1 00:00:02,002 --> 00:00:04,838 (リーシェ)ハァ ハァ ハァ…。 2 00:00:04,838 --> 00:00:09,843 ⦅ミシェル:君が見たいものは なんでも見せてあげるよ。 3 00:00:09,843 --> 00:00:12,846 知らないことがあるならば 教えてあげる。 4 00:00:12,846 --> 00:00:15,349 君が自力で たどりつきたいときは➡ 5 00:00:15,349 --> 00:00:18,018 邪魔しないけれど。 6 00:00:18,018 --> 00:00:20,854 (ミシェル)君が どんな学者になるのか➡ 7 00:00:20,854 --> 00:00:24,358 私は とても楽しみにしているんだよ。 8 00:00:24,358 --> 00:00:28,061 (リーシェ)どうして そんなに 目をかけてくださるのですか? 9 00:00:30,531 --> 00:00:33,867 私の人生でできそうな よいことが➡ 10 00:00:33,867 --> 00:00:36,169 これくらいだからかなぁ⦆ 11 00:00:41,875 --> 00:00:45,712 (リーシェ)ハァ ハァ ハァ…。 12 00:00:45,712 --> 00:00:47,714 先生! 13 00:00:47,714 --> 00:00:49,716 やあ リーシェ。 14 00:00:52,719 --> 00:00:55,055 (騎士)お下がりください! あっ…。 15 00:00:55,055 --> 00:00:58,559 この者は 18時に城下で 凶行を引き起こすと予告した➡ 16 00:00:58,559 --> 00:01:01,828 不審者です。 彼らの言うとおりだよ。 17 00:01:01,828 --> 00:01:06,667 そうすれば 火薬のことが アルノルト殿下の耳に入ると? 18 00:01:06,667 --> 00:01:09,836 フフッ そうだね。 19 00:01:09,836 --> 00:01:13,173 それは 無関係な人々を 巻き込む行為です。 20 00:01:13,173 --> 00:01:16,343 うん わかっているよ。 先生! 21 00:01:16,343 --> 00:01:20,681 だって お披露目は これくらいしないと。 あっ…。 22 00:01:20,681 --> 00:01:23,517 生み出してしまったものに 対して➡ 23 00:01:23,517 --> 00:01:27,187 私は責任をとらなくてはならない。 24 00:01:27,187 --> 00:01:32,192 たとえそれが 誰かを 不幸にするものだとしてもね。 25 00:01:34,361 --> 00:01:38,365 私の存在も 同じなんだ。 26 00:01:38,365 --> 00:01:40,701 ごめんね リーシェ。 27 00:01:40,701 --> 00:01:57,117 ♬~ 28 00:01:59,052 --> 00:02:03,557 私のような人間の言葉など 真に受けるものじゃないよ。 29 00:02:05,492 --> 00:02:09,596 君を教え子にしたのも 私の気まぐれにすぎない。 30 00:02:11,665 --> 00:02:13,667 ハァ ハァ ハァ…。 あっ。 31 00:02:13,667 --> 00:02:15,869 (テオドール)義姉上! 32 00:02:22,009 --> 00:02:26,179 《私は以前 先生に尋ねてしまった》 33 00:02:26,179 --> 00:02:30,017 ⦅毒薬には 本当に 誰かを幸せにすることは➡ 34 00:02:30,017 --> 00:02:32,853 できないのですか? うん?⦆ 35 00:02:32,853 --> 00:02:35,856 《けれども 尋ねるのではなく…》 36 00:02:37,858 --> 00:02:43,196 先生にとって私は つかの間の 教え子かもしれません。 37 00:02:43,196 --> 00:02:46,700 ですが 私は断言します。 38 00:02:46,700 --> 00:02:53,206 毒薬にだって 誰かを 幸せにすることはできると。 39 00:02:53,206 --> 00:02:55,208 うん? 40 00:02:55,208 --> 00:03:00,147 かつて 私の錬金術の先生が おっしゃっていました。 41 00:03:00,147 --> 00:03:03,150 不確定要素の存在を 考慮できなければ➡ 42 00:03:03,150 --> 00:03:06,153 実験は失敗すると。 43 00:03:06,153 --> 00:03:10,323 あなたが いくら 天才的な錬金術師であろうとも➡ 44 00:03:10,323 --> 00:03:14,327 想定どおりの結果に 収まるはずもないのです。 