1 00:00:34,968 --> 00:00:36,970 (女神)メネ・テ・ケル・シン。 2 00:00:36,970 --> 00:00:43,977 ♬~ 3 00:00:43,977 --> 00:00:47,648 (俺)クゥ… クゥ…。 <言い伝えによると➡ 4 00:00:47,648 --> 00:00:49,650 根絶の女神は➡ 5 00:00:49,650 --> 00:00:53,987 死ぬ運命ではなかった 子犬のなきがらを拾い…> 6 00:00:53,987 --> 00:00:56,323 すまないことをしました。 7 00:00:56,323 --> 00:00:58,992 < とだけ つぶやいた。 8 00:00:58,992 --> 00:01:01,495 自らの戦いに巻き込み➡ 9 00:01:01,495 --> 00:01:05,666 輪廻転生の 「輪」から 外れてしまったこの者を➡ 10 00:01:05,666 --> 00:01:09,670 どうにか 「輪」に戻そうとした> 11 00:01:09,670 --> 00:01:13,674 (古代転生神)なかなか 難儀なことでございます。 12 00:01:13,674 --> 00:01:18,011 根絶の女神様 この者は…。 13 00:01:18,011 --> 00:01:20,681 転生の輪に戻ることなく➡ 14 00:01:20,681 --> 00:01:25,085 あとわずかで 魂が消滅することでしょう。 15 00:01:29,022 --> 00:01:32,626 「彼」は なぜあの場に? こちらを。 16 00:01:34,795 --> 00:01:37,631 ひぇ~ 小汚ぇ 犬ころだなぁ。 17 00:01:37,631 --> 00:01:40,133 こんな野郎は! キャン! ヘヘッ。 18 00:01:40,133 --> 00:01:44,304 ((オメエみてぇなゴミは 神に選ばれやしねえんだよ! 19 00:01:44,304 --> 00:01:46,306 アハハハ… あぁ? 20 00:01:46,306 --> 00:01:49,476 んだ テメエ。 どけよ。 21 00:01:49,476 --> 00:01:55,983 神に選ばれし高貴な俺が ゴミ掃除中なんだよ~ ウィ~…。 22 00:01:55,983 --> 00:02:00,787 おい 神事が始まるぞ。 危ねえ 危ねえ。 23 00:02:03,156 --> 00:02:05,158 キュ…。 24 00:02:07,160 --> 00:02:10,497 (一同)神様! 神様! 感謝します! 25 00:02:10,497 --> 00:02:17,337 我らは選ばれし民! 幸せです! 幸せです! 26 00:02:17,337 --> 00:02:20,540 キュウ…)) 27 00:02:25,846 --> 00:02:29,683 <事を悟った根絶の女神> 28 00:02:29,683 --> 00:02:35,455 「彼」を かの地へ。 誠ですか? 29 00:02:35,455 --> 00:02:41,795 しかし… 確かに 唯一の道かもしれませぬな。 30 00:02:41,795 --> 00:02:45,799 あらゆる魂の磨き場。 31 00:02:45,799 --> 00:02:48,502 試練の青。 32 00:04:26,166 --> 00:04:32,506 ((さあ 子犬の魂よ。 彼岸を越えてゆくのです。 33 00:04:32,506 --> 00:04:35,442 さっさとしなさい。 消えてしまいますよ。 34 00:04:35,442 --> 00:04:37,777 クゥ~ン…。 35 00:04:37,777 --> 00:04:39,779 クゥ…。 36 00:04:39,779 --> 00:04:41,781 早く)) 37 00:04:41,781 --> 00:04:48,622 ♬「ハッピー バースデー トゥー ユー。 ハッピー バースデー トゥー ユー」 38 00:04:48,622 --> 00:04:53,460 ♬「ハッピー バースデー ディア オレ」 39 00:04:53,460 --> 00:04:55,962 ♬「ハッピ バー…」 40 00:04:55,962 --> 00:04:58,798 えぇっ!? 女神の空間を➡ 41 00:04:58,798 --> 00:05:01,301 パーティー感一色に しないでもらえますか? 42 00:05:01,301 --> 00:05:03,303 一緒にお祝いしましょうよ。 43 00:05:03,303 --> 00:05:05,639 あなたの誕生日など祝いません。 44 00:05:05,639 --> 00:05:08,975 じゃあ 女神様が ロウソクを吹き消したので➡ 45 00:05:08,975 --> 00:05:11,812 今日は女神様の誕生日…。 結構です。 