1 00:00:01,501 --> 00:00:06,172 (ネフィの泣き声) 2 00:00:06,256 --> 00:00:10,176 (泣き声) 3 00:00:17,642 --> 00:00:20,353 (ネフィ)お恥ずかしいところを お見せしました 4 00:00:20,770 --> 00:00:22,063 (ザガン)かまわんさ 5 00:00:22,147 --> 00:00:25,316 ネフィが こんなに しゃべってくれたのは初めてだしな 6 00:00:25,400 --> 00:00:27,652 (ネフィ)ご主人さま 意地悪です 7 00:00:27,736 --> 00:00:28,570 あっ… 8 00:00:28,653 --> 00:00:31,072 その手 まだ痛みますか? 9 00:00:31,740 --> 00:00:34,826 (ザガン)そういえば いつの間にか 痛みが… 10 00:00:38,371 --> 00:00:39,456 (ザガン)傷が… 11 00:00:39,956 --> 00:00:41,708 ネフィがやったのか? 12 00:00:41,791 --> 00:00:42,625 (ネフィ)多分 13 00:00:43,251 --> 00:00:45,628 (ザガン) ネフィに触れていたからか 14 00:00:45,712 --> 00:00:48,006 これも魔法の力… 15 00:00:48,590 --> 00:00:50,675 治癒魔術を凌駕(りょうが)するな 16 00:00:51,217 --> 00:00:53,928 すごいな ありがとう ネフィ 17 00:00:55,263 --> 00:00:56,306 (ザガン)どうした? 18 00:00:57,140 --> 00:00:59,768 ご主人さまから そう言っていただけたのは— 19 00:00:59,851 --> 00:01:00,894 初めてです 20 00:01:00,977 --> 00:01:04,981 今まで“ありがとう”のひと言さえ 口にしていなかったのか! 21 00:01:05,064 --> 00:01:08,234 ウッ… それは すまん 22 00:01:08,318 --> 00:01:09,152 (ネフィ)いえ 23 00:01:09,527 --> 00:01:12,530 私は ご主人さまのものですから 24 00:01:21,414 --> 00:01:22,540 うん? 25 00:01:22,624 --> 00:01:24,834 ネフィか どうかしたか? 26 00:01:27,087 --> 00:01:29,714 あの… ご主人さま 27 00:01:29,798 --> 00:01:30,715 うん? 28 00:01:31,591 --> 00:01:32,675 一緒に… 29 00:01:33,259 --> 00:01:35,470 寝ていただいてもいいでしょうか? 30 00:01:36,930 --> 00:01:37,972 ンッ!? 31 00:01:38,431 --> 00:01:43,853 {\an8}♪~ 32 00:03:02,599 --> 00:03:07,937 {\an8}~♪ 33 00:03:13,651 --> 00:03:15,945 (ザガン)一緒に… 寝る? 34 00:03:17,906 --> 00:03:19,824 アア… ンンッ… 35 00:03:20,283 --> 00:03:22,827 俺は男で ネフィは女で それは つまり… 36 00:03:22,911 --> 00:03:24,078 つまり それは… 37 00:03:27,165 --> 00:03:28,708 ネフィよ 38 00:03:28,791 --> 00:03:31,502 言っていることの意味を 理解しているか? 39 00:03:31,586 --> 00:03:35,381 (ネフィ)はい この城には ベッドは1つしかありませんから 40 00:03:35,465 --> 00:03:36,591 (ザガン)うむ… 41 00:03:37,300 --> 00:03:38,343 あれ? 42 00:03:38,426 --> 00:03:39,552 (ネフィ)ご主人さまは— 43 00:03:39,636 --> 00:03:43,014 いつも ここで 座ったまま お休みになっています 44 00:03:43,097 --> 00:03:46,809 横になって休まれたほうが 安らぐのではないかと 45 00:03:47,310 --> 00:03:49,812 ですから ご一緒に… 46 00:03:49,896 --> 00:03:54,317 あ~ 体を許してくれるとか そういうことじゃなくて— 47 00:03:54,400 --> 00:03:56,819 純然たる添い寝ってことか 48 00:03:57,403 --> 00:03:58,821 純粋すぎんよ 49 00:03:59,280 --> 00:04:04,661 