45 00:03:14,327 --> 00:03:21,168 なぜなら 私という不確定要素を 理解できたはずがないから。 46 00:03:21,168 --> 00:03:23,170 何を? 47 00:03:26,173 --> 00:03:31,845 (鐘の音) 48 00:03:31,845 --> 00:03:34,848 うん? 49 00:03:34,848 --> 00:03:37,350 あれは…。 50 00:03:37,350 --> 00:03:42,022 先生の生み出すものは 毒だけではありません。 51 00:03:42,022 --> 00:03:44,024 たとえ あなたには➡ 52 00:03:44,024 --> 00:03:47,027 人を不幸にするものにしか 思えないとしても➡ 53 00:03:47,027 --> 00:03:51,031 使い方を変えれば さまざまな意義が生まれる。 54 00:03:51,031 --> 00:03:54,534 (花火の音) 55 00:03:57,871 --> 00:03:59,873 あっ…。 56 00:04:02,476 --> 00:04:06,146 (カイル)あっ。 (騎士たち)あっ…。 57 00:04:06,146 --> 00:04:08,148 (アルノルト)フッ。 58 00:04:10,484 --> 00:04:13,153 色のついた炎…。 59 00:04:13,153 --> 00:04:19,659 火薬が空ではぜた? いったい何が…。 60 00:04:19,659 --> 00:04:22,496 私は以前 金属の種類を➡ 61 00:04:22,496 --> 00:04:25,832 簡単に判別する方法を 探していました。 62 00:04:25,832 --> 00:04:30,670 そんなとき ある方に 美しいオーロラを見せていただき➡ 63 00:04:30,670 --> 00:04:32,672 思い出したんです。 64 00:04:32,672 --> 00:04:37,344 金属を火にかけると 美しい光を放つことを。 65 00:04:37,344 --> 00:04:43,683 そうだね。 金属を燃やすと 炎は それぞれに色が変わる。 66 00:04:43,683 --> 00:04:48,688 ええ。 ですが それだけでは なかったのです。 うん? 67 00:04:48,688 --> 00:04:53,860 見方を変えれば 炎に色をつける 方法も手にしたことになる。 68 00:04:53,860 --> 00:04:57,864 あっ…。 暗闇に浮かぶ小さな光を➡ 69 00:04:57,864 --> 00:05:02,469 戦火の松明と見るか ホタルの光だと受け取るか➡ 70 00:05:02,469 --> 00:05:07,474 それぞれの物質や事象が持つ 意味は 一つではありません。 71 00:05:07,474 --> 00:05:10,310 火薬も ミシェル先生も➡ 72 00:05:10,310 --> 00:05:13,313 誰かを不幸にするためだけの 存在なんて➡ 73 00:05:13,313 --> 00:05:15,315 あるはずがないのです。 74 00:05:15,315 --> 00:05:18,818 あっ…。 それを私に わからせるために➡ 75 00:05:18,818 --> 00:05:23,323 君は こんな仕掛けを。 どうして そこまで…。 76 00:05:23,323 --> 00:05:28,161 私が あなたの教え子だからです。 あっ…。 77 00:05:28,161 --> 00:05:31,498 ⦅他者の研究を否定したいなら➡ 78 00:05:31,498 --> 00:05:34,834 反証するための結果を 示さなくては。 79 00:05:34,834 --> 00:05:38,505 君が錬金術師ならば… ねっ?⦆ 80 00:05:38,505 --> 00:05:43,176 《実証しなければ 先生の考えは変えられない。 81 00:05:43,176 --> 00:05:45,846 だから…》 (花火の音) 82 00:05:45,846 --> 00:05:49,516 私は全身全霊をかけて 説き続けます。 83 00:05:49,516 --> 00:05:52,018 どうか その目でご覧ください。 84 00:05:52,018 --> 00:05:54,187 あなたが生み出したものが➡ 85 00:05:54,187 --> 00:05:58,525 あなたの知らない価値を発揮する そのさまを! 86 00:05:58,525 --> 00:06:01,328 (花火の音) 87 00:06:03,630 --> 00:06:09,302 炎色反応のことも 火薬の作用も理解していたのに➡ 88 00:06:09,302 --> 00:06:12,472 こんな使いみちがあるなんて…。 