1 00:00:03,170 --> 00:00:08,408 (菜花)へえ…。 なんか また私がいない間に色々と…。 2 00:00:08,408 --> 00:00:14,147 白眉さまに摩緒さまの変化を解かれて 危ういところでしたが➡ 3 00:00:14,147 --> 00:00:17,484 なんとか 百火さまの水の封印が解けて➡ 4 00:00:17,484 --> 00:00:20,220 白眉さまを追い払っていただけたので。 5 00:00:20,220 --> 00:00:23,924 へえ すごいね。 百火。 ん… 呼び捨てか。 6 00:00:25,692 --> 00:00:27,628 でも 乙弥くんが その…➡ 7 00:00:27,628 --> 00:00:30,430 水の封印を解いたって事? 8 00:00:30,430 --> 00:00:36,637 はい。 手前は人形から生じた式神です。 9 00:00:36,637 --> 00:00:39,339 そして 人は土の属性。 10 00:00:39,339 --> 00:00:41,942 土は水を 剋しますので➡ 11 00:00:41,942 --> 00:00:47,180 式神風情の手前でもあるいは… と思いまして。 12 00:00:47,180 --> 00:00:49,850 へぇ! すっごいね 乙弥くん。 13 00:00:49,850 --> 00:00:53,320 おい! もっと おれの実力を褒め称えろ! 14 00:00:53,320 --> 00:01:01,061 ♬~ 15 00:01:01,061 --> 00:01:08,468 ♬「永い暗闇は未来の光の影でしょうか」 16 00:01:08,468 --> 00:01:15,576 ♬「取り残した想いは 僕を離れ枯れるでしょうか」 17 00:01:15,576 --> 00:01:19,446 ♬「見えないものに塞がれては」 18 00:01:19,446 --> 00:01:23,283 ♬「目の前のあなたを見失いそう」 19 00:01:23,283 --> 00:01:30,424 ♬「古い傷跡は 優しさのためにあれば良いのに」 20 00:01:30,424 --> 00:01:37,965 ♬「もつれた因果の蒔いた種は 綺麗な花になれば良いのに」 21 00:01:37,965 --> 00:01:40,734 ♬「言葉は呪い」 22 00:01:40,734 --> 00:01:50,410 ♬「縛られてそれでも この世界を変えたいんだ」 23 00:01:50,410 --> 00:01:56,083 ♬「君の言葉で上書きして」 24 00:01:56,083 --> 00:02:05,459 ♬「(祈って強く) 氷みたいに冷めた心溶かして」 25 00:02:05,459 --> 00:02:10,330 ♬「わざわざ会いたくて胸騒ぎ」 26 00:02:10,330 --> 00:02:16,403 ♬「(笑ってくれたら) 壊れるほど信じてみるよ今夜」 27 00:02:16,403 --> 00:02:21,108 ♬~ 28 00:02:28,148 --> 00:02:32,285 (寝息) 29 00:02:32,285 --> 00:02:35,789 <うーん。 どうしよう➡ 30 00:02:35,789 --> 00:02:40,961 猫鬼が来て 話をした事… 報告に来たんだけど。➡ 31 00:02:40,961 --> 00:02:47,734 それに紗那さまが 口から黒い呪いを吐き出してたとか…。➡ 32 00:02:47,734 --> 00:02:51,705 なんか 伝えづらい…➡ 33 00:02:51,705 --> 00:02:55,909 悪口みたいで…> 34 00:02:55,909 --> 00:02:58,612 っ…! 摩緒先生 手当てを! 35 00:02:58,612 --> 00:03:01,648 (百火 菜花)え? どうなさいました? 36 00:03:01,648 --> 00:03:04,151 おい 摩緒。 急患だってよ。 37 00:03:04,151 --> 00:03:07,054 あっ 百火さま お起こししないで。 38 00:03:07,054 --> 00:03:09,589 ひぃぃぃ… ひぃぃぃ…。 39 00:03:09,589 --> 00:03:11,992 骨にヒビが入ってますけど➡ 40 00:03:11,992 --> 00:03:15,662 これなら手前一人でも… よし! 41 00:03:15,662 --> 00:03:18,665 お大事に。 42 00:03:18,665 --> 00:03:21,268 (妖狐)あ やってるんですか? コンコン。 (化け提灯)よかった。➡ 43 00:03:21,268 --> 00:03:23,203 昨日も休みだったから。 44 00:03:23,203 --> 00:03:26,173 顔にできものできちゃった。 