 00:02:49,703 --> 00:02:53,874 兄上をビックリさせられる こんな機会に乗らない手はない! 27 00:02:53,874 --> 00:02:56,710 別に アルノルト殿下を驚かせようとして➡ 28 00:02:56,710 --> 00:02:58,712 やるわけじゃないですからね! 29 00:02:58,712 --> 00:03:00,647 フッフフ。 30 00:03:00,647 --> 00:03:07,487 僕はね 兄上のどんな表情でも 見てみたいんだよねぇ。 31 00:03:07,487 --> 00:03:10,157 ううっ…⦆ 32 00:03:10,157 --> 00:03:12,993 (教官)今日はここまで。 解散! 33 00:03:12,993 --> 00:03:15,996 (候補生たち)ありがとう ございました! 34 00:03:15,996 --> 00:03:17,998 (ルーシャス)ハァ ハァ…。 35 00:03:17,998 --> 00:03:21,001 《こ… これが ガルクハインの基礎訓練!?》 36 00:03:21,001 --> 00:03:24,171 (フリッツ)大丈夫か? ルーシャス。 あっ…。 37 00:03:24,171 --> 00:03:26,673 フリッツ。 ありがとう。 38 00:03:26,673 --> 00:03:30,510 少し休めば大丈夫。 俺もつきあうよ。 39 00:03:30,510 --> 00:03:34,014 どうせ 宿に帰っても一人だし。 宿? 40 00:03:34,014 --> 00:03:36,516 俺 シウテナから来てるんだ。 41 00:03:36,516 --> 00:03:39,853 知ってるか? 北の港町なんだけど。 42 00:03:39,853 --> 00:03:45,358 たしか コヨルの船が着く街だよね? ああ いい街だよ。 43 00:03:45,358 --> 00:03:48,528 あの人に憧れなかったら 騎士は目指さず➡ 44 00:03:48,528 --> 00:03:52,365 一生 あの街で 暮らしてただろうな。 あの人? 45 00:03:52,365 --> 00:03:54,868 アルノルト皇子だよ! ううっ…。 46 00:03:54,868 --> 00:03:57,704 戦争の英雄。 剣術の達人。 47 00:03:57,704 --> 00:04:00,307 かっこいいよな! ああ…。 48 00:04:00,307 --> 00:04:04,311 俺も アルノルト皇子みたいな立派な 騎士になりたいんだ。 あっ。 49 00:04:04,311 --> 00:04:06,313 ⚟そこの君。 あっ…。 50 00:04:06,313 --> 00:04:08,982 皇族の方を そのように 呼んではならない。 51 00:04:08,982 --> 00:04:12,319 くれぐれも 皇太子殿下とお呼びするように。 52 00:04:12,319 --> 00:04:17,324 は… はい! わかればいい。 顔を上げなさい。 53 00:04:17,324 --> 00:04:21,328 (フリッツ)あなたは… ローヴァイン伯爵!? 54 00:04:21,328 --> 00:04:23,330 《ローヴァイン閣下!? 55 00:04:23,330 --> 00:04:27,167 北方の守護者で ガルクハイン皇家の忠臣。 56 00:04:27,167 --> 00:04:30,837 けれど3年後 皇帝となったアルノルト殿下に➡ 57 00:04:30,837 --> 00:04:34,841 大罪人として惨殺される…。 58 00:04:34,841 --> 00:04:37,511 も… もしかして 男装が気付かれて…》 59 00:04:37,511 --> 00:04:40,680 (ローヴァイン)君は 鶏肉は好きか? へっ? 60 00:04:40,680 --> 00:04:42,849 あっ… はい! 好きです! 61 00:04:42,849 --> 00:04:46,019 そうか。 ならば もっと食べなさい。 62 00:04:46,019 --> 00:04:49,022 君は見たところ 標準的な男性より➡ 63 00:04:49,022 --> 00:04:52,192 筋肉量が少ないようだ。 は… はい! 64 00:04:52,192 --> 00:04:55,695 明日より私も 君たちの指導に加わる。 65 00:04:55,695 --> 00:04:57,864 よろしく頼む。 えっ!? 66 00:04:57,864 --> 00:05:01,968 閣下 間もなく 皇帝陛下との謁見の時間です。 67 00:05:01,968 --> 00:05:05,472 ああ すぐに向かう。 では失礼。 