ネフィよ 気持ちは ありがたいが ここは結界の要なのだ 50 00:04:04,744 --> 00:04:08,247 何かあったときのため この部屋に とどまる必要がある 51 00:04:08,706 --> 00:04:11,251 (ネフィ)そうかもしれないと 思っておりました 52 00:04:11,709 --> 00:04:13,503 -(ネフィ)ですので… -(ザガン)うん? 53 00:04:13,962 --> 00:04:16,255 どうぞ 私の膝をお使いください 54 00:04:17,048 --> 00:04:20,593 膝枕 …だと!? 55 00:04:20,677 --> 00:04:21,511 (ネフィ)ンッ… 56 00:04:21,594 --> 00:04:26,391 (ザガン)クッ… こんなお誘いを 断れるわけないだろうが! 57 00:04:30,770 --> 00:04:32,230 いかがでしょうか? 58 00:04:32,772 --> 00:04:34,857 わ… 悪くないな 59 00:04:34,941 --> 00:04:37,652 くすぐったいやら 心地いいやら… 60 00:04:39,654 --> 00:04:41,906 目のやり場に すさまじく困る 61 00:04:42,365 --> 00:04:44,659 (ザガン)しかし 急に どうしたんだ? 62 00:04:44,742 --> 00:04:45,785 (ネフィ)あっ… 63 00:04:46,869 --> 00:04:50,081 ご主人さまは 魔法のことを知っていても— 64 00:04:50,164 --> 00:04:52,792 ここにいていいと 言ってくださいました 65 00:04:52,875 --> 00:04:55,670 だから 何かお礼がしたくて… 66 00:04:56,087 --> 00:04:58,631 (ザガン)お前は いつも よくやってくれている 67 00:04:58,715 --> 00:05:01,009 改まって言うようなことではない 68 00:05:01,092 --> 00:05:02,135 (ネフィ)はい 69 00:05:04,512 --> 00:05:05,638 (ザガン)なあ ネフィ 70 00:05:06,097 --> 00:05:08,224 魔術を学んでみる気はないか? 71 00:05:08,641 --> 00:05:10,101 私が魔術を? 72 00:05:10,643 --> 00:05:14,897 今日の様子を見るに 魔法は うまく制御できていないんだろう 73 00:05:16,107 --> 00:05:20,403 魔力封じの首輪を着けていても あれほどの力だったのだ 74 00:05:20,778 --> 00:05:22,739 魔術を学んだからといって— 75 00:05:22,822 --> 00:05:25,533 制御できるようになるとは 限らないが— 76 00:05:25,616 --> 00:05:27,910 身を守る力くらいには なるはずだ 77 00:05:27,994 --> 00:05:30,788 私に できるでしょうか? 78 00:05:30,872 --> 00:05:32,290 できるさ 79 00:05:32,373 --> 00:05:36,252 ネフィなら きっと 俺より強い魔術師になれる 80 00:05:36,336 --> 00:05:40,131 私も ご主人さまの お役に立てますか? 81 00:05:40,214 --> 00:05:42,925 もう十分 役に立っているがな 82 00:05:43,009 --> 00:05:47,472 私も ご主人さまを お守りできるようになりますか? 83 00:05:47,555 --> 00:05:50,516 聖騎士どもからも 守ってくれただろう? 84 00:05:51,392 --> 00:05:52,435 (ネフィ)ンッ… 85 00:05:53,102 --> 00:05:54,145 やります 86 00:05:54,228 --> 00:05:57,690 私 ご主人さまのために 魔術を学んでみます 87 00:05:57,774 --> 00:06:01,444 そこは 自分のためと 言ってもらいたいが… 88 00:06:01,527 --> 00:06:04,572 なら ネフィ お前は今から俺の弟子だ 89 00:06:04,655 --> 00:06:05,823 はい 90 00:06:05,907 --> 00:06:08,326 弟子 …か 91 00:06:08,409 --> 00:06:10,953 言ってみるまで考えもしなかったな 92 00:06:11,037 --> 00:06:14,832 自分の知識と能力を 誰かに授けようなんて 93 00:06:14,916 --> 00:06:16,459 (ネフィ)あの… ご主人さま 94 00:06:16,542 --> 00:06:17,377 (ザガン)うん? 95 00:06:17,460 --> 00:06:20,254 (ネフィ)先ほど お話ししてくださったこと 96 00:06:20,338 --> 00:06:25,635 1人で何でもできるご主人さまには 弱い者の気持ちが分からないという 97 00:06:26,386 --> 00:06:29,597 (少女)弱い人間は 生きてることも許されないんですか 98 00:06:29,680 --> 00:06:32,391 力をひけらかすのが そんなに偉いんですか!? 