45 00:03:26,173 --> 00:03:30,610 食欲がなくてですね。 お薬をお出しします。 46 00:03:30,610 --> 00:03:33,113 首が凝って…。 おぉ。 47 00:03:33,113 --> 00:03:35,415 はい! はい! はい! はいっ! ん~! 48 00:03:35,415 --> 00:03:37,718 ん~~~➡ 49 00:03:37,718 --> 00:03:39,686 ん~~~➡ 50 00:03:39,686 --> 00:03:42,289 ん~~~。 51 00:03:42,289 --> 00:03:44,257 モォ! ものもらいですね。 52 00:03:44,257 --> 00:03:47,160 モォ~! よしっ! 53 00:03:47,160 --> 00:03:51,064 ヘッ ヘッ ヘッ。 大繁盛。 乙弥くん 手伝うよ。 54 00:03:51,064 --> 00:03:55,702 助かります 菜花さん。 では あちらでお待ちの患者さんを。ん? 55 00:03:55,702 --> 00:03:58,438 なんか  頭が痛くて…。 56 00:03:58,438 --> 00:04:00,674 <いきなりハードル高っ!> 57 00:04:00,674 --> 00:04:04,544 抜けばいいんだよね。 失礼しまーす。 58 00:04:04,544 --> 00:04:07,147 うっ… 固い…。 いてててて…。 59 00:04:07,147 --> 00:04:10,050 (百火)どんくせーな おまえ。 どけ。 なによ。 60 00:04:10,050 --> 00:04:12,085 (踏む音) あっ いでっ! むぅ。 61 00:04:12,085 --> 00:04:14,588 せーの! ん… ぐぅ…。 62 00:04:14,588 --> 00:04:18,258 抜けた! あ…。 63 00:04:18,258 --> 00:04:20,694 (突き刺さる音) (百火 菜花)よけた! 64 00:04:20,694 --> 00:04:23,930 摩緒! 大丈夫? この野郎 起きてんじゃ…。 65 00:04:23,930 --> 00:04:26,600 ぐっすりお休みです。 ウソだろ。 66 00:04:26,600 --> 00:04:29,970 (百火)いつまで寝てんだ てめー! 67 00:04:29,970 --> 00:04:34,608 うるさい。 うん? 68 00:04:34,608 --> 00:04:36,543 (バチバチという音) (もだえる声) 69 00:04:36,543 --> 00:04:40,046 え! 何の術⁉ 結界を張ったのでしょう。 70 00:04:42,783 --> 00:04:45,285 (寝息) ぐっすりお休みです。 71 00:04:45,285 --> 00:04:47,254 ウソだろ。 (ヒビが入る音) 72 00:04:47,254 --> 00:04:49,489 いっつもこうなの? 73 00:04:49,489 --> 00:04:52,959 さあ。 手前は 無理にお起こしした事がありませんので。 74 00:04:52,959 --> 00:04:55,862 <疲れてるのかな…。➡ 75 00:04:55,862 --> 00:05:00,700 寝ている間しか 心の休まる時がないのかも。➡ 76 00:05:00,700 --> 00:05:03,970 なんか かわいそうだな> 77 00:05:03,970 --> 00:05:05,939 (吸い込む音) 78 00:05:05,939 --> 00:05:08,808 よし! 私達で もうひと頑張り! 79 00:05:08,808 --> 00:05:13,013 患者さんも あと少しだし。 菜花さん やさしい。(拍手) 80 00:05:13,013 --> 00:05:14,948 くっそ…。 (ドアが開く音) 81 00:05:14,948 --> 00:05:17,851 (カキ夫)摩緒先生~。 82 00:05:17,851 --> 00:05:20,787 みんなでナベ食ってたら…。 腹痛が~。 83 00:05:20,787 --> 00:05:23,390 (菜花 百火)<団体…> 84 00:05:23,390 --> 00:05:25,859 ぶおぉぉぉぉ…。 (百火)こらー! 床に吐くんじゃねえ! 85 00:05:25,859 --> 00:05:28,361 バケツどこ? バケツ! 86 00:05:28,361 --> 00:05:33,133 (鳥の鳴き声) 87 00:05:33,133 --> 00:05:35,468 (寝息) 88 00:05:35,468 --> 00:05:38,905 ん…。 89 00:05:38,905 --> 00:05:42,609 ああ… よく寝た。 あ おはようございます。 