46 00:05:11,812 --> 00:05:13,813 いいじゃないですか。 47 00:05:13,813 --> 00:05:16,983 女神様は いつも一人で 誕生日過ごしていそうですし。 48 00:05:16,983 --> 00:05:19,319 人のこと言えた義理ですかね。 49 00:05:19,319 --> 00:05:24,157 えっ 人間として死ぬ1年前は 友人とパーティーしていましたよ。 50 00:05:24,157 --> 00:05:26,159 そんな。 51 00:05:26,159 --> 00:05:29,996 そんなバカな! 私が あなた以下だというのですか。 52 00:05:29,996 --> 00:05:34,935 あっ でも異世界転生中での 誕生日は ほとんど一人でしたね。 53 00:05:34,935 --> 00:05:36,937 ホッ…。 54 00:05:36,937 --> 00:05:40,106 まぁ 無生物や人外との 誕生日なんて➡ 55 00:05:40,106 --> 00:05:43,109 誰も祝いたくは ないでしょうからね。 エヘヘヘ…。 56 00:05:43,109 --> 00:05:45,779 時計の針のときは 兄弟がいましたけど➡ 57 00:05:45,779 --> 00:05:48,114 リア充への魔法攻撃で➡ 58 00:05:48,114 --> 00:05:51,117 誕生日どころじゃなかったしなぁ。 59 00:05:51,117 --> 00:05:53,954 あなたがやらかした 世界の神たちから➡ 60 00:05:53,954 --> 00:05:57,123 苦情が来るときもあるのですから ほどほどに。 61 00:05:57,123 --> 00:06:00,293 そんな器の小さな 神様がいるんですか。 62 00:06:00,293 --> 00:06:04,130 基本 やられた神が悪い ということで論破していますが➡ 63 00:06:04,130 --> 00:06:06,132 あまりやらかされると➡ 64 00:06:06,132 --> 00:06:08,635 集団で何をしてくるのか わかりません。 65 00:06:08,635 --> 00:06:12,472 というわけで 異世界転生のお時間です。 66 00:06:12,472 --> 00:06:14,474 そんな~。 67 00:06:14,474 --> 00:06:16,977 せっかく用意したプレゼントが~。 68 00:06:16,977 --> 00:06:19,646 もらっておくので 安心してください。 69 00:06:19,646 --> 00:06:22,816 アハッ 女神様からはないのですか? 70 00:06:22,816 --> 00:06:25,986 では 好きなのを 選ばせてあげましょう。 71 00:06:25,986 --> 00:06:28,655 (くじ引きくん)アァン! 72 00:06:28,655 --> 00:06:31,658 わ~い では早速。 ガァッ! 73 00:06:31,658 --> 00:06:35,095 「勇者のカレー皿」! 74 00:06:35,095 --> 00:06:38,798 うぅ おなかがすいているところに この設定。 75 00:06:40,767 --> 00:06:44,437 勇者がカレーを食べる皿すべてが あなたになるのか➡ 76 00:06:44,437 --> 00:06:47,774 勇者が食べるカレー皿が 固定されるのか。 77 00:06:47,774 --> 00:06:50,443 せっかくですから 一点ものでいきましょう! 78 00:06:50,443 --> 00:06:53,113 それにっ! 79 00:06:53,113 --> 00:06:55,115 勇者は女性がいいですね。 80 00:06:55,115 --> 00:06:59,786 今回は禁止しませんが 男女に関係があるのでしょうか。 81 00:06:59,786 --> 00:07:03,623 野郎がおいしそうに食べている 光景に欲情できません。 82 00:07:03,623 --> 00:07:06,126 それより…。 ((ウ~ン…。 83 00:07:06,126 --> 00:07:09,462 ウフッ… 超イケてる…。 84 00:07:09,462 --> 00:07:12,799 ん~… チュ。 デヘ デヘヘヘ… エヘッ エヘッ)) 85 00:07:12,799 --> 00:07:15,802 禁止したくなりました。 そんな…。 86 00:07:18,305 --> 00:07:20,307 こ これは…。 87 00:07:20,307 --> 00:07:22,475 「ぱくっとGoGo盛り森ハチミツ➡ 88 00:07:22,475 --> 00:07:24,978 いちばーん! カレー亭」 じゃないですか! はい。 