99 00:06:33,226 --> 00:06:35,686 (ザガン)そんな話もしたな 100 00:06:35,770 --> 00:06:36,813 (ネフィ)ご主人さまは— 101 00:06:36,896 --> 00:06:39,232 何でもないように おっしゃいましたけど… 102 00:06:39,315 --> 00:06:42,276 本当は つらかったんですよね 103 00:06:42,360 --> 00:06:43,403 あっ… 104 00:06:44,278 --> 00:06:46,114 どうして そう思う? 105 00:06:46,197 --> 00:06:48,866 (ネフィ)分かりません でも… 106 00:06:49,575 --> 00:06:53,746 あのときのご主人さまは とても悲しそうに見えたんです 107 00:06:55,456 --> 00:06:56,499 アッ… 108 00:06:57,333 --> 00:07:00,461 (ネフィ) ご主人さまは悪くなんかないです 109 00:07:01,045 --> 00:07:02,880 (ネフィ)口数が少なくても— 110 00:07:02,964 --> 00:07:05,174 ご主人さまが 優しくしてくれたことを— 111 00:07:05,258 --> 00:07:07,176 私は忘れません 112 00:07:07,260 --> 00:07:08,636 (ザガン)そうか 113 00:07:08,719 --> 00:07:09,971 (ネフィ)はい 114 00:07:10,054 --> 00:07:13,808 (ザガン) こういうのも悪くないもんだな 115 00:07:15,643 --> 00:07:20,189 これからも こんな時間が続いていくといいな 116 00:07:24,068 --> 00:07:26,279 (バルバロス) おいおい おいおいおい! 117 00:07:26,362 --> 00:07:28,489 (バルバロス)ンンッ… 118 00:07:28,573 --> 00:07:33,161 聖騎士に襲撃されたって聞いたのに なんで お前 無事なの? 119 00:07:33,244 --> 00:07:36,330 (ザガン)知るか 連中が弱いのが悪いんだろう 120 00:07:36,706 --> 00:07:40,168 (バルバロス)聖剣所持者まで 差し向けられたって聞いたぞ 121 00:07:43,588 --> 00:07:45,923 そういえば いたな そんなのも 122 00:07:46,007 --> 00:07:47,049 (バルバロス)ハン… 123 00:07:47,133 --> 00:07:49,594 “聖剣の乙女”でも 相手にならないってか 124 00:07:49,969 --> 00:07:52,388 いや それなりに強かったぞ 125 00:07:52,471 --> 00:07:55,266 城の結界をいくつか壊されたしな 126 00:07:55,349 --> 00:07:59,562 …というか お前も結界破って 侵入するのは いいかげん やめろ 127 00:07:59,645 --> 00:08:00,980 (ネフィ)どうぞ 128 00:08:01,063 --> 00:08:03,691 ミルクとお砂糖は お好みで お使いください 129 00:08:04,942 --> 00:08:06,944 (バルバロス)はぁ… どう… 130 00:08:07,028 --> 00:08:07,862 も!? 131 00:08:09,989 --> 00:08:11,240 (ネフィ)うん? 132 00:08:11,324 --> 00:08:12,742 (バルバロス)お… おい! 133 00:08:12,825 --> 00:08:15,328 この前のエルフだよな! 違うのか? 134 00:08:15,411 --> 00:08:18,122 (ザガン)いや あのときの娘で間違いない 135 00:08:18,581 --> 00:08:21,125 (バルバロス) まだ贄(にえ)に使ってなかったのか!? 136 00:08:21,209 --> 00:08:23,669 あれか? 命を長らえさせてやる代わりに— 137 00:08:23,753 --> 00:08:26,172 給仕しろとか そういうのか? 138 00:08:26,255 --> 00:08:27,673 いい趣味してるぜ! 