90 00:05:42,609 --> 00:05:45,245 おはよ… ん? 91 00:05:45,245 --> 00:05:47,247 (寝息) 92 00:05:50,884 --> 00:05:53,486 ええ~⁉ 93 00:05:55,255 --> 00:06:02,996 <はぁ~。 やっぱり摩緒には言えなかった。 紗那さまのこと。 それに…> 94 00:06:02,996 --> 00:06:06,866  回想 猫は陰陽道の外にいるというのは➡ 95 00:06:06,866 --> 00:06:09,803 本当なのでしょうか。え⁉ なにそれ。 96 00:06:09,803 --> 00:06:12,973 ああ。 白眉の野郎 言ってたな。 97 00:06:12,973 --> 00:06:16,877 木火土金水 どこにも属さない存在だって。 98 00:06:16,877 --> 00:06:19,446 実際 変化した摩緒さまに➡ 99 00:06:19,446 --> 00:06:23,250 白眉さまの陰陽術は効きませんでした。 100 00:06:23,250 --> 00:06:25,685 <陰陽道の外。➡ 101 00:06:25,685 --> 00:06:29,055 猫って そんな特別な生き物なわけ?➡ 102 00:06:29,055 --> 00:06:30,991 調べてみよ。➡ 103 00:06:30,991 --> 00:06:34,594 陰陽道と猫の関係っと…> 104 00:06:38,732 --> 00:06:42,602 <なんか 全然たどりつけない> う~ん。 105 00:06:42,602 --> 00:06:46,139 (結)菜花 朝から ずっとなに見てんの? え? 106 00:06:46,139 --> 00:06:49,609 そんな菜花を白羽くんは ずっと見てたけど。 107 00:06:49,609 --> 00:06:51,811 え? 108 00:06:58,318 --> 00:07:03,890 そもそも 陰陽道のルーツは 古代中国の自然哲学で➡ 109 00:07:03,890 --> 00:07:07,661 すべての存在は 相反する二つの性質の調和から➡ 110 00:07:07,661 --> 00:07:10,196 成っているという「陰陽思想」。➡ 111 00:07:10,196 --> 00:07:13,933 それと万物は五種類の元素から成り➡ 112 00:07:13,933 --> 00:07:17,671 互いに影響しあっているという 「五行思想」。 113 00:07:17,671 --> 00:07:20,573 この二つが結びついたものなんだ。➡ 114 00:07:20,573 --> 00:07:24,544 で 猫は元々エジプトの動物で➡ 115 00:07:24,544 --> 00:07:30,116 陰陽五行説ができた頃 猫は まだ中国にはいなかった説があるね。 116 00:07:30,116 --> 00:07:32,452 ええ⁉ えーっと➡ 117 00:07:32,452 --> 00:07:37,223 でも五行説の中に干支もあるよね。 ああ。 118 00:07:37,223 --> 00:07:40,160 私 十二支の中に猫がいないのは➡ 119 00:07:40,160 --> 00:07:42,996 何故かなーって思って調べたら➡ 120 00:07:42,996 --> 00:07:45,465 猫はネズミに騙されて➡ 121 00:07:45,465 --> 00:07:49,069 干支の動物を選ぶ日に 間に合わなかったって…。 122 00:07:49,069 --> 00:07:51,604 そういう話があったんだけど…。 123 00:07:51,604 --> 00:07:55,475 だから 猫がいないっていうのは…。 124 00:07:55,475 --> 00:08:01,081 えーっと その話 日本にしかないね。 後付けじゃないかな。 125 00:08:01,081 --> 00:08:03,016 <打てば響く!➡ 126 00:08:03,016 --> 00:08:06,052 っ… ええ⁉ それじゃあ 猫は➡ 127 00:08:06,052 --> 00:08:08,221 陰陽道のシステムに➡ 128 00:08:08,221 --> 00:08:10,757 組み込まれて なかったって事?> 129 00:08:10,757 --> 00:08:15,595 猫が日本に渡って来たのは 飛鳥時代以降。➡ 130 00:08:15,595 --> 00:08:17,597 仏教の伝来とともに➡ 131 00:08:17,597 --> 00:08:22,168 大切な経典を ネズミの害から守るためだね。➡ 132 00:08:22,168 --> 00:08:25,372 平安時代になると貴重な愛玩動物として➡ 133 00:08:25,372 --> 00:08:28,274 宮中で飼われた記録が出始めてる。 134 00:08:28,274 --> 00:08:31,678 <ふーん。 