89 00:06:12,472 --> 00:06:44,170 ♬~ 90 00:06:44,170 --> 00:06:47,007 君はすごいね リーシェ。 91 00:06:47,007 --> 00:06:50,343 いいえ。 すごいのは先生です。 うん? 92 00:06:50,343 --> 00:06:53,680 他にもきっと あなたが毒にしかならないと➡ 93 00:06:53,680 --> 00:06:55,682 思っていらっしゃるものに➡ 94 00:06:55,682 --> 00:06:58,184 すばらしい使いみちが あるはずですよ。 95 00:06:58,184 --> 00:07:04,624 だって あなたは世界でいちばんの 天才錬金術師なのですから。 96 00:07:04,624 --> 00:07:07,527 (花火の音) 97 00:07:10,630 --> 00:07:12,632 そうだったのか。 98 00:07:12,632 --> 00:07:16,636 私は あんな美しいものの源を➡ 99 00:07:16,636 --> 00:07:19,839 作り出すことができていたのか。 100 00:07:26,479 --> 00:07:28,982 《無事に全部上がったわね》 101 00:07:35,155 --> 00:07:37,157 ありがとうございました。 102 00:07:37,157 --> 00:07:40,160 ホンット 大変だったよ。 103 00:07:40,160 --> 00:07:43,330 ⦅これを皆さんに お渡しいただけますか? 104 00:07:43,330 --> 00:07:46,666 これは? 何?⦆ 105 00:07:46,666 --> 00:07:48,835 《火薬の数と仕掛ける場所は➡ 106 00:07:48,835 --> 00:07:52,172 3度目の人生で 実験計画書を見たおかげで➡ 107 00:07:52,172 --> 00:07:55,842 この広い都でも 絞り込むことができた。 108 00:07:55,842 --> 00:07:58,511 あとは先生の行動範囲から➡ 109 00:07:58,511 --> 00:08:02,615 その条件に合う場所を 探し出せばいいだけ。 110 00:08:02,615 --> 00:08:06,286 そして この件に関わった すべての方々が➡ 111 00:08:06,286 --> 00:08:09,789 完璧に 仕事をしてくれたおかげね》 112 00:08:09,789 --> 00:08:15,795 殿下の臣下の方々は 本当に優秀ですね。 フフ~ン。 113 00:08:15,795 --> 00:08:17,964 うん? あっ。 114 00:08:17,964 --> 00:08:20,800 《ローヴァイン閣下!?》 115 00:08:20,800 --> 00:08:23,970 ご命令のとおりに。 (ローヴァイン)ご苦労。 116 00:08:23,970 --> 00:08:28,141 (ローヴァイン)ミシェル・エヴァン。 こたびの件 説明してもらおう。 117 00:08:28,141 --> 00:08:32,479 待ちなよ ローヴァイン。 そいつの身柄は僕が預かる。 118 00:08:32,479 --> 00:08:34,814 お受けできません。 何? 119 00:08:34,814 --> 00:08:37,984 この者は 皇帝陛下の治めるこの地で➡ 120 00:08:37,984 --> 00:08:40,653 事件を起こすと宣言した者です。 121 00:08:40,653 --> 00:08:43,823 たとえ テオドール殿下のご命令とはいえ➡ 122 00:08:43,823 --> 00:08:46,826 お引き渡しするわけには まいりません。 123 00:08:51,664 --> 00:08:53,666 あっ。 あっ。 124 00:08:53,666 --> 00:08:58,338 なんの騒ぎだ ローヴァイン。 125 00:08:58,338 --> 00:09:01,107 アルノルト殿下。 126 00:09:01,107 --> 00:09:04,611 不届きな発言をした者がいるとの 報告が。 127 00:09:04,611 --> 00:09:08,782 先ほど 空に上がった巨大な炎と 関係があると考え➡ 128 00:09:08,782 --> 00:09:11,951 捕らえて尋問しようとしていた しだいです。 129 00:09:11,951 --> 00:09:13,953 なるほどな。 130 00:09:13,953 --> 00:09:16,956 アルノルト殿下 先ほどの…。 リーシェ。 あっ…。 131 00:09:16,956 --> 00:09:18,958 必要ない。 132 00:09:21,461 --> 00:09:24,130 (アルノルト)先の事象は その学者が➡ 133 00:09:24,130 --> 00:09:27,133 コヨルの新技術を披露しただけに すぎない。 