139 00:08:27,757 --> 00:08:29,425 (ザガン)お前と一緒にするな 140 00:08:29,926 --> 00:08:31,052 (せきばらい) 141 00:08:31,135 --> 00:08:33,095 ネフィは あれだ その… 142 00:08:33,763 --> 00:08:34,805 弟子だ 143 00:08:35,348 --> 00:08:38,184 (バルバロス) で… 弟子!? お前が? 144 00:08:38,267 --> 00:08:39,435 (ザガン)悪いかよ 145 00:08:39,852 --> 00:08:42,355 1人では扱いきれん魔術もある 146 00:08:42,438 --> 00:08:44,440 ネフィは必ず役に立つ 147 00:08:44,815 --> 00:08:46,317 (ネフィ)恐縮でございます 148 00:08:46,400 --> 00:08:48,694 フゥ… なるほど 149 00:08:48,778 --> 00:08:52,281 エルフと2人がかりなら 使えねえ魔術なんて ねえよな 150 00:08:52,365 --> 00:08:55,284 そういう使い方は 思いつかなかったぜ 151 00:08:55,368 --> 00:08:57,703 ネフィを道具みたいに… 152 00:08:57,787 --> 00:08:59,830 自分も似たようなことを 言ってしまうが— 153 00:08:59,914 --> 00:09:01,874 人に言われると 腹が立つ 154 00:09:02,250 --> 00:09:05,836 (バルバロス)まさか聖騎士どもを 一蹴したのも その力か? 155 00:09:05,920 --> 00:09:08,631 (ザガン)まあ 確かにネフィの力もあったな 156 00:09:09,757 --> 00:09:12,760 なら 表の惨状も そういうことか 157 00:09:15,346 --> 00:09:18,057 (バルバロス)お前 魔王の座を狙ってるな? 158 00:09:18,140 --> 00:09:18,975 (ザガン)うん? 159 00:09:19,517 --> 00:09:22,270 (ザガン)俺は あれさえ手に入ればいいんだが… 160 00:09:22,353 --> 00:09:23,854 魔王の地位があれば— 161 00:09:23,938 --> 00:09:26,607 ネフィに手を出す者は いなくなるか 162 00:09:27,275 --> 00:09:29,610 狙わん理由があるか? 163 00:09:34,782 --> 00:09:38,244 正直 今 俺が 選ばれることはないだろう 164 00:09:38,953 --> 00:09:43,374 俺が魔術師としての道を 歩きだしたのは ほんの10年前だ 165 00:09:43,833 --> 00:09:47,586 魔術師の中には 何百歳にもなるヤツらがいる 166 00:09:47,670 --> 00:09:51,757 知識と経験の蓄積に どうあがいても勝ち目はない 167 00:09:51,841 --> 00:09:57,013 それでも 生きていれば いつか 次の魔王を狙える 168 00:09:57,096 --> 00:09:59,724 うむ… 紅茶に よく合ってる 169 00:09:59,807 --> 00:10:00,975 いい味だ 170 00:10:01,058 --> 00:10:03,436 (ネフィ) 歓喜の極みです ご主人さま 171 00:10:03,811 --> 00:10:04,854 ザガン 172 00:10:04,937 --> 00:10:08,149 まさか そいつに情が湧いたとか 言うんじゃねえよな? 173 00:10:08,232 --> 00:10:11,819 弟子を大切にするのは そんなに おかしなことか? 174 00:10:12,778 --> 00:10:15,031 弟子という言葉は便利でいいな! 175 00:10:15,114 --> 00:10:17,742 カッカッ! なるほど 176 00:10:17,825 --> 00:10:20,620 お前も 人間らしい部分が 残ってやがったんだな 177 00:10:21,037 --> 00:10:22,413 (ザガン)放っとけ 178 00:10:22,496 --> 00:10:25,249 うん? なんだ もう帰るのか? 179 00:10:25,333 --> 00:10:26,667 (バルバロス)ああ 180 00:10:28,669 --> 00:10:31,047 (ザガン) 何をしに来たんだ? あいつは 181 00:10:31,130 --> 00:10:32,882 (ネフィ) ご友人ではないのですか? 