89 00:07:24,978 --> 00:07:29,316 英国貴族風マハラジャ・チーズイン・カツカレーが 有名です。 90 00:07:29,316 --> 00:07:31,818 プレゼント 開けてみてくださいね。 91 00:07:33,753 --> 00:07:37,057 すみませ~ん 注文いいですか~? いらっしゃいませ~。 92 00:07:39,926 --> 00:07:41,928 不思議です。 93 00:07:43,930 --> 00:07:47,534 なぜか彼を見てると あの子犬を思い出します。 94 00:07:49,769 --> 00:07:51,771 普通にセンスがいいですね。 95 00:07:51,771 --> 00:07:54,774 ただいま戻りました! ハッ! (ドア開くジングル) 96 00:07:54,774 --> 00:07:57,277 (ドア開くジングル) 97 00:07:57,277 --> 00:08:00,780 ずいぶん早いですねっ。 そうでしたか? 98 00:08:00,780 --> 00:08:04,117 あっ プレゼント開けてくれたんですね。 99 00:08:04,117 --> 00:08:06,119 フリマに出品しておきました。 100 00:08:06,119 --> 00:08:10,290 帰ってくるなりこの仕打ち…。 それでは報告を。 101 00:08:10,290 --> 00:08:12,292 ぶふっ! 102 00:08:12,292 --> 00:08:14,294 あぁ…。 (TVくん)ガァ…。 103 00:08:17,130 --> 00:08:21,134 勇者の名前は リアン=メリクという女勇者です。 104 00:08:21,134 --> 00:08:24,304 リアンは生まれつき 病弱な少女でした。 105 00:08:24,304 --> 00:08:26,306 ((リアン:コホッ コホッ)) 106 00:08:26,306 --> 00:08:28,641 勇者なのに病弱設定ですか。 107 00:08:28,641 --> 00:08:31,478 村を襲う 魔物の群れを蹴散らすと➡ 108 00:08:31,478 --> 00:08:34,247 いつもぜんそくの発作を 起こしていました。 109 00:08:34,247 --> 00:08:36,249 病弱なのかチートなのか。 110 00:08:36,249 --> 00:08:41,588 俺とリアンの出会いは 彼女がまだ10歳の頃。 111 00:08:41,588 --> 00:08:44,758 魔王の右腕である ダルカンモ将軍を➡ 112 00:08:44,758 --> 00:08:47,927 素手で 血祭りに挙げたときのことです。 113 00:08:47,927 --> 00:08:50,430 ひどい10歳もいたものです。 114 00:08:50,430 --> 00:08:53,933 戦闘後の疲労に 伏せっていたリアンに 母親は…。 115 00:08:53,933 --> 00:08:57,103 ((リアンの母:ほら)) 異国の料理を作ったのです。 116 00:08:57,103 --> 00:09:01,608 そのときのカレー皿があなただと。 そのとおりです! 117 00:09:01,608 --> 00:09:04,944 カレーのおかげで リアンの病弱だった体は➡ 118 00:09:04,944 --> 00:09:06,946 みるみる回復しました。 119 00:09:06,946 --> 00:09:10,450 ((んんっ…!)) カレーにそこまでの力が? 120 00:09:10,450 --> 00:09:12,619 女神様から頂いたチートオプション➡ 121 00:09:12,619 --> 00:09:15,622 「不治の病を治せるアイテム」の 効果です。 122 00:09:15,622 --> 00:09:19,626 あなたのわりに いいチョイスです。 ((はぁ~…)) 123 00:09:19,626 --> 00:09:22,629 そして… 大人になったリアンは➡ 124 00:09:22,629 --> 00:09:25,965 魔王クミンを倒して 世界を救います。 125 00:09:25,965 --> 00:09:30,303 一気に はしょりましたね。 そして魔王の安直な名前。 126 00:09:30,303 --> 00:09:34,240 リアンは人生における最大の敵を 若くして倒してしまい➡ 127 00:09:34,240 --> 00:09:37,410 虚無感に襲われます。 ((むなしい…。 128 00:09:37,410 --> 00:09:44,751 残りの人生 勇者として生きていく 意味があるのだろうか…。 129 00:09:44,751 --> 00:09:49,255 勇者とは 勇気ある行動をする者。 130 00:09:49,255 --> 00:09:51,758 ならば 私は…。 