134 00:09:27,133 --> 00:09:29,636 (2人)あっ…。 135 00:09:29,636 --> 00:09:34,841 コヨルの学者殿が 何故 我が国で新技術の披露を? 136 00:09:38,978 --> 00:09:43,483 我が国は今後 コヨルと技術提携を始める。 137 00:09:47,153 --> 00:09:49,489 わあ…。 138 00:09:49,489 --> 00:09:51,491 (テオドール/リーシェ)あっ。 (ローヴァイン)うん? 139 00:09:53,827 --> 00:09:55,829 アハッ。 140 00:09:59,332 --> 00:10:02,168 コヨルに軍事指南をする代わりに➡ 141 00:10:02,168 --> 00:10:06,673 こちらは精密加工の技術と 学術の知識を借りる。 142 00:10:06,673 --> 00:10:08,675 先ほど上がった火の花は➡ 143 00:10:08,675 --> 00:10:13,346 コヨルが我が国に未知の技術を もたらすことの証明となる。 144 00:10:13,346 --> 00:10:15,348 理解したか? 145 00:10:17,851 --> 00:10:19,853 下がれ。 146 00:10:19,853 --> 00:10:24,190 はっ。 ローヴァイン閣下。 147 00:10:24,190 --> 00:10:28,194 これまで身分を偽っていたことを おわび申し上げます。 148 00:10:33,867 --> 00:10:37,871 ミシェル! 盟約の手助けを してくれたのは うれしいが➡ 149 00:10:37,871 --> 00:10:41,040 とても驚いた。 カイル…。 150 00:10:41,040 --> 00:10:43,710 研究の成果を披露するにしても➡ 151 00:10:43,710 --> 00:10:46,880 もう少しご迷惑をおかけしない 方法があったろう。 152 00:10:46,880 --> 00:10:50,216 違うよ。 私は本当なら➡ 153 00:10:50,216 --> 00:10:52,552 命をもって…。 (リーシェ)ミシェル先生。 154 00:10:52,552 --> 00:10:55,655 今は おとなしく 怒られていてください。 155 00:11:00,159 --> 00:11:05,999 ごめんね カイル。 ごめんね リーシェ。 ミシェル? 156 00:11:05,999 --> 00:11:08,334 (ミシェル)もうしないよ。 157 00:11:08,334 --> 00:11:13,339 私の説は大きな間違いだって ちゃんと わかったから。 158 00:11:15,341 --> 00:11:18,344 二度としないって 約束する。 159 00:11:21,014 --> 00:11:23,816 (オリヴァー)では そのように 手配いたします。 160 00:11:27,687 --> 00:11:29,689 フフッ。 161 00:11:29,689 --> 00:11:34,027 言っておくが 温情をかけたわけではないぞ。 162 00:11:34,027 --> 00:11:37,864 ヤツが ろくでもないことを たくらんでいたのは明白だ。 163 00:11:37,864 --> 00:11:43,202 だが 公に罪人扱いをすれば 父帝の耳に入る。 164 00:11:43,202 --> 00:11:48,708 だから お前の策を利用した。 はい。 ありがとうございます。 165 00:11:48,708 --> 00:11:52,378 先生については 詳細を お話しさせていただいたうえで➡ 166 00:11:52,378 --> 00:11:56,716 ご判断いただければと。 ハッ 殊勝だな。 167 00:11:56,716 --> 00:11:59,552 秘密裏に殺して捨てたところで➡ 168 00:11:59,552 --> 00:12:02,322 お前に文句を言わせる気はないが。 169 00:12:02,322 --> 00:12:04,324 んん…。 170 00:12:06,492 --> 00:12:11,331 アルノルト殿下。 うん? 何だ? 171 00:12:11,331 --> 00:12:13,499 実はですね➡ 172 00:12:13,499 --> 00:12:17,103 懐中時計を発明したのも ミシェル先生なのです。 173 00:12:20,340 --> 00:12:23,343 (リーシェ)コヨルとの 合同研究にあたって➡ 174 00:12:23,343 --> 00:12:27,347 ミシェル先生の知識は 必須ではないでしょうか。 175 00:12:29,349 --> 00:12:31,351 いかがします? 