182 00:10:32,965 --> 00:10:34,133 (ザガン)えっ 友人? 183 00:10:34,717 --> 00:10:36,552 冗談じゃない 184 00:10:36,635 --> 00:10:41,098 友達なんてものは相手を選ばないと 不利益しか もたらさないものだ 185 00:10:41,182 --> 00:10:43,267 (ネフィ)でも ご主人さま 楽しそうでした 186 00:10:43,351 --> 00:10:44,185 (ザガン)アッ… 187 00:10:44,894 --> 00:10:46,062 そうか? 188 00:10:46,145 --> 00:10:47,188 (ネフィ)はい 189 00:10:47,605 --> 00:10:50,566 あんなヤツと話してるのが 楽しいだと? 190 00:10:50,691 --> 00:10:52,068 フフッ… 191 00:10:52,151 --> 00:10:55,529 くだらない ネフィの勘違いだ 192 00:10:57,073 --> 00:11:01,786 さて 聖騎士どもに壊された結界の 修復に取りかかるか 193 00:11:03,746 --> 00:11:05,164 (ザガン)ネフィも来るがいい 194 00:11:05,247 --> 00:11:07,958 魔法陣の基礎から 始めることになるからな 195 00:11:08,042 --> 00:11:10,211 (ネフィ)はい ご主人さま 196 00:11:12,213 --> 00:11:16,634 (ザガン)それから毎日 ネフィは魔術の基礎を勤勉に学んだ 197 00:11:17,343 --> 00:11:20,096 同時に 城の中の仕事も こなしながら 198 00:11:22,139 --> 00:11:23,516 (ネフィ)アッ! 199 00:11:32,316 --> 00:11:34,527 1人ではない時というのは… 200 00:11:35,069 --> 00:11:37,279 存外に甘美なものだ 201 00:11:37,363 --> 00:11:38,489 存外に… 202 00:11:39,073 --> 00:11:41,158 (ザガン) そして ネフィは少しずつ— 203 00:11:41,242 --> 00:11:44,245 いろんな表情を 見せてくれるようになった 204 00:11:47,623 --> 00:11:49,083 -(ザガン)おっ… -(ネフィ)あっ… 205 00:11:49,166 --> 00:11:50,668 (ザガン)魔法は… 206 00:11:51,502 --> 00:11:54,255 やはり まだ制御が難しいらしいが 207 00:12:01,470 --> 00:12:02,513 (ザガン)うむ… 208 00:12:02,596 --> 00:12:04,890 そこそこの魔術を 使えるところまで来たな 209 00:12:04,974 --> 00:12:07,351 (ネフィ)わあ! ありがとうございます 210 00:12:07,435 --> 00:12:09,854 では 私は お昼のご用意を 211 00:12:10,438 --> 00:12:11,730 ああ 212 00:12:11,814 --> 00:12:14,692 あとは 首輪さえ外れれば… 213 00:12:17,403 --> 00:12:18,529 (ザガン)気づけば— 214 00:12:18,612 --> 00:12:21,699 ネフィが ここへ来てから 半月がたっていた 215 00:12:22,950 --> 00:12:24,702 (衝撃音) (ネフィ)ハッ… アア… 216 00:12:26,162 --> 00:12:27,496 (ザガン)ンッ… 217 00:12:31,584 --> 00:12:33,461 (ワシの鳴き声) 218 00:12:33,544 --> 00:12:34,587 ンッ… 219 00:12:41,135 --> 00:12:42,928 ハン… 驚いたな 220 00:12:43,345 --> 00:12:46,932 12人の魔王が俺をお呼びらしい 221 00:12:52,980 --> 00:12:55,774 (ザガン) 物流の拠点 キュアノエイデス 222 00:12:56,567 --> 00:12:57,943 この町の地下に— 223 00:12:58,027 --> 00:13:01,572 亡き魔王マルコシアスが 居城としていた遺跡がある 224 00:13:14,919 --> 00:13:19,465 そこに 現存する12人の魔王全員が集結し 225 00:13:19,548 --> 00:13:21,467 俺を待っているという 226 00:13:22,343 --> 00:13:25,971 さて 一体 何の用なのやら… 227 00:13:39,485 --> 00:13:40,569 ンッ… 228 00:13:41,862 --> 00:13:43,781 (魔王A)汝(なんじ)がザガンか 229 00:13:43,864 --> 00:13:45,032 ウッ… 230 00:13:45,115 --> 00:13:49,036 若いとは聞いていたが 幼いほどだな 231 00:13:49,119 --> 00:13:53,791 (魔王B)フフッ… 面白い 最年少記録ということか 232 00:13:53,874 --> 00:13:58,504 (ザガン)おいおい 威圧感と 魔力のすさまじさで吐きそうだ 233 00:13:59,004 --> 00:14:02,007 ヘビに にらまれたカエルどころの 騒ぎじゃない 234 00:14:02,091 --> 00:14:05,052 ヘビの腹の中に のみ込まれた気分だ 235 00:14:05,594 --> 00:14:09,056 こいつらが魔術師の極致 魔王! 236 00:14:09,139 --> 00:14:10,432 フッ… 237 00:14:11,058 --> 00:14:14,019 召喚の理由は珍獣観察か? 238 00:14:14,103 --> 00:14:17,273 気が済んだのなら さっさと帰りたいんだが 239 00:14:17,356 --> 00:14:20,776 (魔王たち)フフフフッ… 240 00:14:21,235 --> 00:14:25,114 (魔王A)この場で 我らに啖呵(たんか)を切れるとは豪胆だな 241 00:14:25,197 --> 00:14:27,449 では 単刀直入に言おう 242 00:14:28,409 --> 00:14:29,952 魔術師ザガン 243 00:14:30,411 --> 00:14:35,916 汝を 我らが13番目の盟友 魔王として迎えようと思う 244 00:14:36,000 --> 00:14:37,418 はぁ!? 245 00:14:44,216 --> 00:14:47,720 (魔王A)マルコシアスが 宿していた魔王の刻印だ 246 00:14:47,803 --> 00:14:53,601 魔王を受け継ぐということは この紋章を受け継ぐ作業を示す 247 00:14:54,435 --> 00:14:55,477 ウッ… 248 00:14:55,561 --> 00:14:57,938 (ザガン)何だ? あの紋章は 249 00:14:58,022 --> 00:15:00,482 尋常じゃない密度と量の魔力 250 00:15:00,566 --> 00:15:01,984 これを継承だと!? 251 00:15:02,693 --> 00:15:05,779 この場にいる全員からも 同じ力を感じる 252 00:15:06,238 --> 00:15:10,618 なるほど 魔王とは ただの称号ではないらしい 253 00:15:11,160 --> 00:15:13,078 こんな力を得るなら— 254 00:15:13,162 --> 00:15:16,165 普通の魔術師が 魔王に かなうはずもない 255 00:15:18,334 --> 00:15:20,377 (魔王A)どうした? 不服か? 256 00:15:20,878 --> 00:15:23,172 (ザガン) そうは言わんが 不可解だ 257 00:15:23,255 --> 00:15:26,383 俺より力のある魔術師が いないわけではないだろう 258 00:15:27,968 --> 00:15:30,179 (魔王A)当然の疑問だな 259 00:15:30,262 --> 00:15:32,640 汝の力は矮小(わいしょう)だ 260 00:15:32,723 --> 00:15:36,393 だが それでも 汝を殺せる魔術師はいない 261 00:15:37,978 --> 00:15:41,440 汝が初めて殺(あや)めた魔術師… 262 00:15:41,523 --> 00:15:45,194 “怨嗟(えんさ)”アンドラスは 決して弱くはなかった 263 00:15:48,739 --> 00:15:52,409 …にもかかわらず 汝は ヤツを逆に殺し 264 00:15:52,493 --> 00:15:54,995 その英知を全て奪った 265 00:15:55,079 --> 00:15:57,206 なぜ 8歳の童が— 266 00:15:57,289 --> 00:16:00,709 通り名持ちの魔術師を ほふることができたのか? 267 00:16:01,710 --> 00:16:02,961 汝は— 268 00:16:03,045 --> 00:16:06,715 たった一度 見ただけで 魔術を覚えたのだ 269 00:16:09,009 --> 00:16:14,014 いいや その一度で 魔術の仕組みさえ理解した 270 00:16:14,723 --> 00:16:18,352 だから 唯一無二の魔術を 創造できたのだ 271 00:16:19,645 --> 00:16:22,981 (ザガン)こちらの手の内まで 見抜いているということか 272 00:16:23,732 --> 00:16:25,859 (魔王B)畏怖すべき魔術 273 00:16:25,943 --> 00:16:28,237 そして 