68 00:05:05,472 --> 00:05:08,475 (ルーシャス)ありがとうございました。 (フリッツ)ありがとうございました。 69 00:05:33,834 --> 00:05:35,836 (ドアの開く音) 70 00:05:35,836 --> 00:05:39,039 (リーシェ)エルゼ ただいま。 (エルゼ)おかえりなさいませ。 71 00:05:45,345 --> 00:05:47,681 あっ。 72 00:05:47,681 --> 00:05:50,851 アルノルト殿下。 おはようございます。 73 00:05:50,851 --> 00:05:53,186 昨夜は よくお休みになれましたか? 74 00:05:53,186 --> 00:05:55,522 (アルノルト)ああ。 75 00:05:55,522 --> 00:05:58,858 あっ… 殿下? 76 00:05:58,858 --> 00:06:00,794 あっ。 77 00:06:00,794 --> 00:06:03,630 明日の午後2時 西の裏門に来い。 78 00:06:03,630 --> 00:06:06,032 他の者に見つかるな。 79 00:06:08,969 --> 00:06:10,971 髪は染めたほうが? 80 00:06:10,971 --> 00:06:13,640 いや 必要ない。 (リーシェ)わかりました。 81 00:06:13,640 --> 00:06:16,343 では 街に溶け込める装いで 参ります。 82 00:06:21,815 --> 00:06:24,985 あの リーシェ様。 うん? 83 00:06:24,985 --> 00:06:28,321 アルノルト殿下と どうして ないしょ話を? 84 00:06:28,321 --> 00:06:31,491 実は明日 殿下と街に出るの。 85 00:06:31,491 --> 00:06:34,995 それは どのようなご用事なのですか? 86 00:06:34,995 --> 00:06:39,666 きっと 何かのご公務じゃないかしら。 87 00:06:39,666 --> 00:06:42,168 目立たない格好のほうが いいわね。 88 00:06:42,168 --> 00:06:45,338 茶色の麻のドレスに 質素な灰色のローブで…。 89 00:06:45,338 --> 00:06:47,340 リーシェ様。 わっ。 90 00:06:47,340 --> 00:06:50,343 お任せください。 えっ? な… 何を? 91 00:06:50,343 --> 00:06:53,847 絶対にリーシェ様を 誰よりかわいくしますから。 92 00:06:53,847 --> 00:06:55,849 んんっ!? 93 00:07:02,956 --> 00:07:05,458 (アルノルト)ここまで来れば もういいだろう。 94 00:07:05,458 --> 00:07:09,296 フードを外して かまわないぞ。 うっ…。 95 00:07:09,296 --> 00:07:13,466 安心しろ。 お前の顔を知る国民は まずいない。 96 00:07:13,466 --> 00:07:16,770 そ… そうですよね。 んっ…。 97 00:07:21,975 --> 00:07:23,977 んっ…。 98 00:07:29,482 --> 00:07:31,818 おっしゃりたいことは わかっています! 99 00:07:31,818 --> 00:07:35,155 今日が ご公務だというのは 察しがついていたのですが…。 100 00:07:35,155 --> 00:07:37,490 あまり簡素でも浮きますし…。 101 00:07:37,490 --> 00:07:41,828 お前のことだから 麻のドレスに 質素なローブで来ると思ったが。 102 00:07:41,828 --> 00:07:43,997 そこまで わかりやすいですか!? 103 00:07:43,997 --> 00:07:46,833 侍女の仕業か? うっ…。 104 00:07:46,833 --> 00:07:50,503 その服装で なんら問題ない。 本当に? 105 00:07:50,503 --> 00:07:54,341 俺からも お前の侍女を よく褒めておく。 行くぞ。 106 00:07:54,341 --> 00:07:57,844 えっ? あっ… お待ちください! 107 00:07:57,844 --> 00:08:05,118 (にぎわう声) 108 00:08:05,118 --> 00:08:07,287 わあ~! 109 00:08:07,287 --> 00:08:10,290 (リーシェ)市場! 110 00:08:10,290 --> 00:08:14,794 よくある つまらない市場だが。 そんなことはありません。 111 00:08:14,794 --> 00:08:17,464 (リーシェ)あれは コキルト名産のブドウ! 