131 00:09:51,758 --> 00:09:55,261 私は カレー屋さんになる!)) 132 00:09:55,261 --> 00:09:57,597 自分のように カレーを通して➡ 133 00:09:57,597 --> 00:10:02,769 世界の者たちに人生を変える きっかけを与えたいと考え…。 134 00:10:02,769 --> 00:10:05,271 「勇者印のカレー」を開店します。 135 00:10:05,271 --> 00:10:07,774 勇者であることは 利用するんですね。 136 00:10:07,774 --> 00:10:09,776 ((ウフフフ…。 137 00:10:09,776 --> 00:10:13,446 (リアン)いらっしゃいませ! 奥のお席 どうぞ!)) 138 00:10:13,446 --> 00:10:16,950 最初はみんな 珍しがって店を訪れてくれます。 139 00:10:16,950 --> 00:10:19,786 しかし…。 140 00:10:19,786 --> 00:10:22,956 味がよくなかったのでしょうか。 141 00:10:22,956 --> 00:10:25,125 いえ。 店の向かいに➡ 142 00:10:25,125 --> 00:10:29,963 生き残った魔王が ハヤシライスの店を建ててきたのです。 143 00:10:29,963 --> 00:10:32,799 (にぎわい) 144 00:10:32,799 --> 00:10:34,801 ((クミン:いらっしゃ~い!)) 145 00:10:34,801 --> 00:10:37,637 おや 魔王の外見が違いますが。 146 00:10:37,637 --> 00:10:40,306 あれは傀儡で 中身はこの…。 147 00:10:40,306 --> 00:10:42,308 ちょい怖系お姉さんでした。 148 00:10:42,308 --> 00:10:46,145 ((ウフフ… はい お待たせしました。 149 00:10:46,145 --> 00:10:50,483 いつもありがとうございます)) なんというギャップ萌え。 150 00:10:50,483 --> 00:10:55,321 魔王はチートすぎる勇者がいる世界で 力ずくの支配は無理と判断。 151 00:10:55,321 --> 00:10:57,657 ハヤシライスのおいしさで➡ 152 00:10:57,657 --> 00:11:00,493 人々を支配しようとしたのです。 (おなかの鳴る音) 153 00:11:00,493 --> 00:11:04,831 ふぅ~む… カレーだのハヤシだのの 話を聞いていると➡ 154 00:11:04,831 --> 00:11:08,001 おなかがすいてきましたね。 そう言うと思って。 155 00:11:08,001 --> 00:11:10,336 ジャ~ン! 156 00:11:10,336 --> 00:11:14,340 今回のお土産は リアンの作ったカレーのレシピです! 157 00:11:14,340 --> 00:11:16,342 ふ~む…。 158 00:11:16,342 --> 00:11:20,346 今すぐ作りなさい。 はいっ! 159 00:11:20,346 --> 00:11:23,016 「魔王ハヤシ」のハヤシライスのおいしさは➡ 160 00:11:23,016 --> 00:11:25,685 人々に 禁断症状をもたらすほどでした。 161 00:11:25,685 --> 00:11:28,521 ((ハヤシライスを出せ~! 魔王ハヤシを…。 162 00:11:28,521 --> 00:11:30,523 ハヤシライス…)) 163 00:11:30,523 --> 00:11:32,692 いったい何が 入っているのでしょうか。 164 00:11:32,692 --> 00:11:35,295 そんな様子を見ていた 勇者リアンは…。 165 00:11:35,295 --> 00:11:38,464 ((もう一度… やっちまうか)) 166 00:11:38,464 --> 00:11:41,634 再び魔王を血祭りに 挙げてしまおうと考えます。 167 00:11:41,634 --> 00:11:44,304 脳筋思考から抜け出せませんね。 168 00:11:44,304 --> 00:11:47,640 ((待て! ハッ!? 169 00:11:47,640 --> 00:11:50,476 勝負するなら 店として勝負するんだ! 170 00:11:50,476 --> 00:11:53,479 だ… 誰? 俺だ! 171 00:11:53,479 --> 00:11:55,481 カレー皿だ! 172 00:11:55,481 --> 00:11:58,318 えぇ~っ!)) やっとあなたの登場。 