176 00:12:31,351 --> 00:12:34,687 お前…。 はぁ…。 177 00:12:34,687 --> 00:12:37,190 どう考えても最初から➡ 178 00:12:37,190 --> 00:12:39,525 俺を口説き落とす自信が あっただろ? 179 00:12:39,525 --> 00:12:42,528 まさか! 自信があったのは➡ 180 00:12:42,528 --> 00:12:45,698 殿下であれば 先生に 興味を持ってくださるはず➡ 181 00:12:45,698 --> 00:12:47,700 というところまでですよ。 182 00:12:49,702 --> 00:12:53,706 城下の人々も あの花火を見たはずです。 183 00:12:53,706 --> 00:12:59,212 あれが コヨルのものだと知れば 世論も盟約を後押しするかと。 184 00:12:59,212 --> 00:13:02,649 (アルノルト)そうだろうな。 (リーシェ)はい! 185 00:13:02,649 --> 00:13:09,656 あれは 花火というのか? ええ。 そう名前を付けました。 186 00:13:09,656 --> 00:13:12,659 私は あの花火を➡ 187 00:13:12,659 --> 00:13:15,161 殿下に 見ていただきたかったのです。 188 00:13:17,163 --> 00:13:22,168 花火に使われている火薬は 危険な性質を帯びたものです。 189 00:13:22,168 --> 00:13:26,339 ですが 使い方によっては 誰も見たことがない➡ 190 00:13:26,339 --> 00:13:29,175 美しい景色をも生み出せます。 191 00:13:29,175 --> 00:13:31,678 あなたが そのことを知れば➡ 192 00:13:31,678 --> 00:13:35,515 きっと たくさんの可能性を 切り開いてくださる。 193 00:13:35,515 --> 00:13:39,185 そんなふうに思ったのです。 194 00:13:39,185 --> 00:13:43,189 《今はまだ 自分の力のすべてが➡ 195 00:13:43,189 --> 00:13:47,527 戦争のためのものだと お考えかもしれないけれど➡ 196 00:13:47,527 --> 00:13:50,530 いつか きっと…》 197 00:13:55,868 --> 00:13:58,037 こちらは 帰りの船旅を➡ 198 00:13:58,037 --> 00:14:00,306 快適に過ごしていただくための お薬です。 199 00:14:00,306 --> 00:14:02,975 お味は相変わらず まずいのですが。 200 00:14:02,975 --> 00:14:07,980 船酔いのつらさに比べれば 大したものではありません。 201 00:14:07,980 --> 00:14:09,982 リーシェ殿。 うん? 202 00:14:09,982 --> 00:14:12,485 本当にありがとうございました。 203 00:14:12,485 --> 00:14:15,154 あなたのお力添えが あったからこそ➡ 204 00:14:15,154 --> 00:14:18,658 アルノルト殿は 我が国と 盟約を結んでくださった。 205 00:14:18,658 --> 00:14:24,163 いいえ。 コヨルの確かな技術力と 学術への研究支援。 206 00:14:24,163 --> 00:14:27,834 すべては カイル王子が 力を尽くしてこられた結果です。 207 00:14:27,834 --> 00:14:29,836 ああ…。 208 00:14:33,339 --> 00:14:36,843 (ミシェル)君の旦那様は 寛容すぎると思うんだ。 209 00:14:36,843 --> 00:14:41,013 いいえ 先生。 王族同士が関わる事業で➡ 210 00:14:41,013 --> 00:14:44,684 常に最善の結果を出し続けろと いうのですよ? 211 00:14:44,684 --> 00:14:48,688 常人には背負いきれない 相当な罰だと思います。 212 00:14:48,688 --> 00:14:52,358 う~ん そうだねぇ…。 213 00:14:52,358 --> 00:14:57,196 世界にとって すばらしいものを 生み出す なんて➡ 214 00:14:57,196 --> 00:14:59,699 そんな研究をしたことは なかったけど…。 215 00:15:01,634 --> 00:15:03,636 頑張るよ。 216 00:15:07,807 --> 00:15:11,144 君に謝っておきたくて。 うん? 217 00:15:11,144 --> 00:15:13,479 「お妃様なんて向いてない」って➡ 218 00:15:13,479 --> 00:15:19,652 間違ったことを言ってしまったね。 