1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 (女神)メネ・テ・ケル・シン。 2 00:00:04,004 --> 00:00:11,011 ♬~ 3 00:00:11,011 --> 00:00:14,681 (俺)クゥ… クゥ…。 <言い伝えによると➨ 4 00:00:14,681 --> 00:00:16,683 根絶の女神は➨ 5 00:00:16,683 --> 00:00:21,021 死ぬ運命ではなかった 子犬のなきがらを拾い…> 6 00:00:21,021 --> 00:00:23,357 すまないことをしました。 7 00:00:23,357 --> 00:00:26,026 < とだけ つぶやいた。 8 00:00:26,026 --> 00:00:28,529 自らの戦いに巻き込み➨ 9 00:00:28,529 --> 00:00:32,699 輪廻転生の 「輪」から 外れてしまったこの者を➨ 10 00:00:32,699 --> 00:00:36,703 どうにか 「輪」に戻そうとした> 11 00:00:36,703 --> 00:00:40,707 (古代転生神)なかなか 難儀なことでございます。 12 00:00:40,707 --> 00:00:45,045 根絶の女神様 この者は…。 13 00:00:45,045 --> 00:00:47,714 転生の輪に戻ることなく➨ 14 00:00:47,714 --> 00:00:52,119 あとわずかで 魂が消滅することでしょう。 15 00:00:56,056 --> 00:00:59,660 「彼」は なぜあの場に? こちらを。 16 00:01:01,828 --> 00:01:04,665 ひぇ~ 小汚ぇ 犬ころだなぁ。 17 00:01:04,665 --> 00:01:07,167 こんな野郎は! キャン! ヘヘッ。 18 00:01:07,167 --> 00:01:11,338 ⸨オメエみてぇなゴミは 神に選ばれやしねえんだよ! 19 00:01:11,338 --> 00:01:13,340 アハハハ… あぁ? 20 00:01:13,340 --> 00:01:16,510 んだ テメエ。 どけよ。 21 00:01:16,510 --> 00:01:23,016 神に選ばれし高貴な俺が ゴミ掃除中なんだよ~ ウィ~…。 22 00:01:23,016 --> 00:01:27,821 おい 神事が始まるぞ。 危ねえ 危ねえ。 23 00:01:30,190 --> 00:01:32,192 キュ…。 24 00:01:34,194 --> 00:01:37,531 (一同)神様! 神様! 感謝します! 25 00:01:37,531 --> 00:01:44,371 我らは選ばれし民! 幸せです! 幸せです! 26 00:01:44,371 --> 00:01:47,574 キュウ…⸩ 27 00:01:52,879 --> 00:01:56,717 <事を悟った根絶の女神> 28 00:01:56,717 --> 00:02:02,489 「彼」を かの地へ。 誠ですか? 29 00:02:02,489 --> 00:02:08,829 しかし… 確かに 唯一の道かもしれませぬな。 30 00:02:08,829 --> 00:02:12,833 あらゆる魂の磨き場。 31 00:02:12,833 --> 00:02:15,535 試練の青。 32 00:03:53,200 --> 00:03:59,539 ⸨さあ 子犬の魂よ。 彼岸を越えてゆくのです。 33 00:03:59,539 --> 00:04:02,476 さっさとしなさい。 消えてしまいますよ。 34 00:04:02,476 --> 00:04:04,811 クゥ~ン…。 35 00:04:04,811 --> 00:04:06,813 クゥ…。 36 00:04:06,813 --> 00:04:08,815 早く⸩ 37 00:04:08,815 --> 00:04:15,655 ♬「ハッピー バースデー トゥー ユー。 ハッピー バースデー トゥー ユー」 38 00:04:15,655 --> 00:04:20,494 ♬「ハッピー バースデー ディア オレ」 39 00:04:20,494 --> 00:04:22,996 ♬「ハッピ バー…」 40 00:04:22,996 --> 00:04:25,832 えぇっ!? 女神の空間を➨ 41 00:04:25,832 --> 00:04:28,335 パーティー感一色に しないでもらえますか? 42 00:04:28,335 --> 00:04:30,337 一緒にお祝いしましょうよ。 43 00:04:30,337 --> 00:04:32,672 あなたの誕生日など祝いません。 44 00:04:32,672 --> 00:04:36,009 じゃあ 女神様が ロウソクを吹き消したので➨ 45 00:04:36,009 --> 00:04:38,845 今日は女神様の誕生日…。 