173 00:11:58,318 --> 00:12:00,653 最初は驚いていたリアンでしたが➡ 174 00:12:00,653 --> 00:12:02,989 俺の説得を受け入れてくれました。 175 00:12:02,989 --> 00:12:08,328 ((そうね… 私は勇者。 勇気ある選択をせねば)) 176 00:12:08,328 --> 00:12:10,330 こうして俺とリアンは➡ 177 00:12:10,330 --> 00:12:13,833 店を盛り返す方法を 考えることにしたのです。 178 00:12:13,833 --> 00:12:16,169 ((どうすればいいのかしら…)) 179 00:12:16,169 --> 00:12:20,673 はた目から見れば カレー皿に 独り言をつぶやく サイコな光景。 180 00:12:23,676 --> 00:12:25,845 なかなかいい匂いですね。 181 00:12:25,845 --> 00:12:28,848 でしょう? 味には自信があるんです。 182 00:12:28,848 --> 00:12:31,851 では 何が問題だったのでしょうか。 183 00:12:31,851 --> 00:12:33,953 内装ですね。 184 00:12:33,953 --> 00:12:37,790 今まで倒した魔物が 観賞用に並んでいましたから。 185 00:12:37,790 --> 00:12:40,960 食事をするには最低な環境ですね。 186 00:12:40,960 --> 00:12:44,964 内装をきれいにしたおかげで 客足は戻りましたが➡ 187 00:12:44,964 --> 00:12:47,800 やはり魔王ハヤシの人気は 落ちません。 188 00:12:47,800 --> 00:12:49,802 五分五分の戦いですね。 189 00:12:49,802 --> 00:12:52,805 なんとか魔王に勝ちたいリアンは 思い悩みます。 190 00:12:52,805 --> 00:12:55,475 ((あっ… あっそうだ! 191 00:12:55,475 --> 00:12:57,977 魔王を捕まえて 飾っちまえばいいんだ! 192 00:12:57,977 --> 00:13:00,647 バカッ! うっ アッツ…)) 193 00:13:00,647 --> 00:13:04,817 カレー皿にカレーを叩きつけられる勇者。 194 00:13:04,817 --> 00:13:06,819 ((そんなことをすれば➡ 195 00:13:06,819 --> 00:13:08,988 お前のカレーが ハヤシライスに負けたことを➡ 196 00:13:08,988 --> 00:13:11,157 認めることになるんだぞ! 197 00:13:11,157 --> 00:13:15,161 うぅ… そうね… 私が間違ってた。 198 00:13:15,161 --> 00:13:18,998 そんなこと 勇者のすることじゃないわ)) 199 00:13:18,998 --> 00:13:22,001 カレー好きの設定が シリアスを台なしに。 200 00:13:22,001 --> 00:13:25,838 ((私 正々堂々と勝負する! 201 00:13:25,838 --> 00:13:29,509 その言葉 待ってたわ)) 202 00:13:29,509 --> 00:13:32,512 偶然 リアンの言葉を 耳にしたクミンは感激し➡ 203 00:13:32,512 --> 00:13:35,114 2人は熱い握手を交わします。 204 00:13:35,114 --> 00:13:38,818 偶然というか 盗み食いしに来てませんか? 205 00:13:44,123 --> 00:13:46,793 ((ん~っ… やっぱりおいしい。 206 00:13:46,793 --> 00:13:49,295 フフッ 負けを認めたってこと? 207 00:13:49,295 --> 00:13:52,632 ただの感想。 うちのほうがおいしいわ。 208 00:13:52,632 --> 00:13:56,135 フフッ じゃあ あなたのハヤシライスと食べ比べて➡ 209 00:13:56,135 --> 00:14:00,139 白黒ハッキリさせようじゃない。 いいわ 受けて立つわ)) 210 00:14:00,139 --> 00:14:05,345 こうして2人は 互いに切磋琢磨 することを誓い合ったのです。 211 00:14:07,313 --> 00:14:09,482 さっ そろそろ カレーが出来たようなので➡ 212 00:14:09,482 --> 00:14:12,652 食べましょうか。 カレーは頂くにしても➡ 213 00:14:12,652 --> 00:14:16,322 あなたの最後を聞いていませんが。 あぁ~ そうでした。 214 00:14:16,322 --> 00:14:20,493 えっとですね 俺の終わりは その日の夜にやってきました。 