君は十分向いている。 219 00:15:19,652 --> 00:15:23,656 でも 惜しいなあと思うのも本当。 220 00:15:23,656 --> 00:15:29,662 後悔はしない? アルノルト・ハインの花嫁になる人生を。 221 00:15:29,662 --> 00:15:32,165 今の私が知りたいのは➡ 222 00:15:32,165 --> 00:15:35,501 私の旦那様になる お方のことなのです。 223 00:15:35,501 --> 00:15:39,005 どんな研究結果や どんな原理よりも。 224 00:15:39,005 --> 00:15:44,343 フフッ。 君とは しばしのお別れだ。 225 00:15:44,343 --> 00:15:47,647 またね 私の教え子。 226 00:15:50,349 --> 00:15:52,351 はい! 227 00:15:57,023 --> 00:15:59,959 (リーシェ)ミシェル先生が 戸惑っていらっしゃいましたよ。 228 00:15:59,959 --> 00:16:02,562 アルノルト殿下が寛容だと。 229 00:16:05,131 --> 00:16:08,301 未遂に終わったことを 騒ぎ立てるよりも➡ 230 00:16:08,301 --> 00:16:11,971 有用に利用したほうがマシ というだけだ。 231 00:16:11,971 --> 00:16:13,973 ありがとうございます。 232 00:16:18,311 --> 00:16:22,315 スー… ハー。 233 00:16:22,315 --> 00:16:25,651 それと もう一つ ご報告が。 234 00:16:25,651 --> 00:16:27,653 うん? 235 00:16:30,656 --> 00:16:33,826 できたのか。 はい。 236 00:16:33,826 --> 00:16:38,831 完成品は殿下と一緒に見たくて まだ開けていないのです。 237 00:16:38,831 --> 00:16:41,500 きっと すてきな…。 リーシェ。 あっ…。 238 00:16:41,500 --> 00:16:44,804 その指輪を つけてみせる必要はない。 239 00:16:49,842 --> 00:16:52,678 必要がない… とは? 240 00:16:52,678 --> 00:16:56,515 言ったはずだ。 俺が お前に要求するのは➡ 241 00:16:56,515 --> 00:16:59,519 指輪を贈らせろという 一点のみだと。 242 00:17:02,288 --> 00:17:07,460 俺に そこまでのことを望む 権利はない。 243 00:17:07,460 --> 00:17:09,462 あっ…。 244 00:17:09,462 --> 00:17:11,464 俺に贈られたからといって➡ 245 00:17:11,464 --> 00:17:14,967 意に沿わないものを 身につけなくともかまわない。 246 00:17:14,967 --> 00:17:18,304 お前は お前自身が 気に入ったものだけを➡ 247 00:17:18,304 --> 00:17:21,807 誰の目も気にすることなく 自由に選べ。 248 00:17:27,313 --> 00:17:30,149 イヤです。 何? 249 00:17:30,149 --> 00:17:35,821 サイズを測るとき 私は 左手の薬指を選びましたよね? 250 00:17:35,821 --> 00:17:39,158 ああ。 私の国では結婚の際➡ 251 00:17:39,158 --> 00:17:43,162 夫から妻の薬指に 指輪が贈られるのです。 252 00:17:45,831 --> 00:17:50,536 私にだって そういう儀式への 憧れはあります。 253 00:17:53,506 --> 00:17:56,008 婚姻の儀で この指輪をつけたいですし➡ 254 00:17:56,008 --> 00:17:58,344 ドレスも指輪に合わせて選びます! 255 00:17:58,344 --> 00:18:00,279 必要ないとおっしゃいましたが➡ 256 00:18:00,279 --> 00:18:02,949 今後も あらゆる場面で 使わせていただきますので! 257 00:18:02,949 --> 00:18:04,951 リーシェ…。 む… むしろ➡ 258 00:18:04,951 --> 00:18:08,621 すぐにでも指にはめたいのを 我慢してたんですから! 259 00:18:08,621 --> 00:18:11,123 だから アルノルト殿下が➡ 260 00:18:11,123 --> 00:18:13,459 私の指にはめてください。 261 00:18:13,459 --> 00:18:16,262 今は手袋をつけていない。 