結構です。 46 00:04:38,845 --> 00:04:40,847 いいじゃないですか。 47 00:04:40,847 --> 00:04:44,017 女神様は いつも一人で 誕生日過ごしていそうですし。 48 00:04:44,017 --> 00:04:46,353 人のこと言えた義理ですかね。 49 00:04:46,353 --> 00:04:51,191 えっ 人間として死ぬ1年前は 友人とパーティーしていましたよ。 50 00:04:51,191 --> 00:04:53,193 そんな。 51 00:04:53,193 --> 00:04:57,030 そんなバカな! 私が あなた以下だというのですか。 52 00:04:57,030 --> 00:05:01,968 あっ でも異世界転生中での 誕生日は ほとんど一人でしたね。 53 00:05:01,968 --> 00:05:03,970 ホッ…。 54 00:05:03,970 --> 00:05:07,140 まぁ 無生物や人外との 誕生日なんて➨ 55 00:05:07,140 --> 00:05:10,143 誰も祝いたくは ないでしょうからね。 エヘヘヘ…。 56 00:05:10,143 --> 00:05:12,813 時計の針のときは 兄弟がいましたけど➨ 57 00:05:12,813 --> 00:05:15,148 リア充への魔法攻撃で➨ 58 00:05:15,148 --> 00:05:18,151 誕生日どころじゃなかったしなぁ。 59 00:05:18,151 --> 00:05:20,987 あなたがやらかした 世界の神たちから➨ 60 00:05:20,987 --> 00:05:24,157 苦情が来るときもあるのですから ほどほどに。 61 00:05:24,157 --> 00:05:27,327 そんな器の小さな 神様がいるんですか。 62 00:05:27,327 --> 00:05:31,164 基本 やられた神が悪い ということで論破していますが➨ 63 00:05:31,164 --> 00:05:33,166 あまりやらかされると➨ 64 00:05:33,166 --> 00:05:35,669 集団で何をしてくるのか わかりません。 65 00:05:35,669 --> 00:05:39,506 というわけで 異世界転生のお時間です。 66 00:05:39,506 --> 00:05:41,508 そんな~。 67 00:05:41,508 --> 00:05:44,010 せっかく用意したプレゼントが~。 68 00:05:44,010 --> 00:05:46,680 もらっておくので 安心してください。 69 00:05:46,680 --> 00:05:49,849 アハッ 女神様からはないのですか? 70 00:05:49,849 --> 00:05:53,019 では 好きなのを 選ばせてあげましょう。 71 00:05:53,019 --> 00:05:55,689 (くじ引きくん)アァン! 72 00:05:55,689 --> 00:05:58,692 わ~い では早速。 ガァッ! 73 00:05:58,692 --> 00:06:02,128 「勇者のカレー皿」! 74 00:06:02,128 --> 00:06:05,832 うぅ おなかがすいているところに この設定。 75 00:06:07,801 --> 00:06:11,471 勇者がカレーを食べる皿すべてが あなたになるのか➨ 76 00:06:11,471 --> 00:06:14,808 勇者が食べるカレー皿が 固定されるのか。 77 00:06:14,808 --> 00:06:17,477 せっかくですから 一点ものでいきましょう! 78 00:06:17,477 --> 00:06:20,146 それにっ! 79 00:06:20,146 --> 00:06:22,148 勇者は女性がいいですね。 80 00:06:22,148 --> 00:06:26,820 今回は禁止しませんが 男女に関係があるのでしょうか。 81 00:06:26,820 --> 00:06:30,657 野郎がおいしそうに食べている 光景に欲情できません。 82 00:06:30,657 --> 00:06:33,159 それより…。 ⸨ウ~ン…。 83 00:06:33,159 --> 00:06:36,496 ウフッ… 超イケてる…。 84 00:06:36,496 --> 00:06:39,833 ん~… チュ。 デヘ デヘヘヘ… エヘッ エヘッ⸩ 85 00:06:39,833 --> 00:06:42,836 禁止したくなりました。 そんな…。 86 00:06:45,338 --> 00:06:47,340 こ これは…。 87 00:06:47,340 --> 00:06:49,509 「ぱくっとGoGo盛り森ハチミツ➨ 88 00:06:49,509 --> 00:06:52,012 いちばーん! カレー亭」 じゃないですか! はい。 