215 00:14:20,493 --> 00:14:22,495 いったい何があったのです。 216 00:14:22,495 --> 00:14:26,165 食べたあとのカレー皿を リアンが洗っていると➡ 217 00:14:26,165 --> 00:14:28,501 真っ二つに割ってしまったのです。 218 00:14:28,501 --> 00:14:31,003 物として存在している以上➡ 219 00:14:31,003 --> 00:14:34,107 いつかはその形を 失うときが来るでしょう。 220 00:14:34,107 --> 00:14:37,110 薄れゆく意識の中で 俺は言いました。 221 00:14:37,110 --> 00:14:40,446 君がカレーを食べているときの おいしそうな顔は➡ 222 00:14:40,446 --> 00:14:43,282 大好きだったよと。 欲情できたよと。 223 00:14:43,282 --> 00:14:45,785 最後のひと言で台なしですね。 224 00:14:45,785 --> 00:14:49,288 リアンも 私も! と応えます。 225 00:14:49,288 --> 00:14:53,292 そこで応える リアンの常識も疑いますが。 226 00:14:53,292 --> 00:14:57,597 まぁいいでしょう とにかくカレーを。 お皿に盛りますね。 227 00:15:01,467 --> 00:15:03,469 んっ? 228 00:15:07,140 --> 00:15:09,642 フフッ。 何をしているのですか? 229 00:15:09,642 --> 00:15:11,644 あっ はいはい すみません。 230 00:15:11,644 --> 00:15:13,980 っと… あっ!? 231 00:15:13,980 --> 00:15:19,485 あ~… スイッチ入れ忘れてました。 どういうことですか。 232 00:15:19,485 --> 00:15:23,823 いえ あの すぐに早炊きモードで。 あなたを燃料に早炊きします。 233 00:15:23,823 --> 00:15:26,826 ぎゃあ~っ! (雷撃音) 234 00:15:30,997 --> 00:15:39,505 (雨音) 235 00:15:42,275 --> 00:15:44,277 あっ…。 236 00:15:47,947 --> 00:15:50,783 《幼い頃 私は自分が➡ 237 00:15:50,783 --> 00:15:53,619 哀れな存在だと決めつけていた》 ((コホッ コホッ…)) 238 00:15:53,619 --> 00:15:58,457 《神様から与えられた勇者の力は あまりにも強大で➡ 239 00:15:58,457 --> 00:16:02,295 強すぎた私を みんなが恐れた。 240 00:16:02,295 --> 00:16:07,633 強すぎた力の対価として 与えられたのは この病弱な体。 241 00:16:07,633 --> 00:16:11,971 それでも 歯を食いしばって 力を振るわなければ➡ 242 00:16:11,971 --> 00:16:16,642 私も 愛する両親も 世界から孤立してしまう。 243 00:16:16,642 --> 00:16:20,146 なんて哀れで むなしい存在なのだろう》 244 00:16:20,146 --> 00:16:22,148 (檻の扉を閉める音) 245 00:16:22,148 --> 00:16:25,551 《倒した敵を集めることが 生きた証しだった》 246 00:16:27,820 --> 00:16:30,656 ((ダルカンモ:それでも勇者か! 247 00:16:30,656 --> 00:16:34,427 私では届かぬか…。 248 00:16:34,427 --> 00:16:37,930 だが 嘆く必要はない。 249 00:16:37,930 --> 00:16:41,100 貴様を導ける者はいる。 250 00:16:41,100 --> 00:16:44,604 世界を見くびらないこと… だ)) 251 00:16:52,778 --> 00:16:59,785 《まさか 私を導いてくれるものが このカレー皿だったとは》 252 00:16:59,785 --> 00:17:01,787 いただきます。 253 00:17:01,787 --> 00:17:03,789 《あれだけ大好きだった カレーなのに➡ 254 00:17:03,789 --> 00:17:07,293 彼がいなくなってからは おいしく感じられない》 255 00:17:07,293 --> 00:17:12,798 んっ… あむっ…。 256 00:17:12,798 --> 00:17:16,302 ((見ていて とてもうれしい気持ちになる。 257 00:17:16,302 --> 00:17:18,804 興奮できる。 