うっ…。 262 00:18:18,965 --> 00:18:21,767 なくても… 大丈夫です。 263 00:18:26,138 --> 00:18:31,644 どうしても 今すぐがいいんです。 だから…。 264 00:18:31,644 --> 00:18:34,146 お願い 殿下。 265 00:18:37,817 --> 00:18:39,819 はぁ…。 266 00:18:47,159 --> 00:18:49,161 あっ…。 267 00:18:49,161 --> 00:19:11,617 ♬~ 268 00:19:11,617 --> 00:19:13,619 リーシェ。 269 00:19:18,791 --> 00:19:20,793 触れてもいいか? 270 00:19:25,631 --> 00:19:27,633 はい…。 271 00:19:33,472 --> 00:19:38,310 こら 息を止めるな。 と… 止めてないです。 272 00:19:38,310 --> 00:19:41,480 呼吸のしかたを 忘れているだけで…。 273 00:19:41,480 --> 00:19:44,150 フフッ。 《笑った!》 274 00:19:44,150 --> 00:20:02,668 ♬~ 275 00:20:02,668 --> 00:20:06,672 プハッ… ハァ ハァ ハァ…。 呼吸のしかたは思い出せたか? 276 00:20:06,672 --> 00:20:10,176 ど… どうにか。 ハァ ハァ ハァ…。 フフッ。 277 00:20:17,183 --> 00:20:19,185 リーシェ。 278 00:20:22,521 --> 00:20:24,523 できたぞ。 279 00:20:30,696 --> 00:20:32,698 わあ…。 280 00:20:35,034 --> 00:20:40,706 殿下の瞳と 本当に同じ色。 281 00:20:40,706 --> 00:20:44,910 この指輪をつけているだけで なんでもできそう。 282 00:20:48,380 --> 00:20:52,384 どう… ですか? ああ。 283 00:20:59,225 --> 00:21:02,661 想像以上に気分がいいな。 284 00:21:02,661 --> 00:21:04,864 ああ…。 285 00:21:07,500 --> 00:21:10,169 殿下。 なんだ? 286 00:21:10,169 --> 00:21:13,672 おねだりしたいことが 増えました。 287 00:21:13,672 --> 00:21:17,676 言ってみろ。 今なら なんでも聞いてやる。 288 00:21:19,845 --> 00:21:23,349 殿下と一緒に旅がしたいです。 旅? 289 00:21:23,349 --> 00:21:25,351 ええ。 この世界にある➡ 290 00:21:25,351 --> 00:21:28,521 さまざまな美しいものを見る旅を。 291 00:21:28,521 --> 00:21:30,689 ホタルや花火だけじゃなく➡ 292 00:21:30,689 --> 00:21:34,860 あなたにとって きれいで 美しいと思えるようなものを➡ 293 00:21:34,860 --> 00:21:37,863 もっとたくさん 一緒に探しに行きたい。 294 00:21:37,863 --> 00:21:44,203 お前のおかげで 一つは増えたぞ。 えっ? それは いったい…。 295 00:21:44,203 --> 00:21:46,872 フンッ さあな。 296 00:21:46,872 --> 00:21:50,543 お前が わからないうちは 教えないでおくとしよう。 297 00:21:50,543 --> 00:21:53,546 ず… ずるい! 常人が あなたの謎かけに➡ 298 00:21:53,546 --> 00:21:57,716 勝てるとお思いですか? 常人は えたいの知れない薬品を➡ 299 00:21:57,716 --> 00:22:00,653 嫁ぎ先の空で 爆発させたりはしない。 300 00:22:00,653 --> 00:22:02,655 ううっ…。 301 00:22:07,493 --> 00:22:09,495 あっ。 302 00:22:09,495 --> 00:22:14,300 別に それほど難しい謎かけでは ないと思うが。 303 00:22:21,841 --> 00:22:25,511 《今は ほんのささいな変化でも➡ 304 00:22:25,511 --> 00:22:31,517 積み重ねることで少しずつ 未来を変えていけるはず。 305 00:22:31,517 --> 00:22:36,622 アルノルト殿下と一緒に 美しい世界を見られるように》 306 00:22:38,858 --> 00:22:44,063 《それが この人生でできた 私の大きな目標》