89 00:06:52,012 --> 00:06:56,349 英国貴族風マハラジャ・チーズイン・カツカレーが 有名です。 90 00:06:56,349 --> 00:06:58,852 プレゼント 開けてみてくださいね。 91 00:07:00,787 --> 00:07:04,090 すみませ~ん 注文いいですか~? いらっしゃいませ~。 92 00:07:06,960 --> 00:07:08,962 不思議です。 93 00:07:10,964 --> 00:07:14,567 なぜか彼を見てると あの子犬を思い出します。 94 00:07:16,803 --> 00:07:18,805 普通にセンスがいいですね。 95 00:07:18,805 --> 00:07:21,808 ただいま戻りました! ハッ! (ドア開くジングル) 96 00:07:21,808 --> 00:07:24,311 (ドア開くジングル) 97 00:07:24,311 --> 00:07:27,814 ずいぶん早いですねっ。 そうでしたか? 98 00:07:27,814 --> 00:07:31,151 あっ プレゼント開けてくれたんですね。 99 00:07:31,151 --> 00:07:33,153 フリマに出品しておきました。 100 00:07:33,153 --> 00:07:37,324 帰ってくるなりこの仕打ち…。 それでは報告を。 101 00:07:37,324 --> 00:07:39,326 ぶふっ! 102 00:07:39,326 --> 00:07:41,328 あぁ…。 (TVくん)ガァ…。 103 00:07:44,164 --> 00:07:48,168 勇者の名前は リアン=メリクという女勇者です。 104 00:07:48,168 --> 00:07:51,338 リアンは生まれつき 病弱な少女でした。 105 00:07:51,338 --> 00:07:53,340 ⸨リアン:コホッ コホッ⸩ 106 00:07:53,340 --> 00:07:55,675 勇者なのに病弱設定ですか。 107 00:07:55,675 --> 00:07:58,511 村を襲う 魔物の群れを蹴散らすと➨ 108 00:07:58,511 --> 00:08:01,281 いつもぜんそくの発作を 起こしていました。 109 00:08:01,281 --> 00:08:03,283 病弱なのかチートなのか。 110 00:08:03,283 --> 00:08:08,621 俺とリアンの出会いは 彼女がまだ10歳の頃。 111 00:08:08,621 --> 00:08:11,791 魔王の右腕である ダルカンモ将軍を➨ 112 00:08:11,791 --> 00:08:14,961 素手で 血祭りに挙げたときのことです。 113 00:08:14,961 --> 00:08:17,464 ひどい10歳もいたものです。 114 00:08:17,464 --> 00:08:20,967 戦闘後の疲労に 伏せっていたリアンに 母親は…。 115 00:08:20,967 --> 00:08:24,137 ⸨リアンの母:ほら⸩ 異国の料理を作ったのです。 116 00:08:24,137 --> 00:08:28,641 そのときのカレー皿があなただと。 そのとおりです! 117 00:08:28,641 --> 00:08:31,978 カレーのおかげで リアンの病弱だった体は➨ 118 00:08:31,978 --> 00:08:33,980 みるみる回復しました。 119 00:08:33,980 --> 00:08:37,484 ⸨んんっ…!⸩ カレーにそこまでの力が? 120 00:08:37,484 --> 00:08:39,652 女神様から頂いたチートオプション➨ 121 00:08:39,652 --> 00:08:42,655 「不治の病を治せるアイテム」の 効果です。 122 00:08:42,655 --> 00:08:46,659 あなたのわりに いいチョイスです。 ⸨はぁ~…⸩ 123 00:08:46,659 --> 00:08:49,662 そして… 大人になったリアンは➨ 124 00:08:49,662 --> 00:08:52,999 魔王クミンを倒して 世界を救います。 125 00:08:52,999 --> 00:08:57,337 一気に はしょりましたね。 そして魔王の安直な名前。 126 00:08:57,337 --> 00:09:01,274 リアンは人生における最大の敵を 若くして倒してしまい➨ 127 00:09:01,274 --> 00:09:04,444 虚無感に襲われます。 ⸨むなしい…。 128 00:09:04,444 --> 00:09:11,785 残りの人生 勇者として生きていく 意味があるのだろうか…。 129 00:09:11,785 --> 00:09:16,289 勇者とは 勇気ある行動をする者。 