それじゃあ 御降家は➡ 135 00:08:31,678 --> 00:08:35,248 やっぱり それなりに いい家だったんだ> 136 00:08:35,248 --> 00:08:40,120 あっ。 あとこれ 陰陽道に関係あるかはわからないけど➡ 137 00:08:40,120 --> 00:08:42,489 中国の隋の時代➡ 138 00:08:42,489 --> 00:08:45,992 日本からも遣隋使を送って 交流していた頃➡ 139 00:08:45,992 --> 00:08:48,261 隋では猫鬼➡ 140 00:08:48,261 --> 00:08:52,699 猫の蠱毒を使役する呪いが 大流行してたんだって。 141 00:08:52,699 --> 00:08:58,004 っ…⁉ マオグイって日本語に訳すと…。 142 00:08:58,004 --> 00:09:00,907 猫の鬼 猫鬼だって。 143 00:09:00,907 --> 00:09:03,143 <ネットに上がってんの~⁉> 144 00:09:03,143 --> 00:09:07,080 猫鬼は 人に取り憑いて内臓を食い破り➡ 145 00:09:07,080 --> 00:09:10,316 殺した者の財産を盗んでくるから➡ 146 00:09:10,316 --> 00:09:12,752 使役者は 徐々に裕福になる。➡ 147 00:09:12,752 --> 00:09:15,422 蠱毒や えんみの類いだね。➡ 148 00:09:15,422 --> 00:09:19,292 隋の皇帝は猫鬼使役の禁止令を出して➡ 149 00:09:19,292 --> 00:09:24,564 摘発された一族は 四代にわたって投獄されたらしいけど➡ 150 00:09:24,564 --> 00:09:27,467 使役する者は後を絶たなかったって。 151 00:09:27,467 --> 00:09:32,238 うーん だとすると 猫鬼って➡ 152 00:09:32,238 --> 00:09:36,976 呪禁道の秘術を守ってた御降家には ジャストフィットじゃん。 153 00:09:36,976 --> 00:09:43,283 <だけど 御降家は 猫鬼を扱いきれずに滅びた…> 154 00:09:45,685 --> 00:09:48,354 猫を嫌う陰陽師はいたよ。 155 00:09:48,354 --> 00:09:52,325 ただし 正統な家の人達が多かったけどね。 156 00:09:52,325 --> 00:09:55,862 でも その白眉って人は…。 157 00:09:55,862 --> 00:09:59,199 あの人 ああ見えて純粋だったから。 158 00:09:59,199 --> 00:10:03,069 私は マオグイという存在が 古くからあることは➡ 159 00:10:03,069 --> 00:10:05,472 お師匠さまから聞かされていた。 160 00:10:05,472 --> 00:10:09,976 だから 館に猫が… 灰丸がいるわけも➡ 161 00:10:09,976 --> 00:10:12,679 お師匠さまは そうとは 言わなかったが➡ 162 00:10:12,679 --> 00:10:15,215 いずれ 灰丸を猫鬼として➡ 163 00:10:15,215 --> 00:10:17,717 使役するつもりではと察していた。 164 00:10:17,717 --> 00:10:19,786 白眉… さまも➡ 165 00:10:19,786 --> 00:10:22,388 その考えに たどりついたようです。 166 00:10:22,388 --> 00:10:27,527 ああ…。 しかし 私がずっと気になっているのは➡ 167 00:10:27,527 --> 00:10:31,397 灰丸は いつから猫鬼だったのか ということだ。 168 00:10:31,397 --> 00:10:36,269 え? だって それは摩緒が教えてくれたじゃない。 169 00:10:36,269 --> 00:10:39,639 館の下働きだった藻久不って人が➡ 170 00:10:39,639 --> 00:10:43,276 灰丸を蠱毒の穴に投げ込んだからって。 171 00:10:43,276 --> 00:10:45,845 藻久不さんは そう言っていたし➡ 172 00:10:45,845 --> 00:10:48,548 そう思い込んでいただろうが…➡ 173 00:10:48,548 --> 00:10:52,285 どう考えても不自然なんだよ。 174 00:10:52,285 --> 00:10:57,624 紗那さまと私にしか なついていなかった灰丸が 逃げもせず➡ 175 00:10:57,624 --> 00:11:00,026 藻久不さんに連れ出された事も。 176 00:11:00,026 --> 00:11:05,465 ましてや蠱毒の穴で 山犬や猪まで喰い殺した。 