112 00:08:17,464 --> 00:08:19,466 希少なサルーフ鳥の卵! 113 00:08:19,466 --> 00:08:21,468 ひょっとして あれは… あっ! 114 00:08:24,804 --> 00:08:27,140 うっ…。 (せきばらい) 115 00:08:27,140 --> 00:08:30,143 (リーシェ)い… 市場は 経済状況はもちろんのこと➡ 116 00:08:30,143 --> 00:08:33,546 周囲の治安を映す鏡にもなるとか。 117 00:08:38,651 --> 00:08:41,321 《懐中時計?》 118 00:08:41,321 --> 00:08:45,125 殿下? そちらは…。 市場を見たいのだろう? 119 00:08:47,160 --> 00:08:49,496 わあ… ありがとうございます! 120 00:08:49,496 --> 00:08:54,667 (にぎわう声) 121 00:08:54,667 --> 00:08:57,337 どうだい? 新鮮なベリーだよ! 122 00:08:57,337 --> 00:09:01,274 コヨルの名産だ! シウテナに着いた船で来たばかり! 123 00:09:01,274 --> 00:09:04,110 お嬢ちゃん 安くしとくよ! 124 00:09:04,110 --> 00:09:06,780 (リーシェ)お待たせしました。 125 00:09:06,780 --> 00:09:12,452 待て。 なんだ その不穏な物体は。 コヨルの果実です。 126 00:09:12,452 --> 00:09:16,289 見た目はあれですが 滋養があって体にいいんですよ。 127 00:09:16,289 --> 00:09:18,792 だから待て。 どう考えても見た目が…。 128 00:09:18,792 --> 00:09:22,128 体にいいんですよ。 うっ…。 129 00:09:22,128 --> 00:09:25,532 ウフッ。 はぁ…。 130 00:09:28,468 --> 00:09:31,971 どうでしょう。 見た目よりは 甘いと思うのですが。 131 00:09:34,307 --> 00:09:36,976 滋養がありそうな味がする。 132 00:09:36,976 --> 00:09:39,078 まあ 苦いお顔。 133 00:09:43,650 --> 00:09:45,652 そろそろ移動する。 134 00:09:45,652 --> 00:09:48,988 一つ所にとどまると オリヴァーの使いに見つかるからな。 135 00:09:48,988 --> 00:09:50,990 うん? 136 00:09:53,159 --> 00:09:55,161 (オリヴァー)はぁ…。 137 00:09:55,161 --> 00:09:57,664 《今日は ご公務じゃない?》 138 00:10:02,502 --> 00:10:05,338 (アルノルト)ここの店主は 城には来ない。 139 00:10:05,338 --> 00:10:08,141 おかげで こちらから 足を運ぶ必要がある。 140 00:10:10,176 --> 00:10:12,178 (ノック) 141 00:10:15,348 --> 00:10:18,184 お待ちしておりました。 142 00:10:18,184 --> 00:10:22,522 皇太子殿下におかせられましては ご機嫌も麗しく…。 143 00:10:22,522 --> 00:10:25,859 口上はいい。 顔を上げろ。 144 00:10:25,859 --> 00:10:28,194 (ミヒャエラ)お初にお目にかかります。 145 00:10:28,194 --> 00:10:33,366 わたくしは この店の店主 ミヒャエラ・ローレ・ヴェールマンと申します。 146 00:10:33,366 --> 00:10:37,570 はじめまして。 リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーと申します。 147 00:10:41,541 --> 00:10:43,543 きれい…。 148 00:10:43,543 --> 00:10:46,546 わたくしどもは しがない宝石商です。 149 00:10:46,546 --> 00:10:51,050 リーシェ様 これらの石のうち どれが偽物だと➡ 150 00:10:51,050 --> 00:10:53,553 お思いになりますか? えっ? 151 00:10:53,553 --> 00:10:57,857 リーシェ 答えてみろ。 うっ…。 152 00:11:12,005 --> 00:11:14,173 わかりません。 153 00:11:14,173 --> 00:11:16,843 なんと 透き通ったお答えでしょうか。 