130 00:09:16,289 --> 00:09:18,792 ならば 私は…。 131 00:09:18,792 --> 00:09:22,295 私は カレー屋さんになる!⸩ 132 00:09:22,295 --> 00:09:24,631 自分のように カレーを通して➨ 133 00:09:24,631 --> 00:09:29,803 世界の者たちに人生を変える きっかけを与えたいと考え…。 134 00:09:29,803 --> 00:09:32,305 「勇者印のカレー」を開店します。 135 00:09:32,305 --> 00:09:34,808 勇者であることは 利用するんですね。 136 00:09:34,808 --> 00:09:36,810 ⸨ウフフフ…。 137 00:09:36,810 --> 00:09:40,480 (リアン)いらっしゃいませ! 奥のお席 どうぞ!⸩ 138 00:09:40,480 --> 00:09:43,983 最初はみんな 珍しがって店を訪れてくれます。 139 00:09:43,983 --> 00:09:46,820 しかし…。 140 00:09:46,820 --> 00:09:49,989 味がよくなかったのでしょうか。 141 00:09:49,989 --> 00:09:52,158 いえ。 店の向かいに➨ 142 00:09:52,158 --> 00:09:56,996 生き残った魔王が ハヤシライスの店を建ててきたのです。 143 00:09:56,996 --> 00:09:59,833 (にぎわい) 144 00:09:59,833 --> 00:10:01,835 ⸨クミン:いらっしゃ~い!⸩ 145 00:10:01,835 --> 00:10:04,671 おや 魔王の外見が違いますが。 146 00:10:04,671 --> 00:10:07,340 あれは傀儡で 中身はこの…。 147 00:10:07,340 --> 00:10:09,342 ちょい怖系お姉さんでした。 148 00:10:09,342 --> 00:10:13,179 ⸨ウフフ… はい お待たせしました。 149 00:10:13,179 --> 00:10:17,517 いつもありがとうございます⸩ なんというギャップ萌え。 150 00:10:17,517 --> 00:10:22,355 魔王はチートすぎる勇者がいる世界で 力ずくの支配は無理と判断。 151 00:10:22,355 --> 00:10:24,691 ハヤシライスのおいしさで➨ 152 00:10:24,691 --> 00:10:27,527 人々を支配しようとしたのです。 (おなかの鳴る音) 153 00:10:27,527 --> 00:10:31,865 ふぅ~む… カレーだのハヤシだのの 話を聞いていると➨ 154 00:10:31,865 --> 00:10:35,034 おなかがすいてきましたね。 そう言うと思って。 155 00:10:35,034 --> 00:10:37,370 ジャ~ン! 156 00:10:37,370 --> 00:10:41,374 今回のお土産は リアンの作ったカレーのレシピです! 157 00:10:41,374 --> 00:10:43,376 ふ~む…。 158 00:10:43,376 --> 00:10:47,380 今すぐ作りなさい。 はいっ! 159 00:10:47,380 --> 00:10:50,049 「魔王ハヤシ」のハヤシライスのおいしさは➨ 160 00:10:50,049 --> 00:10:52,719 人々に 禁断症状をもたらすほどでした。 161 00:10:52,719 --> 00:10:55,555 ⸨ハヤシライスを出せ~! 魔王ハヤシを…。 162 00:10:55,555 --> 00:10:57,557 ハヤシライス…⸩ 163 00:10:57,557 --> 00:10:59,726 いったい何が 入っているのでしょうか。 164 00:10:59,726 --> 00:11:02,328 そんな様子を見ていた 勇者リアンは…。 165 00:11:02,328 --> 00:11:05,498 ⸨もう一度… やっちまうか⸩ 166 00:11:05,498 --> 00:11:08,668 再び魔王を血祭りに 挙げてしまおうと考えます。 167 00:11:08,668 --> 00:11:11,337 脳筋思考から抜け出せませんね。 168 00:11:11,337 --> 00:11:14,674 ⸨待て! ハッ!? 169 00:11:14,674 --> 00:11:17,510 勝負するなら 店として勝負するんだ! 170 00:11:17,510 --> 00:11:20,513 だ… 誰? 俺だ! 171 00:11:20,513 --> 00:11:22,515 カレー皿だ! 172 00:11:22,515 --> 00:11:25,351 えぇ~っ!⸩ やっとあなたの登場。 