177 00:11:05,465 --> 00:11:09,335 ただの猫に そんな事ができるのか。 178 00:11:09,335 --> 00:11:13,206 ええ…⁉ それじゃ 灰丸は。 179 00:11:13,206 --> 00:11:18,111 もっとずっと前から 猫鬼だったのではないかと➡ 180 00:11:18,111 --> 00:11:21,014 私は思っている。 181 00:11:27,487 --> 00:11:30,390 評判のいいお医者さま? 182 00:11:30,390 --> 00:11:34,627 ええ… 最初はみんな喜んでたというんです。 183 00:11:34,627 --> 00:11:36,563 ひどいケガをした人を➡ 184 00:11:36,563 --> 00:11:39,499 タダで治してくださると。 摩緒みたいな? 185 00:11:39,499 --> 00:11:43,002 貂子さん それで? 186 00:11:43,002 --> 00:11:48,308 傷が治った人達が 何か月かすると行方不明になって➡ 187 00:11:48,308 --> 00:11:51,945 ただ 働き盛りの男の方が多かったので➡ 188 00:11:51,945 --> 00:11:55,181 自ら姿を消したのかもしれないと。 189 00:11:55,181 --> 00:11:59,886 ところが先日 そのお医者さまに 治療を受けた方の一人が…。 190 00:12:03,590 --> 00:12:06,092 あの人 材木の下敷きになって➡ 191 00:12:06,092 --> 00:12:08,995 腕がちぎれかけてたって言うじゃないの。 192 00:12:08,995 --> 00:12:13,700 それから十日も経ってないのに。 もうあんな元気に。 193 00:12:15,602 --> 00:12:17,670 (崩れる音) (驚く声) 194 00:12:17,670 --> 00:12:20,173 (貂子)いきなり崩れ落ちて➡ 195 00:12:20,173 --> 00:12:25,111 そこには服と道具 そして 土くれだけが残っていたそうです。 196 00:12:25,111 --> 00:12:30,617 ええ? まさか体が土になったって事? 197 00:12:33,219 --> 00:12:37,423 (おじさん)土門先生なら引っ越したよ。 今朝 急にね。 198 00:12:37,423 --> 00:12:41,194 どのような治療をされていたのか ご存じですか? 199 00:12:41,194 --> 00:12:44,731 ああ 塗り薬みたいなもんかな。➡ 200 00:12:44,731 --> 00:12:47,500 いつも「なんか」をこねていて➡ 201 00:12:47,500 --> 00:12:50,169 ケガ人が運び込まれてくると➡ 202 00:12:50,169 --> 00:12:56,509 傷口を薬で固めて 何日かすると すっかり傷が治って➡ 203 00:12:56,509 --> 00:12:59,312 まるで魔法みたいだったよ。 204 00:12:59,312 --> 00:13:03,549 その薬とは 土 ではありませんでしたか? 205 00:13:03,549 --> 00:13:06,352 え⁉ <土?> 206 00:13:08,388 --> 00:13:13,693 (鳴き声) 207 00:13:13,693 --> 00:13:17,897 (孤児)こいつ 千獄太夫が憎くて 呪い殺そうとしてたんだ。 208 00:13:17,897 --> 00:13:19,899 よいしょ。 209 00:13:19,899 --> 00:13:22,402 <それで鬼神を呼び出して➡ 210 00:13:22,402 --> 00:13:27,206 かわいそうに。 逆に引き裂かれてしまったのか> 211 00:13:34,981 --> 00:13:37,917 帰ったか…。 言いつけ通り➡ 212 00:13:37,917 --> 00:13:40,420 亡骸捨ててきたんだろうな。 213 00:13:40,420 --> 00:13:43,189 はい 千獄太夫さま。 214 00:13:43,189 --> 00:13:45,825 摩緒 大きくなったな。 215 00:13:45,825 --> 00:13:50,296 大五… さま…。 216 00:13:50,296 --> 00:13:54,267 (摩緒の声) 私が暮らしていたのは「捨童子の家」。➡ 217 00:13:54,267 --> 00:13:58,104 その名の通り 捨てられた子供の家だ。 218 00:13:58,104 --> 00:14:02,275 他にも さらわれたり 人買いに売られたり➡ 219 00:14:02,275 --> 00:14:05,745 親のいない子供たちが 暮らす屋敷だった。 