154 00:11:16,843 --> 00:11:20,013 素直に そうお答えになる というのは とてもすばらしい…。 155 00:11:20,013 --> 00:11:24,017 なので店主様 鑑定道具を 貸していただけますか? 156 00:11:24,017 --> 00:11:26,019 えっ? 157 00:11:34,861 --> 00:11:39,699 《どれも透明度が高く カットも繊細。 158 00:11:39,699 --> 00:11:42,202 でも…》 159 00:11:42,202 --> 00:11:46,539 この石は 3つとも模造品ですね。 160 00:11:46,539 --> 00:11:49,375 あっ…。 おみそれしました。 161 00:11:49,375 --> 00:11:54,047 鑑定道具までご所望になったのは あなた様が初めてです。 162 00:11:54,047 --> 00:11:57,717 とはいえ 本当に美しいですね。 163 00:11:57,717 --> 00:12:00,153 たとえ模造品だと わかっていても➡ 164 00:12:00,153 --> 00:12:03,656 この石たちを愛して 慈しみたいという方は➡ 165 00:12:03,656 --> 00:12:06,559 きっと たくさんいらっしゃるでしょう。 166 00:12:08,494 --> 00:12:10,663 あなたは…。 167 00:12:10,663 --> 00:12:13,100 重ね重ね 感服いたしました。 168 00:12:13,100 --> 00:12:16,669 えっ? いえ めっそうもありません! 169 00:12:16,669 --> 00:12:21,007 当店の商品は 限られた方にだけ お譲りしています。 170 00:12:21,007 --> 00:12:25,011 あなた様には ぜひ お品物をご紹介したいですわ。 171 00:12:25,011 --> 00:12:27,013 うん!? 172 00:12:27,013 --> 00:12:30,683 納得したのであれば コイツの望むとおりのものを。 173 00:12:30,683 --> 00:12:34,354 ええ。 喜んで ご用意いたしましょう。 うん? 174 00:12:34,354 --> 00:12:36,522 あの これは いったい…。 175 00:12:36,522 --> 00:12:41,861 私は たしか殿下のお望みを 叶えるために同行したはずでは? 176 00:12:41,861 --> 00:12:44,197 俺が お前に望むのは➡ 177 00:12:44,197 --> 00:12:47,033 「指輪を贈らせろ」という一点だ。 178 00:12:47,033 --> 00:12:49,035 へっ? 指輪? 179 00:12:49,035 --> 00:12:51,037 皇太子殿下は➡ 180 00:12:51,037 --> 00:12:54,374 花嫁様が婚姻の儀でつける 指輪をお求めです。 181 00:12:54,374 --> 00:12:58,044 それでは 準備してまいります。 182 00:12:58,044 --> 00:13:00,813 《指輪? 花嫁!? 183 00:13:00,813 --> 00:13:02,815 なんで? どうして? 184 00:13:02,815 --> 00:13:05,985 ガルクハインでは 婚姻の儀に 指輪は必要ないはず! 185 00:13:05,985 --> 00:13:07,987 というより…》 186 00:13:07,987 --> 00:13:10,823 勝負の結果が なぜ そんな結論に!? 187 00:13:10,823 --> 00:13:14,661 「指輪を買ってやるから 好きなものを選べ」と告げて➡ 188 00:13:14,661 --> 00:13:17,330 お前が素直に選ぶとは思えない。 189 00:13:17,330 --> 00:13:21,501 他人から物を買い与えられるなど よしとしないだろう。 うぐっ。 190 00:13:21,501 --> 00:13:26,673 ここで扱う石は一級品だ。 金に糸目をつけるつもりはない。 191 00:13:26,673 --> 00:13:30,176 ですが殿下 やはり あまり高価な品を おいそれと…。 192 00:13:30,176 --> 00:13:32,345 お前が ここで指輪を作れば➡ 193 00:13:32,345 --> 00:13:37,350 使いみちのない俺の死に金が 城下に落ちる。 経済が回るぞ。 194 00:13:37,350 --> 00:13:39,686 うっ…。 195 00:13:39,686 --> 00:13:44,524 わかりました。 では 選ばせていただきます。 