173 00:11:25,351 --> 00:11:27,687 最初は驚いていたリアンでしたが➨ 174 00:11:27,687 --> 00:11:30,023 俺の説得を受け入れてくれました。 175 00:11:30,023 --> 00:11:35,361 ⸨そうね… 私は勇者。 勇気ある選択をせねば⸩ 176 00:11:35,361 --> 00:11:37,363 こうして俺とリアンは➨ 177 00:11:37,363 --> 00:11:40,867 店を盛り返す方法を 考えることにしたのです。 178 00:11:40,867 --> 00:11:43,202 ⸨どうすればいいのかしら…⸩ 179 00:11:43,202 --> 00:11:47,707 はた目から見れば カレー皿に 独り言をつぶやく サイコな光景。 180 00:11:50,710 --> 00:11:52,879 なかなかいい匂いですね。 181 00:11:52,879 --> 00:11:55,882 でしょう? 味には自信があるんです。 182 00:11:55,882 --> 00:11:58,885 では 何が問題だったのでしょうか。 183 00:11:58,885 --> 00:12:00,987 内装ですね。 184 00:12:00,987 --> 00:12:04,824 今まで倒した魔物が 観賞用に並んでいましたから。 185 00:12:04,824 --> 00:12:07,994 食事をするには最低な環境ですね。 186 00:12:07,994 --> 00:12:11,998 内装をきれいにしたおかげで 客足は戻りましたが➨ 187 00:12:11,998 --> 00:12:14,834 やはり魔王ハヤシの人気は 落ちません。 188 00:12:14,834 --> 00:12:16,836 五分五分の戦いですね。 189 00:12:16,836 --> 00:12:19,839 なんとか魔王に勝ちたいリアンは 思い悩みます。 190 00:12:19,839 --> 00:12:22,508 ⸨あっ… あっそうだ! 191 00:12:22,508 --> 00:12:25,011 魔王を捕まえて 飾っちまえばいいんだ! 192 00:12:25,011 --> 00:12:27,680 バカッ! うっ アッツ…⸩ 193 00:12:27,680 --> 00:12:31,851 カレー皿にカレーを叩きつけられる勇者。 194 00:12:31,851 --> 00:12:33,853 ⸨そんなことをすれば➨ 195 00:12:33,853 --> 00:12:36,022 お前のカレーが ハヤシライスに負けたことを➨ 196 00:12:36,022 --> 00:12:38,191 認めることになるんだぞ! 197 00:12:38,191 --> 00:12:42,195 うぅ… そうね… 私が間違ってた。 198 00:12:42,195 --> 00:12:46,032 そんなこと 勇者のすることじゃないわ⸩ 199 00:12:46,032 --> 00:12:49,035 カレー好きの設定が シリアスを台なしに。 200 00:12:49,035 --> 00:12:52,872 ⸨私 正々堂々と勝負する! 201 00:12:52,872 --> 00:12:56,542 その言葉 待ってたわ⸩ 202 00:12:56,542 --> 00:12:59,545 偶然 リアンの言葉を 耳にしたクミンは感激し➨ 203 00:12:59,545 --> 00:13:02,148 2人は熱い握手を交わします。 204 00:13:02,148 --> 00:13:05,852 偶然というか 盗み食いしに来てませんか? 205 00:13:11,157 --> 00:13:13,826 ⸨ん~っ… やっぱりおいしい。 206 00:13:13,826 --> 00:13:16,329 フフッ 負けを認めたってこと? 207 00:13:16,329 --> 00:13:19,666 ただの感想。 うちのほうがおいしいわ。 208 00:13:19,666 --> 00:13:23,169 フフッ じゃあ あなたのハヤシライスと食べ比べて➨ 209 00:13:23,169 --> 00:13:27,173 白黒ハッキリさせようじゃない。 いいわ 受けて立つわ⸩ 210 00:13:27,173 --> 00:13:32,378 こうして2人は 互いに切磋琢磨 することを誓い合ったのです。 211 00:13:34,347 --> 00:13:36,516 さっ そろそろ カレーが出来たようなので➨ 212 00:13:36,516 --> 00:13:39,686 食べましょうか。 カレーは頂くにしても➨ 213 00:13:39,686 --> 00:13:43,356 あなたの最後を聞いていませんが。 あぁ~ そうでした。 214 00:13:43,356 --> 00:13:47,527 えっとですね 俺の終わりは その日の夜にやってきました。 