ありがとう)) 258 00:17:18,804 --> 00:17:22,975 《私は思わず お礼を言った。 私がしたかったことは➡ 259 00:17:22,975 --> 00:17:26,812 カレーを通してみんなを 笑顔にすること。 彼の言葉に➡ 260 00:17:26,812 --> 00:17:30,483 カレーにはその力があると 再確認できたからだ》 261 00:17:30,483 --> 00:17:35,087 んっ… はむっ…。 262 00:17:35,087 --> 00:17:38,591 ((その顔 とってもいいよぉ!)) 263 00:17:38,591 --> 00:17:40,593 《まっ 興奮されるのは➡ 264 00:17:40,593 --> 00:17:42,595 ちょっとだけ恥ずかしかったけど。 265 00:17:42,595 --> 00:17:46,098 彼との楽しい日々は 瞬く間に過ぎていき…》 266 00:17:48,601 --> 00:17:50,603 《別れは 唐突にやってきた》 267 00:17:50,603 --> 00:17:54,607 (鼻歌) 268 00:17:54,607 --> 00:17:56,609 ((ハ… ハ…。 269 00:17:56,609 --> 00:17:58,611 ハクション! 270 00:17:58,611 --> 00:18:02,615 あっ… あぁ… そんな…! 271 00:18:05,117 --> 00:18:08,621 ありゃ どうもここが 潮時のようだね。 272 00:18:08,621 --> 00:18:11,624 まっ 皿が割れる瞬間なんて こんなものか。 273 00:18:11,624 --> 00:18:14,961 ごめんなさい… ごめんなさい! 274 00:18:14,961 --> 00:18:18,798 泣かないで。 いつものように 笑ってくれないかな。 275 00:18:18,798 --> 00:18:23,970 君のカレーを食べているときの顔は 大好きだったよ。 276 00:18:23,970 --> 00:18:25,972 欲情できたよ)) 277 00:18:25,972 --> 00:18:28,808 《彼は自分が 消えようとしているときでも➡ 278 00:18:28,808 --> 00:18:31,310 私を笑わせようとしてくれている。 279 00:18:31,310 --> 00:18:34,246 その温かさが伝わってきた》 280 00:18:34,246 --> 00:18:37,450 ((私も… 大好きだったよ。 281 00:18:39,752 --> 00:18:41,754 あっ…)) 282 00:18:43,756 --> 00:18:46,425 《初めてカレーを食べたときと 同じように➡ 283 00:18:46,425 --> 00:18:49,028 体に熱が戻ってくるのを感じた》 284 00:18:51,597 --> 00:18:53,766 (ドアベル) 285 00:18:53,766 --> 00:18:55,768 すごい雨ね。 286 00:18:55,768 --> 00:18:59,605 ちょっと… 今日はもう閉店してるわよ。 287 00:18:59,605 --> 00:19:03,109 いいじゃない 少しくらい余ってるんでしょ? 288 00:19:03,109 --> 00:19:05,111 (雨音) 289 00:19:05,111 --> 00:19:07,446 まだその皿で食べているのね。 290 00:19:07,446 --> 00:19:09,949 愛着があるのよ。 悪い? 291 00:19:09,949 --> 00:19:11,951 彼への未練? 292 00:19:13,953 --> 00:19:15,955 知ってたの? 293 00:19:15,955 --> 00:19:19,959 その皿にカレーをよそって 出してくれたことがあったでしょ。 294 00:19:21,961 --> 00:19:24,063 ((こんな忙しいときに 来ないでよ)) 295 00:19:26,298 --> 00:19:28,300 何か話したの? 296 00:19:28,300 --> 00:19:30,469 大した話はしてないわよ。 297 00:19:30,469 --> 00:19:33,906 軽く自己紹介をされて 口説かれたくらい。 あむっ。 298 00:19:33,906 --> 00:19:37,910 浮気… まぁ 彼らしいか…。 299 00:19:37,910 --> 00:19:40,246 《彼は 女好きだった。 300 00:19:40,246 --> 00:19:43,249 私に欲情すると よく言っていたけど➡ 301 00:19:43,249 --> 00:19:47,253 他のお客さんにも 結構 欲情していたのを覚えてる。 