忌むべき才能 274 00:16:28,696 --> 00:16:30,906 (魔王A) それは 汝が奪うと決めたら— 275 00:16:30,990 --> 00:16:33,659 誰にも止められないということだ 276 00:16:33,742 --> 00:16:38,998 それは 汝が殺すと決めれば 誰も生き延びられぬということだ 277 00:16:39,456 --> 00:16:45,421 汝が力を欲すれば 全ての魔術師は 全てをささげざるをえない 278 00:16:46,004 --> 00:16:49,341 (魔王A) 魔王の名にふさわしい暴君の力 279 00:16:49,425 --> 00:16:54,430 汝は いずれ 歴史上最強の魔術師となる 280 00:16:54,513 --> 00:16:58,225 だから あえて 今は矮小な汝を魔王とする 281 00:16:58,934 --> 00:17:03,981 全ては英知のために 全ては魔術を究めるために 282 00:17:04,815 --> 00:17:07,901 その言葉どおりなら 俺は あんたたちからも— 283 00:17:07,985 --> 00:17:09,987 奪うことができるわけだが? 284 00:17:10,070 --> 00:17:13,741 (笑い声) 285 00:17:13,824 --> 00:17:16,869 (魔王C)しかり だが 心せよ 286 00:17:16,952 --> 00:17:19,246 我々から奪えるものより— 287 00:17:19,329 --> 00:17:23,459 汝が失うもののほうが 大きいかもしれぬぞ 288 00:17:23,542 --> 00:17:24,376 (ザガン)ハッ… 289 00:17:28,422 --> 00:17:32,092 (魔王A) 魔王の報復は単純な破滅にあらず 290 00:17:32,176 --> 00:17:37,556 それまで関わった人 物 記憶 全てを消し去り 291 00:17:37,639 --> 00:17:40,392 対象の存在そのものを抹消する 292 00:17:42,394 --> 00:17:46,315 汝が相対しているのは そういう存在だ 293 00:17:46,398 --> 00:17:51,236 そして これが これより先の汝自身の姿 294 00:17:51,779 --> 00:17:53,989 安寧(あんねい)も平穏もない 295 00:17:54,073 --> 00:17:57,326 魔術師の闇の更なる深淵(しんえん) 296 00:17:57,409 --> 00:18:01,872 光など ひとひらも差し込まぬ 暗闇の泥の底 297 00:18:01,955 --> 00:18:05,709 汝が踏み込もうとしているのは そういう世界だ 298 00:18:07,961 --> 00:18:10,088 ハン… 今更だ 299 00:18:10,756 --> 00:18:12,549 魔術師となった時点で… 300 00:18:12,633 --> 00:18:18,472 いや ならざるをえなかった時点で まともな生など歩めようはずもない 301 00:18:19,181 --> 00:18:22,267 魔術師の行き着く先は2つに1つ 302 00:18:22,351 --> 00:18:26,063 極致(こいつら)に至るか 至れず朽ちるか 303 00:18:26,146 --> 00:18:28,273 もとより戻る道なんてない 304 00:18:29,066 --> 00:18:30,108 だが… 305 00:18:30,818 --> 00:18:34,196 そんな世界に ネフィまで巻き込むのか? 306 00:18:38,158 --> 00:18:40,327 (魔王A)汝の返事を聞きたい 307 00:18:41,370 --> 00:18:43,914 (ザガン)ひとつ欲しいものがある 308 00:18:43,997 --> 00:18:46,542 (魔王たち)うん? 309 00:18:46,625 --> 00:18:49,044 そいつが手に入るかしだいだ 310 00:18:49,127 --> 00:18:52,422 ほう… 何が望みだ? 311 00:18:54,633 --> 00:18:58,971 (魔王A)よかろう それは全て汝の好きにするがいい 312 00:18:59,388 --> 00:19:03,267 ならば 魔王の地位 謹んで お受けする 313 00:19:07,813 --> 00:19:10,566 (魔王A)新たな盟友を歓迎しよう 314 00:19:10,649 --> 00:19:11,942 魔王ザガン 315 00:19:15,445 --> 00:19:17,948 そして 通り名を与える 316 00:19:18,532 --> 00:19:20,701 汝の名は… 317 00:19:20,784 --> 00:19:22,703 (シチューの煮える音) 318 00:19:22,786 --> 00:19:23,996 (味見する音) 319 00:19:24,079 --> 00:19:25,831 うん? あっ… 320 00:19:26,790 --> 00:19:29,293 (ネフィ) おかえりなさいませ ご主人さま 321 00:19:29,376 --> 00:19:31,712 今夜は 子羊のシチューを… 322 00:19:31,795 --> 00:19:33,005 あっ… 323 00:19:33,088 --> 00:19:36,091 ご主人さま? 