215 00:13:47,527 --> 00:13:49,529 いったい何があったのです。 216 00:13:49,529 --> 00:13:53,199 食べたあとのカレー皿を リアンが洗っていると➨ 217 00:13:53,199 --> 00:13:55,535 真っ二つに割ってしまったのです。 218 00:13:55,535 --> 00:13:58,037 物として存在している以上➨ 219 00:13:58,037 --> 00:14:01,140 いつかはその形を 失うときが来るでしょう。 220 00:14:01,140 --> 00:14:04,143 薄れゆく意識の中で 俺は言いました。 221 00:14:04,143 --> 00:14:07,480 君がカレーを食べているときの おいしそうな顔は➨ 222 00:14:07,480 --> 00:14:10,316 大好きだったよと。 欲情できたよと。 223 00:14:10,316 --> 00:14:12,819 最後のひと言で台なしですね。 224 00:14:12,819 --> 00:14:16,322 リアンも 私も! と応えます。 225 00:14:16,322 --> 00:14:20,326 そこで応える リアンの常識も疑いますが。 226 00:14:20,326 --> 00:14:24,630 まぁいいでしょう とにかくカレーを。 お皿に盛りますね。 227 00:14:28,501 --> 00:14:30,503 んっ? 228 00:14:34,173 --> 00:14:36,676 フフッ。 何をしているのですか? 229 00:14:36,676 --> 00:14:38,678 あっ はいはい すみません。 230 00:14:38,678 --> 00:14:41,013 っと… あっ!? 231 00:14:41,013 --> 00:14:46,519 あ~… スイッチ入れ忘れてました。 どういうことですか。 232 00:14:46,519 --> 00:14:50,857 いえ あの すぐに早炊きモードで。 あなたを燃料に早炊きします。 233 00:14:50,857 --> 00:14:53,860 ぎゃあ~っ! (雷撃音) 234 00:14:58,030 --> 00:15:06,539 (雨音) 235 00:15:09,308 --> 00:15:11,310 あっ…。 236 00:15:14,981 --> 00:15:17,817 《幼い頃 私は自分が➨ 237 00:15:17,817 --> 00:15:20,653 哀れな存在だと決めつけていた》 ⸨コホッ コホッ…⸩ 238 00:15:20,653 --> 00:15:25,491 《神様から与えられた勇者の力は あまりにも強大で➨ 239 00:15:25,491 --> 00:15:29,328 強すぎた私を みんなが恐れた。 240 00:15:29,328 --> 00:15:34,667 強すぎた力の対価として 与えられたのは この病弱な体。 241 00:15:34,667 --> 00:15:39,005 それでも 歯を食いしばって 力を振るわなければ➨ 242 00:15:39,005 --> 00:15:43,676 私も 愛する両親も 世界から孤立してしまう。 243 00:15:43,676 --> 00:15:47,180 なんて哀れで むなしい存在なのだろう》 244 00:15:47,180 --> 00:15:49,182 (檻の扉を閉める音) 245 00:15:49,182 --> 00:15:52,585 《倒した敵を集めることが 生きた証しだった》 246 00:15:54,854 --> 00:15:57,690 ⸨ダルカンモ:それでも勇者か! 247 00:15:57,690 --> 00:16:01,461 私では届かぬか…。 248 00:16:01,461 --> 00:16:04,964 だが 嘆く必要はない。 249 00:16:04,964 --> 00:16:08,134 貴様を導ける者はいる。 250 00:16:08,134 --> 00:16:11,637 世界を見くびらないこと… だ⸩ 251 00:16:19,812 --> 00:16:26,819 《まさか 私を導いてくれるものが このカレー皿だったとは》 252 00:16:26,819 --> 00:16:28,821 いただきます。 253 00:16:28,821 --> 00:16:30,823 《あれだけ大好きだった カレーなのに➨ 254 00:16:30,823 --> 00:16:34,327 彼がいなくなってからは おいしく感じられない》 255 00:16:34,327 --> 00:16:39,832 んっ… あむっ…。 256 00:16:39,832 --> 00:16:43,336 ⸨見ていて とてもうれしい気持ちになる。 257 00:16:43,336 --> 00:16:45,838 興奮できる。 