302 00:19:47,253 --> 00:19:49,255 そういった日は…。 303 00:19:49,255 --> 00:19:54,760 カレーを食べたあと洗わずに しばらく放置とかしてたなぁ》 304 00:19:54,760 --> 00:19:56,929 ディナーに誘われたけど➡ 305 00:19:56,929 --> 00:20:00,266 私的にはタイプじゃなかったから 断ったわ。 306 00:20:00,266 --> 00:20:03,936 あなたを誘うなんて 趣味が悪いのね。 307 00:20:03,936 --> 00:20:06,605 (クミン)私の部下を並べてた あなたが言う? 308 00:20:06,605 --> 00:20:08,607 今でも夢に見るのよ。 309 00:20:08,607 --> 00:20:13,779 幼い頃から魔物で遊んでいたから 私的にはファンシーに感じるのよ。 310 00:20:13,779 --> 00:20:17,283 本当に悪趣味ね… まぁそれでね➡ 311 00:20:17,283 --> 00:20:20,286 帰り際 彼は私に言ったのよ。 312 00:20:20,286 --> 00:20:22,455 ((じゃあ またね。 313 00:20:22,455 --> 00:20:24,957 そのうち…。 えっ? 314 00:20:24,957 --> 00:20:28,461 そのうち 俺は消えるかもしれないから➡ 315 00:20:28,461 --> 00:20:31,630 リアンのこと よろしく頼む)) 316 00:20:31,630 --> 00:20:34,967 って…。 あなたに…。 317 00:20:34,967 --> 00:20:37,636 あなたによろしくされる 必要なんてないわよ! 318 00:20:37,636 --> 00:20:40,139 《彼は感づいていたのだろう。 319 00:20:40,139 --> 00:20:44,310 いつか私の手によって 最期を迎える日が来ることを。 320 00:20:44,310 --> 00:20:47,646 そして 心に決めていたのだろう。 321 00:20:47,646 --> 00:20:51,984 その日が来たら 私を悲しませないように➡ 322 00:20:51,984 --> 00:20:54,987 いつものままの自分で 別れを告げようと》 323 00:20:54,987 --> 00:20:57,656 (泣き声) 324 00:20:57,656 --> 00:21:00,326 うぅ… お代わり! 325 00:21:00,326 --> 00:21:03,329 ウフッ… 私もお代わりしよっと。 326 00:21:03,329 --> 00:21:07,833 一人で食べるよりも 断然おいしくカレーを食べられるわ。 327 00:21:07,833 --> 00:21:11,537 そう… ありがとね。 328 00:21:15,174 --> 00:21:18,010 (鳥の鳴き声) 329 00:21:18,010 --> 00:21:22,014 あら 晴れてる。 ホントだ。 330 00:21:22,014 --> 00:21:24,350 たまには うちにも食べにきてよ。 331 00:21:24,350 --> 00:21:27,853 タダならね。 いいわよ~ いくらでも。 332 00:21:27,853 --> 00:21:29,855 それじゃあ。 333 00:21:29,855 --> 00:21:39,632 ♬~ 334 00:21:39,632 --> 00:21:42,134 はむっ…。 335 00:21:42,134 --> 00:21:45,304 うんうん この味この味。 336 00:21:45,304 --> 00:21:47,973 俺の料理の腕前も なかなかでしょう? 337 00:21:47,973 --> 00:21:49,975 レシピがいいのでしょう。 338 00:21:51,977 --> 00:21:55,314 はむっ…。 339 00:21:55,314 --> 00:21:58,317 フフフ… お代わり いかがですか? 340 00:21:58,317 --> 00:22:02,154 んっ… 食べてあげても かまいませんよ。 341 00:22:02,154 --> 00:22:04,490 やった! じゃあ早速…。 342 00:22:04,490 --> 00:22:08,327 そのかわり。 えっ? 343 00:22:08,327 --> 00:22:11,997 こちらのお皿にお願いします。 344 00:22:11,997 --> 00:22:13,999 メガ盛り用!? 345 00:22:13,999 --> 00:22:16,168 た 食べますね~。 346 00:22:16,168 --> 00:22:18,671 まだ腹三分目です。