220 00:14:05,745 --> 00:14:08,448 捨童子の家。 221 00:14:10,616 --> 00:14:15,355 私は 物心ついた時 すでにそこで暮らしていたから➡ 222 00:14:15,355 --> 00:14:19,325 正直 自分がどこの誰なのかも知らない。 223 00:14:19,325 --> 00:14:23,329 ええと… なんと返したらいいのか。 224 00:14:25,365 --> 00:14:28,935 子供達は 六つか七つになると➡ 225 00:14:28,935 --> 00:14:32,371 夜中に荒れ地に連れ出され…。 226 00:14:32,371 --> 00:14:34,340 (千獄太夫)フッ…。 227 00:14:34,340 --> 00:14:36,642 (摩緒の声) 見えるか見えないかを聞かれる。 228 00:14:46,285 --> 00:14:51,491 (妖怪達の声) 229 00:14:51,491 --> 00:14:56,496 はぁ…。 見えます。 230 00:15:00,833 --> 00:15:04,704 (摩緒の声) 翌日から 少し良い着物を与えられ➡ 231 00:15:04,704 --> 00:15:07,340 食事も少し増えた。➡ 232 00:15:07,340 --> 00:15:09,675 見えないと答えた者達は➡ 233 00:15:09,675 --> 00:15:12,712 どこかに売られていった。➡ 234 00:15:12,712 --> 00:15:15,548 屋敷の主 千獄太夫は➡ 235 00:15:15,548 --> 00:15:18,117 色々と不思議な術を知っていて➡ 236 00:15:18,117 --> 00:15:20,887 毎日 呪符の 書き方や➡ 237 00:15:20,887 --> 00:15:23,189 印の結び方を 教わった。 238 00:15:23,189 --> 00:15:27,794 大五さまは 何年か前から修行を始めていて。 239 00:15:31,297 --> 00:15:33,499 見てな。 240 00:15:37,470 --> 00:15:39,472 わぁ! 241 00:15:41,474 --> 00:15:43,709 (大五)なあ 摩緒。 242 00:15:43,709 --> 00:15:47,480 御降家って知ってるか? いえ。 243 00:15:47,480 --> 00:15:49,916 御降家に呼ばれれば➡ 244 00:15:49,916 --> 00:15:54,153 今やってるより もっとすごい術を いっぱい教えてもらえるんだと。 245 00:15:54,153 --> 00:15:57,056 それで世の中を後ろから動かすんだ。 246 00:15:57,056 --> 00:16:03,162 立派な館で こことは比べものにならない いい暮らしができるんだ。➡ 247 00:16:03,162 --> 00:16:07,366 極楽みたいな所だよ。 248 00:16:07,366 --> 00:16:13,573 おれは 頑張って修行して 絶対 御降家に入ってみせる。 249 00:16:13,573 --> 00:16:15,508 (摩緒の声)その言葉通り➡ 250 00:16:15,508 --> 00:16:20,012 何年後かに 大五さまは御降家に呼ばれていった。 251 00:16:20,012 --> 00:16:25,651 ふーん。 それじゃ 摩緒がいた捨童子の家って➡ 252 00:16:25,651 --> 00:16:28,387 御降家のファームみたいな? 253 00:16:28,387 --> 00:16:30,690 ファ? なに? 254 00:16:30,690 --> 00:16:34,994 ああ ごめん。 二軍ってこと。 ああ。 255 00:16:34,994 --> 00:16:37,797 <わからないけど流しましたね> 256 00:16:37,797 --> 00:16:40,199 (摩緒の声)そして 数年後➡ 257 00:16:40,199 --> 00:16:44,070 立派になった大五さまが私を迎えにきた。 258 00:16:44,070 --> 00:16:49,609 お師匠さまに おまえの事を話したんだ。 そしたら…。 259 00:16:49,609 --> 00:16:54,180 ああ…。 その者の事なら覚えている。 260 00:16:54,180 --> 00:16:57,149 数年前の白骨洞の儀式にて➡ 261 00:16:57,149 --> 00:17:02,655 天然の迷宮から易々と出てきた童子。 262 00:17:02,655 --> 00:17:06,759 そうか おまえ「捨童子」の家の。 263 00:17:09,428 --> 00:17:15,234 (紗那)大五。 