何かあったんですか? 324 00:19:36,967 --> 00:19:39,636 俺は 元から引き返せない道にいる 325 00:19:40,179 --> 00:19:41,388 だが ネフィは— 326 00:19:41,471 --> 00:19:44,641 ようやく日の当たる世界に 踏み出してきたんだ 327 00:19:45,934 --> 00:19:49,271 ネフィ 俺は魔王となった 328 00:19:49,354 --> 00:19:50,397 (ネフィ)アア… 329 00:19:51,523 --> 00:19:53,025 (ザガン)魔術師の王 330 00:19:53,483 --> 00:19:57,404 他の魔術師を従える魔術師の頂点だ 331 00:19:57,487 --> 00:20:00,115 アア… おめでとうございます 332 00:20:00,699 --> 00:20:05,704 (ザガン)魔王を襲名したことで マルコシアスの遺産も手に入った 333 00:20:07,122 --> 00:20:08,165 つまり… 334 00:20:09,833 --> 00:20:10,876 アア… 335 00:20:11,877 --> 00:20:12,920 (鍵の開く音) 336 00:20:15,756 --> 00:20:17,758 首輪を外すこともできる 337 00:20:23,847 --> 00:20:25,265 (ヒビ割れる音) 338 00:20:29,144 --> 00:20:30,187 アア… 339 00:20:30,270 --> 00:20:32,898 ご… ご主人さま これって… 340 00:20:33,565 --> 00:20:34,650 ああ 341 00:20:34,733 --> 00:20:36,068 アア… 342 00:20:36,652 --> 00:20:40,030 (ザガン)魔王の俺には ネフィは もう必要ない 343 00:20:40,447 --> 00:20:41,990 出ていってくれ 344 00:20:42,074 --> 00:20:43,533 (ネフィ)えっ… 345 00:20:47,704 --> 00:20:48,872 アア… 346 00:20:49,498 --> 00:20:50,540 あれ? 347 00:20:51,375 --> 00:20:56,046 どうして 私は こんな所にいるんでしたっけ? 348 00:20:56,880 --> 00:21:00,801 確か 夕食の支度をしていたはず 349 00:21:01,343 --> 00:21:03,011 子羊のシチューを… 350 00:21:03,470 --> 00:21:07,599 以前 ご主人さまが とっても喜んでくださったから 351 00:21:08,475 --> 00:21:11,144 そのお顔をまた見たくて… 352 00:21:11,853 --> 00:21:15,023 早く… 帰らなくては… 353 00:21:15,691 --> 00:21:16,733 (物音) 354 00:21:21,071 --> 00:21:22,239 ハッ… 355 00:21:23,907 --> 00:21:25,617 ああ そうだ 356 00:21:27,119 --> 00:21:28,495 ご主人さまに… 357 00:21:29,079 --> 00:21:31,331 捨てられてしまいました 358 00:21:31,873 --> 00:21:34,001 だから まずは俺のために生きろ 359 00:21:34,626 --> 00:21:36,461 ネフィの望むようにすればいい 360 00:21:37,045 --> 00:21:38,088 (ザガン)だから ネフィ 361 00:21:38,171 --> 00:21:40,173 そんな顔するなよ 362 00:21:40,257 --> 00:21:42,592 お前が必要だと言っただろう? 363 00:21:46,013 --> 00:21:51,560 (ネフィ)こういうとき 涙って出ないものなんですね 364 00:21:52,352 --> 00:21:57,065 おそばに置いてくださると おっしゃったのに… 365 00:22:01,028 --> 00:22:07,034 ♪~ 366 00:23:24,986 --> 00:23:30,992 ~♪