ありがとう⸩ 258 00:16:45,838 --> 00:16:50,009 《私は思わず お礼を言った。 私がしたかったことは➨ 259 00:16:50,009 --> 00:16:53,846 カレーを通してみんなを 笑顔にすること。 彼の言葉に➨ 260 00:16:53,846 --> 00:16:57,516 カレーにはその力があると 再確認できたからだ》 261 00:16:57,516 --> 00:17:02,121 んっ… はむっ…。 262 00:17:02,121 --> 00:17:05,625 ⸨その顔 とってもいいよぉ!⸩ 263 00:17:05,625 --> 00:17:07,627 《まっ 興奮されるのは➨ 264 00:17:07,627 --> 00:17:09,629 ちょっとだけ恥ずかしかったけど。 265 00:17:09,629 --> 00:17:13,132 彼との楽しい日々は 瞬く間に過ぎていき…》 266 00:17:15,635 --> 00:17:17,637 《別れは 唐突にやってきた》 267 00:17:17,637 --> 00:17:21,641 (鼻歌) 268 00:17:21,641 --> 00:17:23,643 ⸨ハ… ハ…。 269 00:17:23,643 --> 00:17:25,645 ハクション! 270 00:17:25,645 --> 00:17:29,649 あっ… あぁ… そんな…! 271 00:17:32,151 --> 00:17:35,655 ありゃ どうもここが 潮時のようだね。 272 00:17:35,655 --> 00:17:38,658 まっ 皿が割れる瞬間なんて こんなものか。 273 00:17:38,658 --> 00:17:41,994 ごめんなさい… ごめんなさい! 274 00:17:41,994 --> 00:17:45,831 泣かないで。 いつものように 笑ってくれないかな。 275 00:17:45,831 --> 00:17:51,003 君のカレーを食べているときの顔は 大好きだったよ。 276 00:17:51,003 --> 00:17:53,005 欲情できたよ⸩ 277 00:17:53,005 --> 00:17:55,841 《彼は自分が 消えようとしているときでも➨ 278 00:17:55,841 --> 00:17:58,344 私を笑わせようとしてくれている。 279 00:17:58,344 --> 00:18:01,280 その温かさが伝わってきた》 280 00:18:01,280 --> 00:18:04,483 ⸨私も… 大好きだったよ。 281 00:18:06,786 --> 00:18:08,788 あっ…⸩ 282 00:18:10,790 --> 00:18:13,459 《初めてカレーを食べたときと 同じように➨ 283 00:18:13,459 --> 00:18:16,062 体に熱が戻ってくるのを感じた》 284 00:18:18,631 --> 00:18:20,800 (ドアベル) 285 00:18:20,800 --> 00:18:22,802 すごい雨ね。 286 00:18:22,802 --> 00:18:26,639 ちょっと… 今日はもう閉店してるわよ。 287 00:18:26,639 --> 00:18:30,142 いいじゃない 少しくらい余ってるんでしょ? 288 00:18:30,142 --> 00:18:32,144 (雨音) 289 00:18:32,144 --> 00:18:34,480 まだその皿で食べているのね。 290 00:18:34,480 --> 00:18:36,983 愛着があるのよ。 悪い? 291 00:18:36,983 --> 00:18:38,985 彼への未練? 292 00:18:40,987 --> 00:18:42,989 知ってたの? 293 00:18:42,989 --> 00:18:46,993 その皿にカレーをよそって 出してくれたことがあったでしょ。 294 00:18:48,995 --> 00:18:51,097 ⸨こんな忙しいときに 来ないでよ⸩ 295 00:18:53,332 --> 00:18:55,334 何か話したの? 296 00:18:55,334 --> 00:18:57,503 大した話はしてないわよ。 297 00:18:57,503 --> 00:19:00,940 軽く自己紹介をされて 口説かれたくらい。 あむっ。 298 00:19:00,940 --> 00:19:04,944 浮気… まぁ 彼らしいか…。 299 00:19:04,944 --> 00:19:07,279 《彼は 女好きだった。 300 00:19:07,279 --> 00:19:10,282 私に欲情すると よく言っていたけど➨ 301 00:19:10,282 --> 00:19:14,286 他のお客さんにも 結構 欲情していたのを覚えてる。 