196 00:13:44,524 --> 00:13:47,193 誠心誠意 全力で! 197 00:13:47,193 --> 00:13:49,195 ハッ。 198 00:13:52,532 --> 00:13:54,701 《婚姻の儀でつけるんだから➡ 199 00:13:54,701 --> 00:13:57,203 やっぱりダイヤかしら。 200 00:13:57,203 --> 00:14:01,207 それとも私の瞳と同じ エメラルド…?》 201 00:14:04,644 --> 00:14:06,646 んっ…。 202 00:14:09,982 --> 00:14:14,987 老婆心ながら 助言をひとつ よろしいですか? 203 00:14:14,987 --> 00:14:16,989 ぜひ お願いします。 204 00:14:16,989 --> 00:14:20,827 (ミヒャエラ)お気に入りの宝石を 身につけて 胸を張る。 205 00:14:20,827 --> 00:14:24,831 女の子は それだけで 勇気が湧いてくるのですよ。 206 00:14:24,831 --> 00:14:28,167 あっ…。 あなた自身のお守りとして➡ 207 00:14:28,167 --> 00:14:31,838 純粋に好きだと感じるものを。 208 00:14:31,838 --> 00:14:35,675 例えば リーシェ様は どんな色がお好きですか? 209 00:14:35,675 --> 00:14:37,844 好きな色…。 210 00:14:37,844 --> 00:14:47,854 ♬~ 211 00:14:47,854 --> 00:14:52,358 《寒い国の 透き通った海を 凍らせたみたいな➡ 212 00:14:52,358 --> 00:14:54,560 そんな色…》 213 00:14:56,529 --> 00:15:01,334 この人の瞳と 同じ色をした石はありますか? 214 00:15:08,474 --> 00:15:10,476 あれ? 215 00:15:10,476 --> 00:15:12,478 あっ…。 216 00:15:12,478 --> 00:15:15,148 あらあら まあまあ。 いえ あの 違うんです! 217 00:15:15,148 --> 00:15:17,483 今の発言に おかしな意図はなくて! 218 00:15:17,483 --> 00:15:20,653 本当に他意はなく アルノルト殿下の目の色が好きで➡ 219 00:15:20,653 --> 00:15:23,489 きれいだなって いつも思ってるだけなんです! 220 00:15:23,489 --> 00:15:26,492 ウフフフ いつも思ってらっしゃるのね。 221 00:15:26,492 --> 00:15:28,995 あっ…。 少々お待ちくださいまし。 222 00:15:28,995 --> 00:15:31,164 オススメできるものがありますからね。 223 00:15:31,164 --> 00:15:33,166 オホホホ…。 あっ 店主様! 224 00:15:38,004 --> 00:15:41,307 今のは どうか 忘れてください。 225 00:15:43,843 --> 00:15:46,512 (鐘の音) 226 00:15:46,512 --> 00:15:49,015 わあ… きれいな夕日が➡ 227 00:15:49,015 --> 00:15:51,017 お城を照らしていますよ。 228 00:15:51,017 --> 00:15:54,520 (鐘の音) 229 00:15:54,520 --> 00:15:59,025 なぜ 左手の薬指なんだ? えっ? 230 00:15:59,025 --> 00:16:02,628 指のサイズを測るのに その指を指定しただろう。 231 00:16:02,628 --> 00:16:05,965 あっ…。 232 00:16:05,965 --> 00:16:09,468 その… 固定観念というか…。 233 00:16:09,468 --> 00:16:13,639 《婚姻の儀で 左手の薬指に 指輪をはめるのは➡ 234 00:16:13,639 --> 00:16:16,476 私の生まれた国の風習…》 235 00:16:16,476 --> 00:16:19,645 殿下こそ どうして私に指輪を? 236 00:16:19,645 --> 00:16:23,816 別に。 指輪だったことに それほど意味はない。 237 00:16:23,816 --> 00:16:28,988 だが お前はよく手を使った作業を しているだろう? あっ…。 238 00:16:28,988 --> 00:16:33,826 その指に 俺が贈った装飾品が はめられているのは➡ 239 00:16:33,826 --> 00:16:36,996 さぞかし気分がいいだろうと 思った。 