その人 新しく入った…。 264 00:17:15,234 --> 00:17:19,338 ああ 紗那さま。 こいつは おれの弟分です。 265 00:17:22,475 --> 00:17:24,677 (紗那)あっ…。 266 00:17:26,445 --> 00:17:29,649 (鳴き声) え? 267 00:17:29,649 --> 00:17:31,918 (紗那)あら。 268 00:17:31,918 --> 00:17:36,455 ええ~ 灰丸 おれには そんな風にしてくれた事ないのに。 269 00:17:36,455 --> 00:17:39,158 うふふ。 270 00:17:39,158 --> 00:17:44,030 驚いた? これは猫という生き物よ。 271 00:17:44,030 --> 00:17:47,566 ああ 初めて見ました。 272 00:17:47,566 --> 00:17:51,170 (摩緒の声)私は お師匠さまの従者を申しつけられた。➡ 273 00:17:51,170 --> 00:17:53,806 お師匠さまに つき従い➡ 274 00:17:53,806 --> 00:17:59,478 木火土金水 それぞれの修行の場を見て回った。➡ 275 00:17:59,478 --> 00:18:02,949 大五さま達 土の術者の修行も。 276 00:18:02,949 --> 00:18:06,819 わが式神と手合わせする者は? 277 00:18:06,819 --> 00:18:08,821 おれが。 278 00:18:08,821 --> 00:18:12,959 (術者)大五 身の程知らずめ。 (術者)捨童子の家の者ごときが。 279 00:18:12,959 --> 00:18:38,484 ♬~ 280 00:18:38,484 --> 00:18:41,020 (崩れる音) 281 00:18:41,020 --> 00:18:44,890 おっ おのれ。 (一同)うわー! 282 00:18:44,890 --> 00:18:47,860 「気」の強さだけではない。 283 00:18:47,860 --> 00:18:51,497 大五は まことに 良い土を練っている。➡ 284 00:18:51,497 --> 00:18:55,201 皆も励めよ。 (一同)はっ! 285 00:18:59,705 --> 00:19:02,541 <大五さま> 286 00:19:02,541 --> 00:19:06,512 (摩緒の声) 大五さまは 夢を叶えたはずだった。 287 00:19:06,512 --> 00:19:10,282 憧れていた御降家で力を認められ➡ 288 00:19:10,282 --> 00:19:12,385 だが…。 289 00:19:18,090 --> 00:19:22,995 その大五さまが 土門ていうお医者さまかもしれないの? 290 00:19:22,995 --> 00:19:26,565 いや 土の薬で治療するやり方は➡ 291 00:19:26,565 --> 00:19:30,436 土の術者の多くが知っていたし。 292 00:19:30,436 --> 00:19:33,439 乙弥。 はい。 293 00:19:33,439 --> 00:19:37,209 乙弥くん それは? 土です。 294 00:19:37,209 --> 00:19:40,713 土くれになった男の倒れた跡から 採ってきました。 295 00:19:50,689 --> 00:19:52,625 土門という者が➡ 296 00:19:52,625 --> 00:19:55,361 まだ同じ土の薬を持っていたら➡ 297 00:19:55,361 --> 00:19:58,597 この符蝶が 知らせに戻るはずだ。 298 00:19:58,597 --> 00:20:01,700 へえ~ 便利。 299 00:20:04,036 --> 00:20:07,239 (土門)土の選び方を間違えたのかな。 300 00:20:07,239 --> 00:20:10,943 あの人の言うとおりに 練ったつもりだったんだが。 301 00:20:15,815 --> 00:20:21,120 土門先生。 倅が木から落ちて! 302 00:20:21,120 --> 00:20:23,823 あ あの お銭は後で必ず。 303 00:20:23,823 --> 00:20:26,692 ああ。 お金はいりませんよ。 304 00:20:26,692 --> 00:20:28,661 診せてごらん。➡ 305 00:20:28,661 --> 00:20:31,831 あ~ 骨は折れていないね。 306 00:20:31,831 --> 00:20:36,035 すり傷がひどくて 血が出ているが…➡ 307 00:20:36,035 --> 00:20:40,973 薬を塗っておこう。➡ 308 00:20:40,973 --> 00:20:43,309 明日には良くなるよ。 