302 00:19:14,286 --> 00:19:16,288 そういった日は…。 303 00:19:16,288 --> 00:19:21,794 カレーを食べたあと洗わずに しばらく放置とかしてたなぁ》 304 00:19:21,794 --> 00:19:23,963 ディナーに誘われたけど➨ 305 00:19:23,963 --> 00:19:27,299 私的にはタイプじゃなかったから 断ったわ。 306 00:19:27,299 --> 00:19:30,970 あなたを誘うなんて 趣味が悪いのね。 307 00:19:30,970 --> 00:19:33,639 (クミン)私の部下を並べてた あなたが言う? 308 00:19:33,639 --> 00:19:35,641 今でも夢に見るのよ。 309 00:19:35,641 --> 00:19:40,813 幼い頃から魔物で遊んでいたから 私的にはファンシーに感じるのよ。 310 00:19:40,813 --> 00:19:44,316 本当に悪趣味ね… まぁそれでね➨ 311 00:19:44,316 --> 00:19:47,319 帰り際 彼は私に言ったのよ。 312 00:19:47,319 --> 00:19:49,488 ⸨じゃあ またね。 313 00:19:49,488 --> 00:19:51,991 そのうち…。 えっ? 314 00:19:51,991 --> 00:19:55,494 そのうち 俺は消えるかもしれないから➨ 315 00:19:55,494 --> 00:19:58,664 リアンのこと よろしく頼む⸩ 316 00:19:58,664 --> 00:20:02,001 って…。 あなたに…。 317 00:20:02,001 --> 00:20:04,670 あなたによろしくされる 必要なんてないわよ! 318 00:20:04,670 --> 00:20:07,173 《彼は感づいていたのだろう。 319 00:20:07,173 --> 00:20:11,343 いつか私の手によって 最期を迎える日が来ることを。 320 00:20:11,343 --> 00:20:14,680 そして 心に決めていたのだろう。 321 00:20:14,680 --> 00:20:19,018 その日が来たら 私を悲しませないように➨ 322 00:20:19,018 --> 00:20:22,021 いつものままの自分で 別れを告げようと》 323 00:20:22,021 --> 00:20:24,690 (泣き声) 324 00:20:24,690 --> 00:20:27,359 うぅ… お代わり! 325 00:20:27,359 --> 00:20:30,362 ウフッ… 私もお代わりしよっと。 326 00:20:30,362 --> 00:20:34,867 一人で食べるよりも 断然おいしくカレーを食べられるわ。 327 00:20:34,867 --> 00:20:38,571 そう… ありがとね。 328 00:20:42,208 --> 00:20:45,044 (鳥の鳴き声) 329 00:20:45,044 --> 00:20:49,048 あら 晴れてる。 ホントだ。 330 00:20:49,048 --> 00:20:51,383 たまには うちにも食べにきてよ。 331 00:20:51,383 --> 00:20:54,887 タダならね。 いいわよ~ いくらでも。 332 00:20:54,887 --> 00:20:56,889 それじゃあ。 333 00:20:56,889 --> 00:21:06,665 ♬~ 334 00:21:06,665 --> 00:21:09,168 はむっ…。 335 00:21:09,168 --> 00:21:12,338 うんうん この味この味。 336 00:21:12,338 --> 00:21:15,007 俺の料理の腕前も なかなかでしょう? 337 00:21:15,007 --> 00:21:17,009 レシピがいいのでしょう。 338 00:21:19,011 --> 00:21:22,348 はむっ…。 339 00:21:22,348 --> 00:21:25,351 フフフ… お代わり いかがですか? 340 00:21:25,351 --> 00:21:29,188 んっ… 食べてあげても かまいませんよ。 341 00:21:29,188 --> 00:21:31,524 やった! じゃあ早速…。 342 00:21:31,524 --> 00:21:35,361 そのかわり。 えっ? 343 00:21:35,361 --> 00:21:39,031 こちらのお皿にお願いします。 344 00:21:39,031 --> 00:21:41,033 メガ盛り用!? 345 00:21:41,033 --> 00:21:43,202 た 食べますね~。 346 00:21:43,202 --> 00:21:45,704 まだ腹三分目です。