240 00:16:36,996 --> 00:16:38,998 それは…。 241 00:16:49,008 --> 00:16:54,013 では 完成した暁には いちばんにお見せします。 242 00:16:54,013 --> 00:16:56,015 (アルノルト)ああ。 243 00:17:09,795 --> 00:17:12,298 《もしかして…》 244 00:17:12,298 --> 00:17:14,300 そういえば➡ 245 00:17:14,300 --> 00:17:17,136 ローヴァイン閣下が お見えになっていると聞きました。 246 00:17:17,136 --> 00:17:20,640 どなたのお客様なのですか? 俺が呼んだ。 247 00:17:20,640 --> 00:17:24,143 騎士候補生への 指導役として適任だからな。 248 00:17:26,979 --> 00:17:31,317 殿下。 あなたは ここで 誰をお待ちなのですか? 249 00:17:31,317 --> 00:17:34,320 ずいぶんと唐突な質問だな。 250 00:17:34,320 --> 00:17:38,991 ローヴァイン閣下は 北方の 重要拠点を守っておられる方。 251 00:17:38,991 --> 00:17:43,996 候補生の訓練という理由だけで お呼びするとは考えられません。 252 00:17:43,996 --> 00:17:48,167 フッ。 俺に待ち人がいると 考えたのは なぜだ? 253 00:17:48,167 --> 00:17:52,838 殿下は たびたび懐中時計を 確認されていました。 254 00:17:52,838 --> 00:17:55,007 帰りの時間を 気になさっているのかと➡ 255 00:17:55,007 --> 00:17:57,510 思いましたが ここに来てからは➡ 256 00:17:57,510 --> 00:18:00,279 一度も時計を手にされていません。 257 00:18:00,279 --> 00:18:05,985 それに ここは外から都に入る 人々を監視できる場所ですから。 258 00:18:08,454 --> 00:18:13,459 先日 とある国の王族から 親書が届いた。 259 00:18:13,459 --> 00:18:18,631 「婚姻の儀に参加できないので 前倒しで祝いに行く」と。 260 00:18:18,631 --> 00:18:23,469 不要だと返事を返すよりも先に もう一通よこした。 261 00:18:23,469 --> 00:18:29,141 「一刻も早く祝福したいため 返事を待たず出立する」とな。 262 00:18:29,141 --> 00:18:33,813 市場には コヨルから着いたばかりの 果物が売っていました。 263 00:18:33,813 --> 00:18:36,816 お手紙の主は 同じ船で…。 264 00:18:36,816 --> 00:18:41,020 偵察からの知らせと 馬車の移動時間を考えると…。 265 00:18:44,156 --> 00:18:46,325 うん? んっ。 266 00:18:46,325 --> 00:19:00,439 ♬~ 267 00:19:00,439 --> 00:19:04,543 ⦅カイル:ヴェルツナー。 僕は この国を守りたい⦆ 268 00:19:09,615 --> 00:19:12,018 《リーシェ:カイル王子…》 269 00:19:14,954 --> 00:19:18,124 (アルノルト)先ほど カイルが父帝に謁見し➡ 270 00:19:18,124 --> 00:19:20,126 滞在許可を申し出た。 271 00:19:20,126 --> 00:19:25,297 やはり 何か特別な目的が おありですよね? 272 00:19:25,297 --> 00:19:27,299 (ノック) 273 00:19:27,299 --> 00:19:29,301 コヨル国王子➡ 274 00:19:29,301 --> 00:19:31,504 カイル・モーガン・クレヴァリー殿下が お見えです。 275 00:19:33,472 --> 00:19:36,809 (カイル)このたびは ご婚約おめでとうございます。 276 00:19:36,809 --> 00:19:40,479 アルノルト殿下。 このカイル・モーガン・クレヴァリー➡ 277 00:19:40,479 --> 00:19:45,651 コヨル国王である父の名代として お祝いをしたく はせ参じました。 278 00:19:45,651 --> 00:19:48,320 遠路はるばる ご足労いただいたこと➡ 279 00:19:48,320 --> 00:19:50,823 心より感謝申し上げる。 280 00:19:50,823 --> 00:19:56,328 《リーシェ:この国とコヨルでは 国力に大きな差があるわ。 