309 00:20:43,309 --> 00:20:46,045 はぁ はぁ はぁ はぁ…。 (友達)あはは。 310 00:20:46,045 --> 00:20:49,348 すげえな正坊! もう走れるのか⁉ 311 00:20:49,348 --> 00:20:52,752 (正坊)土門先生に治してもらったんだ。 312 00:20:55,654 --> 00:20:59,859 ヘヘ! てやぁ! 313 00:20:59,859 --> 00:21:02,895 あ… あれ?➡ 314 00:21:02,895 --> 00:21:05,464 足が動かない。 315 00:21:05,464 --> 00:21:09,335 (友達)正坊 早く来いよ! 待ってよ! 316 00:21:09,335 --> 00:21:11,570 あっ…。 317 00:21:11,570 --> 00:21:13,572 見せてごらん。 え? 318 00:21:21,113 --> 00:21:25,518 <これは土が肌を喰っている> 319 00:21:27,486 --> 00:21:29,822 呪符が! うわ~! 320 00:21:29,822 --> 00:21:32,725 乙弥。 はい。 摩緒さま。 321 00:21:32,725 --> 00:21:42,134 ♬~ 322 00:21:42,134 --> 00:21:44,537 <ひどい瘴毒だ> っ…。 323 00:21:44,537 --> 00:21:46,906 うっ… うっ… うっ…、 324 00:21:46,906 --> 00:21:49,809 うわあああ~。 大丈夫⁉ 325 00:21:49,809 --> 00:21:52,611 ううううう~。 326 00:21:52,611 --> 00:21:55,114 うう…。 327 00:21:55,114 --> 00:21:58,984 はー。 もう 大丈夫だ。 328 00:21:58,984 --> 00:22:09,995 ♬~ 329 00:22:09,995 --> 00:22:12,898 <なんとか瘴毒は取り除けたが➡ 330 00:22:12,898 --> 00:22:17,169 この土薬… まるで素人の調合。➡ 331 00:22:17,169 --> 00:22:21,373 陰陽師の仕事とは思えない> 332 00:22:23,609 --> 00:22:27,546 (土門) 八重 どうした? 具合が悪いのかい?➡ 333 00:22:27,546 --> 00:22:29,548 ああ 急がないと。 334 00:22:29,548 --> 00:22:32,051 (戸を開ける音) 335 00:22:32,051 --> 00:22:36,455 土門先生ですね。 うん? 336 00:22:38,791 --> 00:22:40,726 <おじいさんだ> 337 00:22:40,726 --> 00:22:45,297 <土の術者の中に こんな人はいなかった> 338 00:22:45,297 --> 00:22:48,200 あなたは誰だ。 339 00:22:48,200 --> 00:23:05,351 ♬~ 340 00:23:05,351 --> 00:23:16,862 ♬「瞑った目 その裏 浮かんだ藍の色が」 341 00:23:16,862 --> 00:23:21,834 ♬「束の間を照らしては」 342 00:23:21,834 --> 00:23:28,274 ♬「微笑みを連れてくるの」 343 00:23:28,274 --> 00:23:33,612 ♬「光は残像」 344 00:23:33,612 --> 00:23:42,621 ♬「けれど幽かな 望みがよすがとなって」 345 00:23:42,621 --> 00:23:53,999 ♬「ひたむきに想う程 胸に溶け残る熱が」 346 00:23:53,999 --> 00:24:00,239 ♬「昇っては揺蕩うように」 347 00:24:00,239 --> 00:24:04,476 ♬「私の余白に沁み入れば」 348 00:24:04,476 --> 00:24:15,688 ♬「もう戻れない 嗚呼」 349 00:24:18,657 --> 00:24:26,131 いや あなたの土の施術 元は 誰かに教わったものではないのか。 350 00:24:26,131 --> 00:24:29,935 きみ なにか知っているのか? 351 00:24:29,935 --> 00:24:32,204 あの人を。 352 00:24:32,204 --> 00:24:34,506 <あの人?> 353 00:24:34,506 --> 00:24:37,409 (土門)知っているのか? 354 00:24:37,409 --> 00:24:49,021 (鳥の鳴き声) 355 00:24:49,021 --> 00:24:55,294 (風音) 356 00:24:55,294 --> 00:24:57,296 <次回「夏野」>