281 00:19:56,328 --> 00:20:01,667 コヨルは宝石や金銀の産出国。 裕福ではあるけれど…。 282 00:20:01,667 --> 00:20:04,837 一年のうち ほとんどが雪に閉ざされ➡ 283 00:20:04,837 --> 00:20:07,173 食料や生活必需品は➡ 284 00:20:07,173 --> 00:20:10,176 周辺国との交易に 頼らざるをえない。 285 00:20:10,176 --> 00:20:14,880 そして5年後 アルノルト殿下の 起こした戦争で滅んでしまう》 286 00:20:16,849 --> 00:20:19,852 リーシェ。 はい。 アルノルト殿下。 287 00:20:22,354 --> 00:20:24,356 妃となるリーシェだ。 288 00:20:24,356 --> 00:20:29,195 お初にお目にかかります。 リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーと申します。 289 00:20:29,195 --> 00:20:34,533 お目にかかれて恐悦至極です。 アルノルト殿下のお妃様ともあれば➡ 290 00:20:34,533 --> 00:20:38,537 さぞかし華麗な姫君に違いないと 考えておりましたが…。 291 00:20:42,541 --> 00:20:45,044 あっ…。 これほどのお方とは➡ 292 00:20:45,044 --> 00:20:50,216 どうして想像できましょうか。 まるで麗しき女神のようだ。 293 00:20:50,216 --> 00:20:54,386 んっ…。 もったいないお言葉です カイル殿下。 294 00:20:54,386 --> 00:20:59,558 《そんな社交辞令よりも カイル王子の顔色が悪すぎるわ! 295 00:20:59,558 --> 00:21:03,662 ただでさえ白いお肌が いっそ青白く見えるくらいに…》 296 00:21:03,662 --> 00:21:05,865 うん? 297 00:21:08,501 --> 00:21:10,503 あっ。 298 00:21:13,672 --> 00:21:17,343 何か わかりましたか? つかめないな。 299 00:21:17,343 --> 00:21:20,846 無難な発言ばかりで 真意のかけらも出ていない。 300 00:21:20,846 --> 00:21:23,349 えっ? じゃあ さっき 視線だけで➡ 301 00:21:23,349 --> 00:21:27,353 人を殺せそうなお顔を なさってたのは いったい…。 302 00:21:27,353 --> 00:21:30,022 そんなことより カイルは何人か➡ 303 00:21:30,022 --> 00:21:33,192 コヨルの学者を 連れてきているらしい。 えっ? 304 00:21:33,192 --> 00:21:37,196 ⦅ミシェル:ずいぶん顔色が よくなったね カイル⦆ 305 00:21:39,365 --> 00:21:41,700 《まさかね》 306 00:21:41,700 --> 00:21:45,704 お前も話を聞きたいのであれば 調整するぞ。 あっ…。 307 00:21:45,704 --> 00:21:50,709 うれしいです! 実はお体が弱いと お聞きしていたカイル王子に➡ 308 00:21:50,709 --> 00:21:53,546 ぜひ飲んでいただきたい薬も ありまして! 309 00:21:53,546 --> 00:21:56,215 学者の皆様に 納得していただければ➡ 310 00:21:56,215 --> 00:21:59,218 お料理に一服盛る必要も なくなりますね。 311 00:22:01,153 --> 00:22:05,658 冗談ですよ? お前が言うと冗談に聞こえない。 312 00:22:05,658 --> 00:22:09,328 ひとまず明日は歓待の宴だ。 面倒だが。 313 00:22:09,328 --> 00:22:11,997 はい。 支度を進めてまいります。 314 00:22:11,997 --> 00:22:15,668 そこで カイルとローヴァインを対面させる。 あっ…。 315 00:22:15,668 --> 00:22:18,170 カイルが 何をたくらんでいたとしても➡ 316 00:22:18,170 --> 00:22:20,840 けん制になるだろう。 317 00:22:20,840 --> 00:22:24,677 おい なんだ その顔は。 ああ いえ! 318 00:22:24,677 --> 00:22:30,850 《明日の夜会に ローヴァイン閣下が 参加するということは➡ 319 00:22:30,850 --> 00:22:33,552 私が ルーシャスだってバレちゃう!》